JP2017202945A - 一酸化珪素の製造装置及び製造方法 - Google Patents

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【課題】一酸化珪素蒸気雰囲気で使用しても安定的かつ効率的に一酸化珪素を製造することができ、かつ大型化が可能な一酸化珪素製造装置を提供する。【解決手段】二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を、不活性ガスもしくは減圧下1,100〜1,600℃の温度範囲で加熱し、一酸化珪素ガスを発生させ、該一酸化珪素ガスを1,000℃以下の基体表面に析出させる一酸化珪素の製造方法に用いられる一酸化珪素の製造装置であって、1,100〜1,600℃の一酸化珪素ガスが接触する部分が、熱分解窒化ほう素(PBN)である一酸化珪素の製造装置。【選択図】図1

Description

本発明は、包装フィルム蒸着用及びリチウムイオン2次電池負極活物質等として好適に用いられている一酸化珪素の製造装置及び製造方法に関する。
従来、一酸化珪素の製造方法としては、珪素と石英粉末を真空中・1,300℃で加熱保持し、一酸化珪素の気体を発生させ、この一酸化珪素の気体を450〜950℃へ加熱保持した蒸着管に析出させる方法(特許文献1:特公昭40−22050号公報)、二酸化珪素系酸化物粉末からなる原料混合物を減圧非酸化性雰囲気中で熱処理し、一酸化珪素蒸気を発生させ、この一酸化珪素蒸気を気相中で凝縮させて、0.1μm以下の微細アモルファス状の一酸化珪素粉末を連続的に製造する方法(特許文献2:特開昭63−103815号公報)、及び原料珪素を加熱蒸発させて、表面組織を粗とした基体の表面に蒸着させる方法(特許文献3:特開平9−110412号公報)が知られており、いずれも一酸化珪素蒸気を蒸着する方法にて製造されている。この場合、発生した一酸化珪素蒸気は非常に活性が高く、反応性が高いものであり、この一酸化珪素蒸気と接触する炉構成部材の選定は困難にもかかわらず、上記、従来技術においては、構成部材の材質にふれているものは無かった。
そこで、本発明者らは、この問題点に着目し、少なくとも二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を不活性ガスもしくは減圧下1,100〜1,600℃の温度範囲で加熱し、一酸化珪素ガスを発生させ、該一酸化珪素ガスを冷却した基体表面に析出させる一酸化珪素粉末の製造方法において、炉構成部材である反応室,搬送管及びヒーターの少なくとも1つがMo,W及び/又はそれらの化合物といった高融点金属あるいは、炭化珪素膜で黒鉛を被覆した黒鉛材によって形成した発明(特許文献4:特開2001−220124号公報)、あるいは、一酸化珪素ガスが接触する構成部材をC/Cコンポジット材で構成する発明(特許文献5:特開2009−091195号公報)を提案し、安定的な一酸化珪素製造を可能とした。
特公昭40−22050号公報 特開昭63−103815号公報 特開平9−110412号公報 特開2001−220124号公報 特開2009−091195号公報
しかしながら、上記特開2001−220124号公報に記載された方法は、従来の炉構成部材として黒鉛材を用いた方法に比べると、格段に損傷が少なくなるものの、Mo,Wといった高融点金属を使用した場合は高価であったり、所定形状の加工が困難といった問題があった。また、炭化珪素膜で黒鉛を被覆した黒鉛材の使用においても、熱履歴により炭化珪素膜は亀裂が入りやすく、偶発的に炭化珪素膜が剥離した場合に、晒された黒鉛材を起点として、損傷が起こる場合がある等、完全に満足のいく方法ではなかった。
また、上記特開2009−091195号公報に記載された方法においても、各段に一酸化珪素ガスとの耐性が向上するものの、本質的材質が黒鉛であるため、下記反応式による反応が起こってしまい、少しづつ劣化が進行し、長時間運転には耐えられないといった問題があった。
C(s)+SiO(g)→SiC(s)+CO(g)
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、一酸化珪素蒸気雰囲気で使用しても安定的かつ効率的に一酸化珪素を製造することができ、かつ大型化が可能な一酸化珪素製造装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、(1)耐熱性に優れる、(2)一酸化珪素ガスとの反応が起こらない、(3)加工性に優れ、大型化可能な材質といった特性に着目し、鋭意検討を行った。加えて、種々の高温部材のテストピースを用いた一酸化珪素ガス雰囲気での高温テストを行った。その結果、熱分解窒化ほう素(PBN)が一酸化珪素蒸気中での使用に十分耐え得るとの知見を得て、これを一酸化珪素ガスが接触する部分に熱分解窒化ほう素(PBN)を用いることで、安定して一酸化珪素が製造できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
従って、本発明は下記一酸化珪素の製造装置及び一酸化珪素の製造方法を提供する。
[1].二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を、不活性ガスもしくは減圧下1,100〜1,600℃の温度範囲で加熱し、一酸化珪素ガスを発生させ、該一酸化珪素ガスを1,000℃以下の基体表面に析出させる一酸化珪素の製造方法に用いられる一酸化珪素の製造装置であって、1,100〜1,600℃の一酸化珪素ガスが接触する部分が、熱分解窒化ほう素(PBN)である一酸化珪素の製造装置。
[2].上記製造装置が、内部が反応室となるマッフルと、このマッフル内に配置され、混合原料粉が収容される原料容器と、マッフルを取り囲んで配設され、上記反応室内を1,100〜1,600℃に加熱・保持するヒーターと、このヒーターの外側に配置された断熱材と、上記マッフルに連結されるガス搬送管と、このガス搬送管に連結され、1,000℃以下に設定可能な一酸化珪素析出部とを具備し、不活性ガスもしくは減圧下1,100〜1,600℃の温度で加熱することによって上記混合物により反応室内で発生した一酸化珪素ガスがガス搬送管を通って一酸化珪素析出部内の析出基体に固体状一酸化珪素として析出する一酸化珪素の製造装置であって、少なくとも上記マッフル、原料容器及びガス搬送管から選ばれる構成の1,100〜1,600℃の一酸化珪素ガスが接触する部分が、熱分解窒化ほう素(PBN)である、[1]記載の一酸化珪素の製造装置。
[3].1,100〜1,600℃の一酸化珪素ガスが接触する部分を含む構成の部材が、PBN材である[1]又は[2]記載の一酸化珪素の製造装置。
[4].1,100〜1,600℃の一酸化珪素ガスが接触する部分を含む構成の部材が、黒鉛材を母材とし、表面が熱分解窒化ほう素(PBN)でコーティングされたPBN材である[3]記載の一酸化珪素の製造装置。
[5].母材とする黒鉛材の熱膨張係数が1×10-6/K以上6×10-6/K以下である請求項[4]記載の一酸化珪素の製造装置。
[6].PBN材のPBNコーティングの膜厚が10〜500μmである[4]又は[5]記載の一酸化珪素の製造装置。
[7]. [1]〜[6]のいずれかに記載の製造装置を用いて、二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を、不活性ガスもしくは減圧下1,100〜1,600℃の温度範囲で加熱し、一酸化珪素ガスを発生させ、該一酸化珪素ガスを1,000℃以下の基体表面に析出させる一酸化珪素の製造方法。
本発明の一酸化珪素の製造装置によれば、一酸化珪素を効率的かつ安定的に製造することができ、かつ、大型化も容易であり、工業的規模の生産にも十分に応えられるものである。
本発明の一実施例に係る一酸化珪素の製造装置を示す概略断面図である。
本発明の一酸化珪素の製造装置は、二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を、不活性ガスもしくは減圧下1,100〜1600℃の温度範囲で加熱し、一酸化珪素ガスを発生させ、該一酸化珪素ガスを1,000℃以下の基体表面に析出させる一酸化珪素の製造方法に用いられる一酸化珪素の製造装置であって、1,100〜1,600℃の一酸化珪素ガスが接触する部分が、熱分解窒化ほう素(PBN)である一酸化珪素の製造装置である。
図1は、本発明の一実施例に係る一酸化珪素の製造装置を示すものである。以下、本発明の製造装置の好ましい例について記載する。図中1は反応装置であり、この反応装置1内にマッフル(保護容器)2が配設されている。なお、断熱材及びヒーターを一酸化珪素蒸気から遮断、保護する目的で、混合原料と断熱材及びヒーターの間にマッフルと呼ぶ保護容器を設置することが好ましい。このマッフル2内が反応室2aとして構成され、更にこのマッフル2内に(即ち、反応室2aに)原料容器3が配設され、この容器3内に原料4として、二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末が収容される。
混合原料粉末としては、二酸化珪素粉末とこれを還元する粉末との混合物が好ましい。具体的な還元粉末としては金属珪素化合物,炭素含有粉末が挙げられるが、特に金属珪素粉末を用いたものが、[1]反応性を高める、[2]収率を高めるといった点で効果的であり、好ましく用いられる。二酸化珪素粉末と還元粉末との混合割合は特に制限されないが、通常、二酸化珪素粉末に対する還元粉末のモル比で、1<(還元粉末/二酸化珪素粉末)<1.3(モル比)、特に1.05≦(還元粉末/二酸化珪素粉末)≦1.2(モル比)、さらには、1.05<(還元粉末/二酸化珪素粉末)<1.2(モル比)程度であることが好ましい。
上記マッフル2の外側方には、上記反応装置1内に存して、マッフル2を取り囲んでヒーター5が配設され、さらにヒーター5を取り囲んで、断熱材6が配設されており、ヒーター5に通電し、反応室2aを1,100〜1,600℃、好ましくは1,200〜1,500℃の温度に加熱・保持する。反応温度が1,100℃未満では反応が進行し難く、生産性が低下してしまうし、逆に1,600℃を超えると、混合原料粉末が溶融して、逆に反応性が低下したり、炉材の選定が困難になるおそれがある。
上記加熱により、原料混合物中の二酸化珪素が還元粉末により還元されて1,100〜1,600℃、好ましくは1,200〜1,500℃の一酸化珪素ガスが生成する。
炉内雰囲気は不活性ガスもしくは減圧下であるが、熱力学的に減圧下の方が反応性が高く、低温反応が可能となるため、減圧下で行うことが望ましい。なお、減圧度は、1〜3,000Paが好ましく、5〜1,000Paの範囲がより好ましい。
上記マッフル2は、その上端が開口し、この開口部にガス搬送管7が連結され、さらにこのガス搬送管7に一酸化珪素析出容器(析出基体)8が連結され、この析出基体8内が一酸化珪素析出ゾーン8aとして構成され、上記析出基体8の内壁面が一酸化珪素析出部9とされている。
上記反応室2a内で発生した一酸化珪素ガスは、ガス搬送管7を通過し、析出ゾーン8a内に流入し、1,000℃以下の温度域に設置された析出ゾーン8a内の析出基体8の析出部9上に冷却、固体状一酸化珪素が析出される。ここで、析出基体8の種類、材質は特に限定されず、1,000℃の温度に耐え得るものであれば特に問題ないが、加工性の面でSUSやモリブデン、タングステンといった高融点金属が好ましく用いられる。なお、析出ゾーン8aは1,000℃以下の温度範囲、通常、700〜1,000℃、特に800〜950℃の温度範囲に設定されていることが好ましく、析出ゾーン8aの温度が700℃未満では生成する固体状一酸化珪素(粒子)のBET比表面積が高くなり、取り出す際に酸化が生じて一酸化珪素としての純度が低下する(即ち、SiO2成分が混入する)場合がある。
なお、10は真空ポンプであり、この真空ポンプ10に連結された排気管11が上記析出ゾーン8aに連通されていることにより、上記真空ポンプ10の作動で、析出ゾーン8a、ガス搬送管7内及び反応室2aがそれぞれ所定の減圧度となるように減圧されるものである。
本発明においては、装置において、1,100〜1,600℃の一酸化珪素ガスが接触する部分が、熱分解窒化ほう素(PBN)である。例えば、少なくとも上記マッフル、原料容器及びガス搬送管、マッフルを設置しない場合のヒーターといった、装置の構成の一酸化珪素ガスと接触する部分が、熱分解窒化ほう素(PBN)であることが好ましい。
また、一酸化珪素ガスと接触する構成の部材を、熱分解窒化ほう素(PBN)部材とすることが好ましい。PBN材は特に限定されず、(1)無垢材、(2)他の母材にコーティングしたものが使用できるが、高強度かつ複雑形状の加工が容易な点で、(2)他の母材にコーティングしたものを用いることが好ましい。この場合、他の母材としては加工性の良好な黒鉛材を用いることが好ましい。
母材とする黒鉛材の熱膨張率は、1×10-6/K以上8×10-6/K以下とすることができるが、1×10-6/K以上6×10-6/K以下が好ましく、2×10-6/K以上5×10-6/K以下がより好ましい。PBNの熱膨張率が2×10-6/K以上4×10-6/K以下の熱膨張率を有するので、この範囲の熱膨張率の黒鉛材を用いることにより、熱膨張差によるクラック、剥離を抑制することができ、安定した製造運転が可能となる。ここで、熱膨張率は50〜800℃での測定値であり、熱膨張計例えば、アルバック理工製熱膨張計DL−7000Hにて測定することができる。
PBN無垢材は既知の方法にて作製することができる。例えば、一酸化珪素ガスと接触する構成、例えばマッフル形状をした黒鉛製の型材を用意してCVD(化学蒸着)炉内に設置し、真空ポンプで減圧状態、好適には1〜10Pa、4〜6Paとして、好適には1,600〜2,000℃、より好ましくは1,700〜1,900℃まで温度を加熱して、三塩化硼素ガス及びアンモニアガスを導入してこの型材に所望の厚さ、好適には500μm〜2mm、500μm〜1mmになるまで成膜する。その後、炉を冷却して型材から外すことでマッフル形状をしたPBN無垢材を得ることができる。
PBNコーティングは上記同様の方法にて作製することができる。例えば、一酸化珪素ガスと接触する構成、マッフル形状をした黒鉛材の熱膨張係数が1〜6×10-6/Kである母材を用意する。上記と同様にCVD炉内に設置し、真空ポンプで減圧状態、好適には1〜10Pa、4〜6Paとして、好適には1,600〜2,000℃、より好ましくは1,700〜1,900℃まで温度を加熱して、三塩化硼素ガス及びアンモニアガスを導入してこの母材に、所望の厚さになるまで成膜する。PBNコーティングの膜厚は8〜600μmにすることができるが、10〜500μmの範囲が好ましく、20〜400μmがより好ましい。薄すぎると、マイクロクラックが発生したり、一酸化珪素ガスによりPBNが消耗して期待したほどの寿命が得られないおそれがある。一方、厚すぎると、膜の熱応力が大きくなって、母材から剥離しやすくなり、母材が消耗してしまうおそれがある。このようにすることで、安定した一酸化珪素製造運転が可能となる。
また、例えば、一酸化珪素ガスと接触する構成を、熱膨張係数が1×10-6/K以上6×10-6/K以下の黒鉛材で作製し、装置を組み立てた後、CVD炉内を真空ポンプで減圧状態として、1,600〜2,000℃まで温度を加熱して、三塩化硼素ガス及びアンモニアガスを導入して上記構成に、所望の厚さになるまで成膜してもよい。各条件はPBNコーティングと同様である。
上記記載の製造装置を用いて、二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を、不活性ガスもしくは減圧下1,100〜1,600℃の温度範囲で加熱し、一酸化珪素ガスを発生させ、該一酸化珪素ガスを1,000℃以下の基体表面に析出させる一酸化珪素の製造方法を実施することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
図1に示す装置を用いて、一酸化珪素を製造した。ここで、マッフル2、原料容器3、ガス搬送管7は、黒鉛材(熱膨張係数;4×10-6/K)の表面に、厚さ300μmのPBNをコートした材料を用いた。条件は、上記黒鉛材からなる各マッフル2、原料容器3、ガス搬送管7の形状をした母材を、CVD炉内に設置し、真空ポンプで5Pa減圧状態として、1,800℃まで温度を加熱して、三塩化硼素ガス及びアンモニアガスを導入してこの母材にPBNをコートした。
原料は、二酸化珪素粉末と金属珪素粉末の等量モル混合粉末を用い、マッフル2の容積が0.5m3の反応炉内に20kg仕込んだ。次に真空ポンプ10を用いて炉内を100Pa以下に減圧した後、ヒーター5を通電し、1,420℃の温度に昇温・保持した。発生した一酸化珪素ガスは、上部に設置した析出ゾーンにて析出された。なお、析出ゾーン8aの内面が析出基体そのものとなり、材質はSUS製である。上記運転を5時間行った後、冷却を開始した。冷却終了後に、析出ゾーン8a内面の析出基体表面に析出した析出物を回収し、炉内の状態観察を行った。析出した一酸化珪素は、塊状物であり、約19kg回収できた。また、装置内観察においても特に変色、破損等問題がないことが確認され、以降30バッチ以上の運転を行ったが、変化は見られなかった。
[実施例2]
マッフル2、原料容器3、ガス搬送管7を、黒鉛材(熱膨張係数;8×10-6/K)表面に、厚さ300μmのPBNをコートした材料を用いた他は、実施例1と同様な方法で一酸化珪素を製造した。その結果、塊状析出物を約19kg回収できた。また、装置内観察においても特に変色、破損等は確認できなかった。但し、25バッチ目の運転にて、マッフル2内壁に一部PBNコートの剥離が見られた。
[実施例3]
マッフル2、原料容器3、ガス搬送管7を、黒鉛材(熱膨張係数;4×10-6/K)表面に、厚さ8μmのPBNをコートした材料を用いた他は、実施例1と同様な方法で一酸化珪素を製造した。その結果、塊状析出物を約19kg回収できた。また、装置内観察においても特に変色、破損等は確認できなかった。但し、38バッチ目の運転にて、マッフル2内壁に一部PBNコートの剥離が見られた。
[実施例4]
マッフル2、原料容器3、ガス搬送管7を、黒鉛材(熱膨張係数;4×10-6/K)表面に、厚さ600μmのPBNをコートした材料を用いた他は、実施例1と同様な方法で一酸化珪素を製造した。その結果、塊状析出物を約19kg回収できた。また、装置内観察においても特に変色、破損等は確認できなかった。但し、22バッチ目の運転にて、マッフル2内壁に一部PBNコートの剥離が見られた。
[比較例1]
マッフル2、原料容器3、ガス搬送管7を、黒鉛材とした他は、実施例と同じ条件で一酸化珪素を製造した。得られた一酸化珪素は、実施例と同様に塊状物であり、約19kg回収できた。一方、炉内観察では、黒鉛表面が一部緑色に変色しており、その後、5バッチ目にマッフル2が破損し、運転を中止せざるえなかった。以降、マッフル2を交換し、何度か運転を行ったが、いずれも3〜10バッチ目に、マッフル2、原料容器3、ガス搬送管7のいずれかが、破損し、以降の運転に耐えられるものではなかった。
1 反応装置
2 マッフル
2a 反応室
3 原料容器
4 原料
5 ヒーター
6 断熱材
7 ガス搬送管
8 析出容器(析出基体)
8a 析出ゾーン
9 析出部
10 真空ポンプ
11 排気管

Claims (7)

  1. 二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を、不活性ガスもしくは減圧下1,100〜1,600℃の温度範囲で加熱し、一酸化珪素ガスを発生させ、該一酸化珪素ガスを1,000℃以下の基体表面に析出させる一酸化珪素の製造方法に用いられる一酸化珪素の製造装置であって、1,100〜1,600℃の一酸化珪素ガスが接触する部分が、熱分解窒化ほう素(PBN)である一酸化珪素の製造装置。
  2. 上記製造装置が、内部が反応室となるマッフルと、このマッフル内に配置され、混合原料粉が収容される原料容器と、マッフルを取り囲んで配設され、上記反応室内を1,100〜1,600℃に加熱・保持するヒーターと、このヒーターの外側に配置された断熱材と、上記マッフルに連結されるガス搬送管と、このガス搬送管に連結され、1,000℃以下に設定可能な一酸化珪素析出部とを具備し、不活性ガスもしくは減圧下1,100〜1,600℃の温度で加熱することによって上記混合物により反応室内で発生した一酸化珪素ガスがガス搬送管を通って一酸化珪素析出部内の析出基体に固体状一酸化珪素として析出する一酸化珪素の製造装置であって、少なくとも上記マッフル、原料容器及びガス搬送管から選ばれる構成の1,100〜1,600℃の一酸化珪素ガスが接触する部分が、熱分解窒化ほう素(PBN)である、請求項1記載の一酸化珪素の製造装置。
  3. 1,100〜1,600℃の一酸化珪素ガスが接触する部分を含む構成の部材が、PBN材である請求項1又は2記載の一酸化珪素の製造装置。
  4. 1,100〜1,600℃の一酸化珪素ガスが接触する部分を含む構成の部材が、黒鉛材を母材とし、表面が熱分解窒化ほう素(PBN)でコーティングされたPBN材である請求項3記載の一酸化珪素の製造装置。
  5. 母材とする黒鉛材の熱膨張係数が1×10-6/K以上6×10-6/K以下である請求項4記載の一酸化珪素の製造装置。
  6. PBN材のPBNコーティングの膜厚が10〜500μmである請求項4又は5記載の一酸化珪素の製造装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の製造装置を用いて、二酸化珪素粉末を含む混合原料粉末を、不活性ガスもしくは減圧下1,100〜1,600℃の温度範囲で加熱し、一酸化珪素ガスを発生させ、該一酸化珪素ガスを1,000℃以下の基体表面に析出させる一酸化珪素の製造方法。
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