JP2012008532A - 近赤外線カットフィルターおよび近赤外線カットフィルターを用いた装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下記式(I)で表される化合物に由来する構造を有する化合物(I)を含有した樹脂製基板(I)を有することを特徴とする近赤外線カットフィルター。
Description
(i)Raはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、−NReRf基(ReおよびRfはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)、またはヒドロキシ基を表し、
Rbはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、−NRgRh基(RgおよびRhはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、または−C(O)Ri基(Riは炭素数1〜5のアルキル基を表す。))、またはヒドロキシ基を表し、
Yは−NRjRk基(RjおよびRkはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、任意の水素原子が官能基で置換された炭素数1〜8の置換脂肪族炭化水素基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または任意の水素原子がアルキル基で置換された炭素数6〜12の置換芳香族炭化水素基を表す。)を表す。
(ii)1つのベンゼン環上の2つのRaのうちの1つが、同じベンゼン環上のYと相互に結合して、構成原子数5または6の窒素原子を少なくとも1つ含む複素環を形成し、
Rbおよび該結合に関与しないRaはそれぞれ独立に前記(i)のRbおよびRaと同義である。]
(A)波長430〜580nmの範囲において、近赤外線カットフィルターの垂直方向から測定した場合の透過率の平均値が75%以上
(B)波長800〜1000nmにおいて、近赤外線カットフィルターの垂直方向から測定した場合の透過率の平均値が20%以下
(C)800nm以下の波長領域において、近赤外線カットフィルターの垂直方向から測定した場合の透過率が70%となる最も長い波長(Xa)と、波長580nm以上の波長領域において、近赤外線カットフィルターの垂直方向から測定した場合の透過率が30%となる最も短い波長(Xb)との差の絶対値が75nm未満
(D)波長560〜800nmの範囲において、近赤外線カットフィルターの垂直方向から測定した場合の透過率が50%となる波長の値(Ya)と、近赤外線カットフィルターの垂直方向に対して30°の角度から測定した場合の透過率が50%となる波長の値(Yb)の差の絶対値が15nm未満
(E)波長600〜800nmに吸収極大がある
(F)波長430〜800nmの波長領域において、基板の垂直方向から測定した場合の透過率が70%となる、吸収極大以下で最も長い波長(Za)と、波長580nm以上の波長領域において、基板の垂直方向から測定した場合の透過率が30%となる最も短い波長(Zb)との差の絶対値が75nm未満
(i')水素原子
(ii')ハロゲン原子
(iii')トリアルキルシリル基
(iv')酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子を含む連結基を有する、置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(v')置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(vi')極性基(但し(iv')を除く)
(vii')Rx1とRx2またはRx3とRx4とが、相互に結合して形成されたアルキリデン基を表し、該結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表す
(viii')Rx1とRx2またはRx3とRx4とが、相互に結合して形成された単環もしくは多環の炭化水素環または複素環を表し、該結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表すか、Rx2とRx3とが、相互に結合して形成された単環の炭化水素環または複素環を表し、該結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表す
(ix')Ry1とRy2とが、相互に結合して形成された単環または多環の脂環式炭化水素、芳香族炭化水素または複素環を表す
本発明に係る固体撮像装置およびカメラモジュールは、前記近赤外線カットフィルターを具備することを特徴とする。
また、本発明によれば、固体撮像装置およびカメラモジュール等を薄型化および小型化することができる。
本発明に係る近赤外線カットフィルターは、下記式(I)で表されるスクエアリリウム構造を有する化合物(以下「化合物(I')」ともいう。)に由来する構造を有する化合物(I)を含有した樹脂製基板(I)を有することを特徴とし、下記樹脂製基板(I)と下記近赤外線反射膜とを有することが好ましい。
近赤外線カットフィルターは、このような樹脂製基板を有することで、特に、入射角依存性の小さい近赤外線カットフィルターとなる。
前記樹脂製基板(I)は化合物(I)を含んでなり、下記(E)および(F)を満たすことが好ましい。
基板の吸収極大波長がこのような範囲にあれば、該基板は、近赤外線を選択的に効率よくカットすることができる。
前記化合物(I)は、化合物(I')に由来する構造を有する。なお、化合物(I)は、スクエアリリウム構造を有する染料であることが好ましい。
(i)Raはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、−NReRf基(ReおよびRfはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)、またはヒドロキシ基を表し、
Rbはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、−NRgRh基(RgおよびRhはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、または−C(O)Ri基(Riは炭素数1〜5のアルキル基を表す。))、またはヒドロキシ基を表し、
Yは−NRjRk基(RjおよびRkはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、任意の水素原子が官能基で置換された炭素数1〜8の置換脂肪族炭化水素基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または任意の水素原子がアルキル基で置換された炭素数6〜12の置換芳香族炭化水素基を表す。)を表す。
(ii)1つのベンゼン環上の2つのRaのうちの1つが、同じベンゼン環上のYと相互に結合して、構成原子数5または6の窒素原子を少なくとも1つ含む複素環を形成し、Rbおよび該結合に関与しないRaはそれぞれ独立に前記(i)のRbおよびRaと同義である。
本発明で用いる樹脂製基板(I)は化合物(I)と樹脂とを含んでなればよく、該樹脂としては透明樹脂が好ましい。このような樹脂としては、本発明の効果を損なわないものである限り特に制限されないが、例えば、熱安定性およびフィルムへの成形性を確保し、かつ、100℃以上の蒸着温度で行う高温蒸着により誘電体多層膜を形成しうるフィルムとするため、ガラス転移温度(Tg)が、好ましくは110〜380℃、より好ましくは110〜370℃、さらに好ましくは120〜360℃である樹脂が挙げられる。また、樹脂のガラス転移温度が、120℃以上、好ましくは130℃以上、さらに好ましくは140℃以上である場合には、誘電体多層膜をより高温で蒸着形成し得るフィルムが得られるため望ましい。
また、樹脂として、特にノルボルネン系樹脂または芳香族ポリエーテル系樹脂を用いると、前記化合物(I)のノルボルネン系樹脂への分散性が良好であるため、光学特性が均一な、成形加工性に優れる基板を得ることができる。
本発明に用いられる透明樹脂として、環状オレフィン系樹脂が挙げられる。環状オレフィン系樹脂としては、特に制限されないが、例えば、下記式(X0)で表される単量体および下記式(Y0)で表される単量体からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体を重合することで得られる樹脂、または必要に応じてさらに前記で得られた樹脂を水素添加することで得られる樹脂を用いることができる。
(i')水素原子
(ii')ハロゲン原子
(iii')トリアルキルシリル基
(iv')酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子を含む連結基を有する、置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(v')置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(vi')極性基(但し(iv')を除く)
(vii')Rx1とRx2またはRx3とRx4とが、相互に結合して形成されたアルキリデン基を表し、該結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表す
(viii')Rx1とRx2またはRx3とRx4とが、相互に結合して形成された単環もしくは多環の炭化水素環または複素環を表し、該結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表すか、Rx2とRx3とが、相互に結合して形成された単環の炭化水素環または複素環を表し、該結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表す
(ix')Ry1とRy2とが、相互に結合して形成された単環または多環の脂環式炭化水素、芳香族炭化水素または複素環を表す
これらの中でも赤外線反射膜との接着性や密着性に優れるといった点、化合物(I)の分散性や溶解性の点でカルボニルオキシ基(*−COO−)およびシロキサン結合(−OSi(R)2−)が好ましい。但し*が式(X0)の環に結合するものとする。
置換基としては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
・ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン(ノルボルネン)
・5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−プロピルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−t−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−ペンチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−ヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−ヘプチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−オクチルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−デシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−ドデシルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−(4−ビフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−フェノキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−フェノキシエチルカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−フェニルカルボニルオキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−メチル−5−フェノキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−メチル−5−フェノキシエチルカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−トリメトキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−トリエトキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−フルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−クロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−ブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5,6−ジフルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5,6−ジクロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5,6−ジブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−ヒドロキシエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・5−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン
・トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン
・7−メチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−エチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−シクロヘキシル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−フェニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−(4−ビフェニル)−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7,8−ジメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7,8,9−トリメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・8−メチル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン
・8−フェニル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン
・7−フルオロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−クロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−ブロモ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7,8−ジクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7,8,9−トリクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−クロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−ジクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−トリクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−ヒドロキシ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−シアノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・7−アミノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン
・ペンタシクロ[7.4.0.12,5.18,11.07,12]ペンタデカ−3−エン
・8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−(4−ビフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−フェニルカルボニルオキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−メチル−8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−メチル−8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8,8−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8,9−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−フルオロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−クロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−ブロモ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8,8−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8,9−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8,8,9,9−テトラクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−ヒドロキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−メチル−8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−シアノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
・8−アミノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン
なお、これら環状オレフィン系単量体は1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(式(Z0)中、Rは置換または非置換の炭素原子数1〜15の炭化水素基を表し、zは0または1〜10の整数を表す。)
これらの共重合可能な単量体は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
本発明に用いられる透明樹脂として、芳香族ポリエーテル系樹脂が挙げられる。芳香族ポリエーテル系樹脂としては、特に制限されないが、例えば、下記式(1)で表わされる構造単位(以下「構造単位(1)」ともいう。)および下記式(2)で表わされる構造単位(以下「構造単位(2)」ともいう。)からなる群より選ばれる少なくとも一つの構造単位(以下「構造単位(1−2)」ともいう。)を有する樹脂(以下「樹脂(1)」ともいう。)であることが好ましい。このような樹脂から得られる基板は、優れた耐熱性および力学的強度に優れ、さらに、透明性および表面平滑性等に優れる。
炭素数1〜12の1価の有機基としては、前記式(1)における炭素数1〜12の1価の有機基と同様の有機基等を挙げることができる。
ここで、力学的特性とは、樹脂の引張強度、破断伸びおよび引張弾性率等の性質のことをいう。
炭素数1〜12の1価の有機基としては、前記式(1)における炭素数1〜12の1価の有機基と同様の有機基等を挙げることができる。
ここで、力学的特性とは、樹脂の引張強度、破断伸びおよび引張弾性率等の性質のことをいう。
但し、mが0の時、R7はシアノ基ではない。
また、(B)成分は、必要に応じて下記式(8)で表わされる化合物を含むことが好ましい。化合物(6)は、(B)成分100モル%中に、50モル%〜100モル%含まれていることが好ましく、80モル%〜100モル%含まれていることがより好ましく、90モル%〜100モル%含まれていることがさらに好ましい。
方法(I'):
(B)成分を有機溶媒中でアルカリ金属化合物と反応させて、(B)成分(化合物(6)および/または化合物(8)等)のアルカリ金属塩を得た後に、得られたアルカリ金属塩と、(A)成分とを反応させる。なお、(B)成分とアルカリ金属化合物との反応を(A)成分の存在下で行うことで、(B)成分のアルカリ金属塩と(A)成分とを反応させることもできる。
前記樹脂(1)のガラス転移温度は、例えばRigaku社製8230型DSC測定装置(昇温速度20℃/分)やエスアイアイ・ナノテクノロジーズ株式会社製の示差走査熱量計(DSC6200)(昇温速度20℃/分)などを用いて測定される。
本発明に用いることができる透明樹脂として、ポリイミド樹脂を挙げることができる。
前記ポリイミド樹脂としては、特に制限されず、繰り返し単位にイミド結合を含む高分子であれば良く、たとえば特開2008−163107に挙げられている方法で合成することができる。
前記樹脂製基板(I)には、本発明の効果を損なわない範囲において、さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、近赤外線を吸収する染料や顔料、および金属錯体系化合物等の添加剤を添加することができる。また、後述する溶液キャスティング法により樹脂製基板(I)を製造する場合には、レベリング剤や消泡剤を添加することで樹脂製基板(I)の製造を容易にすることができる。これらその他成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いる樹脂製基板(I)は、例えば、溶融成形、キャスト成形により形成することができ、必要により、成形後に、反射防止剤、ハードコート剤および/または帯電防止剤等のコーティング剤をコーティングする方法により製造することができる。
前記樹脂製基板(I)は、前記樹脂と化合物(I)および/または化合物(I')とを溶融混練りして得られたペレットを溶融成形する方法;前記樹脂と化合物(I)および/または化合物(I')とを含有する樹脂組成物を溶融成形する方法;化合物(I)および/または化合物(I')、前記樹脂、ならびに溶媒を含む樹脂組成物から溶媒を除去して得られたペレットを溶融成形する方法などにより製造することができる。溶融成形方法としては、例えば、射出成形、溶融押出成形あるいはブロー成形などを挙げることができる。
前記樹脂製基板(I)は、化合物(I)および/または化合物(I')、前記樹脂、ならびに溶媒を含む樹脂組成物を適当な基材の上にキャスティングして溶媒を除去すること、反射防止剤、ハードコート剤および/または帯電防止剤等のコーティング剤ならびに化合物(I)および/または化合物(I')を含む樹脂組成物を適当な基材の上にコーティングすること、反射防止剤、ハードコート剤および/または帯電防止剤等のコーティング剤ならびに化合物(I)および/または化合物(I')を含む硬化性組成物を適当な基材の上にコーティングして硬化、乾燥させることなどにより製造することもできる。
本発明に用いられる近赤外線反射膜は、近赤外線を反射する能力を有する膜である。このような近赤外線反射膜としては、アルミ蒸着膜、貴金属薄膜、酸化インジウムを主成分とし酸化錫を少量含有させた金属酸化物微粒子を分散させた樹脂膜、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層した誘電体多層膜などを用いることができる。
本発明の近赤外線カットフィルターは、本発明の効果を損なわない範囲において、樹脂製基板(I)と誘電体多層膜等の近赤外線反射膜の間、樹脂製基板(I)の近赤外線反射膜が設けられた面と反対側の面、または近赤外線反射膜の樹脂製基板(I)が設けられた面と反対側の面に、樹脂製基板(I)の表面硬度の向上、耐薬品性の向上、帯電防止および傷消しなどの目的で、反射防止膜、ハードコート膜や帯電防止膜などの機能膜を適宜設けることができる。本発明の近赤外線カットフィルターは、前記機能膜からなる層を1層含んでもよく、2層以上含んでもよい。本発明の近赤外線カットフィルターが前記機能膜からなる層を2層以上含む場合には、同様の層を2層以上含んでもよいし、異なる層を2層以上含んでもよい。
前記(メタ)アクリルエステル類の具体例としては、例えば、
イソボルニル(メタ)アクリレート、
ボルニル(メタ)アクリレート、
トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
ベンジル(メタ)アクリレート、
4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、
アクリロイルモルホリン、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、
イソプロピル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、
アミル(メタ)アクリレート、
イソブチル(メタ)アクリレート、
t−ブチル(メタ)アクリレート、
ペンチル(メタ)アクリレート、
イソアミル(メタ)アクリレート、
へキシル(メタ)アクリレート、
ヘプチル(メタ)アクリレート、
オクチル(メタ)アクリレート、
イソオクチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
ノニル(メタ)アクリレート、
デシル(メタ)アクリレート、
イソデシル(メタ)アクリレート、
ウンデシル(メタ)アクリレート、
ドデシル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレート、
ステアリル(メタ)アクリレート、
イソステアリル(メタ)アクリレート、
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、
ブトキシエチル(メタ)アクリレート、
エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、
エトキシエチル(メタ)アクリレート、
メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、
ジアセトン(メタ)アクリルアミド、
イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、
t−オクチル(メタ)アクリルアミド、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、
フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)アクリレート、
フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、
3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、
4−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、
p−クミルフェノールエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート、
2−ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、
4−ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、
2,4−ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、
2,6−ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、
2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、
ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
グリセリントリ(メタ)アクリレート、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンタニロキシエチル(メタ)アクリレート、
イソボロニル(メタ)アクリレート、
トリシクロデカンジイルジメタノールジ(メタ)アクリレート、
トリシクロデカンメタノールジ(メタ)アクリレート、
トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、
テトラシクロデカンジイルジメタジ(メタ)アクリレート、
これらの化合物を製造する際の出発アルコール類のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類、
分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、および、
オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、
を挙げることができるが、これらの例示に限定されるものではない。これら成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。さらにポリエステル(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはポリマーを配合してもよい。
重合開始剤の具体例としては、特に限定されないが、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、
キサントン、
フルオレノン、
ベンズアルデヒド、
アントラキノン、
トリフェニルアミン、
カルバゾール、
3−メチルアセトフェノン、
4−クロロベンゾフェノン、
4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、
4,4'−ジアミノベンゾフェノン、
ミヒラーケトン、
ベンゾインプロピルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、
ベンジルジメチルケタール、
1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
チオキサントン、
ジエチルチオキサントン、
2−イソプロピルチオキサントン、
2−クロロチオキサントン、
2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、
ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォフフィンオキシドが挙げられる。
これらの中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましい。
これら重合開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の近赤外線カットフィルターは、その光線透過率が、下記(A)〜(D)を満たすことが好ましい。
本発明においては、近赤外線カットフィルターを上下左右から見た場合に、どの位の角度まで画面を正常に見ることが可能かを示す指標のことをいう。
本発明で得られる近赤外線カットフィルターは、視野角が広く、優れた近赤外線カット能等を有する。したがってカメラモジュールのCCDやCMOSなどの固体撮像素子の視感度補正用として有用である。特に、デジタルスチルカメラ、携帯電話用カメラ、デジタルビデオカメラ、PCカメラ、監視カメラ、自動車用カメラ、テレビ、カーナビ、携帯情報端末、パソコン、ビデオゲーム、医療機器、USBメモリー、携帯ゲーム機、指紋認証システム、デジタルミュージックプレーヤー、玩具ロボットおよびおもちゃ等に有用である。さらに、自動車や建物などのガラス等に装着される熱線カットフィルターなどとしても有用である。
図1(a)は、従来のカメラモジュールの構造の断面概略図であり、図1(b)は、本発明で得られる近赤外線カットフィルター6'を用いた場合の、とり得ることができるカメラモジュールの構造の一つを表す断面概略図である。
東ソ−製のHタイプカラムが装着された、ウオターズ(WATERS)社製のゲルパーミエ−ションクロマトグラフィー(GPC)装置(150C型)を用い、o−ジクロロベンゼン溶媒、120℃の条件で、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)を測定した。
エスアイアイ・ナノテクノロジーズ株式会社製の示差走査熱量計(DSC6200)を用いて、昇温速度:毎分20℃、窒素気流下で測定した。
ASTM D570に準拠し、合成例で得られた樹脂から厚さ3mm、縦50mm、横50mmの試験片を作成し、得られた試験片を23℃の水中に1週間浸漬させた後、試験片の重量変化より吸水率を測定した。
株式会社日立ハイテクノロジーズ製の分光光度計(U−4100)を用いて測定した。
下記式(a)で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(以下「DNM」ともいう。)100部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部と、トルエン(開環重合反応用溶媒)300部とを、窒素置換した反応容器に仕込み、この溶液を80℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒として、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.6mol/リットル)0.2部と、メタノール変性の六塩化タングステンのトルエン溶液(濃度0.025mol/リットル)0.9部とを添加し、この溶液を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であった。
十分に乾燥し、窒素置換した1リットルのステンレス製オートクレーブに水分6ppmの脱水されたシクロヘキサン;420.4g、p−キシレン;180.2g、5−トリメトキシシリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン;48.75ミリモル(10.43g)、およびビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン;1,425ミリモル(134.1g)を仕込み、ガス状のエチレンをオートクレーブ内圧が0.1MPaになるように仕込んだ。その後、オートクレーブを75℃に加温した。
温度計、撹拌器、窒素導入管、側管付き滴下ロート、ディーンスターク管、冷却管を備えた500mLの5つ口フラスコに、窒素気流下、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル10.0重量部(0.05モル)を、溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン85重量部に溶解させた後、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物11.2重量部(0.05モル)を室温にて固体のまま1時間かけて分割投入し、室温下2時間撹拌した。
3Lの4つ口フラスコに2,6−ジフルオロベンゾニトリル 35.12g(0.253mol)、9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン125.65g(0.250mol)、炭酸カリウム41.46g(0.300mol)、N,N−ジメチルアセトアミド(以下、「DMAc」ともいう。)443gおよびトルエン111gを添加した。続いて、4つ口フラスコに温度計、撹拌機、窒素導入管付き三方コック、ディーンスターク管および冷却管を取り付けた。
室温(25℃)まで冷却後、生成した塩をろ紙で除去し、ろ液をメタノールに投じて再沈殿させ、ろ別によりろ物(残渣)を単離した。得られたろ物を60℃で一晩真空乾燥し、白色粉末D(以下、樹脂Dという)を得た(収量95.67g、収率95%)。
9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン125.65g(0.250mol)の代わりに、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン87.60g(0.250mol)を使用した以外は合成例4と同様に合成を行い、樹脂Eを得た。樹脂Eの分子量は数平均分子量(Mn)が75,000、重量平均分子量(Mw)が188,000であり、ガラス転移温度(Tg)は285℃であった。
9,9−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン125.65g(0.250mol)の代わりに、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン78.84g(0.225mol)および9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン6.71g(0.025mol)を使用した以外は合成例4と同様に合成を行い、樹脂Fを得た。樹脂Fの分子量は数平均分子量(Mn)が36,000、重量平均分子量(Mw)が78,000であり、ガラス転移温度(Tg)は260℃であった。
2,6−ジフルオロベンゾニトリル 35.12g(0.253mol)の代わりに、4,4−ジフルオロジフェニルスルホン(DFDS)78.84g(0.250mol)を使用した以外は合成例4と同様に合成を行い、樹脂Gを得た。樹脂Gの分子量は数平均分子量(Mn)が37,000、重量平均分子量(Mw)が132,000であり、ガラス転移温度(Tg)は265℃であった。
容器に、JSR株式会社製の環状オレフィン系樹脂「アートン G」100重量部、スクエアリリウム系化合物「a−10」0.04重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20重量%の溶液(ex1)を得た。
次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
この結果を表1に示す。
実施例1で得られた、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板の片面に、蒸着温度100℃で近赤外線を反射する多層蒸着膜〔シリカ(SiO2:膜厚120〜190nm)層とチタニア(TiO2:膜厚70〜120nm)層とが交互に積層されてなるもの,積層数40〕を形成し、厚さ0.104mmの近赤外線カットフィルターを得た。さらに、実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
容器に、JSR株式会社製の環状オレフィン系樹脂「アートン G」100重量部、スクエアリリウム系化合物「a−10」0.02重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。結果を表1に示す。
容器に、JSR株式会社製の環状オレフィン系樹脂「アートン G」100重量部、スクエアリリウム系化合物「a−10」0.04重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.109mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
容器に、日本ゼオン株式会社製の環状オレフィン系樹脂「ゼオノア 1420R」100重量部、スクエアリリウム系化合物「a−10」0.40重量部、さらにシクロヘキサンとキシレンの7:3混合溶液を加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、60℃で8時間、80℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で24時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
容器に、三井化学株式会社製の環状オレフィン系樹脂「APEL #6015」100重量部、スクエアリリウム系化合物「a−10」0.24重量部、さらにシクロヘキサンと塩化メチレンの99:1混合溶液を加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、40℃で4時間、60℃で4時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
容器に、帝人株式会社製のポリカーボネート樹脂「ピュアエース」100重量部、スクエアリリウム系化合物「a−10」0.02重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
容器に、住友ベークライト株式会社製のポリエーテルサルホン「FS−1300」100重量部、スクエアリリウム系化合物「a−10」0.05重量部、さらにN-メチル−2−ピロリドンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、60℃で4時間、80℃で4時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下120℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
JSR株式会社製の環状オレフィン系樹脂「アートン G」の代わりに合成例1で得た樹脂Aを用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
容器に、合成例2で得た樹脂B100重量部、スクエアリリウム系化合物「a−10」0.24重量部、さらにトルエンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下120℃で8時間乾燥したこと以外は実施例1と同様にして、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
容器に、合成例3で得たポリイミド溶液C100重量部、およびスクエアリリウム系化合物「a−10」をポリイミド溶液Cの固形分100重量部に対して0.05重量部加え、固形分が18%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、60℃で4時間、80℃で4時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下120℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
容器に、合成例4で得た樹脂D100重量部、スクエアリリウム系化合物「a−10」0.05重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した樹脂をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
容器に、合成例5で得た樹脂E100重量部、スクエアリリウム系化合物「a−10」0.05重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した樹脂をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
容器に、合成例6で得た樹脂F100重量部、スクエアリリウム系化合物「a−10」0.05重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した樹脂をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
容器に、合成例7で得た樹脂G100重量部、スクエアリリウム系化合物「a−10」0.05重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した樹脂をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
容器に、合成例1で得た樹脂A100重量部、スクエアリリウム系化合物「a−10」0.04重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した樹脂をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
溶液(ex1)の代わりに、合成例1で得た樹脂Aを塩化メチレンに溶解して得た樹脂濃度が20%の溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
スクエアリリウム系化合物「a−10」の代わりにスクエアリリウム構造を有さないニッケル錯体化合物であるSIR159(三井化学株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
スクエアリリウム系化合物「a−10」の代わりにスクエアリリウム構造を有さないシアニン系色素であるSDB3535(H.W.SANDS社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
2:レンズ鏡筒
3:フレキシブル基板
4:中空パッケージ
5:レンズ
6:近赤外線カットフィルター
6':本発明で得られる近赤外線カットフィルター
7:CCDまたはCMOSイメージセンサー
8:近赤外線カットフィルター
9:分光光度計
(i)Raはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、−NReRf基(ReおよびRfはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)、またはヒドロキシ基を表し、
Rbはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、−NRgRh基(RgおよびRhはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、または−C(O)Ri基(Riは炭素数1〜5のアルキル基を表す。))、またはヒドロキシ基を表し、
Yは−NRjRk基(RjおよびRkはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、任意の水素原子が官能基で置換された炭素数1〜8の置換脂肪族炭化水素基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または任意の水素原子がアルキル基で置換された炭素数6〜12の置換芳香族炭化水素基を表す。)を表す。
(ii)1つのベンゼン環上の2つのRaのうちの1つが、同じベンゼン環上のYと相互に結合して、構成原子数5または6の窒素原子を少なくとも1つ含む複素環を形成し、
Rbおよび該結合に関与しないRaはそれぞれ独立に前記(i)のRbおよびRaと同義である。]
(ix')Ry1とRy2とが、相互に結合して形成された単環または多環の脂環式炭化水素、芳香族炭化水素または複素環を表す
本発明に係る近赤外線カットフィルターは、下記式(I)で表されるスクアリリウム構造を有する化合物(以下「化合物(I')」ともいう。)に由来する構造を有する化合物(I)を含有した樹脂製基板(I)を有することを特徴とし、下記樹脂製基板(I)と下記近赤外線反射膜とを有することが好ましい。
近赤外線カットフィルターは、このような樹脂製基板を有することで、特に、入射角依存性の小さい近赤外線カットフィルターとなる。
前記化合物(I)は、化合物(I')に由来する構造を有する。なお、化合物(I)は、スクアリリウム構造を有する染料であることが好ましい。
(ix')Ry1とRy2とが、相互に結合して形成された単環または多環の脂環式炭化水素、芳香族炭化水素または複素環を表す
これらの中でも近赤外線反射膜との接着性や密着性に優れるといった点、化合物(I)の分散性や溶解性の点でカルボニルオキシ基(*−COO−)およびシロキサン結合(−OSi(R)2−)が好ましい。但し*が式(X0)の環に結合するものとする。
前記(メタ)アクリルエステル類の具体例としては、例えば、
イソボルニル(メタ)アクリレート、
ボルニル(メタ)アクリレート、
トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、
ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
ベンジル(メタ)アクリレート、
4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、
アクリロイルモルホリン、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、
プロピル(メタ)アクリレート、
イソプロピル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、
アミル(メタ)アクリレート、
イソブチル(メタ)アクリレート、
t−ブチル(メタ)アクリレート、
ペンチル(メタ)アクリレート、
イソアミル(メタ)アクリレート、
へキシル(メタ)アクリレート、
ヘプチル(メタ)アクリレート、
オクチル(メタ)アクリレート、
イソオクチル(メタ)アクリレート、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
ノニル(メタ)アクリレート、
デシル(メタ)アクリレート、
イソデシル(メタ)アクリレート、
ウンデシル(メタ)アクリレート、
ドデシル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレート、
ステアリル(メタ)アクリレート、
イソステアリル(メタ)アクリレート、
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、
ブトキシエチル(メタ)アクリレート、
エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、
エトキシエチル(メタ)アクリレート、
メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、
メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、
ジアセトン(メタ)アクリルアミド、
イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、
t−オクチル(メタ)アクリルアミド、
ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、
N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、
N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、
フェノキシ−2−メチルエチル(メタ)アクリレート、
フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、
3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
2−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、
4−フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、
p−クミルフェノールエチレンオキシド変性(メタ)アクリレート、
2−ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、
4−ブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、
2,4−ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、
2,6−ジブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、
2,4,6−トリブロモフェノキシエチル(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、
ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
グリセリントリ(メタ)アクリレート、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート
1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ジシクロペンタニロキシエチル(メタ)アクリレート、
トリシクロデカンジイルジメタノールジ(メタ)アクリレート、
トリシクロデカンメタノール(メタ)アクリレート、
トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、
テトラシクロデカンジイルジメタノールジ(メタ)アクリレート、
これらの化合物を製造する際の出発アルコール類のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類、
分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有するオリゴエステル(メタ)アクリレート類、および、
オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、
を挙げることができるが、これらの例示に限定されるものではない。これら成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。さらにポリエステル(メタ)アクリレート等のオリゴマーまたはポリマーを配合してもよい。
重合開始剤の具体例としては、特に限定されないが、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、
キサントン、
フルオレノン、
ベンズアルデヒド、
アントラキノン、
トリフェニルアミン、
カルバゾール、
3−メチルアセトフェノン、
4−クロロベンゾフェノン、
4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、
4,4'−ジアミノベンゾフェノン、
ミヒラーケトン、
ベンゾインプロピルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、
ベンジルジメチルケタール、
1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、
チオキサントン、
ジエチルチオキサントン、
2−イソプロピルチオキサントン、
2−クロロチオキサントン、
2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、
ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキシドが挙げられる。
これらの中でも、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましい。
これら重合開始剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
容器に、JSR株式会社製の環状オレフィン系樹脂「アートン G」100重量部、スクアリリウム系化合物「a−10」0.04重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20重量%の溶液(ex1)を得た。
次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
容器に、JSR株式会社製の環状オレフィン系樹脂「アートン G」100重量部、スクアリリウム系化合物「a−10」0.02重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。結果を表1に示す。
容器に、JSR株式会社製の環状オレフィン系樹脂「アートン G」100重量部、スクアリリウム系化合物「a−10」0.04重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
容器に、日本ゼオン株式会社製の環状オレフィン系樹脂「ゼオノア 1420R」100重量部、スクアリリウム系化合物「a−10」0.40重量部、さらにシクロヘキサンとキシレンの7:3混合溶液を加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、60℃で8時間、80℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で24時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
容器に、三井化学株式会社製の環状オレフィン系樹脂「APEL #6015」100重量部、スクアリリウム系化合物「a−10」0.24重量部、さらにシクロヘキサンと塩化メチレンの99:1混合溶液を加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、40℃で4時間、60℃で4時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
容器に、帝人株式会社製のポリカーボネート樹脂「ピュアエース」100重量部、スクアリリウム系化合物「a−10」0.02重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
容器に、住友ベークライト株式会社製のポリエーテルサルホン「FS−1300」100重量部、スクアリリウム系化合物「a−10」0.05重量部、さらにN-メチル−2−ピロリドンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、60℃で4時間、80℃で4時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下120℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
容器に、合成例2で得た樹脂B100重量部、スクアリリウム系化合物「a−10」0.24重量部、さらにトルエンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下120℃で8時間乾燥したこと以外は実施例1と同様にして、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
容器に、合成例3で得たポリイミド溶液C100重量部、およびスクアリリウム系化合物「a−10」をポリイミド溶液Cの固形分100重量部に対して0.05重量部加え、固形分が18%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、60℃で4時間、80℃で4時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した塗膜をさらに減圧下120℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
容器に、合成例4で得た樹脂D100重量部、スクアリリウム系化合物「a−10」0.05重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した樹脂をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
容器に、合成例5で得た樹脂E100重量部、スクアリリウム系化合物「a−10」0.05重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した樹脂をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
容器に、合成例6で得た樹脂F100重量部、スクアリリウム系化合物「a−10」0.05重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した樹脂をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
容器に、合成例7で得た樹脂G100重量部、スクアリリウム系化合物「a−10」0.05重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した樹脂をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
容器に、合成例1で得た樹脂A100重量部、スクアリリウム系化合物「a−10」0.04重量部、さらに塩化メチレンを加えることで、樹脂濃度が20%の溶液を得た。次いで、係る溶液を平滑なガラス板上にキャストし、20℃で8時間乾燥した後、ガラス板から剥離した。剥離した樹脂をさらに減圧下100℃で8時間乾燥して、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
スクアリリウム系化合物「a−10」の代わりにスクアリリウム構造を有さないニッケル錯体化合物であるSIR159(三井化学株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
スクアリリウム系化合物「a−10」の代わりにスクアリリウム構造を有さないシアニン系色素であるSDB3535(H.W.SANDS社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、厚さ0.1mm、縦60mm、横60mmの基板を得た。
さらに、実施例1と同様にしてこの基板から厚さ0.105mmの近赤外線カットフィルターを製造した。実施例1と同様の評価を行った結果を表1に示す。
Claims (12)
- 下記式(I)で表される化合物に由来する構造を有する化合物(I)を含有した樹脂製基板(I)を有することを特徴とする近赤外線カットフィルター。
(i)Raはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、−NReRf基(ReおよびRfはそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)、またはヒドロキシ基を表し、
Rbはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、−NRgRh基(RgおよびRhはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、または−C(O)Ri基(Riは炭素数1〜5のアルキル基を表す。))、またはヒドロキシ基を表し、
Yは−NRjRk基(RjおよびRkはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素基、任意の水素原子が官能基で置換された炭素数1〜8の置換脂肪族炭化水素基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、または任意の水素原子がアルキル基で置換された炭素数6〜12の置換芳香族炭化水素基を表す。)を表す。
(ii)1つのベンゼン環上の2つのRaのうちの1つが、同じベンゼン環上のYと相互に結合して、構成原子数5または6の窒素原子を少なくとも1つ含む複素環を形成し、
Rbおよび該結合に関与しないRaはそれぞれ独立に前記(i)のRbおよびRaと同義である。] - 透過率が下記(A)〜(D)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の近赤外線カットフィルター。
(A)波長430〜580nmの範囲において、近赤外線カットフィルターの垂直方向から測定した場合の透過率の平均値が75%以上
(B)波長800〜1000nmにおいて、近赤外線カットフィルターの垂直方向から測定した場合の透過率の平均値が20%以下
(C)800nm以下の波長領域において、近赤外線カットフィルターの垂直方向から測定した場合の透過率が70%となる最も長い波長(Xa)と、波長580nm以上の波長領域において、近赤外線カットフィルターの垂直方向から測定した場合の透過率が30%となる最も短い波長(Xb)との差の絶対値が75nm未満
(D)波長560〜800nmの範囲において、近赤外線カットフィルターの垂直方向から測定した場合の透過率が50%となる波長の値(Ya)と、近赤外線カットフィルターの垂直方向に対して30°の角度から測定した場合の透過率が50%となる波長の値(Yb)の差の絶対値が15nm未満 - 前記樹脂製基板(I)が下記(E)および(F)を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の近赤外線カットフィルター。
(E)波長600〜800nmに吸収極大がある
(F)波長430〜800nmの波長領域において、基板の垂直方向から測定した場合の透過率が70%となる、吸収極大以下で最も長い波長(Za)と、波長580nm以上の波長領域において、基板の垂直方向から測定した場合の透過率が30%となる最も短い波長(Zb)との差の絶対値が75nm未満 - 前記樹脂製基板(I)が、環状オレフィン系樹脂または芳香族ポリエーテル系樹脂を含んでなる基板であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の近赤外線カットフィルター。
- 前記環状オレフィン系樹脂が、下記式(X0)で表される単量体および下記式(Y0)で表される単量体からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体から得られる樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の近赤外線カットフィルター。
(i')水素原子
(ii')ハロゲン原子
(iii')トリアルキルシリル基
(iv')酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子を含む連結基を有する、置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(v')置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(vi')極性基(但し(iv')を除く)
(vii')Rx1とRx2またはRx3とRx4とが、相互に結合して形成されたアルキリデン基を表し、該結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表す
(viii')Rx1とRx2またはRx3とRx4とが、相互に結合して形成された単環もしくは多環の炭化水素環または複素環を表し、該結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表すか、Rx2とRx3とが、相互に結合して形成された単環の炭化水素環または複素環を表し、該結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に前記(i')〜(vi')より選ばれる原子または基を表す
(ix')Ry1とRy2とが、相互に結合して形成された単環または多環の脂環式炭化水素、芳香族炭化水素または複素環を表す - 前記芳香族ポリエーテル系樹脂が、下記式(1)で表される構造単位および下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの構造単位を有することを特徴とする請求項5に記載の近赤外線カットフィルター。
- 前記芳香族ポリエーテル系樹脂が、さらに下記式(3)で表される構造単位および下記式(4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの構造単位を有することを特徴とする請求項7に記載の近赤外線カットフィルター。
- 前記化合物(I)が樹脂100重量部に対して0.01〜10.0重量部含有されてなる請求項5〜8のいずれか1項に記載の近赤外線カットフィルター。
- 前記近赤外線カットフィルターが固体撮像装置用であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の近赤外線カットフィルター。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の近赤外線カットフィルターを具備することを特徴とする固体撮像装置。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の近赤外線カットフィルターを具備することを特徴とするカメラモジュール。
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