本発明の目的は、改善された凝縮ユニットおよび改善されたトップローラ集合体を作成することである。
この目的は、本発明に従って、凝縮ユニットが、マルチパートコンポーネントとして設計され、保持装置と、保持装置に固定的に接続され保持装置に対して動くことのできない少なくとも1つの耐摩耗性コンポーネントとを含むことから達成された。
トップローラ集合体の場合、本発明の目的は、トップローラ集合体が凝縮ユニットをトップローラ集合体に取り付けるための少なくとも1つの手段を含み、それによって凝縮ユニットがトップローラ集合体に可動的に適用されることから達成された。接続手段は、凝縮ユニットとトップローラ集合体との間の荷重伝達接続を確立する。接続手段は、凝縮ユニットの規定の可動性に影響する。
マルチパート・コンポーネント・ユニットは、耐摩耗性コンポーネントを非常に小さい部品として設計することができるという利点を有する。耐摩耗性コンポーネントの外側輪郭は大幅に単純化することができる。したがって耐摩耗性コンポーネントは製造が容易になる。部品が複数あるということは、凝縮ユニットの様々な領域で、それぞれの機能に有利な材料を選択することができることを意味する。異なる機能を有する種々の領域に最適な材料を選択することができる。凝縮ユニットは、高レベルの摩耗にさらされる領域、例えば繊維ストランドと接触する領域に耐摩耗性コンポーネントを設ける。耐摩耗性コンポーネントの保持装置との固定接続は、凝縮ユニットに高レベルの精度をもたらす。充分な精度で作製された凝縮ユニットは、もはやこの精度を失うことがない。
「ユニット」は複数の単一部品を含むことのできるコンポーネント群によって形成することができ、その個々の部品は相互に係留接続されるという点で、凝縮ユニットは文字通りの意味に理解される。個々の部品は必ずしも、動かすことができないように相互に固定的に接続する必要はない。「ユニット」は独立して売買可能な物体である。
繊維機械のドラフトユニットのための凝縮ユニットでは、不動に適用される耐摩耗性コンポーネントに対し独立した防御が求められる。耐摩耗性コンポーネントは、マルチパート・コンポーネント・ユニットの製造に必要な独立市販品である。耐摩耗性コンポーネントはドラフト・ユニット・ローラのための支持面を含む。ドラフトユニットの凝縮ゾーンのための耐摩耗性コンポーネントは、すでにドラフトされた繊維ストランドのための凝縮チャネルを含む。ドラフトユニットの主ドラフトゾーンのための耐摩耗性コンポーネントは、ドラフトユニットの主ドラフトゾーンで処理される繊維ストランドのための少なくとも1つの案内面を含む。加えて、耐摩耗性コンポーネントはまた、凝縮ユニットの要素のための少なくとも1つのテークアップ(take−up)をも含む。この実施形態の耐摩耗性コンポーネントは、満たすべき要件に非常によく適合し、それにもかかわらず製造が単純である。耐摩耗性材料の適用は、凝縮ユニットの摩耗防止が絶対的に要求される領域に制限することができる。種々の物質が耐摩耗性材料として適している。耐摩耗性コンポーネントは超硬合金、セラミック、または硬質および/もしくは減摩性添加物質を含むことのできる耐摩耗性プラスチックから構成される。
耐摩耗性コンポーネントにおける凝縮チャネルは、支持面の領域にトンネル状に構成されることが有利である。凝縮チャネルを有する耐摩耗性コンポーネントは凝縮コンポーネントと呼ぶこともできる。凝縮チャネルの案内壁は支持面に直接界接する。トンネル形凝縮チャネルは、ドラフト・ユニット・ローラの周面のため、閉鎖チャネルになる。ドラフト・ユニット・ローラの周面は凝縮ゾーンにおける繊維ストランドのための移送要素として働くので、これは有利である。ドラフトローラのための支持面は凹状に湾曲し、それによって湾曲面はシリンダの周面に適合する。シリンダという用語は幾何学的基体を表わす。支持面の湾曲が適合するシリンダの直径は、耐摩耗性コンポーネントおよび凝縮ユニットが動作状態でドラフト・ユニット・ローラ上に非常に正確に位置決めされ、かつトンネル形凝縮チャネルがドラフト・ユニット・ローラの周面に非常によく封着されるように、ドラフト・ユニット・ローラの外径と厳密に一致することが有利である。
凝縮ユニットの保持装置に耐摩耗性コンポーネントを固定的に適用するため、耐摩耗性コンポーネントの支持面は非常に小さい寸法に設計することができる。保持装置は凝縮ユニットのコンポーネントであり、「凝縮ユニットの基体」と呼ぶこともできる。1つまたは複数の耐摩耗性コンポーネントが、保持装置に対して動くことができないように保持装置に適用される。保持装置は、支持面が単独で位置決めに関与しないように、凝縮チャネルの位置決めプロセスの一部を担う。その結果、支持面は特にドラフト・ユニット・ローラの周方向に大幅に縮小することができるので、耐摩耗性コンポーネントの製造が簡素化される。接触面の湾曲長は、シリンダの中心線に対し直角に見た各断面において、10mm未満であることが有利であり、8mm未満であることが特に有利である。接触面の湾曲長が小さければ小さいほど、例えばセラミックから構成される耐摩耗性コンポーネントの製造公差が小さくなる。通常必要な支持面の仕上げ研削はいずれの場合も簡素化され、充分な精度の耐摩耗性コンポーネントの場合、それを完全に省くことができる。
凝縮ユニットの製造において、耐摩耗性コンポーネントは、保持装置に対して動くことができないように固定的に保持装置に接続される。耐摩耗性コンポーネントと保持装置の固定接続のために有利となる種々の方法が存在する。保持装置と耐摩耗性コンポーネントとの間にプレス嵌め接続が存在することは有利になり得る。摩擦係止プレス嵌めは、固定接続がプレス作業後すぐに全荷重可能になるという点で有利である。特に保持装置が射出成形部品として設計される場合、耐摩耗性コンポーネントの一部分を射出成形によって保持装置の材料で包囲することが有利になり得る。保持装置と耐摩耗性コンポーネントとの間の物質対物質結合は特に有利である。物質対物質結合は、はんだ付けまたは接着剤結合によって有利に形成することができる。耐摩耗性コンポーネントは、保持装置のまだ軟らかい材料、接着剤、または軟質はんだに埋め込むことができ、前記耐摩耗性コンポーネントは硬化により非可動的に固定される。
有利な実施形態では、耐摩耗性コンポーネントは、凝縮ユニットの保持装置から突出するピン、特に基本的に筒状のピンのためのテークアップを含む。テークアップは盲孔によって有利に形成することができる。凝縮ユニットの要素のためのこのタイプのテークアップは、耐摩耗性コンポーネントを非常に容易に凝縮ユニットの保持装置上に滑合させ、例えばボンディングによってそこに固定することができるという点で有利である。凝縮ユニットから突出するピンの高度の安定性を保証するために、盲孔は少なくとも1つの領域で2mm超、特に3mm超の直径を備える。製造の容易化を目的として、盲孔を円錐状とし、その基部に向かって先細にすることができる。盲孔の中心線は湾曲支持面の中心線と平行に延びることが有利である。これにより、耐摩耗性コンポーネントの凝縮チャネルは、盲孔の中心線に沿って切った断面図で分かるように、盲孔の基部の下に延びることが有利である。したがって、盲孔の大きい直径は、極力小さい耐摩耗性コンポーネントに収容することができる。
有利な実施形態では、凝縮ユニットが設けられ、凝縮ユニットの保持装置に耐摩耗性コンポーネントが張り出すように配置される。張り出すとは、耐摩耗性コンポーネントが保持装置の片側だけに固定されることを意味する。張り出すとはまた、トップローラ集合体への保持装置の取付けが、凝縮チャネルの片側だけに位置することをも意味する。保持装置における耐摩耗性コンポーネントの張出し配置は特に、耐摩耗性コンポーネントが保持装置から突出するピンのためのテークアップを含む場合に当てはまり、それによってテークアップの中心線は耐摩耗性コンポーネントの湾曲支持面の中心線と平行に延びる。
耐摩耗性コンポーネントを凝縮ユニットに固定する目的のために、保持装置は耐摩耗性コンポーネントのためのテークアップを含むように構成される。耐摩耗性コンポーネントのためのテークアップは、保持装置から突出するピンによって、特に基本的に筒状のピンによって形成される。
本発明の有利な実施形態では、凝縮ユニットは、保持装置に対して動くことができないように保持装置に接続される少なくとも2つの耐摩耗性コンポーネントを含む。耐摩耗性コンポーネントはこの結果、凝縮ユニットの種々の領域に配置することができ、種々の機能を達成することができる。例えば2つの耐摩耗性コンポーネントは各々、ドラフト・ユニット・ローラのための支持面を設けることができる。特に、両方の支持面がドラフト・ユニット・ローラの周方向に見て相互に距離を置いて位置するように、2つの耐摩耗性コンポーネントが保持装置に配置される場合、凝縮ユニットをドラフト・ユニット・ローラ上により良好かつより安定に位置決めすることができる。ドラフト・ユニット・ローラの周方向に見て、2つの耐摩耗性コンポーネントの支持面間の距離は、約7mmないし22mm、特に7.5mmないし15mmとすることが有利である。
また、凝縮ユニットは、すでにドラフトされた繊維ストランドのための凝縮チャネルを含むことに加えて、さらに繊維ストランドのための案内面も存在するように設計することも有利である。ドラフトユニットの主ドラフトゾーンに繊維ストランドのための案内面を設けることが有利である。案内面は、繊維ストランドの移送方向に見て、凝縮チャネルの上流に配置される。繊維ストランドのための案内面は、繊維ストランドをドラフト面から偏向させるために適用可能な凸状案内面とすることができる。案内面はまた、主ドラフトゾーンで繊維ストランドを凝縮させるために、漏斗形に設計することもできる。このタイプの設計の場合、第1耐摩耗性コンポーネントが繊維ストランドのための少なくとも1つの案内面を含み、かつ第2耐摩耗性コンポーネントがすでにドラフトされた繊維ストランドのための少なくとも1つの凝縮チャネルを含むことが有利である。
凝縮ユニットは、2つの隣接するドラフトユニットに適用可能でありかつドラフトローラのための支持面を各々備えた2つの耐摩耗性コンポーネントを含み、それによって耐摩耗性コンポーネントがドラフト・ユニット・ローラのアクスル方向に見て両方の支持面が相互に距離を置いて位置するように保持装置に配置されることは、有利になり得る。ドラフト・ユニット・ローラのアクスル方向において相互に距離を置いた2つの支持面は、ドラフト・ユニット・ローラ上の凝縮ユニットの特に良好かつ安定した位置決めのための基礎を形成する。
ドラフト・ユニット・ローラの周方向およびアクスル方向に相互に離して設置された支持面は言うまでもなく、1つの凝縮ユニットになるように結合することができる。その場合、凝縮ユニットは、ドラフト・ユニット・ローラのための支持面を各々有する3つまたは4つの耐摩耗性コンポーネントを含む。
2つの隣接するドラフトユニットのための凝縮ユニットの場合、耐摩耗性コンポーネントが両方のドラフトユニットに適用可能であるように、耐摩耗性コンポーネントは、凝縮ユニットの保持装置から突出するピンのためのテークアップを含むことが有利である。耐摩耗性コンポーネントは、その2つのテークアップのため、保持装置の両側に取付け可能であるので、耐摩耗性コンポーネントの異なる部品の数を減少させることができる。特に支持面の中心線に沿って切った断面図に示すように、2つのテークアップは凝縮チャネルまたは案内面の両側に有利に位置される。
凝縮ユニットの安定性を高めるために、保持装置は、例えば鋼製で円筒状の形状であることが有利な連続バーを含み、該バーは隣接ドラフトユニットに割り当てられた2つの耐摩耗性コンポーネント間に延び、その端部は耐摩耗性コンポーネント内に突出することが有利になり得る。充分な安定性を確実にするために、バーは1つの領域で直径が2mm以上、特に3mm以上である。バーの端部はピンとして保持装置から外に突出し、各々が耐摩耗性コンポーネントのためのテークアップを形成する。
本発明のさらなる実施形態では、凝縮ユニットは、支持面と接触させることのできるドラフト・ユニット・ローラの周方向に凝縮ユニットを位置決めするための停止面を少なくとも1つ含むことが有利である。周方向に位置決めするための停止面は、凝縮ユニットがドラフト・ユニット・ローラの回転運動に引きずられないようにする。特に凝縮チャネルは、停止面によってトップローラのニップラインに対して正確に位置決めされる。
ドラフト・ユニット・ローラにおける凝縮ユニットの安定した接触を確実にするためには、支持面に接触圧力を生じさせる荷重要素のためのテークアップを少なくとも1つ提供することが有利である。トップローラ集合体に含まれる荷重要素は、テークアップの領域で凝縮ユニットと接触し、その荷重力を凝縮ユニットに伝達する。凝縮ユニットは支持面への圧力荷重を生じさせる荷重要素を含み、荷重要素は凝縮ユニットに固定することが有利になり得る。このタイプの実施形態は、荷重要素が凝縮ユニットと共に、トップローラ集合体に適用可能でありかつ容易に交換可能でもあるコンポーネント群を形成するという利点を有する。荷重要素の力は凝縮ユニットの要件に適応させることができる。荷重要素は、保持要素に固定されるばね、特に板ばねとすることが有利になり得る。ばねはジョイント要素を介して保持装置に有利に取り付けられる。さらなる有利な荷重要素は磁石である。荷重要素のためのテークアップおよび荷重要素自体は、凝縮ユニットの保持装置上に有利に配置される。もはや圧力荷重を生じさせるための荷重要素を耐摩耗性コンポーネントに直接配置する必要が無くなるので、これは凝縮ユニットのマルチパート設計のさらなる利点である。
本発明の実施形態では、凝縮ユニットが糸のための案内面を少なくとも1つ含むように構成することができる。糸のための案内面は、凝縮ゾーンに界接する上部ローラの可撓性コットの摩耗を低減することができる。
少なくとも2つの耐摩耗性コンポーネントを有し、少なくとも2つの耐摩耗性コンポーネントが相互に調整され、この調整された状態で耐摩耗性コンポーネントが保持装置に対して動けないように保持装置に固定接続される、凝縮ユニットの製造のためのプロセスが有利に適用される。耐摩耗性コンポーネントの調整はこの結果、シリンダの周面に適合された凸状湾曲面上に凝縮ユニットを配置することによって有利に行なわれる。この結果、シリンダの直径は、凝縮ユニットがその後適用されるドラフト・ユニット・ローラの直径に最大限の正確さで一致する。少なくとも1つの耐摩耗性コンポーネントがドラフト・ユニット・ローラのための凹状湾曲支持面を含み、それによって耐摩耗性コンポーネントが凸状湾曲面上に配置されたときに支持面がそれを調整するように、支持面の曲率がシリンダの周面に適合される場合、耐摩耗性コンポーネントの調整は簡素化される。
保持装置への耐摩耗性コンポーネントの固定は、耐摩耗性コンポーネントが金型内にセットされ、射出成形によって保持装置の材料で包囲されることで行なうことができる。この結果、耐摩耗性コンポーネントを調整するための凸状湾曲面は金型の領域内に配置されるので、耐摩耗性コンポーネントは射出成形プロセス中に正確に調整された状態になる。
特に有利な製造プロセスでは、耐摩耗性コンポーネントは接着剤結合によって保持装置に固定される。凝縮ユニットの保持装置は、各耐摩耗性コンポーネントのためのテークアップを含み、それによって各テークアップの領域に接着剤が塗布され、耐摩耗性コンポーネントが軟らかい接着剤上に配置され、かつ相互に対して調整され、調整された状態の耐摩耗性コンポーネントが接着剤の硬化によって保持装置に不動に固定される。
本発明のプロセスに係る凝縮ユニットの製造は、非常に安定しておりかつドラフト・ユニット・ローラ上に確実に位置決めされた凝縮ユニットを非常に容易に作製することができるという利点を有する。凝縮ユニットは、動作中に振動の発生によって生じるドラフト・ユニット・ローラの周面からの上昇が大幅に防止される。加えて、この結果、凝縮ユニットの支持面の再加工が最小化される。支持面を持つ耐摩耗性コンポーネントは、保持装置に固定する前に仕上げられるので、ドラフト・ユニット・ローラのための支持面へのその後の再加工は必要最小限必要で済むという利点がある。さらなる再加工は行なわれず、有利である。
凝縮ユニットがトップローラ集合体に可動的に適用される本発明に係るトップローラ集合体は、トップローラ集合体がドラフト・ユニット・ローラから持ち上げられたときでも凝縮ユニットが失われず、かつ凝縮ユニットは制御下においてのみ動かすことができるので、有利である。国際出願WO2006/005207A1に開示された公知のトップローラ集合体とは対照的に、今回凝縮ユニットはもうトップローラ間で制御されない動きを行なうことができなくなっている。可動性は凝縮ユニットを取り付けるための手段によって規定される。取付け手段は、トップローラ集合体からの力が少なくとも1方向に凝縮ユニットに伝達可能であるように設計される。取付け手段は設計に応じて、基体および/またはツイン・トップ・ローラのアクスルに適用することができる。
ツイン・トップ・ローラは両方とも、基体上で、ツイン・トップ・ローラのトップローラが相互に接触せず、かつトップローラ集合体を1つのドラフト・ユニット・ローラ上に配置することができないように構成される。ツイン・トップ・ローラは両方とも、ドラフトユニットのボトムローラ上に配置されたときにボトムローラの周面と接触するので、トップローラ集合体のトップローラはジョイント・ボトム・ローラと共に2つの連続ニップラインを形成し、それらの間には凝縮ゾーンが位置する。すでにドラフトされた繊維ストランドのための凝縮チャネルが凝縮ゾーンに位置するように、凝縮ユニットの凝縮チャネルはトップローラ集合体上に配置される。ツイン・トップ・ローラと接触させることのできるドラフト・ユニット・ローラの外周が、凝縮ゾーンですでにドラフトされた繊維ストランドのための移送要素を形成するように、ツイン・トップ・ローラは基体内に受容される。
ツイン・トップ・ローラのアクスルは、基体に固定的に受容されることが有利である。この結果、ツイン・トップ・ローラは相互に対するそれらの位置を変更することができないので、トップローラ集合体は、ドラフト・ユニット・ローラ上に配置されたときにトップローラおよびボトムローラのアクスルが平行に延びるように順応する。
トップローラ集合体に可動的に配置された凝縮ユニットは、トップローラ集合体がドラフトユニットのボトムローラ上に配置されたときに、ドラフト・ユニット・ローラの周面上でも調整される。トップローラ集合体の基体は、トップローラと接触させることのできるドラフト・ユニット・ローラの周方向に凝縮ユニットを位置決めするためのストッパを少なくとも1つ含むことが有利である。加えて、トップローラ集合体がドラフトゾーン面に垂直な仮想軸線を中心に、かつ繊維ストランドの移送方向と平行な仮想軸線を中心に、補償的旋回運動を実行することができるように、トップローラ集合体をドラフトユニットのトップ・ウェイティング・アームに取り付けるように設計することも有利になり得る。ドラフトゾーンの端部でニップラインを形成するツイン・トップ・ローラは、そのアクスルをトップ・ウェイティング・アームに可動的に取り付けることが有利である。
トップローラ集合体に配置された凝縮ユニットは、種々の設計を持つことができる。凝縮ユニットは上述の通りマルチパートコンポーネントとして有利に設計することができ、保持装置および少なくとも1つの耐摩耗性コンポーネントを含む。耐摩耗性コンポーネントは、可動的にまたは固定的に保持装置に接続することができる。凝縮ユニットはドラフト・ユニット・ローラのための支持面を少なくとも2つ、特に3つまたは4つ含むことが有利である。2つの支持面は、支持面と接触させることのできるドラフト・ユニット・ローラの周方向に相互に距離を置くことが有利である。ドラフト・ユニット・ローラのための支持面は各々、たとえそれらが1つまたは複数の凝縮チャネルによって複数の部分に「分割」された場合でも、「1つの」面と呼ばれる。実際の製造方法が異なる場合でも、機能的な観点からトンネル形凝縮チャネルが作用する支持面が設けられる。凝縮チャネルがその機能を満たしうるように、支持面の一部は凝縮チャネルの両側に「維持」されなければならない。凝縮チャネルの案内壁に界接する支持面の2つの部分は機能ユニットを形成し、したがって「1つの」面として記載される。
また、トップローラ集合体に配置され、ドラフト・ユニット・ローラ上に位置決めするための第1および第2支持面を含む凝縮ユニットを、第1および第2支持面を有する単体部品として設計することも有利になり得る。
本発明の実施形態では、凝縮ユニットをトップローラ集合体に取り付けるための手段は、凝縮ユニットの支持面に接触力を発生させるための荷重要素を含むように構成される。荷重要素はばねとして、特に板ばねとして設計することが有利である。ばねはトップローラ集合体の基体および凝縮ユニットの保持装置に固定することができ、それにより荷重要素と保持装置との間のジョイント要素が有利である。
本発明の実施形態では、接続手段を滑り案内として設計し、その上を凝縮ユニットがトップローラ集合体の基体内で可動であるように構成される。滑り案内は、凝縮ユニットがトップローラ集合体上で非常に狭く定義された運動だけを実行することができるという点で有利である。代替的に、凝縮ユニットをトップローラ集合体の基体内に旋回設置するか、あるいは凝縮ユニットが軸線を中心に旋回することができるように、凝縮ユニットをツイン・トップ・ローラのアクスルから垂下させることが有利になり得る。旋回することのできる凝縮ユニットは、定められた移動性を同時に維持しながら、トップローラに対する良好な位置決めを確実にする。
トップローラ集合体の有利な実施形態は、凝縮ユニットの支持面に接触力を生じさせるために空気圧で作動する荷重要素、特に圧搾空気供給源無しに有利に機能する空気圧パッドを含む。
凝縮ユニットとトップローラ集合体との間の接続手段は、凝縮ユニットが機械から抜け落ちないように、またはトップローラ集合体がドラフト・ユニット・ローラから持ち上げられたときに紛失しないように、固定装置を含むことが有利である。固定装置は、固定要素によってまたは直接荷重要素によって形成される。
図1ないし7に繊維機械のドラフトユニット1の非常に模式的な表現を示す。ドラフトユニット1は二重エプロン・ドラフト・ユニットとして設計される。ドラフトユニット1は紡績機、好ましくはリング紡績機に配置される。ドラフトユニット1は、短繊維から構成され移送方向Aに給送される繊維ストランド2を公知の方法で所望の繊度までドラフトする。繊維ストランド2は、移送方向Aに相互に前後して配置された複数のローラ対によってドラフトされ、前記ローラ対は移送方向に駆動速度が増大する。ローラ対のうちフロントローラ対3、4のみが図示されており、そのニップライン5で繊維ストランド2のドラフトが終了する。ローラ対3、4を含むローラ対は、駆動可能なボトムローラ3と、ボトムローラ3に押し付けられる回転自在のトップローラ4とを備える。トップローラ4は軟質ゴム材料のコットを具備し、繊維ストランド2がドラフトローラ3および4の間のニップラインでニップされるように、ボトムローラ4に押し付けられる。トップローラは、旋回運動して開閉することのできるトップ・ウェイティング・アーム6に取り付けられる。案内エプロン7および8が公知の方法でフロントローラ対3、4の上流のローラ対に配置される。案内エプロン7および8は、案内エプロン7、8によってループされるローラ対のニップライン(図示せず)からニップライン5まで延びる、ドラフトユニット1の主ドラフトゾーンで繊維ストランド2を案内する。トップローラ4および他のトップローラ(図示せず)は、ツイン・トップ・ローラとして設計される。ツイン・トップ・ローラは、隣接するドラフトユニット1および1´に割り当てられかつジョイントアクスル9を有する2つのトップローラを含む。図示する事例では、ツイン・トップ・ローラ4の両方のトップローラが、ルーズ・ボス・トップ・ローラとして設計される。すなわち両方のトップローラが非回転アクスル9上で自在に回転可能である。トップ・ウェイティング・アーム6は、2つの隣接するドラフトユニット1および1´間の中央に配置され、2つのトップローラ4をアクスル9上に支持する。ボトムローラ3は、複数の隣接するドラフトユニット1、1´上に延びる連続ドラフト・ユニット・ローラとして設計される。
従来のドラフトユニット1の場合、すでにドラフトされた繊維ストランドは、引出し方向Bにニップライン5のすぐ下流の加撚装置(図示せず)例えばリングスピンドルへ給送され、加工糸10が形成される。糸10の品質を改善するために、特に毛羽立ちを低減するために、すでにドラフトされた繊維ストランド11は、繊維ストランド11を凝縮緻密化する、ニップライン5のすぐ下流の凝縮ゾーン12を介して給送される。すでにドラフトされた繊維ストランド11はボトムローラ3の周面13上に位置し、それによって凝縮ゾーン12を介して給送される。凝縮ゾーン12では、繊維ストランド11は凝縮チャネル14を介して給送される。凝縮チャネル14はトンネル状の設計であり、ボトムローラ3に向かって開口する。第2トップローラ15はボトムローラ3に配置され、該第2トップローラ15は、ボトムローラ3と共にニップライン16を形成し、該ニップライン16は凝縮ゾーン12を終端させる。繊維ストランドは引出し方向Bに加撚装置(図示せず)に給送されるので、ニップライン16のすぐ下流で、凝集された繊維ストランドは撚りを加えられて糸10になる。ニップライン16は撚止めを形成し、繊維ストランド11が凝縮ゾーン12で無撚状態を維持することを確実にする。
2つの隣接するドラフトユニット1および1´のトップローラ15もまたジョイントアクスル17に支持され、ツイン・トップ・ローラを形成する。ツイン・トップ・ローラ15はツイン・トップ・ローラ4と共にトップローラ集合体18を形成する。トップローラ集合体18は基体19を含み、そこで2つのツイン・トップ・ローラ4、15はそれらのアクスル9、17に受容される。トップローラ集合体18は独立ユニットを形成し、それは交換することができるようにトップ・ウェイティング・アーム6に取り付けられる。ツイン・トップ・ローラ4および15は、トップローラ集合体4および15のトップローラが相互に接触せずかつトップローラをジョイント・ドラフト・ユニット・ローラ3上に配置することができるように、トップローラ集合体18に配置される。アクスル9および17は基体19においてできる限り平行に整列することが有利である。アクスル9および17は遊び無く基体に受容されること、すなわち基体19に対して動くことができないことが有利である。トップローラ集合体18のトップ・ウェイティング・アーム6への取付けは、トップローラ集合体18がある程度可動でありかつドラフト・ユニット・ローラ3上に配置されたときにそれ自体を調整することができるように行なわれることが有利である。トップローラ集合体18の取付けはアクスル9を介して行うのが有利である。トップ・ウェイティング・アーム6は、アクスル9の中央でツイン・トップ・ローラ4に荷重を加える。トップローラ集合体18のトップ・ウェイティング・アーム6への取付けは、相互に直角に延びる2つの仮想軸を中心とするトップローラ集合体18の振子運動を可能にすることが有利である。該仮想軸線は両方ともアクスル9に対して直角をなす。
トップローラ集合体18はさらに、凝縮チャネル14を備えた凝縮ユニット20を含む。凝縮ユニット20は、トップローラ4および15の間の領域に配置される。
凝縮ユニット20は、以下でさらに詳述する図1ないし図7の種々の実施形態に示される。異なる実施形態を標識するために、参照番号20に関連する図の番号が付加される。図1および図2の凝縮ユニットは参照番号120を有し、図3ないし図5の凝縮ユニットは参照番号320を有し、図6および図7の凝縮ユニットは参照番号620を有する。全ての実施形態の凝縮ユニットに言及する場合、参照番号20を使用し、その他の場合は全て、特定の実施形態の参照番号を提示する。
凝縮ユニット20は、定められた運動が可能になるようにトップローラ集合体18に取り付けられ、凝縮ユニット20をトップローラ集合体18に取り付けるための少なくとも1つの手段21が設けられる。接続手段21の種々の実施形態が有利である。全ての場合に、接続手段21は、凝縮ユニット20がトップローラ集合体18から意図せず外れ落ちないように、かつ凝縮ユニット20がトップローラ集合体18で制御不能に動くことができないように働く。接続手段21は、トップローラ集合体18から凝縮ユニット20への少なくとも1つの力の伝達を可能にする。取付けのための手段21は、トップローラ集合体18の基体19上に、またはツイン・トップ・ローラ4、15の部分に取り付けられる。
従来のドラフトユニットを含む古い紡績機の場合、これまで稼動してきた既存のトップローラ4をドラフトユニット1から取り外して、トップローラ集合体18と交換することが可能である。トップローラ4のためのトップ・ウェイティング・アーム6上のテークアップ62は、トップローラ集合体18の要件に適応させることができる。既存の紡績機はこれにより、改造後に品質改善された糸10を生産することができるように、凝縮ゾーン12を備えたドラフトユニット1により改造することができる。
トップローラ集合体18および特にトップローラ15のボトムローラ3への押付けを確実にするために、板ばね22を設けることができる。板ばね122は、図1および図2に示す通りトップ・ウェイティング・アーム6に取り付けることができ、その自由端をトップローラ集合体18の基体19に押し付ける。さらなる有利な実施形態を図3に示す。板ばね322はトップローラ集合体18の基体19に取り付けられ、その自由端はトップ・ウェイティング・アーム6に支持される。
すでにドラフトされた繊維ストランド11のための凝縮チャネル14に補足して、繊維ストランド2のための案内面23を主ドラフトゾーンに設けることが有利になり得る。案内面23は、ドラフトされた繊維ストランド11の品質を改善することができる。案内面23は、凝縮チャネル14の上流で移送方向Aに凝縮ユニット20まで配置される。案内面23は、案内エプロン7、8の下流およびニップライン5の上流で繊維ストランド2を案内するように働く。
有利な実施形態では、凝縮ユニット20が糸10のための案内面24を含むように構成することができる。案内面24は凝縮チャネル14の下流に配置され、ニップライン16のすぐ下流で糸10を案内するように働く。案内面24は、糸10とトップローラ15との接触面積を低減する効果を有し、それは次にトップ・ローラ・コットの摩耗を低減させる。
図1および図2に凝縮ユニット120の第1の有利な実施形態を示す。凝縮ユニット120は、マルチパートコンポーネントとして設計される。凝縮ユニット120は保持装置25と、保持装置25に対して動くことができないように保持装置に固定される3つの耐摩耗性コンポーネント141、142、143とを含む。保持装置25は事実上凝縮ユニット120のための基体を形成し、それに耐摩耗性コンポーネント141、142、および143が取り付けられる。凝縮ユニット120は2つの隣接するドラフトユニット1および1´にわたって延び、隣接するドラフトユニット1および1´のすでにドラフトされた繊維ストランド11および11´のための2つの凝縮チャネル14および14´を含む。凝縮ユニット120は凝縮ユニット120をドラフト・ユニット・ローラ3上に位置決めするための支持面131を含み、それは凝縮チャネル14の領域に配置される。凝縮チャネル14´の領域には、第2支持面132が設けられる。凝縮ユニット120は、ボトムローラ3の周方向Cに支持面131および支持面132とは離れて位置する、ドラフト・ユニット・ローラ3のための第3支持面133を含む。分かり易くするために、ボトムローラ3の周方向Cおよびボトムローラ3の軸方向Dは、図2では各々双頭矢印で表わされる。図1に示された図面はまさしく軸方向Dの図を示す。支持面132は軸方向Dのみにおいて支持面131から離れて位置する。周方向Cには、支持面131および132は同じ位置にある。
凝縮ユニット120は、相互に離れて位置する3つの支持面131、132、および133を含み、それはボトムローラ3上の凝縮ユニット120の安定な表面対表面の接触を確実にする。これは、凝縮ユニット120がボトムローラ3上にしっかりと位置し、かつ振動が発生したときでもぐらつかないことを確実にする。接触面131、132、および133と接触させることのできるドラフト・ユニット・ローラ3の軸方向Dに、第3支持面133は、第1支持面131および第2支持面132間の中央に配置される。
3つの支持面131、132、133は各々、別個の耐摩耗性コンポーネント141、142、および143に割り当てられる。凝縮ユニット120では、支持面131、132、133上でボトムローラ3が回転することによって生じる早期摩耗が、耐摩耗性コンポーネント141、142、143によって防止される。耐摩耗性コンポーネント141および142は各々、凝縮チャネル14をさらに含む。
凝縮チャネル14および14´の領域における支持面131および132は凹状に湾曲し、該湾曲はシリンダの周面に適合される。これは、トンネル状凝縮チャネル14がボトムローラ3に対し封着されることを確実にする。支持面133は平面または凸状のいずれかに形成されることが有利である。保持装置の材料によっては、耐摩耗性コンポーネント143は図示しない実施形態で完全に省くことができ、第3接触面133は保持装置25に直接配置することができる。ドラフトユニット1および1´の領域で、ボトムローラ3は通常その外周上に溝が設けられる。ドラフトユニット1および1´の間の領域では、ボトムローラ3は溝無しで平滑に設計することができる。支持面133がドラフト・ユニット・ローラ3の溝無し領域に位置する場合、支持面133の摩耗は少ないので、耐摩耗性コンポーネント133を省くことができる。
耐摩耗性コンポーネント141、142、143が相互に対するそれらの位置を失わないために、それらは、保持装置25に対して動くことができないように、保持装置25に固定される。耐摩耗性141、142、143を接合する目的のために、各々が、凝縮ユニット120の要素のためのテークアップ45を含む。次に各保持装置25は、耐摩耗性コンポーネント131のためのテークアップ26を含む。テークアップ26および45は、保持装置25と耐摩耗性コンポーネント131との間に摩擦係止プレス嵌めが存在するように、相互に適合させることができる。保持装置25が射出成形部品の形を取る場合、耐摩耗性コンポーネント131の一部分を射出成形によって保持装置25の材料で包囲することが有利である。耐摩耗性コンポーネントはこの目的のために、流動性材料が耐摩耗性コンポーネント131のテークアップ45の周りに流入するように、保持装置25の射出金型内にセットすることができる。図示しない実施形態では、テークアップ45は、保持装置25の材料の特に信頼できる固定を確実にするために、突起または特殊形状を含むことができる。他の2つの耐摩耗性コンポーネント142および143は同一に設計され、凝縮ユニット120に固定される。
3つの耐摩耗性コンポーネント141、142、および143は全て相互に調整され、この調整された状態で保持装置25に固定されることが有利である。耐摩耗性コンポーネント141、142、および143をインサート成形する場合、保持装置25のための射出金型が、耐摩耗性コンポーネントを載置することのできるシリンダの周面に適合された凸状湾曲面を含むようにすることが有利である。シリンダの周面に適合された凸状湾曲面はドラフト・ユニット・ローラ3をシミュレートし、耐摩耗性コンポーネントの固定後に、凝縮ユニット120がドラフト・ユニット・ローラ3上にしっかりと載置されることを確実にする。各耐摩耗性コンポーネント141、142、143は比較的小さい支持面131、132、133を含み、それらは非常に硬質の材料から大きすぎない製造コストで、かつ良好な精度で作製することができる。耐摩耗性コンポーネント141、142、143の相互調整のため、耐摩耗性コンポーネントが保持装置25に固定された後の支持面131、132、133の再加工は、ほとんどの場合、省くことができる。しかし、接触面の再加工が行なわれる場合、それを最小限に維持することができる。
凝縮ユニット120は、接続手段21を介してトップローラ集合体18の基体19に可動的に取り付けられる。接続手段21は、滑り案内50、荷重要素27、および固定装置52を含む。つる巻き圧力ばねは荷重要素27として設けられる。凝縮ユニット120は、つる巻き圧力ばね27のためのテークアップ28を含む。つる巻き圧力ばね27は、テークアップ28内に着座し、基体19に圧接支持される。荷重要素27はこれにより、支持面131、132、133に対する接触力を生じる。つる巻き圧力ばね27は軸方向Dに支持面131および132間の中央に配置される。接触力を増大させる目的で、凝縮ユニット120は磁石29を含むことができる。磁石29が荷重要素として設けられる場合、用途によっては、つる巻き圧力ばね27を完全に省くことができる。別の有利な実施形態では、荷重要素27は空気圧で作動する。つる巻き圧力ばね27の代わりに、加圧パッド状要素(図示せず)をテークアップ28に配置することができ、該加圧パッド状要素が接触力を生じる。パッド状要素は圧搾空気供給源無しに自律的に設計されることが有利である。
接続手段21の一部としての滑り案内50は、凝縮ユニット120の定められた移動性を確実にする。凝縮ユニット120は、ドラフト・ユニット・ローラ3の周方向Cに凝縮ユニット120を位置決めするための停止面51を含む。凝縮ユニット120は、ドラフト・ユニット・ローラ3の回転によって周方向Cに引きずられる傾向がある。停止面51は、基体19上に定められた方法で配置される。停止面51は2つの凝縮チャネル14および14´間の中央に配置される。
接続手段21は、凝縮ユニット120のための固定装置を形成する固定要素52を含む。固定要素52は、トップローラ集合体18がボトムローラ3から引き上げられるときに、凝縮ユニット120が滑り案内50から滑り落ちることを防止する。
凝縮ユニット120の1実施形態では、凝縮ユニット120が繊維ストランド2のための少なくとも1つの案内面23または23´を含むようにすることができる。円筒状案内要素の形の案内面23は繊維ストランド2を案内することができ、必要な場合、案内エプロン7、8の出口とニップライン5との間の最短想像接続線からわずかに偏向させることができる。その場合、繊維ストランド2は凸状案内面23の部分をループする。案内面23は、破線で表わすように保持装置25に取り付けられた耐摩耗性コンポーネントに配置することができる。本発明の有利な実施形態(図示せず)では、繊維ストランド2のための案内面23は先細案内チャネルとして設計され、それはすでに主ドラフトゾーンで繊維ストランド2の凝縮効果を発揮している。
また、破線によって、糸10のための追加案内面24、24´を含む拡大凝縮ユニット120も示されている。案内面24もまた、保持装置25に対して動くことができないように保持装置に固定された耐摩耗性コンポーネントに配置することができる。
図3ないし5に凝縮ユニット320の第2実施形態を示す。凝縮ユニット320は2つの隣接するドラフトユニット1および1´に適用可能である。凝縮ユニット320は、すでにドラフトされた繊維ストランド11、11´のための2つの凝縮チャネル14、14´を含む。凝縮ユニット320は、凝縮ユニット320をドラフト・ユニット・ローラ3上に位置決めするための第1支持面331を含み、それは凝縮チャネル14の領域に配置される。
図5から分かるように、支持面331は凝縮チャネル14によって2つの部分に分割され、それらはもはや接触しなくなる。この事実にもかかわらず、本発明の目的に従って、凝縮チャネル14の領域の1つの支持面331だけについて言及する。
凝縮ユニット320は、凝縮チャネル14´の領域に配置される、ドラフト・ユニット・ローラ3のための第2支持面332を含む。凝縮ユニット320は、周方向Cに支持面331および332から離れて位置する2つのさらなる支持面333および334を含む。周方向Cの距離は、凝縮ユニット320に対する安定な支持を確実にするために、7.5mmから9.5mmの間であることが有利である。第1支持面331は、支持面と接触させることのできるドラフト・ユニット・ローラ3の軸方向Dのみに第2支持面332から離れて位置する。第3支持面333は、ドラフト・ユニット・ローラ3の軸方向Dのみに第4支持面334から離れて位置する。軸方向Dに見て、第3支持面333および第4支持面334は、第1支持面331の第2支持面332からの距離と同じ距離だけ離れている。凝縮ユニット320は、第3支持面333の領域における繊維ストランド2のための案内面23および、第4支持面334の領域における案内面23´を含む。案内面23および23´は、支持面333および334に対して開口したトンネル状凝縮チャネルとして設計される。案内面23は、ドラフトユニット1の主ドラフトゾーンで繊維ストランド2の凝縮を達成する。繊維ストランド2の側方凝縮に加えて、案内面23は、図1に案内面23の場合に示したように、必要な場合には繊維ストランド2をドラフト面から多少偏向させることもできる。支持面と接触させることのできるドラフト・ユニット・ローラ3の軸方向Dに見て、繊維ストランド2、2´のための両方の案内面23、23´は、すでにドラフトされた繊維ストランド11、11´のための2つの凝縮チャネル14、14´とほぼ同じ距離だけ離れている。
凝縮ユニット320はマルチパートコンポーネントとして設計され、保持装置25と、保持装置25に対して動くことができないように保持装置25に固定された4つの耐摩耗性コンポーネント341、342、343、および344とを含む。凝縮ユニット320をボトムローラ3上に位置決めするために、支持面331、332、333、および334が各耐摩耗性コンポーネント341、342、343、および344上に配置される。耐摩耗性コンポーネント341および342は、すでにドラフトされた繊維ストランド11、11´のための少なくとも1つの凝縮チャネル14および14´を含む。耐摩耗性コンポーネント341および342を凝縮コンポーネントと呼ぶこともできる。耐摩耗性コンポーネント343および344は各々、繊維ストランド2、2´のための案内面23、23´を含む。
支持面331、332、333、および334は凹状に湾曲し、全ての湾曲はジョイントシリンダの周面に適合される。用語「シリンダ」はここでは、凝縮ユニット320の製造中に、後で存在し動作するドラフト・ユニット・ローラ3の代わりをする幾何学的基体を指す。
どの点から見ても凝縮ユニット320の基体を構成する保持装置25は、耐摩耗性コンポーネント341のためのテークアップ26を含む。テークアップ26は、保持装置25から突出するピン53によって形成される。凝縮ユニット320はバー54を含む。バー54は保持装置25内に挿設され、バー54の突出端がピン53を形成する。
耐摩耗性コンポーネント341は、保持装置25から突出するピン53のためのテークアップ45を含む。テークアップ45は盲孔によって形成される。耐摩耗性コンポーネント341の改善された離型のために、盲孔45は、例えば耐摩耗性コンポーネント341がセラミック製である場合、わずかに円錐状に延びることができる。耐摩耗性コンポーネント341は第2テークアップ45´を含む。テークアップ45´もまた盲孔の形を取る。凹状支持面331の中心線に沿って切った断面図で分かるように、それはテークアップ45の反対側で凝縮チャネル14に関連して配置される。2つのテークアップ45および45´によって、図5に示す耐摩耗性コンポーネントは耐摩耗性コンポーネント341として、および耐摩耗性コンポーネント342としても使用することができる。耐摩耗性コンポーネントの複数の部分をこれによって低減することができる。図5に示す耐摩耗性コンポーネントを耐摩耗性コンポーネント342として適用する場合、それはテークアップ45´により保持装置25に固定される。その場合盲孔45は空のままである。
凝縮ユニット320の安定性を高めるために、バー54はドラフトユニット1からドラフトユニット1´まで連続しているものとして設計される。バー54は硬化鋼製とすることが有利である。バー54は、2つの隣接するドラフトユニット1および1´に配置された耐摩耗性コンポーネント341および342の間に延びる。バー54の端部53は耐摩耗性コンポーネント341および342内に突出する。
凝縮ユニット320の確実な安定性を達成するために、バー54は少なくとも1つの領域で2mm以上の直径を備える。バー54は3mm以上の直径を有することが有利である。盲孔45は、ピン53の直径より多少大きい直径を有する。それにより耐摩耗性コンポーネント341をピン53上で調整することができる。ピン53と盲孔45との間の間隙に接着性材料が充填される。耐摩耗性コンポーネント341の製造を簡素化するために、支持面331の湾曲部の長さは、接触面331の中心線に対し直角をなす全ての断面で見て、10mm未満であり、さらに8mm未満であることが有利である。支持面331の中心線は、支持面331の湾曲がその周面に適合されるシリンダの中心線に対応する。案内壁46が支持面331と界接するトンネル状凝縮チャネル14がボトムローラ3と密嵌接触するように、支持面331は非常に精密でなければならない。凹状支持面331の所要精度は、ほとんどの場合、研削プロセスによってしか確保することができないので、最小可能な支持面331は、そのようなプロセスに伴って生じる製造コストを削減する。盲孔45の中心線は支持面331の中心線と平行に延びる。凝縮チャネル14は、盲孔45の中心線に沿って切った断面図で分かるように、すなわち図5に示すように、盲孔45の基部47の下に延びる。同時に、凝縮チャネル14は第2盲孔45´の基部47´の下に延びる。この実施形態は、凝縮チャネル14が盲孔45と交差しないという利点を有する。支持面331の短い湾曲長、および盲孔45の大径に関連して支持面331の上の耐摩耗性コンポーネント341のそれぞれの小さい外形寸法のため、凝縮チャネル14が盲孔45と交差することが防止される。
耐摩耗性コンポーネント343および344は、耐摩耗性コンポーネント341と同様に設計される。凝縮チャネル14の代わりに、案内面23が設けられる。凝縮ユニット320は第2バー56を含み、その端部55はバー54と同様に、保持装置25からピン状に突出して、耐摩耗性コンポーネント343および344をそれらの盲孔45内に受容する。
耐摩耗性コンポーネント341、342、343、および344は、片側だけが凝縮ユニット320に固定されるので、凝縮ユニット320の保持装置25上に張り出すように配置される。保持装置25およびその固定領域、すなわちテークアップ26は、特に図5で分かるように、凝縮チャネル14の片側だけに存在する。凹状支持面331の中心線に沿って引き伸ばされた角柱形状の耐摩耗性コンポーネント341は、その前面だけが保持装置25に固定される。支持面331とは反対側を向いた耐摩耗性コンポーネントの長手方向側の空間は往々にして固定のために充分ではないので、保持装置25の有利な設計の実施形態はこうして可能になり、トップローラ4およびトップローラ15の周面が相互に非常に近接して存在する場合、特にそれが当てはまる。
凝縮ユニット320の安定性要件によっては、片側に突出する細長い耐摩耗性コンポーネント341、342、343、344だけでは、特に周方向Cに荷重を受けたときに充分に安定ではないことがあり得る。凝縮ユニット320の安定性を高めるために、凝縮ユニット320は破線(2点鎖線)によって表わされる安定化コンポーネント57を含むことが有利になり得る。安定化コンポーネント57は保持装置25に固定されない。ブレース型の安定化コンポーネント57は、2つの耐摩耗性コンポーネント342および344を相互に接続する。安定化コンポーネント57は、周方向Cの荷重が増大した場合に、突出耐摩耗性コンポーネント342および344の安定性を高める。安定化コンポーネント57は有利に、相応して丸く湾曲した外形とすることができる。安定化コンポーネント57は有利に、耐摩耗性コンポーネント342および344の未使用テークアップまたは盲孔45に固定することができる。耐摩耗性コンポーネント341および343も同様の方法で安定化コンポーネント(図示せず)により接続することができる。
凝縮ユニット320は、耐摩耗性コンポーネント341、342、343、および344を予め製作し、有利には全ての機械加工が完成しているように製造することが有利である。耐摩耗性コンポーネントのためのテークアップ26を備えた保持装置25も予め製作される。耐摩耗性コンポーネント341、342、343、344のテークアップ45の寸法は、間に遊びが存在するようにテークアップ26と整合される。耐摩耗性コンポーネントは、物質対物質結合を達成するように、接着剤結合によって保持装置25に固定される。シリンダの周面に適合された凸状湾曲面を有する補助装置が結合プロセスのために使用される。シリンダの直径は、ドラフト・ユニット・ローラ3の直径にできる限り正確に一致する。ここで、テークアップ26および/またはテークアップ45の領域に接着剤が塗布される。次いで耐摩耗性コンポーネント341、342、343、344が保持装置25に取り付けられる。ピン53および55上に盲孔45が摺設される。軟質接着剤のため依然として可動である耐摩耗性コンポーネント341、342、343、および344を含む凝縮ユニット320は、補助装置のシリンダの周面に適合された凸状湾曲面上に載置される。それらが載置される間に、耐摩耗性コンポーネント341、342、343、344はそれらの接触面331、332、333、334を、後でドラフト・ユニット・ローラ3に対応するシリンダ面に向き付け、耐摩耗性コンポーネントを相互に調整させる。接着剤が硬化し、耐摩耗性コンポーネントが保持装置25に固定されるまで、凝縮ユニット320はこの状態で支持される。接着剤が硬化すれば、凝縮ユニット320は多くの場合、動作する準備ができている。特定の用途の場合、特に凝縮ユニット320の特に高レベルの精度が要求される場合、凝縮ユニット320とドラフト・ユニット・ローラ3との接触を改善するために、耐摩耗性コンポーネント341、342、343、344が保持装置25に固定された後、支持面331、332、333、334を最終的に再研削することができる。
凝縮ユニット320をトップローラ集合体に取り付けるために、板ばね58の形状の接続手段21が設けられる。板ばね58は同時に、支持面331、332、333、334に接触力を生成するための荷重要素である。板ばね58は、ねじ59によってトップローラ集合体18の基体19に固定される。ねじ59は、板ばね58および板ばね322をも基体19に一緒に固定することができる。支持面331、332、333、334への接触圧力を高めるために、凝縮ユニット320は破線で表される磁石29を含むことができる。
凝縮ユニット320は、板ばね58のためのテークアップ28を含む。テークアップ28は、好ましくは筒状ピン63によって形成されるジョイントの形状で設計され、その周りに板ばねが湾曲される。板ばね58およびジョイント28は凝縮ユニット320を可動にし、トップローラ集合体18がボトムローラ3上に載置されたときに支持面331、332、333、および334が周面13上に確実に位置するように、調整することができる。ジョイント28のピンの周りに湾曲された板ばね58は、凝縮ユニット320がトップローラ集合体18から落ちるのを防止する。この結果、固定装置52は荷重要素58によって形成される。凝縮ユニット320のコンポーネント群は荷重要素58を含むことが有利である。したがって板ばね58は凝縮ユニット320と共に供給され、その荷重力はこの特定の凝縮ユニット320の要件に合わせて調整することができる。
凝縮ユニット320は、凝縮ユニット320を周方向Cに位置決めするための停止面51を含み、前記停止面51は耐摩耗性コンポーネント341および342の間の中心に配置することが有利である。図示しない実施形態では、2つの耐摩耗性コンポーネント341および342の間に対称的に配置される、相互に離れた2つの停止面51を設けることができる。停止面51は基体19またはアクスル17に支持される。停止面51を基体19上に支持するための表面61は、それがトップ・ローラ・アクスル17の中心線の周りに一定半径を含むように設計される。これは結果的に、トップローラ4、15、特にトップローラ4のコットが摩耗した場合に再研削されたときに、凝縮ユニット320のさらに正確な位置決めを確実にする。
凝縮ユニット320の実施形態では、加工糸10および10´のために2つの案内面24および24´を設けることができる。凝縮ユニット320の保持装置25は、案内面24、24´受容する目的のために、破線で示すように凝縮チャネル14、14´の下流で拡大される。案内面24、24´は、保持装置25内に挿設されたバー60によって有利に形成することができる。図示しない実施形態では、保持装置25に固定される別個の耐摩耗性コンポーネントに案内面24、24´を配置することも有利になり得る。案内面24、24´を有する耐摩耗性コンポーネントは、ドラフト・ユニット・ローラ3のための支持面をも含むことができ、耐摩耗性コンポーネント341と同様に設計しかつ固定することができる。
図示しない代替的実施形態では、凝縮ユニット320をトップローラ集合体18の基体19に旋回するように配置することができる。図3で停止面51が配置された領域に、接続手段として凝縮ユニット320を基体19に接続するシリンダピンを配置することができる。凝縮ユニット320はピンの中心線の周りを旋回することができる。凝縮ユニット320がピンに固定される場合、凝縮ユニット320は2つの支持面331および332を含むだけで充分であり得る。案内面23および23´の領域の接触面333および334は、必要ならば省くことができる。接触面333および334が省かれる場合、案内面23および23´は多少延長されるバー56の外周によって直接、有利に形成することができる。その場合、例えば硬化鋼製のバー56は、保持装置25に取り付けられた耐摩耗性コンポーネントを形成する。代替的に、凝縮ユニット320をアクスル17に回動設置することも有利になり得る。
凝縮ユニット620の第3実施形態を図6および図7に示す。凝縮ユニット620は、1つのドラフトユニット1だけに割り当てられ、すでにドラフトされた繊維ストランド11のための凝縮チャネルを含む。凝縮ユニット620は、凝縮チャネル14の領域に配置されるドラフト・ユニット・ローラ3上に凝縮ユニット620を位置決めするための支持面631を含む。支持面631は凹状に湾曲し、周面13に適合される。凝縮ユニット620はマルチパートコンポーネントとして設計され、保持装置25と、保持装置25に対して動くことができないように保持装置25に固定される耐摩耗性コンポーネント641とを含む。支持面631は耐摩耗性コンポーネント641に配置される。
凝縮ユニット620は、周方向Cに接触面631から離れて位置するドラフト・ユニット・ローラ3のためのさらなる支持面633を含む。接触面633は平面または凸面とすることができる。接触面633は耐摩耗性コンポーネント643上に配置することが有利である。代替的に、接触面633は、耐摩耗性コンポーネント643無しで凝縮ユニット620に直接配置することができる。耐摩耗性コンポーネント641および643の固定は、他の図に関連してすでに説明した通り、有利に実行される。
凝縮ユニット620の支承安定性を改善するために、耐摩耗性コンポーネントにも有利に配置される第3支持面632(破線で示す)を設けることが有利になり得る。支持面631、632、633および荷重要素27は、支持面631、632、および633の中心点間の最短可能な接続線によって形成される図7の仮想領域内に荷重要素が位置するように、相互に対して配置することが有利である。
凝縮ユニット620は単一ドラフトユニット1だけのために設計され、その結果、ドラフトユニット1で発生するどんな障害も隣接ドラフトユニット1´に伝達されないという利点を有する。しかし、他の実施形態の場合と同様に、2つの隣接するドラフトユニット1、1´のためのトップローラ集合体18が設けられる。トップローラ集合体18には、相互に鏡面対称に設計されることが有利である、2つの分離した凝縮ユニット620および620´が配置される。凝縮ユニット620および620´は、各々が独立して可動であるようにトップローラ集合体18上に配置される。
凝縮ユニット620をトップローラ集合体18に取り付けるための手段21が設けられ、それは滑り案内50、固定装置としての固定要素52、および支持面631、633に対する接触力を発生させるための荷重要素としてのつる巻き圧縮ばね27を含む。
代替的実施形態では、滑り案内50は省くことができる。凝縮ユニット620は接続手段21´によりツイン・トップ・ローラ15のアクスル17に取付け、図6に破線で示すようにアクスル17の周りを旋回することができる。滑り案内50の一部として停止面51の代わりに、停止面51´が周方向Cに凝縮ユニット620を位置決めするために設けられ、外停止面51´はアクスル17に支持される。この場合、支持面632は省くことができるが、ばね27および固定装置52は図示する通り維持される。
1実施形態では、凝縮ユニット620は、繊維ストランド2のための案内面23および/または糸10のための案内面24を含むことができる。案内面23および24は、他の図に関連して上述した実施形態と同様に設計することができる。また、支持面633を案内面23の領域に配置し、耐摩耗性コンポーネント343と同様の耐摩耗性コンポーネントを設けることも有利になり得る。
耐摩耗性コンポーネント641は、張り出すように凝縮ユニット620に固定される。その結果、凝縮ユニット620を取り付けるための手段21は、耐摩耗性コンポーネント641の支持面631とは反対側のツイン・トップ・ローラ4および15のコット間より多くの空間が存在する、ドラフトユニット1、1´間の領域に配置することができる。
これまでの全ての実施形態では、1つのドラフトユニット1における単一繊維ストランド2の処理を記載した。しかし、公知の方法で、複数の繊維ストランドを、特に2つの繊維ストランドを1つのドラフトユニット1で一緒にドラフトすることが可能である。ニップライン5には、すでにドラフトされ凝縮ゾーン12を別々に案内される2つの繊維ストランド11が相互に離れて存在する。その場合、2つの隣接する繊維ストランド11を凝縮する2つの凝縮チャネル14が凝縮ゾーン12に設けられる。別々に凝縮された2つの繊維ストランド11は、ニップライン16のすぐ下流のジョイント加撚装置に給送され、加撚されて2重スピン撚糸になる。記載した凝縮ユニット20における凝縮チャネル14および案内面23の数は、言うまでもなく、そのような2重スピン撚糸の生産に適応させることができる。すでにドラフトされた繊維ストランド11の凝縮のために、様々な形の凝縮チャネル14が公知である。凝縮チャネル14およびその案内壁46の形状の選択は、用途およびドラフトユニットで処理される繊維ストランドのタイプに従って行なわれる。
凝縮ユニット20をトップローラ集合体18に取り付けるための上述の種々の手段21、および耐摩耗性コンポーネントの接合プロセスは当然、必要に応じて組み合わせることができることを言明する。