JP2005524784A - スライバーに対する圧縮機を備えるリング精紡機の牽伸ユニット - Google Patents

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Abstract

糸を製造するリング精紡機の牽伸ユニット(1)が記載されている。牽伸ユニット(1)は、ドラフトゾーン(7,10)と、引き伸ばされて拡張されたスライバー(F)のための圧縮通路(12)を有している幾何学的・機械的に作用する圧縮機部品(11)とを有している。圧縮機部品(11)は、ドラフトゾーン(7,10)の取出トップローラ(8)と圧縮機ゾーン(16)の出口部にある送出トップローラ(15)との間に延びる圧縮機ゾーン(16)に配置されており、圧縮機ゾーン(16)を通る搬送経路(A,B)に沿ってスライバー(F)を支持する搬送手段が設けられている。

Description

本発明は、請求項1の上位概念に基づく、スライバーに対する圧縮機を備えるリング精紡機の牽伸ユニットに関する。本発明は、本発明に基づいて構成された牽伸ユニットで使用するためのコンポーネントも対象としている。
天然繊維や人工繊維を糸に変えるためには一連の部分作業工程が必要である。最後の作業段階は、通常、精紡と呼ばれている。紡がれた糸はその際に最終的な細さと強度を得る。精紡には、糸の製造プロセス全体に要するコストの大きな割合が必要になる。従来技術から公知となっているリング精紡機は、古典的な紡ぎ車による手作業での紡糸にもっとも近いものである。この場合、紡がれた糸は回転する紡糸錘に巻き付けられる。リング精紡には基本的に3つの機械が必要である。フライヤーによって、ロービングとも呼ばれる粗糸がスライバーから製作される。リング精紡機によって、粗糸から所要の細さをもつ糸が製作され、小さな木管に巻き取られて玉になる。そして駒巻機が多数の玉から糸を集め、数キログラムの重量の使用準備が整った糸巻きを製作する。
リング精紡機では、求められる糸の細さまで粗糸が引き伸ばされ、糸の紡績に必要な繊維の撚りがかけられる。この機械は通常2つの側で施工されており、各々の側に複数の錘=紡糸ヘッドを有している。各々の紡糸ヘッドに牽伸ユニットが付属している。これは、いわゆる3ローラ型牽伸ユニットである場合が多い。この牽伸ユニットは、ブレークドラフトゾーンとメインドラフトゾーンを有している。供給された粗糸は牽伸ユニットで所望の細さまで引き伸ばされ、比較的幅の広いスライバーとして、1組の取出ローラのニップラインに沿って牽伸ユニットから出ていく。
このスライバーを紡糸撚りによって加撚し、撚り合わせて完成した糸にする。このとき、牽伸ユニットの1組の取出ローラのニップラインに続いて、牽伸ユニットから供給されるそれぞれの繊維が合流し、一体化して糸構造になる、いわゆる紡糸三角地帯が形成される。すべての繊維が紡糸三角地帯で捕捉されるわけではない。縁部にある繊維が失われたり、加撚された糸に不完全な形でしか蓄積されないことがある。紡糸三角地帯の縁部にある繊維は、撚りを与えるときに、紡糸三角地帯の中央部にある繊維よりもはるかに強力に紡がれる。したがって完成した糸では、周辺部に位置する繊維のほうが糸の芯部にある繊維よりも強い初期応力をかけられている。相応に高い荷重が糸にかかると、円周部分の強い初期応力がかかっている繊維が最初に切れる。このように、撚りが完了した糸は、個々の繊維の個別強度の合計として有しているべき強度を有してはいない。管理不能な形で蓄積された繊維は、撚りをかけられた糸から突出して、好ましくない糸の毛羽立ちの増大につながってしまう。糸の毛羽立ちが多いことは、品質低下と同一視される。
紡糸三角地帯およびその不都合な帰結をできるだけ回避するために、現代のリング精紡機の牽伸ユニットでは、1組の取出ローラから出てきた幅の広いスライバーを可能な限りコンパクトに合体させる圧縮機ゾーンが、ドラフトゾーンに追加されている。このようにスライバーはコンパクト化または圧縮されてから初めて圧縮機ゾーンを出て、撚り合わさて完成した糸になる。たとえばRieter社(ヴィンタートゥール所在)のパンフレット第1646e−BBAB−15号より、空気圧式に作用する圧縮装置が公知である。この公知の空気圧式の圧縮装置は、内部に負圧が発生している溝付きドラムを含んでいる。この負圧が溝付きドラムを通る空気流を生成し、そのようにして、ドラムを介して案内されるスライバーの所望の圧縮につながる。空気圧式に作用する圧縮機は調達や保守の点で高価である。圧縮のために必要な負圧の生成には、高いエネルギー消費を要する。そのう
え、スライバーの圧縮に必要な構成部品のいくつかは比較的高い磨耗を被る。そのため、空気圧での圧縮によって製作されるコンパクトな糸は、品質の点ではベターであるものの、製造の点では従来式のリング精紡糸よりも明らかに高価である。
幾何学的・機械的に作用する圧縮装置を装備しているリング精紡機の牽伸ユニットも公知である。この圧縮装置は明らかに低コストに具体化できるのが通常である。この場合、各々の圧縮装置は、スライバーの搬送平面上に配置されたブロック状の圧縮機部品を含んでいる。この圧縮機部品はスライバーのほうを向いている側に、スライバーの入口側では漏斗状に拡張するとともにスライバーの搬送方向では先細になるように構成された溝状の圧縮通路を備えている。圧縮機部品によってスライバーが運ばれるときに、狭くなっていく圧縮通路によって繊維が押し合わされて、所望の程度に圧縮される。
公知の実施形態では、比較的小型の設計の圧縮機部品が牽伸ユニットのメインドラフトゾーンに配置され、すなわちメインドラフトゾーンに設けられたエプロンバンドと1組の取出ローラとの間に配置される。このような圧縮機部品の配置では、スライバーの引き伸ばしと圧縮が同時に行われる。この場合、スライバーの均等な引き伸ばしが妨げられる。圧縮機部品のスペースを確保するために、1組の取出ローラのニップラインとエプロンバンドとの間隔が長くなる。そのために、ひいては繊維が案内されない距離も長くなる。均等な引き伸ばしの不具合、および、繊維が案内されない状態で進まなくてはならない距離の増加は、糸の不均等性につながって糸の品質を損なうことになりかねない。圧縮機部品は牽伸ユニットを操作するときに邪魔になり、構造が比較的小さいために容易に紛失しやすい。
幾何学的・機械的に作用する圧縮機部品を、ドラフトゾーンに後続する圧縮機ゾーンに配置することも理論的には可能である。このような配置にした場合、1組の取出ローラと、圧縮機ゾーンの出口に設けられた1組の送出ローラとの間の距離を、支持をする搬送手段なしに繊維が横切らなくてはならない。しかしながら多くの素材、たとえば木綿の場合、繊維の多くは圧縮機ゾーンで横切られるべき距離よりも短い。したがって、後続する圧縮機ゾーンに圧縮機部品を配置することは、牽伸ユニットの1組の取出ローラから供給されるスライバーが、繊維を単位断面積当りで非常に多数有している場合にしか具体化が可能でない。その場合に限り、搬送手段で支持されない距離をスライバーがある程度まで自立することが確保される。このことは、たとえばフライヤーとも呼ばれる粗紡機で当てはまる。粗紡機では比較的太い粗糸が製作され、後続するリング精紡機でこの粗糸から完成した糸が最終的に製作される。リング精紡機は、牽伸ユニットの1組の取出ローラのところではそれほど稠密なスライバーを供給しないのが普通なので、上述したような後続する圧縮機ゾーンへの圧縮機部品の配置は、リング精紡機にとっては従来適していなかった。
本発明の課題は、従来技術のこのような欠点を回避することにある。品質的に高い糸、いわゆるコンパクト糸を低コストに製作することができるように、牽伸ユニットを改良するのが望ましい。このとき、高いコストのかかる空気圧設備や高価な磨耗部品の使用を省略するのが望ましい。牽伸ユニットの改良にもかかわらず、従来技術による公知の牽伸ユニットのコンパクトな構造は維持されるべきである。このとき、特に本発明による改良を既存のリング精紡機にも適用することができ、そのために高い費用のかかる設備変更を行わなくてすむように配慮するのが望ましい。
この課題の解決の要諦は、請求項1の特徴部に記載の構成要件を備える、スライバーに対する圧縮機を備えるリング精紡機の牽伸ユニットにある。本発明の発展例および/また
は有利な実施形態は、従属請求項の対象となっている。
本発明は、圧縮通路を有している幾何学的・機械的に作用する圧縮機部品が、ドラフトゾーンに後続する圧縮機ゾーンに配置されており、圧縮機ゾーンでスライバーを支持する搬送手段が設けられることを提案する。
本発明による解決法は、圧縮機部品がメインドラフトゾーンに配置されている牽伸ユニットの上述した欠点を回避する。ドラフトゾーンに後続する圧縮機ゾーンの問題点は、スライバーが実質的に圧縮機ゾーンを通る搬送区間全体にわたって搬送手段で支持されることによって回避される。圧縮機ゾーンでは、もはや引き伸ばしは行われない。糸は圧縮機部品によって非常に均等に圧縮され、このことは糸の品質に対して有利に作用する。本発明の解決法により、高いコストのかかる空気圧式に作用する圧縮装置の使用を省略することができる。圧縮部材がドラフトゾーンに配置されている牽伸ユニットで生じる可能性のある糸の不均等性は、本発明に基づき、後続する圧縮機ゾーンへの配置によって回避される。その結果として生じる糸品質は優れており、特に、製造原価が明らかに削減されることを考えると高い競争力を備えている。
本発明の非常に有利な実施形態では、圧縮機ゾーンにおけるスライバーの搬送手段は、取出トップローラと送出トップローラが上に支持されるボトムローラによって構成される。この実施形態では、圧縮機ゾーンはボトムローラの円周区域に沿って延びている。ボトムローラは、この両方のローラすなわち取出トップローラと送出トップローラが相前後して容易にスペースを見出し、圧縮機部品をこの両方のローラの間に容易に配置できるようにするために、公知の従来式の牽伸ユニットにおける取出ボトムローラに比べて大きな直径を有している。このことは、特に短繊維加工用のリング精紡機において有利であり得る。ボトムローラの直径が大きい場合でさえ、この実施形態は依然として構造が非常にコンパクトであることを特徴としている。このように構成された牽伸ユニットは、従来型の牽伸ユニットよりもわずかに長くなるにすぎない。スライバーは圧縮機ゾーンの縦方向の長さ全体に沿って、ボトムローラの表面で支持される。
取出トップローラと送出トップローラは、特にばね力によってボトムローラに押圧されるホルダに取り付けられているのが好ましい。それにより、たとえば一方または両方のトップローラを付勢するための中央の板ばねを設けるだけでよくなる。この板ばねはホルダに取り付けられ、牽伸ユニットの定置の構成部品に支持される。たとえば定置の構成部品は、牽伸ユニットの特にドラフトゾーンのそれぞれ上側に配置されたトップローラを、下側のローラないしボトムローラに押し付けるプレッシャアームである。
スライバーの搬送経路は、取出トップローラとボトムローラとの取出ニップラインから、送出トップローラとボトムローラとの送出ニップラインまで延びている。その長さは、スライバーに埋め込まれた繊維の長さの3分の1よりも短い。それにより、圧縮ゾーンにおける繊維の搬送が二重に挟み込まれた繊維によって管理され、その繊維はすべて、その長さが圧縮ゾーンを通る搬送経路の長さよりも大きい繊維である。たとえば繊維に対する圧縮機部品の制動作用によって引き起こされる、スライバーの均等性の乱れがそれによって回避される。
幾何学的・機械的に作用する圧縮機部品は、圧縮通路を有している。この圧縮通路は、ボトムローラのほうを向いている圧縮機部品の下面に配置されるか、または、トップローラのほうを向いている圧縮機部品の上面に配置されていてよい。いずれの場合でも、圧縮機部品が作業位置にあるときにボトムローラに遊びなく載置され、これに対して設定可能な力で押圧されると好ましいことが判明している。それにより、繊維がボトムローラと圧縮機部品の載置面との間に管理不能な状態で達することが回避される。ボトムローラに対
する圧縮機部品の圧着力は、たとえば圧縮機部品の自重、機械的なプレテンション装置、磁力などによって生成することができる。前述の方法の組み合わせが設けられていてもよい。
牽伸ユニットの格別に簡素な実施形態では、圧縮機部品が、ボトムローラを180°を超える範囲にわたってばね作用で取り囲む止め金と連結されている。止め金およびこれに取り付けられた圧縮機部品は、ボトムローラが回転すると、止め金および/または圧縮機部品から突出する延長部が牽伸ユニットの定置の構成部品に支持されるまで、特に送出トップローラの軸に支持されるまで、一緒に回転する。このような設計的に簡素な方策により、圧縮機部品が送出トップローラとボトムローラの間でニップラインに対して正確に位置決めされる。
送出トップローラが持ち上げられてボトムローラが引き続き回転しているときに、止め金が圧縮機部品とともにボトムローラと一緒に回転するのを防ぐために、作動中には牽伸ユニットの定置の構成部品に対して短い間隔をおいて位置する突出するストッパが止め金に設けられている。送出トップローラが持ち上げられ、それによって止め金および/または圧縮機部品にある延長部が解放されたとき、止め金は、ストッパが牽伸ユニットの定置の構成部品に当接するまでしか、圧縮機部品とともにボトムローラの回転運動に追随することができない。たとえばこの定置の構成部品は、牽伸ユニットのエプロンバンドのための方向転換レールである。送出トップローラが再び作業位置に戻ると、トップローラの軸が延長部に対して押し付けられ、それによって圧縮機を再びその作業位置に戻す。
各々の止め金が、中央に配置された止め金の両側に配置された2つの圧縮機部品を支持していると、設計上の理由から好都合であることが判明している。
本発明の非常に簡素かつ低コストな実施形態では、止め金と1つないし複数の圧縮機部品とが一体的に構成される。これらが、たとえば射出成形法などの大量生産方法でプラスチックから製作されていると好ましい。
本発明のさらに改良された実施形態では、圧縮機部品は作業位置にあるときに送出トップローラにも支持されている。圧縮機部品の支持面の半径は、支持をするボトムローラおよび送出トップローラの半径にほぼ合わされている。このことは、特にボトムローラに対する支持面の場合、圧縮機部品の支持面とボトムローラの間に繊維が入り込めないという利点がある。
圧縮機部品が送出トップローラとボトムローラの間に挟み込まれるのを防ぐために、圧縮機部品の支持面は、牽伸ユニットの平面に対してほぼ鉛直に延びる当接領域が送出トップローラに生じるように構成されるのが好都合である。この場合、圧縮機部品はボトムローラの上に遊びなく載る。圧縮機部品の後で、圧縮されたスライバーの好ましくない拡張が再び起こらないようにするために、圧縮機部品の出口は、送出トップローラとボトムローラとのニップラインに可能な限り近づけられる。ただし、圧縮機部品が送出トップローラとボトムローラの間で挟み込まれるのを防ぐために、圧縮機部品はニップラインまで完全に延びてはおらず、そこで送出トップローラに接触しない。
本発明の一つの有利な実施形態では、圧縮機部品を送出トップローラとともにボトムローラから持ち上げ可能である。この実施形態では、たとえば糸の加撚が圧縮機ゾーンまで延長されるように、送出トップローラのニップラインを一時的に持ち上げたいといった場合に、圧縮機部品を必要に応じて持ち上げることができる。
圧縮機部品の持ち上げ可能性をできるだけ容易に具体化するために、圧縮機部品は、取
出トップローラと送出トップローラの間の間隔が最小になる領域の上方で、これら両方のトップローラと一緒に持ち上げ可能であるように拡張した状態で構成される。ローラを持ち上げれば、圧縮機部品も容易に一緒に動く。
本発明の別の有利な実施形態では、圧縮機部品は1または複数の永久磁石を装備している。永久磁石はスライバーの搬送手段と協働し、特にボトムローラと協働する。それにより、機械が振動したときでも圧縮機部品がボトムローラの上に安定して載置され、わずかに持ち上げられることがないことが確保され、圧縮機部品とボトムローラの外套面との間に繊維が入り込めないことが保証される。
圧縮機部品が送出トップローラに対して軸方向へ位置がずれないように固定されることも、糸の均等性にとって好都合である。このことは、たとえば送出トップローラまたは取出トップローラの側面に上から当る圧縮機部品のラグまたは突起によって行われる。ラグまたは突起は、たとえば圧縮機部品と堅固に結合されたプラスチック栓である。突起またはラグに色でマーキングすると、圧縮通路の断面積を表す標識としての役目を果たすことができる。利用者はこれを見て、それぞれの圧縮機がどの分野の糸に適しているかがすぐにわかる。
圧縮機部品および場合によりこれと連結された止め金は、プラスチック、セラミック材料、あるいは鋼材や真鍮等の金属でできていてよい。
繊維がボトムローラと幾何学的・機械的に作用する圧縮機部品との間へ管理不能な状態で入るのを防ぐために、ボトムローラが、中断部や貫通部等がなくほぼ平滑に構成された円周面を有していると好都合である。平滑な表面により、圧縮機部品は円周面と密着して接触するように載置され、繊維は圧縮通路にしか入ることができない。ドラフトゾーンから出てくる繊維は相前後して2回挟み込まれるので、平滑なボトムローラの使用はスライバーの均等な引き伸ばしにとって不利益にはならない。取出ニップラインすなわちドラフトゾーンからの出口部のところでまだボトムローラの円周速度に完全に達していない繊維は、遅くとも送出ニップラインすなわち圧縮機ゾーンの出口部のところでこの速度を得る。それにより、圧縮機ゾーンを通る搬送区間の長さよりも長さが大きい繊維に及ぼされるわずかな長手方向の応力が、圧縮機部品の作用をサポートするという利点がある。
ボトムローラの円周面が平滑に構成される場合には、ボトムローラの円周面が、少なくともスライバーの通過する領域で繊維よりも高い摩擦係数を有していると好ましいことが判明している。このことは、たとえばボトムローラの円周面が、少なくともスライバーの通過する領域で化学処理または電解被覆されることによって実現される。たとえばボトムローラの円周面は、少なくともスライバーの通過する領域にニッケル・ダイヤモンド被覆を備えている。
本発明による牽伸ユニットの有利な発展例では、ドラフトゾーンの出口部の手前すなわち取出トップローラの手前に、機械的に作用するスライバーガイドが配置される。このときスライバーガイドは、スライバーのための案内通路が圧縮機部品の圧縮通路に対してほぼ中央に延びるようにアライメントされる。ドラフトゾーンの出口部にある機械式のスライバーガイドは、スライバーが圧縮機部品の入口部に対して斜めに到着した場合に、繊維の一部が圧縮通路のそばを通り過ぎて搬送されるのを防止する。引き伸ばされたスライバーの厚さの不均一性や、取出トップローラおよび/またはボトムローラの不均等な磨減のために、スライバーが搬送中に目標位置から側方に変位してしまう可能性もある。側方への変位は、スライバーの周辺領域が圧縮通路のそばを通り過ぎて送出トップローラへ案内されることにつながりかねない。このことは糸の品質の低下につながる。機械式のスライバーガイドは、スライバーの側方領域が圧縮通路の入口部のそばを通り過ぎて搬送される
のを機械式の側方の案内によって防ぐことにより、この問題に対処するものである。この場合、スライバーガイドは、圧縮機部品への入口部における圧縮通路の幅よりも狭い有効平均幅を有しているのが好ましいことが判明している。このときスライバーガイドの有効平均幅は、通常、出口部ないしそのすぐ近傍における案内通路の幅である。案内通路は、ほぼ平行に延びる2つの側方の案内壁を備えていてよい。あるいは案内通路は入口部から取出トップローラの手前の出口部に至るまで、その幅に関して若干先細になるように構成されていてもよい。
本発明の別の実施形態では、スライバーガイドが側方へスライド可能なように配置されることが意図されていてよい。そうすれば、必要に応じてスライバーガイドが圧縮機部品と一緒に、スライバーの搬送方向に対してほぼ鉛直に側方へ可動になる。スライバーガイドと圧縮機部品の側方へのスライド可能性を結びつけることで、側方へスライドするときでもこの両方の構成部品の互いに相対的なアライメントが維持されることが確保される。
本発明によるリング精紡機は、本発明に基づく牽伸ユニットのいずれかの実施形態を装備しているのが好ましい。このようなリング精紡機は、従来技術の機械で製作される比較的高価なコンパクト糸の品質に匹敵する品質の低コストなコンパクト糸を供給することができる。
本発明に基づいて構成された牽伸ユニットは、たとえば新たに設計、製造されるリング精紡機の構成要素であってよい。本発明による構成は、リング精紡機の既存の牽伸ユニットを設備変更することも可能にする。そのために一つの有利な実施形態では、牽伸ユニットの既存の取出トップロールに代えて利用されるトップローラユニットが意図されていてよい。このトップローラユニットは、共通のホルダに組み付けられた取出トップロールと送出トップローラを含んでいる。組付け状態のとき牽伸ユニットの定置の構成部品に支持され、1組のトップローラを牽伸ユニットのボトムローラに対して押圧する板ばね等が、ホルダから突出している。設計的に比較的簡素なトップローラユニットによって、従来技術の既存の牽伸ユニットに本発明の意味で後続する圧縮機ゾーンを追加することが可能である。
この場合、それぞれ2組の対をなすトップローラが、中央に配置されたホルダの左右に組み付けられると好都合であることが判明している。これら3組の対をなすトップローラはそれぞれ一組ごとに配置され、ホルダを介して、牽伸ユニットの定置の構成部品に組み付けられる。この定置の構成部品は、牽伸ユニット特にドラフトゾーンのそれぞれ上側に配置されたトップローラを下側のローラないしボトムローラに押し付けるプレッシャアームであるのが好ましい。
トップローラユニットは、対をなす1組のトップローラの間の間隙にそれぞれ拘束的に保持された圧縮機部品を装備しているのが好ましい。このとき圧縮機部品は、断面がほぼ三角形の実質的に角柱状の本体を有しているのが好ましい。その支持面の半径は、牽伸ユニットの支持をするボトムローラおよび送出トップローラの半径にほぼ合わされている。本体には、圧縮機部品をボトムローラに固定するための磁石が配置されている。少ない磨耗、正確な加工性、寸法安定性といった理由から、圧縮機部品はセラミック材料またはプラスチックとセラミックの混合物でできているのが好ましく、あるいはプラスチックや金属で製作されていてもよい。
一つの有利な発展例では、トップローラユニットは機械式のスライバーガイドも有している。このスライバーガイドは、たとえば取出トップローラに拘束的に配置される。組付け状態のとき、スライバーガイドは牽伸ユニットのドラフトゾーンに配置される。スライバーガイドは、圧縮機部品の圧縮通路に対してほぼ中央に配置され、圧縮機部品への入口
部における圧縮通路の幅よりも狭い有効平均幅を有する、スライバーのための案内通路を有している。トップローラユニットのこの実施形態は、本発明による牽伸ユニットを構成し、品質的に卓越した糸を均等かつ低コストに製造するのに必要なコンポーネントをすべて含んでいる。
さらに別の改良例として、スライバーガイドと圧縮機部品が側方へスライド可能なように配置され、必要に応じて一緒に側方へスライド可能であることが、トップローラユニットでさらに意図されていてよい。スライバーガイドと圧縮機部品の側方へのスライド可能性を結びつけることは、たとえば取出トップローラおよび送出トップローラおよび/またはボトムローラを均等に磨減させるために、圧縮機ゾーンを通るスライバーの搬送経路を必要に応じて側方へ的確に変位させることを可能にする。
本発明のさらに別の実施形態では、トップローラユニットがボトムローラと一緒にセットとして提供されることが意図されていてよい。この場合、ボトムローラは、少なくともスライバーの通過する領域で繊維よりも高い摩擦係数を有する平滑な円周面を備えているのが好ましい。このことは、たとえばボトムローラの円周面が、少なくともスライバーの通過する領域で化学処理または電解被覆されることによって実現される。たとえばボトムローラの円周面は、少なくともスライバーの通過する領域にニッケル・ダイヤモンド被覆を備えている。あるいはこのように構成されたボトムローラを、別個の交換部品として提供することもできる。
圧縮機部品は、本発明による牽伸ユニットまたは牽伸ユニット用のトップローラユニットと同じ発明思想に依拠するコンポーネントであり、独立した特許性を備えている。このとき圧縮機部品は、断面がほぼ三角形の実質的に角柱状の本体を有しているのが好ましい。ほぼ三角形の角柱状の本体の構成は、取出トップローラと送出トップローラの間の間隙の形状を考慮したものである。圧縮機部品の支持面の半径は、牽伸ユニットの支持をするボトムローラおよび送出トップローラの半径にほぼ合わされている。圧縮機部品の本体には、圧縮機部品をボトムローラに固定するための磁石が配置されている。このとき磁石は、ボトムローラのほうを向いている支持面から直接突出して、その一部を形成していてよい。あるいは磁石は、支持面の近傍の収容穴に挿入されていてもよい。磨耗の理由から、および加工性や寸法安定性が有利であることから、圧縮機部品はセラミック材料またはプラスチックとセラミックの混合物でできているのが好ましい。
本発明のその他の利点や構成要件は、牽伸ユニットの実施例についての以下の説明から明らかである。図面はそれぞれ模式図である。
図1には、従来技術から公知のリング精紡機用の牽伸ユニットを模式的に示しており、全体として符号101が付されている。この牽伸ユニット101は、従来技術から十分に公知となっている、いわゆる3ローラ型牽伸ユニットとして構成されている。この牽伸ユニットは、供給されるスライバーFのための引込トップローラ102と引込ボトムローラ103とを備える1組の引込ローラを含んでいる。スライバーFの搬送方向で見て、その後にはトップローラ104と中央のボトムローラ105とを備える中央の1組のローラが続いており、これらのローラを介して二重エプロン106が案内されている。1組の引込ローラ102,103と中央の組のローラ104,105との間の区間は、スライバーFのためのブレークドラフトゾーン107を規定している。3ローラ型牽伸ユニットの出口部には、取出トップローラ108と取出ボトムローラ109とを備える1組の取出ローラが配置されている。中央の1組のローラ104,105と1組の取出ローラ108,109との間の区間は、スライバーFが所要の細さにまで引き伸ばされるメインドラフトゾーン110を規定している。
引き伸ばされたスライバーFは、1組の取出ローラ108,109のニップラインAに沿って牽伸ユニット101から出ていく。このスライバーFは紡糸撚りRによって加撚され、撚り合わされて完成した糸になる。このとき、牽伸ユニット101の1組の取出ローラ108,109のニップラインAに続いて、牽伸ユニットから供給される繊維Fが合わされて糸の構造になるように統合される、いわゆる紡糸三角地帯が形成される。できるだけすべての繊維を糸に取り込み、撚りをかけるときにすべての繊維が極力同じ大きさの初期応力をうけるようにするために、この紡糸三角地帯をできるだけ狭く抑えるよう尽力されている。この理由から、引き伸ばされて加工されたスライバーFは、加撚されて糸になる前に再び合流させられてコンパクト化される。そのために、1組の取出ローラ108,109の手前には、スライバーFが中を通過する圧縮機部品111が配置されている。このときスライバーFは、圧縮機部品111の設計形態によって幾何学的・機械的に圧縮される。
図2は、実質的にブロック状の形態を有する圧縮機部品111の一例を示している。この圧縮機部品111は、使用位置のときにスライバーのほうを向く側に、スライバーが中を通過する圧縮通路112を備えている。圧縮通路112は、到着するスライバーのほうを向いている端面114のところでほぼ漏斗状に拡張するように構成されており、これと向かい合う側の出口に向かって所望の程度だけ狭くなっていく。圧縮通路の出口幅は、この圧縮機部品111がどのような分野の糸に適しているかを決定づける。
このような公知の構成の欠点はすでに冒頭に説明したが、明確化するために図1の図面を参照しながら再度説明する。牽伸ユニット101のメインドラフトゾーン110で、メインドラフトゾーン110に設けられたエプロンバンド106と1組の取出ローラ108,109との間に圧縮機部品111を配置すると、スライバーFの引き伸ばしと圧縮が実質的に同時に行われる。この場合、スライバーFの均等な引き伸ばしが損なわれる。圧縮機部品111のスペースを確保するために、1組の取出ローラ108,109のニップラインAとエプロンバンド106との間隔が広くなる。そのために、ひいてはスライバーFが案内されない距離も長くなる。均等な引き伸ばしへの悪影響、およびスライバーFが案内されずに進まなくてはならない距離の増加は、品質を低下させる糸の不均一性につながる可能性がある。圧縮機部品111は、牽伸ユニット101を操作するときに邪魔になり、設計形態が比較的小型なので容易に紛失しやすい。
図3は、全体として符号1が付された、本発明に基づいて構成された牽伸ユニットを模式的に示している。この牽伸ユニット1は3ローラ型牽伸ユニットであるが、決定的な領域で改良が施されている。ブレークドラフトゾーン7は、同じく、供給トップローラ2と供給トップローラ3を備える入口部から、中央のトップローラ4および中央のボトムローラ5を備える中央の1組のローラまで延びている。中央の1組のローラ4,5を介して、メインドラフトゾーン10の二重エプロン6が案内されている。メインドラフトゾーン10は、中央の1組のローラ4,5から、ボトムローラ9に支持される取出トップローラ8まで延びている。取出トップローラ8とボトムローラ9との接触領域が、取出ニップラインAを規定している。
公知の3ローラ型牽伸ユニットとは異なり、ボトムローラ9は通常の取出ボトムローラよりも大きな直径を有している。それにより、取出トップローラ8の後に続いて、同じくボトムローラ9に支持される送出トップローラ15を配置することが可能となる。送出トップローラ15とボトムローラ9の接触領域は、送出ニップラインBを規定している。取出トップローラ8と送出トップローラ15の間の領域、特に取出ニップラインAと送出ニップラインBの間の領域が、圧縮機ゾーン16を形成している。圧縮機ゾーン16には、従来技術の部品に比べて改良された圧縮通路12を備える圧縮機部品11が配置されてい
る。この圧縮機部品11は、その設計形態に基づいて幾何学的・機械的に作用し、圧縮通路12を通過していく拡張したスライバーFを圧縮する。圧縮機部品11は送出ボトムローラ9と送出トップローラ15に遊びなく支持されるのが好ましい。このときボトムローラ9に対する圧縮機部品11の支持面は、その半径が、支持をするボトムローラ9の半径にほぼ相当するように構成されている。それにより、圧縮機部品11の支持面とボトムローラの間に繊維が入り込むことが防止される。ボトムローラ9に対する支持面の縦方向の長さは、送出ニップラインBの約3mmから約8mm手前で終わるように寸法決めされている。それにより、圧縮機部品11が送出トップローラ15とボトムローラ9の間に挟み込まれることが防止される。送出トップローラ15に対する圧縮機部品11の支持面も、送出ボトムローラ15の円周面にほぼ合わせて調整されている。特にこの支持面は、支持が牽伸ユニットの平面に対してほぼ鉛直に行われるように構成されている。ニップラインへと通じる領域では、圧縮機は送出トップローラ15に接触していない。圧縮機部品11は、通常の動作時に取出トップローラ8と接触しないように配置されている。
取出トップローラ8と送出トップローラ15の間隔が最小になる領域の上方にある圧縮機部品11の区域13は、拡張するように構成されている。それにより、たとえば糸の加撚Rを圧縮機ゾーン16まで延長することを一時的に可能にするために、圧縮機部品11を必要に応じて送出トップローラ15と一緒にボトムローラ9から持ち上げることが可能である。
図4に示す圧縮機ゾーン16では、圧縮機部品21は、取出トップローラ8と送出トップローラ15の間隔が最小になる領域の上方を延びる区域23に、送出トップローラ15の端面に上から当り、それによって圧縮機部品21を送出トップローラ15に対して軸方向へわずかな遊びで固定するラグ25または突起を備えている。圧縮機ゾーン16は、同じく、それぞれのローラ8または15とボトムローラとの接触領域によって規定される取出ニップラインAから送出ニップラインBまで延びている。スライバーは圧縮機ゾーン16を通る経路全体に沿ってボトムローラ9で支持される。圧縮機部品21の圧縮通路には符号22が付されている。図面から明らかなように、この圧縮通路22は、取出トップローラ8のほうを向いている側から送出トップローラ15の方向へと先細になっている。
図5は、使用位置にあるときに到着するスライバーのほうを向く、凹面状に湾曲した圧縮機部品21の端面24を示す図である。圧縮通路22はこの端面24で、これと向かい合う取出側よりも明らかに広い断面積を有している。圧縮機部品21の上側区域には同じく符号23が付されている。圧縮機部品21の長辺にあるラグないし突起は符号25で図示されている。ラグ25または突起に色付きのマーキングを施せば、圧縮通路22の断面積を表す標識としての役目を果たすことができる。利用者はこれを見て、それぞれの圧縮機21がどの分野の糸に適しているかがすぐにわかる。圧縮機部品21は実質的にプラスチック、セラミック材料、またはたとえば鋼材や真鍮等の金属でできていてよい。符号26は、作動時にボトムローラと協働する永久磁石を示している。それにより、機械に振動が生じても圧縮機部品21がボトムローラに安定して載置され、わずかに持ち上げられることがないことが確保され、圧縮機部品21とボトムローラの外套面との間に繊維が入り込めないことが確保される。図5には2個の永久磁石26が図示されている。ただ1個の永久磁石、あるいは2個以上の永久磁石が圧縮機部品に埋設されていてよいことは言うまでもない。
図6は、取出トップローラ8とボトムローラ9との取出ニップラインAから、送出トップローラ15とボトムローラ9との送出ニップラインBまで延びる、スライバーの湾曲した搬送経路を備える圧縮機ゾーン16を模式的に示している。これに前置されたドラフトゾーンは二重エプロン6によって図示されている。このとき搬送経路ABの長さlは、送出トップローラ15の位置を調節することで変えることができる。ボトムローラ9に支持
される両方のトップローラ8,15の間に、圧縮通路32がボトムローラ9に向かって開くように構成された圧縮機部品31が図示されている。図面から明らかなように、取出トップローラ8に隣接する圧縮通路32の入口は、送出トップローラ15に隣接する圧縮通路32の出口よりも広い断面積を有している。圧縮機部品31は、ボトムローラ9の円周面に対して遊びなく押圧されている。このことは、同じく圧縮機部品31の自重、たとえば付勢ばね等による機械的な初期応力、あるいは圧縮機部品31とボトムローラ9の間の磁気的な吸引力によって行われる。これらの方策の組み合せが意図されていてもよい。
繊維がボトムローラ9と幾何学的・機械的に作用する圧縮機部品31との間へ管理不能な状態で入るのを防止するために、ボトムローラ9が、中断部や貫通部等がなくほぼ平滑に構成された円周面91を有していると好都合である。平滑な表面により、圧縮機部品31は円周面91に対して密着して接触しながら載置され、繊維は圧縮通路32にしか入ることができない。ドラフトゾーンから出てくる繊維が相前後して2回挟み込まれるので、平滑なボトムローラ9の使用はスライバーFの均等なドラフトにとって不利益はない。取出ニップラインすなわちドラフトゾーンからの出口部のところでまだボトムローラ9の円周速度に完全に達していない繊維は、遅くとも送出ニップラインBすなわち圧縮機ゾーン16からの出口部のところでこの速度に達する。それにより、圧縮機ゾーン16を通る搬送区間ABの長さlよりも長さが大きい繊維に及ぼされる長手方向のわずかな応力が、圧縮機部品31の圧縮作用をサポートするという利点がある。
ボトムローラ9の円周面91を平滑に構成する場合、ボトムローラ9の円周面91が少なくともスライバーFの通過する領域で、繊維よりも高い摩擦係数を有していると好ましいことが判明している。このことは、たとえばボトムローラ9の円周表面91が少なくともスライバーFの通過する領域で化学処理または電解被覆されることによって実現される。たとえばボトムローラ9の円周面91は、少なくともスライバーの通過する領域にニッケル・ダイヤモンド被覆を備えている。符号Rが付されている矢印は、同じく、引き伸ばされて再び圧縮されたスライバーFが糸の完成のために紡がれる紡糸撚りを示唆している。
図7は、図6の実施例に基づく圧縮機ゾーンに準じて構成された圧縮機ゾーン15を模式的に示している。相違点は圧縮機部品41の構成にある。この圧縮機部品は、図示した実施例では、トップローラ8,18の方向に向かって開くように構成された圧縮通路42を有している。図示した実施例では、スライバーFはボトムローラ9の表面の上を直接案内されるのではなく、ボトムローラ9の上に載置された圧縮機部品9の底面43を介して案内されるので、搬送経路ABは、ボトムローラ9の上における取出ニップラインAから送出ニップラインBまでの表面区域の長さに相当する長さよりも若干長くなっている。
図8の模式図では、設計形態の点ではたとえば図7に示すものに対応しているので同じ符号41が付されている圧縮機部品は、ボトムローラ9の上にばね作用で装着されてその円周面91を180°以上にわたって取り囲む止め金35と連結されている。この場合、止め金35は円周91の細い部分領域だけを覆っている。止め金35は、送出トップローラ15の方向にボトムローラ9が回転すると一緒に回転する。このとき、止め金35から突出する延長部33が、たとえば送出トップローラ15の回転軸17などの定置の部品に当接して、圧縮機部品41が送出ニップラインBのところで挟み込まれるのを防止する。それと同時に、それによって圧縮機部品41が送出ニップラインに対して正確に位置決めされる。延長部33は、図示しているようにハンガー状に構成されていてよく、あるいは完全な盾状の部品であってもよい。延長部33は圧縮機部品41から突出していてもよい。
送出トップローラ15が持ち上げられると、延長部33と、送出トップローラ15の回
転軸17との係合が外れる可能性がある。この場合に、ボトムローラがまだ回転しているときに止め金35およびこれと連結された圧縮機部品41が一緒に回転しすぎるのを防ぐために、定置の部品に当接する別のストッパ34が設けられている。たとえばこの定置の部品は、一方の二重エプロン6のための方向転換レール61である。送出トップローラ15が再び元の位置に戻ると、その回転軸17が延長部33の面取りされた輪郭に対して押圧され、止め金35およびこれと連結された圧縮機部品41を目標初期位置に戻す。このとき、ストッパ34も定置の部品61から短い区間だけ離れるように動く。
この止め金は、図示しているように、ただ1つの圧縮機部品だけしか支持することができない。しかしながら各々の止め金が、中央に配置された止め金の両側に配置された2つの圧縮機部品を支持していると、設計上の理由から好ましい。
図9は、両方のトップローラ8,15がボトムローラ9の上方で共通のホルダ19に組み付けられた本発明の実施例を示している。ホルダ19は両方のトップローラ8,15の両方の回転軸17,18を受けている。ホルダは、ホルダ19に取り付けられ、たとえばドラフトゾーンの定置の構成部品に対して、特にプレッシャアーム62に対して支持されるばね部材63で付勢されている。当然ながら、たとえば板ばね等のばね部材63がプレッシャアーム62に取り付けられ、ホルダに対して支持されていてもよい。ホルダ19を中央部で付勢することにより、同時に、両方のトップローラ8,15が所要の程度でボトムローラ9に対して押圧される。
図10は、本発明による牽伸ユニットのさらに別の有利な変形例を示している。一例として図示するこの変形例は、構造の点では図6の圧縮機ゾーン16に対応している。したがって同図で選択された符号をそのまま使用している。図示した実施例では、スライバーFの搬送経路に、機械的に作用するスライバーガイド51が追加的に設けられている。スライバーガイド51はまだ牽伸ユニットのドラフトゾーンにあり、二重エプロンに引き続いて取出トップローラ8の直前に配置されている。このときスライバーガイド51は、その案内通路52が圧縮通路32に対してほぼ中心に延びるように、圧縮機部品31に合わせてアライメントされている。案内通路52は、圧縮通路32の入口部の幅よりも狭い有効作用幅を有している。スライバーガイド51は、たとえば取出トップローラ8の軸に取り付けられていてよい。スライバーガイドはプラスチック、セラミック、プラスチックとセラミックの混合物、または金属で製作されていてよい。模式的に図示する本実施例では、スライバーガイドは取出トップローラ8の方向に開いた案内通路52を備えるように図示されている。代替的な実施形態では、案内通路がボトムローラ9の方向に開いていてもよい。当然ながらスライバーガイド51は、圧縮通路がトップローラに向かって開くように構成された圧縮機部品との組み合わせで利用することも可能である。
図示しない変形例では、スライバーガイドと圧縮機部品が繊維搬送方向に対して側方へスライド可能である。このときスライバーガイドと圧縮機部品は、側方へのスライドを一緒にしか行えないように互いに連結される。それにより、側方へスライドしたときでも、圧縮機通路への入口に対するスライバーガイドの案内通路のアライメントが維持される。
本発明による牽伸ユニットの実施形態の一つを備えるリング精紡機は、従来技術の機械で製作される比較的高価なコンパクト糸の品質に匹敵する品質の、低コストなコンパクト糸を提供することができる。
従来技術のリング精紡機の既存の牽伸ユニットを、非常に簡単に本発明の意味で設備変更することができる。そのために、牽伸ユニットの既存の取出トップローラに代えて組付可能なトップローラユニットが意図される。このトップローラユニットは、共通のホルダに組み付けられた取出トップローラと送出トップローラを含んでいる。組付け状態のとき
牽伸ユニットの定置の構成部品に支持され、1組のトップローラを牽伸ユニットのボトムローラに対して押圧する板ばね等が、ホルダから突出している。たとえばこの構成部品は、牽伸ユニットの特にドラフトゾーンのそれぞれ上方に配置されたトップローラを下側のローラないしボトムローラに対して押し付けるプレッシャアームである。設計的に比較的簡素なトップローラユニットによって、従来技術の既存の牽伸ユニットに本発明の意味で後続する圧縮機ゾーンを追加することが可能である。
トップローラユニットの別の実施形態では、それぞれ2組の対をなすトップローラが、中央に配置されたホルダの左右に組み付けられる。これら各組の対をなすトップローラはそれぞれ一組ごとに配置され、ホルダを介して、牽伸ユニットの定置の構成部品に組み付けられる。
トップローラユニットは、対をなす1組のトップローラの間の間隙にそれぞれ拘束的に保持された圧縮機部品をすでに装備しているのが好ましい。このとき圧縮機部品は、断面がほぼ三角形の実質的に角柱状の本体を有しているのが好ましい。その支持面の半径は、牽伸ユニットの支持をするボトムローラおよび送出トップローラの半径にほぼ合わされている。本体には、圧縮機部品をボトムローラに固定するための磁石が配置されている。少ない磨耗、正確な加工性、寸法安定性といった理由から、圧縮機部品はセラミック材料またはプラスチックとセラミックの混合物でできているのが好ましく、あるいはプラスチックや金属で製作されていてもよい。圧縮機部品はトップローラユニットに拘束的に保持されてはいるが、更新したり所望の幅の圧縮通路を備える他の圧縮機部品と交換するために、必要に応じて取り外すことができる。
本発明のさらに別の実施形態では、トップローラユニットは機械式のスライバーガイドも有している。このスライバーガイドは、各組のトップローラの間の間隙と向かい合う取出トップローラの側に拘束的に配置される。組付け状態のとき、スライバーガイドは牽伸ユニットのドラフトゾーンに配置される。このときスライバーガイドは、圧縮機部品の圧縮通路に対してほぼ中心に配置され、圧縮機部品への入口部における圧縮通路の幅よりも狭い有効開口幅を有する、スライバーのための案内通路を有している。トップローラユニットのこの実施形態は、本発明による牽伸ユニットを構成し、品質的に卓越した糸を均等かつ低コストに製造するのに必要なコンポーネントをすべて含んでいる。
スライバーガイドと圧縮機部品が側方へスライド可能なように配置され、必要に応じて一緒に側方へスライド可能であることが、トップローラユニットでさらに意図されていてよい。スライバーガイドと圧縮機部品の側方へのスライド可能性を結びつけることは、たとえば取出トップローラおよび送出トップローラおよび/またはボトムローラを均等に磨減させるために、圧縮機ゾーンを通るスライバーの搬送経路を必要に応じて側方へ的確に変位させることを可能にする。トップローラユニットは、短繊維用または長繊維用の牽伸ユニット向けに構成されていてよい。長繊維用の牽伸ユニットでは、ボトムローラの直径は一般にトップローラを支持するのに十分な大きさであるのに対して、短繊維用の牽伸ユニットでは、ボトムローラを直径の大きいものと交換することが必要になる場合がある。
既存の牽伸ユニットを設備変更するとき、ドラフトゾーンの出口部にあるボトムローラを取り替えることが望まい場合があり、トップローラユニットがボトムローラと一緒にセットとして提供されることが意図されていてよい。この場合、ボトムローラは、少なくともスライバーの通過する領域で繊維よりも高い摩擦係数を有する平滑な円周面を備えているのが好ましい。このことは、たとえばボトムローラの円周面が、少なくともスライバーの通過する領域で化学処理または電解被覆されることによって実現される。たとえばボトムローラの円周面は、少なくともスライバーの通過する領域にニッケル・ダイヤモンド被覆を備えている。あるいはこのように構成されたボトムローラを、別個の交換部品として
提供することもできる。
本発明による牽伸ユニット用の圧縮機部品は、トップローラユニットと組み合わせて、または別個のコンポーネントとして、設備変更のために、または交換部品として提供することができる。このとき圧縮機部品は、断面がほぼ三角形の実質的に角柱状の本体を有しているのが好ましい。ほぼ三角形の角柱状の本体の構成は、取出トップローラと送出トップローラの間の間隙の形状を考慮したものである。圧縮機部品の支持面の半径は、牽伸ユニットの支持をするボトムローラおよび送出トップローラの半径にほぼ合わされている。圧縮機部品の本体には、圧縮機部品をボトムローラに固定するための磁石が配置されている。このとき磁石は、ボトムローラのほうを向いている支持面から直接突出して、その一部を形成していてよい。あるいは磁石は、支持面の近傍の収容穴に挿入されていてもよい。磨耗の理由から、および加工性と寸法安定性が有利であることから、圧縮機部品はセラミック材料またはプラスチックとセラミックの混合物でできているのが好ましい。
従来技術のリング精紡機の牽伸ユニットである。 圧縮機部品の下面を示す図である。 ドラフトゾーンと圧縮機ゾーンとを備える本発明の牽伸ユニットの第1実施例である。 圧縮機ゾーンに配置された圧縮機部品の変形例である。 到着するスライバーから見た圧縮機部品を示す正面図である。 圧縮通路がボトムローラに向かって開くように構成された圧縮機部品を備える、ボトムローラに支持された2つのトップローラの間にある本発明の圧縮機ゾーンである。 圧縮通路がトップローラに向かって開くように構成された圧縮機部品を備える、図6の変形例に準じて構成された圧縮機ゾーンである。 ボトムローラを取り囲む止め金と連結された圧縮機部品を備える圧縮機ゾーンである。 共通のホルダに組み付けられた、圧縮機ゾーンのトップローラである。 取出トップローラの手前にスライバーガイドが配置されている、図6に示す圧縮機ゾーンである。

Claims (39)

  1. ドラフトゾーン(7,10)と、引き伸ばされて拡張されたスライバー(F)のための圧縮通路(12;22;32;42)を有している幾何学的・機械的に作用する圧縮機部品(11;21;31;41)とを備える、糸を製造するリング精紡機の牽伸ユニットにおいて、前記圧縮機部品(11;21;31;41)が、ドラフトゾーン(7,10)の取出トップローラ(8)と圧縮機ゾーン(16)の出口部にある送出トップローラ(15)との間に延びる圧縮機ゾーン(16)に配置されており、圧縮機ゾーン(16)を通る搬送経路(A,B)に沿ってスライバー(F)を少なくとも部分的に支持する搬送手段が設けられていることを特徴とする、牽伸ユニット。
  2. 前記搬送手段が、取出トップローラ(8)と送出トップローラ(15)が上に支持されるボトムローラ(9)によって構成される、請求項1に記載の牽伸ユニット。
  3. 取出トップローラ(8)と送出トップローラ(15)がホルダ(19)に組み付けられ、特にばね力(63)によってボトムローラ(9)に押圧される、請求項2に記載の牽伸ユニット。
  4. スライバー(F)の搬送経路が、取出トップローラ(8)とボトムローラ(9)との取出ニップライン(A)から、送出トップローラ(15)とボトムローラ(9)との送出ニップライン(B)まで延び、スライバー(F)に埋め込まれた繊維の3分の1の長さよりも短い長さ(l)を有する、請求項2または3に記載の牽伸ユニット。
  5. 圧縮機部品(11;21;31;41)が作業位置にあるときにボトムローラ(9)に遊びなく載置され、これに対して設定可能な力で押圧される、請求項4に記載の牽伸ユニット。
  6. ボトムローラ(9)に対する圧縮機部品(11;21;31;41)の圧着力が、自重および/または機械的なプレテンション装置および/または磁力によって生成される、請求項5に記載の牽伸ユニット。
  7. 圧縮機部品(31)が、ボトムローラ(9)を180°を超える範囲にわたって特にばね作用で取り囲む止め金(35)と連結されている、請求項2〜6のいずれか1項に記載の牽伸ユニット。
  8. 作動時に牽伸ユニットの定置の構成部品、特に送出トップローラ(15)の軸(17)に支持される延長部(33)が、止め金(35)および/または圧縮機部品から突出している、請求項7に記載の牽伸ユニット。
  9. 送出トップローラ(15)が持ち上げられてボトムローラ(9)が引き続き回転したときに牽伸ユニットの定置の構成部品(61)に当接する、突出するストッパ(34)が止め金(35)に設けられている、請求項8に記載の牽伸ユニット。
  10. 各々の止め金が、中央に配置された止め金の両側に配置された2つの圧縮機部品を支持している、請求項7〜9のいずれか1項に記載の牽伸ユニット。
  11. 止め金(35)と1または複数の圧縮機部品(31)が一体的に構成されている、請求項7〜10のいずれか1項に記載の牽伸ユニット。
  12. 圧縮機部品(11;21)が作業位置にあるときに送出トップローラ(15)には支持
    されるのに対して取出トップローラ(8)には接触せず、圧縮機部品(11;21)の支持面の半径は、支持をするボトムローラ(9)および送出トップローラ(15)の半径にほぼ合わされている、請求項2〜11のいずれか1項に記載の牽伸ユニット。
  13. 圧縮機部品(11;21)が送出トップローラ(15)に対して接触することなく、送出トップローラ(15)とボトムローラ(9)の載置領域に形成される送出ニップライン(B)の手前で終わっている、請求項2〜12のいずれか1項に記載の牽伸ユニット。
  14. 圧縮機部品(11;21)が送出トップローラ(15)とともに持ち上げ可能である、請求項2〜13のいずれか1項に記載の牽伸ユニット。
  15. 圧縮機部品(11;21)が、取出トップローラ(8)と送出トップローラ(15)の間の間隔が最小になる領域の上方で、これら両方のトップローラ(8,15)と一緒に持ち上げ可能であるように拡張した状態で構成される、請求項2〜14のいずれか1項に記載の牽伸ユニット。
  16. 圧縮機部品(21)が、送出トップローラ(15)または取出トップローラ(8)の側面に上から当る突起またはラグ(25)を備えるように構成される、請求項2〜15のいずれか1項に記載の牽伸ユニット。
  17. 突起またはラグ(25)が圧縮通路(22)の断面積を表す標識を備える、請求項16に記載の牽伸ユニット。
  18. 圧縮機部品(21)が、スライバー(F)の搬送手段と協働する少なくとも1つの永久磁石(26)を装備する、請求項2〜17のいずれか1項に記載の牽伸ユニット。
  19. 圧縮機部品(11;21)がセラミック材料またはプラスチックとセラミックの混合物からなる、前述の請求項のいずれか1項に記載の牽伸ユニット。
  20. 圧縮機部品(11;21)および場合により止め金がプラスチックからなる、請求項1〜19のいずれか1項に記載の牽伸ユニット。
  21. ボトムローラ(9)が、中断部や貫通部等がなくほぼ平滑に構成された円周面(91)を有する、前述の請求項のいずれか1項に記載の牽伸ユニット。
  22. ボトムローラ(9)の円周面(91)が少なくともスライバー(F)の通過する領域で繊維よりも高い摩擦係数を有する、前述の請求項のいずれか1項に記載の牽伸ユニット。
  23. ボトムローラ(9)の円周面(91)が少なくともスライバー(F)の通過する領域で化学処理または電解被覆される、請求項22に記載の牽伸ユニット。
  24. ボトムローラ(9)の円周面(91)が少なくともスライバー(f)の通過する領域にニッケル・ダイヤモンド被覆を備える、請求項22または23に記載の牽伸ユニット。
  25. ドラフトゾーンの出口部に、すなわち取出トップローラ(8)の手前に、機械式に作用するスライバーガイド(51)が配置され、このスライバーガイドのスライバー(F)のための案内通路(52)は圧縮機部品(31)の圧縮通路(32)に対してほぼ中心にアライメントされる、前述の請求項のいずれか1項に記載の牽伸ユニット。
  26. スライバーガイド(51)が、圧縮機部品(31)への入口部における圧縮通路(32
    )の幅よりも狭い有効平均幅を有する、請求項25に記載の牽伸ユニット。
  27. スライバーガイド(51)が側方へスライド可能なように配置され、必要に応じて圧縮機部品(31)と一緒にスライバー(F)の搬送方向に対してほぼ鉛直に可動である、請求項25または26に記載の牽伸ユニット。
  28. 前述の請求項のいずれか1項に記載の牽伸ユニットを備える、リング精紡機。
  29. 請求項1〜27のいずれか1項に記載の牽伸ユニットの圧縮機ゾーンのための圧縮機部品であって、ほぼ三角形の断面をもつ実質的に角柱状の本体を有し、圧縮機部品(11;21;31;41)の支持面の半径は、牽伸ユニットの支持をするボトムローラ(9)および送出トップローラ(15)の半径にほぼ合わされ、前記本体には、圧縮機部品(21)をボトムローラ(9)に固定するための磁石(26)が配置されることを特徴とする、圧縮機部品。
  30. 圧縮機部品(31)が、ボトムローラ(9)を180°を超える範囲にわたって特にばね作用で取り囲む止め金(35)と連結される、請求項29に記載の圧縮機部品。
  31. セラミック材料またはプラスチックとセラミックの混合物からなる、請求項29または30に記載の圧縮機部品。
  32. 請求項1〜27のいずれか1項に記載の牽伸ユニットの圧縮機ゾーンで使用するためのトップローラユニットにおいて、共通のホルダ(19)に組み付けられた取出トップロール(8)と送出トップローラ(15)を含み、組付け状態のとき牽伸ユニットの定置の構成部品に支持され、送出トップローラ(15)または1組のトップローラ(8,15)を牽伸ユニットのボトムローラ(9)に対して押圧する板ばね(63)等がホルダ(19)から突出していることを特徴とする、トップローラユニット。
  33. それぞれ2組の対をなすトップローラ(8,15)が、中央に配置されたホルダの左右に組み付けられている、請求項32に記載のトップローラユニット。
  34. 対をなす1組のトップローラ(8,15)の間の間隙にそれぞれ圧縮機部品(11;21;31;41)が拘束的に保持される、請求項32または33に記載のトップローラユニット。
  35. 請求項29〜31のいずれか1項に記載の圧縮機部品(11;21;31;41)を備える、請求項34に記載のトップローラユニット。
  36. それぞれの組のトップローラ(8,15)の間の間隙と対向する取出トップローラ(8)の側に配置され、組付け状態のとき牽伸ユニットのドラフトゾーンに配置される機械式のスライバーガイド(51)を有する、請求項32または33に記載のトップローラユニット。
  37. スライバーガイド(51)が、圧縮機部品(31)の圧縮通路(32)に対してほぼ中心に配置され、圧縮機部品(31)への入口部における圧縮通路(32)の幅よりも狭い有効開口幅を有する、スライバー(F)のための案内通路(52)を有する、請求項36に記載のトップローラユニット。
  38. スライバーガイドと圧縮機部品が側方へスライド可能なように配置され、必要に応じて一緒に側方へスライド可能である、請求項37に記載のトップローラユニット。
  39. 請求項32〜38のいずれか1項に記載のトップローラユニットと、ボトムローラ(9)とを含む、リング精紡機の牽伸ユニットのための設備変更セットであって、ボトムローラ(9)が、中断部や貫通部等がなくほぼ平滑に構成された円周面(91)を有し、少なくともスライバー(F)の通過する領域で繊維よりも高い摩擦係数を有し、特にスライバー(F)の通過する領域で化学処理または電解被覆されていることを特徴とする、設備変更セット。
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