JP2011244696A - 急速冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の過冷却冷凍処理ではマグロ等の大型食材に不向きであった温度設定−50℃などの超低温であっても適用でき、解凍時に変色や劣化の少ない良好な鮮度に維持することができる業務用の急速冷凍装置を提供する。
【解決手段】 肉厚食材を載せ置く導電体の棚板11と、棚板11を電気的に絶縁する絶縁体12を備えた食材載荷台10と、肉厚食材の中心付近に差し込んで配設する電極棒20と、食材載荷台10と電極棒20に対して交番高圧電場を印加する電場形成装置30を備える。電場形成装置30により肉厚食材に交番高圧電場を印加して過冷却冷凍を行いつつ、冷凍庫内において肉厚食材を外周側から中心部に向かって順次凍結させる。肉厚食材の外周側に氷結帯が生じた後も、肉厚食材の内側の未凍結部位に電極棒20が位置しているので内側から交番高圧電場が印加されるので、未凍結部位への過冷却冷凍処理が継続される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、食品食材を急速に冷凍する業務用の急速冷凍装置に関する。特に、マグロなどの大型魚や大きなブロックの肉塊をそのまま急速に冷凍し、解凍時に変色や劣化の少ない良好な鮮度に維持することができる業務用の急速冷凍装置に関する。
マグロなどの大型魚の冷凍方法として一般的には冷凍庫内で冷気を接触させるエアーブラスト方式と、冷凍品質向上のため熱伝導率の高い低温の塩水やアルコール液等の冷媒に直接浸漬するブライン方式などが一般的である。更に液体窒素などの超低温物質を使用する方式も提案されている。
生鮮食品等の冷凍品質の向上(解凍時の型崩れ、ドリップ、食感の低下の防止)のためには、組織体の細胞を破壊しないことが重要である。通常、水分を有する生鮮食品、加工食品、生物の組織体などの細胞を破壊することなく冷凍するためには、最大氷結晶生成帯(氷結晶が最も成長する温度帯:一般的には−1〜−5℃)を通過する時間を出来るだけ短くして食品の組織内に生じる氷結晶を微細化し、細胞破壊を防止することが有効とされている。細胞破壊を防止できれば解凍時にドリップが生じることを防止することができる。
しかし、食品の冷凍方法として広く普及しているエアーブラスト方式の場合、冷凍庫内に冷気流が循環し、食材の上面とは冷気流と良く接触するが、食材の側面や底部などは上面側に比べて冷気流との接触が少なく、特に、食材の内奥側は、冷気流と直接触れ合うことがなく、食材は熱伝導率が低いために表面側から冷却が進展するにつれ徐々にゆっくりと緩慢に冷凍されてゆくしかない。
ブライン方式の場合も同様に、液冷媒が循環して食材の表面には万遍なく液冷媒が行き渡るものの、食材の内奥側は液冷媒と直接触れ合うことがなく、食材は熱伝導率が低いために表面側から冷却が進展するにつれ徐々にゆっくりと冷凍されてゆくしかない。
そのため、エアーブラスト方式であってもブライン方式であっても、マグロなど肉厚の大型魚や大きなブロック単位の牛肉などは食材内部に冷凍むらが生じやすいものとなる。そのため、被冷凍食材内部の最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を通過する時間が長くなり、食品の組織(細胞)内の水が氷晶となって成長して組織破壊を起こし、解凍時にドリップとなって、品質劣化の主原因となる。
従って、従来の業務用冷凍庫では、凍結による食品劣化を防ぐには最大氷結晶生成帯を如何に短時間に通過するかが重要となる。
ここで、被冷凍食材の最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を通過する時間を短くするため、食材内の水分に過冷却現象を起こさせる技術が注目されている。過冷却現象は通常では氷結晶が生成される−1〜−5℃の温度帯において食材内部の水分が凍らずに水の状態を維持し、その後、過冷却を起こすために印加していた電場などを消去して過冷却状態を破れば、水分が瞬時に凍結するという技術である。
当該技術として、特開2000−325062号公報(特許文献1)、特開2001−292753号公報(特許文献2)、特開2001−245645号公報(特許文献3)に開示された技術などがある。
特許文献1は、冷凍庫の内部空間に静磁場を発生させると共に、該静磁場内に位置した物体に対して、静磁場の磁界強度に応じて決定される所定周波数の電磁波を連続的または間欠的に照射し、該物体に含まれる水分子を構成する水素原子核に核磁気共鳴を生じさせて水分の氷結温度を降下させ、通常以下の氷結温度で冷凍する方法である(特許文献1)。
また、特許文献2は、不凍液中に被冷凍物を浸漬して冷凍するブライン冷凍方法において、その不凍液中に所定周波数の電場を連続的または間欠的に印加し、該物体に含まれる水分子を振動させて過冷却現象を起こして冷凍する方法である。
また、特許文献3は、中波、短波、超短波のいずれかの周波数の電磁波を用いて、生鮮食品等の被冷凍体を誘電加熱し、前記誘電加熱により前記被冷凍体に吸収されるエネルギーよりも大きなエネルギーで冷却して、被冷凍体を凍結させるものである。特に、誘電加熱を、氷の比誘電損率が水より大きくなる周波数の電磁波(500kHz以上6MHz以下)で行うものである。
いずれも、食材の内部に過冷却現象を起こすものである。
従来の過冷却冷凍法によれば、冷却流に直接触れる表面付近が先に冷却され、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)に至るが、交番高圧電場等の印加により水分子に振動を与え、−1〜−5℃において過冷却状態を導き、食材内部が均一に冷却されるまで待ち、食材全体が最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を通過した時点で、一気に冷凍を進めるものである。
しかし、従来の過冷却冷凍法は、食材の表面部分が先に最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)に到達して氷結してしまうところ、水分子を振動させて過冷却状態を起こすものであり、逆に言えば、先に外表面に氷結帯が生じてしまうと食品内部の水分子を振動させる阻害要因となるため、食品全体が過冷却状態に導くのが難しくなる。そこで、食品全体が氷結することなく過冷却状態となるまでゆっくり時間をかけて緩慢に冷やしてゆく必要があった。
以上、従来の過冷却冷凍法によれば、食材全体を−1〜−5℃において温度をムラなく均一に維持しつつ水分子を振動させて過冷却状態にすることにより、氷結を抑制するものであるため、大きな肉厚食材全体を均一に過冷却状態にすることは現実的には難しいため、大きな肉厚食材の冷凍処理には不向きであり、被冷凍食材は、マグロであれば切り身程度とされている。
そのため、マグロ魚体や大きな肉のブロック塊などは従来の過冷却冷凍処理することには不向きである。
特開2000−325062号公報 特開2001−245645号公報 特開2001−292753号公報
しかし、上記従来の過冷却冷凍法の冷凍技術では以下の問題があった。
まず、第1の問題は、特許文献1、特許文献3の技術では、エアーブラスト方式を前提としており、上記のように実際には小さい食材片しか冷凍できないという問題である。
上記に説明したように従来の過冷却冷凍法では、食材内部の全体の温度が本来は氷結晶生成が見られる−1〜−5℃において過冷却状態となるように、食材組織内部の水分子を振動させつつ温度を均一化するものであるので、現実には、マグロのような大型魚全体を均一に過冷却状態に保つことは困難である。マグロであれば皮、肉、脊髄などがあり、さらに肉にも赤身の部分、脂肪の多いトロの部分など多様であり、それら全体を均一に−1〜−5℃にて氷結しないように過冷却状態に保ちつつ中心(脊髄)まで温度を制御することは難しい。特にエアーブラスト方式は冷却気流を用いるため冷却ムラが生じやすいものであり、マグロでも切り身状態の小さい食材片程度でないと難しいものであった。もし、マグロなどの大型魚をそのまま凍らせた場合、結局、解凍した際の食材の品質にばらつきが生じてしまうという欠点が指摘されている。
次に、第2の問題は、マグロのような大型魚を従来の過冷却冷凍処理する場合、冷凍時間が長くなってしまうという問題である。
上記に説明したように従来の過冷却冷凍法では、先に氷点下に達する食材組織内部の水分子を振動させ、本来は氷結晶生成が見られる−1〜−5℃において過冷却状態となるように維持するものであるが、冷却気流の温度が−50℃などの超低温の温度設定になると、実際には食材の表面や外周部分の凍結が先に始まってしまい、マグロ全体が均一温度にならない。そこで、−50℃などの超低温ではなく、食材の中心まで過冷却状態となるよう、−20℃程度の一般家庭用の冷凍庫の温度設定程度で用いられる。例えば、特許文献3の実験も−20℃の温度設定として開示されている。つまり、特許文献1や特許文献3の過冷却冷凍法は、マグロ用の冷凍庫などいわゆる業務用の冷凍庫には不向きな方法であった。もし、−20℃の温度設定でマグロなどの大型魚を冷凍する場合、とても長い時間が必要となってしまい、事実上、−20℃の温度設定でマグロなどの大型魚を冷凍できない。つまり、従来の過冷却冷凍処理は、マグロ魚体のような肉厚食材ではなく、スライスされた切り身程度のものにしか適しないものであった。
次に、第3の問題は、特許文献2のブライン方式の従来の過冷却冷凍法では液冷媒を取り扱うため、食材の中に液冷媒が浸透しないよう食材全体を真空パックなどで密封包装する必要があるという問題である。マグロのような大型の食材全体を真空パックなどで密封包装するには手間がかかり、また、真空パック密封用の専用機械が必要でコスト増を招く。
また、食材の吊り下げ昇降設備などの機材が必要であり、また、超低温の液冷媒の取り扱いに注意を払わなければならないという問題である。マグロのような大型魚などを、慎重に液冷媒の中に投入・浸漬するためには、人手では難しく、滑車などの吊り下げ昇降設備が必要であり、また、超低温の液冷媒が飛び散ると危険であるため、慎重に取り扱わなければならない。
上記問題点に鑑み、本発明の冷凍装置は、マグロなどの大型魚や畜肉ブロックなどの大型食材を冷凍する業務用の冷凍装置を前提とし、従来の過冷却冷凍法よりも冷凍時間が短く、かつ、冷凍庫内の温度設定が−50℃などの超低温であっても適用でき、解凍時に変色や劣化の少ない良好な鮮度に維持することができる業務用の急速冷凍装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の業務用の急速冷凍装置は、過冷却冷凍処理を用いて肉厚食材を冷凍せしめる急速冷凍装置であって、前記肉厚食材を載せ置く導電体の棚板と、前記棚板を電気的に絶縁する絶縁体を備えた前記肉厚食材を支持する食材載荷台と、前記肉厚食材の中心付近に差し込んで配設する電極棒と、前記食材載荷台と前記電極棒に対して交番高圧電場を印加する電場形成装置を備え、前記電場形成装置により前記食材載荷台側および前記電極棒側の双方から前記肉厚食材に対して交番高圧電場を印加しつつ冷凍庫内において前記肉厚食材を外周側から中心部に向かって順次凍結させることにより、前記肉厚食材の外周部分に氷結帯が生じても、前記肉厚食材の中心付近に配設された前記電極棒により前記過冷却冷凍未完了の未凍結部位に前記交番高圧電場を印加できる構成であることを特徴とする急速冷凍装置である。
例えば、前記肉厚食材がマグロ魚体であり、前記電極棒の前記マグロ魚体への挿入部位が脊髄付近の部位とする。
過冷却冷凍処理に用いる交番高圧電場は、電圧5〜30kvとする。電場形成装置は供給する交番高圧電場の電圧および周波数を可変とする制御部を備えていることが好ましい。周波数については低周波から高周波まで本発明の範囲に含めるものとする。
冷凍庫内温度を−35℃から−60℃とし、過冷却冷凍処理を−35℃から−60℃の温度下で実行することが好ましい。
従来の過冷却冷凍では、食材全体を最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)に均一化する必要があるため、庫内温度が−35℃から−60℃であれば、温度差が大きすぎ、電場を印加していても外周からどんどん凍結が起こってしまうので、−35℃から−60℃という超低温下では過冷却冷凍は無理とされていた。そのため、一般家庭用冷蔵庫の冷凍庫内温度の−20℃程度で緩慢にゆっくりと食材を冷やして行っていた。しかし、事実上、−20℃の温度設定でマグロなどの大型魚を冷凍できないため、従来の過冷却冷凍処理は、マグロ魚体のような肉厚食材ではなく、スライスされた切り身程度のものにしか適しないものであった。
一方、本発明の急速冷凍装置では、外側からの交番高圧電場印加に加えて、上記のように電極からの交番高圧電場印加があり、電極の配設位置が食材の中心付近であるので、肉厚食材の凍結してゆく順序とは逆の方向からも交番高圧電場を印加する関係となっており、内外から交番高圧電場等の印加により水分子に振動を与え、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)で水分子が氷になるのを防止しつつ、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を通過した時点で逐次外周から凍らせてゆくため、肉厚食材全体を(−1〜−5℃)に均一化する必要がなく、外周側から凍らせてしまって良いので、−35℃から−60℃という超低温下でも過冷却冷凍処理を実行することが可能となる。−35℃から−60℃という超低温で処理できれば、肉厚食材全体の凍結時間も短時間で済むというメリットが得られる。
なお、凍結する肉厚食材の中心付近に電極棒が残存するため、冷凍が完了した後に引き抜く必要がある。そこで、前記電極棒を中空の棒材とし、前記電極棒の中空部に対して差し込むヒーターを備え、前記肉厚食材全体の前記過冷却冷凍が完了した後、前記ヒーターにより前記電極棒を暖めて前記肉厚食材から前記電極棒を引き抜きやすい構造とすることが好ましい。
ヒーターとしては、シーズヒーターなどで良く、その長さは電極棒を暖めるために電極棒と略同じ長さが好ましい。
なお、前記冷凍機構は特に限定されないが、エアーブラスト方式の冷凍機構を適用することが可能である。
上記目的を達成するため、本発明の業務用の急速冷凍方法は、過冷却冷凍処理を用いて肉厚食材を急速に冷凍せしめる急速冷凍方法であって、食材載荷台に前記肉厚食材を支持し、電極棒を前記肉厚食材の中心付近に差し込んで配設し、電場形成装置により前記食材載荷台と前記電極棒に対して交番高圧電場を印加し、前記電場形成装置により前記食材載荷台側および前記電極棒側の双方から前記肉厚食材に対して交番高圧電場を印加しつつ冷凍庫内において前記肉厚食材を外周側から中心部に向かって順次凍結させることにより、前記肉厚食材の外周部分に氷結帯が生じても、前記肉厚食材の中心付近に配設された前記電極棒により前記過冷却冷凍未完了の未凍結部位に前記交番高圧電場を印加する急速冷凍方法である。
本発明にかかる業務用の急速冷凍装置および急速冷凍方法によれば、電極の配設位置が中心付近であり、肉厚食材の凍結してゆく順序とは逆の方向から交番高圧電場を印加する関係となっており、内外両側から交番高圧電場等の印加により水分子に振動を与えて過冷却状態とし、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)の通過時間を短くしつつ逐次外周から凍らせてゆくため、肉厚食材全体を最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)に均一化する必要がなく、外周側からどんどん凍らせてしまって良いので、超低温下でも過冷却冷凍処理を実行することが可能となる。
以下、本発明の業務用の急速冷凍装置を添付図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下、本発明に係る業務用の急速冷凍装置の構成例を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例1の業務用の急速冷凍装置100の構成例を簡単に示した図である。正面図、側面図、平面図を示している。また、図2は電極棒20をヒーター24とともに簡単に示した図である。
図1に示すように、業務用の急速冷凍装置100は、食材載荷台10、電極棒20、電場形成装置30を備えた構造となっている。なお、図1には、冷凍機構40の冷凍庫41が図示は省略している。
食材載荷台10は食材を支持する部材であり、例えば金属製の棚状のものなどである。図1の例では金属性の三段の棚となっており、棚板11と絶縁脚部12を備え、側面には大きく開口されたものとなっている。複数段の棚であれば、同時に複数匹のマグロ魚体の冷凍処理を行うことができる。また、側面を大きく開口したものであれば、冷凍庫内での冷媒の循環が確保された状態となっており、効率的にマグロ魚体に対して冷気流を当てることができる。
棚板11は、平板や金網体や格子枠などでも良いが、食材の表面が柔らかいものであれば冷凍処理後の食材表面に網目模様が残ることがあるため、金網体や格子枠の場合は、凹凸の少ない平面状のものが好ましい。金網体や格子枠であれば、食材載荷台10上に載せ置かれた食材に対して棚板11の下方からも冷却することができ、冷凍時間を短くすることができる。材質は耐熱性・熱伝導性に優れた金属が望ましい。
食材載荷台10の材質のうち、棚板11は超低温に耐える導電体であれば良く、例えば、ステンレスやアルミニウムなどの金属性で良い。本発明の急速冷凍装置100は、冷凍過程において−35℃から−60℃の超低温にさらされるため、この超低温に耐えて構造強度が保持されるものであれば良い。また、後述するように、過冷却冷凍処理の間、棚板11に対して電場形成装置30により電場が印加されるため、導電体である必要がある。
なお、棚板11は、マグロ魚体や肉ブロックなどの食材を載せ置く台であるため、衛生面に優れたものが好ましく、表面に防錆性処理を施しておくことが好ましい。
絶縁脚部12は、棚板11を冷凍機構40の冷凍庫41の床面などに対して絶縁性を保つための碍子として機能する絶縁材であり、材質は超低温に耐える絶縁体であれば良く、例えば、セラミックや超低温に耐える特殊プラスチックや特殊ゴムなどの素材で良い。つまり、食材載荷台10は絶縁架台となっている。
なお、この例では、食材載荷台10に可動性を持たせるため、コマを備えたものとなっている。
次に、電極棒20は、肉厚食材の中心付近に差し込んで配設するものであり、後述するように電場形成装置30により電場が印加される部材となる。例えば、金属製の棒状の電極などである。図1の例では、棒材21とフランジ部22と中空部23を備え、さらに別筐体として中空部23内に装着できる径の棒状のヒーター24を備えたものとなっている。
棒材21は、後述するようにマグロ魚体の脊髄付近に尾から突き刺して行くものであるので、先端が細く尖ったものとなっている。 棒材21は魚尾部から頭部まで貫通させる。
フランジ部22は、棒材21の端部を形成するとともに、後述するように、過冷却冷凍処理の間、電極棒20に対して電場形成装置30により電場が印加される際の接続部位となる。また、操作者が電極棒20を把持する際にしっかりと持ちやすい把持部としての役割もある。
電極棒20の材質は超低温に耐える導電体であれば良く、例えば、ステンレスやアルミニウムなどの金属性で良い。上述のように、本発明の急速冷凍装置100は、冷凍過程において−35℃から−60℃の超低温にさらされ、電極棒20もマグロ魚体と一緒に凍結されてしまうため、この超低温に耐えて構造強度が保持されるものであれば良い。また、後述するように、過冷却冷凍処理の間、電極棒20に対して電場形成装置30により電場が印加されるため、導電体である必要がある。
また、電極棒20は、マグロ魚体の脊髄付近の部位や肉ブロックの中央付近に直接差し込まれる部材であるため、衛生面に優れたものが好ましく、表面に防錆性処理を施しておくことが好ましい。
中空部23は、ヒーター24を差し込む空間である。後述するように、肉厚食材全体の過冷却冷凍が完了した時点では、電極棒20はマグロの脊髄付近などに埋設された状態で一緒に凍結しているため、引き抜く必要があるところ、凍結した状態のまま引き抜くことが難しい。そこで、ヒーター24により電極棒20を暖めて肉厚食材から電極棒20を引き抜きやすい構造となっている。なお、ヒーター24は過冷却冷凍処理の間には不要であり、この構成例では、中空部23を設けておき、過冷却冷凍が完了した後から中空部23の中にヒーター24を挿入できる構造となっている。ヒーター24は、把持部25、電圧供給線26を備えている。
電場形成装置30は、食材載荷台10と電極棒20に対して交番高圧電場を印加するものである。供給する交番高圧電場は、過冷却冷凍処理で用いられる電圧、周波数のもので良い。例えば、電圧は5〜30kvの範囲、周波数は低周波から高周波の範囲、例えば、商用電源50kHzまたは60kHzで良い。この範囲の交番高圧電場であれば、電場エネルギーが氷晶に吸収されやすく、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)で氷になろうとする水分にエネルギーを吸収させて過冷却状態とし、氷結晶の成長を抑制することができる。
電場形成装置30は、電場調節部31を備え、印加する電場の電圧、周波数を調節することができるものとなっている。
なお、電場形成装置30から高電圧導線32が食材載荷台10に配線されており、後述するように、食材載荷台10および電極棒20に対して接続するための先端クリップ33を備えたものとなっている。
電場形成装置30と食材載荷台10を電気的に接続することにより、肉厚食材に対する外側方向からの電場印加を行うことができ、電場形成装置30と電極棒20を電気的に接続することにより、肉厚食材に対する中心側からの電場印加を行うことができる。
なお、電場形成装置30と電極棒20の電気的な接続は次の2つのパターンがある。
第1のパターンは、電場形成装置30が複数の高電圧導線32を備え、電場形成装置30から電極棒20に対して高電圧導線32を直接接続する構成である。
第2のパターンは、電場形成装置30に電気的に接続された食材載荷台10の金属フレームから分岐線を複数分岐させ、各々の分岐線を電極棒20に接続する構成である。
図1の例では、後者の構成例を挙げている。
冷凍機構40は、肉厚食材をその外表面側から冷凍してゆく冷凍機構であり、被冷凍食材に対する冷凍方法の違いにより、エアーブラスト方式、ブライン方式などがある。この構成例ではエアーブラスト方式とする。
なお、冷凍庫41は、マグロ魚体などが複数匹載せ置ける大きさの食材載荷台10が入る容積が必要であり、さらに、食材載荷台10を複数台当時に投入できるような大きな容積のものであっても良い。
冷凍機構40による庫内温度は−35℃から−60℃の設定が好ましい。後述する過冷却冷凍処理が−35℃から−60℃の温度下で実行されることによりマグロ魚体を中心まで短い時間で冷凍することができる。
次に、本発明の急速冷凍装置100による過冷却冷凍処理の流れと原理を図面を参照しつつ説明する。被冷凍の肉厚食材はマグロ魚体を例とする。
まず、図3(a)に示すように、冷凍前準備として、食材載荷台10の棚板11上に所定数のマグロ魚体200を載荷し、次に、図3(b)に示すように、それぞれの魚体の尾部から脊椎骨に沿って電極棒20を頭部まで貫通装着する。
次に、図4(a)に示すように、マグロ魚体200の脊髄付近の部位への電極棒20の貫通装着を確認後、電場形成装置30から食材載荷台10の金属フレームに高電圧導線32の先端クリップ33を接続し、さらに、食材載荷台10の金属フレームから分岐・延設された高電圧導線32の先端クリップ33a〜33cを各魚体に挿入している電極棒20の根元のフランジ22に接続する。
この一連の作業が完了した後、図4(b)に示すように、食材載荷台10を冷凍機構40の冷凍庫41内に搬入・セットし、冷凍庫41の扉を閉鎖して電場形成装置30の電場調節部31を操作して冷凍温度を所定温度(例:−50℃)、電場を所定電圧(例:30kv)、所定周波数(例:60Hz)にそれぞれ設定し、マグロ魚体200の過冷却冷凍を開始する。
次に、本発明の過冷却冷凍の原理について説明する。
過冷却冷凍とは、被冷凍食材内部に交番高圧電場を印加することで食品中の水分子を振動させ、水分子のクラスタを微細化し、過冷却効果も併せて、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)の通過時間を短くするものである。そして、食品素材が最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)において食材中の蛋白質等と同時に水分を冷凍させることにより、通過後、急速に冷凍を進め、細胞破壊を防止するものである。細胞破壊を防止することにより解凍時のドリップを少なくして鮮度を保つものである。
図5は本発明の過冷却冷凍処理における電場印加方向と冷凍機構による冷却方向の関係を分かりやすく示した図である。図5(a)に示すように、本発明の過冷却冷凍処理では、電場は肉厚食材に対して外部から印加される電場に加え、肉厚食材の内部に埋設された電極棒20から印加される電場が存在する。外部から印加される電場の方向は、肉厚食材の外側から内側の方向(図中では上から下向きの方向)であるが、電極棒20から印加される電場の方向は、肉厚食材の内側から外側の方向(図中では下から上向きの方向)である。
この状態で電場を印加しつつ冷凍処理を行えば過冷却冷凍処理となる。
一方、冷凍機構40の冷凍庫41内の冷気による冷却方向は、肉厚食材の外側から内側の方向(図中では上から下向きの方向)となっている。
ここで、冷凍機構の冷凍庫41の温度設定が−50℃程度の超低温であり、マグロ魚体など肉厚が十分に厚い場合、肉厚食材の中心部まで最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)になるまで時間を要するため、図5(b)に示すように、食材の外側から次々と凍結を始めてしまう。従来の過冷却冷凍処理でマグロの切り身程度を冷凍させる場合、食材全体を均一に最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)になるようにゆっくりと冷凍処理するが、本発明の過冷却冷凍処理では、急速冷凍処理によって食材の外側から次々と凍結を始めても良い。
外側が先に凍結すると、外側から印加される電場と未凍結の中心部位との間に氷結帯が存在することとなる。氷は水に比べて導電率が低く電流が流れにくく、また、固体であるため水分子が自由に振動しないため、氷結帯の厚さが大きくなるにつれ、外側から印加される交番高圧電場によっては、食材内部の未凍結部分に対して過冷却冷凍を十分に起こすことができない。そのため、従来の過冷却冷凍処理のように肉厚食材の外側からの交番高圧電場印加のみの場合、氷結帯よりも内奥側は過冷却冷凍処理ができなくなってしまう。
しかし、本発明の急速冷凍装置100の過冷却冷凍処理では、図5(b)に示すように、外側から印加される交番高圧電場に加え、肉厚食材の中心付近に埋設された電極棒20から印加される内側からの交番高圧電場が存在しており、内側からの交番高圧電場によって食材内部の未凍結部分に対して過冷却状態を起こすことができる。
外表面から順次内側に向けて次々と肉厚食材の凍結が起こって氷結帯が厚くなっていくが、図5(b)に示すように、電極棒20は最後に凍結する脊髄付近の部位に埋設されているため、肉厚食材のすべての部位が凍結するまで、常に未凍結の部位に位置し続けることとなる。つまり、本発明の急速冷凍装置100の過冷却冷凍処理では、外側から次々と凍結させても良く、そのため、従来の過冷却冷凍処理では無理であった−50℃程度の超低温であっても、過冷却冷凍処理を行うことができる。
従来の過冷却冷凍処理は、食材内部の外側から順に過冷却状態として最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を短い時間で通過させ、その部位を先行して次々と凍結させてしまう訳である。凍結が起こったすぐ内側の部位は過冷却冷凍処理により過冷却状態となっており、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を短い時間で通過し、その部位が凍結する。このように、肉厚食材の外側の部位から順々に、「冷却」−「過冷却状態の出現」−「最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)」−「凍結」というサイクルを繰り返して凍結部位が外側から内側へ逐次進んでゆく。
比較として、従来の外側から印加される交番高圧電場のみによる過冷却冷凍処理の場合について説明しておく。
図6は従来技術において用いられている過冷却冷凍処理における電場印加方向と冷凍機構による冷却方向の関係を分かりやすく示した図である。図6(a)に示すように、従来の過冷却冷凍処理では、電場は肉厚食材に対して外側から印加する電場しか存在せず、肉厚食材の外側から内側の方向(図中では上から下向きの方向)となっている。また、冷凍機構による庫内での冷却方向も肉厚食材の外側から内側の方向(図中では上から下向きの方向)となっている。つまり、電場印加方向、冷凍機構による冷却方向とも同じ方向(図中では上から下向きの方向)となっている。
もし、冷凍機構の冷凍庫41の温度設定が超低温(例えば−50℃)であり、肉厚が十分に厚い場合、食材の外側から次々と凍結を始めてしまう。外側が先に凍結してしまうと、未凍結の中心部位と電場との間に氷結帯が存在することとなり、内部の未凍結の部位における水分子の振動による過冷却現象の出現を阻害するものとなってしまう。つまり、図6(b)に示すように、過冷却冷凍を阻害する氷結帯が未凍結の中心部位と電場との間に存在すると過冷却冷凍処理が正常に進まないという不具合が起こる。そのため、従来の過冷却冷凍処理では、−35℃から−60℃などの超低温の範囲の温度設定では実施できず、事実上マグロなどの大型魚を冷凍できないものであった。
本発明の急速冷凍装置100による過冷却冷凍処理と、従来の過冷却冷凍の場合を比較した肉厚食材の各部位の温度変化のパターンを示す。
図7は、過冷却冷凍処理を用いずに、冷凍庫41内の温度を−50℃の超低温とし、マグロ魚体を放置して冷凍した場合の変化を示す図である。実線がマグロ魚体の外周部分、破線がマグロ魚体の外周部分より少し内側部分の温度変化を示している。
この例では、マグロ魚体の外周部分は、5分程度で最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)に到達して氷結を始め、15分程度で最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を抜けて一層低温に冷却されて行く例となっている。つまり、マグロ魚体の外周部分は、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を10分間程度で抜ける例となっている。
マグロ魚体の外周部分より少し内側の部位は、15分程度で最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)に到達して氷結を始め、25分程度で最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を抜けて一層低温に冷却されて行く例となっている。つまり、マグロ魚体の外周部分より少し内側部分も、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を10分間程度で抜ける例となっている。
図8は、従来の外側からの交番高圧電場印加のみの過冷却冷凍処理を適用して冷凍庫41内の温度−50℃の超低温とした場合の変化を示す図である。実線がマグロ魚体の外周部分、破線がマグロ魚体の外周部分より少し内側の部分の温度変化を示している。
この例では、マグロ魚体の外周部分は、5分程度で最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)に到達するが、外側からの電場による過冷却冷凍処理により過冷却状態が出現しており、短い時間で最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を抜ける。この例では少し短くなり、12分程度で最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を抜けるものとなっている。つまり、マグロ魚体の外周部分は、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を7分間程度で抜ける例となっている。
マグロ魚体の外周部分より少し内側の部位は、15分程度で最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)に到達するが、その段階でマグロ魚体の外周部分が既に氷結しており、外側からの交番高圧電場による過冷却状態の出現が阻害されるため、過冷却状態は形成されず、25分程度で最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を抜けて一層低温に冷却されて行く。つまり、マグロ魚体の外周部分より少し内側部分は、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)通過時間は短縮されず、10分間程度で抜ける例となっている。
つまり、従来の過冷却冷凍処理を適用した場合、マグロ魚体の外周付近は外側からの交番高圧電場の印加により過冷却冷凍できるが、−50℃という超低温のためにマグロ魚体の外表面が凍結して氷結帯が生じているため、それより内側の部位には過冷却冷凍処理が阻害されて過冷却状態が出現しにくくなり、冷却は自然に放置して冷凍した場合と似たような状態で氷結し、氷晶が成長して冷凍が進む。つまり、マグロ魚体の内部の部位は過冷却状態が出現されず、通常の状態で次々と凍結してしまい、細胞破壊を起こした状態で凍結される。
一方、図9は、本発明の急速冷凍装置100による過冷却冷凍処理を行う場合の変化を示す図である。実線がマグロ魚体の外周部分、破線がマグロ魚体の外周部分より少し内側部分の温度変化を示している。
この例では、マグロ魚体の外周部分は、5分程度で最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)に到達するが、外側からの電場および内側の電極棒からの電場による過冷却冷凍処理により氷結せずに過冷却状態が出現し、12分程度で最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を抜けるものとなっている。つまり、マグロ魚体の外周部分は、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を7分間程度で抜ける例となっている。
マグロ魚体の外周部分より少し内側の部位は、15分程度で最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)に到達し、外側は氷結しているものの、氷結していない内側の部位に埋設されている電極棒20からの交番高圧電場が印加されるため、過冷却状態が出現し、22分程度で最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を抜けて一層低温に冷却されて行く。つまり、マグロ魚体の外周より少し内側部分も、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を7分間程度で抜ける例となっている。
つまり、図7と図9を比較すると、図7のマグロ魚体を通常に放置した場合は、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)では氷晶が大きく育ってゆく過程であるのに対して、図9の過冷却冷凍処理を適用した場合は、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)では水分のクラスタが微細化された過冷却状態にあり、氷晶が細かいままで大きな氷晶として成長しない。また、図9の過冷却冷凍処理を適用した場合は、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)を短い時間で抜け出るため細かい氷晶ができるのみである。
また、図8と図9を比べると、マグロ魚体の外周付近の部位は両者とも過冷却状態が出現し、大きな氷晶ができず細かい氷晶ができるのみであるが、マグロ魚体の外周部分より少し内側の部位では両者に差が生じる。つまり、図8の従来の過冷却冷凍処理の場合では、−50℃という超低温のためにマグロ魚体の外表面が凍結して氷結帯が生じた後は、それより内側の部位には過冷却冷凍処理が阻害されて過冷却状態が出現しにくくなり、冷却は自然に放置して冷凍した場合と似たような状態で氷結し、氷晶が成長して冷凍が進む。一方、図9の本発明の過冷却冷凍処理を適用した場合は、内側の部位に埋設された電極棒20から印加される交番高圧電場があり、過冷却冷凍処理が阻害されず、マグロ食材の外周部分から順々に中心部分に向かって、過冷却状態の出現、最大氷結晶生成帯(−1〜−5℃)の通過、凍結というサイクルが逐次進み、マグロ魚体の中心付近の脊髄まで過冷却状態が出現して順次過冷却冷凍処理を行うことができ、組織中の水が氷晶塊として成長しないので、細胞破壊が抑制され、ドリップが生じない鮮度の良い凍結処理が可能となるという利点が得られる。
次に、冷凍後の電極棒20取り出し作業について図面を参照しつつ説明する。
マグロ魚体の脊髄付近の部位が設定温度(例:−35℃)に達すれば、電場形成装置30の電源及び冷凍機構40のスイッチをオフとする。図10(a)に示すように、冷凍庫41の扉を開き、食材載荷台10を冷凍庫41から搬出し、図10(b)に示すように、高電圧導線32及び先端クリップ33を電極棒20から外す。
ここで、電極棒20は冷凍によりマグロ魚体の脊髄付近に固着しているので、熱で溶解して抜出する作業が必要となる。図11(a)に示すように、シーズヒーター24を冷凍魚体に貫通した電極棒20の中空部23に挿入し、シーズヒーター24に通電する。シーズヒーター24が発生した熱は電極棒20に伝導し、周囲の凍結状態が溶けてゆく中、フランジ22をつかんで搖動回転しつつ電極棒20の魚体との付着度合いを確認し、図11(b)に示すように、電極棒20を抜き出す。
本作業で一連の冷凍作業は完了する。
注目すべきは本発明の急速冷凍方式のよって冷凍品質が向上し、解凍後も新鮮な肉質が保証されることである。つまり、限られた生での食味供給量・期間を冷凍により低コストで長期間需要に合せて提供できる大きなメリットを発揮することができる。
以上、本発明の業務用の急速冷凍装置100の実施例である。なお、冷凍機構40の冷凍方式がエアーブラスト方式である例としたが、ブライン方式であっても良い。
以上、本発明の業務用の急速冷凍装置の構成例における好ましい実施形態を図示して説明してきたが、本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更が可能であることは理解されるであろう。
本発明の急速冷凍装置は、急速冷凍装置などに広く適用することができ、特に、マグロなどの大型魚や大きなブロックの肉塊をそのまま急速に冷凍する業務用の急速冷凍装置などに広く適用することができる。
本発明の業務用の急速冷凍装置100の構成例を簡単に示した図 電極棒20をヒーター24とともに簡単に示した図 本発明の急速冷凍装置100による過冷却冷凍処理の流れと原理を説明する図(その1) 本発明の急速冷凍装置100による過冷却冷凍処理の流れと原理を説明する図(その2) 本発明の過冷却冷凍処理における電場印加方向と冷凍機構による冷却方向の関係を分かりやすく示した図 従来技術において用いられている過冷却冷凍処理における電場印加方向と冷凍機構による冷却方向の関係を分かりやすく示した図 過冷却冷凍処理を用いずに、冷凍庫41内の温度を−50℃の超低温とし、マグロ魚体を放置して冷凍した場合の変化を示す図 従来の外側からの電場印加のみの過冷却冷凍処理を適用して冷凍庫41内の温度−50℃の超低温とした場合の変化を示す図 本発明の急速冷凍装置100による内外からの過冷却冷凍処理を行う場合の変化を示す図 冷凍後の電極棒20取り出し作業を説明する図(その1) 冷凍後の電極棒20取り出し作業を説明する図(その2)
10 食材載荷台
11 棚板
12 絶縁脚部
20 電極棒
21 棒材
22 フランジ部
23 中空部
24 ヒーター
30 電場形成装置
31 電場調節部
32 高電圧導線
33 先端クリップ
40 冷凍機構
41 冷凍庫
100 急速冷凍装置
200 マグロ魚体

Claims (7)

  1. 過冷却冷凍処理を用いて肉厚食材を冷凍せしめる急速冷凍装置であって、
    前記肉厚食材を載せ置く導電体の棚板と、前記棚板を電気的に絶縁する絶縁体を備えた前記肉厚食材を支持する食材載荷台と、
    前記肉厚食材の中心付近に差し込んで配設する電極棒と、
    前記食材載荷台と前記電極棒に対して交番高圧電場を印加する電場形成装置を備え、
    前記電場形成装置により前記食材載荷台側および前記電極棒側の双方から前記肉厚食材に対して交番高圧電場を印加しつつ冷凍庫内において前記肉厚食材を外周側から中心部に向かって順次凍結させることにより、前記肉厚食材の外周部分に氷結帯が生じても、前記肉厚食材の中心付近に配設された前記電極棒により前記過冷却冷凍未完了の未凍結部位に前記交番高圧電場を印加できる構成であることを特徴とする急速冷凍装置。
  2. 前記電極棒が中空の棒材であり、前記電極棒の中空部に対して差し込むヒーターを備え、前記肉厚食材全体の前記過冷却冷凍が完了した後、前記ヒーターにより前記電極棒を暖めて前記肉厚食材から前記電極棒を引き抜きやすい構造としたことを特徴とする請求項1に記載の急速冷凍装置。
  3. 前記冷凍庫内温度が−35℃から−60℃であり、前記過冷却冷凍処理が−35℃から−60℃の温度下で実行されることを特徴とする請求項1または2に記載の急速冷凍装置。
  4. 前記電場形成装置により供給される前記交番高圧電場は、電圧5〜30kvである請求項1から3のいずれか1項に記載の急速冷凍装置。
  5. 前記肉厚食材がマグロ魚体であり、前記電極棒の前記マグロ魚体への挿入部位が脊髄付近の部位である請求項1から4のいずれか1項に記載の急速冷凍装置。
  6. エアーブラスト方式の大型の冷凍庫を有する冷凍機構を備えた請求項1から5のいずれか1項に記載の急速冷凍装置。
  7. 肉厚食材を急速に冷凍せしめる急速冷凍方法であって、
    食材載荷台に前記肉厚食材を支持し、
    電極棒を前記肉厚食材の中心付近に差し込んで配設し、
    電場形成装置により前記食材載荷台と前記電極棒に対して交番高圧電場を印加し、
    前記電場形成装置により前記食材載荷台側および前記電極棒側の双方から前記肉厚食材に対して交番高圧電場を印加しつつ冷凍庫内において前記肉厚食材を外周側から中心部に向かって順次凍結させることにより、前記肉厚食材の外周部分に氷結帯が生じても、前記肉厚食材の中心付近に配設された前記電極棒により前記過冷却冷凍未完了の未凍結部位に前記交番高圧電場を印加する急速冷凍方法。
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