JP2003161558A - 含水凍結物の製造方法及び製造装置 - Google Patents

含水凍結物の製造方法及び製造装置

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JP2003161558A JP2001360944A JP2001360944A JP2003161558A JP 2003161558 A JP2003161558 A JP 2003161558A JP 2001360944 A JP2001360944 A JP 2001360944A JP 2001360944 A JP2001360944 A JP 2001360944A JP 2003161558 A JP2003161558 A JP 2003161558A
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    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25DREFRIGERATORS; COLD ROOMS; ICE-BOXES; COOLING OR FREEZING APPARATUS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • F25D2400/00General features of, or devices for refrigerators, cold rooms, ice-boxes, or for cooling or freezing apparatus not covered by any other subclass
    • F25D2400/30Quick freezing

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、最大氷結晶生成温度帯(0℃乃至
―5℃)での温度平衡状態及びこれに近似した状態を完
全に解消し、細胞破壊を生じない、極めて優れた急速凍
結の装置及び方法を提供することを課題とする。 【解決手段】 含水物(8)を、冷却凍結槽(2)内の冷媒用
液体に浸漬するとともに、該液体用冷媒中において、前
記浸漬した含水物(8)に対して、加圧空気又は超音波を
連続的若しくは間欠的に噴射又は照射し、急速冷凍する
含水凍結物の製造方法等、及び冷媒用液体を貯留した冷
却凍結槽(2)内に、コンベア(4)を設置し、当該コンベア
(4)上の含水物(8)に対して前記冷媒用液体(2)内で加圧
空気又は超音波を噴射又は照射するための手段を、ネッ
トコンベア(4)の上下双方若しくは一方に、配置した構
成を有する含水凍結物の製造装置等を、解決手段とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、生鮮若しくは加工
食品、医療用細胞組織等(以下、単に含水物という。)
を凍結保存状態とした含水凍結物の製造方法及び製造装
置に関するものである。尚、当該製造装置とは、後述す
る急速凍結装置と同義である。
【0002】
【従来の技術】食品等の含水物を急速冷凍すると、冷却
中に、最大氷結晶生成温度帯において、含水物に含有さ
れる水分が氷結晶となり、これによって水体積よりも1
0%以上増加するため、当該含水物の内部でひずみが生
じ、この結果、当該含水物の細胞組織が破壊されること
となる。
【0003】これが原因となり、その後の含水物の解凍
時にはドリップが生ずることとなり、該含水物が食品で
あれば、その食品の鮮度、風味を損われ、また研究等に
供される細胞組織等であれば、細胞組織試料等として使
用できないことにもつながる。
【0004】従って、容易に急速冷凍される含水物の細
胞組織を破壊しないようにするためには、特に、氷結晶
の生成頻度の極めて高い最大氷結晶生成温度帯(−5℃
乃至0℃)における含水物の内部の温度を表面並みに急
速冷凍すること、及び、当該最大氷結晶生成温度帯を極
めて短時間で通過させ、全体として氷結晶生成の緩慢な
凍結温度帯に保つことの2点が、非常に重要な要素であ
る。
【0005】ところで、現在、含水凍結物を製造するた
めの急速冷凍を行う装置としては、気体冷却式凍結装
置、液体冷却式凍結装置等があり、気体冷却式凍結装置
は、凍結媒体に気体(空気)を用い、これを低温にして
食品に接する凍結装置(社団法人冷凍協会編、冷凍空調
便覧)であり、例えば、コンベア上に、被冷凍品を配列
させ、それを水平、垂直また階段的にトンネル内を一定
方向に移送する間に、低温の水平又は垂直方向の空気に
よって連続的に送風凍結を行う、エアブラスト式凍結装
置等が公知である。
【0006】また、液体冷却装置は、凍結媒体に液体を
用い、これを低温にして食品に接するもので、前記基体
冷却式と比較して熱伝達率が大きく、凍結が急速で、凍
結時間は気体冷却式の二分の一程度で、氷結晶も小さい
という特徴を有するものである。尚、このような装置と
しては、例えば、塩化ナトリウムブライン凍結装置、塩
化カルシウムブライン凍結装置、プロピレングリコール
凍結装置、エチルアルコールブライン凍結装置等が公知
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、急速凍結にお
いて液体冷却式凍結装置は、気体冷却式凍結装置と比較
して、より優れたものであり、最大氷結晶生成温度帯で
の温度平衡状態が随分解消されるものではあるが、実際
には、完全に温度平衡状態を解消するまでには至らず、
また温度低下自体が平衡状態に限りなく近い状態で、温
度下降勾配は非常に緩慢となることも多く、最大氷結晶
生成温度帯の通過には時間を要するものであった。この
ようなことから、結局、当該液体冷却式凍結装置におい
ても、細胞破壊による解凍後の食品の鮮度低下を免れる
ことはできないものであった。
【0008】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
であり、最大氷結晶生成温度帯での温度平衡状態及びこ
れに近似した状態を完全に解消し、含水物内部のひずみ
の発生を防止して細胞破壊を生じない、極めて優れた含
水凍結物の製造方法等を提供することを、発明が解決し
ようとする課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】含水物を、冷却凍結槽内
の冷媒用液体に浸漬するとともに、該液体用冷媒中にお
いて、前記浸漬した含水物に対して、加圧空気又は超音
波を連続的若しくは間欠的に噴射若しくは照射し、急速
冷凍する含水凍結物の製造方法等を、課題を解決するた
めの手段とするものである。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、含水物を、冷却凍結槽
内の冷媒に浸漬するとともに、該冷媒中において、前記
浸漬した含水物に対して、加圧空気を連続的若しくは間
欠的に噴射するか、若しくは超音波を連続的若しくは間
欠的に照射することで、含水物内に衝撃波を与えて熱交
換を速やかに行い、最大氷結晶生成温度帯での温度平衡
状態及びこれに近似した状態を完全に解消し、急速冷凍
を実現できるとともに、含水物における内部温度と表面
温度との最大氷結晶生成温度帯通過時間を同程度とする
ことができることから、当該含水物の内部にひずみが生
ずることがなく、組織破壊を防止するとともに、解凍後
のドリップを防止することができる。
【0011】従って、含水物が食品の場合であれば、解
凍後においても、当該食品の鮮度、風味を損なわず、ま
た研究等に供される細胞組織等であれば、解凍した後で
も極めて良好な細胞組織試料等として使用することがで
きる。
【0012】
【発明の実施の形態及び実施例】本発明に係る含水凍結
物の製造方法の効果を実証すべく、以下に示す実験を行
った。
【0013】(実験1) エチルアルコール水溶液中で
加圧空気を噴射して急速凍結する方法 槽内に投入した−35℃、60%のエチルアルコール水
溶液中に、縦50mm、横20mm、高さ20mm、7
2gの魚すり身を固形化したものをポリエチレンの薄膜
シートで被覆し、表面及び内部に温度センサーを取付け
た含水物(8)を入れ、含水物(8)の上下から15kg/c
の加圧空気を、直径0.3mmのノズルから、含水
物(8)とノズルとの間の距離を8mmとして、5秒間隔
で間欠的に噴射し、経時的な温度変化を10秒間隔でサ
ンプリングした。本実験における測定点としては、含水
物の内部測定ポイント2箇所(A1)(A2)、表面測定点(A
3)、冷媒測定ポイント(A4)の計4箇所とした。
【0014】尚、5秒間隔で間欠的に噴射するのは、コ
ンベア(4)上に含水物(8)を載置して、コンベア(4)進行
方向に複数噴射ノズルを配置する構成での使用と、条件
を一致させるためである。
【0015】(実験2) エチルアルコール水溶液中で
超音波を対象物に照射することにより、急速凍結する方
法 −35℃、60%のエチルアルコール水溶液中に、縦5
0mm、横20mm、高さ20mm、72gの魚すり身
をポリエチレンの薄膜シートで被覆した含水物(8)を入
れ、含水物(8)の上方から、当該含水物(8)と超音波発振
器(9)間との距離を10mmとして、超音波発振器(9)の
先端を浸漬した状態とし、周波数20乃至40kHzの
超音波を5秒間隔で間欠的に照射し、実験1と同様に、
含水物(8)の内部測定ポイント(B1)(B2)、表面測定ポイ
ント(B3)及び冷媒測定ポイント(B4)について、温度セン
サーを取付けて、経時的な温度変化を調べた。
【0016】尚、ここで、ポリエチレンの薄膜シートで
被覆するのは、含水物(8)がエチルアルコールに侵され
るのを防止するためであり、超音波を5秒間隔で間欠的
に照射するのは、実験1と同様に、コンベア(4)上に含
水物(8)を載置して、コンベア(4)進行方向に複数の超音
波発振器(9)を配置する構成での使用と条件を一致させ
るためである。
【0017】(対照実験) また、上記実験1及び実験
2の対照実験として、−35℃、60%のエチルアルコ
ール水溶液中に、縦50mm、横20mm、高さ20m
m、72gの魚すり身をポリエチレンの薄膜シートで被
覆した含水物(8)を入れた状態で、エチルアルコール溶
液を攪拌しながら、同様に、含水物(8)の内部測定点(C
1)、表面測定点(C2)(C3)及び冷媒測定点(C4)点につい
て、経時的な温度変化を調査した。本対照実験は、従来
より急速凍結として用いられている、エチルアルコール
水溶液による液体凍結冷却方法である。
【0018】以下に、上記実験の結果を示す。
【0019】(実験1について)本実験1の結果は、エ
チルアルコール水溶液中で加圧空気を噴射する条件下に
おける含水物の経時的な温度変化として、図1のグラ
フ、及び該図1のデータである図6に示したように、開
始後から急激な温度低下が実現し、開始から僅か30秒
で、最も冷却され難い内部測定点(A1)においても、−3
℃以下とすることができたことに加え、最大氷結晶生成
温度帯における温度平衡状態が完全に存在せず、更に、
最大氷結晶生成温度範囲のうち氷結晶生成頻度の特に高
い0℃乃至−3℃においては、含水物(8)の内部温度が
表面温度と同程度以上にまで冷却することができた。ま
た、最大氷結晶生成温度帯(0℃乃至−5℃)全体で
は、内部測定点(C1)(C2)によって測定値がややばらつく
ものの、概ね表面温度と同程度まで内部温度を低下させ
ることができ、非常に良好な結果を得ることができた。
尚、内部測定点(C1)については、加圧空気の噴射の影響
を受けにくい位置であったこと等が考えられる。
【0020】一方、対照実験として行った、従来のエチ
ルアルコール溶液を使用した液体凍結冷却方法の結果に
おいては、同様に、経時的な温度変化を示す図3のグラ
フ、及び該図3のデータを表した図8に示したように、
内部測定点(C1)において、最大氷結晶生成温度帯での完
全な温度平衡状態が1分20秒間みられ、温度低下が緩
慢な部分を含むと、略温度平衡状態は、3分程度にもな
る。
【0021】また、内部測定点(C1)の温度が−3℃程度
となるのは、開始から7分40秒以上経過した後、−5
℃程度となるのは、8分10秒経過後であり、全体とし
て、実験1と比べると、温度変化が緩慢であり、この結
果から、実験1によって実証されたエチルアルコール中
で加圧空気を噴射して急速凍結する方法が非常に優れた
効果を有していることが判断できる。
【0022】(実験2について)本実験2はの結果は、
エチルアルコール水溶液中で超音波を噴射して急速凍結
する条件下における含水物の経時的な温度変化として、
図2のグラフ、及び該図2のデータである図7に示した
ように、内部測定点のうち、結果が良好でない測定点(B
1)においては、開始から1分30秒で−3℃で達し、3
0秒程度、最大氷結晶生成温度帯での温度平衡状態が見
られたが、他方、内部測定点(B2)においては、開始から
20秒以内に−3℃を、30秒以内には−5℃を超え、
最大氷結晶生成温度帯において、表面温度と略同等に冷
却を行うことができ、極めて良好な結果を得ることがで
きた。
【0023】内部測定点(B1)における良好でない結果
は、当該箇所近傍において超音波が十分に照射されなか
ったためと考えられ、このような結果を防止する方法と
しては、超音波発振器(9)を上下方向に設置する手段
や、含水物(8)を載置するネットコンベア(4)の下に反射
板を設置する手段、或いは反射板を利用せず冷却凍結槽
(2)内に設置されたコンベア(4)の表面を反射板として利
用する等の手段によって、表裏双方向を含めた全体的な
照射を行うことによって、回避することができる。
【0024】このように、本実験2においても、前記実
験1と同様に、対照実験、即ち、従来のエチルアルコー
ルのみを冷媒とする急速冷凍方法を比較した場合におい
て、非常に良好な結果を得ることができた。
【0025】(急速凍結装置について)次に、本発明の
実施例1に係る急速凍結装置について説明する。当該実
施例1に係る急速凍結装置は、主として、水分を多量に
含む冷凍食品(例えば、煮物等)の製造に好適なもので
あり、図4に示すように、断熱材で形成された冷却凍結
槽(2)内に、ステンレス製の搬入出用及び移送用のネッ
トコンベア(4)を設置し、該ネットコンベア(4)の上下に
は、当該ネットコンベア(4)上の含水物(8)に対して加圧
空気を噴射するための多孔式の加圧空気噴射ノズル(5)
を、コンベア(4)進行方向に沿って複数配置した構成を
有するもので、冷却凍結槽(2)内には冷媒として−35
℃、60%のエチルアルコール溶液が貯留されている。
【0026】当該冷媒は、前記冷却凍結槽(2)の内面に
設置された板状の熱交換器(12)、即ち、対向する金属製
の薄板間に熱交換用冷媒導通路を確保するように、前記
金属製薄板を相互に貼接して形成した熱交換器によっ
て、冷却状態が維持されている。
【0027】ここで、含水物(8)は、搬入口から搬入用
コンベア(6)によって、投入、浸漬され、移送用ネット
コンベア(4)に移送される。移送用ネットコンベア(4)上
に載置された含水物(8)は、前記加圧空気噴射ノズル(5)
からの加圧空気の噴射によって、表面のみならず内部も
略同じタイミングで、同程度の冷却曲線で、急速冷凍さ
れる。
【0028】含水物(8)が移送用ネットコンベア(4)上を
進むにつれて、間欠的に加圧空気噴射ノズルからの加圧
空気の噴射を受け、該加圧空気の噴射が終了した後、搬
出用コンベア(7)へ送られ、当該搬出用コンベア(7)によ
って、上部の搬出口から含水物(8)が払い出しされる。
【0029】当該急速凍結装置を構成する搬入、搬出用
コンベア(6)(7)、移送用ネットコンベア(4)等はシーケ
ンス制御によって連動した自動運転が可能であるととも
に、スイッチ切替えによって、各部、各装置の手動運転
も可能なものとしている。
【0030】次に、本発明の実施例2に係る急速凍結装
置は、図5に示すように、エタノール溶液冷媒(3)中で
超音波を含水物(8)に照射することにより、急速凍結を
行う装置であり、ネットコンベア(4)上の含水物(8)の移
送、搬入出過程、及び冷媒の温度維持手段は、実施例1
に係る急速凍結装置と同様の構成を備えるものである。
【0031】本実施例2に係る急速凍結装置において
は、移送用ネットコンベア(4)の上方に、該移送用ネッ
トコンベア(4)進行方向へ、連続的に超音波を発生させ
る超音波発振器(9)が複数列設されており、超音波発振
器(9)の直下位置で含水物(8)に十分な超音波の照射を行
う過程(インピンジメント過程)を構成すべく、前記ネ
ットコンベア(4)の下側には、超音波発振器(9)から直接
含水物(8)に照射されなかった超音波を反射して、含水
物(8)の下部及び側部に当てるための反射板を設けると
ともに、含水物(8)に対する超音波の照射(即ち、前記
インピンジメントを行う過程)を間欠的として、熱伝導
性を高めるべく、2つの超音波発振器(9)間に2枚の超
音波吸収板(11)を設置して、超音波の照射が移送中の含
水物(8)に対して行われない過程(テンパリング過程)
を構成している。
【0032】尚、本実施例2においては、前記したよう
に、反射板によって、含水物(8)の側面及び底面に対し
てもより超音波の照射を促すものとしたが、本発明はこ
れに限られるものではなく、反射板を用いずに、移送用
ネットコンベア(4)と冷却凍結槽(2)の底面との距離を短
くすることによって、移送用ネットコンベア(4)上方か
ら発生した超音波を、冷却凍結槽(2)の底面で反射し
て、含水物(8)の下面にも照射する、低コスト且つ高効
率の設備設計を行うこともできるし、或いは、超音波発
振器による超音波の照射をより確実とすべく、移送用ネ
ットコンベア(4)の下方に別途、超音波発振器(9)を設け
ることもできる。
【0033】本発明においては、実施例1及び実施例2
のいずれにおいても、圧縮空気若しくは超音波を冷媒中
で、間欠的に噴射若しくは照射するものであるが、連続
的に噴射若しくは照射することもできる。しかしなが
ら、間欠的な噴射若しくは照射を行うことは、含水物に
対する衝撃波を与えて、熱伝導性を高めることができる
点において優れ、結果として、連続的に噴射若しくは照
射を行う場合と比べても、非常に有効である。
【0034】また、本発明に係る急速凍結装置において
は、上記実施例1及び実施例2に限定されるものではな
く、加圧空気噴射ノズル(5)、超音波発振器(9)の設置数
や間隔、配置、含水物(8)との距離等は、適宜変更調節
することができるし、図示省略するが、搬入用コンベア
(6)、搬出用コンベア(7)に代えて、油圧若しくはエアシ
リンダー等を利用した昇降装置等の搬入出手段を設ける
こともできる。尚、本実施例においては、搬入出用コン
ベア(6)(7)を使用することにより、製造装置自体の製造
コストを低減するとともに、例えばコンベアを動作させ
て手動投入するといった、稼動時の幅広い生産作業形態
に対応する確保するものとしている。
【0035】尚、移送用ネットコンベア(4)に代えて他
のコンベアを使用することは、可能ではあるが、含水物
(8)の底面及び側面に対して加圧空気や超音波を十分
に、噴射若しくは照射することができないことから、急
速凍結機能が低下するため、コンベアの載置面にスリッ
トや多数の孔が設けられたもの等が好ましい。
【0036】また、本実施例においては、エチルアルコ
ール水溶液の液温を−35℃として使用しているため、
当該溶液の濃度を60%としているが、エチルアルコー
ル溶液の濃度によって、当該溶液の凍結点が異なり、急
速冷凍といった場合には、一般に−18℃以下に保持さ
れることとされている(日本冷凍協会編「凍結食品の製
造と取扱いについての勧告」)ことを考慮すると、本発
明を実施する場合には、およそ30%前後以上の濃度の
エチルアルコール水溶液が必要であると考えられ、(3
0%時の凍結点が実測値平均−20.9℃程度であ
る。)冷媒凍結点に至らない状態で使用することのでき
る濃度範囲において効果を得ることができる。
【0037】本発明においては、以上のように、冷却効
率の高い冷媒中において、加圧空気、超音波といった衝
撃波を、間欠的に若しくは連続的に含水物に対して与え
ることにより、従来ではなし得ない極めて良好な急速凍
結過程を実現することができ、実験的には、エタノール
溶液を用いて行ったが、理論上、例えば、従来より冷媒
として用いられている塩化ナトリウム溶液、塩化カルシ
ウム溶液、プロピレングリコール溶液等を、エタノール
溶液と代替した場合においても、相当の効果を期待する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実験1(エチルアルコール水溶液中で加圧空気
を噴射して急速凍結する方法)における時間と温度の関
係を示すグラフである。
【図2】実験2(エチルアルコール水溶液中で超音波を
噴射して急速凍結する方法)における時間と温度の関係
を示すグラフである。
【図3】対照実験における時間と温度の関係を示すグラ
フである。
【図4】本発明の実施例1に係る急速凍結装置の概略を
示す断面図である。
【図5】本発明の実施例2に係る急速凍結装置の概略を
示す断面図である。
【図6】本発明の実験1における図1のグラフのデータ
を示す表である。
【図7】本発明の実験2における図2のグラフのデータ
を示す表である。
【図8】本発明の対照実験における図3のグラフのデー
タを示す表である。
【符号の説明】
(1) 急速冷凍装置 (2) 冷却凍結槽 (3) 冷媒 (4) コンベア (5) 加圧空気噴射ノズル (6) 搬入口側昇降装置 (7) 搬出口側昇降装置 (8) 含水物 (9) 超音波発振器 (10) 反射板 (11) 超音波吸収板 (12) 熱交換器 (A1) 内部測定点 (A2) 内部測定点 (A3) 表面測定点 (A4) エチルアルコール水溶液(冷媒) (B1) 内部測定点 (B2) 内部測定点 (B3) 表面測定点 (B4) エチルアルコール水溶液(冷媒) (C1) 内部測定点 (C2) 表面測定点 (C3) 表面測定点 (C4) エチルアルコール水溶液(冷媒)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3L044 AA03 BA04 CA04 DB00 KA01 KA04 4B022 LA01 LA04 LF09 LN05 LT06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水物(8)を、冷却凍結槽(2)内の冷媒用
    液体に浸漬するとともに、該液体用冷媒中において、前
    記浸漬した含水物(8)に対して、加圧空気を連続的若し
    くは間欠的に噴射し、急速冷凍することを特徴とする含
    水凍結物の製造方法。
  2. 【請求項2】 含水物(8)を、冷却凍結槽(2)内の冷媒用
    液体に浸漬するとともに、該冷媒用液体中において、前
    記浸漬した含水物(8)に対して、超音波を連続的若しく
    は間欠的に照射し、急速冷凍することを特徴とする含水
    凍結物の製造方法。
  3. 【請求項3】 冷媒用液体を貯留した冷却凍結槽(2)内
    に、コンベア(4)を設置し、当該コンベア(4)上の含水物
    (8)に対して前記冷媒用液体(2)内で加圧空気を噴射する
    ための加圧空気噴射ノズル(5)を、ネットコンベア(4)の
    上下双方若しくは一方に、配置した構成を有する含水凍
    結物の製造装置。
  4. 【請求項4】 冷媒用液体を貯留した冷却凍液槽(2)内
    に、コンベア(4)を設置し、該コンベア(4)上の含水物
    (8)に対して前記冷媒用液体(2)内で超音波を照射するた
    めの超音波発生装器(9)を、当該コンベア(4)の上下双方
    若しくは一方に、配置した構成を有する含水凍結物の製
    造装置。
  5. 【請求項5】 冷媒用液体は、エチルアルコール溶液と
    したことを特徴とする請求項1乃至4記載の含水凍結物
    の製造方法及び含水凍結物の製造装置。
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