JP5281691B2 - 保存装置、保存方法 - Google Patents

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Description

この発明は、冷凍方法、保存装置に関する。
生鮮食品等を品質を維持して冷凍保存するためには、冷凍の際に組織体の細胞を破壊しないこと、濃縮(細胞外に溶質が流出する)を抑制することが重要である。通常、冷凍の際に生鮮食品に大きな針状結晶が生成されると生鮮食品の細胞が破壊されるため、品質低下を招いてしまう。
従って、冷凍の際に発生する氷結晶は小さいことが望ましい。そのため、生鮮食品を冷凍するには、生鮮食品の温度が最大氷結晶生成帯(0℃〜−5℃)となっている時間を短くすることが有効と考えられる。
例えば、高性能な冷凍装置や、液体窒素などの極低温液体を用いれば、最大氷結晶生成帯となっている時間を短くすることができる。
保存装置としては、底面に金属板を備えた保冷室に直接冷気を導入して、急速冷凍を実施しようとしているもの(特許文献1参照)がある。
しかしながら、前記保存装置では生鮮食品の表面に接触する金属板の熱伝導により冷凍するため、大きな生鮮食品になると最大氷結晶生成帯となっている時間が長くなる部分が発生してしまうこととなる。さらに、金属板に接触している部分とそれ以外の部分に温度差が生じるため、凍結している部分と、未凍結の部分との間で応力が発生し生鮮食品にひび割れが発生する場合もある。
また、極低温液体を用いる方法では、最大氷結晶生成帯となっている時間を短くできるが、設備が複雑になるという問題がある。
また、最大氷結晶生成帯となっている時間を短くする手段として、氷結点付近まで急速に冷凍し、生鮮食品の表面と内部との温度差を小さく維持するため、氷結点下までゆっくりと冷却するスロークーリング処理を行い、この後に急速冷凍を行う方法(特許文献2参照)が開示されている。
さらに、中波、短波、超短波のいずれかの周波数の電磁波を用い生鮮食品を誘電加熱しながら冷却して、生鮮食品を凍結させる技術も開示されている(特許文献3参照)。
特開2005−83687号公報 特開平8−252082 号公報 特開2001−245645号公報
しかしながら、スロークーリング処理をする場合、冷凍完了までに時間がかかりすぎ、生鮮食品の酸化や細菌繁殖などが発生する可能性がある。
また、中波、短波、超短波のいずれかの周波数の電磁波を用いる場合、食品のインピーダンスマッチングが取りにくく、マッチングを取るためには食品を2枚の電極間で挟む必要がある。そのため、食品の大きさや厚み、種類に応じて電極間隔を調整する必要があり、装置が大型化してしまうという課題がある。また、中波、短波、超短波の電磁波を印加するためのアンテナは大型となる。
さらに、中波、短波、超短波を用いた場合、形成された氷を融解することができるとされている。しかし、多数の氷結晶が形成される場合、中波、短波、超短波では、氷結晶の生成スピードが融解速度より速く、凍結を抑制することは困難となる。
本発明は上記の問題を解決するためになされたもので、マイクロ波を用いて被冷凍物の温度分布を抑制しながら凍結させることで氷結晶を小さくし、細胞組織の破壊を抑え、生鮮食品の品質を保持したまま冷凍しうる高品位な凍結を行う保存装置、保存方法の提供を目的とする。
本発明に係る保存装置は、対象物を冷却して保存する保存装置であって、前記対象物を収容する保冷室と、前記保冷室に収容される対象物を冷却する冷却手段と、対象物に印加するマイクロ波を発生させる半導体素子を有し、発生するマイクロ波の最大電力が100W以下であるマイクロ波発生手段と、前記マイクロ波発生手段の動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
これにより、対象物にマイクロ波を印加することで対象物の温度分布を抑制させて冷却することが可能となる。特に、低出力のマイクロ波発生手段により高い精度でマイクロ波を対象物に印加することで、対象物の温度分布を抑制しながら凍結させることができる。特に、対象物は表面積や放熱等の関係上、端部などから冷却され温度が低下していくが、マイクロ波はその端部などに電波が集中しやすい性質を有するため、高精度でマイクロ波の出力を制御して凍結中に対象物の温度分布を低減することが可能となる。このため、対象物の温度分布を低減した凍結が可能となるため、氷結晶を小さくして高品位な凍結を実現することができる。
さらに、対象物の温度を検出する温度検出手段を備え、前記制御手段は、前記対象物の温度が低下するように前記冷却手段を制御している場合において、前記温度検出手段が所定の閾値以下の温度を検出すると前記マイクロ波発生手段にマイクロ波を発生させるものでもよい。
これによれば、マイクロ波の発生タイミングを対象物に対応させて調整することで、過冷却状態を発生させやすくなり、高品質な冷凍を実現することができる。
また前記制御手段は、前記マイクロ波発生手段にマイクロ波を発生させた後、所定の第一情報に基づき前記マイクロ波発生手段が発生させるマイクロ波のエネルギーを増加させてもよい。
これによれば、過冷却状態をマイクロ波により強制的に解除することができ、対象物の高品質な冷凍状態を実現することが可能となる。
また、前記冷却手段は、前記マイクロ波発生手段にマイクロ波を発生させた後、所定の第二情報に基づき冷却能力を向上させるものでも良い。
これによれば、最大氷結晶生成帯を通過した対象物をさらに冷却することで、対象物の冷凍保存状態を高品質で維持することが可能となり、細胞破壊のない高品位な冷凍を実現することが出来る。つまり、過冷却が解除された時の対象物は、完全に凍った状態ではなく、対象物に均一に小さな氷結晶が形成され、その氷結晶の間に未凍結部分が存在する。この未凍結部分の水分が大きな氷結晶にならないよう、あるいは均一に形成された小さな氷結晶が未凍結部分の水によって成長し、氷結晶が大きくならないように、過冷却解除後に急速凍結し、氷結晶を小さくすることで細胞破壊の無い高品位な凍結を実現することができる。
さらに、反射電力検出手段により、前記マイクロ波発生手段から発生させたマイクロ波が対象物に印加されずに戻ってくるマイクロ波のエネルギーを検出することにより対象物の温度を検出するものでもよい。
これによれば、対象物の温度を検出するための装置を別途設ける必要が無い。
さらに、前記制御手段は、前記マイクロ波発生手段から発生させるマイクロ波の周波数を300MHz以上300GHz以下の範囲内で変化させ、反射電力検出手段により、反射率が60%以上となる周波数を特定し、特定された周波数のいずれかの周波数のマイクロ波を前記マイクロ波発生手段に発生させるものでもよい。
これによれば、対象物に効率良く、マイクロ波を吸収させることができるので、精度良く対象物の温度分布を低減することができ、保存装置の省エネルギー化を図ることが可能となる。さらに、様々な形状や量の対象物に対しても、効率的にマイクロ波を吸収させることのできる周波数を検出することが可能となるため、対象物の重量を検知する重量センサや大きさを検出するイメージセンサなどを新たに設ける必要もなく、対象物を高品質な状態で冷却することが可能となる。
本発明に係る保存方法は、対象物の凍結点以上で対象物の温度が10℃以下になった時点でマイクロ波を印加することを特徴とするものである。特に、対象物中の水分子は10℃付近から集合しはじめ、特に5℃付近から水分子凝集力が強くなるため、これらの温度域でマイクロ波を印加することで水分子の凝集を効率よく抑制することが可能となり、氷結晶核の生成も抑制できる。このため、安定して過冷却状態にすることができるとともに、マイクロ波の印加時間も短縮されるため、省エネにつながる。
また、マイクロ波発生手段の出力を切り換える切り替え手段を設けてもよい。これにより、冷凍と解凍を切り替え、冷凍の場合はマイクロ波の出力を小さくし、前記対象物に吸収されるエネルギーよりも大きなエネルギーで冷却して食品を過冷却状態に維持あるいは過冷却状態を経て凍結させ、解凍の場合はマイクロ波の出力を大きくし、冷凍物に吸収されるエネルギーを大きくすることで、冷凍と解凍の両方を実現することができる。
また、対象物を冷蔵している場合、対象物に適度なマイクロ波の刺激を与えてもかまわない。これにより対象物の内部における栄養素の生成を促しながら冷蔵することが可能となる。特に冷蔵の場合には、マイクロ波発生手段からの刺激を対象物の内部で反応させることで生体の防御反応を引きおこし農作物内の栄養素を増加させることが可能となる。
本発明の保存方法及び保存装置は、水分子の凝集を抑制することで、凍結するのに必要な氷結晶核の生成及び成長を抑制するものである。したがって、対象物を安定して過冷却状態にでき、最大氷結晶生成帯を瞬時に通過することができる。
また、小さな氷結晶を対象物内に均一に生成することができるので、細胞破壊の少ない高品位な冷凍を実現することができる。
図1は、マイクロ波を印加した対象物の各部の温度の時間変化を示すグラフである。 図2は、マイクロ波を印加しない対象物の各部の温度の時間変化を示すグラフである。 図3は、マイクロ波の印加の有無における対象物の冷却曲線を示すグラフである。 図4は、マイクロ波を印加する対象物の温度と過冷却度との関係を示すグラフである。 図5は、マイクロ波発生手段の出力電力と過冷却度との関係を示すグラフである。 図6Aは、保存装置を概略的に示す図である。 図6Bは、保存装置を概略的に示す斜視図である。 図7は、マイクロ波発生手段を概略的に示す図である。 図8は、マイクロ波を印加したときの周波数と反射波による減衰率の関係を示すグラフである。 図9は、マイクロ波吸収率と解凍時間の関係を示すグラフである。 図10は、他の保存装置を概略的に示す図である。 図11は、他の保存装置を概略的に示す図である。 図12は、対象物の各部における解凍時間と温度の関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施例1)
図1は、本発明にかかる保存方法によって冷凍する対象物の各部における時間と温度の関係を示したグラフである。図2は、対比のためのグラフである。
対象物は、牛肉200gである。図1は、冷凍中にマイクロ波を印加した場合を示している。また、図1は、対象物の中心部(中央内部)、右端部(表面)、左端部(表面)の計3箇所の温度の時間変化を示している。
マイクロ波は、前記3箇所のうちのいずれかの温度が5℃以下となった時点で印加した。
本実施例ではマイクロ波を印加するタイミングを5℃としたが、これは水の分子が集合し始める温度であり、このときにマイクロ波を印加すると、氷結晶核の生成や氷結晶の成長を抑制し、部分的に凍るのを抑制することが出来る。
また凍結点以下でマイクロ波を印加すると、マイクロ波は氷には吸収されにくいので多くの電力が必要になり省エネに反してしまう。
また、常温からマイクロ波を入れると、冷却されるまえに対象物が発熱し、加熱される恐れもある。
このため、マイクロ波を印加するタイミングとしては、凍結点以上所でかつ対象物が冷却され始める10℃以下が望ましく、より望ましくは水分子が集合し凝集し始める5℃以下が望ましい。
また、対象物を冷却するエネルギーはマイクロ波印加電力よりも大きな電力で冷却し凍結を行った。
比較のために、図2は、マイクロ波を印加しない以外、上記と同じ条件で冷却した時の、対象物(牛肉200g)の中心部(中央内部)、右端部(表面)、左端部(表面)の計3箇所の温度を示している。図1と図2を比較すると、3箇所の温度分布はマイクロ波を印加しないほうが大きくなっていることが解る。
一般的には、対象物は、表面から放熱するため、右端部や左端部から冷却され温度が低下していく。一方、マイクロ波を印加しながら冷凍した場合、冷却されやすい右端部や左端部に電波が集中し、対象物の中央内部と表面部との温度差を低減しながら冷凍することが可能となる。
また、マイクロ波を印加しながら冷凍した対象物とマイクロ波を印加せずに冷凍した対象物とを−20℃雰囲気下に3日間保存した後、5℃雰囲気下に24時間放置することで解凍を行い、解凍後のドリップ量を計測した。その結果、マイクロ波を印加しながら冷凍した対象物のドリップ量は0.3gであった。マイクロ波を印加せずに冷凍した対象物のドリップ量は1.2gであった。この結果から、マイクロ波を印加し、温度分布を低減させて凍結させることで細胞破壊の少ない、高品位な凍結を実現することを確認することができた。
また、対象物として豆腐を用いた場合でも、マイクロ波の印加によって、温度分布の低減を確認することができた。さらに豆腐のような柔らかい素材の場合、マイクロ波を印加して冷凍した対象物は、解凍後の外観形状はそのままであったが、マイクロ波を印加せず冷凍した対象物は、表面にひび割れが生じていた。
また、マイクロ波を印加して冷凍した対象物に対し、マイクロ波を印加せず冷凍した対象物は約5倍のドリップ量となった。
上記結果から、対象物の冷却中にマイクロ波を印加することで温度分布を低減することができ、高品位な凍結を実現することが可能になる。
なお、上記実験では3箇所のみ温度測定を行ったが、一般的に対象物は表面から温度が低下していくと考えられる。
一方、マイクロ波は、電力半減深度が低く表面に吸収されやすい性質を有するので、対象物の表面に強く作用し、対象物の中心部と表面との温度差も低減できると考えられる。
(実施例2)
図3は、マイクロ波の印加の有無における対象物の冷却曲線を示すグラフである。
図3は、対象物として水を用い、冷却中にマイクロ波を印加して冷凍した場合とマイクロ波を印加せずに冷凍した場合との冷却曲線を示している。
マイクロ波は、水の温度が5℃に到達した時点で印加した。印加電力は約3Wとし、対象物を冷却するエネルギーは印加電力よりも大きい、約20Wとした。
図3に示すように、マイクロ波を印加しない水は、水の凍結点である0℃で凍結が始まり、温度の低下は緩やかになる。つまり、氷結晶が生成されていると考えられる。
一方、マイクロ波を印加した水は、凍結点を過ぎても温度は低下し凍結しない過冷却状態となっている。
以上の様に、氷結晶が生成される直前にマイクロ波を対象物に印加することにより、電力の消費を低く抑えつつ、効率的に過冷却状態とすることができる。
これは、マイクロ波を印加することにより、凍結する前に水分子の集合を抑制し、単分子にすることによって、氷結晶核の生成や氷結晶の成長を抑制して、過冷却状態に導くことができるためであると考えられる。
図4は、マイクロ波を印加する対象物の温度と過冷却度の関係を示すグラフである。
対象物は水であり、冷却前の水の温度は20℃である。
図4に示すように、冷却と同時にマイクロ波を印加すると過冷却は発現しないが、マイクロ波を印加する時の水の温度が低いほど、過冷却度が大きくなることが解る。
これは、水分子が集合し始める時にマイクロ波を印加すると、水分子の動きが活発化されて単分子状態となり、過冷却状態に容易に導入されると考えられる。
図4からも解るように、対象物にマイクロ波の印加を開始するタイミングは、対象物の温度が凍結点以上、10℃以下の範囲から選定される閾値以下であることが好ましい。さらに、凍結点以上、5℃以下の範囲から閾値を選定することで高い確率で過冷却状態を創出することが可能となる。
図5は、マイクロ波発生手段の出力電力と過冷却度との関係を示すグラフである。
図5に示すように、マイクロ波のパワーと過冷却度には相関があり、また対象物の重量に応じてマイクロ波のパワーを制御する必要があることが解る。
そのため、例えば重量センサによって対象物の重量を検出したり、対象物の温度低下率から対象物の重量を算出してマイクロ波発生手段の出力電力を制御することで、対象物の重量に対応したパワーのマイクロ波を印加する。こうすることで、対象物の重量に関わらず安定して過冷却状態にすることができる。
また、重量センサや対象物の温度低下から重量を検出あるいは算出するのではなく、予め対象物の重量をインプットするものでもよい。
また、食品の種類をあらかじめインプットするものでもよい。例えば、肉、野菜、魚、お惣菜など選択できるボタン等を設けることで、食品の種類に応じた最適な周波数を選択することができる。また、算出された重量やインプットされた重量と共に選択された食品の種類に基づき、対象物の種類と重量に対応したパワー、かつ、最適な周波数のマイクロ波を照射することができるので、より照射効率を向上させ、省エネルギーを実現することができるという効果がある。
また、食品の重量を数10gや数100g単位で入力できるような入力部を設け、使用者が大まかな重量を入力することで、重量センサ等を備えない場合であっても、簡単な構成で対象物の重量に対応したパワーのマイクロ波を照射することができるので、より照射効率を向上させ、省エネルギーを実現することができるという効果がある。
なお、印加したマイクロ波の周波数は2.45GHzであるが、300MHz以上、300GHz以下の範囲から選定される周波数のマイクロ波であれば同様の効果を得ることができる。300MHz以下では、マイクロ波を食品に効率よく吸収させるためには、電極間に挟むなどの構成にする必要があり、装置自身が大型化してしまう。さらに300MHz以下では対象物の形状によって、電磁波が集中し、均一な電波印加が難しい。
そのため、水分子の単分子化が可能な場所と不可能な場所ができてしまい、氷結晶核生成につながってしまう。また300GHz以上においても、電磁波が表面のみに集中し、内部まで伝達しないため、対象物の内部と表面で温度差が発生してしまい、氷結晶核が生成してしまい、過冷却状態にならない。
また、装置自身を小型にするためには、マイクロ波の印加手段をアンテナにするのが最も良い方法である。さらにアンテナを用いる場合300MHz〜300GHzではアンテナの小型化が可能なため、マイクロ波発生手段の小型化が可能となる。
(実施の形態1)
図6は、保存装置を概略的に示す図である。
同図に示すように保存装置1は、対象物11を冷却して冷凍する装置であり、冷却手段12と、保冷室13と、マイクロ波発生手段14と、温度検知手段15と制御手段17とを備えている。
冷却手段12は、コンプレッサを備え冷媒の気体と液体を強制的に相変化させることにより、気体(空気)などを冷却する冷却サイクルを利用した装置である。本実施の形態の場合。冷却された空気である冷気を吐出するための送風機を備えているが、冷却手段に要するエネルギーとは、主としてコンプレッサを稼働させるための電力である。
保冷室13は、対象物11を収納すると共に冷却手段12が発生させた冷気を導入して対象物11を冷却する保温性のある箱形状の部材である。
マイクロ波発生手段14は、対象物11に印加するマイクロ波を発生させる装置である。マイクロ波発生手段14は、冷却手段12に要するエネルギーよりも対象物が吸収するマイクロ波のエネルギーよりも小さくなるように制御手段17により制御される。
図7は、マイクロ波発生手段を概略的に示す図である。
同図に示すように、マイクロ波発生手段14は、発信装置18と、増幅器19と、分配器20と、反射電力検出手段21と、発信制御部22と、アンテナ16とを備えている。
発信装置18は、マイクロ波を発信させることのできる装置であり、本実施の形態の場合、半導体素子を用いてマイクロ波を発信させている。半導体素子としてはSiやGaAs、SiCやGaNが挙げられるが、本実施の形態においてはGaNを使用した。一般的にマイクロ波を発信させる発信装置18としてはマグネトロンがあるが、マグネトロンでは100Wといった低エネルギーのマグネトロンを発生させることは困難であるため半導体素子を用いることで、100W以下のマイクロ波を発生させることができ、また、マイクロ波のエネルギーを細やかに調整することが可能となる。
このように、マイクロを従来のようなマグネトロンで発生させた場合には、出力が大きいため食品の低温箇所のみ温度変化を緩和作用するような出力の小さな制御を行うことが難しく、低温の部分に加えて、より高い温度の部分へも照射されることで、冷却に伴う温度の偏りを抑制することができないが、冷凍および冷蔵の雰囲気温度中で低出力の半導体のマイクロ波を照射することで、温度が低い箇所に効果的にマイクロ波が作用しながら全体が冷却されていくので、低温箇所の温度低下を抑制し、冷却中の対象物の温度分布を均一化しながら冷却することが可能となる。
このような半導体によるマイクロ波を低出力で照射した上で、さらに、図6(A)および図6(B)のように冷風等の冷却手段が天面13aもしくは垂直壁面の一つである背面13b上部に配置されている場合には、冷風によって上方側から対象物11が冷却されるので、対象物11は熱伝達によって対象物11に冷風が当る面積が大きい上面から冷やされることになり、対象物の上面と下面とで温度差が生じてしまうことなる。しかし半導体によって発生されたマイクロ波を対象物に印加する際に、さらに均一に分散して照射する役割を果たすアンテナ16を対象物11の上面に平面状に設置することで、対象物の上面側からマイクロ波を均一に照射することが可能となり、温度の低い上面部分にマイクロ波を印加し、温度分布を抑制することが可能となる。
具体的には、例えば図6Bのように高さAの高さ方向を2分する中心線であるA’よりも上方側すなわち、貯蔵室の上部側に冷却手段12の冷風吹き出し口12aが備えられている場合には、マイクロ波のアンテナ16を上方側に配置している。
また、冷風吹き出し口あるいは冷却プレートなどを保冷室13の底面に設置し、対象物11の底面から冷却する場合は対象物11の底面側にアンテナ16を設けることでも同様の効果が得られることとなる。
つまり、アンテナ16は、保冷室13を囲む面の中央に配置するよりは、冷風吹き出し口や冷却プレートなどの保冷室13に収容される対象物11を冷却するために保冷室13に設けられる冷却作用部に近い位置に配置することが好ましい。
加えて、図6(B)のように、保冷室13の高さA,幅B,奥行きCの寸法はC>B>Aとなり最も寸法の短いAと直交する面(天面13aまたは床面)に沿うように平面状のアンテナ16を設置することが好ましい。また、食品を載置する区画の床面の面積の1/4以上3/4以下の面積を備えるアンテナ16であることが好ましい。これによって、最大でB×Cである天面13a側から均一に照射することができ、より広い面に均一にマイクロ波を印加することが可能となる。また対象物と最も短い距離Aの寸法の照射となるので、よりマイクロ波のエネルギーをロスすることなく、効率よくかつ均一に照射することができる。
次に、マイクロ波の印加エネルギーについての説明を行う。
保存装置が備えるマイクロ波発生手段14は、発生させることのできるマイクロ波の最大電力が100Wのものが好ましい。これは、対象物11である食品等に冷凍もしくは冷蔵雰囲気の中で照射する際に、10W前後まで高い精度で制御して、低出力で高品質の解凍ができためである。
さらに好ましくは、マイクロ波発生手段14は、発生させることのできるマイクロ波の最大電力が50Wのものが好ましい。これは、省エネルギーを図る保存装置を実現することができるためである。つまり、最大電力を50Wとすれば、発信装置18の発熱によるロスを抑えることができるためである。また、当該マイクロ波発生手段14によれば、5W前後までは精度良く制御でき、より対象物に合わせた詳細な制御を行うことができ、特に高品質の解凍が実現できる。
さらに好ましくは、マイクロ波発生手段14は、発生させることのできるマイクロ波の最大電力が30W以下、10W以上の範囲から選定されるものが好ましい。このマイクロ波発生手段14を備える保存装置であれば、対象物11を凍結状態や冷蔵状態となるよう冷却しながらマイクロ波を照射する冷却時のマイクロ波照射と、凍結した対象物を解凍する解凍時のマイクロ波照射とを一つの発信装置18で実現することが可能となる。このように、冷凍と解凍とを一つの発信装置18で兼用できる保存装置1の場合には、例えば一つの貯蔵室で冷凍と解凍とを切り替えて利用することができ、詳しくは実施例2で説明するような保存装置1とマイクロ波発生手段14の出力を制御する切り替え手段23を備えることで実現することが可能となる。
さらに、保存装置1は複数のマイクロ波発生手段14を備えるものでも良い。マイクロ波の最大出力電力が比較的小さい(例えば、30W)マイクロ波発生手段14を複数個組み合わせることにより高精度の制御が可能となって、高品質な冷凍や冷蔵、解凍を実現できる。特に、最大電力が異なるマイクロ波発生手段14を備えることが好ましい。具体的には、たとえばマイクロ波発生手段14の最大電力の合計が20Wの出力の場合には、最大電力が10Wのマイクロ波発生手段14を1つと最大電力が5Wのマイクロ波発生手段14を2つ備えた保存装置1を例示することができる。この場合、解凍の際には、すべてのマイクロ波発生手段14から最大電力20Wのマイクロ波を発生させ、冷凍の際には最大電力が5Wのマイクロ波発生手段14を1つ稼働させることで、5W以下のマイクロ波を1W以下の高精度で制御することが可能となり、高品質の冷凍や冷蔵が実現できる。
また、半導体素子を用いることでマグネトロンに比べて大幅に小型化が実現でき、保存装置1の大型化を抑制できるので好ましい。なお、発信装置18から出力されるマイクロ波は、増幅器19によって増幅し、分配器20を介して保冷室13に設けられたアンテナ16から対象物11に印加される。なお、上記マイクロ波の最大電力とは、増幅器19を通過し、アンテナ16から出力されるマイクロ波の強さを示している。
反射電力検出手段21は、対象物11に印加されずに保冷室13内で反射されるマイクロ波検出する装置である。本実施の形態の場合、反射電力検出手段21は、温度検知手段15として機能している。
具体的には、対象物11に印加するマイクロ波の周波数を一定とした場合、対象物11の温度によっても反射電力のエネルギーは異なる。反射電力検出手段21は、この特性を利用して、対象物11の温度を検出する。
なお、反射電力検出手段21によれば、様々な形状や量の対象物11に対してマイクロ波供給量を最大化することが可能となる。言い換えると非常に高い効率でマイクロ波を対象物11に照射できる周波数を検出することが可能となる。
以下に、非常に高い効率でマイクロ波を照射できる周波数を検出する具体的な方法を記載する。まず、予め設定しておいた一定の出力でマイクロ波を出力し、出力するマイクロ波の周波数を変化させる。そして、変化させた周波数毎の反射波を反射電力検出手段21で検知する。例えば、マイクロ波の周波数の変化させる範囲は、2400〜2500MHzである。2400〜2500MHzの範囲で周波数を変化させた場合の反射電力検出手段21検出した反射波に基づいて算出される減衰率と周波数との関係の一例を図8に示す。図8に示すように、周波数によって減衰率が変化していることが解る。つまり、出力するマイクロ波の周波数によって対象物11がマイクロ波を吸収する吸収率が変化していることが解る。
また、図9にマイクロ波吸収率と対象物を−5℃まで解凍するのに要する解凍時間の関係を示した。図9に示すように同じ出力であってもマイクロ波の吸収率が低いと解凍時間に時間を要してしまう、すなわちロスが大きいが、吸収率が高いと解凍時間が短くなることが解る。
マイクロ波吸収率と減衰率(反射率)との関係は、マイクロ波吸収率が高くなるほど、減衰率(反射率)は低くなる。つまり減衰率(反射率)が低い方が壁面等への反射が少なく、照射したマイクロ波が対象物に吸収されているのである。
つまり、反射電力検出手段21で検出された最も反射率の低い周波数を選んでマイクロ波の出力周波数を決定することで、最高の効率でマイクロ波を対象物に供給できるので、壁面等への反射によるエネルギーの消費を抑え、省エネルギーでマイクロ波の照射が可能となる。
ただし、図9のように、マイクロ波の吸収率が20%〜60%までは吸収率が10%上がる毎に5分冷却時間が短くなるが、60%以上80%までは吸収率が10%上がる毎に1.6分しか冷却時間が短くならず、変化が急激に緩やかになっている。さらに吸収率が80%以上においては、ほとんど冷却時間に影響しないことがわかる。
よって、反射電力検出手段21で検出された最も反射率(減衰率)の低い周波数X0で出力することが最も望ましいが、60%以上80%までは吸収率が10%上がる毎に1.6分しか冷却時間が短くならないことを考慮すると、最も減衰率の低い周波数X0と最も減衰率の高い周波数X1との差分Y0をとって、Y0の0%以上40%以下(吸収率60%以上に相当)の範囲Y1(図8では2434〜2441HZ,2465〜2472HZ)の周波数を中心に照射であれば実機上、十分に高効率の照射ができる。
さらに、さらに吸収率が80%以上に相当する減衰率0%以上20%以下である範囲Y2(図では2466〜2472HZ)を中心に照射すれば、X0と同等の最も効率のよい省エネルギーの照射を行うことができる。
また、マイクロ波の周波数を1HZといった詳細な設定ではなく、例えば10HZといったおおまかな複数段階で変更できる装置であれば制御が複雑とならず、より故障が少なく、実用性の高いマイクロ波照射が行える。
このように、特に、冷却手段を用いて低温を維持している保冷室13においては、冷却作用と相反する加熱作用を備えるマイクロ波の照射は、発信装置18そのものの電力消費に加え、発信装置18の発熱による保冷室13の温度上昇が発生するため、保冷室13を低温に保つための電力消費が発生する。従って、上記のような最高の効率でマイクロ波を対象物11に供給することにより保存装置1全体として省エネルギーを実現することが可能となる。
また、電子レンジとは異なり、保存装置1は、保冷室13を冷凍や冷蔵雰囲気下でマイクロ波を印加することによって、対象物11を冷やしながら解凍することができるので、解凍の温度ムラを低減することができる。つまり解凍する場合、対象物11は、周囲の温度の影響を受け、特に保冷室13の庫内温度が高いと、対象物11の表面が周囲の熱量を受け取り、先に解凍され始めることとなる。そのような状態でマイクロ波を印加すると、マイクロ波は氷よりも水に吸収されやすいためマイクロ波が表面のみに吸収されやすくなり、対象物の中心部と表面部とで温度差が生じてしまい、温度ムラが発生してしまうこととなる。しかし、庫内温度が冷蔵もしくは冷凍雰囲気の温度であれば、庫内温度の影響を受けにくくなり、マイクロ波による均一解凍が可能となる。また、万が一、温度ムラが発生した場合、庫内温度が低いことで対象物を冷却できるので、温度ムラによる温度上昇を抑制することができ、結果として温度ムラを低減可能となる。
また、万が一対象物を取り出し忘れた場合、電子レンジでの解凍では対象物の温度が上昇してしまい品質低下してしまうが、冷凍・冷蔵雰囲気下では品質低下を抑制することが可能となる。
発信制御部22は、発信装置18を制御することによって、最適な周波数を選択してその周波数でマイクロ波を発生させる処理部である。最適な周波数のマイクロ波を印加することで、効率よくマイクロ波を対象物11に吸収させることができる。
さらに、形状・量の被加熱物に対してマイクロ波供給量を最大化する周波数を検出することが可能となるため、対象物11の重量を検知する重量センサや大きさを検出するイメージセンサなどを新たに設ける必要もないため、小型化及び低コスト化を実現することができる。
温度検知手段15は、保冷室13収納される対象物11の温度を直接検出する装置である。本実施の形態の場合、温度検知手段15は、非接触で対象物11の温度を検出することのできる装置である。なお、本実施の形態の場合、反射電力検出手段21と温度検知手段15の複数の装置で対象物11の温度を測定している。これは、複合的に対象物11の温度を検出することで、制度を向上させるためであり、必ずしも複数の装置が必要というわけではない。
制御手段17は、マイクロ波発生手段14の動作を制御する装置である。ここで、マイクロ波発生手段14の動作とは、マイクロ波を印加するかしないかや、出力するマイクロ波の電力、出力するマイクロ波の周波数などである。本実施の形態の場合、温度検知手段15からの情報、および、反射電力検出手段21からの情報に基づき(いずれか一方の情報でもよい)対象物11の温度が凍結点以上、10℃以下の範囲から選定される閾値に達した時点でマイクロ波発生手段14を動作させ、マイクロ波を対象物11に印加する機能を備えている。
また、制御手段17は、温度検知手段15、および、反射電力検出手段21からの情報に基づき(いずれか一方の情報でもよい)、対象物11の温度低下率(対象物11の重量)を算出し、マイクロ波発生手段14を制御して対象物11に印加するマイクロ波のパワーを制御させる機能も備えている。
さらに制御手段17は、マイクロ波発生手段14を動作させた後の温度検知手段15からの情報、および、反射電力検出手段21からの情報(いずれか一方の情報でもよい)である所定の第一情報に基づきマイクロ波発生手段14の出力を上げる機能も備えている。
具体的には、第一情報として、温度検知手段15によって対象物の温度を検知し、その検知温度による温度変化が予め設定した一定範囲内であるときの情報とした場合には、均一温度での冷却が実現できたことを検知し、所定の温度まで過冷却状態が維持できたと判断し、マイクロ波の出力を上げて対象物11に温度変化を与えることで、強制的に過冷却を解除することとする。これはあまり長い間過冷却を維持すると、細菌が繁殖するなどして品質が低下する恐れがあるからである。そのため、過冷却状態をマイクロ波の印加によって解除し、瞬時に対象物を凍結させ小さな氷結晶を均一に生成させることで細胞破壊の無い高品位な凍結を実現することが可能となる。
また、第一情報は、保冷室13に備えられた扉の開閉を検知する開閉検知装置からの情報でもかまわない。例えば、前記開閉検知装置によって閉扉を検知した後一定時間経過した旨の情報を第一情報とした場合には、所定の温度まで過冷却状態が維持できたと判断し、マイクロ波の出力を上げて対象物11に温度変化を与えるものでもよい。このことで強制的に過冷却を解除することが可能となる。この場合、温度検知手段15を新たに設ける必要が無く、扉検知装置の検知からの所定の時間を検出すればよいため、簡単な構成で過冷却解除のタイミングを決定することができる。特に、マイクロ波を印加することで対象物11を安定的に過冷却状態にすることができるため、保冷室13に載置し、冷却した時間だけで過冷却解除のタイミングを制御することが可能となる。
また、第一情報は、対象物の温度が一定温度に達してから一定時間経過した旨の情報でも良い。対象物11の温度を検出し、さらに一定時間後に過冷却を解除するので、過冷却の状態を精度良く検出することができ、冷凍品質を向上することができる。特に肉などの場合、所定の温度まで過冷却状態を維持できると過冷却の効果が顕著に現れ、その温度以下の温度まで過冷却状態を維持できてもそれほど大きな効果が見られない。そのため、所定の一定温度に達してから一定時間後に過冷却を解除することによって、高品位な冷凍を実現できるとともにマイクロ波の印加時間を低減することができるため省エネにも繋がる。
なお、第一情報は、これに限定される訳ではなく、マイクロ波発生手段14の動作開始後所定の時間経過した情報などタイマー(図示せず)から得られる情報などでもかまない。
このように、過冷却後に高いエネルギーのマイクロ波を対象物11に印加することで強制的に過冷却を解除させて対象物11を凍結さることが可能となる。
さらに冷却手段12は、温度検知手段15からの情報、および、反射電力検出手段21からの情報(いずれか一方の情報でもよい)である第二情報に基づき冷却能力を上げることで温度ムラを低減して一定の温度以下は急速冷凍を行うことで均一温度冷凍を解除してもかまわない。
具体的には、第二情報は、温度検知手段15によって対象物の温度を検知し、その検知温度の温度変化が予め設定した一定範囲内である旨の情報であっても良い。この場合には、過冷却が解除できたと判断し、冷却能力を上げることで対象物を急速に凍結させることができる。また、第二情報は、検知温度の温度変化が予め設定した一定範囲外である旨の情報であっても良い。
つまり、過冷却状態から過冷却を解除させると、瞬時に対象物内に微細な氷結晶が形成され、その時の潜熱によって対象物11の温度は、凍結点まで上昇する。よって、このときの対象物11の温度上昇を検知すれば過冷却が解除したかを検出することが可能となる。
特に過冷却解除後の対象物11は完全に凍った状態ではなく、微細な氷結晶と水分が混在した状態である。そのため過冷却解除後に残った水分を急速に凍結させることで、微細な氷結晶を成長させることなく小さいままで保つことが可能となり、対象物11の細胞破壊を抑制することが可能となる。
また、この過冷却解除を行う手段として、対象物11の収納されている貯蔵室へ流入させる冷気の風量もしくは風速を増大させると、過冷却解除と急速冷凍とを同時に行うことができ、対象物11の細胞破壊を抑制しより高品質な凍結を実現することができる。
その場合には、冷気の風量もしくは風速を増大させるように制御すると同時にマイクロ波の停止を行うことで、省エネルギーでかつ迅速な過冷却解除を行うことができる。こういった冷気の風量もしくは風速を増大させる制御を行う場合には、貯蔵室内の設定温度を10度以上下げることで急速冷却を行うことができる。
また、第一情報を入手する前あるいは対象物11を冷却しているにもかかわらず、対象物11の温度上昇があった旨の情報を第二情報としても良い。この場合には過冷却が解除されたと判断し、冷却能力を上げることで対象物を急速に凍結させることが可能となる。こうすることで万が一過冷却が所定温度に至らない状態で解除されても急速凍結することで、緩慢冷凍を防ぎ高品位な冷凍を実現することが可能となる。
さらに、温度検知手段15によって対象物11の温度を検出し、過冷却解除を検出したが、反射電力検出手段21のからの情報でも同様に対象物が過冷却解除されたかを検出することが可能である。
つまり、反射電力検出手段21はマイクロ波が対象物11に印加されずに反射される電力を検出している。マイクロ波が対象物に印加されるかは、対象物11の形状や温度によって影響される。とくにマイクロ波は水には吸収されやすいが、氷には吸収されにくいという性質を持つ。そのため、過冷却が維持されている間は水の状態なのでマイクロ波が印加されやすく反射電力も低いが、過冷却が解除されて氷結晶が生成されるとマイクロ波が対象物11に吸収されにくくなり、反射電力が増加することとなる。つまり、第二情報を反射電力の増加の旨の情報としても良い。例えば、第二情報は、減衰率が変化(反射電力の増加方向に)した情報としても良い。具体的には、2410MHzの一定の周波数でマイクロ波を印加した場合、過冷却解除前後での減衰率は約40%変化したので、この情報を第二情報とする。
この反射電力の変化を反射電力検出手段21で検出することで、過冷却解除を検出可能となる。
なお、第二情報は、これに限定される訳ではなく、マイクロ波発生手段14の出力上昇後所定の時間経過した情報などタイマー(図示せず)から得られる情報などでもかまない。
これによれば、最大氷結晶生成帯を通過後の対象物11の温度をさらに低めて、対象物11の品質を高い状態で維持することが可能となる。
以上の保存装置1によれば、容易に対象物11に過冷却状態を発現させ、過冷却解除後に急速凍結し、氷結晶を小さくすることで細胞破壊の無い高品位な凍結を実現することができる。
(実施の形態2)
図10は、他の保存装置を概略的に示す図である。
同図に示す保存装置1は、対象物11の冷凍および解凍を実現できる装置である。
本実施の形態にかかる保存装置1は、前記保存装置1とマイクロ波発生手段14の出力を制御する切り替え手段23を備えている点である。同一の機能を備えるものには同じ符号を付け、説明を省略する。
切り替え手段23は、マイクロ波発生手段14に作用し、対象物11を冷凍する場合はマイクロ波発生手段14の出力を小さくし、対象物11に吸収されるエネルギーよりも大きなエネルギーで冷却して対象物11を過冷却状態に維持あるいは過冷却状態を経て凍結させる。また、解凍の場合はマイクロ波発生手段14の出力を大きくし、対象物11に吸収されるエネルギーよりも小さなエネルギーで冷却することで対象物11を解凍する。なお、切り換え手段23は、冷却手段12に作用して、保冷室13に吐出する冷気の量を減少させることもできるものである。
つまり、使用者が切り替え手段23によって冷凍、解凍を選択し、その選択に応じて冷凍であれば、対象物11を過冷却状態にすべくマイクロ波発生手段14の出力を小さくし、解凍であれば、マイクロ波発生手段14の出力を大きくすることで解凍を実現することができる。
本実施の形態において、マイクロ波発生手段14の出力を20Wとし、保冷室13の温度は5℃として解凍を行った。その結果、解凍時間は50分要したが、解凍後の温度を23箇所測定した結果、温度ムラは約3℃しかなかった。一方、電子レンジなどを想定してマイクロ波の出力を300W程度に上げた場合では、解凍時間は10分程度であったが、解凍後の温度ムラは約30℃程度あり、温度分布が10倍程度あることが解った。
また、一般的な解凍方法として、冷蔵庫内で解凍する場合では解凍ムラは本実施の形態と同様に約3℃であったが、解凍に約20時間も要してしまうこととなる。
本実施の形態のように、低電力でゆっくり解凍することで、温度ムラを抑制した高品位な解凍を実現することが出来る。特に電子レンジのような高電力のマイクロ波の印加による解凍では、対象物の組成の中で“tanδ・εr”の大きい部分がある場合、その部分にマイクロ波が集中的に吸収され異常過熱する、いわゆる“ランナウエイ加熱”と称する現象が発生することがある。この現象は、冷凍食品を解凍する場合に多く発生する現象であり、冷凍食品の損失係数が小さい凍結部の一部が解凍すると、その部分の損失係数が大きくなりマイクロ波エネルギーを効率良く吸収するようになる。その結果、他の部分は凍結状態なのに溶融部分は煮えてしまうという不具合が発生する。
しかし、低電力のマイクロ波出力でゆっくり解凍することによって、対象物11中の誘電損失の分布を抑制することが出来るため、ランナウエイ加熱を発生させることがないため、温度分布の無い高品位な解凍を実現することが出来る。
また、低出力のマイクロ波を印加しようとした場合、一般に電子レンジで用いているマイクロ波発生手段14はマグネトロンであり、このマグネトロンは約200〜300W程度が限界である。しかし、半導体をマイクロ波発生手段14として用いることによって、マイクロ波の出力は数ワット以下にでも調整することができる。さらに、マグネトロンでは出来なかった周波数の可変も可能であるため、対象物の状態に応じた周波数で解凍することも可能となる。特に反射電力検出手段21を用いることによって、解凍中の反射電力を検出し、その出力によってマイクロ波の周波数を調整することで、より効率よくマイクロ波を対象物に印加することができるため、解凍時間を短縮することも可能になる。
また、本保存装置は冷却手段12を設けているので解凍する時の庫内の温度を調整することが可能となる。特に低温雰囲気下で解凍することによって、対象物の端部が庫内温度によって解凍され、その解凍された部分にマイクロ波が集中するのを抑制することが出来るので、より高品位な解凍を実現することが出来る。
以上の結果、本実施の形態の保存装置は、解凍後の温度ムラを低減し、さらに解凍の時間を短縮することが可能となる。
さらに図11に示すように保存装置1は、さらに保冷室13内方を加熱する加熱手段24を保冷室13内あるいは外部に備えてもよい。保冷室13を加熱することで、解凍時間を短くすることも可能である。
加熱手段24により、効率よく解凍を行うことができ、解凍品質を保持しさらに短時間で解凍することができる。
本実施の形態では、加熱手段24によって保冷室内の温度を10℃に上げることによって、解凍時間を30分に低減することが可能となった。また、解凍後の温度ムラも5℃以下に抑えることが可能となった。
本実施の形態に係る保存装置1は、マイクロ波発生手段14を用いて高品位な凍結を実現させるものであり、同じマイクロ波発生手段14を用いて、高品位な解凍も実現することができる。このため、保鮮性の高い保存装置1を提供することが出来る。また、解凍に時間を短くしたいという場合には、加熱手段24と、マイクロ波発生手段14とを一緒に動作させることによって、高品位な解凍を確保したまま、効率よい解凍を実現でき、解凍時間を低減することが可能となる。
さらに、解凍する対象物11が例えば-5℃〜−10℃の範囲であることを報知することにより、対象物11を保冷室13から取り出して包丁などで必要な分だけカットし、残りを再凍結することが可能となる。
なお、本願発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。例えば、本明細書において記載した構成要素を任意に組み合わせて実現される別の実施の形態を本願発明の実施の形態としてもよい。また、上記実施の形態に対して本願発明の主旨、すなわち、請求の範囲に記載される文言が示す意味を逸脱しない範囲で当業者が思いつく各種変形を施して得られる変形例も本願発明に含まれる。
例えば、本実施の形態では解凍に使用するマイクロ波発生手段14は、最大電力を20Wのもので行ったがこれに限るものではなく、マイクロ波発生手段14を解凍に使用する場合、最大電力は100W以下のものが好ましく、望ましくは最大電力が50W以下のマイクロ波発生手段14である。
図12は、対象物の各部における解凍時間と温度の関係を示すグラフである。
同図に示すように、対象物11の温度としては、中央部と右端部(1)、左端部(2)の三箇所を測定している。また、解凍に用いたマイクロ波発生手段14の出力は10Wとし、保冷室13の庫内温度を5℃とした。同図に示すように、包丁で小分けが可能−8℃であった。つまり、最大氷結晶生成帯を通過することなく解凍することが可能となるため、再凍結を実現することができる。
(実施の形態3)
本実施の形態は、保存装置1を用い、冷蔵状態にある対象物11に適度なマイクロ波の刺激を与えることにより対象物11の内部における栄養素の生成を促しながら冷蔵保存するものある。
切り替え手段23は食品の冷凍、解凍、冷蔵を切り替える機能を備えている。具体的には、冷凍の場合はマイクロ波発生手段14の出力を小さくし、対象物11に吸収されるエネルギーよりも大きなエネルギーで冷却して対象物11を過冷却状態に維持あるいは過冷却状態を経て凍結させる。また、解凍の場合はマイクロ波発生手段14の出力を大きくし、対象物11に吸収されるエネルギーよりも小さなエネルギーで冷却することで、解凍する。冷蔵の場合は対象物11に吸収されるエネルギーよりも大きなエネルギーで冷却し、対象物11に適度なマイクロ波の刺激を与えることにより対象物11の内部における栄養素の生成を促しながら冷蔵する、つまり、使用者が切り替え手段23によって冷凍、解凍、冷蔵を選択し、その選択に応じて冷凍であれば、対象物11を過冷却状態にすべくマイクロ波発生手段14の出力を小さくし、解凍であれば、マイクロ波発生手段14の出力を大きくすることで解凍を実現し、冷蔵であれば対象物が加熱されない程度に適度にマイクロ波発生手段14の出力を調整することで、前記対象物の内部における栄養素の生成を促しながら冷蔵することができる。
本実施の形態では、保冷室13を−5℃、−1℃、0.5℃に設定し、マイクロ波発生手段14の出力を2.9Wとして、ほうれん草に4時間印加を行った。その結果、ビタミンCはマイクロ波を印加しない場合(各々の温度4時間放置のみ)と比較して各温度で増加傾向を示した。具体的には、マイクロ波を印加することで−5℃ではビタミンCが16%増加し、−1℃の場合は12%増加した。また、0.5℃の場合には約5%の増加を確認した。
また、保冷室13を5℃に設定し、マイクロ波発生手段14の出力を2.9Wとして、苺及びアスパラガスに4時間印加を行った。その結果、苺とアスパラガスの糖度はマイクロ波を印加せず4時間5℃に放置した物と比較して、両者共に約10%増加した。
これは、マイクロ波発生手段14から印加されるマイクロ波の刺激が冷蔵物の内部において反応することで対象物中に微量の活性酸素が発生させる。一方、対象物は内部に発生した活性酸素を抑制するため、生体防御反応によって活性酸素を無害化させようと、抗酸化物質であるビタミンCや糖度といった栄養素を生成させると考えられる。この生体の防御反応を利用して対象物の栄養素を増加させることが可能となる。
本発明にかかる保存方法、保存装置は、家庭用の冷蔵庫に適用できるほかに、業務用の冷蔵庫などにも適用できる。さらに、調理器にも適用することができる。
11 対象物
12 冷却手段
13 保冷室
14 マイクロ波発生手段
15 温度検知手段
16 アンテナ
17 制御手段
18 発信装置
19 増幅器
20 分配器
21 反射電力検出手段
22 制御部
23 切り替え手段
24 加熱手段

Claims (14)

  1. 対象物を冷却して保存する保存装置であって、
    前記対象物を収容する保冷室と、
    前記保冷室に収容される対象物を冷却する冷却手段と、
    対象物に印加するマイクロ波を発生させる半導体素子を有し、発生するマイクロ波の最大電力が100W以下であるマイクロ波発生手段と、
    前記マイクロ波発生手段の動作を制御する制御手段とを備え
    前記制御手段は、前記マイクロ波発生手段にマイクロ波を発生させた後、所定の第一情報に基づき前記マイクロ波発生手段が発生させるマイクロ波のエネルギーを増加させて過冷却を解除する
    保存装置。
  2. さらに、
    対象物の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記対象物の温度が低下するように前記冷却手段を制御している場合において、前記温度検出手段が所定の閾値以下の温度を検出すると前記マイクロ波発生手段にマイクロ波を発生させる
    請求項1に記載の保存装置。
  3. 前記閾値は、対象物の凍結点以上、10℃以下から選定される値である
    請求項2に記載の保存装置。
  4. 前記冷却手段は、前記マイクロ波発生手段にマイクロ波を発生させた後、所定の第二情報に基づき冷却能力を向上させる
    請求項1から3のいずれか一項に記載の保存装置。
  5. 前記温度検出手段は、反射電力検出手段を備え、前記マイクロ波発生手段から発生させたマイクロ波が対象物に印加されずに戻ってくるマイクロ波のエネルギーを検出することにより対象物の温度を検出する
    請求項2に記載の保存装置。
  6. 前記マイクロ波発生手段から発生させるマイクロ波の周波数を300MHz以上300GHz以下の範囲から選定される周波数である
    請求項1に記載の保存装置。
  7. 前記マイクロ波発生手段は、前記対象物を解凍しうるエネルギーのマイクロ波を出力する能力を備える
    請求項1に記載の保存装置。
  8. 前記冷却手段は、前記対象物を凍結状態とする能力を備え、
    マイクロ波発生手段は未凍結状態の前記対象物にマイクロ波を印加する
    請求項1に記載の保存装置。
  9. 前記冷却手段は、前記対象物を冷蔵状態とする能力を備え、
    マイクロ波発生手段は冷蔵状態の前記対象物にマイクロ波を印加する
    請求項1に記載の保存装置。
  10. 対象物を冷却して保存する保存方法であって、
    冷却に要するエネルギーよりも対象物に吸収されるエネルギーが小さいマイクロ波を印加する印加ステップと、
    前記印加ステップの後、対象物に印加するマイクロ波のエネルギーを増加させて過冷却状態を解除する解除ステップと
    を含む保存方法。
  11. 前記印加ステップを、対象物の温度が凍結点以上、10℃以下の範囲から選定される閾値以下になった時点で開始させる
    請求項10に記載の保存方法。
  12. さらに、
    前記解除ステップの後、対象物を冷却する能力を向上させる向上ステップ
    を含む請求項10に記載の保存方法。
  13. 前記対象物を冷蔵状態とし、
    前記冷蔵状態の前記対象物に対し前記印加ステップを実施する
    請求項10に記載の保存方法。
  14. 対象物を冷蔵すると共に、前記対象物にマイクロ波を印加することにより、前記対象物の栄養素の生成を促進する保存方法。
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