JP7370123B2 - 生の植物の特有の機能性成分を増加させるマイクロ波照射方法およびそのための装置 - Google Patents

生の植物の特有の機能性成分を増加させるマイクロ波照射方法およびそのための装置 Download PDF

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Description

本発明は、生の植物のマイクロ波照射方法およびマイクロ波照射により特有の機能性成分が増加した生の植物に関する。より詳細には、本発明は、生の植物、例えば生葉の内部温度を10~50℃、好ましくは30~50℃、より好ましくは40℃に制御しながら、1~100W、好ましくは最大約50Wの弱いマイクロ波を照射して生葉中の酵素を活性化し、生の植物の特有の機能性成分を増加させるマイクロ波照射方法に関する。また、生の植物の内部温度を10~50℃、好ましくは30~50℃、より好ましくは40℃に制御しながら、1~100W、好ましくは最大約50Wの弱いマイクロ波照射により、特定の機能性成分が増加した生の植物に関する。
さらに、本発明は、生の植物の特有の機能性成分を増加させるマイクロ波照射方法を実行するための制御を行うことを特徴とするマイクロ波照射装置に関する。
ポリフェノールはほとんどの植物に含有され、この植物ポリフェノールは抗酸化作用を有するために、近年医薬品や健康食品に用いられる抗酸化物質として注目されている。そして、植物ポリフェノールはヒトに対してこの抗酸化作用する場合に、様々な健康効果をもたらすことが知られている。
例えば、代表的な植物ポリフェノールの一つであるフラボノイド類のうちカテキンは、茶、リンゴ、ブルーベリーに多く含まれ、殺菌作用、血中コレルテロール低下効果、高血圧予防効果があることが知られている。また、フェノ-ル酸のうちクロロゲン酸は、コーヒーに多く含まれ、消化器、代謝性疾患の改善に効果があることが知られており、このように現在までさまざまな植物ポリフェノールが発見、抽出され、開発されてきた。
一方、マイクロ波は、極性基を持つ分子や双極子モーメントの大きな化合物を直接加熱する。例えば、農作物の乾燥・蒸留では、マイクロ波が農産物の内部の水を直接加熱し、細胞壁を内部から破砕することで、乾燥効率や有用成分の抽出の点で優れている。内部から加熱するため、伝導による熱影響が小さい。例えば、生葉の乾燥に用いた場合、内部のビタミンC等の栄養成分の熱分解が少なく、栄養価にとんだ乾燥葉を得ることが可能である。また、植物内部が加熱されるために、成分の抽出が容易で、例えば、藍葉中に含まれる有用成分、トリプタントリンをマイクロ波照射下で溶媒抽出すると迅速に抽出できる(特許文献1)ことが知られている。
また、マイクロ波照射装置として、釜の内部構造を対象物の性状、量にあわせて変更可能とし、撹拌機能を有することで多用途に用いることができるマイクロ波照射装置(特許文献2)が知られており、さらに、互いに向かい合わない複数方向からマイクロ波を照射し、回転反射盤を使用することで、マイクロ波の干渉を抑制し、高い均熱性を確保したマイクロ波照射装置(特許文献3)では、被照射物の温度を測定することが可能な複数のセンサの検出値に基づき、3個の照射部から照射されるマイクロ波の出力を制御することが可能となる。
特開2009-149596号公報 特開2014-196896号公報 国際公開第2015/199005号 特開2016-79127号公報 特開平5-262659号公報
健康食品、医薬品に使用される植物ポリフェノールは、各種植物から抽出した粗抽出物として、あるいは、その粗抽出物を濃縮、乾燥、粉砕という加工を施して、さらには、粗抽出物を精製処理して不純物を除いた純度の高い精製物という形態で用いられる。特に医薬品においては純度の高い精製物が求められるため、植物からできるだけ多くのポリフェノールについて、純度を高めて抽出するために、その抽出工程、精製工程を工夫して、収率を高くするための研究が重ねられてきたが、精製純度を高めると収率が落ちるなどの問題があった。
そこで本発明は、生の植物の、例えば葉や根茎から抽出、精製する前の植物ポリフェノールなどの特有の機能性成分の含有量自体を増加させることにより、葉や根茎からの特定の機能性成分の収量を高めることを目的として、そのような葉や根茎を効率よく製造する方法および特有の機能性成分が増加した葉や根茎を提供することを目的とする。
例えば、代表的な植物ポリフェノールの一つであるフラボノイド類のうちケルセチンは、ケッパー、リンゴ、茶に多く含まれ、抗炎症作用、抗腫瘍効果、高血圧予防効果があることが知られており、また、オリーブの葉に含まれるポリフェノールのオレウロペイン(特許文献4)、オレウロペインアグリコン、リグストロシドアグリコンには、抗腫瘍効果、心疾患予防効果があることや、根茎であるウコンに含まれるポリフェノールのクルクミンは、二日酔い予防効果の他にも炎症性腸管疾患の治療に効果があること(特許文献5)が知られている。
これらの葉や根茎に存在する機能性成分を効率よく増加させることのできるマイクロ波照射による方法と、その方法により得られる特定の機能性成分の増加した葉や根茎を提供することを目的とする。
上記の課題を達成するために、本発明者は検討を重ね、生葉や根茎の内部温度を10~50℃、好ましくは30~50℃、より好ましくは40℃に制御しながら、1~100W、好ましくは最大約50Wの弱いマイクロ波照射を行うことにより、生葉や根茎の酵素を活性化させて酵素反応を促進し、生葉や根茎中の特定の機能性成分を増加させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)ないし(10)の生の植物のマイクロ波照射方法に関する。
(1)生の植物のマイクロ波照射方法であって、生の植物の内部温度を10~50℃に制御しながら、大気圧下または微減圧下で1~100Wのマイクロ波照射を行い、生の植物の特有の機能性成分の含量を増加させることを特徴とする方法。
(2)前記微減圧下が大気圧より5kPa以上減圧した圧力で行う、上記(1)に記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
(3)前記生の植物が葉または根茎である、上記(1)または(2)に記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
(4)生の植物の内部温度を10~50℃に制御しながら、周囲温度10~50℃で1分~数時間、1~100Wのマイクロ波照射を行う、上記(1)または(2)に記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
(5)生の植物の内部温度を10~50℃に制御しながら、周囲温度-20~10℃の低温で数日間、1~100Wのマイクロ波照射を行う、上記(1)または(2)に記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
(6)さらに、周囲温度-20~10℃で保持した後マイクロ波でブランチングする工程を付加する、上記(1)または(2)に記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
(7)前記生の植物が、マイクロ波透過性の容器または袋に密封されている、上記(5)に記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
(8)周囲温度-20~10℃で保持した後、あるいは保持しながらマイクロ波で乾燥する工程を付加する、上記(5)に記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
(9)生の植物がブドウの葉であり、
生の植物の特有の機能性成分がレスベラトロールであり、
ブドウの葉の内部温度を10~50℃に制御しながら、周囲温度-20~10℃の低温で数日間、1~100Wのマイクロ波照射を行う、上記(5)に記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
(10)生の植物がホウレンソウであり、
生の植物の特有の機能性成分がルテインであり、
ホウレンソウの軸の内部温度を10~50℃に制御しながら、周囲温度-20~10℃の低温で数日間、1~100Wのマイクロ波照射を行う、上記(5)記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
また、本発明は、下記(11)ないし(18)のマイクロ波照射により生の植物の特有の機能性成分の含量が当該照射前の生の植物のそれよりも増加した生の植物に関する。
(11)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のマイクロ波照射方法により生の植物の特有の機能性成分の含量が当該照射前の生の植物の含量よりも増加した生の植物であって、生の植物が枇杷の葉または柿の葉であり、特有の機能性成分がケルセチンまたはケンフェロールである生の植物。
(12)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のマイクロ波照射方法により生の植物の特有の機能性成分の含量が当該照射前の生の植物の含量よりも増加した生の植物であって、生の植物がオリーブの葉であり、特有の機能性成分がオレウロペイン、オレウロペインアグリコン、またはリグストロシドアグリコンである生の植物。
(13)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のマイクロ波照射方法により生の植物の特有の機能性成分の含量が当該照射前の生の植物の含量よりも増加した生の植物であって、生の植物がウコンであり、特有の機能性成分がクルクミンである生の植物。
(14)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のマイクロ波照射方法により生の植物の特有の機能性成分の含量が当該照射前の生の植物の含量よりも増加した生の植物であって、生の植物が長命草であり、特有の機能性成分が二種類の成分からなり、カフェ酸とアピゲニンである生の植物。
(15)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のマイクロ波照射方法により生の植物の特有の機能性成分の含量が当該照射前の生の植物の含量よりも増加した生の植物であって、生の植物が長命草であり、特有の機能性成分がカフェ酸であり、機能性成分アピインを当該照射前の含量そのままで含有する生の植物。
(16)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のマイクロ波照射方法により生の植物の特有の機能性成分の含量が当該照射前の生の植物の含量よりも増加した生の植物であって、生の植物がブドウの葉であり、特有の機能性成分がケルセチンである生の植物。
(17)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のマイクロ波照射方法により生の植物の特有の機能性成分の含量が当該照射前の生の植物の含量よりも増加した生の植物であって、生の植物がブドウの葉であり、特有の機能性成分がレスベラトロールである生の植物。
(18)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載のマイクロ波照射方法により生の植物の特有の機能性成分の含量が当該照射前の生の植物の含量よりも増加した生の植物であって、生の植物がホウレンソウであり、特有の機能性成分がルテインである生の植物。
さらに、本発明は、下記(19)の食品素材の製造方法に関する。
(19)上記(12)に記載の生の植物であるオリーブの葉から機能性成分を水または含水エタノールで抽出し、この抽出物にコンチザイム(酵素)およびデキストリンを添加し、マイクロ波加熱下または通常加熱下に糖転移反応させオレウロペインをグルコシルオレウロペインに転移させることを特徴とする、グルコシルオレウロペインを10質量%以上含有する食品素材の製造方法。
さらに、本発明は、下記(20)の生の植物の特有の機能性成分を増加させるマイクロ波照射方法を実行するための制御を行うことを特徴とするマイクロ波照射装置に関する。
20)被照射物を収納する照射室、照射室にマイクロ波を照射する照射口、照射室に送風をする送風ファンおよび被照射物の温度を測定する温度センサを有するマイクロ波照射部と、
冷却器により冷却される冷却室を有する冷却部と、
照射口に接続されたマイクロ波発振部と、
温度センサからの信号に基づきマイクロ波発振器を制御する制御プログラムを格納した制御部と、
照射室を減圧する減圧部と、を備え、
前記照射室が前記冷却室内に配置されるマイクロ波照射装置であって、前記制御プログラムが、上記(1)に記載の生の植物の特有の機能性成分を増加させるマイクロ波照射方法を実行するための制御を行うことを特徴とするマイクロ波照射装置。
本発明により、(1)生葉や根茎等の植物の内部温度を10~50℃、好ましくは30~50℃、より好ましくは40℃に制御しながら、周囲温度10~50℃、好ましくは30~50℃で1分~数時間、1~100W、好ましくは最大約50Wのマイクロ波照射を行う、生葉のマイクロ波照射方法、(2)生葉や根茎等の植物の内部温度を10~50℃、好ましくは30~50℃に制御しながら、周囲温度-20~10℃、好ましくは-4~4℃の低温で数日間、1~100W、好ましくは最大約50Wのマイクロ波照射を行う、生葉のマイクロ波照射方法、(3)生葉や根茎等の植物の内部温度を10~50℃、好ましくは30~50℃に制御しながら、1~100W、好ましくは最大約50Wのマイクロ波照射を行うことにより、生葉や根茎の特有の機能性成分を増加させるマイクロ波照射方法、(4)マイクロ波照射により特定の機能性成分が増加した生葉や根茎等の植物、および(5)生の植物の特有の機能性成分を増加させるマイクロ波照射方法を実行するための制御を行うことを特徴とするマイクロ波照射装置を提供することができる。
生の植物、例えば葉や根茎の内部温度を10~50℃、好ましくは30~50℃、より好ましくは40℃に制御しながら、1~100W、好ましくは最大約50Wの弱いマイクロ波を照射するという工程により、葉や根茎中の酵素を活性化して、有用な特定の機能性成分の含有量が増加した生葉や根茎を提供することができる。医薬品成分として機能性成分を用いる場合には純度の高い精製物が求められ、そのため、抽出工程、精製工程を工夫して収率を高めているが、本発明は、生の植物の葉や根茎から抽出、精製する前の植物中の特定の機能性成分の含有量を増加させ、植物から得られる機能性成分の絶対量を増加させることができるという、実用的な優れた効果をもたらすものである。
第1実施形態に係るマイクロ波照射装置の構成図である。 第2実施形態に係るマイクロ波照射装置の構成図である。 オリーブ抽出液のLC-MS測定によるグルコシルオレウロペインの分析の結果を示す図面である。
本発明の生の植物、例えば葉や根茎のマイクロ波照射方法は、生葉の内部温度を10~50℃、好ましくは30~50℃、より好ましくは40℃に制御しながら、1~100W、好ましくは最大約50Wのマイクロ波を照射することを特徴とする。
照射時間は生葉の種類によるが、照射時の生葉の周囲温度が30~50℃では1分~数時間であり、1時間前後が好ましい。
また、照射時の生葉の周囲温度を-20~10℃、好ましくは-4~4℃の低温にする場合には数日間必要であり、3日程度が好ましい。
生葉の内部温度を30~50℃に制御するために、最大約50Wの弱いマイクロ波を照射する必要がある。生葉にそのようなマイクロ波照射をすると、生葉中の酵素を活性化して酵素反応を促進することができ、その結果、生葉の特定の機能性成分を増加させることができる。
生の植物、例えば葉や根茎のマイクロ波照射は、生葉や根茎の内部温度を10~50℃、好ましくは30~50℃、より好ましくは40℃に制御しながら、1~100W、好ましくは最大約50Wのマイクロ波を照射して、生葉中の酵素を活性化させて酵素反応を促進することにより行われる。生葉や根茎中の酵素は30~40℃で活発化し、50℃を超えると活性が落ちるので、40℃以下の温度がよく、好ましくは35℃~40℃に温度制御する。マイクロ波照射の間、生葉や根茎の重量はほとんど変化しない。生葉や根茎の内部温度は、光ファイバー温度計で測定でき、また、特許文献3に記載の被照射物の温度を測定することが可能な複数のセンサを有するマイクロ波照射装置を用いて測定できる。
マイクロ波照射は、大気圧下か大気圧より5kPa以上減圧した圧力、好ましくは大気圧より10kPa程度減圧した微減圧下で行う。微減圧下では酸素の安定な供給および気流の確保により均一な加熱が可能となるというメリットがある。
マイクロ波照射時の周囲温度は、内部温度と同じ10~50℃か、-20~10℃、好ましくは-4~4℃の低温のどちらかに制御する。同じ種類の生葉でも、周囲温度を低温にするか否かにより、機能性成分の増加量、あるいは増加する機能性成分が異なる場合があり、その生葉の増加させたい特定の機能性成分がどちらの周囲温度の場合に増加するかを、予め実験により決定しておく。
また、葉物野菜である生の植物において、植物の乾燥が進み、機能性成分が増加しても、生野菜としての魅力が減少する場合があるが、マイクロ波透過性の容器または袋に生の植物を密封しておくことで、生野菜の乾燥を防ぎつつ、機能性成分を増やすことができる。さらに、長時間(5日程度)低温でマイクロ波を照射することにより、生野菜がしんなりとして柔らかくなることから、野菜の新しい加工方法であるといえる。
マイクロ波照射後、必要があれば生葉を乾燥する。乾燥方法は、自然乾燥、50℃以下の定温乾燥、あるいは40℃でのマイクロ波減圧乾燥等、50℃以下で乾燥できるいかなる方法を用いることができる。
また、乾燥葉をさらに重量減少がなくなるまで完全に乾燥して、水分をなくして酵素の活動を停止させて粉末化してもよい。乾燥方法は、上記の生葉の乾燥と同じ乾燥方法が適用できる。周囲温度-20~10℃で保持した後、あるいは保持しながらマイクロ波で乾燥する工程を付加することができる。
例えば、周囲温度-20~10℃で保持した後、あるいは保持しながらマイクロ波で乾燥する工程を付加することで、機能性成分を高めたまま乾燥野菜にすることができる。凍結乾燥に近い乾燥温度で、凍結乾燥よりも素早く乾燥する方法である。表面温度を氷点以下に維持した場合、完全に凍結すればマイクロ波は透過するが、マイクロ波で内部を温めることにより、内部は溶融したまま乾燥が進行するため、凍結乾燥に換わる乾燥方法であるといえる。
生葉を周囲温度が10~50℃でマイクロ波照射するためのマイクロ波照射装置としては、特許文献2や3に記載のマイクロ波照射装置を用いることができ、被照射物が収納される加熱釜と、加熱釜に接続される導波管と、加熱釜を減圧する減圧ラインと、被照射物の温度を測定する温度センサと、マイクロ波発信器と、温度センサからの信号に基づきマイクロ波発振器を制御する制御プログラムを格納した記憶装置とを備え、制御プログラムが、生葉のマイクロ波熟成方法を実行するための制御を行うマイクロ波照射装置を用いる。
また、生葉を周囲温度が-20~10℃、好ましくは-4~4℃の低温でマイクロ波熟成させるためのマイクロ波照射装置としては、被照射物を収納する照射室、照射室にマイクロ波を照射する照射口、照射室に送風をする送風ファンおよび被照射物の温度を測定する温度センサを有するマイクロ波照射部と、冷却器により冷却される冷却室を有する冷却部と、照射口に接続されたマイクロ波発振部と、温度センサからの信号に基づきマイクロ波発振器を制御する制御プログラムを格納した制御部と、照射室を減圧する減圧部と、を備え、制御プログラムが、生の植物のマイクロ波照射方法を実行するための制御を行うことを特徴とするマイクロ波照射装置を用いる。
具体的には、図1および図2に示した実施形態の装置を用いることができる。
図1は、第1実施形態に係るマイクロ波照射装置の構成図である。本実施形態に係るマイクロ波照射装置1は、図1に示すように、冷却部10、マイクロ波発振部20、マイクロ波照射部30、制御部40、および減圧部50を備える。図1に示すように、マイクロ波照射装置1は、冷却部10の内部にマイクロ波照射部30、制御部40が内蔵されている。
冷却部10は、冷却部10の内部空間を冷気により冷却する装置である。冷却部10は、図1に示すように、冷却器11、第1ファン12、冷却室13、および不図示の冷却室扉14を有している。本実施形態では、冷却器11が外部との熱交換を行うことで冷気を発生させ、発生した冷気を第1ファン12により冷却部10の内部の冷却室13内に送風する。これにより、冷却室13内を低温とすることがきできる。
マイクロ波発振部20は、生の植物に照射するためのマイクロ波を発生する。マイクロ波発振部20として、マグネトロンを使用した発振器を用いることもできるが、本実施形態では、マグネトロンと比べて周波数範囲が著しく狭く出力も安定している、半導体素子を用いたソリッドステータス方式の発振器を用いる。マイクロ波発振部20は、周波数を2.4~2.5GHzの間で連続的に変化させて、マイクロ波を発生させる。マイクロ波発振部20で発振されたマイクロ波は、ケーブル21を介して、マイクロ波熟成部30の照射口31から照射される。
マイクロ波照射部30は、図1に示すように、照射口31、第2ファン32、照射室33、および不図示の照射室扉34を備える。ユーザは、照射室扉34を開けることで、照射を行う生の植物を照射室33に出し入れすることができる。
照射室33は、内面(内壁)の全ての面にマイクロ波を反射するための反射板が設置されたキャビティである。照射室33の上部内面には、マイクロ波発振部20により発振されたマイクロ波を、照射室33内に照射する照射口31が設置されている。本実施形態においては、照射口31に、小型で利得が高いパッチアンテナ(平面アンテナ)が取り付けられ、これによりマイクロ波発振部20により発振されたマイクロ波が照射室33内に照射される。
照射室33には、テフロン(登録商標)やポリプロピレンなどのマイクロ波透過性材により構成された棚を設置してもよい。
また、照射室33の上部には、減圧部50からの減圧ライン51が連通する減圧口52が設けられている。
制御部40には、熟成させる生の植物の表面温度および内部温度がそれぞれ所定の温度となるように温度制御を行うプログラムが組み込まれている。具体的には、制御部40は、マイクロ波発振部20、冷却器11、第1ファン12、第2ファン32の動作を制御することで、マイクロ波発振部20によるマイクロ波の出力、冷却器11による冷気の温度、第1ファン12および第2ファン32の風量を制御して温度制御を行う。
また、制御部40は、生の植物の内部温度や表面温度を測定する温度センサ(例えば、マイクロ波環境下においても接触式で温度計測が可能な蛍光式光ファイバー温度計(安立計器株式会社製)や、非接触により赤外線や可視光線の強度を測定する放射型温度センサ)と接続し、温度センサの計測結果に基づいて、適宜温度制御を行う構成とすることもできる。
続いて、第2実施形態に係るマイクロ波照射装置1aについて説明する。図2は、第2実施形態に係るマイクロ波照射装置1aの一例を示す構成図である。第2実施形態に係るマイクロ波照射装置1aでは、図2に示すように、照射室33の照射室扉34がチョーク構造を有し、外部から開閉可能となっていること以外は、第1実施形態に係るマイクロ波照射装置1と同様である。第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、説明を割愛する。
図2に示すように、第2実施形態に係るマイクロ波照射装置1aでは、照射室33の照射室扉34が直接外部から開閉できるようになっている。また、第2実施形態では、マイクロ波が外部に漏洩することを防止するために、照射室33の照射室扉34は、チョーク構造を有している。なお、チョーク構造は公知の構造とすることができる。
このように、第2実施形態に係るマイクロ波照射装置1aでは、外部から直接、照射室33内に植物の出し入れを行うことができる。また、第2実施形態では、照射室扉34にチョーク構造を備えることで、外部へのマイクロ波の漏洩を有効に防止することができる。
本発明の生の植物、例えば葉や根茎としては、いかなる植物の葉や根茎も用いることができ、特に有用な成分を含有する葉や根茎が好適に用いられる。たとえば、茶、リンゴ、ブドウ、ビワ、柿、オリーブ、ウコン、藍などの葉や長命草などその他の薬草などが挙げられる。
たとえば、生の植物が枇杷の葉または柿の葉である場合、マイクロ波照射により生の植物である枇杷の葉または柿の葉特有の機能性成分ケルセチンまたはケンフェロールの含量が当該照射前の生の枇杷の葉または柿の葉のそれよりも増加した生の枇杷の葉または柿の葉が得られる。
生の植物がオリーブの葉である場合、マイクロ波照射により生の植物であるオリーブの葉特有の機能性成分オレウロペイン、オレウロペインアグリコン、またはリグストロシドアグリコンの含量が当該照射前の生のオリーブの葉のそれよりも増加した生のオリーブの葉が得られる。
生の植物がウコンである場合、マイクロ波照射により生の植物であるウコン特有の機能性成分クルクミンの含量が当該照射前の生のウコンのそれよりも増加した生のウコンが得られる。
生の植物が長命草である場合、マイクロ波照射により生の植物である長命草特有の機能性成分カフェ酸とアピゲニンの二種類の成分の含量が当該照射前の生の長命草のそれよりも増加した生の長命草が得られる。また、生の植物が長命草である場合、マイクロ波照射により生の植物である長命草特有の機能性成分カフェ酸の含量が当該照射前の生の長命草のそれよりも増加し、機能性成分アピインを当該照射前の含量そのままで含有する生の長命草が得られる。
生の植物がブドウの葉である場合、マイクロ波照射により生の植物であるブドウの葉特有の機能性成分ケルセチンの含量が当該照射前の生のブドウの葉のそれよりも増加した生のブドウの葉が得られる。また、生の植物がブドウの葉である場合、マイクロ波照射により生の植物であるブドウの葉特有の機能性成分レスベラトロールの含量が当該照射前の生のブドウの葉のそれよりも増加した生のブドウの葉が得られる。
生の植物がホウレンソウである場合、マイクロ波照射により生の植物であるホウレンソウ特有の機能性成分ルテインの含量が当該照射前の生のホウレンソウのそれよりも増加した生のホウレンソウが得られる。
また、マイクロ波照射の前に、生葉または根茎を破砕して細胞を壊すことにより、酵素と基質の接触効率が高まり、酵素反応が活発化するので好ましい。生葉または根茎を破砕した場合には、生葉または根茎重量の約10%程度の水を加えて、酵素と基質の接触をさらに効率的に行わせながら、マイクロ波照射するとよい。
植物ポリフェノールなどの抽出について、生の植物の、植物ポリフェノールなどの特有の機能性成分が増加した葉や根茎から特定の機能性成分を収量よく抽出することができる。
例えば、マイクロ波照射により生の植物であるオリーブの葉特有の機能性成分オレウロペイン、オレウロペインアグリコン、またはリグストロシドアグリコンの含量が当該照射前の生のオリーブの葉のそれよりも増加した生のオリーブの葉から当該機能性成分を水または含水エタノールで抽出し、この抽出物にコンチザイム(酵素)およびデキストリンを添加し、マイクロ波加熱下または通常加熱下に糖転移反応させオレウロペインをグルコシルオレウロペインに転移させることを特徴とする、グルコシルオレウロペインを10質量%以上含有する食品素材を製造することができる。さらに、グルコシルオレウロペインに転移させた後、グルコシルオレウロペインを単離生成することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[藍葉のマイクロ波照射]
藍はタデ藍ともいわれ、タデ科イヌタデ属の一年生植物であり、水耕または露地栽培される。藍葉にはグルコースの付いたインジカンが含まれており、葉に水が供給されなくなると、インジカン分解酵素が働き、インドキシルとして溶解し、このインドキシルが酸化されインジゴになる。藍葉中に存在する酵素のうち、インジカンを分解してインドキシルを生成するインジカン分解酵素の活性が染色のために重要である。インドキシルは、空気にさらすなど穏やかに酸化すると、インドキシルの2分子が酸化的に結合してインジゴ(青色)に変換される。
水耕栽培していたタデ藍の品種「千本」を刈り取りって、藍葉の軸を取ってから脱水のためによく水切りした。その生藍葉を、(1)室内でそのまま数日間乾燥した(自然乾燥葉)、(2)定温乾燥機に入れ、40℃で1~2日乾燥した(定温乾燥葉)、(3)特許文献3に記載の撹拌機能付の大量処理のできるマイクロ波照射装置に入れ、内部温度40℃で30分間9kPaの減圧下でマイクロ波を照射した。その後、マイクロ波減圧乾燥により葉の重量を約60%減少させた後、定温乾燥機に入れ40℃で乾燥した(マイクロ波処理乾燥葉)。これら(1)~(3)の乾燥葉中のインジカン分解酵素の酵素活性を、以下の測定方法を用いて測定した。
(酵素活性測定)
乾燥葉抽出液のβ-グルコシダーゼ活性(インジカン分解酵素活性)は、以下の手順で測定する。測定値は、3回の平均値を求めて結果の値とした(n=3)。
(ア)乾燥葉粉末0.5gにイオン精製水40mlを加え、室温で3時間以上撹拌し、藍葉抽出液を得る。
(イ)p-ニトロフェニル β-D-グルコピラノシド(β-NPG)75.31mgにイオン精製水を加えて10mlにして25mM β-NPG溶液を調製する。
(ウ)25mM β-NPG基質水溶液8μlを200μlのバッファー溶液に溶かして基質反応溶液を調製する。
(エ)測定試料は、ウエルに20μl注入し、基質反応溶液200μlを加える。陽性対照試料は、イオン精製水20μlに、タートラジンからなる標準溶液10ml(250U/L相当)200μlを加える。陰性対照試料は、イオン精製水220μlをウエルに注入する。
(オ)加える試料と試薬類を37℃でインキュベーションしておき、各試料をウエルに仕込んだ後(37℃)、マイクロプレートリーダーを用いて、0分後と20分後の吸光度(405nm)を測定する。
(カ)20分後のODから0分後のODを差し引いた値を、陽性対照試料のODから陰性対照試料のODを差し引いた値で割り、250(U/L)を掛けた値が、酵素活性値(U/L)となる。酵素活性値(U/kg)は、酵素活性値(U/L)に80を乗じて計算する。
上記(1)~(3)の3種類の乾燥葉を、それぞれピンミルで粉砕し、粉末化した乾燥葉粉末0.5gにイオン精製水40mlを加え、室温で3時間以上撹拌し、藍葉抽出液を得、抽出液中の酵素活性を測定した。また、3種類の乾燥粉末の一定量にそれぞれDMSOを加えて、マイクロ波法で溶解し、各乾燥葉に含まれるトリプタントリンの濃度をHPLCで分析した。乾燥藍葉粉末中の酵素活性(U/kg)とトリプタントリンの濃度(ppm)の測定結果を表1に示す。
マイクロ波処理乾燥葉のインジカン分解酵素活性は、自然乾燥葉の14倍高くなっており、トリプタントリン濃度も、自然乾燥葉および定温乾燥葉の10倍以上高くなっていた。
[柿葉、枇杷の葉、オリーブの葉、ウコンのマイクロ波処理]
柿葉および枇杷の葉には、植物ポリフェノールのイソケルセチン、ケルセチン、ケンフェロールが含まれており、抗酸化作用の他に抗炎症作用、抗腫瘍効果、高血圧予防効果があることが知られており、オリーブの葉に含まれるポリフェノールのオレウロペイン、オレウロペインアグリコン、リグストロシドアグリコンには、抗酸化作用の他に抗腫瘍効果、心疾患予防効果があることが知られている。また、クルクミンはウコンの根茎に含まれており、二日酔い予防効果、炎症性腸管疾患の治療効果が知られている。
サル柿の葉、甘柿の葉、枇杷若葉、枇杷の葉、オリーブの葉、ウコンの根茎を10~50g採取して、ミルで破砕した生葉または根茎をマイクロ波照射装置に入れ、内部温度40℃で1時間-10kPaの減圧下でマイクロ波を照射して熟成させた。その後、マイクロ波減圧乾燥により葉の重量を約60%減少させた後、定温乾燥機に入れ40℃で10時間乾燥した(マイクロ波処理)。
対照として、生葉を恒温槽中で40℃、11時間保持して乾燥させた葉を用いた。
それぞれの乾燥葉および根茎をピンミルで粉砕し、0.50gに80%エタノール水溶液40mlを加え、テフロン容器に仕込んだ。スターラー撹拌子を入れ,80℃,15分間マイクロ波(最大マイクロ波出力:800W)加熱して抽出した。得られた抽出液をシリンジフィルターでろ過し、各乾燥葉および根茎にそれぞれ含まれるイソケルセチン、ケルセチン、ケンフェロール、オレウロペイン、またはクルクミンの濃度をHPLCで分析した。
(HPLCで分析条件)
〈柿,枇杷の葉〉
カラム:Wakosil-II 5C18HG, 4.6×250mm;カラム温度 40℃
モニタ波長:370nm
試料注入量:10μL;溶離液流量1.0mL/分
溶離液A:0.1%ギ酸水溶液,溶離液B:アセトニトリル
グラジエント条件:0-20分(A液:90%-20%
〈オリーブ葉〉
カラム:Phenomenex Kinetex,5μmC18 100Å (4.6mm×25cm);カラム温度 40℃
モニタ波長:280nm
試料注入量:10μL;溶離液流量1.0mL/分
溶離液A:0.1%ギ酸水溶液,溶離液B:メタノール/アセトニトリル=1/1
グラジエント条件:0-80分(A液:96%-0%)
〈ウコン〉
カラム:Wakosil-II 5C18HG, 4.6×250mm;カラム温度 40℃
モニタ波長:425nm(クルクミン)
試料注入量:10μL;溶離液流量1.0mL/分
溶離液A:0.1%ギ酸水溶液,溶離液B:アセトニトリル
グラジエント条件:0-20分(A液:70%-20%)
それらの濃度(ppm)の測定結果を表2、表3に示す。
マイクロ波照射により、柿葉と枇杷の葉中のイソケルセチンは減少したが、ケルセチンとケンフェロール含量は、2~3倍増加した。
マイクロ波照射により、オリーブの葉中のオレウロペインは3倍以上、ウコンの根茎中のクルクミンは1.7倍増加した。
[長命草のマイクロ波処理]
長命草は青汁の材料として用いられている薬草であり、植物ポリフェノールのクロロゲン酸、カフェ酸、アピイン、アピゲニンを含み、抗酸化作用の他に抗炎症作用、殺菌効果があることが知られている。酵素の作用により、クロロゲン酸はカフェ酸に、アピインはアピゲニンに変化する。
長命草の葉を、10~50g採取し、ミルで破砕した後、(1)強いマイクロ波(約750W)を1~5分照射し、酵素を失活させた後、40℃の恒温槽で10時間乾燥した(マイクロ波ブランチング)、(2)恒温槽中で40℃、11時間保持して乾燥させた(恒温槽処理)、(3)周囲温度-4~4℃の低温で、内部温度が40℃となるように最大約50Wのマイクロ波を3日間照射した後、40℃の恒温槽で10時間乾燥した(低温マイクロ波処理)(4)周囲温度40℃で、内部温度が40℃となるように最大約50Wのマイクロ波を、-10kPaの微減圧条件下で1時間照射した後、40℃の恒温槽で10時間乾燥した(マイクロ波処理)。
(1)~(4)のそれぞれの乾燥葉をピンミルで粉砕し、0.50gに80%エタノール水溶液40mlを加え、テフロン容器に仕込んだ。スターラー撹拌子を入れ,80℃,15分間マイクロ波(最大マイクロ波出力:800W)加熱して抽出した。得られた抽出液をシリンジフィルターでろ過し、各乾燥葉それぞれに含まれるクロロゲン酸、カフェ酸、アピイン、またはアピゲニンのHPLC分析を行った。
(HPLCで分析条件)
〈長命草〉
カラム:Wakosil-II 5C18HG, 4.6×250mm;カラム温度 40℃
モニタ波長:280nm(アピゲニン);320nm(カフェ酸,クロロゲン酸);338nm(アピイン)
試料注入量:10μL;溶離液流量1.0mL/分
溶離液A:0.1%ギ酸水溶液,溶離液B:アセトニトリル
グラジエント条件:0-20分(A液:90%-30%)
それらの濃度(ppm)の測定結果を表4に示す。
表4に示すように、ブランチングして酵素を失活させると酵素反応が起こらず、クロロゲン酸からカフェ酸に、アピインからアピゲニンへ変化しないことがわかる。周囲温度が低温のマイクロ波処理をすると、カフェ酸は増加するが、アピゲニンにはならず、アピインが保持されて、アピインからアピゲニンへ変化させる酵素が作用しないことがわかる。また、低温にしないマイクロ波処理をすると、カフェ酸もアピゲニンも増加する。
[ブドウの葉のマイクロ波処理]
ブドウの葉は、植物ポリフェノールのケルセチンやレスベラトロールを含み、レスベラトロールは抗酸化作用の他に心血管関連疾患の予防効果が知られている。
ブドウの葉10~50gを採取し、ミルで破砕した後、(1)4℃で3日間、保持した後、強いマイクロ波(約750W)を1~5分照射してから、40℃の恒温槽で10時間乾燥した(4℃後、マイクロ波ブランチング)、(2)恒温槽中で40℃、11時間保持して乾燥させた(恒温槽処理)、(3)周囲温度-4~4℃の低温で、内部温度が40℃となるように最大約50Wのマイクロ波を3日間照射した後、40℃の恒温槽で10時間乾燥した(低温マイクロ波処理)(4)周囲温度40℃で、内部温度が40℃となるように最大約50Wのマイクロ波を、-10kPaの微減圧条件下で1時間照射した後、40℃の恒温槽で10時間乾燥した(マイクロ波処理)。
(1)~(4)のそれぞれの乾燥葉をピンミルで粉砕し、粉末化した乾燥葉粉末のブドウ葉0.50gに80%エタノール水溶液40mlを加え、テフロン容器に仕込んだ。スターラー撹拌子を入れ,80℃,15分間マイクロ波(最大マイクロ波出力:800W)加熱して抽出した。得られた抽出液をシリンジフィルターでろ過し、各乾燥葉に含まれるケルセチン、レスベラトロールのHPLC分析を行った。
(HPLCで分析条件)
〈レスベラトロール〉
カラム:Wakosil-II 5C18HG, 4.6×250mm;カラム温度 40℃
モニタ波長:310nm(レスベラトロール)
試料注入量:10μL;溶離液流量1.0mL/分
溶離液A:0.1%ギ酸水溶液,溶離液B:アセトニトリル
グラジエント条件:0-20分(A液:90%-30%)
それらの濃度(ppm)の測定結果を表5に示す。
4℃で保持した後にブランチングすることにより、レスベラトロールが増加した。周囲温度が低温のマイクロ波処理をすると、レスベラトロールが増加したがケルセチンは増加しなかった。また、低温にしないマイクロ波処理をすると、ケルセチンが4倍に増加した。
オリーブの葉に含まれるオレウロペイン等のポリフェノールは、苦味が強い。一般に分子量が小さく、保護されていないフェノール性水酸基は苦味の原因となることが知られている。苦味の低減には、グルコシル化などの糖転移反応によるポリフェノールの分子量の増加が有効である。さらに、糖転移ヘスペリジンのように、機能性の向上が期待される。
実験例1から3で、オリーブの葉からオレウロペイン等のポリフェノール類を水または含水エタノールで抽出し、この抽出物にコンチザイム(酵素)およびデキストリンを添加し、マイクロ波加熱下または通常加熱下にて糖転移反応させオレウロペインをグルコシルオレウロペインに転移させ、得られたグルコシルオレウロペインを分析した。
[実験例1]
乾燥オリーブ葉3gに水100mlを添加し、80℃、30分間マイクロ波で加熱することによりオレウロペイン等のポリフェノール類を抽出した。濾過により残渣を取り除いた後、濾液にデキストリン4 g,コンチザイム(天野エンザイム(株)製)100 μlを添加し、60℃、3日間保持することにより、グルコシルオレウロペインを得た。糖転移反応後、95℃、30分間反応液を加熱することにより酵素を失活した。
[実験例2]
乾燥オリーブ葉3gに80%エタノール水溶液100mlを添加し、80℃、30分間マイクロ波で加熱することによりオレウロペイン等のポリフェノール類を抽出した。濾過により残渣を除去し、減圧下40~60℃でエタノールを取り除いた後、デキストリン4 g,コンチザイム(天野エンザイム(株)製)100 μlを添加し、60℃、3日間保持することにより、グルコシルオレウロペインを得た。糖転移反応後、95℃、30分間反応液を加熱することにより酵素を失活した。
[実験例3]
糖転移反応後の反応溶液は、減圧下60℃で5mlまで濃縮し、活性化させたスチレンジビニルベンゼン重合樹脂(三菱ケミカル株式会社製、ダイヤイオンHP20)25mlを充填した樹脂カラムに添加した後、75mlの水に続いて20%エタノール水溶液で樹脂カラム内を25ml/hrで洗浄した。洗浄後、樹脂カラムに75mlの25%エタノール水溶液を溶出速度25ml/hrで通過させ、溶出液を減圧下、60℃で濃縮することにより、グルコシルオレウロペインを高濃度で含む溶液を得た。
(グルコシルオレウロペインの分析)
オリーブ葉抽出液のLC-MS測定(液体クロマトグラフィー質量分析法による測定)は、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製の液体クロマトグラフィー質量分析計(Accela-Exactive)により、エレクトロスプレーイオン化法によるネガティブイオンモードで測定を行った。HPLCカラムには、島津製作所(株)製ODSカラム(Shim-pack XR-ODS 3.0mm I.D.x100mm,粒子径2.2μm)を温度40℃で使用した。
溶離液は、0.1%ギ酸水溶液(A液)とアセトニトリル・メタノール混合溶液(B液:アセトニトリル/メタノール=50/50(v/v))を用い、グラジエント条件:0-17分(A液:96%-0%);17-19分(A液:0%)、流量0.9ml/分で用いた。
クロマトグラムは、280nmと340nmで記録した。図3に示すように、LC-MS分析の結果、脱プロトン化した分子イオン[M-H]-のm/zが539であるオレウロペインが検出され、糖転移によりグルコース分子が縮合したm/z:701(グルコース1分子),863(2分子),1025(3分子),1187(4分子),1349(5分子)が検出された。
[ホウレンソウのマイクロ波処理]
ホウレンソウは、カロテノイドのルテインを含み、ルテインは生体内では酸化防止剤として作用し、目の健康を保つ効果があることが知られている。
ホウレンソウ50~70gを採取し、根元から3cmのところを包丁でカットした後、(1)弱いマイクロ波(100W)10秒間照射した後、3日間冷蔵庫保管し、凍結乾燥を行った(マイクロ波+冷蔵)。同様に、(2)ホウレンソウをポリエチレンの袋に入れた状態で、周囲温度0℃、内部温度が10℃となるように最大約50Wのマイクロ波を3日間照射した後、凍結乾燥(冷蔵マイクロ波)を行った。なお、密封した状態でマイクロ波を3日以上照射することにより、ホウレンソウの茎および葉が柔らかくなり、低温で調理したような状態になることを確認した。比較として、ホウレンソウを(3)3日間冷蔵庫保管した後、凍結乾燥(冷蔵)、(4)そのまま凍結乾燥(凍結乾燥)した。
(ホウレンソウの抽出処理とHPLC測定(暗所にて行う))
(ア)抽出方法
1)低温条件下、所定量の試料(生葉:1.0g、乾燥葉:0.5g)を15ml遠心管に採取する。
2)氷冷したアセトンを10ml加えて3,000rpmで5分間振盪した後、5分間、超音波抽出(氷冷)する。
3)3,000rpmで5分間遠心分離を行う。
4)遠心分離後得られた上清を50ml容メスフラスコに採取する。
5)残渣にアセトンを加え、2)、3)の操作を3回繰り返し、上清を採取する。
6)最終的にアセトンで50mlに定容し混合した後、0.45μmフィルターで濾過する。
(イ)LC分析条件
試料注入量:10μL;測定時間:40分
モニタ波長:455nm;平滑化クロマトグラム:450~460nm
カラム:Wakоsil-II 5c18HG, 4.6×250nm
溶離液流量1.0mL/分;カラム温度40℃;測定波長190~700nm
溶離液:アセトニトリル100%
それらの濃度(ppm)の測定結果を表6に示す。
そのまま凍結乾燥したホウレンソウと比較して、3日間冷蔵保存したホウレンソウは、ルテイン濃度が約25%減少したのに対して、マイクロ波を照射したホウレンソウは、逆に約25%ルテイン濃度が増加した。
本発明は、生の植物、例えば葉や根茎をマイクロ波照射することにより、高機能性生葉や根茎およびその乾燥葉等を製造でき、生葉や根茎中の有用成分を増加させることができ、葉や根茎に付加価値を与えるものである。
医薬品成分として機能性成分を用いる場合には純度の高い精製物が求められ、そのため、抽出工程、精製工程を工夫して収率を高めているが、本発明は、植物葉や根茎から抽出、精製する前の植物中の特定の機能性成分の含有量を増加させ、植物から得られる機能性成分の絶対量を増加させることができるという、優れた効果をもたらすものである。
1,1a,1b…マイクロ波照射装置
10…冷却部
11…冷却器
12…第1ファン
13…冷却室
20…マイクロ波発振部
21…ケーブル
30,30a…マイクロ波照射部
31…照射口
32…第2ファン
33…照射室
34…照射室扉
35…第1微小開口
36…第2微小開口
37…網皿
38…チョーク構造
39…照明部
40…制御部
50…減圧部
51…減圧ライン
52…減圧口

Claims (20)

  1. 生の植物(発芽した新芽又は苗を除く)のマイクロ波照射方法であって、生の植物の内部温度を10~50℃に制御しながら、大気圧下または微減圧下で1~100Wのマイクロ波照射を行い、生の植物の特有の機能性成分の含量を増加させることを特徴とする方法。
  2. 前記微減圧下が大気圧より5kPa以上減圧した圧力で行う、請求項1に記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
  3. 前記生の植物が葉または根茎である、請求項1または2に記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
  4. 生の植物の内部温度を10~50℃に制御しながら、周囲温度10~50℃で1分~数時間、1~100Wのマイクロ波照射を行う、請求項1または2に記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
  5. 生の植物の内部温度を10~50℃に制御しながら、周囲温度-20~10℃の低温で数日間、1~100Wのマイクロ波照射を行う、請求項1または2に記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
  6. さらに、周囲温度-20~10℃で保持した後マイクロ波でブランチングする工程を付加する、請求項1または2に記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
  7. 前記生の植物が、マイクロ波透過性の容器または袋に密封されている、請求項5に記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
  8. 周囲温度-20~10℃で保持した後、あるいは保持しながらマイクロ波で乾燥する工程を付加する、請求項5に記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
  9. 生の植物がブドウの葉であり、
    生の植物の特有の機能性成分がレスベラトロールであり、
    ブドウの葉の内部温度を10~50℃に制御しながら、周囲温度-20~10℃の低温で数日間、1~100Wのマイクロ波照射を行う、請求項5に記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
  10. 生の植物がホウレンソウであり、
    生の植物の特有の機能性成分がルテインであり、
    ホウレンソウの軸の内部温度を10~50℃に制御しながら、周囲温度-20~10℃の低温で数日間、1~100Wのマイクロ波照射を行う、請求項5に記載の生の植物のマイクロ波照射方法。
  11. 請求項1ないし8のいずれかに記載のマイクロ波照射方法により、生の植物の特有の機能性成分の含量が当該照射前の生の植物の含量よりも増加した生の植物であって、生の植物が枇杷の葉または柿の葉であり、特有の機能性成分がケルセチンまたはケンフェロールである生の植物。
  12. 請求項1ないし8のいずれかに記載のマイクロ波照射方法により、生の植物の特有の機能性成分の含量が当該照射前の生の植物の含量よりも増加した生の植物であって、生の植物がオリーブの葉であり、特有の機能性成分がオレウロペイン、オレウロペインアグリコン、またはリグストロシドアグリコンである生の植物。
  13. 請求項1ないし8のいずれかに記載のマイクロ波照射方法により、生の植物の特有の機能性成分の含量が当該照射前の生の植物の含量よりも増加した生の植物であって、生の植物がウコンであり、特有の機能性成分がクルクミンである生の植物。
  14. 請求項1ないし8のいずれかに記載のマイクロ波照射方法により、生の植物の特有の機能性成分の含量が当該照射前の生の植物の含量よりも増加した生の植物であって、生の植物が長命草であり、特有の機能性成分が二種類の成分からなり、カフェ酸とアピゲニンである生の植物。
  15. 請求項1ないし8のいずれかに記載のマイクロ波照射方法により、生の植物の特有の機能性成分の含量が当該照射前の生の植物の含量よりも増加した生の植物であって、生の植物が長命草であり、特有の機能性成分がカフェ酸であり、機能性成分アピインを当該照射前の含量そのままで含有する生の植物。
  16. 請求項1ないし8のいずれかに記載のマイクロ波照射方法により、生の植物の特有の機能性成分の含量が当該照射前の生の植物の含量よりも増加した生の植物であって、生の植物がブドウの葉であり、特有の機能性成分がケルセチンである生の植物。
  17. 請求項1ないし8のいずれかに記載のマイクロ波照射方法により、生の植物の特有の機能性成分の含量が当該照射前の生の植物の含量よりも増加した生の植物であって、生の植物がブドウの葉であり、特有の機能性成分がレスベラトロールである生の植物。
  18. 請求項1ないし8のいずれかに記載のマイクロ波照射方法により、生の植物の特有の機能性成分の含量が当該照射前の生の植物の含量よりも増加した生の植物であって、生の植物がホウレンソウであり、特有の機能性成分がルテインである生の植物。
  19. 請求項12に記載の生の植物であるオリーブの葉から機能性成分を水または含水エタノールで抽出し、この抽出物にコンチザイム(酵素)およびデキストリンを添加し、マイクロ波加熱下または通常加熱下に糖転移反応させオレウロペインをグルコシルオレウロペインに転移させることを特徴とする、グルコシルオレウロペインを10質量%以上含有する食品素材の製造方法。
  20. 被照射物を収納する照射室、照射室にマイクロ波を照射する照射口、照射室に送風をする送風ファンおよび被照射物の温度を測定する温度センサを有するマイクロ波照射部と、
    冷却器により冷却される冷却室を有する冷却部と、
    照射口に接続されたマイクロ波発振部と、
    温度センサからの信号に基づきマイクロ波発振器を制御する制御プログラムを格納した制御部と、
    照射室を減圧する減圧部と、を備え、
    前記照射室が前記冷却室内に配置されるマイクロ波照射装置であって、前記制御プログラムが、請求項1に記載の生の植物の特有の機能性成分を増加させるマイクロ波照射方法を実行するための制御を行うことを特徴とするマイクロ波照射装置。
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