JP2006292347A - 電磁波冷凍装置、電磁波冷凍容器及び電磁波冷凍方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 一般家庭や個人病院、歯科医院内などでも、食品や臓器又は抜去歯などの被冷凍物を、鮮度・品質の低下を防ぎつつ安価かつ簡易に冷凍することが可能な電磁波冷凍装置、電磁波冷凍容器及び電磁波冷凍方法を提供することにある。
【解決手段】 電磁波を照射する電磁波照射手段(例えば電子レンジ1内にあるマグネトロン)と、被冷凍物を冷凍する冷凍手段(例えばペルチェ素子20)と、を有し、その冷凍手段は、その電磁波照射手段によって電磁波が照射されているときに、食品や臓器又は抜去歯などの被冷凍物を冷凍することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 電磁波を照射する電磁波照射手段(例えば電子レンジ1内にあるマグネトロン)と、被冷凍物を冷凍する冷凍手段(例えばペルチェ素子20)と、を有し、その冷凍手段は、その電磁波照射手段によって電磁波が照射されているときに、食品や臓器又は抜去歯などの被冷凍物を冷凍することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば食品や臓器(移植臓器を含む)などの被冷凍物を冷凍する電磁波冷凍装置、電磁波冷凍容器及び電磁波冷凍方法に関するものであって、特に、電磁波を用いて被冷凍物を冷凍するものに関する。
従来から、食品や臓器又は抜去歯などの被冷凍物を冷凍する装置として、冷凍庫が広く知られている。冷凍庫は、被冷凍物の腐敗等を防止することによって、長期間保存することを目的とする装置である。しかし、食品や臓器などの被冷凍物には多量の水分が含まれており、冷凍時、この水分が凍結して氷の結晶となる。そして、氷の結晶が成長していくと、被冷凍物の細胞が破壊されてしまうことから、食品にあってはドリップが発生し、臓器又は抜去歯にあっては完全な復元が困難となり、被冷凍物の鮮度・品質の低下を招くという問題があった。
この問題解決を図る技術として、氷の結晶が成長するのを抑えるために、急速冷凍する技術がある。急速冷凍技術は、氷結晶生成温度域(−1℃〜−5℃程度)を通過する時間帯に氷の結晶が成長することに着目し、この時間をなるべく短くすべく、例えば被冷凍物を液体冷媒に浸漬して急速冷凍を行う、といったものである。より具体的には、被冷凍物における氷結前線が表面から内部へ進む進度(凍結界面前進速度)が、約5〜20cm/時となるように急速冷凍を行う。なお、急速冷凍する手法としては、気体接触式凍結法,固体接触式凍結法,液化ガス噴霧式凍結法,液体浸漬式凍結法など様々な手法が挙げられる。
しかし、かかる急速冷凍技術は、あくまでも、被冷凍物の表層部から内部へと冷凍する技術である。従って、表層部が最初に冷却され、表層部と内部とで温度勾配が生じ、表層部に凍結層が形成された後は、表層部内にある氷の核に内部の水分が吸い上げられるとともに、被冷凍物の内部で氷の結晶が成長してしまい、被冷凍物の鮮度・品質の低下を回避することは事実上困難であった。そこで、近年になって、磁場環境を利用して、被冷凍物の鮮度・品質の低下をほぼ完全に回避しうる冷凍方法が開発されてきている(特許文献1又は特許文献2参照)。
特許文献1記載の発明では、静磁場内で、物体に含まれる水分子を構成する水素原子核に核磁気共鳴を生じさせて、水分の氷結温度を降下させた状態で冷凍機を運転する。そして、−20℃以下(又は−40℃以下)の極低温まで水分を凍結させずに物体全体を冷却した後、瞬時に凍結させる。このため、特許文献1記載の発明によれば、上述した氷結晶生成温度域を通過する時間を極めて短くすることができるので、被冷凍物の鮮度・品質の低下をほぼ完全に回避することができる。
また、特許文献2記載の発明では、生野菜を、静磁場発生手段及び交流を通電して変動磁場を発生する電磁コイル構造体を複数個設置した冷凍庫の内部閉空間に収容して静磁場及び変動磁場の作用下で所定の温度まで急速冷却した後、その温度で瞬時に冷凍する。このため、特許文献2記載の発明によれば、特許文献1記載の発明と同様、上述した氷結晶生成温度域を通過する時間を極めて短くすることができ、ひいては元の生野菜の鮮度・美味しさを維持することができる。
しかしながら、特許文献1記載の発明も特許文献2記載の発明も、高価な装置を必要とするものであり、冷凍コストは莫大である。すなわち、特許文献1記載の発明にあっては、水素原子核に核磁気共鳴を生じさせる冷凍機が必要となり、特許文献2記載の発明にあっては、静磁場環境及び変動磁場環境を作り上げる電磁コイル等が必要となり、コスト的に一般家庭で簡易に冷凍を行うことができるものではない。
また、これらの機器・装置は大掛かりなものであるので、配置スペースが限られた一般家庭では、特許文献1又は特許文献2記載の発明を実施しようとしても非常に困難である。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、一般家庭などでも、食品や臓器又は抜去歯などの被冷凍物を、鮮度・品質の低下を防ぎつつ安価かつ簡易に冷凍することが可能な電磁波冷凍装置、電磁波冷凍容器及び電磁波冷凍方法を提供することにある。
以上のような課題を解決するため、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 電磁波を照射する電磁波照射手段と、被冷凍物を冷凍する冷凍手段と、を有し、前記冷凍手段は、前記電磁波照射手段によって電磁波が照射されているときに、被冷凍物を冷凍することを特徴とする電磁波冷凍装置。
本発明によれば、電磁波を照射する電磁波照射手段と、食品や臓器又は抜去歯などの被冷凍物を冷凍する冷凍手段と、を有しており、その冷凍手段によって、上述した電磁波照射手段によって電磁波が照射されているときに、被冷凍物を冷凍することとしたから、例えばマグネトロンなどの電磁波照射手段を有する電子レンジに、被冷凍物を冷凍する冷凍手段を配設することで、一般家庭や個人病院、歯科医院内などでも、食品や臓器又は抜去歯などの被冷凍物を鮮度・品質の低下を防ぎつつ安価かつ簡易に冷凍することができる。
ここで、「電磁波」の周波数については、電磁波照射手段の設計仕様を変更することで種々かえることができる。また、「電磁波」の照射量についても、電磁波照射手段(マグネトロン)の設計仕様を変更することで種々変えることができる。より具体的には、電磁波の照射量をある程度小さくし、被冷凍物が誘電加熱したとしても、その誘電加熱が被冷凍物を冷凍する上で大きな悪影響を与えないようにした上で、被冷凍物を適切に冷凍することができるようにする。さらに、「電磁波照射手段」は、電磁波冷凍装置に内蔵されているだけでなく、外付けされてあってもよい。「冷凍手段」についても同様である。そして、「冷凍手段」の電源は、電磁波冷凍装置に内蔵されていてもよいし、電磁波冷凍装置に外付けされていてもよい。電磁波冷凍装置に内蔵されるようにした場合、その電源の周囲には、アルミ箔を埋め込んだ瀬戸物(電磁波を透過し難い物)を配設したり、電磁波吸収抑制塗料を塗布したり、高周波電磁波吸収シートを配設したり、電磁波シールド布を被せたりするのが好ましい。
また、例えば金属製の冷却板など、「冷凍手段」の周囲も、マイクロ波から防護すべく、アルミ箔を埋め込んだ瀬戸物等で覆うことが好ましい。さらに、電磁波冷凍装置の中に、温度センサーを設けることが好ましい。例えば、被冷凍物が移植する臓器や冷凍標本などの場合には、温度センサーによって0℃〜5℃ぐらいで冷却し、固体化させないで生の状態で冷却するのが好ましい。なお、本明細書における「冷凍する」は、冷却して固体化させることのみを意味するのではなく、単に冷却するだけの意味をも含むものとする。
また、「電磁波冷凍装置」は、電磁波を照射する電磁波照射手段のみならず、誘電加熱機能,放射加熱機能又は輻射加熱機能など、様々な付加機能を備えるものであってもよい。
さらに、「電磁波が照射されているときに、被冷凍物を冷凍する」とは、被冷凍物に電磁波を照射しながら、被冷凍物を冷凍する、という意味である。なお、本発明は「電磁波を照射していないときに被冷凍物を冷凍する」ことを排除する趣旨ではない。すなわち、被冷凍物を冷凍している最中、所定時間だけ電磁波を照射するようにすることもできる。
(2) 前記電磁波照射手段によって照射される電磁波はマイクロ波であることを特徴とする(1)記載の電磁波冷凍装置。
本発明によれば、上述した電磁波照射手段によって照射される電磁波はマイクロ波であることとしたから、広く普及しているマグネトロンを用いて、被冷凍物を鮮度・品質の低下を防ぎつつ安価かつ簡易に冷凍することができる。
すなわち、本発明に係る電磁波冷凍装置は、"被加熱物をマイクロ波で誘電加熱できる"という意識下で広く普及した電子レンジの用途に対する発想の転換を伴うものであり、"電子レンジ内で被冷凍物を冷凍できる"という機能を有するに止まることなく、"電子レンジ内でマイクロ波を照射しながら被冷凍物を冷凍できる"という機能も有する点が特徴的である。
(3) 前記冷凍手段は、ペルチェ素子であることを特徴とする(1)又は(2)記載の電磁波冷凍装置。
本発明によれば、上述した冷凍手段は、ペルチェ素子であることとしたから、被冷凍物を、鮮度・品質の低下を防ぎつつ安価かつ簡易に冷凍することができる。なお、「ペルチェ素子」は、ペルチェ効果を利用した半導体素子であって、可動部がなく、騒音を発生しない。従って、電磁波照射手段による電磁波の照射時と、冷凍手段による被冷凍物の冷凍時と、の双方における騒音発生を防ぎつつ冷凍作業を行うことができる。
(4) 前記電磁波冷凍装置は、さらに、電磁波を受信して電流に変換する電磁波変換手段を備え、前記冷凍手段は、前記電磁波変換手段によって変換された電流に基づき駆動されることを特徴とする(1)から(3)のいずれか記載の電磁波冷凍装置。
本発明によれば、上述した電磁波冷凍装置は、さらに、電磁波を受信して電流に変換する電磁波変換手段を備えており、上述した冷凍手段を、電磁波変換手段によって変換された電流に基づき駆動することとしたから、冷凍手段を駆動するのに外部電源が不要になる。すなわち、電磁波冷凍装置内の電磁波資源を有効に利用して、冷凍手段を駆動するために必要な電力を取り出すようにすることで、マイクロ波資源の有効利用に資することができ、ひいては省エネに寄与することができる。
なお、例えば、「電磁波変換手段」として、車のフロントガラスやリアガラスに取り付けられるフィルムアンテナを用いることで、熱や光による変形・変色を防ぐことができる。また、例えば複数のレクテナ素子から構成されるレクテナアレイを採用することで、より効率的に電力を取り出すことができる。但し、電磁波を受信し過ぎることに起因して、レクテナアレイから過電流が発生してしまうような場合には、例えばレクテナ素子の周囲に、アルミ箔を埋め込んだ瀬戸物(電磁波を透過し難い物)を配設する等して、好適な電流値が得られるように適宜対策を講ずる必要がある。さらに、「電磁波変換手段」を高周波加熱装置の前扉裏面に配設することで、前扉裏面周辺部のマイクロ波が吸収されることになり、前扉に設置された電磁波防護フィルムの穴の形状・大きさ等の如何に拘わらず、冷凍室内に照射された電磁波が前扉裏面から漏れるのを防ぐことができ、ひいては人体に悪影響を与えるのを防ぐことができる。
(5) 前記電磁波変換手段は、電磁波を受信するアンテナと整流作用を有するダイオードとが直列に接続された回路を含むことを特徴とする(4)記載の電磁波冷凍装置。
本発明によれば、上述した電磁波変換手段には、電磁波を受信するアンテナと整流作用を有するダイオードとが直列に接続された回路が含まれることとしたから、アンテナで受信した電磁波を高周波電流に変換したとき、その高周波電流を、冷凍手段を駆動するのに必要な直流電流に整流することができる。その結果、その直流電流を用いて、電磁波を照射させつつ被冷凍物を冷凍することが可能になる。
(6) 前記電磁波変換手段は、蛍光管と、当該蛍光管が発する光を電流に変換する受光素子と、を有することを特徴とする(4)記載の電磁波冷凍装置。
本発明によれば、上述した電磁波変換手段は、蛍光管と、その蛍光管が発する光を電流に変換する受光素子と、を有することとしたから、一般家庭に広く普及している電子レンジと蛍光管さえあれば、電磁波を照射させつつ被冷凍物を冷凍することが可能となり、ひいては、食品や臓器又は抜去歯などの被冷凍物を鮮度・品質の低下を防ぎつつ安価かつ簡易に冷凍することができる。
(7) 電磁波を受信して電流に変換する電磁波変換手段と、被冷凍物を冷凍する冷凍手段と、を有する電磁波冷凍容器であって、前記電磁波冷凍容器が電磁波照射機能を有する電磁波照射装置の照射室内に載置されたとき、前記冷凍手段は、前記電磁波変換手段によって変換された電流に基づき駆動されることを特徴とする電磁波冷凍容器。
本発明によれば、例えばマイクロ波などの電磁波を受信して電流に変換する電磁波変換手段と、食品や移植臓器又は抜去歯などの被冷凍物を冷凍する冷凍手段と、を有する電磁波冷凍容器であって、その電磁波冷凍容器が電磁波照射機能を有する電磁波照射装置(例えば電子レンジ)の照射室(加熱室)内に載置されたとき、冷凍手段は、電磁波変換手段によって変換された電流に基づき駆動されることとしたから、一般家庭に広く普及した既存の電子レンジを用いて、食品や臓器又は抜去歯などの被冷凍物を鮮度・品質の低下を防ぎつつ安価かつ簡易に冷凍することができる。
すなわち、上述した電磁波冷凍装置は、既存の電子レンジに改良を加えたものであるが、本発明に係る電磁波冷凍容器は、既存の電子レンジをそのまま使うことができるものなので、上述した電磁波冷凍装置と比べて利便性・汎用性を向上させるとともに、鮮度・品質の低下を防いだ上で、被冷凍物を冷凍することができる。
ここで、「電磁波変換手段」としては、上述のとおり、電磁波を受信するアンテナ(フィルムアンテナやレクテナアンテナなど)と整流作用を有するダイオードとが直列に接続された回路を含むものであってもよいし、蛍光管とその蛍光管が発する光を電流に変換する受光素子を有するものであってもよい。また、「冷凍手段」としては、ペルチェ素子や液体窒素を用いることができる。
(8) 前記電磁波冷凍容器の外壁には、容器内への透過電磁波の量を調節する金属板が埋め込まれていることを特徴とする(7)記載の電磁波冷凍容器。
本発明によれば、上述した電磁波冷凍容器の外壁(例えば石膏)には、容器内への透過電磁波の量を調節する金属板が埋め込まれていることとしたから、電磁波冷凍容器の中に載置された被冷凍物に照射される電磁波の照射量を適切にコントロールすることができる結果、被冷凍物が誘電加熱したとしても、その誘電加熱が被冷凍物を冷凍する上で大きな悪影響を与えないようにした上で、被冷凍物を適切に冷凍することができるようにする。
なお、「電磁波冷凍容器」の種類・材質・大きさについては、如何なるものであってもよい。例えば、アルミ箔や金属板が埋蔵された石膏(又は瀬戸物)で形成された箱状の容器を用いることができる。これにより、電磁波が電磁波冷凍容器の内部に透過する量を抑えることができ、結果として、被冷凍物の誘電加熱を小さくし、被冷凍物の冷凍効率を向上させることができる。また、金属板に所定形状・所定数の穴を形成することとしてもよい。これにより、被冷凍物に照射される電磁波の照射量を精度良くコントロールすることができる。
(9) 電磁波を照射する電磁波照射手段と、被冷凍物を冷凍する冷凍手段と、を有する電磁波冷凍装置を用いた電磁波冷凍方法であって、前記電磁波照射手段によって被冷凍物に電磁波を照射する電磁波照射工程と、前記電磁波照射工程によって電磁波が照射されている被冷凍物を冷凍する冷凍工程と、を含むことを特徴とする電磁波冷凍方法。
本発明によれば、電磁波を照射する電磁波照射手段(例えば上述したマグネトロン)と、被冷凍物を冷凍する冷凍手段(例えば上述したペルチェ素子)と、を有する電磁波冷凍装置(例えば改良した電子レンジ)を用いた電磁波冷凍方法であって、上述した電磁波照射工程によって被冷凍物に電磁波を照射する電磁波照射工程と、その電磁波照射工程によって電磁波が照射されている被冷凍物を冷凍する冷凍工程と、を含むこととしたから、一般家庭や個人病院、歯科医院内などでも、食品や臓器又は抜去歯などの被冷凍物に電磁波を照射しつつ、それを冷凍する、といった冷凍方法を実現することができる。
以上説明したように、本発明によれば、例えば広く普及した電子レンジに、ペルチェ素子等の冷凍手段を設けた電磁波冷凍装置、電磁波冷凍容器及び電磁波冷凍方法を提供することとしたから、一般家庭や個人病院、歯科医院内などでも、食品や臓器又は抜去歯などの被冷凍物を鮮度・品質の低下を防ぎつつ安価かつ簡易に冷凍することができる。
また、被冷凍物が移植臓器の場合にあっては、移植臓器が傷むのを簡易に防ぐことができ、ひいては移植成功率の向上に寄与することもできる。
[電磁波冷凍装置]
図1は、本発明の実施の形態に係る電磁波冷凍装置の外観を示す外観図である。
図1は、本発明の実施の形態に係る電磁波冷凍装置の外観を示す外観図である。
図1(a)において、本発明の実施の形態に係る電磁波冷凍装置は、マイクロ波を照射するマイクロ波照射機能を有する電子レンジ1と、水分を含む被冷凍物を冷凍する冷凍手段2と、から構成される。
一般的に、電子レンジ1は、摩擦現象によって被加熱物を昇温させる目的で、マグネトロン(図示せず)において発生した周波数2.45GHzのマイクロ波を、導波管(図示せず)の開口部1bから加熱室1a内に照射する。
ここで、本明細書においては、一般的には"加熱室1a"と呼ばれる電子レンジ内の被加熱物載置空間を、"冷凍室1a"と呼ぶものとする。
冷凍手段2は、少なくともマイクロ波を被冷凍物に照射しているとき、被冷凍物を冷凍する機能を有するものである。また、冷凍手段2は、マイクロ波を被冷凍物に照射しているときは勿論、マイクロ波を被冷凍物に照射していないときであっても、被冷凍物を冷凍することができる。
なお、図1(a)では、冷凍手段2を、電子レンジ1の冷凍室1aにおける奥の壁面に配設することとしたが、本発明はこれに限られず、例えば、冷凍室1aの底壁面、側壁面、扉の背面又は天井壁面などに配設することとしてもよい。
また、電子レンジ1の冷凍室1aのいずれかの壁面に通風孔などを設け、その通風孔から冷気を送り込むような冷凍態様であっても構わない。このとき、冷凍手段2を電子レンジ1の外部に外付けすることとしてもよい。さらに、冷凍能力を高めるために、電子レンジ1の冷凍室1a内に冷却ファン等を設けることとしてもよい。
冷凍手段2としては、様々なものが挙げられる。例えば、ヒートポンプ式冷凍手段,吸収作用式冷凍手段,吸着作用式冷凍手段,電子冷凍手段などである。より具体的には、ヒートポンプ式冷凍手段とは、冷媒となるフロン等のガスをヒートポンプにより圧縮した後、気化させ、そのときに冷凍室1a内から熱を奪うものである。すなわち、冷媒の状態変化(気化熱)を利用して冷凍を行うものである。吸収作用式冷凍手段とは、冷媒と、その冷媒を吸収する力の大きな吸収剤とを気密状態の一つの空間内において別々の容器にいれたとき、吸収剤の吸収作用により冷媒が強制的に気化されるとき、冷凍室1a内から熱を奪うものである。なお、溶け込んだ溶媒により希薄になった吸収剤は、吸収力が低下するが、希薄となった吸収剤は、溶け込んだ冷媒を加熱することにより気化され、濃縮され、吸収剤として再使用される。吸着作用式冷凍手段とは、上述した吸収作用式冷凍手段と原理はほぼ同じであり、冷媒に水などを使用し、吸収剤の代わりに吸着剤としてシリカゲルなどの固体を使用するものである。そして、電子冷凍機とは、ペルチェ効果を利用して冷凍室1aから熱を奪うものである。本発明は、これらの冷凍手段のうちのいずれかに限定されない。以下、ペルチェ効果を利用した冷凍手段2について、図1(b)の断面図を用いて詳述する。
図1(b)は、図1(a)において冷凍手段2を含むように、電子レンジ1を縦に切断したときの切断面図である。なお、図1(b)では、冷凍手段2の一例として、ペルチェ素子20を用いている。
ペルチェ素子20は、ペルチェ効果を利用した半導体素子であって、ペルチェ効果とは、オーミック状態で接合された異種の金属の接触面に電流を流すと、一方の面からは吸熱作用、他方の面からは放熱作用を生じる効果をいう。吸熱及び放熱の方向は、電流の方向によって入れ替わる。
ペルチェ素子20は、吸熱面20aを冷凍室1a内に向けて、放熱面20bを外部に露出させて、冷凍室1aの奥の壁面に配設されている。そして、ペルチェ素子20に直流電力が供給されると、吸熱面20aと放熱面20bとの間に温度勾配がつくようになっている(すなわち、放熱面20b側の温度が高くなり、吸熱面20a側の温度が低くなるようになっている)。そのため、冷凍室1a内の熱は、吸熱面20aに吸収され放熱面20bへと放出される。なお、この場合において、吸熱面20aと放熱面20bとの間の温度勾配は印加する電圧に応じて適宜変更できるようになっており、冷凍室1a内を所定の温度に調節することができる。
なお、図1(b)では、放熱面20bは外気と接触するようになっているが、本発明はこれに限られず、例えば水や金属などの冷媒を接触するようにしてもよい。さらには、ペルチェ素子20による冷却に加えて、ペルチェ素子20の放熱面20bから放出される廃熱を利用して、吸収冷凍機30による冷却が行われてもよい。より具体的には、図1(c)を用いて説明する。
図1(c)において、吸収冷凍機30は、ペルチェ素子20の放熱面20bから放出される廃熱を熱源として、吸収剤である水に溶け込んだアンモニア(冷媒の一例)を気化させる発生器31と、発生器31により気化されたアンモニアを液化する凝縮器32と、凝縮器32により液化されたアンモニアを収容する蒸発器33と、蒸発器33と気密状態で繋がれ、蒸発器33に収容されているアンモニアを強制的に気化させるための水を収容する吸収器34と、冷凍室1a内と蒸発器33との間で熱交換を行うパイプ35と、を有している。
ここで、パイプ35は、ループ状に1つに閉じており、内部には塩化カルシウム水溶液や塩化ナトリウム水溶液などが循環している。従って、冷凍室1a内で吸収された熱は、これらの水溶液を介して、蒸発器33におけるアンモニアの気化に伴う潜熱となる。なお、図1(c)では、パイプ35のうち、冷凍室1a内の部分35a及び蒸発器33内の部分35bは、それぞれ表面積が大きくなるような形状(例えば蛇行形状や螺旋形状など)となっている。これにより、熱伝達効率を向上させることができる。
このように、図1(c)に示す吸収冷凍機30は、ペルチェ素子20から放出される廃熱を利用して、吸収剤たる水に溶け込んだアンモニアを、発生器31内で気化させた後、凝縮器12内で液化させる。そして、液化されたアンモニアが蒸発器33に収容された後、そのアンモニアは、吸収器34内の水の吸収力によって再び気化される。このとき、アンモニアの気化に伴い潜熱として蒸発器33内の熱を奪う。その結果、パイプ7を通じて冷凍室1aから更に熱を奪うことができ、ひいては被冷凍物の冷凍効率を向上させることができる。
なお、図1(c)では、発生器31と吸収器34とがパイプ等によって連結され、アンモニアの濃度が増して吸収能力が低下した水は、吸収器34から発生器31へと汲み上げられるようになっている。一方で、発生器31でアンモニアが気化され、吸収能力を回復した水は、再び吸収器34へと流入されるようになっている。なお、発生器31と吸収器34とを連結するパイプの途中に、熱交換器を設けることとしてもよい。
図2は、本発明の実施の形態に係る電磁波冷凍装置にマイクロ波変換手段3が配設された様子を示す外観図である。
図2において、マイクロ波変換手段3は、導波管の開口部1bから照射されたマイクロ波を受信して直流電流に変換し、その後、ペルチェ素子20に対して直流電流を供給しうるものである。マイクロ波変換手段3の詳細については、以下の[電気的構成]において詳述する。
[電気的構成]
図3は、電子レンジ1及びマイクロ波変換手段3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3は、電子レンジ1及びマイクロ波変換手段3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3(a)において、電子レンジ1は、マグネトロン(図示せず)から照射されるマイクロ波をコントロールし、被加熱物を誘電加熱する各機能を総合的に制御する主制御部10と、使用者からキー命令を受けるための入力部11と、マイクロ波を発生させるマグネトロンに対する駆動信号、調理時間などを表示するLCDに対するLCD駆動信号などを送信する出力部12と、制御プログラム又は調理情報等の各種情報が記憶される記憶部13(ワーキングエリアとして働くRAMを含む)と、から構成されている。入力部11,出力部12,及び記憶部13は、それぞれ主制御部10と電気的に接続されている。なお、電子レンジ1のハードウェア構成の詳細については、既存のものと同様であるので省略する。
図3(b)において、マイクロ波変換手段3の一例として、複数のレクテナ素子を配列したレクテナアレイなどが挙げられる。レクテナ素子は、主に、CMSA(円形マイクロストリップアンテナ)14と、整流回路15と、から構成される。
CMSA14は、厚さの薄い誘電体基板上に円形パッチを作製し、これを共振器として動作させるものであって、給電線を付加することにより、基板に対して法線方向の指向性を有するアンテナとして機能する。なお、CMSA14の基板比誘電率は例えば2.2、そのパッチ半径は例えば9.5mmとすることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、CMSA14を給電する際に、給電ピンを用いればよい。これにより、CMSA14に入射されたマイクロ波を整流回路15に導くことができる。
整流回路15は、CMSA14で受信したマイクロ波を直流電力に変換する回路であって、入力フィルタ151と、ダイオード152と、出力フィルタ153と、から構成される。入力フィルタ151は、CMSA14で受信したマイクロ波がダイオード152によって整流される際に、基本波周波数の整数倍の高調波が生成されるのを予め防ぐ機能を有する。入力フィルタ151の具体例としては、例えばこの高調波を阻止帯域とするローパスフィルタが挙げられる。ダイオード152は、入力フィルタ151を介して入力されるマイクロ波を直流に変換する機能を有する、ダイオード152の具体例としては、例えばマイクロ波領域で良好に動作するショットキーバリアダイオード等が挙げられる。出力フィルタ153は、マイクロ波がダイオード152によって整流される際に生成される高調波を除去し、直流電力を外部に供給する。
なお、ここではマイクロ波変換手段3をペルチェ素子20の電源として利用することとしたが、本発明はこれに限られず、例えば、一般的なDC電源をペルチェ素子20の電源として利用してもよい。また、マイクロ波変換手段3やDC電源の周囲には、アルミ箔を埋め込んだ瀬戸物(電磁波を透過し難い物)を配設しておくことが好ましい。これにより、マイクロ波が電子部品に与える悪影響を防ぐことができる。以上説明したような電気的構成により、電子レンジ1及びペルチェ素子20を用いた電磁波冷凍方法の工程について以下に説明する。
[電磁波冷凍方法]
図4は、本発明の実施の形態に係る電磁波冷凍方法の流れを示すフローチャートである。
図4は、本発明の実施の形態に係る電磁波冷凍方法の流れを示すフローチャートである。
図4において、まず、電子レンジ1の冷凍室1a内にマイクロ波が照射される(ステップS1)。より具体的には、電子レンジ1の主制御部10は、入力部11からの電力蓄電に関する入力信号を受信すると、記憶部13から所定プログラムを読み出して、出力部12にマグネトロンに対して駆動信号を送信するよう指示する。その結果、出力部12から駆動信号を受信したマグネトロンは、マイクロ波を生成する。そして、そのマイクロ波は、導波管内を伝播して、図1に示す導波管の開口部1bから冷凍室1a内に照射される。
次に、水分子の振動が生じる(ステップS2)。より具体的には、図5を用いて説明する。図5は、被冷凍物100が冷凍・解凍を経て被冷凍物100'になるまでの流れを示す工程説明図である。なお、被冷凍物100は、電子レンジ1の冷凍室1a内に載置されているものとする。
図5において、当初ほとんど振動していなかった(又は全く振動していなかった)被冷凍物100中の水分子(図5(a)参照)は、ステップS1により冷凍室1a内にマイクロ波が照射されることによって、振動を始める(図5(b)参照)。
一方で、図4において、次にマイクロ波変換手段3においてマイクロ波の受信が行われる(ステップS3)。より具体的には、例えばマイクロ波変換手段3としてレクテナアレイを採用した場合、そのレクテナアレイにおいて、複数配列されたレクテナ素子のCMSA14(図3(b)参照)によって、冷凍室1a内に照射されたマイクロ波を受信する。
次いで、直流電力変換が行われる(ステップS4)。より具体的には、整流回路15は、CMSA14によって受信されたマイクロ波を取り込み、入力フィルタ151で高調波の除去(低減)を行った後、ダイオード152によって整流(直流電力変換)を行う。
次いで、直流電力供給が行われる(ステップS5)。より具体的には、整流回路15は、ステップS4によって得られた直流電力を、出力フィルタ143を介して外部のペルチェ素子20に供給する。
次いで、ペルチェ素子20が駆動される(ステップS6)。より具体的には、ステップS5において整流回路15よりペルチェ素子20に直流電力が供給されると、吸熱面20aと放熱面20bとの間に温度勾配がつく。その結果、冷凍室1a内の熱は、吸熱面20aに吸収され放熱面20bへと放出され、冷凍室1a内の冷却が進むことになる(ステップS7,図1(b)参照)。
ここで、図5において、図4に示すステップS7の冷却が進むにつれて、被冷凍物100は温度が下がっていくことになるが、図5(b)に示すように内部の水分子が振動した状態のまま温度が下がっていく。そうすると、被冷凍物100は、内部の水分が結晶化することなく、過冷却状態を維持しつつ温度が下がっていき、最終段階で被冷凍物100を一気に冷凍することによって、図5(c)に示すような凍結状態の冷凍物200が完成する。
このようにして作られた冷凍物200は、被冷凍物100(図5(a)参照)と比較して分かるように、内部組織がほとんど変化しない。従って、解凍後の被冷凍物100'(図5(d)参照)と、冷凍前の被冷凍物100(図5(a)参照)とで内部組織が大きく変わってしまう(細胞が破壊されてしまう)のを防ぐことができる。すなわち、「冷凍前の被冷凍物100」→「解凍後の被冷凍物100'」の過程で、鮮度・品質の低下を防ぐことができる。
以上説明したように、本実施形態に係る電磁波冷凍装置によれば、一般家庭に広く普及してある電子レンジ1を用いて、食品や臓器又は抜去歯などの被冷凍物100を、鮮度・品質の低下を防ぎつつ安価かつ簡易に冷凍することが可能となる。
[変形例]
図6は、本発明の他の実施の形態に係る電磁波冷凍装置を説明するための説明図である。
図6は、本発明の他の実施の形態に係る電磁波冷凍装置を説明するための説明図である。
図6(a)において、本発明の他の実施の形態に係る電磁波冷凍装置では、冷凍室1aの底壁面に蛍光管4が載置されている。また、例えばフォトダイオードなど、蛍光管4が発する光を電流に変換する受光素子(図示せず)がマイクロ波変換手段3に設置されている。なお、図6(a)において、蛍光管4は棒型の形状をしているが、例えばドーナツ型やボール型の形状であってもよい。また、マイクロ波変換手段3に設置された受光素子としては、フォトダイオード以外に、フォトトランジスタ,フォトダーリントン,PINフォトダイオードなど、様々なものが挙げられる。
本実施形態における電磁波冷凍装置の動作は、図6(b)に示すとおりである。すなわち、まず、電子レンジ1の冷凍室1a内にマイクロ波が照射されると、蛍光管4が発光する。より具体的には、蛍光管4内の水銀や不活性ガスが、2.45GHzのマイクロ波によってプラズマ状態となって励起され、蛍光管4が発光する。このように、蛍光管4は、たとえ壊れていても(フィラメント部分が壊れていても)発光する。そして、マイクロ波変換手段3に設置された受光素子は、蛍光管4からの光を受光し、電流に変換した後、ペルチェ素子20に対して直流電力を供給する。なお、ペルチェ素子20とマイクロ波変換手段との間に、検波ダイオード11を挿入することもできる。
[電磁波冷凍容器]
図7は、本発明の実施の形態に係る電磁波冷凍容器5を説明するための説明図である。
図7は、本発明の実施の形態に係る電磁波冷凍容器5を説明するための説明図である。
図7(a)において、本発明の実施の形態に係る電磁波冷凍容器5は、電子レンジ1の冷凍室1aの底壁面に載置されている。そして、上述した蛍光管4は、冷凍室1aの側壁面に掛けられている。なお、ここでは側壁面に掛けることとしたが、冷凍室1a内のいずれの箇所に設けても構わない。また、蛍光管4以外にも、グローランプなど、電磁波が照射されると発光するものであれば、如何なるものであっても採用できる。
電磁波冷凍容器5を拡大すると、図7(b)に示すとおりである。図7(b)において、電磁波冷凍容器5の上部には4箇所の光通過穴5aが設けられており、電磁波冷凍容器5の内部に光が届くようになっている。なお、図7(b)では、この光通過穴5aは4個で楕円形状となっているが、その数・形状・大きさ等の如何は問わない。
図7(c)は、図7(b)に示す電磁波冷凍容器5を断面Xで切断したときの断面図である。
図7(c)において、底部が盛り上がった電磁波冷凍容器5の底部には、ペルチェ素子20が載置されている。ペルチェ素子20は、吸熱面20aが電磁波冷凍容器5の内部に向くように、放熱面20bが電磁波冷凍容器5の外部に向くようにして載置されている。また、ペルチェ素子20の吸熱面20aの上部には、被冷凍物100が接触している。なお、図7(c)では、冷凍手段としてペルチェ素子を用いたが、被冷凍物100を冷凍するものとして、例えば液体窒素を用いることも可能である。
電磁波冷凍容器5の側壁面(外壁)には、電磁波冷凍容器5内への透過電磁波の量を調節する金属板6が埋め込まれている。そして、また、金属板6の一部には、電磁波透過穴6aが形成されており、この電磁波透過穴6aの大きさや数を適宜変更することによっても透過電磁波の量を調節することができる。このようにして、被冷凍物100の誘電加熱が、被冷凍物100を冷凍する上で大きな悪影響を与えないように、被冷凍物100に照射される電磁波の量をコントロールすることが好ましい。
一方で、電磁波冷凍容器5の側壁面には、マイクロ波変換手段3が配設されている。このマイクロ波変換手段3には、例えばフォトダイオードなどの受光素子(図示せず)が設置されている。そして、このマイクロ波変換手段3とペルチェ素子20とは電気的に接続されている。かかる構成において、電磁波冷凍容器5の冷凍機能について図7(d)を用いて説明する。
図7(d)において、まず、電子レンジ1の冷凍室1a内にマイクロ波が照射されると、蛍光管4が発光する。発光原理は上述のとおりである。そして、マイクロ波変換手段3に設置された受光素子は、蛍光管4からの光を、光通過穴5aを介して受光し、それを電流に変換した後、ペルチェ素子20に対して直流電力を供給する。図7(d)では、図中の右側の方がペルチェ素子20に供給する電力が多くなっているが、これは、図中の右側に蛍光管4が存在し、図中の右側の方が、電磁波冷凍容器5に入ってくる光量が多いからである。なお、本実施形態では、全ての光通過穴5aを開放することとしたが、本発明はこれに限られず、所定の光通過穴5aのみを開放して、その光通過穴5aから光を取り込むようにしてもよい。
ここで、本実施形態では、蛍光管4を冷凍室1aの側壁面に掛けることとしたが、本発明はこれに限られず、例えば、電磁波冷凍容器5の光通過穴5aのところに蛍光管4を埋め込むこともできる。すなわち、図7(e)に示すように、電子レンジ1の冷凍室1a内にマイクロ波が照射されると、光通過穴5aのところに埋め込まれた蛍光管4が発光し、その光がマイクロ波変換手段3の受光素子によって受光されるようにする。その後、マイクロ波変換手段3は、受光した光を電流に変換した後、ペルチェ素子20に対して、直流電力を供給する。このように、図7(e)に示す電磁波冷凍容器5によれば、図7(e)の太線矢印で示すように、複数のマイクロ波変換手段3(例えば4個のマイクロ波変換手段3)より均一な電流をペルチェ素子20に供給することができるようになり、ひいては鮮度・品質の低下を防ぎつつ、安価かつ簡易に被冷凍物100を冷凍することができる。
本発明に係る電磁波冷凍装置又は電磁波冷凍方法は、一般家庭や個人病院、歯科医院内などでも、食品や臓器又は抜去歯などの被冷凍物を、鮮度・品質の低下を防ぎつつ安価かつ簡易に冷凍することが可能なものとして有用である。
1 電子レンジ
1a 冷凍室
2 冷凍手段
3 マイクロ変換手段
4 蛍光管
5 電磁波冷凍容器
6 金属板
10 主制御部
11 入力部
12 出力部
13 記憶部
14 CMSA
15 整流回路
20 ペルチェ素子
30 吸収冷凍機
31 発生器
32 凝縮器
33 蒸発器
34 吸収器
35 パイプ
100 被冷凍物
151 入力フィルタ
152 ダイオード
153 出力フィルタ
1a 冷凍室
2 冷凍手段
3 マイクロ変換手段
4 蛍光管
5 電磁波冷凍容器
6 金属板
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11 入力部
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13 記憶部
14 CMSA
15 整流回路
20 ペルチェ素子
30 吸収冷凍機
31 発生器
32 凝縮器
33 蒸発器
34 吸収器
35 パイプ
100 被冷凍物
151 入力フィルタ
152 ダイオード
153 出力フィルタ
Claims (9)
- 電磁波を照射する電磁波照射手段と、被冷凍物を冷凍する冷凍手段と、を有し、
前記冷凍手段は、前記電磁波照射手段によって電磁波が照射されているときに、被冷凍物を冷凍することを特徴とする電磁波冷凍装置。 - 前記電磁波照射手段によって照射される電磁波はマイクロ波であることを特徴とする請求項1記載の電磁波冷凍装置。
- 前記冷凍手段は、ペルチェ素子であることを特徴とする請求項1又は2記載の電磁波冷凍装置。
- 前記電磁波冷凍装置は、さらに、電磁波を受信して電流に変換する電磁波変換手段を備え、
前記冷凍手段は、前記電磁波変換手段によって変換された電流に基づき駆動されることを特徴とする請求項1から3のいずれか記載の電磁波冷凍装置。 - 前記電磁波変換手段は、電磁波を受信するアンテナと整流作用を有するダイオードとが直列に接続された回路を含むことを特徴とする請求項4記載の電磁波冷凍装置。
- 前記電磁波変換手段は、蛍光管と、当該蛍光管が発する光を電流に変換する受光素子と、を有することを特徴とする請求項4記載の電磁波冷凍装置。
- 電磁波を受信して電流に変換する電磁波変換手段と、被冷凍物を冷凍する冷凍手段と、を有する電磁波冷凍容器であって、
前記電磁波冷凍容器が電磁波照射機能を有する電磁波照射装置の照射室内に載置されたとき、前記冷凍手段は、前記電磁波変換手段によって変換された電流に基づき駆動されることを特徴とする電磁波冷凍容器。 - 前記電磁波冷凍容器の外壁には、容器内への透過電磁波の量を調節する金属板が埋め込まれていることを特徴とする請求項7記載の電磁波冷凍容器。
- 電磁波を照射する電磁波照射手段と、被冷凍物を冷凍する冷凍手段と、を有する電磁波冷凍装置を用いた電磁波冷凍方法であって、
前記電磁波照射手段によって被冷凍物に電磁波を照射する電磁波照射工程と、
前記電磁波照射工程によって電磁波が照射されている被冷凍物を冷凍する冷凍工程と、を含むことを特徴とする電磁波冷凍方法。
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