JP6810529B2 - 冷凍食品の解凍方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍食品、特に冷凍鮮魚肉及び冷凍畜肉の解凍方法及び装置に関する。
漁業においては、捕獲対象魚の成育環境がよく餌が豊富な環境で良質な魚を大量に捕獲できる大漁時には捕獲量が多いため卸価格が低下する一方、捕獲量が少ない不漁時には、卸価格は高騰するが捕獲量が少ないために収入が安定しないという問題があった。しかし、近年の冷凍技術はセルアライブシステム(CAS)冷凍、過冷却冷凍など細胞破壊のない原体の状態を維持できる冷凍技術が開発され(特許第4041673号公報;特許文献1)、大漁時に良質な魚類を冷凍しておき不漁のときにこれを出荷することにより安定供給が可能となり漁業関係者の収入も安定するようになっている。
冷凍鮮魚肉及び冷凍畜肉の解凍技術には問題がある。
肉や魚は細胞の集合体であり、タンパク、水及び血液などを含む。肉や魚を取り扱う企業が冷凍する際には、−60℃で急速冷凍するので細胞は破壊されない。解凍する際には表面から解凍が始まり内面に向かって解凍が進んで行くが、肉や魚の細胞の集合体の凍結点(−1〜−2℃)と血液や水分の凍結点(0℃)に温度差があるために、解凍の間に、先に細胞の集合体(特にたんぱく質)が解けて収縮し細胞膜を破壊する。細胞膜の破壊は凍結した部分と解凍した部分の境界面で起こる。そのため、解凍時に壊れた細胞膜の隙間から旨味成分を含む水分(ドリップ)が漏れて外に流れ出し、味の品位が著しく低下するという問題がある。
そこで、ドリップの生じない解凍装置が種々提案されている。例えば、加圧しながらジュール過熱して短時間で自然解凍と同等の品質の製品を得る方法(特許第4323712号公報;特許文献2)、閉鎖保存庫内で解凍条件として印加する1次電圧(交流または直流電圧)を食品温度の上昇が+3℃以下になるように制御し、2次電圧側の一極を一端接地方式として抵抗により電流を制御して10〜40℃の外的過熱を行うように電圧を印加する冷凍食品の解凍、及び/または保存する方法(特開2007−75096号公報;特許文献3)が提案されている。
しかしながら、切り身として製品化される魚肉類についてはドリップを生ずることなく解凍できる簡便な方法は知られていない。魚肉類を提供する小規模飲食店においては、解凍した後の売り残し(ロス)は経営の収入に大きく影響する。従って、注文の都度、原体状態を極力維持し高品位な味を保ち短時間の解凍ができる小型で簡便な装置及び方法が求められている。
特許第4041673号公報 特許第4323712号公報 特開2007−75096号公報
本発明の課題は、魚肉類の解凍時に細胞膜破壊を防ぐことにより旨味成分を含む水分の流出(ドリップ)を防ぎ、原体状態を極力維持し高品位な味を保つことができる、居酒屋や小料理店、レストラン等の飲食店及び食品加工、販売等の食品店及び一般家庭向きの小型で簡便な解凍装置及び解凍方法を提供することにある。
また、解凍時に解凍対象物に生息する病原菌を殺菌し、安全で高品位な魚肉類を短時間で解凍する解凍装置及び解凍方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、細胞体(特にタンパク含有部)と血液や水分の凍結点の温度差を確認し、魚肉類の冷凍された部分と解凍された部分の境界面で細胞破壊により旨味成分を含む水分の流出(ドリップ)を防止する手段として、冷凍物に外部から振動を与えながら、ジュール加熱による解凍をすることにより、冷凍された部分と解凍された部分の境界面での収縮差が緩和されて細胞膜破壊を防ぐことができること、ジュール加熱と分子振動による発熱により解凍時間の短縮が図られること、さらに通電により病原菌が殺菌されることを確認して本発明を完成した。
すなわち、本発明は下記[1]〜[6]の解凍方法及び[7]〜[10]の解凍装置に関する。
[1] 電磁振動発生部と金属製解凍板とからなる外部振動付与機の前記金属製解凍板上に被解凍対象の冷凍魚肉塊を載置し、ジュール熱を発生させるための通電用電源と金属製電極からなるジュール加熱機の前記金属製電極を冷凍魚肉塊の上部に載置し、冷凍魚肉塊の外部から振動を与え、同時に冷凍魚肉塊に通電してジュール加熱することを特徴とする冷凍魚貝肉類の解凍方法。
[2] 外部振動付与機により付与する振動が、10Hz〜10kHz、振幅1mm以下の微振動である前項1に記載の冷凍魚貝肉類の解凍方法。
[3] 外部振動付与機により付与する振動に同調させた周波数の交流電圧を印加してジュール加熱する前項1または2に記載の冷凍魚貝肉類の解凍方法。
[4] 前記冷凍魚肉類が、冷凍蓄肉または冷凍鮮魚貝肉である前項1〜3のいずれかに記載の解凍方法。
[5] 前記畜肉が、牛肉、豚肉、羊肉、鶏肉及び鯨肉から選択される前項4に記載の解凍方法。
[6] 前記鮮魚が、マグロ、カツオ、アジ、サバ、イカ、ホタテ貝から選択される前項4に記載の解凍方法。
[7] 外部振動付与機とジュール加熱機を有し、前記外部振動付与機が電磁式振動発生部と金属製解凍板とからなり、前記ジュール加熱機がジュール熱を発生させるための通電用電源と冷凍魚肉塊の上部に載置する金属製電極とからなることを特徴とする冷凍魚貝肉類の解凍装置。
[8] 金属製解凍板が、敷設または貼り加工した導電性シリコンゴムを備えている前項7に記載の解凍装置。
[9] 金属製電極に導電性シリコンゴムが装着または貼り加工されている前項7に記載の解凍装置。
[10] 解凍板及び電極が電気伝導体である前項7〜9のいずれかに記載の解凍装置。
本発明による被解凍対象食品の解凍方法に使用する装置(本発明の装置)の概要図である。 本発明の装置を用いて解凍したカツオの魚肉部の顕微鏡写真(A)、及び通常の方法で解凍したカツオの魚肉部の顕微鏡写真(B)である(共に倍率2000倍)。 本発明の装置を用いて解凍したカツオのドリップ量(A)及び通常解凍したカツオのドリップ量(B)を示す写真である。 生理食塩水に大腸菌培養液を5%含む生理食塩水試料について、通電7.5Vで「振動無し」と「振動有り」の条件で15分間行い、試料の一部をトリプトソイ寒天平面培地で培養した実験1及び2の結果を示す写真である。 生理食塩水に大腸菌培養液を5%含む生理食塩水試料について、通電15Vで「振動無し」と「振動有り」の条件で15分間行い、試料の一部をトリプトソイ寒天平面培地で培養した実験3及び4の結果を示す写真である。 大腸菌培養液(原液)について、通電7Vで「振動有り」の条件で15分間行い、試料の一部をトリプトソイ寒天平面培地で培養した実験5の結果を示す写真である。
以下に添付図面を参照しつつ本発明の解凍方法及び解凍装置を説明する。
本発明の解凍方法は図1に一例の概要を示す装置により実施される。
図1において、1は外部振動付与機であり、振動子駆動電源(11)、電磁振動子(112)及び絶縁性の振動伝達用部材(13)を備えた電磁振動発生部(2)有し、ジュール加熱機(3)の一方の電極(下部金属製電極板)を兼ねる金属製解凍板(4)の上に載置した被解凍対象の冷凍魚肉塊(6)に電磁振動子(12)による振動を伝える。電磁振動発生部(2)により、周波数、振動強度を可変し調整した振動を被解凍対象に付与する。
金属製解凍板(4)は、ステンレススチールやアルミニウムなどの熱伝導率の高い金属材料からなり、表面の少なくとも食材(被解凍対象物)と接触する部分には通電時に金属電極から食材に悪影響を及ぼす金属イオンの溶出を防止するため導電性シリコンゴム(5a)が敷設または貼り加工されている。
ジュール加熱機(3)は、電源(交流電圧発生器)(7)、対向電極(8a,8b)、及びその対向電極に対応する下部金属製電極板(金属製解凍板)(4)と金属製電極板(9)とを備えている。金属製電極板(9)は、被解凍対象物(6)の上部を固定するためのアーム(上部電極固定アーム)(14)に異形状接触スプリング(15)を介して取り付けられ、被解凍対象物(6)を上から支持しながら、交流電圧により通電して被解凍対象物(6)を加熱する。金属製電極板(9)の表面も、前記金属製解凍板と同様に導電性シリコンゴム(5b)が敷設または貼り加工されている。
外部振動付与機により、解凍板を介して被解凍対象(冷凍魚肉塊)に10Hz(毎分600回)〜10kHz(毎分60万回)の微振動を付与する。
振動の周波数、強度及びジュール加熱の電力は、冷凍魚肉塊の状態に合わせて適宜調整する。すなわち、解凍初期は素材が凍結(−20℃以下)しており硬くて電極との接触が悪いので、表面が電極と馴染むまで高い周波数(最大10KHz)の高電圧で電力を少なめに流す。次に解凍時間を早めるために素材が焼けない程度に電力を多めに流す。この時の振動周波数は50〜100Hzが好ましく、強度は0.5〜1mmが好ましい。この段階では素材に温度ムラがあるので、最後に電力を絞り熱の自然拡散を待つ。これらの調整については、本明細書には詳細は開示しないが被解凍物の抵抗値の変化率を見て制御することができる(図1中の10は制御のためのコントロールパネルである。)。
ジュール加熱用電源(8)の一次側は、金属製解凍板(3)に、二次側は金属製電極部(4)に接続され、解凍対象物(6)を挟んで通電する。通電用電源(8)としては、周波数の可変のみならず電圧、電力、波形(正弦波、短形波、ノコギリ波のいずれでもよい。)の可変も可能な電源(例えば、正弦波インバーター等で解凍対象物の種類、体積、質量に依り可変できる電源)を使用し、解凍対象物の魚肉種や固体の持つ抵抗値、初動時の冷凍温度により周波数、電圧、波形を適宜選択調整する。解凍対象物に応じて調整した通電により、電極間の解凍対象物の魚肉種や固体の持つ抵抗値により発生するジュール熱により解凍する。
本発明では、解凍対象物が凍結している時は導電性が低く直流的には絶縁体なので、交流電界を付与することによる誘電体(インピーダンス)を期待して通電をする。
ここで、ジュール熱とは電流を流したときに物体の抵抗値に応じて発生する熱であり、ジュール熱量(Q)は次式(1)で示される。
式中、Vは電圧、Rは電気抵抗(Ω)、tは時間(秒)を表す。
この時付加する周波数は外部振動付加機の振動数に同調させることが好ましい。通電によって生じる細胞膨張収縮振動と外部振動付加外部振動付加機の振動数を同調させることにより細胞間の摩擦を防ぎ、細胞膜の破壊が防止されるからである。
初動時には解凍対象物が凍結し固定化しており抵抗値が高く通電効率が低いので、ジュール加熱機の周波数は10KHz程度まで高くしても良い。
冷凍対象物を解凍するのに必要なジュール熱(すなわち、ジュール加熱機による通電量)は、冷凍対象物の比熱(単位質量の物質を単位温度上げるのに必要な熱量)から予測することができる。
−40℃の冷凍マグロ塊を例に挙げて具体的に説明する。
200gの水を40℃上昇させる場合の熱量は、200g×40℃=8kcalであり、SI単位に換算すると、1kcal=1.16Whから、8kcal×1.16=9.3Whとなる。
水と冷凍マグロの比熱比(C2/C1)は0.410であるから、200gの冷凍マグロを40℃上昇させる場合の熱量は、9.3Wh×0.410=3.81Whとなる。従って、−40℃の鮪マグロに3.81Whの熱量を加えると0℃になる。10分間で解凍するには、3.81W×60分/10分=22.9Wを10分間加えればよい。
以上のように、解凍対象物の内部にジュール熱を発生させて筋肉質を弛緩させると共に外部から振動を付与することによって細胞膜を破壊することなく短時間でドリップを出さず解凍することができ、解凍の終了は解凍対象物の魚肉種の固体の持つ抵抗値と上記の計算式に基づく内部温度によって予測することができる。
導電性シリコンゴムを施した金属製解凍板に被解凍物を載せて、解凍対象物の生存時の体温、生息適時温度以下の温度条件下で解凍する。通常の解凍では、肉質部分と水分の凍結温度差、冷凍された部分と解凍された部分の境界面の細胞膜が収縮差で破壊し、甘味成分を含む水分(ドリップ)が流出するが本発明の装置では細胞膜破壊を防止するための手段として、解凍板を振動させて冷凍物の外部から与える振動によって、冷凍された部分と解凍された部分の境界面での収縮差を緩和にすることができ、かつ、ジュール熱により肉質部分と水分の凍結点を速やかに通過することができ、細胞膜破壊を効果的に抑制しドリップの流出を防ぐと同時に短時間で解凍することができる。このとき振動数が少ないと衝撃により細胞膜は破壊され逆効果となる。
通電により冷凍物内部で分子振動を誘発することにより、解凍・非解凍間での収縮差を緩和し、誘発するジュール熱により肉質部分と水分の凍結点を速やかに通過させることにより細胞膜の破壊を防止すると同時に解凍時間を短縮させる。
本発明の解凍方法の対象となるものは冷凍魚肉類であり、限定されるものではないが、具体例として、牛肉、豚肉、羊肉、鶏肉、及び鯨肉から選択される冷凍蓄肉、及びマグロ、カツオ、アジ、サバ、イカ、ホタテ貝などの魚介類の冷凍鮮魚肉が挙げられる。特に解凍時に甘味成分を含む水分(ドリップ)の漏出による品質低下が著しいマグロ、カツオなどの冷凍鮮魚肉の解凍に本発明の方法(装置)は威力を発揮する。
さらに本発明の装置により大腸菌を含む生理食塩水に対して冷凍魚肉の解凍条件と同じ振動と通電の組み合わせについて試験を行ったところ、大腸菌が死滅することが確認された(後述の試験例参照)。従って、本発明の解凍装置を用いる冷凍魚貝肉類の解凍方法によれば、仮に冷凍魚貝肉類中に微生物が存在していても解凍時にその微生物を殺菌することができる。
本発明を実施例、比較例及び試験例を挙げて説明するが、以下の例により本発明が限定されるものではない。
実施例
外部振動付与機上の導電性シリコンゴムを貼った解凍板に周波数可変電源の一次側を接続、質量500gの冷凍(マイナス20℃)の中心に温度計を刺したカツオの切り身を載置し、導電性シリコンゴムを貼った電極に周波数可変電源の二次側を接続、鰹の切り身を挟むように設置した。
外部電磁式振動付与機を動作させ、微振動50Hz(毎分3000回、振幅1mm以下)を印加し、ジュール加熱機により、通電を開始するが、前記したように初動時は解凍対象物が凍結し固定化して抵抗値が高く通電効率が低いのでジュール加熱機の周波数は、1000Hzとした。この設定により、通電効率が良くなり、ジュール熱の発生も相まって中心温度が一気に上昇傾向となった。中心温度がマイナス10℃を示した時点(約3分後)で、周波数を外部振動付与機と同調させ50Hzと設定した。マイナス10℃を変換点としたのは、それ以上の温度域で解凍、非解凍の収縮差が著しくなる。これは、繰り返し行った実験の経験値による。中心温度計が0℃を示した時点で解凍を終了した。表1に、5回実施した電気的変化(電圧、電流、及び電力)及び中心温度のデータ(平均値)を示す。室温20℃、解凍時間は18分、ドリップ水量は1mlであった。解凍されたカツオの魚肉部と血液部の顕微鏡写真(2000倍)及びドリップ量をそれぞれ図2(A)及び図3(A)に示す。
比較例
プラスチック皿の上に、実施例のカツオ切り身検体と同等の検体(500g)を載置し、通常(室温20℃)解凍を行い、解凍時間とドリップ水を測定したところ、解凍時間は2時間35分、ドリップ水量は5.5mlであった。解凍された鰹の魚肉部と血液部の顕微鏡写真(2000倍)及びドリップ量をそれぞれ図2(B)及び図3(B)に示す。
図2(A)では、カツオの細胞は明確な形状を保っているのに対して、図2(B)では細胞の形が崩れ隙間が多くなっているのが観察できる。これらの顕微鏡写真の比較で分かるように本発明の解凍方法によれば細胞膜の破壊はなく、それによって流出するドリップの量も少なかった。複数人のパネラーによる食味テストにおいても実施例の解凍によるものについて圧倒的に甘味と食感での好回答が得られた。
試験例:大腸菌の殺菌試験
硬骨魚類と人間の体液の塩分濃度(約0.9%)は同等である。そこで、大腸菌を含む生理食塩水について以下の実験を行った。
生理食塩水に大腸菌培養液を5%懸濁させた懸濁液40mlをバイアルに作製し試料液とした。解凍時の物理的要因をモデル化しバイアル中で、通電を7.5Vと15Vで「振動無し」と「振動有り」の条件組み合わせで15分間行った。通電後、試料液を100μlとり、トリプトソイ寒天平面培地に塗り広げた。24時間37℃で培養しコロニー数を観察した。
対照は通電を行う前に、試料液を100μlとり、トリプトソイ寒天平面培地に塗り広げ、24時間37℃で培養した。
試験は下記の条件で4回実施した。
実験1:7.5V、振動無し、15分間での試料液温度の変化は25〜27℃;
実験2:7.5V、振動有り、15分間での試料液温度の変化は25〜27℃;
実験3:15V、振動無し、15分間での試料液温度の変化は25〜38℃;
実験4:15V、振動あり、15分間での試料液温度の変化は25〜38℃。
実験1〜4の全ておいて、コロニーの形成は認められなかった。さらに、培養を48時間まで行ったがコロニーの形成は全く認められなかった。
実験1及び実験2のトリプトソイ寒天平面培地の写真を図4に、実験3及び実験4のトリプトソイ寒天平面培地の写真を図5に示す。
実験5:大腸菌培養液(原液)40mlを用いて実験2と同じ条件(7.5V、振動有り、15分間)で実験を実施したが、コロニーの形成は認められなかった。さらに、培養を48時間まで行ったがコロニーの形成は全く認められなかった。実験5のトリプトソイ寒天平面培地の写真を図6に示す。
以上の実験から、冷凍魚中に仮に微生物が存在していても、本発明装置による解凍の過程で微生物を殺菌する効果が得られることが期待できる。
1 外部振動付与機
2 電磁振動発生部
3 ジュール加熱機
4 金属製解凍板(下部金属製電極)
5a,5b 導電性シリコンゴム
6 解凍対象物(冷凍魚肉塊)
7 電源(交流電圧発生器)
8a,8b 対向電極
9 金属製電極板
10 コントロールパネル
11 振動子駆動電源
12 電磁振動子
13 振動伝達用部品(絶縁性)
14 上部電極固定アーム
15 異形状接触用スプリング

Claims (14)

  1. 電磁振動発生部と金属製解凍板とからなる外部振動付与機の前記金属製解凍板上に被解凍対象の冷凍魚肉塊を載置し、ジュール熱を発生させるための通電用電源と金属製電極からなるジュール加熱機の前記金属製電極を冷凍魚肉塊の上部に載置し、冷凍魚肉塊の外部から振動を与え、同時に冷凍魚肉塊に通電してジュール加熱することを特徴とする冷凍魚貝肉類の解凍方法。
  2. 前記外部振動付与機により付与する振動が、10Hz〜10kHz、振幅1mm以下の微振動である請求項1に記載の冷凍魚貝肉類の解凍方法。
  3. 前記外部振動付与機により付与する振動に同調させた周波数の交流電圧を印加してジュール加熱する請求項1または2に記載の冷凍魚貝肉類の解凍方法。
  4. 通電初動時において、前記外部振動付与機により付与する振動よりも高い周波数の交流電圧を印可してジュール加熱し、その後、前記外部振動付与機により付与する振動に同調させた周波数の交流電圧を印加してジュール加熱する請求項1または2に記載の冷凍魚貝肉類の解凍方法。
  5. 通電初動時に印加する前記交流電圧の周波数が1000Hz〜10kHzである請求項4記載の冷凍魚貝肉類の解凍方法。
  6. 前記冷凍魚肉類が、冷凍蓄肉または冷凍鮮魚貝肉である請求項1〜のいずれかに記載の冷凍魚貝肉類の解凍方法。
  7. 前記畜肉が、牛肉、豚肉、羊肉、鶏肉及び鯨肉から選択される請求項に記載の冷凍魚貝肉類の解凍方法。
  8. 前記鮮魚が、マグロ、カツオ、アジ、サバ、イカ、ホタテ貝から選択される請求項に記載の冷凍魚貝肉類の解凍方法。
  9. 外部振動付与機とジュール加熱機を有し、前記外部振動付与機が電磁式振動発生部と金属製解凍板とからなり、前記ジュール加熱機がジュール熱を発生させるための通電用電源と冷凍魚肉塊の上部に載置する金属製電極とからなることを特徴とする冷凍魚貝肉類の解凍装置。
  10. 前記ジュール加熱機は、通電初動時において、前記外部振動付与機により前記冷凍魚貝肉類に付与する振動よりも高い周波数の交流電圧を印可して前記冷凍魚貝肉類をジュール加熱し、その後、前記外部振動付与機により前記冷凍魚貝肉類に付与する振動に同調させた周波数の交流電圧を印加して前記冷凍魚貝肉類をジュール加熱する請求項9記載の冷凍魚貝肉類の解凍装置。
  11. 通電初動時におけるジュール加熱機の周波数を1000Hz〜10kHzとする請求項10記載の冷凍魚貝肉類の解凍装置。
  12. 金属製解凍板が、敷設または貼り加工した導電性シリコンゴムを備えている請求項9〜11のいずれかに記載の冷凍魚貝肉類の解凍装置。
  13. 金属製電極に導電性シリコンゴムが装着または貼り加工されている請求項9〜12のいずれかに記載の冷凍魚貝肉類の解凍装置。
  14. 解凍板及び電極が電気伝導体である請求項13のいずれかに記載の冷凍魚貝肉類の解凍装置。

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