JP2004147548A - 冷凍品の冷凍方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】家庭用冷蔵庫の冷凍庫の如き汎用冷凍設備を使用して効率的な冷凍を行い、且つ急速冷凍設備並の高品質な冷凍品の製造を可能にする冷凍方法の提供。
【解決手段】汎用冷凍設備の冷凍室に設置可能な被冷凍品を載せる板式陰電子印加器と、冷凍設備の内部又は外部に設置された高電圧トランスから構成される装置とからなり、高電圧トランス装置の二次出力側と陰電子印加器及び被冷凍品がアースされてない状態で、上記陰電子印加器への高電圧印加により、被冷凍品と陰電子印加器との接触状態で被冷凍品に陰電子印加を行って冷凍する。このさい、高電圧トランスの出力側の1極は封鎖絶縁されたものとなして、他の1極のみを使用する場合と、2極の夫々れを使用するものとなしたり、板式陰電子印加器の代わりに棒状陰電子印加器と絶縁体を使用したりする。
【選択図】 図1
【解決手段】汎用冷凍設備の冷凍室に設置可能な被冷凍品を載せる板式陰電子印加器と、冷凍設備の内部又は外部に設置された高電圧トランスから構成される装置とからなり、高電圧トランス装置の二次出力側と陰電子印加器及び被冷凍品がアースされてない状態で、上記陰電子印加器への高電圧印加により、被冷凍品と陰電子印加器との接触状態で被冷凍品に陰電子印加を行って冷凍する。このさい、高電圧トランスの出力側の1極は封鎖絶縁されたものとなして、他の1極のみを使用する場合と、2極の夫々れを使用するものとなしたり、板式陰電子印加器の代わりに棒状陰電子印加器と絶縁体を使用したりする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍品の冷凍方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、氷結晶成長温度領域で被冷凍食品に含まれる水分を、その氷結晶成長過程で気にすることなく行う緩慢冷凍設備を使う冷凍方法と、氷結晶成長するのを最小限に抑える目的で冷凍庫内の温度を−50℃以下に保持するべく多大なエネルギーを費消しながら行う急速冷凍設備を使う冷凍方法が存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の冷凍方法では、氷結晶成長温度で被冷凍品に含まれる水分が氷結晶成長するため、これにより被冷凍品の組織を損傷していた。そのため、解凍時に食品のドリップが流出し、旨味成分や脂肪が酸化されて食感や味の低下につながる問題を生じていた。
ところで、氷結晶成長温度領域で被冷凍品に含まれる水分が氷結晶成長するのを最小限に抑えるべく急速冷凍設備を使用した場合、多大なエネルギーが必要となり、非効率的な冷凍方法が問題となっていた。又、高電圧陰電子印加装置を備えた冷凍設備の提案がなされているが、設備が大掛かりなため、家庭用冷蔵庫の冷凍庫のような汎用冷凍設備を使っての高電圧陰電子印加装置を利用した冷凍は困難であった。
【0004】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は業務用や家庭用を問わず、一般的な汎用冷凍設備にて効率的な冷凍が行えると共に、急速冷凍設備並の高品質な冷凍品の製造を可能にする冷凍方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、緩慢冷凍設備での急速冷凍を可能にして冷凍品の氷結晶の成長による弊害が回避できる冷凍方法を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、冷凍保管方法や解凍方法に頼ることなく、常に食感や味の低下のない高品質の冷凍品が製造できる冷凍方法を提供することにある。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−61044号公報
【特許文献2】
特開2002−206852号公報
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、汎用冷凍設備の冷凍室に設置可能な被冷凍品を載せる板式陰電子印加器と、冷凍設備の内部又は外部に設置された高電圧トランスから構成される装置とからなり、高電圧トランス装置の二次出力側と陰電子印加器及び被冷凍品がアースされてない状態で、上記陰電子印加器への高電圧印加により、被冷凍品と陰電子印加器との接触状態で被冷凍品に陰電子印加を行い冷凍することを特徴とする。
このさい、高電圧トランスの出力側の1極は封鎖絶縁されたものとなして、他の1極のみを使用する場合と、2極の夫々れを使用するものとなしたり、一方板式陰電子印加器は、導電性金属からなる導電板の上面以外の面に、絶縁材による絶縁体を装着させ、その絶縁体の厚さが対面及び耐地絶縁距離からなるようにするとか、他方板式陰電子印加器の代わりに棒状陰電子印加器と絶縁体を使用したりする。なお、冷凍室は冷凍品水分の氷結晶成長温度帯域より低い温度に設定し、冷凍品温度が前記氷結晶成長温度帯域よりも高い温度(0℃以上)のうちに前記陰電子印加器に高電圧印加が行われるようにする。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明方法を実施する装置例を示すものであり、1は冷凍装置、2は装置内冷凍室、3は該室内へ載置させた板式陰電子印加器、4は絶縁体、5は印加器上の被冷凍品、6は装置外に配設される高電圧トランス、7は該高電圧トランスの二次出力側配線であって、この電極の1つ7aを陰電子印加器3と接触させたものとなしてあり、他の1つ7bは封鎖絶縁されたものとなされてある。なお、8は一次側の電源スイッチである。
【0008】
上記は被冷凍品5を板式陰電子印加器上へ載置させたものの例であるが、図2は他の例を示すものであって、即ち本例では板式陰電子印加器3の代わりに棒状陰電子印加器9と絶縁体10とを使用したものであり、被冷凍品5は絶縁体10上へ載置されるものとなる。
【0009】
図3は図1で示した板式陰電子印加器を冷凍装置の冷凍室に2セット用いる例であって、作業効率を倍加するためのものである。即ち本例では図1に於ける封鎖電極7bを解いて夫々れ板式陰電子印加器3’へ接続させるのである。なお、ここで11は導電性の網構造を持った電荷吸着網であって、冷凍室内のセット空間を遮断するように設置してアース11aさせ、浮遊電荷を吸着して大地へ放電させるようにする。
【0010】
図4は上記例に於ける別の実施態様を示すものであって、即ち負荷吸着網11に代わり、夫々れの板式陰電子印加器3に対し絶縁体カバー12を取付けたものであり、該絶縁体カバー12の実際使用では板面上の片端側を支軸に揺動させる開閉自在の構成とする。
【0011】
図5は更に他の例を示すものであって、即ち本例では夫々れに独立した冷凍装置1,1’を構成したものであり、他の構成は前述のものと変わりがない。
【0012】
上記の各実施例では板式陰電子印加器3を用いたものであるが、夫々れを図2で示した棒状陰電子印加器9を用いたものとなしても良い。何れにしても上記例の如く高電圧トランスの出力側2極を使用して陰電子印加を行うものでは、効率を倍加させるものとなるのである。
【0013】
本発明に於ける上記の各実施例は何れの場合に於いても、高電圧トランス6の二次出力側7と陰電子印加器3(9)及び被冷凍品5がアースされてない状態で被冷凍品5に陰電子印加を実施することで、被冷凍品5の細胞内水分の分子に振動を与え、水分子クラスタの細分化及び被冷凍品5のイオン化を行うことで、氷結晶成長温度域(0℃〜−7℃)で水分が凍結して結晶化するのを抑え、被冷凍品5の組織を損傷させたり酸化させることなく冷凍を可能ならしめるのである。加えて、このことは氷結晶成長温度域を短時間に通過できるため、効率の良い冷凍作業を可能ならしめるのであり、且つとりわけ専用の冷凍設備を用いることなく、即ち一般の市販品に係る冷凍設備をそのまま利用して効率良く、又冷凍品の品質向上に寄与する冷凍作業を可能になすものである。
【0014】
表1は水(水道水)を対象物として本発明に係る印加実験を行ったものであり、未印加のものに比べて急速な冷凍作用効果の奏されることが解る。
【0015】
【表1】
【0016】
表2は被冷凍品をブロイラー(むね肉)、同(肝)、タイ、アジ、サバとなしたさい、本発明方法による印加を行った場合と、未印加の場合に於けるドリップ流出量(kg)を表したものであり、本発明による実施品が優れたものであることが解る。なお、被冷凍品の重量は各10kg、冷凍室内温度はブロイラーが−30℃、タイ、アジ、サバが−20℃、印加電圧(V)は二次出力側の1極が7500、印加時間は各24時間となしたものである。
【0017】
【表2】
【0018】
被冷凍品を冷凍した場合、被冷凍品中心部と表層では温度差が発生するのであり、即ち表層部は冷凍庫内の冷たい冷気に接している為、中心部に比べ速く冷凍状態になる。
この為、被冷凍品の表層部の温度が氷結晶成長温度帯以下になる場合でも、中心部では氷結晶が成長している可能性がある。そうなれば、被冷凍品の組織に損傷かつ酸化が起こり、品質の悪化へとつながる。
上記の状態になることを防止する為には、中心部の温度が氷結晶成長温度帯以下になるまで冷凍し続ける必要がある。表3は豚肉0.5kgを冷凍した場合を示すものであり、中心部の温度が氷結晶成長温度帯以下(−7℃以下)になる320分以上印加し続けたグラフ線図である。
【0019】
【表3】
【0020】
上記実施例では被冷凍品を食品について説明したが、その他の例えば臓器などの冷凍保存などにも広く適用されるものである。
【0021】
本発明で被冷凍品細胞内の全ての水分子に確実に振動を与え、水分子クラスタの細分化及び被冷凍品のイオン化を行う為には、被冷凍品温度が、氷結晶成長温度帯域よりも高い温度(0℃以上)の時に高電印加を行う必要がある。確実に氷結晶成長温度帯域より高い温度で印加を行う事により、氷結晶成長温度帯域(0〜−7℃)で水分が凍結して結晶化するのを抑え、被冷凍品の組織を損傷且つ酸化させることなく品質の高い冷凍が可能となる。又、氷結晶成長温度帯域を速く通過することができ、効率の良い冷凍が可能となるのである。
【0022】
【発明の効果】
本発明は以上の通り構成するものであって、家庭用冷蔵庫の冷凍庫のような汎用冷凍設備を使って簡便に効率的且つ品質的に優れる冷凍品の得られるものとなすのであり、本発明の適用は業務用や家庭用の如何を問わないで適用させて、経済的且つ安価に遂行できる。
一方、高エネルギーを必要としない緩慢冷凍設備に於ける急速冷凍を経済的且つ安価に実現して、冷凍品の氷結晶の成長による弊害が回避できるものとなる。
他方、冷凍品の品質は、専らその冷凍保管方法や解凍方法に影響されることが多大であるとされているが、本発明方法により実施された冷凍品は、これらのことには全く関係なくなる。とりわけ、冷凍品が食材の場合は食感や味の低下のない高品質製品となされるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する装置例の概略説明図である。
【図2】他の例の説明図である。
【図3】他の例の説明図である。
【図4】他の例の説明図である。
【図5】他の例の説明図である。
【符号の説明】
1,1’ 冷凍装置
2 冷凍室
3 板式陰電子印加器
4 絶縁体
5 被冷凍品
6 高電圧トランス
7a,7b 電極
9 棒状陰電子印加器
10 絶縁体
11 負荷吸着網
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍品の冷凍方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、氷結晶成長温度領域で被冷凍食品に含まれる水分を、その氷結晶成長過程で気にすることなく行う緩慢冷凍設備を使う冷凍方法と、氷結晶成長するのを最小限に抑える目的で冷凍庫内の温度を−50℃以下に保持するべく多大なエネルギーを費消しながら行う急速冷凍設備を使う冷凍方法が存在する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の冷凍方法では、氷結晶成長温度で被冷凍品に含まれる水分が氷結晶成長するため、これにより被冷凍品の組織を損傷していた。そのため、解凍時に食品のドリップが流出し、旨味成分や脂肪が酸化されて食感や味の低下につながる問題を生じていた。
ところで、氷結晶成長温度領域で被冷凍品に含まれる水分が氷結晶成長するのを最小限に抑えるべく急速冷凍設備を使用した場合、多大なエネルギーが必要となり、非効率的な冷凍方法が問題となっていた。又、高電圧陰電子印加装置を備えた冷凍設備の提案がなされているが、設備が大掛かりなため、家庭用冷蔵庫の冷凍庫のような汎用冷凍設備を使っての高電圧陰電子印加装置を利用した冷凍は困難であった。
【0004】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は業務用や家庭用を問わず、一般的な汎用冷凍設備にて効率的な冷凍が行えると共に、急速冷凍設備並の高品質な冷凍品の製造を可能にする冷凍方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、緩慢冷凍設備での急速冷凍を可能にして冷凍品の氷結晶の成長による弊害が回避できる冷凍方法を提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、冷凍保管方法や解凍方法に頼ることなく、常に食感や味の低下のない高品質の冷凍品が製造できる冷凍方法を提供することにある。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−61044号公報
【特許文献2】
特開2002−206852号公報
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、汎用冷凍設備の冷凍室に設置可能な被冷凍品を載せる板式陰電子印加器と、冷凍設備の内部又は外部に設置された高電圧トランスから構成される装置とからなり、高電圧トランス装置の二次出力側と陰電子印加器及び被冷凍品がアースされてない状態で、上記陰電子印加器への高電圧印加により、被冷凍品と陰電子印加器との接触状態で被冷凍品に陰電子印加を行い冷凍することを特徴とする。
このさい、高電圧トランスの出力側の1極は封鎖絶縁されたものとなして、他の1極のみを使用する場合と、2極の夫々れを使用するものとなしたり、一方板式陰電子印加器は、導電性金属からなる導電板の上面以外の面に、絶縁材による絶縁体を装着させ、その絶縁体の厚さが対面及び耐地絶縁距離からなるようにするとか、他方板式陰電子印加器の代わりに棒状陰電子印加器と絶縁体を使用したりする。なお、冷凍室は冷凍品水分の氷結晶成長温度帯域より低い温度に設定し、冷凍品温度が前記氷結晶成長温度帯域よりも高い温度(0℃以上)のうちに前記陰電子印加器に高電圧印加が行われるようにする。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明方法を実施する装置例を示すものであり、1は冷凍装置、2は装置内冷凍室、3は該室内へ載置させた板式陰電子印加器、4は絶縁体、5は印加器上の被冷凍品、6は装置外に配設される高電圧トランス、7は該高電圧トランスの二次出力側配線であって、この電極の1つ7aを陰電子印加器3と接触させたものとなしてあり、他の1つ7bは封鎖絶縁されたものとなされてある。なお、8は一次側の電源スイッチである。
【0008】
上記は被冷凍品5を板式陰電子印加器上へ載置させたものの例であるが、図2は他の例を示すものであって、即ち本例では板式陰電子印加器3の代わりに棒状陰電子印加器9と絶縁体10とを使用したものであり、被冷凍品5は絶縁体10上へ載置されるものとなる。
【0009】
図3は図1で示した板式陰電子印加器を冷凍装置の冷凍室に2セット用いる例であって、作業効率を倍加するためのものである。即ち本例では図1に於ける封鎖電極7bを解いて夫々れ板式陰電子印加器3’へ接続させるのである。なお、ここで11は導電性の網構造を持った電荷吸着網であって、冷凍室内のセット空間を遮断するように設置してアース11aさせ、浮遊電荷を吸着して大地へ放電させるようにする。
【0010】
図4は上記例に於ける別の実施態様を示すものであって、即ち負荷吸着網11に代わり、夫々れの板式陰電子印加器3に対し絶縁体カバー12を取付けたものであり、該絶縁体カバー12の実際使用では板面上の片端側を支軸に揺動させる開閉自在の構成とする。
【0011】
図5は更に他の例を示すものであって、即ち本例では夫々れに独立した冷凍装置1,1’を構成したものであり、他の構成は前述のものと変わりがない。
【0012】
上記の各実施例では板式陰電子印加器3を用いたものであるが、夫々れを図2で示した棒状陰電子印加器9を用いたものとなしても良い。何れにしても上記例の如く高電圧トランスの出力側2極を使用して陰電子印加を行うものでは、効率を倍加させるものとなるのである。
【0013】
本発明に於ける上記の各実施例は何れの場合に於いても、高電圧トランス6の二次出力側7と陰電子印加器3(9)及び被冷凍品5がアースされてない状態で被冷凍品5に陰電子印加を実施することで、被冷凍品5の細胞内水分の分子に振動を与え、水分子クラスタの細分化及び被冷凍品5のイオン化を行うことで、氷結晶成長温度域(0℃〜−7℃)で水分が凍結して結晶化するのを抑え、被冷凍品5の組織を損傷させたり酸化させることなく冷凍を可能ならしめるのである。加えて、このことは氷結晶成長温度域を短時間に通過できるため、効率の良い冷凍作業を可能ならしめるのであり、且つとりわけ専用の冷凍設備を用いることなく、即ち一般の市販品に係る冷凍設備をそのまま利用して効率良く、又冷凍品の品質向上に寄与する冷凍作業を可能になすものである。
【0014】
表1は水(水道水)を対象物として本発明に係る印加実験を行ったものであり、未印加のものに比べて急速な冷凍作用効果の奏されることが解る。
【0015】
【表1】
【0016】
表2は被冷凍品をブロイラー(むね肉)、同(肝)、タイ、アジ、サバとなしたさい、本発明方法による印加を行った場合と、未印加の場合に於けるドリップ流出量(kg)を表したものであり、本発明による実施品が優れたものであることが解る。なお、被冷凍品の重量は各10kg、冷凍室内温度はブロイラーが−30℃、タイ、アジ、サバが−20℃、印加電圧(V)は二次出力側の1極が7500、印加時間は各24時間となしたものである。
【0017】
【表2】
【0018】
被冷凍品を冷凍した場合、被冷凍品中心部と表層では温度差が発生するのであり、即ち表層部は冷凍庫内の冷たい冷気に接している為、中心部に比べ速く冷凍状態になる。
この為、被冷凍品の表層部の温度が氷結晶成長温度帯以下になる場合でも、中心部では氷結晶が成長している可能性がある。そうなれば、被冷凍品の組織に損傷かつ酸化が起こり、品質の悪化へとつながる。
上記の状態になることを防止する為には、中心部の温度が氷結晶成長温度帯以下になるまで冷凍し続ける必要がある。表3は豚肉0.5kgを冷凍した場合を示すものであり、中心部の温度が氷結晶成長温度帯以下(−7℃以下)になる320分以上印加し続けたグラフ線図である。
【0019】
【表3】
【0020】
上記実施例では被冷凍品を食品について説明したが、その他の例えば臓器などの冷凍保存などにも広く適用されるものである。
【0021】
本発明で被冷凍品細胞内の全ての水分子に確実に振動を与え、水分子クラスタの細分化及び被冷凍品のイオン化を行う為には、被冷凍品温度が、氷結晶成長温度帯域よりも高い温度(0℃以上)の時に高電印加を行う必要がある。確実に氷結晶成長温度帯域より高い温度で印加を行う事により、氷結晶成長温度帯域(0〜−7℃)で水分が凍結して結晶化するのを抑え、被冷凍品の組織を損傷且つ酸化させることなく品質の高い冷凍が可能となる。又、氷結晶成長温度帯域を速く通過することができ、効率の良い冷凍が可能となるのである。
【0022】
【発明の効果】
本発明は以上の通り構成するものであって、家庭用冷蔵庫の冷凍庫のような汎用冷凍設備を使って簡便に効率的且つ品質的に優れる冷凍品の得られるものとなすのであり、本発明の適用は業務用や家庭用の如何を問わないで適用させて、経済的且つ安価に遂行できる。
一方、高エネルギーを必要としない緩慢冷凍設備に於ける急速冷凍を経済的且つ安価に実現して、冷凍品の氷結晶の成長による弊害が回避できるものとなる。
他方、冷凍品の品質は、専らその冷凍保管方法や解凍方法に影響されることが多大であるとされているが、本発明方法により実施された冷凍品は、これらのことには全く関係なくなる。とりわけ、冷凍品が食材の場合は食感や味の低下のない高品質製品となされるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する装置例の概略説明図である。
【図2】他の例の説明図である。
【図3】他の例の説明図である。
【図4】他の例の説明図である。
【図5】他の例の説明図である。
【符号の説明】
1,1’ 冷凍装置
2 冷凍室
3 板式陰電子印加器
4 絶縁体
5 被冷凍品
6 高電圧トランス
7a,7b 電極
9 棒状陰電子印加器
10 絶縁体
11 負荷吸着網
Claims (6)
- 汎用冷凍設備の冷凍室に設置可能な被冷凍品を載せる板式陰電子印加器と、冷凍設備の内部又は外部に設置された高電圧トランスから構成される装置とからなり、高電圧トランスの出力側1極は封鎖絶縁されたものとなすほか、他の極を陰電子印加器及び被冷凍品がアースされてない状態で、上記陰電子印加器への高電圧印加により、被冷凍品と陰電子印加器との接触状態で被冷凍品に陰電子印加を行って冷凍することを特徴とした冷凍品の冷凍方法。
- 汎用冷凍設備の冷凍室に設置可能な被冷凍品を載せる板式陰電子印加器と、冷凍設備の内部又は外部に設置された高電圧トランスから構成される装置とからなり、高電圧トランスの出力側2極の夫々れを陰電子印加器及び被冷凍品がアースされない状態で、上記陰電子印加器への高電圧印加により、被冷凍品と陰電子の印加器との接触状態で被冷凍品に陰電子印加を行って冷凍することを特徴とした冷凍品の冷凍方法。
- 板式陰電子印加器は、導電性金属からなる導電板の上面以外の面に、絶縁材による絶縁体を装着させ、その絶縁体の厚さが対面及び耐地絶縁距離からなることを特徴とした請求項1又は2記載の冷凍品の冷凍方法。
- 板式陰電子印加器の代わりに、棒状陰電子印加器と絶縁体を使用して被冷凍品に陰電子印加を行い冷凍することを特徴とした請求項1又は2記載の冷凍品の冷凍方法。
- 冷凍室は、冷凍品水分の氷結晶成長温度帯域より低い温度に設定し、冷凍品温度が前記氷結晶成長温度帯域よりも高い温度(0℃以上)のうちに前記陰電子印加器に高電圧印加の行われることを特徴とした請求項1,2,3又は4記載の冷凍食品の冷凍方法。
- 前記高電圧印加を、被冷凍品の中心部の温度が氷結晶成長温度帯以下になるまで印加し続けることを特徴とした請求項5記載の冷凍食品の冷凍方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002315755A JP2004147548A (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | 冷凍品の冷凍方法 |
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---|---|---|---|
JP2002315755A JP2004147548A (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | 冷凍品の冷凍方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004147548A true JP2004147548A (ja) | 2004-05-27 |
Family
ID=32459661
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002315755A Pending JP2004147548A (ja) | 2002-10-30 | 2002-10-30 | 冷凍品の冷凍方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004147548A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011244696A (ja) * | 2010-05-21 | 2011-12-08 | Yoneda Koki Kk | 急速冷凍装置 |
JP2016190821A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | 三機工業株式会社 | ミント精製装置およびミント精製システム |
-
2002
- 2002-10-30 JP JP2002315755A patent/JP2004147548A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011244696A (ja) * | 2010-05-21 | 2011-12-08 | Yoneda Koki Kk | 急速冷凍装置 |
JP2016190821A (ja) * | 2015-03-31 | 2016-11-10 | 三機工業株式会社 | ミント精製装置およびミント精製システム |
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