JP2001245645A - 生鮮食品等の冷凍方法および装置 - Google Patents

生鮮食品等の冷凍方法および装置

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JP2001245645A JP2000061599A JP2000061599A JP2001245645A JP 2001245645 A JP2001245645 A JP 2001245645A JP 2000061599 A JP2000061599 A JP 2000061599A JP 2000061599 A JP2000061599 A JP 2000061599A JP 2001245645 A JP2001245645 A JP 2001245645A
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Masaki Ikeuchi
正毅 池内
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明 小沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被冷凍体7表面と内部との温度差を小さくし
た状態で冷凍を行い、氷の結晶成長を小さくして、被冷
凍体の細胞破壊およおび濃縮を抑制し、生鮮食品等の品
質の低下を防止できる冷凍方法、および冷凍装置を提供
する。 【解決手段】 中波、短波、超短波のいずれかの周波
数、あるいは氷の比誘電損率が水より大きくなる周波
数、あるいは氷と水の比誘電損率差が小さい周波数の電
磁波を用いて、生鮮食品等を誘電加熱し、前記誘電加熱
による吸収エネルギーよりも大きなエネルギーで冷却し
て、凍結させ、氷の結晶成長を抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚介類、畜産物、
野菜類、果実類などの生鮮食品、菓子類などの加工食
品、臓器、血液などの細胞組織体などの冷凍方法および
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】生鮮食品等を冷凍して、その解凍時に鮮
度や味を維持するためには、組織体の細胞を破壊しない
こと、および濃縮(細胞外に溶質が流出する)を抑制す
ることが重要である。これらが起こると、解凍時に液汁
の流出(いわゆるドリップ)が発生して品質低下を招く
ためである。通常、水分を有する生鮮食品、加工食品、
生物の組織体などの細胞を破壊することなく冷凍するた
めには、最大氷結晶生成帯(被冷凍体によって異なる
が、一般的には-1〜−5℃の氷結晶が最も成長する温
度帯)を通過する時間(以下、有効凍結期間と称す)を
短くすることが有効である。この有効凍結期間を短くす
ることにより、氷の結晶を小さくできるので細胞の破壊
を防止できるとともに、濃縮を抑制することができる。
【0003】上記のような理由から、鮮度や味を維持す
る手段として、大型冷凍機や、液体窒素や液体二酸化炭
素などの極低温液体が用いられている。これらを用いて
冷凍することにより、有効凍結期間を短くでき、上記細
胞破壊や濃縮を抑制することができる。
【0004】しかしながら、前者の大型冷凍機で急速冷
凍すると、原理的に被冷凍体表面からの熱伝導により内
部を冷却されるため、例えばマグロのように大きな食品
になると冷凍が完結するまでに数分〜数時間要し、この
間に被冷凍体の表面と内部との温度差を生じ、被冷凍体
表面と内部との有効凍結期間差が大きくなり、特に被冷
凍体表面の氷の結晶が大きくなって細胞が破壊された
り、濃縮がおこる場合があった。また、後者の極低温液
体を用いる方法では、有効凍結期間を短くできるが、原
料の供給が必要でコスト高になるという問題があった。
【0005】このような問題を解決する手段として、常
温から氷結点付近まで比較的急速に冷却する急速冷却処
理を行い、続いて、被冷凍体表面と内部との温度差を小
さくするため、氷結点以下まで0.01〜0.5℃/時
間の緩慢な冷却速度で冷却するスロークーリング処理を
行い、この後に急速冷凍を行う方法が、例えば特開平8
−252082号公報に開示されている。また、同公報
に、破壊点(未凍結領域の下限点)以上の温度帯で、5
00MHz〜5GHzの周波数領域のマイクロ波を照射
することも開示されている。これらの方法では、上記ス
ロークーリング処理の過程、およびマイクロ波照射の過
程で、氷結点以下の過冷却状態(液相を保った状態)が
維持でき、結果として被冷凍体表面と内部との温度差を
小さくすることができるため、被冷凍体表面の氷の結晶
が大きくなって細胞が破壊されたり、濃縮が起こること
を防止できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、もとも
と上記過冷却状態は不安定なため、振動や電場などの外
乱が加わると容易に過冷却状態が破壊される。また、一
旦被冷凍体表面に氷の結晶が生成すると、この状態で液
相の被冷凍体内部にマイクロ波が吸収され、被冷凍体表
面と内部の温度差はいっそう広がり、被冷凍体表面で氷
の結晶成長が局部的に進み、細胞組織の破壊、濃縮を逆
に増大させる危険があった。また、冷却速度0.01〜
0.5℃/時間のスロークーリングでは、冷凍完了まで
に時間がかかりすぎるという問題もあった。
【0007】この発明は上記の問題を解決するためにな
されたもので、被冷凍体表面と内部との温度差を小さく
した状態で、過冷却状態(およびこれに近い状態)を維
持できる、また、氷が生成しても、結晶成長を小さくし
て、被冷凍体の細胞破壊およおび濃縮を抑制し、生鮮食
品等の品質の低下を防止できる冷凍方法、および冷凍装
置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる第1の
生鮮食品等の冷凍方法は、中波、短波、超短波のいずれ
かの周波数の電磁波を用いて、生鮮食品等の被冷凍体を
誘電加熱し、前記誘電加熱により前記被冷凍体に吸収さ
れるエネルギーよりも大きなエネルギーで冷却して、被
冷凍体を凍結させるものである。
【0009】この発明に係わる第2の生鮮食品等の冷凍
方法は、前記第1の発明の誘電加熱を、氷の比誘電損率
が水より大きくなる周波数の電磁波、あるいは氷と水の
比誘電損率差が小さい周波数の電磁波で行うものであ
る。
【0010】この発明に係わる第3の生鮮食品等の冷凍
方法は、前記第1の発明の誘電加熱を、氷の比誘電損率
の特異領域である500kHz以上6MHz以下、ある
いは30MHz以上60MHz以下の周波数の電磁波で
行うものである。
【0011】この発明に係わる第4の生鮮食品等の冷凍
方法は、前記第1の発明の電磁波の照射手段を、アンテ
ナにしたものである。
【0012】この発明に係わる第5の生鮮食品等の冷凍
方法は、前記第1の発明の電磁波の照射手段を、TEM
(Transverse Electromagnetic)セルにしたものであ
る。
【0013】この発明に係わる第1の生鮮食品等の冷凍
装置は、前記第1ないし第5のいずれかの発明の電磁波
を発生する手段と、前記電磁波を生鮮食品等の被冷凍体
に照射して誘電加熱する手段と、前記誘電加熱により前
記被冷凍体に吸収されるエネルギーよりも大きなエネル
ギーで冷却して被冷凍体を凍結させる手段とを備えたも
のである。
【0014】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の実
施の形態を図に基づいて説明する。図1は、本発明の実
施の形態1における生鮮食品等の冷凍方法を温度と時間
の関係で表した説明図である。この冷凍方法において
は、まず、被冷凍体を冷却し、被冷凍体表面の温度が最
大氷結晶生成帯に近づいた時点で高周波誘電加熱を開始
する。この時高周波誘電加熱により被冷凍体が吸収する
エネルギーより大きなエネルギーで冷却することによ
り、冷却エネルギーは被冷凍体に奪われ、被冷凍体表面
と被冷凍体内部の温度は、最大氷結晶生成帯内で、ほぼ
同じ温度となる。その後冷却エネルギーは被冷凍体の温
度を更に下降させるために消費され、被冷凍体表面温度
が最大氷結晶生成帯下限を超える。この時点で、誘電加
熱を終了し、被冷凍体の温度をさらに下降させ、生鮮食
品等の冷凍を行う。上記で説明した最大氷結晶生成帯の
範囲は、被冷凍体が変われば変わるが原理的には同じで
ある。
【0015】上記誘電加熱とは、高周波電界中の誘電体
(絶縁体)の誘電損失現象を利用して加熱する方法であ
り、周波数300kHz〜3MHzの中波、あるいは3
〜30MHzの短波、あるいは30〜300MHzの超
短波を用いた誘電加熱を高周波誘電加熱という。上記電
磁波を被冷凍体に照射すると、比較的温度の高い被冷凍
体内部に吸収される特性があり、さらに、マイクロ波
(300MHz〜30GHz)を用いた誘電加熱に比
べ、電力半減深度(電磁波エネルギーが物体内部に吸収
され半分になる深さ)が大きく内部まで均一にエネルギ
ーを与えることができ、被冷凍体全体として温度分布を
均一化できる。
【0016】さらに、上記誘電加熱によって、誘電体に
吸収されるエネルギーP[W/m3]を、数式で表す
と、次式のようになる。 P=(1/1.8)×f×v2×εr"×10-10 (1) εr"=εr'×tanδ (2) ここで、f[Hz]は周波数、v[V/m]は電界の大
きさ、εr"は比誘電損率、εr'は比誘電率、tanδは
誘電体損失角である。したがって、上記数式(1)よ
り、誘電体(被冷凍体)に吸収されるエネルギーPは、
物質の比誘電損率ε r"に比例することがわかる。
【0017】また従来から、高周波誘電加熱の周波数領
域の比誘電損率は、大部分の周波数領域で、水は氷に比
べて桁違いに大きいことが知られていたが、本発明者ら
は、詳細に氷の誘電損失の周波数依存性を調べた。そし
て、Ellisonらの文献(Ellison W J,J Moreau:J.Mol.Li
q.Vol.68,No.2/3,p171-279,1996)、および真鍋らの文
献(真鍋武嗣、H.LIEBE、G.Hufford:電情通学会技報、v
ol.87,No.367,p1-6,1988)から水(約25℃)の比誘電
率、比誘電損率を、Huffordらの文献(G Hufford:Int.
J.of Infrared and Millimeter Waves,Vol.12,No.7,p.6
77-682,1991)から氷(約-5℃)の比誘電率、比誘電損
率を、白樫らの文献(白樫了ら:日本機械学会熱工学講
演会論文集、p43〜44、1999)から特異領域に
おける氷の比誘電損率を鑑み、図2に示す水と氷の比誘
電率εr'、および比誘電損率εr"と周波数の関係を得
た。そしてこれより、 (1)500kHz以上6MHz以下の周波数領域にお
いて、氷の比誘電損率の特異領域があり、水と氷との比
誘電損率差が極めて小さくなる (2)30MHz以上60MHz以下の周波数領域にお
いて、氷の比誘電損率の特異領域があり、水と氷との比
誘電損率が逆転することを把握し、最大氷結晶生成帯に
おいても被冷凍体の氷部分に多くのエネルギーを吸収さ
せることを見出した。つまり、氷を加熱することで氷の
結晶が大きく成長することを抑制し、氷結晶の微細化と
均一分布化を達成でき、被冷凍体の細胞破壊や濃縮を抑
え、生鮮食品等の品質の低下を著しく防止できることが
わかった。
【0018】実施の形態2.図3は、本発明の実施の形
態2における生鮮食品等の冷凍方法を実現できる冷凍装
置を示す構成図であり、1は高周波誘電加熱機、2は三
極管やトランジスタなどで構成される高周波発生電源、
3はインダクタンス、4はキャパシタンス、5は印加電
極、6は発振用回路、7は被冷凍体、8は冷凍機、9は
冷却用熱交換器、10は圧縮機、11は電磁波遮断シー
ルド、12は断熱シールド、13は冷凍庫、37は絶縁
台、42は温度検出部である。この生鮮食品等の冷凍装
置においては、高周波誘電加熱機1は、高周波発生電源
2、インダクタンス3、キャパシタンス4、平行板電極
5を発振用回路6で接続して構成し、キャパシタンス4
と例えば平行板電極からなる印加電極5とを制御して発
振周波数を制御する。被冷凍体7は例えば二枚の平行板
電極間に挟む。冷凍庫13内は冷凍機8の冷却用熱交換
器9で冷却され、低温雰囲気をつくることができる。
【0019】本実施の形態において、印加電極5として
平行平板電極を示したが、電極形状は、不平行平板型、
格子状、コイル状、円筒状、ローラ状などでもよい。ま
た、移動式のものであってもよい。
【0020】また、本実施の形態では、発振周波数の変
更によって電波障害を起こす恐れを防止するために、電
磁波遮断シールド11を設けているが、不要な場合は除
いてもよい。
【0021】実施の形態3.次に、上記実施の形態2の
冷凍装置を用いて、被冷凍体7としてマグロの切り身を
用い、前記実施の形態1の概念を示唆するために、被冷
凍体7表面と内部の温度を測定した。図4は、本発明の
実施の形態3による冷凍方法において被冷凍体を冷却し
たときの冷凍曲線である。被冷凍体7であるマグロの切
り身は約200gのものを用いた。発振周波数は、イン
ダクタンス3とキャパシタンス4を制御して47MHz
(氷の比誘電損率が水より大きくなる特異領域)にセッ
トし、出力レベル約2.5Wで、被冷凍体7の表面温度
が5℃に降下した時点で照射を開始し、被冷凍体7の表
面温度が最大氷結晶生成帯の下限(−5℃)を超えた時
点で、照射を終了することにより高周波誘電加熱を行っ
た。この間出力レベルは約2.5W一定とした。本実施
の形態の効果を示唆するために、図5に、誘電加熱を用
いない従来の冷凍方法による被冷凍体の冷凍曲線を示し
ている。
【0022】図4に示した本実施の形態の冷凍方法にお
いては、氷の比誘電損率が水より大きくなる周波数の電
磁波を用いて、被冷凍体を誘電加熱し、前記誘電加熱に
よる吸収エネルギーよりも大きなエネルギーで冷却して
凍結させたので、氷の結晶成長を抑制して冷凍すること
ができ、氷結晶の微細化と均一分布化を達成できた。図
5に示した従来の冷凍方法に比し、被冷凍体7表面と、
被冷凍体7内部の有効凍結期間のずれ20a、20bが
小さくなったことでも確認できる。
【0023】実施の形態4.発振周波数を変えた他の実
施の形態として、上記実施の形態2の冷凍装置を用い
て、発振周波数27.12MHz(特異領域外ではある
が氷と水の比誘電損率差が小さい)の場合の冷凍曲線を
得た。図6は本発明の実施の形態4による被冷凍体の冷
凍曲線である。本実施の形態では、特異領域外の高周波
誘電加熱により、一旦被冷凍体に氷の生成が起こり、均
一化と逆の効果を生じることを避けるために、被冷凍体
表面の温度が最大氷結晶生成帯に近づいた時点で誘電加
熱を行い、最大氷結晶生成帯近傍で誘電加熱を終了し
た。本実施の形態では、氷の比誘電損率が水より大きい
周波数47MHzを用いた前記実施の形態3ほどの効果
は、得られなかったが、従来の電磁波を照射しない冷凍
方法に比べ、最大氷結晶生成帯上限の通過において、被
冷凍体7表面と内部の有効凍結期間のずれ20aが約7
分から5分とやや改善された。
【0024】実施の形態5.発振周波数を変えた他の実
施の形態として、上記実施の形態2の冷凍装置を用い
て、発振周波数2MHz(特異領域外ではあるが氷と水
の比誘電損率差が小さい)の場合の冷凍曲線を得た。図
7は本発明の実施の形態5による被冷凍体の冷凍曲線で
ある。本実施の形態では、上記実施の形態4と同様に、
特異領域外の高周波誘電加熱により、一旦被冷凍体に氷
の生成が起こり、均一化と逆の効果を生じることを避け
るために、被冷凍体表面の温度が最大氷結晶生成帯に近
づいた時点で誘電加熱を行い、最大氷結晶生成帯を越え
しばらく後に誘電加熱を終了した。本実施の形態におい
ても、氷の比誘電損率が水より大きい周波数47MHz
を用いた前記実施の形態3ほどの効果は、得られなかっ
たが、従来の電磁波を照射しない冷凍方法に比べ、最大
氷結晶生成帯上限の通過において、被冷凍体7表面と内
部の有効凍結期間のずれ20aが約7分から4分とやや
改善された。
【0025】実施の形態6.上記実施の形態では、本発
明の実施の形態における被冷凍体7の表面と内部との最
大氷結晶生成帯上限および下限を超える時間差、すなわ
ち有効凍結期間のずれ20a、20bを比較したが、鮮
度および食感に関し、定量的な評価を行うため、氷の結
晶が大きいほど多くなるドリップ量の比較を行った。ド
リップ量は、本発明の実施の形態および従来の冷凍方法
により冷凍したマグロの切り身を、冷凍開始から24h
r経過後、冷蔵庫(約10℃の暗所)で自然解凍して測
定した。表1は、本実施の形態の冷凍方法によるドリッ
プ量と、型崩れ、食感を示したものである。本発明によ
る冷凍方法では、いずれもドリップ量を、従来の冷凍方
法より少なくすることができ、型崩れもなく、食感も改
善できることが確認できた。
【0026】
【表1】
【0027】上記実施の形態1ないし6では、被冷凍体
7として、いずれもマグロの切り身を用いたが、マグロ
本体のような大きなものでは、さらに顕著な差が期待で
きる。また、マグロ以外の豚肉、豆腐などの食品、血液
などの組織体でも同様の効果が確認できた。
【0028】また、上記実施の形態1ないし6では、氷
の比誘電損率が水より大きくなる周波数、あるいは氷と
水の比誘電損率差が小さい周波数という観点で周波数を
選択したが、適正な周波数は、温度や被冷凍体に含まれ
る塩分、油、タンパク質、糖質などの不純物によって変
化するので、被冷凍体に合わせて最適値を選ぶことが望
ましい。
【0029】実施の形態7.図8は、本発明の実施の形
態7による生鮮食品等の冷凍装置を示す構成図であり、
図において、1は高周波誘電加熱機、7は被冷凍体、8
は冷凍機、9は冷却用熱交換器、10は圧縮機、11は
電磁波遮断シールド、12は断熱シールド、13は冷凍
庫、31は高周波発振器、32は高周波用アンプ、33
はアンテナ、34は電磁波、37は絶縁台、42は温度
検出部である。この冷凍装置においては、例えば47M
Hzの高周波を高周波発振器31で発生させ、高周波用
アンプ32で増幅し、アンテナ33から冷凍庫13に、
電磁波を照射するので、100W程度以下の低出力の電
磁波を広範囲に照射することが可能である。したがっ
て、マグロや肉類などの大物が積み重ねられた冷凍庫に
おいても、被冷凍体7を均一に加熱することができる。
【0030】上記アンテナ33の長さは一般的に1/4
波長以上必要であるため、例えば50MHzの電磁波の
波長6mに対し1.5mとなりスペースを要するため、
ヘリカルアンテナ方式など小型化可能なものを用いるこ
とが好ましい。バイコニカルアンテナ、対数らせんアン
テナ、対数周期アンテナ、ダイポールアンテナ、ループ
アンテナ、パラボラアンテナ、長導線アンテナなどであ
ってもよい。また、マイクロストリップアレイ方式、特
に高誘電体セラミックにアンテナを平面積層した通称セ
ラミックアンテナは小型化、平面化に適しているため好
ましい。
【0031】実施の形態8.図9は、本発明の実施の形
態8による生鮮食品等の冷凍装置を示す構成図であり、
図において、7は被冷凍体、8は冷凍機、9は冷却用熱
交換器、10は圧縮機、12は断熱シールド、13は冷
凍庫、31は高周波発振器、32は高周波用アンプ、3
4は電磁波、36はTEMセル、37は絶縁台、38は
外部方形導体、39は中心導体板、40は同軸コネク
タ、41は同軸終端負荷である。この冷凍装置において
は、例えば外部方形導体38、中心導体板39、同軸終
端負荷41からなるTEMセル36が設けられているの
で、高周波電気信号を強電界の電磁波に変換して、被冷
凍体7に照射でき、強電界の電磁波を外部に漏らさず発
生させることが可能となり、電磁波シールド11が省略
できる。したがって装置構成を簡略にすることができ
る。
【0032】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、以下に示すような効果を奏する。中波、
短波、超短波のいずれかの周波数の電磁波を用いて、生
鮮食品等を誘電加熱し、前記誘電加熱による吸収エネル
ギーよりも大きなエネルギーで冷却して、凍結させたの
で、電磁波エネルギーは、比較的温度の高い被冷凍体内
部に吸収され、被冷凍体全体として均一な温度分布を得
ることができる。
【0033】また、氷の比誘電損率が水より大きくなる
周波数の電磁波、あるいは氷と水の比誘電損率差が小さ
い周波数の電磁波を用いて、生鮮食品等を誘電加熱し、
前記誘電加熱による吸収エネルギーよりも大きなエネル
ギーで冷却して、凍結させたので、氷の結晶成長を抑制
して冷凍することができ、ドリップ量の低減、型崩れを
防止でき、被冷凍体の鮮度を維持することができる。
【0034】また、氷の比誘電損率の特異領域である5
00kHz以上6MHz以下、あるいは30MHz以上
60MHz以下の周波数の電磁波を用いて、生鮮食品等
を誘電加熱し、前記誘電加熱による吸収エネルギーより
も大きなエネルギーで冷却して凍結させたので、一旦被
冷凍体表面に氷結晶が生成しても、液相の被冷凍体内部
に電磁波は吸収されにくく、被冷凍体表面と内部の温度
差を広げることなく、氷の局部成長を抑制できる。
【0035】また、電磁波の照射手段をアンテナにした
ので、電磁波を広範囲に照射することができ、被冷凍体
が大物であったり、積み重ねられた状態でも、被冷凍体
を均一に加熱することができる。
【0036】また、電磁波の照射手段をTEMセルにし
たので、強電界の電磁波を外部に漏らさず、安全に誘電
加熱することができる。
【0037】また、中波、短波、超短波のいずれかの周
波数、あるいは氷の比誘電損率が水より大きくなる周波
数、あるいは氷と水の比誘電損率差が小さい周波数の電
磁波を発生する手段と、前記電磁波を生鮮食品等に照射
して誘電加熱する手段と、前記誘電加熱による吸収エネ
ルギーよりも大きなエネルギーで冷却して凍結させる手
段とを備えたので、氷の結晶成長を抑制して冷凍するこ
とができ、ドリップ量の低減、型崩れを防止でき、被冷
凍体の鮮度を維持することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による生鮮食品等の
冷凍方法を示す説明図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による水と氷の比誘
電率および比誘電損率と周波数の関係を示す特性図であ
る。
【図3】 この発明の実施の形態2による生鮮食品等の
冷凍装置を示す構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態3による温度と経過時
間の関係を示す特性図である。
【図5】 従来の生鮮食品等の冷凍方法による温度と経
過時間の関係を示す特性図である。
【図6】 この発明の実施の形態4による温度と経過時
間の関係を示す特性図である。
【図7】 この発明の実施の形態5による温度と経過時
間の関係を示す特性図である。
【図8】 この発明の実施の形態7による生鮮食品等の
冷凍装置を示す構成図である。
【図9】 この発明の実施の形態8による生鮮食品等の
冷凍装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 高周波誘電加熱機、2 高周波発生電源、3 イン
ダクタンス、4 キャパシタンス、5 印加電極、6
発振回路、7 被冷凍体、8 冷凍機、9 冷却用熱交
換器、10 圧縮機、11 電磁波遮断シールド、12
断熱シールド、13 冷凍庫、20a、20b 有効
凍結期間のずれ、31 高周波発振器、32 高周波用
アンプ、33 アンテナ、34 電磁波、36 TEM
セル、37絶縁台、38 外部方形導体、39 中心導
体板、40 同軸コネクタ、41同軸終端負荷。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 光田 憲朗 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 森 美喜男 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 池内 正毅 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 小沢 明 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 4B022 LA04 LB01 LN10

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中波、短波、超短波のいずれかの周波数
    の電磁波を用いて、生鮮食品等の被冷凍体を誘電加熱
    し、前記誘電加熱により前記被冷凍体に吸収されるエネ
    ルギーよりも大きなエネルギーで冷却して、被冷凍体を
    凍結させることを特徴とする生鮮食品等の冷凍方法。
  2. 【請求項2】 誘電加熱は、氷の比誘電損率が水より大
    きくなる周波数の電磁波、あるいは氷と水の比誘電損率
    差が小さい周波数の電磁波で行うことを特徴とする請求
    項1に記載の生鮮食品等の冷凍方法。
  3. 【請求項3】 誘電加熱は、500kHz以上6MHz
    以下、あるいは30MHz以上60MHz以下の周波数
    の電磁波で行うことを特徴とする請求項1に記載の生鮮
    食品等の冷凍方法。
  4. 【請求項4】 電磁波の照射手段は、アンテナであるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の生鮮食品等の冷凍方
    法。
  5. 【請求項5】 電磁波の照射手段は、TEMセルである
    ことを特徴とする請求項1に記載の生鮮食品等の冷凍方
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし3のいずれかに記載の周
    波数の電磁波を発生する手段と、前記電磁波を生鮮食品
    等の被冷凍体に照射して誘電加熱する手段と、前記誘電
    加熱により前記被冷凍体に吸収されるエネルギーよりも
    大きなエネルギーで冷却して被冷凍体を凍結させる手段
    とを備えたことを特徴とする生鮮食品等の冷凍装置。
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