JPH0541971A - 食品用解凍方法およびその装置 - Google Patents
食品用解凍方法およびその装置Info
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- JPH0541971A JPH0541971A JP3287400A JP28740091A JPH0541971A JP H0541971 A JPH0541971 A JP H0541971A JP 3287400 A JP3287400 A JP 3287400A JP 28740091 A JP28740091 A JP 28740091A JP H0541971 A JPH0541971 A JP H0541971A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 形状が不定形の食品の解凍を局部的な焼けや
煮えの発生がなく、解凍時間を短縮し、解凍初期から解
凍庫内温度を常温として解凍処理時間を短くし、種類、
重量、形状等の異なる被解凍物を同時に解凍処理する。 【構成】 単一の高周波発振器6に自動切換器15を介
して解凍庫1内に相対峙して対になった複数の高圧電極
4と接地電極5とを結線し、各両電極4,5間に同一ま
たは異なった被解凍物16を介在させ、各両電極間に個
別にかつ順番に高周波電圧を間欠的に印加し、解凍終了
までの合計の高周波発振時間を同一または可変とする。
煮えの発生がなく、解凍時間を短縮し、解凍初期から解
凍庫内温度を常温として解凍処理時間を短くし、種類、
重量、形状等の異なる被解凍物を同時に解凍処理する。 【構成】 単一の高周波発振器6に自動切換器15を介
して解凍庫1内に相対峙して対になった複数の高圧電極
4と接地電極5とを結線し、各両電極4,5間に同一ま
たは異なった被解凍物16を介在させ、各両電極間に個
別にかつ順番に高周波電圧を間欠的に印加し、解凍終了
までの合計の高周波発振時間を同一または可変とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は食品を高周波を用いた誘
電加熱により解凍する食品用解凍方法およびその装置に
関するものである。
電加熱により解凍する食品用解凍方法およびその装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高周波を用いた誘電加熱による解
凍には、解凍庫内の温度を適宜制御し、被解凍物の種
類、重量および解凍終温等に応じて高周波出力を制御
し、高圧電極と接地電極から成る単数または複数組の電
極間に被解凍物を介在させ、単一の高周波発振器から該
単数または複数組の電極間に連続的に同時に高周波電圧
を印加し、該印加した高周波電圧を前記両電極間の距離
を変更することにより、高周波電界の強度を時間的に変
化させたり、電極の面積を被解凍物の形状に合せて縮小
し、局所の電界強度集中を避けたり、電極板間に介在さ
せる被解凍物の厚さを同一にすることにより電界強度が
均一になるようにしたり等して制御し、被解凍物の解凍
を行っている。
凍には、解凍庫内の温度を適宜制御し、被解凍物の種
類、重量および解凍終温等に応じて高周波出力を制御
し、高圧電極と接地電極から成る単数または複数組の電
極間に被解凍物を介在させ、単一の高周波発振器から該
単数または複数組の電極間に連続的に同時に高周波電圧
を印加し、該印加した高周波電圧を前記両電極間の距離
を変更することにより、高周波電界の強度を時間的に変
化させたり、電極の面積を被解凍物の形状に合せて縮小
し、局所の電界強度集中を避けたり、電極板間に介在さ
せる被解凍物の厚さを同一にすることにより電界強度が
均一になるようにしたり等して制御し、被解凍物の解凍
を行っている。
【0003】また、解凍庫内温度は目的とする被解凍物
の解凍終温度teに対して、解凍初期には該温度teよ
り低い温度t1に維持し、解凍後期には解凍庫内温度を
該温度t1より高い温度t2に維持する等の制御を行っ
ている。
の解凍終温度teに対して、解凍初期には該温度teよ
り低い温度t1に維持し、解凍後期には解凍庫内温度を
該温度t1より高い温度t2に維持する等の制御を行っ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の高周波を用いた
誘電加熱による解凍は、解凍庫内に対向して設備した高
圧および接地電極間に被解凍物を介在し、高周波発振器
よりの高周波電圧を高圧と接地電極間に印加し、被解凍
物に誘電加熱現象を起させ、この熱で解凍するものであ
るが、被解凍物である食品の形状が不定形で、外面が必
ずしも均一でなく、高周波出力制御や被解凍物の表面温
度管理だけでは、被解凍物の表面や熱容量の小さい部分
等の特定の部分に電界が集中し、誘電率(ε)、誘電力
率(tanδ)が大きくなって吸収エネルギーが増大
し、局部的な温度上昇が発生し、被解凍物が均一に解凍
できず、この局部的な焼けや煮えを防止するためには、
高周波の出力をセーブしたり、電界強度を変更する手段
を講じているが、現状では解凍時間をより短縮させるこ
とができないという欠点がある。
誘電加熱による解凍は、解凍庫内に対向して設備した高
圧および接地電極間に被解凍物を介在し、高周波発振器
よりの高周波電圧を高圧と接地電極間に印加し、被解凍
物に誘電加熱現象を起させ、この熱で解凍するものであ
るが、被解凍物である食品の形状が不定形で、外面が必
ずしも均一でなく、高周波出力制御や被解凍物の表面温
度管理だけでは、被解凍物の表面や熱容量の小さい部分
等の特定の部分に電界が集中し、誘電率(ε)、誘電力
率(tanδ)が大きくなって吸収エネルギーが増大
し、局部的な温度上昇が発生し、被解凍物が均一に解凍
できず、この局部的な焼けや煮えを防止するためには、
高周波の出力をセーブしたり、電界強度を変更する手段
を講じているが、現状では解凍時間をより短縮させるこ
とができないという欠点がある。
【0005】また、解凍初期から解凍庫内の温度を比較
的低温に維持して解凍を開始するものでは、被解凍物を
解凍庫に収納した後に、冷凍装置により解凍庫内温度を
該低温にまで低下させるために、高周波を発振するまで
に時間を要し、解凍処理時間が長くなるという欠点があ
る。
的低温に維持して解凍を開始するものでは、被解凍物を
解凍庫に収納した後に、冷凍装置により解凍庫内温度を
該低温にまで低下させるために、高周波を発振するまで
に時間を要し、解凍処理時間が長くなるという欠点があ
る。
【0006】さらに従来の高周波を用いた誘電加熱によ
る解凍装置では、被解凍物の種類、重量、形状等の異な
るものを同時に処理することは困難であるという欠点が
ある。
る解凍装置では、被解凍物の種類、重量、形状等の異な
るものを同時に処理することは困難であるという欠点が
ある。
【0007】本発明は被解凍物の形状が不定形であって
も局部的な焼けや煮えの発生を防止でき、解凍時間を短
縮化し、解凍初期から解凍庫内の温度を低温に維持せ
ず、解凍処理時間が短く、かつ種類、重量、形状等の異
なる被解凍物を同時に解凍処理のできる食品用解凍方法
およびその装置を提供することを目的とする。
も局部的な焼けや煮えの発生を防止でき、解凍時間を短
縮化し、解凍初期から解凍庫内の温度を低温に維持せ
ず、解凍処理時間が短く、かつ種類、重量、形状等の異
なる被解凍物を同時に解凍処理のできる食品用解凍方法
およびその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は単一の高周波発振器の高圧側に自動切換器
を介して解凍庫内に相対峙して対になった複数の高圧電
極と接地電極との内の複数の高圧電極を結線し、該高周
波発信器の接地側に前記複数の接地電極を結線し、各高
圧電極と接地電極間に同一または異なった被解凍物を介
在させ、該それぞれの高圧電極と接地電極間に対して個
別にかつ順番に高周波電圧を間欠的に印加して高周波を
発振させ、解凍終了までの合計の発振時間が同一または
可変となるようにしたものこある。
に、本発明は単一の高周波発振器の高圧側に自動切換器
を介して解凍庫内に相対峙して対になった複数の高圧電
極と接地電極との内の複数の高圧電極を結線し、該高周
波発信器の接地側に前記複数の接地電極を結線し、各高
圧電極と接地電極間に同一または異なった被解凍物を介
在させ、該それぞれの高圧電極と接地電極間に対して個
別にかつ順番に高周波電圧を間欠的に印加して高周波を
発振させ、解凍終了までの合計の発振時間が同一または
可変となるようにしたものこある。
【0009】また、このときの被解凍物の周囲温度条件
を、解凍初期における被解凍物の周囲温度は、例えば被
解凍物が凍結まぐろの場合には、中心温度が−40〜−
35℃という超低温から高周波が発振されるため、解凍
初期序盤の数分〜10数分程度は解凍庫内温度が目的解
凍終温より高い状態であっても、解凍効果に影響はな
く、これに続く解凍初期の中盤、後盤は解凍促進時間帯
であり、この時間帯において昇温した被解凍物の品温
(目的解凍終温より低い温度)に近い解凍庫内温度に維
持する。
を、解凍初期における被解凍物の周囲温度は、例えば被
解凍物が凍結まぐろの場合には、中心温度が−40〜−
35℃という超低温から高周波が発振されるため、解凍
初期序盤の数分〜10数分程度は解凍庫内温度が目的解
凍終温より高い状態であっても、解凍効果に影響はな
く、これに続く解凍初期の中盤、後盤は解凍促進時間帯
であり、この時間帯において昇温した被解凍物の品温
(目的解凍終温より低い温度)に近い解凍庫内温度に維
持する。
【0010】次に解凍中期においては、解凍庫内温度を
前記被解凍物の品温に近い温度に維持する。
前記被解凍物の品温に近い温度に維持する。
【0011】解凍後期には、解凍庫内温度を被解凍物の
目的解凍終温よりやや低い温度に急上昇させ、該低い温
度に維持する。
目的解凍終温よりやや低い温度に急上昇させ、該低い温
度に維持する。
【0012】
【作用】被解凍物16を相対峙して対となった複数組の
高圧電極4と接地電極5間に介在させ、単一の高周波発
振器6の高圧側と接地側とをそれぞれ該両電極4,5に
結線し、該高周発振器6からの高周波電圧を複数組の両
電極4,5間に自動切換器15を介して個別にかつ順番
に間欠的に印加し、それぞれの高圧電極4、接地電極5
間に個別に高周波を発振するようにしたから、各電極
4,5の面積は高周波出力に対して縮小されたことにな
り、電界強度か均一化するとともに間欠的に高周波を発
振することにより、高周波の発振を停止している間も被
解凍物の温度は遂次上昇する。
高圧電極4と接地電極5間に介在させ、単一の高周波発
振器6の高圧側と接地側とをそれぞれ該両電極4,5に
結線し、該高周発振器6からの高周波電圧を複数組の両
電極4,5間に自動切換器15を介して個別にかつ順番
に間欠的に印加し、それぞれの高圧電極4、接地電極5
間に個別に高周波を発振するようにしたから、各電極
4,5の面積は高周波出力に対して縮小されたことにな
り、電界強度か均一化するとともに間欠的に高周波を発
振することにより、高周波の発振を停止している間も被
解凍物の温度は遂次上昇する。
【0013】また、解凍初期においては、解凍庫1の庫
内温度を被解凍物の目的解凍終温より高い温度から数分
〜10数分間で解凍時の被解凍物の品温に近い温度(目
的解凍終温より低い温度)に急降下させ、解凍中期にお
いては該品温に近い温度を維持し、解凍終期においては
該品温に近い温度を被解凍物の目的解凍終温よりやや低
い温度に昇温、保持するから、被解凍物の中心温度上昇
特性が図6に示すように変化し、被解凍物の局部的な温
度上昇を防止し、局部的な最高、最低温度差も縮小さ
れ、均一な温度に解凍が可能となる。
内温度を被解凍物の目的解凍終温より高い温度から数分
〜10数分間で解凍時の被解凍物の品温に近い温度(目
的解凍終温より低い温度)に急降下させ、解凍中期にお
いては該品温に近い温度を維持し、解凍終期においては
該品温に近い温度を被解凍物の目的解凍終温よりやや低
い温度に昇温、保持するから、被解凍物の中心温度上昇
特性が図6に示すように変化し、被解凍物の局部的な温
度上昇を防止し、局部的な最高、最低温度差も縮小さ
れ、均一な温度に解凍が可能となる。
【0014】
【実施例】本発明実施に使用する食品用解凍装置の一例
と、本発明の実施例と従来の方法との比較実験の結果を
示す添付図面について詳細に説明する。図1は本発明の
食品用解凍装置の概略を示す縦断面図で、図2は本発明
の実施例と従来の方法との比較実験に使用した供試被解
凍物の形態と解凍前の代表部位の温度を示す斜視図で、
図3は解凍後の供試被解凍物の代表部位の温度を示す斜
視図で、図4〜図6は比較実験における被解凍物の解凍
過程を示すもので、図4は最高昇温部、図5は最低昇温
部、図6は中心温度のそれぞれ比較線図である。
と、本発明の実施例と従来の方法との比較実験の結果を
示す添付図面について詳細に説明する。図1は本発明の
食品用解凍装置の概略を示す縦断面図で、図2は本発明
の実施例と従来の方法との比較実験に使用した供試被解
凍物の形態と解凍前の代表部位の温度を示す斜視図で、
図3は解凍後の供試被解凍物の代表部位の温度を示す斜
視図で、図4〜図6は比較実験における被解凍物の解凍
過程を示すもので、図4は最高昇温部、図5は最低昇温
部、図6は中心温度のそれぞれ比較線図である。
【0015】1は解凍庫で、外部への高周波の漏洩を遮
断する金属製箱体2と該箱体2の外面に貼付した外部か
ら熱の侵入を防止する断熱材3から成るものである。
断する金属製箱体2と該箱体2の外面に貼付した外部か
ら熱の侵入を防止する断熱材3から成るものである。
【0016】4,4は板状の高圧電極で、解凍庫1内の
上方に天井面との間に電気絶縁材9,9を介して複数個
該天井面と平行に取付けたものである。
上方に天井面との間に電気絶縁材9,9を介して複数個
該天井面と平行に取付けたものである。
【0017】5,5は板状の接地電極で、金属箱体2底
面に高圧電極4,4と相対峙して平行に取付けたもの
で、相対峙する高圧電極4,4と対をなすものである。
面に高圧電極4,4と相対峙して平行に取付けたもの
で、相対峙する高圧電極4,4と対をなすものである。
【0018】6は高周波発振器で、高圧側を導線7を介
して自動切換装置15に結線し、該自動切換器15に導
線8,8を介して結線した高圧電極4,4と、後述の導
線11、10,10を介して結線した接地電極5,5と
の間に該自動切換器15により個別にかつ順番に間欠的
に高周波電圧を印加するもので、10,10は接地電極
5,5と金属製箱体2とを接地するための導線で、11
は高周波発振器6の接地側を接地するための導線であ
る。
して自動切換装置15に結線し、該自動切換器15に導
線8,8を介して結線した高圧電極4,4と、後述の導
線11、10,10を介して結線した接地電極5,5と
の間に該自動切換器15により個別にかつ順番に間欠的
に高周波電圧を印加するもので、10,10は接地電極
5,5と金属製箱体2とを接地するための導線で、11
は高周波発振器6の接地側を接地するための導線であ
る。
【0019】12は空気を冷却したり、加熱する空気温
度制御装置で、解凍庫1の側方に設置したもので、該制
御装置12の蒸発器13と加熱器14とは解凍庫1内に
設置し、解凍庫1内の空気温度を制御するものである。
度制御装置で、解凍庫1の側方に設置したもので、該制
御装置12の蒸発器13と加熱器14とは解凍庫1内に
設置し、解凍庫1内の空気温度を制御するものである。
【0020】16,16は種類、重量、形状等の同一の
被解凍物である。
被解凍物である。
【0021】これを使用するに当たっては、高圧電極
4,4と接地電極5,5との間にそれぞれ被解凍物1
6,16を介在させ、対となった各電極4,5間に高周
波発振器6から自動切換器15を介して個別かつ順番に
間欠的に繰り返して高周波電圧を印加し、高圧電極4,
4から高周波を発振し、高周波の発振時間が各被解凍物
16に対して同一時間になるように発振するものであ
る。
4,4と接地電極5,5との間にそれぞれ被解凍物1
6,16を介在させ、対となった各電極4,5間に高周
波発振器6から自動切換器15を介して個別かつ順番に
間欠的に繰り返して高周波電圧を印加し、高圧電極4,
4から高周波を発振し、高周波の発振時間が各被解凍物
16に対して同一時間になるように発振するものであ
る。
【0022】また、同時に解凍庫1内の温度を被凍結物
16の解凍終温度teより、解凍初期においては高い温
度t1から該温度teより低い、温度t2に急冷し、解
凍中期までこの温度t2を維持し、解凍終期にこの温度
t2を急速に昇温させて前記解凍終温度teよりやや低
い温度に維持する。
16の解凍終温度teより、解凍初期においては高い温
度t1から該温度teより低い、温度t2に急冷し、解
凍中期までこの温度t2を維持し、解凍終期にこの温度
t2を急速に昇温させて前記解凍終温度teよりやや低
い温度に維持する。
【0023】さらに、高圧電極4,4と接地電極5,5
に介在する被解凍物16が相互に種類、重量、形状等の
異なる場合には、自動切換器15を介して前記同様に高
周波を発振し、高周波の発振時間が各被解凍物16に対
して可変となるよう発振するものである。
に介在する被解凍物16が相互に種類、重量、形状等の
異なる場合には、自動切換器15を介して前記同様に高
周波を発振し、高周波の発振時間が各被解凍物16に対
して可変となるよう発振するものである。
【0024】「比較実験」本発明実施例と従来の方法で
の比較実験を供試被解凍物として図5で示す形態の凍結
まぐろ(約3kg)を2個用い、一方は図1に示す解凍
装置の一対の高圧電極4と接地電極5との間に介在さ
せ、解凍庫1の庫内温度を空気温度制御装置12の蒸発
器13により10℃から−10℃まで5分以内に冷却
し、その後約25分間は−10℃を維持し、その後10
分間で解凍庫1の庫内温度を該制御装置12の加熱器1
4により−4.5℃に上昇させ、この温度を維持する。
の比較実験を供試被解凍物として図5で示す形態の凍結
まぐろ(約3kg)を2個用い、一方は図1に示す解凍
装置の一対の高圧電極4と接地電極5との間に介在さ
せ、解凍庫1の庫内温度を空気温度制御装置12の蒸発
器13により10℃から−10℃まで5分以内に冷却
し、その後約25分間は−10℃を維持し、その後10
分間で解凍庫1の庫内温度を該制御装置12の加熱器1
4により−4.5℃に上昇させ、この温度を維持する。
【0025】前記一組の両電極4,5間に高周波発振器
6から13.56MHzの高周波を最初の5分間は発振
し、次の5分間は停止し、また次の5分間は発振するよ
うに自動切換器15により間欠的に発振する。
6から13.56MHzの高周波を最初の5分間は発振
し、次の5分間は停止し、また次の5分間は発振するよ
うに自動切換器15により間欠的に発振する。
【0026】供試被解凍物の他方は図1に示す解凍装置
の高圧電極4と接地電極5とを2倍の面積とし、自動切
換器15を用いず、両電極4,5間の距離は前記と同一
とし、解凍庫1の庫内温度を解凍初期から40分間空気
温度制御装置12の蒸発器13により−10℃に維持し
た後、該制御装置12の加熱器14により解凍終了まで
徐々に−5℃に昇温するように制御する。
の高圧電極4と接地電極5とを2倍の面積とし、自動切
換器15を用いず、両電極4,5間の距離は前記と同一
とし、解凍庫1の庫内温度を解凍初期から40分間空気
温度制御装置12の蒸発器13により−10℃に維持し
た後、該制御装置12の加熱器14により解凍終了まで
徐々に−5℃に昇温するように制御する。
【0027】前記2倍の面積の両電極4,5に前記同様
の高周波発振器6から連続的に13.56MHzの高周
波を発振する。
の高周波発振器6から連続的に13.56MHzの高周
波を発振する。
【0028】その結果、本実施例のもの(前者)は解凍
時間50分で、図3(A)に示す解凍状態のものが得ら
れ、従来の方法のもの(後者)は解凍時間65分で図3
(B)に示す解凍状態のものが得られた。
時間50分で、図3(A)に示す解凍状態のものが得ら
れ、従来の方法のもの(後者)は解凍時間65分で図3
(B)に示す解凍状態のものが得られた。
【0029】前記両者の解凍過程における最高昇温部
(図2の最高点位置)の温度、最低昇温部(図2の最低
点位置)の温度および中心温度(図2の中心点位置)の
温度変化をプロットするとそれぞれ図4,図5,図6に
示すようになる。
(図2の最高点位置)の温度、最低昇温部(図2の最低
点位置)の温度および中心温度(図2の中心点位置)の
温度変化をプロットするとそれぞれ図4,図5,図6に
示すようになる。
【0030】以上の比較実験から解凍過程および解凍終
了後における被解凍物の各部位の温度の均一性と解凍時
間の短縮化の点で本発明の優位性が検証された。
了後における被解凍物の各部位の温度の均一性と解凍時
間の短縮化の点で本発明の優位性が検証された。
【0031】なお、17は送風機で、空気温度制御装置
12の蒸発器13およひ加熱器14からの冷気および暖
気を解凍庫1内に行き渡らせ、解凍庫1内を均等に冷却
または加熱するものである。
12の蒸発器13およひ加熱器14からの冷気および暖
気を解凍庫1内に行き渡らせ、解凍庫1内を均等に冷却
または加熱するものである。
【0032】
【発明の効果】本発明は以上のような構成で、高周波発
振器6からの高周波電圧を自動切換器15を介してそれ
ぞれ相対峙して対となった高圧電極4,4と接地電極
5,5間に個別にかつ順番に間欠的に印加し、各両電極
4,5間に介在させた被解凍物16に対して発振時間を
同一または解凍の前、中、後期に応じてその発振時間を
可変として高周波を発振するようにしたから、それぞれ
の高圧電極4,4および接地電極5,5の面積は高周波
出力に対して縮小されたことになり、各両電極4,5間
に介在した被解凍物16に発振される高周波電界強度を
均一化することが可能となり、被解凍物16の最高昇温
部と最低昇温部との温度差が縮小されるとともに、被解
凍物16の中心温度上昇が顕著となり、解凍状態の温度
の均一化が可能となり、且つ解凍時間を短縮することが
できる。また、解凍初期の解凍庫1の庫内温度を常温か
ら開始することができることにより、解凍初期序盤の解
凍庫内温度を解凍終温度teより低い温度に冷却する必
要がなく、その冷却に要する時間が省け、併せて解凍時
間の短縮化が可能となる。さらに、種類、重量、形状等
の異なった被解凍物16を各組の電極4,5間に介在さ
せ、自動切換器15により高周波発振時間を異にするこ
とによって同時に異なる被解凍物16の解凍が可能とな
る。
振器6からの高周波電圧を自動切換器15を介してそれ
ぞれ相対峙して対となった高圧電極4,4と接地電極
5,5間に個別にかつ順番に間欠的に印加し、各両電極
4,5間に介在させた被解凍物16に対して発振時間を
同一または解凍の前、中、後期に応じてその発振時間を
可変として高周波を発振するようにしたから、それぞれ
の高圧電極4,4および接地電極5,5の面積は高周波
出力に対して縮小されたことになり、各両電極4,5間
に介在した被解凍物16に発振される高周波電界強度を
均一化することが可能となり、被解凍物16の最高昇温
部と最低昇温部との温度差が縮小されるとともに、被解
凍物16の中心温度上昇が顕著となり、解凍状態の温度
の均一化が可能となり、且つ解凍時間を短縮することが
できる。また、解凍初期の解凍庫1の庫内温度を常温か
ら開始することができることにより、解凍初期序盤の解
凍庫内温度を解凍終温度teより低い温度に冷却する必
要がなく、その冷却に要する時間が省け、併せて解凍時
間の短縮化が可能となる。さらに、種類、重量、形状等
の異なった被解凍物16を各組の電極4,5間に介在さ
せ、自動切換器15により高周波発振時間を異にするこ
とによって同時に異なる被解凍物16の解凍が可能とな
る。
【図1】本発明の解凍装置の概略を示す縦断面図であ
る。
る。
【図2】本発明の実施例と従来の方法との比較実験に使
用する供試被解凍物の形状と代表部位の温度(℃)を示
す斜視図である。
用する供試被解凍物の形状と代表部位の温度(℃)を示
す斜視図である。
【図3】解凍後の供試被解凍物の代表部位の温度を示す
斜視図で、(A)は本発明実施例のもので、(B)は従
来方法のものである。
斜視図で、(A)は本発明実施例のもので、(B)は従
来方法のものである。
【図4】高周波を間欠的と連続的に発振した場合の供試
被解凍物を使用して本発明実施例と従来の方法との比較
実験での解凍過程における最高昇温部の比較線図であ
る。
被解凍物を使用して本発明実施例と従来の方法との比較
実験での解凍過程における最高昇温部の比較線図であ
る。
【図5】同解凍過程における最低昇温部の比較線図であ
る。
る。
【図6】同解凍過程における中心温度の比較線図であ
る。
る。
1 解凍庫 2 金属製箱体 3 断熱材 4 高圧電極 5 接地電極 6 高周波発振器 7,8 導線 9 電気絶縁材 10 ,11 導線 12 空気温度制御装置 13 蒸発器 14 加熱器 15 自動切換器 16 被解凍物 17 送風機
Claims (6)
- 【請求項1】 解凍庫内の相対峙して対になった複数組
の高圧電極と接地電極間に高周波発振器から自動切換器
を介して高周波電圧を印加し、各組の電極間に介在させ
た被解凍物に個別にかつ順番に高周波を間欠的に発振さ
せて解凍することを特徴とする食品解凍方法。 - 【請求項2】 相対峙して対になった複数組のそれぞれ
の電極間に種類、形状、重量の同一な被解凍物を介在
し、解凍終了までの高周波発振時間を各組の電極に対し
て自動切換器により同一としたことを特徴とする請求項
1記載の食品用解凍方法。 - 【請求項3】 相対峙して対になった複数組のそれぞれ
の電極間に種類、形状、重量の異なる被解凍物を介在
し、解凍終了までの高周波発振時間を各組の電極間に介
在した該被解凍物に対して自動切換器により可変とした
ことを特徴とする請求項1記載の食品用解凍方法。 - 【請求項4】 高周波による被解凍物の解凍の中期およ
びまたは後期から相対峙して対になった複数組の電極間
に介在した被凍結物に対して自動切換器により個別にか
つ順番に高周波を間欠的に発振することを特徴とする請
求項1〜3に記載の食品用解凍方法。 - 【請求項5】 高周波による被解凍物の解凍初期におい
ては、被解凍物の周囲温度を被解凍物の解凍終温度te
より高い温度t1から該終温度teより低い温度t2に
急冷し、解凍中期には該温度t2を維持し、解凍終期に
おいては該温度t2を急速に解凍終温度teよりやや低
い温度に昇温して維持することを特徴とする請求項1〜
4に記載の食品用解凍方法。 - 【請求項6】 解凍庫内にそれぞれ相対峙して対になっ
た複数組の高圧電極と接地電極とを設け、各高圧電極と
その高圧側をそれぞれ結線し、その接地側を接地電極と
結線した高周波発振器を設け、該各両電極間に高周波発
振器からの高周波電圧を個別にかつ順番に間欠的に印加
する自動切換器を設けたことを特徴とする食品用解凍装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3287400A JPH0541971A (ja) | 1991-08-08 | 1991-08-08 | 食品用解凍方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3287400A JPH0541971A (ja) | 1991-08-08 | 1991-08-08 | 食品用解凍方法およびその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0541971A true JPH0541971A (ja) | 1993-02-23 |
Family
ID=17716852
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3287400A Pending JPH0541971A (ja) | 1991-08-08 | 1991-08-08 | 食品用解凍方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0541971A (ja) |
Cited By (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
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- 1991-08-08 JP JP3287400A patent/JPH0541971A/ja active Pending
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