JP7029131B2 - 冷凍農水産物・加工食品の迅速均一解凍法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍魚肉を中心とした冷凍農水産物・加工食品の迅速均一解凍法に用いることができる、効率的な周波数電磁波による農水産物・加工食品の迅速、均一、高品質解凍技術に関する。
冷凍保存技術は、農水産物や加工食品の鮮度や品質を保ったまま長期保存を可能にする現代社会に欠かせない技術であるが、利用に先立ち必要な家庭向けおよび業務用向けの適切な解凍技術が見当たらない。冷凍品を解凍するときの温度変化はすべて図1に従う。保存冷凍温度から温度上昇し-5℃付近までに達する部分(A帯)、-5℃から-2℃まで緩やかな温度変化を示す部分(B帯)、-2℃付近から室温もしくは加温温度まで上昇する部分(C帯)の3つの部分からなる。このうち、B帯は氷(固相)から水(液相)へと劇的相変換を伴い、氷結晶生成帯と呼ばれる。氷結晶生成帯は食品の組織破壊をもたらし、ドリップ発生につながる。従って、トータルの解凍時間はもとより、とりわけB帯を短時間で通過させることが、解凍食品の品質を保つことになる。また、解凍時の中心部と表面の温度ムラは解凍品の煮えを誘発し、品質劣化につながることより、温度ムラのない解凍法が求められる。
冷凍品の解凍法には、室温または冷蔵庫内自然解凍法や流水解凍法などの古典的解凍方法(周囲の熱を利用することより「外部加熱法」とされる)や、13MHz周辺の高周波や2.5GHz周辺のマイクロ波を利用する電磁波解凍法(被解凍物の内部から加熱することより「内部加熱法」とされる)などがある。非特許文献1には解凍方法に求められる要件として、(1)均一に解凍する、(2)解凍終温が高くならない、(3)短時間で解凍終温まで昇温する、(4)解凍時のドリップ・ロスが少ない、(5)解凍中の乾燥が少ない、(6)解凍中の汚染が少ない、(7)変色がないなどが挙げられる。
非特許文献1では解凍に用いられている電磁波は、高周波帯では11~40MHzの電磁波(13MHzが中心)が、マイクロ波帯では915または2,450MHzの電磁波(2.45GHzが中心)があるとされる。特許文献1では、10~100MHz電磁波を対象に照射した時に発生する高周波出力を読み取り、それが適切なレベルに保たれるよ
う調整する装置を組込み、対象の部分過加熱(煮え)を防ぐ方式を採用している。この背景には、周波数により対象への浸透性が劣り、表面だけで過加熱をおこすことを前提としており、用いる周波数によっては不要の装備ともいえる。特許文献2では、1~100MHz電磁波を対象に照射することを第一段階(誘電加熱工程)とし、引き続き外部から対象にミストやジェットシャワーを浴びせて加温することを第二段階(外部加熱工程)とする2工程からなる解凍法で、煩雑で大がかりな装置を要するものである。特許文献3では、10~300MHz電磁波をショ糖などの凍結保護物質を塗布もしくは混入させ冷凍した解凍対象に、10~300MHz電磁波を照射し解凍する方法で、新鮮かつ繊細な味が求められる水産物の解凍には用いることは不可能といえる。特許文献4に記載の解凍装置では、照射炉体(キャビティ)と、増幅器(アンプ)と、整合器(マッチング)とを備える。照射炉体内部にはアンテナを備える。整合器は照射された電磁波の強度と反射される電磁波の強度を検知し、両者の差を実質的な出力(ワット数、W)とし、初期設定した値になるように調整している。そして、特許文献4においては100MHz±10MHzが利用されている。解凍に用いられている電磁波で問題とされているのは、13MHz周辺では、対象の大きさや厚みなどの形状、水分など成分組成が影響すること、照射を近接する電極間で行うために発生する放電による“こげ”などがある。2.45GHzでは電磁波の浸透性が低いために起こる表面の“煮え”や不均一解凍などがある。100MHz±10MHzでは、これらの問題は少ないものの、B帯通過時間の短縮と、中心部と表面の温度ムラを少なくする効果、およびそれを達成する照射条件であるかについては十分な検討がなされていない。
電磁波を解凍に用いる際に問題となる点は、13MHz周辺では、対象の大きさや厚みなどの形状、水分など成分組成が影響すること、照射を近接する電極間で行うために発生する放電による“こげ”などがある。2.45GHzでは電磁波の浸透性が低いために起こる表面の“煮え”や不均一解凍などがある。現在のところ、電磁波利用解凍法は、解凍後の冷凍品に求められるあらゆる鮮度と品質を満足する解凍状態を提供することはできていない。また、100~300MHzの範囲においても、前記13MHz周辺および2.45GHz周辺域の有する課題は一部解決できるものの、B帯通過時間を短縮しつつ、表面と中心部の温度差がないという効果を達成する最適な照射条件または照射方法については具体的に検討された例がなく、なお未解決な課題は残されている。
特開昭57-68775号公報 特開2000-262263号公報 特開2002-272436号公報 国際公開第2015/16171号
露木英男、「業務用高周波解凍機・マイクロ波解凍機について」、 コールドチェーン、3(1)、2-15(1977)
特許文献4で使用されている解凍用電磁波100MHzも含めて、周辺周波数の電磁波について、良好な電磁波解凍に深く関わる、トータル解凍時間、特にB帯通過所要時間、中心部と表面の温度差、解凍終了後の温度上昇速度などについて検討を加え、最適解凍能力を有する電磁波周波数を明らかにし、提案するものである。
古来日本では、水産物については生食の文化が広く根付いており、刺身やすしに代表される生食は今なお広く好まれている。このことは、消費者が解凍品を生鮮水産品や生鮮水産加工品と同様程度の厳しい基準で評価し、購入し、食するという食文化の形成にも影響している。したがって、水産業および水産加工業においては、多量のドリップ、変色、微生物汚染にともなう食中毒、過加熱といった品質低下を招きうる従来の解凍方法の使用は、事業業績の低下に直結する重大かつ解決すべき課題であり、より優れた解凍技術の創出が待たれている。
本発明は、解凍品の品質に大きく影響するトータル解凍速度、その中でも律速段階になっているB帯通過時間を短縮させ、解凍時の表面の煮えや乾燥に結びつく中心部と表面の温度ムラをなくし、解凍食品の焦げや変形につながる解凍後(-2℃以上)の急激な温度上昇を少なくすることが可能な解凍用電磁波を提供することを目的とする。
電磁波解凍を優れた解凍法にするには、下記の要件を満たす電磁波周波数を明らかにすることである。求められる要件の一つは、良質な解凍に欠かせない解凍時間の短縮化、特にB帯通過所要時間を短縮して解凍できることである。二つ目は、解凍中の煮えやこげをなくす上で欠かせない中心部と表面の温度差が小さいことであり、このことは自動解凍機に装着されるであろう表面温度センサーによる自動運転・自動停止技術を確実なものにするうえでも必要とされる。三つめは、最終的な煮えを防ぐ解凍後(-2℃以上)の急激な温度上昇の少ないことである。これに合致した電磁波を用いることで、品質を保ちながら、迅速に解凍する電磁波解凍機が現実味を帯びると考える。
従来の古典的解凍技術では冷凍食品の解凍は解凍時間が長く、解凍後のドリップ発生が問題となっている。電磁波を用いる様々な解凍法が提案されているが、解凍中の煮えやこげ、ドリップ発生、変色などが問題とされている。この理由として、解凍時間、特にB帯通過時間の長さ、解凍品の中心と表面の温度ムラ、解凍後(-2℃以上)の急激な温度上昇などがある。特許文献4で利用されている100MHz±10MHz電磁波は、優れた周波数帯であるが、それらの情報が欠けている。本発明で、解凍速度、特にB帯通過速度、中心部と表面の温度ムラ、解凍後(-2℃以上)の急激な温度上昇などの上で、優れた特性を持つ電磁波として130-150MHz帯電磁波を提案する。これを用いることで、極めて優れた迅速均一電磁波解凍法が確立できるものと考える。
本出願書で使用する用語の説明図。冷凍品を電磁波解凍する際の品温の変化 と、温度変化帯A帯(冷凍保存温度~―5℃まで)、B帯(-5℃~ ―2℃)、C 帯(―2℃から室温まで)を解説する図である。 -50℃に保管したマグロブロック(5cm×5cm×4cm、約90g) を60MHz、100MHz、140MHz、170MHzおよび300MHzの電 磁波で解凍した際の、中心部での温度変化(解凍曲線)を示した図である。 冷凍マグロブロックを100MHzから170MHzの電磁波で解凍した際 の、解凍(-2℃に達するまで)に要する時間を示す図である。 図3の解凍所要時間の中の、A帯(-50℃から-5℃)通過所要時間を示 す図である。 図3の解凍所要時間の中の、B帯(-5℃から-2℃)通過所要時間を示す 図である。 冷凍マグロブロックを100MHzから170MHz電磁波で解凍した際の B帯(-5℃から-2℃)の解凍曲線を示す図である。 冷凍マグロブロックを100MHzから170MHzの電磁波で解凍した際 のマグロブッロク中心部(表面から2.5cm)と表面(表面から0.5cm)に奥 行き2.5cmに穿刺した光ファイバー温度計で測定した解凍温度を示す図である。 冷凍マグロブロックを60MHzから300MHzの電磁波で解凍したのち 、引き続き電磁波照射した際のC帯(-2℃から20℃)通過所要時間を示す図であ る。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1は冷凍品を解凍するときの温度変化(解凍曲線)を示す。すべての冷凍品はこのような解凍曲線に沿って解凍される。このうち、保存冷凍温度から温度上昇し-5℃付近までに達する部分(A帯)、-5℃から-2℃まで緩やかな温度変化を示す部分(B帯)、―2℃付近から室温もしくは加温温度まで上昇する部分(C帯)の3つの部分からなる。B帯(-5℃から-2℃)通過に長時間を要すること、図6にあるように温度を繰り返し変動させながらゆっくり品温を上昇させることがわかる。ここで、冷凍品の組織破壊が起きるとされることより、B帯を迅速に通過させる解凍法が望まれている。
図2は、冷凍マグロブロック(5cm×5cm×4cm、約90g)を60MHz、100MHz、140MHz、170MHzおよび300MHzの電磁波で解凍した際の、中心部の温度変化(解凍曲線)を示した図である。電磁波での解凍は、特許文献4で開示されている解凍装置を試作して行った。電磁波出力は25Wとし、周波数および電磁波出力は解凍が完了するまで変更せず照射した。また、冷凍マグロブロックの中心部(表面から2.5cm)に奥行き2.5cmに穿刺した光ファイバー温度計(ASTECH社製)によって温度を測定した。特許文献4で開示される100MHzでの解凍では、B帯を通過するのに20分以上を必要としている。このことは60MHz解凍と比較すれば優れているものの、140MHz、170MHzおよび300MHzと比較すれば改善すべき状況であることが明らかである。一方、140MHz以上の電磁波を採用すると、C帯での温度の急上昇の程度が高く、100MHzに比較すると煮えに対するリスクが高い採用であることも明らかである。したがって、適切な周波数選択のもとでの解凍が重要であることがわかる。
図3は、冷凍マグロブロックを100MHzから170MHzの10MHz間隔で変更された電磁波で解凍した際の、解凍(-2℃に達するまで)に要する時間を示す図である。用いた周波数以外の条件は、実施例1と同様である。図3に示す通り、130MHzで解凍時間が最短となり、170MHzまではほぼ解凍時間に差がないことが分かった。したがって本実施例では、照射周波数は130MHzから170MHzが好ましいことが分かった。
図4は、冷凍マグロブロックを100MHzから170MHzの10MHz間隔で変更された電磁波で解凍した際のマグロブロック中心部がA帯(-50℃~-5℃)を通過するに費やした時間を示す図である。実施条件は実施例2と同様である。図4に示すとおり、A帯通過所要時間は100MHzから170MHzの範囲ではほぼ差が無いことが分かるとともに、トータル解凍時間はB帯通過所要時間に大きく依存することが示唆された。またこの結果は、冷凍品を冷凍庫に保管することは必ずしも安定な保存、安全な保管とは言えないことを意味し、冷凍庫で繰り返される自動霜取り作業でも、かなりの不安定要因になっている可能性を示唆している。
図5は、冷凍マグロブロックを100MHzから170MHzの10MHz間隔で変更された電磁波で解凍した際のマグロブロック中心部がB帯を通過するに費やす時間を示す図である。実施条件は実施例2および3と同様である。図5で示す通り、特許文献4で使用する100MHzでは最も解凍時間が長く、130MHzで解凍時間が最短となり、170MHzまではほぼ解凍時間に差がないことが分かった。図3と図5で示した周波数ごとの解凍時間の変動傾向が一致しており、実施例3で示唆されたトータル解凍時間に対するB帯通過所要時間の貢献が大きいことが本実施例で改めて確認された。170MHzではトータル解凍時間の27%をB帯が占めるが、100MHzでは58%を占めることも、実施例2および本実施例間のデータを精査することで明らかとなった。本実施例は、したがって、実施例2での結果と同様、照射周波数は130MHzから170MHzが解凍に適しているということが確認された。
図6は、実施例4における各周波数のB帯通過時のマグロブロック中心温度の温度変動の詳細なプロット(解凍曲線)である。どの周波数を選択した場合でも、-3.5℃と-3.0℃の間で温度が上下している時間帯があり、この間氷の融解と再凍結が進行していることを表している。この時間帯が短いほうが、解凍後の品質を良好に保つと考えられる。この視点に基づいて解凍曲線を評価しても、図5に基づく評価と同様に、照射周波数は130MHzから170MHzが解凍に適していることが確認された。
図7は、冷凍マグロブロックを100MHzから170MHzの電磁波で解凍した際のマグロブッロク中心部(表面から2.5cm)と表面(表面から0.5cm)に奥行き2.5cmに穿刺した光ファイバー温度計(ASTECH社製)で測定した解凍温度を示す。そのほかの解凍条件(冷凍マグロブロックの大きさ及び周波数・出力)については前述の実施例と同様である。解凍において、表面と中心部の温度差は冷凍品の解凍後の煮えにつながる原因となることから、温度差が小さい条件ほど優れた条件と評価できる。図7に示す通り、表面と中心部との温度差が最も小さいのは周波数140MHzの電磁波の照射による解凍であった。また、140MHzを中心に、低い周波数または高い周波数の両方向に、表面と中心部との温度差が大きくなる傾向が観察された。実施例4および本実施例での結果を総合的に評価すると、均一解凍、迅速解凍には130MHzから150MHz電磁波帯の電磁波が適していることが明らかとなった。
図8は、冷凍マグロブロックを60MHz、100MHz、140MHz、170MHzおよび300MHzの電磁波で解凍した際のマグロブロック中心部がC帯(-2℃から20℃に達するまで)を通過する所要時間を測定した結果である。その他の実施条件は実施例1と同様である。図8に示す通り、C帯通過所要時間が短かった170MHzと300MHzでマグロ縁辺部に焼け、煮えが発生した。したがって、C帯での影響を考慮すると、170MHz以上の電磁波での解凍はA帯およびB帯域の解凍に供する周波数として選択することが適切ではないことが示唆された。本実施例での検討結果並びに実施例4および実施例5での検討結果を考慮すると、解凍に適切な周波数帯域は130MHzから150MHzの範囲であることが確認された。
また、実施例3および図4は、A帯通過に際し周波数選択が通過所要時間にほとんど影響しないことから、適切な解凍を実施する際には以下のような解凍方法の態様が有効である。1つはA帯通過のための解凍は任意の周波数を選択し、B帯に移行する段階で130MHzから150MHzの範囲の周波数を選択して行うとする態様、もう1つはB帯での効果を最大化することを目的に、A帯からB帯を連続して130MHzから150MHzの範囲の周波数の照射によって行う態様、である。前者の態様の場合は、B帯の照射を行う照射装置と同じ照射装置内でA帯の照射を行ってもよく、A帯の解凍を別の照射装置で行ってもよい。
また、C帯における冷凍食品の温度変化を観察した本発明の実施例に基づけば、C帯においては170MHz以上の周波数の選択は良好な解凍品質を求めるうえで不適切であるといえる。ここに、B帯での検討結果を加味すれば、B帯用に選択される130MHzから150MHzの範囲からC帯用の周波数をも選択するのが好ましい。また、B帯とC帯両方に用いる周波数をそろえる場合、B帯からC帯への解凍は、連続的に同一の照射装置内で行うことが好ましい。
本発明は冷凍農水産物・加工食品の解凍法として、提案されている100MHz±10MHz電磁波を用いる解凍法に代わる、より迅速で、品質を保ち、温度ムラのない解凍法で、冷凍品を扱う水産業のみならず、様々な産業界、家庭にも利用できる技術である。本発明は、冷凍品を解凍させる時間経過に注目したものであるから、その他の食品、例えば冷凍食肉、冷凍野菜、冷凍調味加工食品、その他冷凍品の解凍全般に適応できるものである。

Claims (4)

  1. 冷凍水産物に対し、10MHzから160MHzの電磁波を照射することにより、前記冷凍水産物を、中心部における解凍後の急激な温度上昇を少なくさせて、迅速に解凍することを特徴とする、冷凍水産物の解凍装置。
  2. 冷凍水産物に対し、130MHzから150MHzの電磁波を照射することにより、前記冷凍水産物を、中心部における解凍後の急激な温度上昇を少なくさせて、迅速に解凍することを特徴とする、冷凍水産物の解凍装置。
  3. 冷凍水産物の解凍において、B帯(冷凍水産物の中心温度が-5℃から-2℃の範囲)における解凍を130MHzから150MHzの電磁波を照射することで、中心部における解凍後の急激な温度上昇を少なくさせて、前記B帯における解凍を迅速に行うことを特徴とする、冷凍水産物の解凍装置。
  4. 冷凍水産物の解凍において、B帯(冷凍水産物の中心温度が-5℃から-2℃の範囲)およびC帯(冷凍水産物の中心温度が-2℃から室温の範囲)における解凍を130MHzから150MHzの電磁波を照射することで、中心部における解凍後の急激な温度上昇を少なくさせて、前記B帯における解凍を迅速に行うことを特徴とする、冷凍水産物の解凍装置。
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