JP2011223998A - 料理用酒類、食材の処理方法、不快臭の消臭方法、食感の改善方法、並びに、加工食品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルコール濃度25v/v%換算で、1.0mg/L以上の2−フルアルデヒド、0.3mg/L以上の5−メチル−2−フルアルデヒド、及び0.1mg/L以上の5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドを含有し、最終製品のアルコール濃度が1〜60v/v%である料理用酒類が提供される。原料の少なくとも一部にタマネギを用いる構成、焼酎に属するものである構成が好ましい。当該料理用酒類を用いた食材の処理方法、不快臭の消臭方法、食感の改善方法、並びに、当該料理用酒類で処理された加工食品も提供される。
【選択図】図1
Description
(1)米及び米こうじにしょうちゅう又はアルコールを加えて、こしたもの。
(2)米、米こうじ及びしょうちゅう又はアルコールにみりんその他政令で定める物品を加えて、こしたもの
(3)みりんにしょうちゅう又はアルコールを加えたもの。
(4)みりんにみりんかすを加えて、こしたもの。
(1)米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの。
(2)米、米こうじ、水及び清酒かすその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が米(こうじ米を含む。)の重量の百分の五十を超えないものに限る。)
(3)清酒に清酒かすを加えて、こしたもの。
含硫アミノ酸の例としては、メチオニン、システイン、シスチン、シスタチオニン、タウリン、などが挙げられる。
本発明の料理用酒類は、所定濃度以上の2−フルアルデヒド、5−メチル−2−フルアルデヒド、及び5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドを含有し、最終製品のアルコール濃度が1〜60v/v%であることを特徴とするものである。本発明の料理用酒類は、蒸留することによって得られるものが好ましい。蒸留することにより、前記した3種のフルアルデヒド類が効率的に得られるとともに調理に好適な揮発性成分が濃縮される。その結果、少量の添加で不快臭の消臭効果が得られるとともに、加工食品に前記揮発性成分を付与できる。さらに、品質劣化を惹起する成分は蒸留残渣、末垂れ区分や後留区分に残存することになるため、蒸留して得られた蒸留液の品質安定性は極めて高いものとなる。
また本発明の不快臭の消臭方法は、本発明の料理用酒類を、含硫アミノ酸を含有する調味料に添加、あるいは、本発明の料理用酒類によって畜肉、魚介類、野菜、玉子類等の食材を処理し、これらの調味料や食材から発生する不快臭を消臭するものである。
さらに、本発明の食感の改善方法は、本発明の食材の処理方法によって畜肉又は魚介類を処理し、畜肉又は魚介類の食感を改善するものである。
2−フルアルデヒドが181mg/L、5−メチル−2−フルアルデヒドが0.3mg/L、及び5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドが0.1mg/L(すべてアルコール濃度25v/v%換算)含まれているアルコール濃度40v/v%の酒精含有溶液(料理用酒類)を調製した。アミノ酸液精製R〔播州調味料(株)製〕30mLに、前記したアルコール濃度40v/v%の酒精含有溶液0.3mLを加え、真空密封後、120℃、60分間のレトルト加熱殺菌を行い、15分間冷却し、アミノ酸液のレトルト加熱殺菌処理物を得た(実施例1)。氷冷下、20mL容ヘッドスペースガス測定用バイアルに5mLをはかりとり、ヘッドスペースガスをGC/MSにより分析を行った。分析は、キャピラリーカラムDB−WAX(J&W社製)を接続したガスクロマトグラフG1530A(アジレント社製)に質量検出器5973(HEWLETT PACKARD社製)を連結したもので、常法通り行った。対照は、アルコール濃度40.0v/v%のアルコール水溶液を用いて、同様にレトルト加熱殺菌したものとした(比較例1)。
一方、細断した生タマネギ144gに、95v/v%発酵アルコール42mL、水158mLを加え、同様の条件下、エバポレーターで減圧濃縮し、アルコール濃度24.2v/v%の留液150mLを得た(比較例2−1)。
原料の一部にタマネギを用いて、2−フルアルデヒドが38mg/L、5−メチル−2−フルアルデヒドが0.5mg/L、及び5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドが0.1mg/L(すべてアルコール濃度25v/v%換算)含まれているアルコール濃度25.0v/v%のタマネギ焼酎(料理用酒類)を製造した。このタマネギ焼酎を、割水してアルコール濃度が13.0v/v%となるようにした。この割水したタマネギ焼酎を用い、表1に示す配合の調味液(実施例3と比較例3の計2種)を調製した。表1中の「タマネギ焼酎」は割水したタマネギ焼酎(アルコール濃度13.0v/v%)である。
原料の一部にタマネギを用いて、2−フルアルデヒドが28mg/L、5−メチル−2−フルアルデヒドが0.3mg/L、及び5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドが0.1mg/L(すべてアルコール濃度25v/v%換算)含まれているアルコール濃度12.9v/v%のタマネギ焼酎(料理用酒類)を製造した。このタマネギ焼酎を、割水してアルコール濃度が3.0v/v%となるようにした。
実施例3と同様のタマネギ焼酎(アルコール濃度13.0v/v%)を用い、表2に示す配合で各材料を混合し、ケーシングに注入した後、80℃で30分間ボイルし、氷水で急冷してソーセージ(実施例5と比較例5の計2種)を調製した。表2中の「タマネギ焼酎」は割水したタマネギ焼酎(アルコール濃度13.0v/v%)である。
実施例3と同様のタマネギ焼酎(アルコール濃度13.0v/v%)を用い、表3に示す配合で各材料を混合し、ケーシングに注入した後、5℃で一晩静置した。その後、96℃で1時間ボイルし、氷水で急冷して蒲鉾を調製した。表3中の「タマネギ焼酎」は割水したタマネギ焼酎(アルコール濃度13.0v/v%)である。
食塩濃度15w/w%の塩蔵大根を1w/w%になるまで流水脱塩して、5mm厚に輪切りした。実施例3と同様のタマネギ焼酎(アルコール濃度13.0v/v%)を用い、表4に示す配合の調味液で調味漬けを行った後、70℃の湯浴中で10分間殺菌して大根の沢庵漬けを調製した。かつお節調味液として「だししるべKP−1」(宝酒造株式会社製)、昆布調味液として「だししるべL−利尻」(宝酒造株式会社製)を、それぞれ使用した。表4中の「タマネギ焼酎」は割水したタマネギ焼酎(アルコール濃度13.0v/v%)である。
実施例3と同様のタマネギ焼酎(アルコール濃度13.0v/v%)を用い、表5に示す配合の茶碗蒸し調味液(実施例8と比較例8の計2種)を調製した。表5中の「タマネギ焼酎」は割水したタマネギ焼酎(アルコール濃度13.0v/v%)である。
アルミ積層のレトルトパウチに紅ズワイガニ5g、実施例3と同様のタマネギ焼酎(アルコール濃度13.0v/v%)5mLを入れ、自動真空包装機で真空密封後、120℃、60分、0.185MPaで加熱殺菌を行った(実施例9)。対照は、紅ズワイガニ5gとタマネギ焼酎の代わりにアルコール濃度13.0v/v%のアルコール水溶液5mLを入れ、同様に加熱したものとした(比較例9)。実施例9と比較例9について、不快臭等を、熟練したパネラー11名により官能評価試験を行った。その結果、11名中11名が、比較例9より実施例9の方が、カニ加熱時に発生する不快臭が消臭されていると回答した。
アルミ積層のレトルトパウチにキャベツ30g、水28.5mL、実施例3と同様のタマネギ焼酎(アルコール濃度13.0v/v%)1.5mLを入れ、自動真空包装機で真空密封後、120℃、60分、0.185MPaで加熱殺菌を行った(実施例10)。対照は、キャベツ30gとタマネギ焼酎の代わりにアルコール濃度13.0v/v%のアルコール水溶液1.5mLを入れ、同様に加熱したものとした(比較例10)。実施例10と比較例10について、不快臭等を、熟練したパネラー11名により官能評価試験を行った。その結果、11名中11名が、比較例10より実施例10の方が、キャベツ加熱時に発生する不快臭が消臭されていると回答した。
実施例3と同様にして、アルコール濃度25.0v/v%のタマネギ焼酎(料理用酒類)を製造した。このタマネギ焼酎に加塩清酒と食塩を添加し、割水してアルコール濃度が13.0v/v%となるようにした。この割水したタマネギ焼酎を含有する発酵調味料を用い、表6に示す配合で混合し、ケーシングに入れソーセージ状の形状に成型し、80℃で40分間処理を行い、成型卵白を調製した(実施例11)。対照は、タマネギ焼酎を含有する発酵調味料の代わりにアルコール濃度13.0v/v%のアルコール水溶液10gを入れ、同様に加熱・成型したものとした(比較例11)。
Claims (11)
- アルコール濃度25v/v%換算で、1.0mg/L以上の2−フルアルデヒド、0.3mg/L以上の5−メチル−2−フルアルデヒド、及び0.1mg/L以上の5−ヒドロキシメチル−2−フルアルデヒドを含有し、最終製品のアルコール濃度が1〜60v/v%であることを特徴とする料理用酒類。
- 原料の少なくとも一部にタマネギを用いたものであることを特徴とする請求項1に記載の料理用酒類。
- 蒸留酒類、みりん、清酒又は老酒に属するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の料理用酒類。
- 前記蒸留酒類が焼酎であることを特徴とする請求項3に記載の料理用酒類。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の料理用酒類を食材に接触させ、加熱する工程を含むことを特徴とする食材の処理方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の料理用酒類を、含硫アミノ酸を含有する調味料に添加し、前記調味料の加熱時に発生する不快臭を消臭することを特徴とする不快臭の消臭方法。
- 請求項5に記載の食材の処理方法によって食材を処理し、前記食材の不快臭を消臭することを特徴とする不快臭の消臭方法。
- 前記食材が、畜肉、魚介類、野菜又は玉子類であることを特徴とする請求項7に記載の不快臭の消臭方法。
- 請求項5に記載の食材の処理方法によって畜肉又は魚介類を処理し、畜肉又は魚介類の食感を改善することを特徴とする食感の改善方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の料理用酒類を食材に接触させることによって得られることを特徴とする加工食品。
- 前記食材は、畜肉、魚介類、野菜又は玉子類であることを特徴とする請求項10に記載の加工食品。
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