JP2001352914A - 食品のオフフレーバーの除去方法及び消臭剤 - Google Patents

食品のオフフレーバーの除去方法及び消臭剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、魚貝類、畜肉製品及び野菜
類等の食品のオフフレーバーを効果的に除去する食品の
オフフレーバーの除去方法及び消臭剤等を提供すること
にある。 【解決手段】 本発明はスチレン構造を有するフェノー
ル化合物の多量体及び/又はスチレン構造を有するフェ
ノール化合物を酸素の存在下で酸化反応させて得られる
反応混合物を食品に存在させることを特徴とする食品の
オフフレーバーの除去方法及びスチレン構造を有するフ
ェノール化合物の多量体を含有する消臭剤及び/又はス
チレン構造を有するフェノール化合物を酸素の存在下で
酸化反応させて得られる反応混合物を含有する消臭剤等
を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、魚貝類、畜肉製品
及び野菜類等の食品のオフフレーバーの除去方法及び消
臭剤等に関する。
【0002】
【従来の技術】食品の品質に悪影響を及ぼす要素の一つ
として魚貝類の生臭さ、畜肉類の獣臭、大豆の青臭さ等
の不快臭等のいわゆるオフフレーバーがあげられる。こ
れらオフフレーバーのマスキングを目的として、食品の
加工、調理時に清酒、ワイン、焼酎、みりん等が使用さ
れている。これらの添加による消臭効果は、エタノール
によるところが大きいと考えられている。
【0003】消臭に有効な物質に関しては、前述のエタ
ノールの他にアミノ酸及び有機酸[日食工誌,29(6),340
(1982)]、アミノ・カルボニル反応生成物[J.Fish Sau
sage,212,15(1982)]、糖類[日食工誌, 46(5),319(199
9)]及びフェノール化合物[日食工誌, 29(7),426(198
2)]等が知られている。食品加工技術を利用した伝統的
な消臭方法の一つとして燻煙が挙げられるが、燻煙によ
る消臭に関しては前述のフェノール化合物の関与が報告
されている[日水誌,47(1),113(1981)、J.Fish Sausage,2
12,15(1982)]。
【0004】フェノール化合物の一種であるバニリン
は、魚貝類のオフフレーバーであるトリメチルアミンの
臭気を抑える物質としてよく知られているが、バニリン
は特有の甘い香りを有するため、食品の種類によっては
不快臭とされ、消臭剤として利用されていない。フェノ
ール化合物の一種である4−ビニルグアヤコールは該バ
ニリンの前駆体の一つであるが、清酒、ワイン等の醸造
製品の分野においてそれ自身オフフレーバー成分の一つ
であると考えられており、製造工程において可能な限り
生成を抑制する検討がされている。
【0005】一方、フェルラ酸から4−ビニルグアヤコ
ールを生成する活性を有するフェルラ酸脱炭酸酵素の酵
素源として、酵母やカビの存在が知られており、酵母の
フェルラ酸脱炭酸酵素遺伝子が取得されている[Gene,1
42,107(1994)、特開平10−276788号公報]。食
品のオフフレーバーには元々、食品の素材に存在するも
のと加工、調理工程で生成するものとがある。後者の加
工、調理工程で生成するオフフレーバーの一つとして、
加熱による脂質の酸化反応によるものが知られている。
酸化反応で生成するオフフレーバーは酸化反応を抑制す
ることによって減少させることができるので、抗酸化活
性を有する物質を存在させることがオフフレーバー除去
の有効な手段の一つであると考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の一つの目的
は、魚貝類、畜肉製品及び野菜類等の食品のオフフレー
バーを効果的に除去する食品のオフフレーバーの除去方
法及び消臭剤等を提供することにある。本発明の別の目
的の一つは、本発明の消臭剤を含有する製品を提供する
ことである。
【0007】本発明の別の目的の一つは、フェノール化
合物を酸素の存在下で反応させる酸化反応工程を含む消
臭剤の製造方法及び当該製造方法により製造された消臭
剤を提供することである。本発明の別の目的の一つは、
フェノール化合物を酸素の存在下で反応させる酸化反応
工程を含む調味料の製造方法及び当該製造方法により製
造された調味料を提供することである。
【0008】本発明の別の目的の一つは、モロミを酸素
の存在下で反応させる酸化反応工程を含む酒の製造方法
及び当該製造方法により製造された酒を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、スチレン構造
を有するフェノール化合物の多量体を食品に存在させる
ことを特徴とする食品のオフフレーバーの除去方法を提
供する。また、本発明は、スチレン構造を有するフェノ
ール化合物の多量体を含有する消臭剤を提供する。
【0010】また、本発明は、スチレン構造を有するフ
ェノール化合物の多量体を含有する調味料を提供する。
また、本発明は、スチレン構造を有するフェノール化合
物の多量体を含有する化粧料を提供する。また、本発明
は、スチレン構造を有するフェノール化合物の多量体を
含有する酸化防止剤を提供する。
【0011】また、本発明はスチレン構造を有するフェ
ノール化合物を酸素の存在下、その多量体に変換させる
ことを特徴とするスチレン構造を有するフェノール化合
物の多量体の製造法を提供する。また、本発明は調味料
の製造法において、その製造工程のいずれかの時期にス
チレン構造を有するフェノール化合物を存在させ、調味
料の製造工程中または製造工程終了後に、該フェノール
化合物を酸素の存在下で反応させる酸化反応工程を含む
ことを特徴とする調味料の製造方法を提供する。
【0012】また、本発明は酒の製造方法において、モ
ロミを酸素の存在下で反応させる酸化反応工程を含む酒
の製造方法を提供する。また、本発明は、食品を上記の
消臭剤を用いて調理することを特徴とする消臭された食
品の製造法および該製造法により得られる食品を提供す
る。また、本発明は、食品を上記の消臭剤を用いて調理
することを特徴とする食品の消臭方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】スチレン構造を有するフェノール
化合物としては、ベンゼン環上にヒドロキシル基及びビ
ニル基を有する化合物(該ビニル基はカルボキシル基等
で置換されていてもよい)であれば特に限定されない
が、一般式(I)
【0014】
【化2】
【0015】(式中、R1は水素原子またはカルボキシ
ル基を表し、R2は水素原子または低級アルコキシ基を
表す)で表される化合物が好ましい。ここで低級アルコ
キシ基の低級アルキル部分としては、例えば、直鎖また
は分岐状の炭素数1〜6のものがあげられ、具体的に
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、ペンチル基、へキシル基等があげられ
る。なお、一般式(I)で表される化合物の多量体にお
いては、各化合物は同一でも異なっていてもよい。
【0016】スチレン構造を有するフェノール化合物の
多量体としては、例えば、スチレン構造を有するフェノ
ール化合物の2〜5量体等があげられるが、中でも2量
体が好ましく、さらには以下の一般式(II)〜(VI
I)
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】(式中、R1a、R1b、R1c、R1d、R1e
1f、R1g、R1h、R1i、R1j、R1k及びR1l は、同
一もしくは異なって、水素原子またはカルボキシル基を
表し、R2a、R2b、R2c、R2d、R2e、R2f、R2g、R
2h、R2i、R2j、R2k及びR2lは、同一もしくは異なっ
て水素原子または低級アルコキシ基を表す)で表される
ものが好ましく、さらには、2,3−ジヒドロ−2−
(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−7−メトキ
シ−5−ビニルベンゾフラン(VGD)がより好ましく
使用される。 (スチレン構造を有するフェノール化合物の入手方法)
スチレン構造を有するフェノール化合物は、公知の方法
により合成可能であり、例えば、4−ビニルフェノール
は、4−アセトキシアセトフェノンの還元、脱水、加水
分解によって得られる。フェルラ酸は、4−ヒドロキシ
−3−メトキシベンズアルデヒドとマロン酸をピペリジ
ンの存在下ピリジン中、縮合脱炭酸して得られる。p−
クマル酸はp−アミノケイ皮酸よりジアゾニウム塩を経
て得るか、もしくは、p−オキシベンズアルデヒドから
Perkin反応により得られる。4−ビニルグアヤコ
ールはバニリンに無水酢酸または酢酸ナトリウムを作用
させて4−アセトキシ−3−メトキシ桂皮酸とした後、
加水分解し、キノリンを用いて脱炭酸することによって
得られる。
【0021】また、フェルラ酸等、スチレン構造を有す
るフェノール化合物の一部のものについては、市販品と
して購入も可能である。また、4−ビニルグアヤコ−
ル、フェルラ酸等は天然物(食品の原料である場合もあ
る)からも製造できる。以下にこれらのフェノール化合
物を天然物から製造する方法について例示する。 (フェルラ酸の製造方法)フェルラ酸は、植物細胞壁の
構成成分の一つであるアラビノキシラン、ペクチン等の
繊維質に存在するフェルラ酸エステルをフェルラ酸エス
テラーゼの存在下に通常の方法で分解して得ることがで
きる。フェルラ酸またはフェルラ酸エステルを含有する
植物としては例えば米、小麦、大麦、蕎麦等の穀類、馬
鈴薯、甘藷等の芋類、ブドウ、リンゴ、柑橘類等の果物
類及び野菜類等が例示される。
【0022】また、フェルラ酸は前記の植物を繊維分解
酵素例えば、キシラナーゼ、アラビナーゼ、セルラー
ゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ等を用いて、通常の
方法で、処理することによっても得ることができる。ま
た、例えば、木材中のリグニンを熱分解、エタノール分
解、加水分解酵素、例えば、リグニナーゼ、マンガンペ
ルオキシダーゼ、ラッカーゼ等により通常の方法で分解
することによってもフェルラ酸を得ることができる。 (4−ビニルグアヤコールの製造方法)4−ビニルグア
ヤコールはフェルラ酸をフェルラ酸脱炭酸酵素の存在下
に通常の方法で処理することによって得ることができ
る。
【0023】フェルラ酸脱炭酸酵素の酵素源としては酵
素自体のみならず、該酵素活性を有する糸状菌、酵母等
の菌体、あるいはそれらから適当な方法で抽出した粗酵
素等を用いることができる[Appl. Environ. Microbio
l., 59(7), 2244(1993)]。酵母としては該酵素活性が
0.5ユニット/g(ユニットの定義は以下の実施例に
て説明する)菌体湿重量以上である菌株が好ましく、具
体的な酵母として、サッカロマイセス セレビシエ(Sac
charomyces cerevisiae)IFO 2260、IFO19
53、IFO 0233及びダイヤイースト(商品名、
協和発酵工業製の圧搾酵母)等の菌株が例示される。 (1)スチレン構造を有するフェノール化合物の多量体
の製造方法 以下、スチレン構造を有するフェノール化合物の多量体
の製造方法について説明する。
【0024】スチレン構造を有するフェノール化合物の
多量体への変換反応は、例えばエタノール含有溶媒等の
溶媒中で酸素の存在下、10〜80℃で熟成させること
によって行われる。具体的には、例えば、5ppmの4
−ビニルグアヤコールのVGDへの変換反応は、25℃
で6ヶ月以上、37℃で4ヶ月以上または60℃で20
日以上、熟成させて行うのが好ましい。
【0025】また、酸素を反応系内に、強制的に曝気さ
せるのが、反応期間を短縮できる点で好ましい。上記の
変換反応においては、光の照射下で行うことによって反
応を促進することができるが、光増感物質の存在下で行
うことにより、さらに反応を促進することができる。
【0026】光の照射下及び光増感物質の存在下で行う
場合、5〜80℃、好ましくは10〜30℃において、
変換に好適な光量、及び時間が選ばれるが、例えば5p
pmの4−ビニルグアヤコール溶液1LのVGDへの変
換反応は、20℃で20〜40W蛍光灯下3〜1日、3
0℃で20〜40W蛍光灯下2〜0.5日処理するのが
好ましい。
【0027】このときに用いられる光源としては、主と
して240〜500nmの間の波長の光を発光する光源
が好ましく使用でき、その具体例としては、太陽光、蛍
光灯、白熱灯、ブラックライト、殺菌灯及び捕虫灯等が
あげられ、光源は1種または2種以上で使用できる。中
でも、ブラックライト、殺菌灯または捕虫灯がエネルギ
ー消費効率の観点からより好ましく使用される。
【0028】光増感物質としては、例えばヒドロキシメ
チルフルフラール、リボフラビン等が挙げられる。光増
感物質と光源の種類の組合わせによって変換率が異なる
ため、紫外光にはヒドロキシメチルフルフラール、リボ
フラビン等が好ましく、可視光にはリボフラビン等が好
ましく用いられる。発酵液に光を照射するに際して、原
料中にリボフラビンが含まれているかまたは発酵により
リボフラビンが生成される場合は、光増感物質は特に添
加しなくてもよい。光増感物質の濃度は、1ppb以上
であるのが好ましく、10〜5000ppbであるのが
より好ましい。
【0029】また、該変換反応は、スチレン構造を有す
るフェノール化合物をその多量体に変換する能力を有す
る酵素の存在下で行うこともできる。該酵素の酵素源と
しては、例えば、パーオキシダーゼ、具体的には、IC
NBiomedicals Inc.製のパーオキシダ
ーゼ試薬または西洋ワサビから水抽出したパーオキシダ
ーゼの粗酵素液等を用いることができる。
【0030】この反応混合物は、フェノール化合物の多
量体と他の成分からなる混合物であって、それ自体で消
臭剤として使用できる。反応混合物からの該多量体(以
下、スチレン構造を有するフェノール化合物の多量体を
該多量体と表現することもある)の回収は、例えば、ダ
イヤイオンHP20(三菱化学製)等の非イオン性多孔
性樹脂(ここで非イオン性多孔性樹脂とは、イオン交換
基のような官能基を持たず、ファンデルワールス力によ
り種々の有機物を吸着する樹脂を意味する)を用いて行
われる。カラムに充填した非イオン性多孔性樹脂にアル
コール、例えば、エタノール、メタノール等の5〜30
%の水溶液を流して平衡化させ、ついで反応液を通して
多量体を樹脂に吸着させ、アルコールを供給して多量体
を溶出させる。必要に応じて、溶出液を減圧下で乾固さ
せて目的物の粉末を得る。 (2)食品のオフフレーバーの除去方法 本発明の食品のオフフレーバーの除去方法は、前記のよ
うにして得られるスチレン構造を有するフェノール化合
物の多量体や、スチレン構造を有するフェノール化合物
の多量体を含有する反応混合物を、例えば、添加等によ
り食品に存在させることによって食品のオフフレーバー
を減少または完全に除去するものである。
【0031】該多量体を使用する際には、純粋なものだ
けでなく、その含有物を使用してもよい。例えば、前記
反応混合物を使用したり、反応混合物の粗精製品を使用
することが可能である。例えば、後述する本発明の消臭
剤または調味料を食品のオフフレーバーの除去に使用す
る形態は、食品のオフフレーバーの除去方法の概念に含
まれる。
【0032】本発明の食品のオフフレーバーの除去方法
においては、該多量体を食品に対して、0.5ppb以
上存在させるのが好ましい。 (3)消臭剤 本発明の消臭剤は魚貝類等の生臭さ、畜肉類の獣臭、大
豆の青臭さ等の食品のオフフレーバー、加齢臭、腋のに
おい等の体臭等の消臭に有効である。
【0033】本発明の消臭剤は、スチレン構造を有する
フェノール化合物の多量体を適当な溶媒(例えば、水、
エタノールまたはこれらの混合液)または粉末(食品等
の用途の場合は、例えば、澱粉、デキストリン、乳糖等
の賦形剤、化粧料等の用途の場合は、例えば、タルク等
の賦形剤)に混合することによって得られる。また、該
多量体を製造する際の反応混合物そのもの、及び、当該
反応混合物からの精製操作の際に得られる該多量体のエ
タノール溶液等をそのまま本発明の消臭剤として用いる
こともできる。スチレン構造を有するフェノール化合物
の多量体は、前記の(1)の説明に従ってまたはそれに
準じて、入手することができる。
【0034】本発明の消臭剤は、スチレン構造を有する
フェノール化合物の多量体の他に、用途、目的に応じた
種々の成分を含有することができる。本発明の消臭剤を
食品の消臭に使用する場合は、例えば、エタノール等と
混合した液として食品に添加するか、後述する本発明の
調味料等として使用することができる。本発明の消臭剤
を食品に用いる場合は、例えば、1〜80%、好ましく
は5〜30%エタノール水溶液に該多量体を好ましくは
10ppb以上、より好ましくは10ppb〜100p
pm含有する溶液を調製し、食品に添加することができ
る。
【0035】本発明の消臭剤を体臭の消去を目的として
使用する場合は、例えば、後述する本発明の化粧料等と
して使用することができる。 (4)調味料 本発明の調味料は、現在、使用されている公知の、また
は将来開発される新規な調味料にスチレン構造を有する
フェノール化合物の多量体を好ましくは10ppb以
上、より好ましくは10ppb〜100ppm含有させ
ることにより得ることができる。具体的には、本発明の
調味料は、スチレン構造を有するフェノール化合物の多
量体を調味料の最終製品または製造工程中のいずれかの
時期に添加することにより得ることもできるが、調味料
の製造工程中のいずれかの時期にスチレン構造を有する
フェノール化合物を存在させ、調味料の製造工程中また
は製造工程終了後に該フェノール化合物を酸素の存在下
で酸化反応させることによっても得ることができる。ス
チレン構造を有するフェノール化合物の多量体は、前記
の(1)の説明に従ってまたはそれに準じて、入手する
ことができるが、調味料の製造工程中または製造工程終
了後に該フェノール化合物を酸素の存在下で酸化反応さ
せる方法については、さらに後述の発酵調味料の説明で
詳細に説明する。
【0036】本発明の調味料としては、グルタミン酸、
アスパラギン酸、アラニン、アルギニン、ロイシン、チ
ロシン、またはグリシン等のアミノ酸類、コハク酸、乳
酸、リンゴ酸、クエン酸、または酢酸等の有機酸類、エ
タノール、1−プロパノール、2−メチルプロパノー
ル、またはイソアミルアルコール等のアルコール類、グ
ルコース、フルクトース、シュクロース、またはマルト
ース等の糖類、酢酸イソアミル、またはカプロン酸エチ
ル等のエステル類のいずれか1種もしくは2種以上を含
有するものが好ましく、例えば、その形態として、日本
酒、焼酎、ウイスキーまたはブランディー等の酒類、発
酵調味料あるいはエキス調味料等があげられる。 (エキス調味料)本発明のエキス調味料は、前記の本発
明の調味料の中で肉、水産物、野菜等の煮汁または蒸煮
汁あるいはこれらの濃縮物等を含有する調味料のことで
あり、例えば、畜肉エキス調味料、水産エキス調味料ま
たは野菜エキス調味料等があげられる。畜肉エキス調味
料は、牛、豚、鶏等の肉または骨等を主原料とし、水産
エキス調味料は、カツオ、サバ、マグロ、イワシ、グ
チ、ハモ、イトヨリ、ホタテ、アサリ、カキ、オキア
ミ、カニ等の水産物またはその乾燥物を主原料とし、野
菜エキス調味料は、オニオン、ガーリック、ニンジン、
ハクサイ、キャベツ、シイタケ、コンブ等またはその乾
燥物を主原料として、通常の方法で製造される。
【0037】さらに本発明のエキス調味料の製造法を、
以下に説明する。スチレン構造を有するフェノール化合
物の多量体を含むエタノール、水あるいはこれらの混合
液等の溶液(例えば、以下に説明する本発明の料理酒等
であるのが好ましい)を用いて、鰹節等のエキスの素よ
り、5〜120℃、好ましくは20〜80℃で1〜10
時間抽出を行う。抽出液を固液分離した上清をエキスと
して得ることができる。得られたエキスを必要に応じ
て、加熱濃縮、減圧濃縮、膜濃縮、凍結濃縮等に付すこ
とによって濃縮物として本発明のエキス調味料を得るこ
とができる。 (発酵調味料)本発明の発酵調味料は、前記の本発明の
調味料の中で微生物等の発酵作用を利用して製造したも
のであり、具体的な形態としては、酢、料理酒、清酒、
ワイン、みりん、醤油または味噌等があげられる。
【0038】本発明の発酵調味料は、スチレン構造を有
するフェノール化合物の多量体を発酵調味料の最終製品
または製造工程中のいずれかの時期に添加することによ
り得ることもできるが、発酵調味料の製造工程中のいず
れかの時期にスチレン構造を有するフェノール化合物を
存在させ、発酵調味料の製造工程中または製造工程終了
後に該フェノール化合物を酸素の存在下で酸化反応させ
て得るのが好ましい。
【0039】発酵調味料の製造工程終了後に該酸化反応
を行い、本発明の発酵調味料を製造する方法として、例
えば、製造工程中において、4−ビニルグアヤコ−ルを
生成させ、発酵調味料の製造工程終了後、さらに、この
発酵調味料中の4−ビニルグアヤコ−ルをVGDに変換
させる方法等があげられる。以下、料理酒の場合をその
具体例として説明する。
【0040】まず、米等の穀類(通常、フェルラ酸また
はそのエステル等を含む)を原料として用い、これを米
麹等の糸状菌によって液化し、糖化する。この際に、必
要に応じてα−アミラーゼ等の液化酵素、及び/又はグ
ルコアミラーゼ等の糖化酵素を添加してもよい。次い
で、酵母を加えて発酵させ、得られた発酵液(モロミ)
をろ過し、ろ液として料理酒が得られる。ここで、糸状
菌は繊維分解酵素活性及びフェルラ酸エステラーゼ活性
も有し、穀類中の繊維の分解またはフェルラ酸の遊離に
も寄与する。
【0041】この工程において、グルコアミラーゼと共
にキシラナーゼを存在させることによって穀類からフェ
ルラ酸が生成され、このフェルラ酸が特定の酵母〔前記
の4−ビニルグアヤコールの製造方法の説明で例示され
た酵母等〕が有するフェルラ酸脱炭酸酵素によって4−
ビニルグアヤコールに変換され、これが得られた料理酒
に含まれる。またこの時、糸状菌のフェルラ酸脱炭酸酵
素を用いることもできる。
【0042】さらに、この4−ビニルグアヤコールを含
む料理酒を用いて4−ビニルグアヤコールのVGD等の
多量体への変換反応〔4−ビニルグアヤコールのその多
量体への変換反応は、前記の(1)の説明に従ってまた
はそれに準じて行うことができる〕を行うことにより、
VGDを含有する本発明の料理酒が得られる。また、発
酵調味料の製造工程中において該多量体を生成させる方
法としては、スチレン構造を有するフェノール化合物を
製造工程の適当な時期に添加するかまたは生成させ、前
記と同様にして、製造工程中の適当な時期に、その多量
体への変換反応を行う方法等があげられる。 (5)化粧料 本発明の化粧料は、スチレン構造を有するフェノール化
合物の多量体を化粧料全量に対して、好ましくは10p
pb以上、より好ましくは、10ppb〜1ppmの濃
度になるように配合すること等により得ることができ
る。スチレン構造を有するフェノール化合物の多量体及
び当該多量体を含有する反応混合物は、前記の該多量体
の製造法の説明に従ってまたはそれに準じて、入手する
ことができる。
【0043】本発明の化粧料は、必要に応じて、化粧料
用基剤、例えば、顔料、香料、防腐剤、界面活性剤、抗
酸化剤、紫外線吸収剤等を含有してもよく、これらを、
例えば、「経皮適用製剤開発マニュアル」松本光雄監修
第1版(清至書院 1985年発行)等に記載の方法に準
じて、調製することにより、得ることができる。顔料と
しては、タール系色素、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛
等の顔料があげられる。香料としては、じゃ香等の動物
性香料、ペパーミント油、レモン油、ローズ油等の植物
性香料、ベンジルアルコール、アニソール等の合成香料
等があげられる。防腐剤としては、パラベン、メチルパ
ラベン、p−オキシ安息香酸エチル、p−オキシ安息香
酸ブチル等があげられる。界面活性剤としては、セチル
硫酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸エ
ステル、脂肪酸エステル硬化ヒマシ油、多価アルコール
脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の非
イオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム塩等
の陽イオン性界面活性剤、ベタイン型、スルホベタイン
型、スルホアミノ酸型、N−ステアロイル−L−グルタ
ミン酸ナトリウム等の両イオン性界面活性剤等があげら
れる。抗酸化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン
等があげられる。紫外線吸収剤としては、パラメトキシ
ケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−
4’−メトキシジベンゾイルメタン等があげられる。
【0044】化粧料の剤型としては、クリーム、乳液、
化粧水、美容液、パック等があげられる。例えば、乳液
の場合は、油相及び水相をそれぞれ加熱したものを乳化
分散して冷却する公知の方法により製造することができ
る。本発明の化粧料は、体臭の除去等に有用である。 (6)酸化防止剤 本発明の酸化防止剤は、スチレン構造を有するフェノー
ル化合物の多量体を好ましくは10ppb以上、より好
ましくは10ppb 〜100ppm含む。
【0045】本発明の酸化防止剤は、スチレン構造を有
するフェノール化合物の多量体を適当な溶媒(例えば、
水、エタノールまたはこれらの混合液)または粉末〔こ
こで、該粉末の具体例としては、(3)の説明であげた
もの等があげられる〕に混合することによって得られ
る。また、該多量体を製造する際の反応混合物からの精
製操作の際に得られる該多量体のエタノール溶液等をそ
のまま本発明の酸化防止剤として用いることもできる。
スチレン構造を有するフェノール化合物の多量体は、前
記の該多量体の製造方法の説明に従ってまたはそれに準
じて、入手することができる。
【0046】本発明の酸化防止剤は、例えば、食品、調
味料、化粧料等の製造工程中、最終製品または食品の調
理の際等に添加等することにより使用することができ
る。本発明の酸化防止剤は、食品、調味料、化粧料等の
酸化防止、例えば、食品中のリノール酸等の酸化防止に
有用である。 (7)食品を上記の消臭剤で調理することを特徴とする
消臭された食品の製造法及び該製造法により得られる食
品 食品を上記の消臭剤で調理することを特徴とする消臭さ
れた消臭された食品の製造法は、例えば、前記の(3)
で説明される消臭剤を魚貝類等、畜肉類等、大豆等の野
菜等の調理に好ましくは食品中のスチレン構造を有する
フェノール化合物の多量体の濃度が0.5ppb以上に
なるように使用することにより実施することができる。
本発明の食品は、該製造法により得られ、オフフレーバ
ーが除去されているという食品として有用な性質を有す
る。 (8)食品を上記の消臭剤で調理することを特徴とする
食品の消臭方法 食品を上記の消臭剤で調理することを特徴とする食品の
消臭方法は、例えば、前記の(3)で説明される消臭剤
を魚貝類等、畜肉類等、大豆等の野菜等の調理に好まし
くは食品中のスチレン構造を有するフェノール化合物の
多量体の濃度が0.5ppb以上になるように使用する
ことにより実施することができる。
【0047】以下に実施例をあげて本発明を説明する。
【0048】
【実施例】以下の実施例に用いられる高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)の分析条件は下記のとおりであ
る。 カラム: Inertsil ODS−2 4.6×250mm
(GLサイエンス社製)検出器:OD 280nm 以下の実施例における酵素の酵素活性の定義は下記のと
おりである。 (フェルラ酸脱炭酸酵素の酵素活性)YPD培地で30
℃一晩振とう培養した被験酵母培養液0.9mLに1g
/Lフェルラ酸(一丸ファルコス社製)水溶液を0.1mL
加え、25℃静置条件下で反応させた。反応液の上清中
の4−ビニルグアヤコール量を高速液体クロマトグラフ
ィーを用いて、定量し、1時間当りに1ppmの4−ビ
ニルグアヤコールを生成する酵素量を1ユニット(単
位)と定義した。 (キシラナーゼの酵素活性)カラス麦由来のキシラン
(半井化学製)100mgを50mol/L酢酸緩衝液(pH
4.5)9.0mLに加えた溶液に、被験酵素液1.0m
Lを添加した後、52℃で攪拌条件下で反応させた。反
応液中の還元糖当量の変化をジニトロサリチル酸法で定
量し、1分間にキシランから1μmolの還元糖当量を
遊離する酵素量を1ユニット(単位)と定義した。 (フェノール化合物の定量法)以下の実施例において
に、スチレン構造を有するフェノール化合物の分析は以
下のとおり行った。
【0049】被験物質について次のとおりHPLC分析
を行った。VGDの分析は試料を濃縮して被験液とし
た。試料50mLをHPLC前処理用C18カートリッジ
に通した後、アセトニトリル0.8mLで溶出させ1.
0mLにしたものについて、上記条件で分析を行った。
高速液体クロマトグラフィーによる分画条件移動相:A
液 20mmol/L酢酸ナトリウム水溶液、B液 アセトニ
トリル B液/A液(容量比)を30〜80%/25分のリニア
グラジエントで溶出させた。 カラム温度:40℃流速:1.0mL/分 (7点評点法及び有意差検定について)以下の実施例に
おいて、7点評点法とは、生臭いにおいの強度について
1点(弱い)から7点(強い)までの点数をつけること
により評価する方法で、スチューデントのt検定を行い
有意差の有無を調べた。各実施例におけるnは人数を示
す。
【0050】実施例1 50ppm 4−ビニルグアヤコール(4−VG)及び
41.6ppmヒドロキシメチルフルフラールを含有す
る7.75%エタノール水溶液 800mLに紫外線を
40分間照射した。得られた反応液を7.75%エタノ
ール水溶液で平衡化したダイヤイオンHP20(商品
名、三菱化学株式会社製)に通し、80%メタノール水
溶液で洗浄後、メタノール8mLで溶出される画分(画
分Aとする)を粗精製物として取得した。
【0051】別途、50ppm 4−ビニルグアヤコー
ル及び0.5ppm リボフラビンを含有する7.75
%エタノール水溶液20Lを蛍光灯照明付きの恒温庫内
で反応温度25℃で24時間保存した。反応液を7.7
5%エタノール水溶液で平衡化したダイヤイオンHP2
0(商品名、三菱化学株式会社製)に通し、80%メタ
ノール水溶液で洗浄後、メタノール200mLで溶出さ
れる画分(画分Bとする)を粗精製物として取得した。
【0052】得られた。両画分を減圧下で10倍濃縮し
た後、C18高速液体クロマトグラフィーにて分画を行
い、両画分にVGDの精製画分(画分Cとする)を得
た。さらに、このVGDについて同定を行った。高速液
体クロマトグラフィーによる分画条件とVGDの同定の
結果を以下に示す。 (高速液体クロマトグラフィーによる分画条件)移動
相:20mmol/L酢酸ナトリウム水溶液/アセトニトリル
=45/55カラム温度:40℃流速:1.0mL/分 (VGDの物性)FABマススペクトル: ポジティブモード: m/z 299 (M+H)+ ネガティブモード: m/z 297 (M-H)-H−NMR(4
00MHz、CDOD);[δ ppm(積分、多重
度、結合定数J(Hz)]; 6.98 (1H, d, 2.0), 6.92
(1H, br.s), 6.91 (1H, br.s), 6.84 (1H, dd, 8.1,
2.0), 6.78 (1H,d, 8.1), 6.64 (1H, dd, 17.6, 11.0),
5.69 (1H, t, 8.9), 5.60 (1H, dd, 17.6, 1.1), 5.06
(1H, dd, 11.0, 1.1), 3.86 (3H, s), 3.82 (3H, s),
3.55 (1H,dd, 15.6, 9.3), 3.16 (1H, dd, 15.6, 8.5)
13C−NMR(100MHz、CDOD);δ p
pm(多重度); 149.1 (s), 149.1 (s), 147.7 (s),
145.4 (s), 138.1 (d), 134.5 (s), 133.2 (s), 129.7
(s), 120.0 (d), 116.4 (d), 116.2 (d), 111.4 (d), 1
11.4 (t), 110.7 (d), 86.7 (d), 56.7 (q), 56.4 (q),
39.4 (t) 実施例2 50ppm 4−ビニルグアヤコール及び0.5ppm
リボフラビンを含有する7.75%エタノール水溶液2
0Lを蛍光灯照明付きの恒温庫内で反応温度25℃で2
4時間保存した。反応液を7.75%エタノール水溶液
で平衡化したダイヤイオンHP20(商品名、三菱化学
株式会社製)に通し、80%エタノール水溶液で洗浄
後、エタノール200mLで溶出し、本発明の消臭剤を
得た。この消臭剤のVGD濃度は40.4ppmであっ
た。
【0053】実施例3 玉ねぎ100g、人参15g、長ねぎ15g、パセリ1
0g、粒胡椒0.5g、ローリエ1枚、食塩2.5g、
水700mL、及び鯛のアラ250gの混合物を2つ用
意し、一方に、実施例2で得た本発明の消臭剤(VGD
濃度は40.4ppm)100mLを加え、他方(対照
区)にエタノールを100mL加えて20分間煮た。得ら
れた混合物を布でろ過し、スープを60℃に保温して、
容器の蓋を開けた時の生臭みを7点評点法で評価した。
その結果を表1に示す。本発明のVGD添加区では対照
区と比較して有意に生臭みが抑制されていた。
【0054】
【表1】
【0055】実施例4 1次仕込みとして水2.0Lに米麹370g、酵母(ダ
イヤイースト、商品名、協和発酵工業株式会社製)1.
5g及び乳酸7gを加えて、20℃で2日間発酵して酒
母を得た。2次仕込みとして、水1.3Lに米660
g、スピターゼCP−40G(α−アミラーゼ製剤、商
品名、ナガセ生化学工業株式会社製:400,000ユ
ニット/g)2gを加え90℃、30分間加熱して液化
を行い50℃まで冷却後、スミチーム3000(グルコ
アミラーゼ、商品名、新日本化学株式会社製、3000
ユニット/g)2g及びスミチームAC(ヘミセルラー
ゼ、商品名、新日本化学株式会社製、6400ユニット
/g)2gを添加して50℃で16時間反応させて得た
米糖化液と米麹370gを酒母に加え20℃で2日間発
酵させた。
【0056】3次仕込みとして、水4.4Lに米180
0g、スピターゼCP−40Gを7g加え90℃、30
分間加熱して液化を行い50℃まで冷却後、スミチーム
3000を7g及びスミチームACを7g添加して50
℃で16時間反応させて得た米糖化液を2次仕込み発酵
液に加えて20℃で7日間発酵させた。得られた発酵物
をろ過し、ろ液(10L)を火入した(以後この方法に
よって調製したろ液をモロミという)。
【0057】発酵工程における4−ビニルグアヤコール
の生成量は3次仕込時2.1ppm、7日経過後5.1
ppmであった。上記モロミ(5ppmの4−ビニルグ
アヤコール含有)を蛍光灯照明付恒温庫内(25℃)で
24時間保存して本発明の料理酒を得た。本発明の料理
酒中の4−ビニルグアヤコールは、0.1ppmであ
り、VGDは、67ppbであった。
【0058】実施例5 実施例4で調製したモロミ1Lにパーオキシダーゼ試薬
(81.8ユニット/mg)1.2g(ICN Bio
medicals Inc.製)を添加し、25℃で4
8時間反応させ本発明の料理酒を得た。本発明の料理酒
中の4VGは、0.2ppmであり、VGDは、66p
pbであった。
【0059】実施例6 市販おでん種(汁つき)を用いて、汁に対し実施例4で
得られた本発明の料理酒を10重量%添加して調理した
後、なべの蓋を開けたときの生臭みを7点評点法で評価
した。対照として、本発明の料理酒の代わりに市販の料
理酒を用いるほかは同様に実施した。その結果を表2に
示す。本発明の料理酒は市販料理酒と比較して有意に生
臭みを抑制した。
【0060】
【表2】
【0061】実施例7 玉ねぎ100g、人参15g、長ねぎ15g、パセリ1
0g、粒胡椒0.5g、ローリエ1枚、食塩2.5g、
水700mL、及び鯛のアラ250gの混合物を2つ用
意し、一方に実施例4で得られた本発明の料理酒100
mLを加え、他方に市販料理酒100mLを加え、20分
間煮た。布でろ過したスープを容器で60℃に保温し
て、容器の蓋を開けたときの生臭みを7点評点法で評価
した。その結果を表3に示す。本発明の料理酒は市販料
理酒と比較して有意に生臭みを抑制した。
【0062】
【表3】
【0063】実施例8 よく洗浄した殻つきアサリ350gに実施例4で得られ
た本発明の料理酒50mLまたは市販料理酒を加えて強
火にかけて沸騰させた後、弱火で1分間加熱して調製し
たアサリ酒蒸しを60℃に保温し、容器の蓋を開けたと
きの生臭みを7点評点法で評価した。その結果を表4に
示す。本発明の料理酒は市販料理酒と比較して有意に生
臭みを抑制した。
【0064】
【表4】
【0065】実施例9 鰹荒本節5kg、実施例4で得られた本発明の料理酒ま
たは市販料理酒1L、59%変性アルコール1.4L及
び水7.6Lを混合し、混合物を40℃で2時間抽出
し、固液分離してカツオエキスを得た。カツオエキスを
60℃に保温した状態で生臭みを7点評点法で評価し
た。その結果を表5に示す。本発明の料理酒は市販料理
酒と比較して有意に生臭みを抑制した。
【0066】
【表5】
【0067】実施例10 パラオキシ安息香酸メチル0.2g、1,3−ブチレン
グリコール3.0g、クエン酸ナトリウム0.8g、エ
チレンジアミン四酢酸(EDTA)2Na塩0.1g、
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油0.4g、変性アルコ
ール5.0g、香料0.05g、実施例2で得られた本
発明の消臭剤0.5mLを混合して全量を精製水で10
0mLとして、本発明の化粧水を調製した。成人男性1
0名をパネラーとして、化粧水1.0mLを脱脂綿浸し
て被験者の腋に塗布し、そのにおいを7点評点法で評価
した。結果を表6に示す。VGDを含有しない対照化粧
水と比較し本発明の化粧水は有意に腋の不快臭を抑制し
た。
【0068】
【表6】
【0069】実施例11 津志田ら[日食科工誌,41(9),611(199
4)]の方法に準じて、本発明の酸化防止剤(VGD溶
液)の抗酸化試験を行った。被検化合物含有液について
リノール酸自動酸化抑制能をβ−カロチンの退色抑制を
指標として試験した。β-カロチン10mg、リノール
酸1g、ツイーン80 2gをクロロホルム10mLにそ
れぞれ溶解した。各溶液0.5mL、0.2mL、1.0
mLを200mL三角フラスコに入れ、系内を窒素で置換
し、乾固した後、蒸留水100mLに溶解し、得られた
溶液45mLを0.2mol/Lリン酸緩衝液(pH6.0)
4mLと混合し基質溶液を調製した。基質溶液2.9mL
と実施例4で得られた本発明の料理酒0.1mLを混合
後、60℃恒温器で加熱して470nmにおける吸光度
(OD)の変化を測定した。また、790ppmのVG
Dのアセトニトリル溶液及び市販清酒を同様にして、基
質溶液に添加してODの変化を調べた。リノール酸の酸
化開始時のOD値に対する24時間後のOD値の比
(%)を表7に示す。本発明の料理酒及びVGD添加に
よりリノール酸の酸化が抑制された。
【0070】
【表7】
【0071】実施例12 実施例4で得られたモロミを遮光下に60℃、14日間
保持しVGD25ppbを含有する本発明の料理酒を得
た。当該料理酒中の4VGの濃度は0.01ppmであ
った。 実施例13 清酒の製造蒸米35g、米麹65g、汲み水100ml、ダイヤイ
ースト(協和発酵工業株式会社製)0.1g及び乳酸1mlを仕
込み、2日間発酵させ(第1発酵)、酒母を得た。添え
仕込において蒸米135g、米麹65g、スミチームAC(新日
本化学株式会社製)0.8g及び汲み水200ml、仲仕込にお
いて蒸米235g、米麹65g及び汲み水400ml、留仕込におい
て蒸米330g、米麹70g及び汲み水500mlを仕込み並行複発
酵(第2発酵)を行った。なお、添え仕込の汲み水には
圧搾酵母ダイヤイースト(協和醗酵工業株式会社製)及
び乳酸1mlを添加した。なお発酵は終始15℃で行った。
添え仕込みから2日後に仲仕込み、さらにその2日後に
留め仕込みを行い、留め仕込みから19日後に圧搾ろ過
して、発酵物を得た。得られた発酵物をろ過し、ろ液を
火入し、モロミを得た。当該モロミを蛍光灯照明付恒温
庫内で25℃で24時間保存して本発明の清酒を得た。
この実施例において、第2発酵は、添え仕込み、中仕込
み及び留め仕込みから構成されているが、仕込みの回数
は特に制限されない。例えば、添え仕込み及び留め仕込
みの2回で構成することもできる。
【0072】
【発明の効果】本発明により魚貝類、畜肉製品及び野菜
類等の食品のオフフレーバーを効果的に除去する食品の
オフフレーバーの除去方法及び消臭剤等が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 7/00 A61K 7/00 J 7/32 7/32 A61L 9/01 A61L 9/01 H C12G 1/00 C12G 1/00 3/02 119 3/02 119S 3/08 102 3/08 102 (72)発明者 吾郷 昇志 福岡県北九州市門司区大里元町2−1 協 和醗酵工業株式会社門司工場内 Fターム(参考) 4B035 LC02 LE02 LE03 LG05 LK07 LP21 4B039 LB01 LC06 LG35 4B047 LB02 LB07 LE01 LG06 LG07 LG50 LG54 LG60 LG61 LG62 LG63 LP02 4C080 AA03 BB02 CC12 CC14 HH01 KK01 MM15 MM22 4C083 AC102 AC122 AC242 AC302 AC482 AC532 AD111 AD112 CC04 DD23 EE18

Claims (66)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン構造を有するフェノール化合物
    の多量体を食品に存在させることを特徴とする食品のオ
    フフレーバーの除去方法。
  2. 【請求項2】 スチレン構造を有するフェノール化合物
    が一般式(I) 【化1】 (式中、R1は水素原子またはカルボキシル基を表し、
    2は水素原子または低級アルコキシ基を表す)で表さ
    れる化合物である請求項1記載の食品のオフフレーバー
    の除去方法(スチレン構造を有するフェノール化合物の
    多量体における各フェノール化合物は同一でも異なって
    いてもよい)。
  3. 【請求項3】 一般式(I)で表される化合物が4−ビ
    ニルフェノール、フェルラ酸、p−クマル酸及び4−ビ
    ニルグアヤコールから選ばれる化合物である請求項2記
    載の食品のオフフレーバーの除去方法。
  4. 【請求項4】 該多量体がスチレン構造を有するフェノ
    ール化合物の2量体である請求項の1〜3いずれかに記
    載の食品のオフフレーバーの除去方法。
  5. 【請求項5】 スチレン構造を有するフェノール化合物
    の2量体が2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシ−
    3−メトキシフェニル)−7−メトキシ−5−ビニルベ
    ンゾフランである請求項4記載の食品のオフフレーバー
    の除去方法。
  6. 【請求項6】 該多量体を食品に対して0.5ppb以
    上、存在させる請求項1〜5のいずれかに記載の食品の
    オフフレーバーの除去方法。
  7. 【請求項7】 該多量体がスチレン構造を有するフェノ
    ール化合物を酸素の存在下で反応させることによって得
    られる多量体である請求項1〜6のいずれかに記載の食
    品のオフフレーバーの除去方法。
  8. 【請求項8】 スチレン構造を有するフェノール化合物
    をその多量体にさせる反応が光の照射下に行われる請求
    項7記載の食品のオフフレーバーの除去方法。
  9. 【請求項9】 スチレン構造を有するフェノール化合物
    をその多量体にさせる反応が酵素源の存在下に行われる
    請求項7記載の食品のオフフレーバーの除去方法。
  10. 【請求項10】 スチレン構造を有するフェノール化合
    物の多量体を含有する消臭剤。
  11. 【請求項11】 スチレン構造を有するフェノール化合
    物が請求項2に記載の一般式(I)で表される化合物で
    ある請求項10記載の消臭剤。
  12. 【請求項12】 一般式(I)で表される化合物が4−
    ビニルフェノール、フェルラ酸、p−クマル酸及び4−
    ビニルグアヤコールから選ばれる化合物である請求項1
    1記載の消臭剤。
  13. 【請求項13】 該多量体がスチレン構造を有するフェ
    ノール化合物の2量体である請求項10〜12のいずれ
    かに記載の消臭剤。
  14. 【請求項14】 スチレン構造を有するフェノール化合
    物の2量体が2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシ
    −3−メトキシフェニル)−7−メトキシ−5−ビニル
    ベンゾフランである請求項13記載の消臭剤。
  15. 【請求項15】 該多量体がスチレン構造を有するフェ
    ノール化合物を酸素の存在下で反応させることによって
    得られる多量体である請求項10〜14のいずれかに記
    載の消臭剤。
  16. 【請求項16】 スチレン構造を有するフェノール化合
    物をその多量体にさせる反応が光の照射下に行われる請
    求項15記載の消臭剤。
  17. 【請求項17】 スチレン構造を有するフェノール化合
    物をその多量体にさせる反応が酵素源の存在下に行われ
    る請求項15または16に記載の消臭剤。
  18. 【請求項18】 該多量体を10ppb以上含有する請
    求項10〜17のいずれかに記載の消臭剤。
  19. 【請求項19】 スチレン構造を有するフェノール化合
    物の多量体を含有する調味料。
  20. 【請求項20】 スチレン構造を有するフェノール化合
    物が請求項2に記載の一般式(I)で表される化合物で
    ある請求項19記載の調味料。
  21. 【請求項21】 一般式(I)で表される化合物が4−
    ビニルフェノール、フェルラ酸、p−クマル酸及び4−
    ビニルグアヤコールから選ばれる化合物である請求項2
    0記載の調味料。
  22. 【請求項22】 該多量体がスチレン構造を有するフェ
    ノール化合物の2量体である請求項19〜21のいずれ
    かに記載の調味料。
  23. 【請求項23】 スチレン構造を有するフェノール化合
    物の2量体が2,3−ジヒドロ−2−(4−ヒドロキシ
    −3−メトキシフェニル)−7−メトキシ−5−ビニル
    ベンゾフランである請求項22記載の調味料。
  24. 【請求項24】 該多量体がスチレン構造を有するフェ
    ノール化合物を酸素の存在下で反応させることによって
    得られた多量体である請求項19〜23のいずれかに記
    載の調味料。
  25. 【請求項25】 スチレン構造を有するフェノール化合
    物をその多量体にさせる反応が光の照射下に行われる請
    求項24記載の調味料。
  26. 【請求項26】 スチレン構造を有するフェノール化合
    物をその多量体にさせる反応が酵素源の存在下に行われ
    る請求項24または25記載の調味料。
  27. 【請求項27】 該多量体を10ppb以上含有する請
    求項19〜26のいずれかに記載の調味料。
  28. 【請求項28】 該調味料がアミノ酸類、有機酸類、ア
    ルコール類、糖類のいずれか1種もしくは2種以上を含
    有する請求項19〜27のいずれかに記載の調味料。
  29. 【請求項29】 該調味料が発酵調味料である請求項1
    9〜28のいずれかに記載の調味料。
  30. 【請求項30】 該発酵調味料が、酢、料理酒、清酒、
    ワイン、みりん、醤油または味噌である請求項29記載
    の調味料。
  31. 【請求項31】 該調味料が畜肉エキス調味料、水産エ
    キス調味料または野菜エキス調味料である請求項19〜
    28のいずれかに記載の調味料。
  32. 【請求項32】 スチレン構造を有するフェノール化合
    物の多量体を含有する化粧料。
  33. 【請求項33】 スチレン構造を有するフェノール化合
    物の多量体を含有する酸化防止剤。
  34. 【請求項34】 スチレン構造を有するフェノール化合
    物を酸素の存在下、その多量体に変換させることを特徴
    とするスチレン構造を有するフェノール化合物の多量体
    の製造方法。
  35. 【請求項35】 該多量体への変換が、光の照射下及び
    光増感物質の存在下に行われる請求項34記載の製造方
    法。
  36. 【請求項36】 調味料の製造法において、その製造工
    程のいずれかの時期にスチレン構造を有するフェノール
    化合物を存在させ、調味料の製造工程中または製造工程
    終了後に、該フェノール化合物を酸素の存在下で反応さ
    せる酸化反応工程を含むことを特徴とする調味料の製造
    方法。
  37. 【請求項37】 前記酸化反応工程がフェノール化合物
    を含む反応系内に酸素を強制的に曝気させることである
    請求項36記載の製造方法。
  38. 【請求項38】 前記酸化反応工程が、光の照射下に行
    われる請求項36または37記載の製造方法。
  39. 【請求項39】前記酸化反応工程が、光増感物質の存在
    下に行われる請求項36〜38のいずれかに記載の製造
    方法。
  40. 【請求項40】前記酸化反応工程が、酸化反応を促進す
    る酵素の存在下に行われる請求項36〜39のいずれか
    に記載の製造方法。
  41. 【請求項41】前記酵素がパーオキシダーゼである請求
    項40に記載の製造方法。
  42. 【請求項42】 該調味料が発酵調味料である請求項3
    6〜41のいずれかに記載の製造方法。
  43. 【請求項43】 該発酵調味料が、酢、料理酒、清酒、
    ワイン、みりん、醤油または味噌である請求項42記載
    の製造方法。
  44. 【請求項44】 食品を請求項10〜18のいずれかに
    記載の消臭剤を用いて調理することを特徴とする食品の
    消臭方法。
  45. 【請求項45】 食品を請求項10〜18のいずれかに
    記載の消臭剤を用いて調理することを特徴とする消臭さ
    れた食品の製造法。
  46. 【請求項46】 請求項45記載の製造法により得られ
    る食品。
  47. 【請求項47】(a)水に米と液化酵素を加え液化反応
    させた後、得られた液化した混合液に糖化酵素を添加し
    糖化反応させることにより糖化液を調製する工程と、
    (b)水に米麹と酵母と乳酸とを加え発酵反応させる1
    次発酵工程と、(c)1次発酵工程で得られた酒母に
    (a)工程で得られた糖化液と米麹とを加え発酵反応さ
    せる2次発酵工程と、(d)2次発酵工程で得られた発
    酵液に(a)工程で得られた糖化液を加え発酵反応させ
    る3次発酵工程と、(e)3次発酵工程で得られた発酵
    液を濾過することによりモロミを得る固液分離工程と、
    (f)固液分離工程で得られたモロミを酸素の存在下で
    反応させる酸化反応工程とを含むことを特徴とする酒の
    製造方法。
  48. 【請求項48】前記酸化反応工程において、酸素を反応
    系内に、強制的に曝気させることを特徴する請求項47
    記載の製造方法。
  49. 【請求項49】前記酸化反応工程が、光の照射下に行わ
    れる請求項47または48に記載の製造方法。
  50. 【請求項50】前記酸化反応工程が、光増感物質の存在
    下に行われる請求項47〜49のいずれかに記載の製造
    方法。
  51. 【請求項51】前記酸化反応工程が、酸化反応を促進す
    る酵素の存在下に行われる請求項47〜49のいずれか
    にに記載の製造方法。
  52. 【請求項52】前記酵素がパーオキシターゼである請求
    項51記載の製造方法。
  53. 【請求項53】前記酵母がフェルラ酸脱炭酸酵素活性を
    有することを特徴とする請求項47〜52のいずれかに
    記載の製造方法。
  54. 【請求項54】前記酒が料理酒である請求項47〜53
    のいずれかに記載の製造方法。
  55. 【請求項55】前記酒が清酒である請求項47〜53の
    いずれかに記載の製造方法。
  56. 【請求項56】(a)水に米と米麹と酵母とを加え発酵
    反応させる1次発酵工程と、(b)1次発酵工程で得ら
    れた酒母に、水と米及び米麹とを断続的に加えて段仕込
    みを行う2次発酵工程と、(c)2次発酵工程で得られ
    た発酵液を濾過することによりモロミを得る固液分離工
    程と、(d)固液分離工程で得られたモロミを酸素の存
    在下で反応させる酸化反応工程を含むことを特徴とする
    酒の製造方法。
  57. 【請求項57】2次発酵工程において、1次発酵工程で
    得られた酒母に、水と米及び米麹とを断続的に2回加え
    て段仕込みを行うことを特徴とする請求項56記載の製
    造方法。
  58. 【請求項58】2次発酵工程において、1次発酵工程で
    得られた酒母に、水と米及び米麹とを断続的に3回加え
    て段仕込みを行うことを特徴とする請求項56記載の製
    造方法。
  59. 【請求項59】前記酸化反応工程において、酸素を反応
    系内に、強制的に曝気させることを特徴する請求項56
    〜58のいずれかに記載の製造方法。
  60. 【請求項60】前記酸化反応工程が、光の照射下に行わ
    れる請求項56〜59のいずれかに記載の製造方法。
  61. 【請求項61】前記酸化反応工程が、光増感物質の存在
    下に行われる請求項60記載の製造方法。
  62. 【請求項62】前記酸化反応工程が、酸化反応を促進す
    る酵素の存在下に行われる請求項56〜61のいずれか
    に記載の製造方法。
  63. 【請求項63】前記酵素がパーオキシターゼである請求
    項62記載の製造方法。
  64. 【請求項64】前記酵母がフェルラ酸脱炭酸酵素活性を
    有することを特徴とする請求項56〜63のいずれかに
    記載の製造方法。
  65. 【請求項65】前記酒が料理酒である請求項56〜64
    のいずれかに記載の製造方法。
  66. 【請求項66】前記酒が清酒である請求項56〜64の
    いずれかに記載の製造方法。
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