JP2011180469A - プルシアンブルー型金属錯体ナノ粒子を具備する電気化学素子、これを用いたエレクトロクロミック素子及び二次電池 - Google Patents

プルシアンブルー型金属錯体ナノ粒子を具備する電気化学素子、これを用いたエレクトロクロミック素子及び二次電池 Download PDF

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寿 田中
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Abstract

【課題】製造効率が良く、液漏れや電極間の短絡の心配等がない安定した利用が可能であり、しかも高電圧に対する対劣化性を付与したものとしうる電気化学素子、これを利用したエレクトロクロミック素子、二次電池を提供する。
【解決手段】電気化学応答性材料層2,4を具備する一対の電極体11,12においてその少なくとも一方の電気化学応答性材料層にプルシアンブルー型金属錯体のナノ粒子を含有させ、前記一対の電極体11,12をその電気化学応答性材料層2,4側が内側になるよう対向させ、該両電極体11,12の間に高分子化合物含有電解質層3を介在させて組み立てた電気化学素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、プルシアンブルー型金属錯体ナノ粒子を利用した電気化学素子に関し、特にエレクトロクロミック素子及び二次電池やキャパシタなどへの利用に適した電気化学素子に関する。
有名な青色顔料であるプルシアンブルー及び類似した構造を持つプルシアンブルー型金属錯体は、多様な電気化学的な活性をもつことが知られており、エレクトロクロミック素子、二次電池、分子センサ、バイオセンサ、電気化学的な磁気特性制御など幅広くその応用が検討されている。なかでも特にエレクトロクロミック素子は、プルシアンブルー型金属錯体の酸化還元によって色を制御できる特性を生かしたデバイスとして実用上の展開が期待されている。たとえば、この機能を建造物や乗り物の窓に応用することにより、色変化によって入射光を適切に制御することで、夏の日差しを避けるなどして、空調効率を向上させることなどが検討されている。
プルシアンブルー型金属錯体の結晶構造を図7に示す。その構造は比較的簡単で、NaCl型格子を組んだ二種類の金属原子(図中、金属原子221(M)、金属原子224(M))の間をシアノ基(炭素原子222、窒素原子223)が三次元的に架橋した構造をとる。そしてこの錯体化合物には金属原子M,Mとして鉄原子以外にも広範な金属を利用することができる。その金属種を変えることにより、磁性、電気化学や光応答性などの物性を変えることもできる(特許文献1参照)。
プルシアンブルー型金属錯体の実用化を考える際に微粒子化は重要である。それにより溶媒中の分散性を向上させることができる。分散性が上がればスピンコートなどの安価な製膜法による高品質製膜や、様々な印刷法を利用した微細加工が可能となり、バイオセンサや表示素子などへの利用の拡大が期待できる。また、近年電気化学活性を向上させるためにもナノ構造化することが様々な材料で盛んに行われている。
プルシアンブルー型金属錯体の製造方法については、ここ数年いくつかの提案がなされている。微粒子が安定に存在するためには、微粒子を分子で取り巻くことが一つの手法として挙げられる。これまで実際に利用されている安定化分子としては、AOT(di-2-ethylhexylsulfosuccinate sodium salt)などの界面活性剤(逆ミセル法で使用、非特許文献1参照)、poly(vinylpyrrolidone)(PVP)などの水溶性高分子化合物(特許文献2参照)、フェリチンなどのタンパク質などであった。また、プルシアンブルー型金属錯体のナノ粒子を簡便な混合・撹拌を中心とした工程により大量に生産することができ、これを水、アルコール、トルエンなどの有機溶媒などに分散したナノ粒子分散液として得る方法が最近開発された(特許文献3,4参照)。この製造方法により、プルシアンブルー型金属錯体結晶を特定の分子・イオン等で表面処理することにより所望の分散性や機能を付与したナノ粒子として得ることができ、その分子・イオンを適切に選択することにより多様な溶媒に分散させることが可能となった。
さらには、微粒子を特殊な分子で取り巻くことなく、プルシアンブルー型金属錯体を作製する際に原料を混合する比を制御することによって水に分散するナノ粒子を得る手法も報告されている(非特許文献2,3)
このように近年、異なる構造や特徴をもつプルシアンブルー型金属錯体のナノ粒子が得られており、特にエレクトロクロミック素子、センサ用途への従来にない形態での応用検討が進んでいる。なかでもエレクトロクロミック素子では、溶媒に分散する性質を生かし、加工性を高めた簡便な湿式製膜・印刷法により調光素子、表示素子の検討が進んでいる。特に、印刷法によるパターニングによる表示素子の実現は、上述したような所望の分散性を付与したプルシアンブルー型金属錯体のナノ粒子によって初めて実現された。
特開平7−270831号公報 特開平01−219723号公報 国際公開2007/020945号パンフレット 国際公開2008/081923号パンフレット
山田真実ら,「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)」,Vol.126,2004年,p9482 D.M.Delongchampら,「ケミストリー・オブ・マテリアルズ(Chem.Mater.)」,Vol.16,2004年,p4799 Y.Miaoら、「コロイド・ジャーナル(Colloid Journal)」Vol.69、2007年、p334
上記特許文献3はプルシアンブルー型金属錯体を利用したエレクトロクロミック素子を開示しており、その構造模式図を図6に示す。この素子は、透明ガラス基板91、ITO導電性膜92、及びプルシアンブルー型金属錯体を含有する色可逆変化薄膜層93を具備する。そこに、ポリエステルシートに穴を空けたものを封止材94を取り付け、ITO導電性膜95をガラス基板96の上に設けた対極で封止材94の内部を密閉した空間としている。この密閉空間に液体電解質97が注入されて素子90が構成されている。その液体電解質97としては、フタル酸水素ナトリウムやフルオロリン酸カリウムなどを水、炭酸プロピレン、アセトニトリルなどが利用されていた。しかしながら、この従来の電解液を利用する電気化学素子の場合、破壊時の漏洩がありうる。また、電解液を利用する場合は湿式プロセスである塗布・印刷などの工程の利用が通常困難であり、製造法において制限があった。特に、溶媒に分散するナノ粒子を利用してプルシアンブルー型金属錯体ナノ粒子層を形成する場合には主として塗布、印刷が利用されるため、ナノ粒子層と電解液層とを異なったプロセスで形成することを要し、複雑な工程が必要になる。さらには、金属層の外部にガラスなどの硬質な構造体を設置しない場合、外部応力等があった場合にも、上記の素子90でいえば色可逆変化薄膜層93と導電性膜95とが接触しないようにスペーサーなどを導入しなければならず、製造工程が煩雑になるという欠点もあった。さらに本発明者らの確認したところでは、電解液を利用する際には3V程度の電圧で電極が劣化することがあった。
そこで本発明は、上記プルシアンブルー型金属錯体ナノ粒子を具備した電気化学素子において、液体電解質を用いることによる上記の問題を克服することができ、製造効率が良く、液漏れや電極間の短絡の心配等がない安定した利用が可能であり、しかも高電圧に対する耐劣化性を付与したものとしうる電気化学素子、これを利用したエレクトロクロミック素子、二次電池の提供を目的とする。
(1)下記一般式(1)で表されるプルシアンブルー型金属錯体のナノ粒子を含有する電気化学応答性材料層を具備する一対の電極体を、その電気化学応答性材料層側が内側になるよう対向させ、その間に高分子化合物含有電解質層を介在させて組み立てたことを特徴とする電気化学素子。
[M(CN)y・zHO ・・・ 一般式(1)
[式中、Aは陽イオンを表す。Mは金属原子を表し、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、亜鉛、ランタン、ユーロピウム、ガドリニウム、ルテチウム、バリウム、ストロンチウム、及びカルシウムからなる群より選ばれる一種または二種以上の金属原子である。Mは金属原子を表し、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ニッケル、白金、及び銅からなる群より選ばれる一種または二種以上の金属原子である。xは0〜3の数であり、yは0.3〜1.5の数であり、zは0〜30の数である。]
(2)前記プルシアンブルー型金属錯体が、上記金属原子M及び上記金属Mの間をシアノ基(CN)が架橋してなるプルシアンブルー型金属錯体の結晶であり、該結晶の周囲に下記金属原子Mの陽イオンおよび/または下記金属原子Mを中心金属とする金属シアノ錯体陰イオンを結合させたものを配置したことを特徴とする(1)に記載の電気化学素子。
[金属原子Mは、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、亜鉛、ランタン、ユーロピウム、ガドリニウム、ルテチウム、バリウム、ストロンチウム、及びカルシウムからなる群より選ばれる一種または二種以上の金属原子である。金属原子Mは、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ニッケル、白金、及び銅からなる群より選ばれる一種または二種以上の金属原子である。]
(3)前記電気化学応答性材料層中の前記プルシアンブルー型金属錯体にアミノ基を有する有機化合物を共存させることを特徴とする(1)又は(2)に記載の電気化学素子。
(4)前記有機化合物の炭素原子数が3以上100以下であることを特徴とする(3)記載の電気化学素子。
(5)前記高分子化合物含有電解質層が高分子電解質又は高分子化合物と支持電解質との組合せからなることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の電気化学素子。
(6)前記高分子化合物含有層に含まれる高分子化合物が、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリメチルアクリロレート、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンフロライド、ポリビスメトキシエトキシメトキサイド−フォスファゼン)、及びカルボン酸基もしくはスルホン酸基を有する高分子化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の電気化学素子。
(7)前記高分子化合物含有電解質層にポリメタクリル酸メチルを含有させた(1)〜(6)のいずれか1項に記載の電気化学素子。
(8)前記高分子化合物含有電解質層に紫外線硬化樹脂を含有させた(1)〜(7)のいずれか1項に記載の電気化学素子。
(9)前記高分子化合物含有電解質に色材を含有させた(1)〜(8)のいずれか1項に記載の電気化学素子。
(10)前記(1)〜(9)に記載の電気化学素子に電極部材を組み合わせた構造を持つエレクトロクロミック素子。
(11)前記(1)〜(9)に記載の電気化学素子に電極部材を組み合わせた構造を持つ二次電池。
なお、本発明において、「電気化学素子」とはそれのみで電気化学的な機能を発揮する素子はもとより、これと電極部材を組み合わせることでその機能を発揮する素子部材を含む意味である。
本発明の電気化学素子及びこれを利用したエレクトロクロミック素子ないし二次電池は、製造効率が良く、液漏れや電極間の短絡の心配等がない安定した利用が可能であり、しかも高電圧に対する耐劣化性を付与したものとしうるという優れた作用効果を奏する。
本発明の電気化学素子を利用した好ましい実施形態に係るエレクトロクロミック素子を模式化して示す断面図である。 本発明の電気化学素子を利用した別の好ましい実施形態に係るエレクトロクロミック素子を模式化して示す断面図である。 実施例で作製した電気化学素子1に所定の条件で電圧を印加したときの電流特性を示したグラフである。 実施例で作製した電気化学素子1’の常温における色変化の様子を示した図面代用写真である。左図がPBナノ粒子側に0.0Vの電圧を印可した際の様子であり、右図が−0.8Vの電圧を印可した際の様子である。 実施例で作製した電気化学素子3A,3Bに所定の条件で電圧を印加したときの電流特性を示したグラフである。 公知のエレクトロクロミック素子を模式的に示した断面図である。 プルシアンブルー型金属錯体の結晶構造の例を模式化して示した結晶構造図である。
本発明の電気化学素子の好ましい実施形態による素子構造は、図1に示した5層の構造を基本とする。それぞれの層について以下に詳述する。本実施形態の電気化学素子は図1のとおり基本構造としては5層構造を持つ。プルシアンブルー型金属錯体は、電気化学的に活性な電気化学応答性材料層として活物質層2及び4を具備し、その両層において電気化学機能を示す層として利用する。そして、前記一対の活物質層(電気化学応答性材料層)2,4は電極材料層1,5とそれぞれ組み合わされた電極体11,12を構成し、一対の電極体11,12の間には固体電解質層3が介在されている。この2つの電極部材間に電圧を印加し電気化学反応を伴い所望の機能を発揮させることができる。
(A)電解質層
本発明では、電解質層として高分子を含有する電解質を利用する。この高分子化合物含有電解質の種類や構造等は特に限定されないが、プルシアンブルー型金属錯体(活物質)において良好な電気化学反応を実現する観点からは、電子伝導度が小さいことが好ましく、また電気化学反応において活物質に出入りするイオンに関する伝導度が大きいことが好ましい。特に上記高分子化合物含有電解質は、液体電解質と異なり、素子が破壊されるに至っても、液体などが電解質を納めた部材から過度に漏出することがないものとすることができる点で好ましい。
高分子化合物含有電解質の製造方法としては、例えば、溶媒と混合することでゲル状に変化するゲル化剤を支持電解質を溶媒に分散させた電解液と混合し撹拌することや、紫外線を照射することにより硬化するUV硬化樹脂と電解液を混合し撹拌すること、さらには高分子と支持電解質とを溶媒なしで混合させること、さらには内部に電気化学応答に必要なイオンを含む高分子を利用すること(この場合は、支持電解質は含んでも含まなくてもよい)などが挙げられる。以後、この電解液と混合して高分子化合物含有電解質をなす特定の高分子化合物ないしこれを含有する剤を高分子含有剤と呼ぶ。
上記支持電解質としては、プルシアンブルー型金属錯体ナノ粒子の電気化学反応において活物質層を出入りするイオンを含むものが挙げられ、陽イオンとしてカリウムイオン、ナトリウムイオン、セシウムイオン、ルビジウムイオン、アンモニウムイオン、Liイオン、Hイオンが好ましく、特にKイオン、Naイオン、NH イオンが特に好ましい。対イオンである支持電解質中の陰イオンについては、支持電解質が溶媒に溶解すればよく、例えばPF イオン、BF イオン、ClO イオン、(CF3SO2)2Nイオン等が挙げられる。
上記溶媒としては、支持電解質が溶解し高分子含有剤と混合するものであればよく、例えば、炭酸プロピレン、アセトニトリル、トルエン、水などが挙げられる。ただし、デバイスが100℃以上でも動作するなどの耐熱性を保持する必要がある場合には、炭酸プロピレンなどの沸点が十分に高い溶媒を利用することが望ましい。支持電解質を溶媒に溶解させた電解液の支持電解質濃度は、プルシアンブルー型金属錯体ナノ粒子の電気化学反応が起これば特に制限はないが、0.01モル/リットル〜5モル/リットルが望ましく、特に0.1モル/リットル〜2モル/リットルが特に望ましい。
高分子含有剤は、上記支持電解質を溶解させた溶媒と混合した際に上記イオンの伝導性が、活物質における反応が効果的に起こる程度に確保されていることが好ましい。その高分子化合物としては、ゲル化剤が挙げられ、例えばポリメタクリル酸メチル(PMMA)、グルーラボ株式会社製GLX14−25(商品名)、PEO:Poly(ethylene oxide):ポリエチレンオキサイド、PPO:Poly(propylene oxide):ポリプロピレンオキサイド、PAN:Poly(acrylonitrile):ポリアクリロニトリル、Poly(methyl methacrylate):ポリメチルアクリロレート、PVC:Poly(vinyl chloride):ポリビニルクロライド、PVdF:Poly(vinylidene fluoride):ポリビニリデンフロライド、MEEP:Poly[bis(methoxy ethoxyethoxide)-phosphazene]:ポリビスメトキシエトキシメトキサイド−フォスファゼン)や、その誘導体などが利用出来る。電解液と高分子含有剤における高分子化合物と支持電解質の混合比に特に制限はない。ここで、高分子化合物の比率を増すことによって、得られる高分子含有電解質の粘度を向上させることができるため、デバイスの製造方法によって適した粘度を得られるように混合比を制御することができる。また、ポリエチレンオキサイドなどを利用すれば、混合後に溶媒を蒸発させることによって溶媒を含まない高分子化合物含有電解質を作製することができる。さらには、高分子電解質(イオン交換樹脂)を用いてもよく、例えばカルボン酸基やスルホン酸基等の酸性基を有する高分子化合物が挙げられ、具体的にはデュポン社製ナフィオンなどの、高分子自体が陰イオンの役割を果たすものを利用することができる。この実施態様によれば、支持電解質や溶媒との混合は必ずしも必要ではない。
高分子化合物電解質層に用いる高分子化合物の分子量は特に限定されないが、本明細書において、分子量というとき特に断らない限り質量平均分子量を意味する。
本発明において電解質層は非流動性であることが好ましい。ここで非流動性とは、従来の液体電解質のように素子が破壊されたときにそれが飛散するように流出するものでなければよく、固体電解質のように全く流動性のないもののみならず、ゲル状のものなど、ある程度流動性を有するものであってもよい。流動性の目安として例えば、東機産業社製、RE85U(商品名)、測定温度:25℃で測定した電解質の粘度が、3000mPa・s以上であることが好ましく、5000〜300000mPa・sであることがより好ましい。
得られたゲル電解質はそのまま利用することも可能であるが、耐熱性などの向上のためには脱気あるいは脱水処理を行うことが望ましい。脱気の方法について特に制限はないが、加熱真空化で撹拌することなどで所望の脱気状態を得ることができる。脱水方法についても特に制限はないが、例えばモレキュラーシーブ(分子ふるい、アメリカリンデ社製など)を利用する溶媒に、発泡がおさまるまで浸漬し、所望の脱水状態を得ることができる。
電解質層として、紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂などを利用した場合には、素子作成後にそれぞれ紫外線照射、加熱処理を施すことにより、素子の耐久性等を向上させることができる。紫外線効果樹脂の構成成分としては一般的な紫外線硬化性物質と硬化剤との組合せ等を用いることができる。
また、高分子化合物含有電解質層には電気化学特性や光学特性を制御する目的などで他の材料を混合してもよい。例えば着色するため、色材として酸化チタン微粒子などの顔料や、銅フタロシアニンなどの低分子類を混合させることができる。この場合、高分子含有剤の主たる目的である電子絶縁性や、イオン伝導性に深刻な悪影響を及ぼさないことが望ましい。また、電解液に分散しない、あるいは分散が困難な材料を利用する場合にも、高分子化合物含有電解質層を利用することで、上記材料を電解質層中に固定化することができることも、本発明の利点である。さらなる利点として、通常の電解質溶液等に対して溶解性ないし分散性のプルシアンブルー型金属錯体ナノ粒子を利用する場合にその溶解によりナノ粒子を含有する活物質層のもつ性能が長期使用において低下していくことが考えられるが、本発明においては高分子化合物含有電解質層を利用するためそのような性能低下を効果的に防ぐことができ好ましい。電解質層の厚みとしては特に制限はないが、用途によって応じた厚みとすることが望ましい。例えば、二つの活物質層間に、パターンが異なるなどの形状の違いがある場合は、電解質層にある程度厚みを持たせることが好ましく、50μm以上が望ましく、特に150μm以上が望ましい。一方、活物質層の形状等に違いがない場合には、より薄くすることが可能である。例えば調光ガラスなどの用途の場合には、素子の厚みを薄くすることが望ましい。
(B)電気化学応答性材料層(活物質層)
本実施形態では、プルシアンブルー型金属錯体(以下、「PB錯体」と省略していうことがある。)の超微粒子を活物質層2及び活物質層4の両方に含有させているが、本発明においては素子の機能等に応じて一方に含有させ利用する形態であってもよい。
使用するPB型錯体としては、基本の組成式がA[M(CN)6]y・zHOとして表されるものであればよく、さらにシアノ基(CN)の一部をヒドロキシル基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、水などで置換していてもよい。また、陽イオンAは必ずしも含有する必要はなく、含有している場合は、カリウム、ナトリウム、セシウム、ルビジウム、水素、アンモニアなどが挙げられるが、それに制限されるものではない。また、陰イオンなど他の材料を含有していてもかまわない。また、水(HO)も必ずしも含有する必要はない。また、半分以上がこの組成式で表される構造を保っていれば、別の錯体などと混合していてもよい。例えば、光学応答性、触媒活性、分散性、金属層への吸着性などの向上のために金属イオン、有機分子、金属錯体などを吸着させる場合もあるが、このような場合でも、主たる構造が上記組成式であればよい。
金属原子Mは、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、亜鉛、ランタン、ユーロピウム、ガドリニウム、ルテチウム、バリウム、ストロンチウム、及びカルシウムからなる群より選ばれる一種または二種以上の金属である。金属原子Mとしては鉄、コバルト、ニッケル、バナジウム、銅、マンガン、もしくは亜鉛が好ましく、鉄、コバルト、もしくはニッケルがより好ましい。金属原子Mに二種の金属の組み合わせを利用する場合には、鉄とニッケルとの組み合わせ、鉄とコバルトとの組み合わせ、ニッケルとコバルトとの組み合わせが好ましく、鉄とニッケルとの組み合わせがより好ましい。
金属原子Mは、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ニッケル、白金、及び銅からなる群より選ばれる一種または二種以上の金属原子である。中でも金属原子Mとしては鉄、クロム、もしくはコバルトが好ましく、鉄が特に好ましい。金属原子Mについては、鉄とクロムとの組み合わせ、鉄とコバルトとの組み合わせ、クロムとコバルトとの組み合わせが好ましく、鉄とクロムとの組み合わせがより好ましい。
xは0〜3の数であり、0〜1の数であることが好ましい。yは0.3〜1.5の数であり、0.5〜1の数であることが好ましい。zは0〜30の数であり、5〜15の数であることが好ましい。
PB型錯体ナノ粒子の製造法としては、特許文献3に記載の方法の他、逆ミセル法、フェリチンなどをテンプレートとして用いる方法、過剰のヘキサシアノ金属イオンと金属イオンの水溶液を混合する手法等が挙げられるが、溶媒に分散すればその製法や形状などは問わない。粒径としては、溶媒に均一に分散するためには直径500ナノメートル以下が望ましく、さらには直径200ナノメートル以下が望ましい。平均粒径の下限は特にないが、3ナノメートル以上であることが実際的である。
ナノ粒子の表面には分散性を向上させるための修飾分子が吸着していてもよい。かかる観点から電気化学応答性材料層にアミノ基を有する化合物を前記PB錯体と共存させることが好ましい。このときアミノ基を有する化合物はイオンの状態であってもよい。例えば、有機溶媒あるいはブタノールなどのアルコールを利用する場合にはアミノ基を有する化合物を用いることが望ましく、特にアミノ基とアルキル基(好ましくは炭素数3〜100、より好ましくは3〜30であり、さらに好ましくは炭素数3〜16である。)の双方を有することが望ましい。具体的には、オレイルアミン、ステアリルアミン、プロピルアミン、ヘキシルアミンなどが望ましく、特にオレイルアミン、ヘキシルアミン、プロピルアミンが望ましい。水に分散させる場合にはフェロシアン化物イオン、フェリシアン化物イオンなどが望ましい。また、ブタノールなどのアルコールに分散させる場合には上記の両方を吸着させることも望ましく、特にプロピルアミンとフェロシアン化物イオンあるいはフェリシアン化物イオンの組み合わせが望ましい。分散液における超微粒子の濃度は特に限定されないが、良好な塗布及び製膜性を考慮すると、塗布法によって適当な濃度に調整する必要がある。例えばスピンコート法によって塗布を行う場合には、1質量%〜50質量%であることが好ましく、スプレー法を利用する場合には、0.1質量%〜15質量%が好ましい。
本実施形態の素子においては、上記一般式(1)で表されるプルシアンブルー型金属錯体の微粒子ないしその含有液と、金属原子Mの陽イオンを含有する水溶液および/または金属原子Mを中心金属とする金属シアノ錯体陰イオンを含有する水溶液とを混合して得た表面修飾したプルシアンブルー型金属錯体ナノ粒子を用いてもよい。
ここで一般的な粒子の性質についていうと、一次粒子がナノメートルサイズの粒子であっても、それらが溶媒中で物理凝集して大きくなりすぎると、結局バルク粒子と同じようになり、その溶媒に不溶(難溶)ないし分散不可能(困難)となってしまう(本発明においては、このような状態を「実質的に不溶」といい、具体的には、室温(25℃)で溶解ないし分散した粒子の濃度1質量%以上の状態が一日以上維持されない状態をいう。)。そのため、一般的な製法で得られるプルシアンブルー型金属錯体は、水などの溶媒に実質的に不溶である。
これに対し、上記の表面修飾によれば、プルシアンブルー型金属錯体を例えば10nm程度の非常に小さいサイズで得ることができる。そして、その結晶表面を所定の帯電状態として個々のナノ粒子の分離状態を維持し、各種溶媒に可溶ないし可分散なものとすることができる。本発明において「可溶ないし可分散」とは、上記の「実質的に不溶」な状態ではないことをいう。具体的には、室温(25℃)で溶解ないし分散した粒子の濃度5〜100質量%の状態を一日以上維持出来ることが好ましく、10〜100質量%の状態を一日以上維持出来ることがより好ましい。なお、上述した微粒子表面の帯電は「正」であっても「負」であってもよい。
さらに詳しくいえば、ナノ微粒子間に静電的斥力相互作用を働かせ、溶媒中での凝集を起こさせず、結果として溶媒に分散させることができる。特に溶媒として水を利用する場合、水分子が極性を持っているため好ましい。このように水に溶解ないし分散可能な微粒子(水分散型微粒子)とすることで、例えば、水性媒体(水、水とアルコールとの混合液、塩酸や水酸化ナトリウム水溶液などの無機塩の水溶液)、アルコールなどの極性溶媒に溶解・分散させることができる。
ここで金属原子Mは、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、亜鉛、ランタン、ユーロピウム、ガドリニウム、ルテチウム、バリウム、ストロンチウム、及びカルシウムからなる群より選ばれる一種または二種以上の金属原子であり、その好ましい範囲及び対イオンとしては、前記金属原子Mについて説明したものと同様である。
金属原子Mは、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ニッケル、白金、及び銅からなる群より選ばれる一種または二種以上の金属原子であり、その好ましい範囲及び対イオンとしては、前記金属原子Mについて説明したものと同様である。
金属原子MもしくはMのシアノ錯体陰イオンとしては、ヘキサシアノ金属錯体陰イオンが好ましく、通常金属原子を6個のシアノ基が取りかこんだ形状をしているが、シアノ基の一部が別の分子に置き換わっていてもよいし、シアノ基の数については4〜8個までの増減があってもよい。
プルシアンブルー型金属錯体は金属Mの陽イオンと中心金属Mからなるヘキサシアノ金属錯体陰イオンとが交互に組み合わさった構造を取っている。以下、この金属錯体を構成する金属陽イオンをA、ヘキサシアノ金属錯体陰イオンをBとして説明する(上記一般式(1)のAとは異なる意味である。)。なお、プルシアンブルー型金属錯体結晶は、空孔を伴ってもよく、完全結晶である必要はない。また、金属陽イオンA、ヘキサシアノ金属錯体陰イオンBとして複数の異なるものを組み合わせた複合結晶であってもよい。この表面修飾を行う前のプルシアンブルー型金属錯体結晶をコア部と呼ぶ。
本発明の製造方法の一実施態様として、コア部を構成する金属M、Mと、追加添加する金属M、Mとを、それぞれ同じ金属原子とする態様が挙げられる。
この態様を上記の前記陽イオンAと陰イオンBとからなるプルシアンブルー型金属錯体(コア部)を例に説明する。そのコア部に金属イオンAをさらに添加すると、金属イオンAはコア部のヘキサシアノ金属錯体陰イオンBに表面吸着する。すると、コア部のBはAに覆われ、ナノ微粒子の表面において金属陽イオンAの比率が増し、結果的に表面が「正」に帯電する。一方、ヘキサシアノ金属錯体陰イオンBを添加した場合は、コア部の金属陽イオンAに吸着し、陽イオンAがBに覆われ、表面が「負」に帯電する。いずれの場合も結果として各種溶媒に可溶ないし可分散となる。
本発明の製造方法の別の実施態様として、コア部を構成する金属M、Mとは異なる金属を、追加添加する金属M、Mとしてそれぞれ選定して用いる態様が挙げられる。
具体的には、前記陽イオンAと陰イオンBとからなるプルシアンブルー型金属錯体(コア部)に、例えば金属陽イオンCを追加添加する。すると、コア部表面のBはCに覆われ、表面に露出するのはAもしくはCとなり、微粒子表面は「正」に帯電する。そして微粒子全体の金属組成は一様ではなくなり、表面側に異なった金属の層が形成されたナノ微粒子とすることが出来る。さらに、コア部と異なったヘキサシアノ金属錯体陰イオンDをその後添加した場合、上記のA及びCをDが覆うように積み重なる。すなわち、コア部と異なった、CとDとからなる外層部が形成される。これにより、プルシアンブルー型金属錯体においてコア部(A、B)とシェル部(C、D)とを有する構造のナノ微粒子を製造出来る。
このように、本発明の製造方法によれば、シェル部を構成する所定の金属陽イオン及びヘキサシアノ金属錯体陰イオンを、所定の順序で、所定の回数添加して、原子もしくは分子を積み上げて所望の層構造に形成したナノ微粒子を作製することが出来る。シェル部を複数層設けて多層構造の微粒子とするとき、各シェル部の金属組成は互いに同一であっても異なっていてもよい。
添加する金属陽イオンCまたはヘキサシアノ金属陰イオンDの種類や分量によっては製造したナノ粒子が溶媒に十分に分散しない場合もあるが、このような態様を本発明は除外するものではない。すなわち、本発明においては、ナノ粒子生成時に所定の溶媒に十分に溶解ないし分散しなくても、所定の順序で所定の回数、所定の金属陽イオン及びヘキサシアノ金属錯体陰イオンを添加して、所望の溶解性ないし分散性を付与することができる。
一度に添加する金属原子M及びMの添加量は特に限定されないが、例えば、モル比で、「金属原子M及びMの総モル数」:「金属原子MまたはMのモル数」を1:0.01〜1:0.5とすることが好ましく、1:0.05〜1:0.2とすることがより好ましい。この添加量を変化させシェル部がコア部を被覆する量を調節することができ、それにより得られるナノ微粒子の発色特性や、電気化学応答性、分散特性等を制御することができる。またナノ微粒子に分散選択性を付与することもできる。このときシェル部がコア部の全外表面を覆いつくす必要はなく、コア部の外表面の一部に偏在するものであってもよい。このようなシェル部の偏在状態や量を調節することにより、コア部の発色とシェル部の発色とを組み合わせて発色特性を精細に制御したナノ微粒子とすることもできる。
コア部とするプルシアンブルー型金属錯体とシェル部とするプルシアンブルー型金属錯体との組み合わせは両者の金属組成が異なれば特に限定されないが、M−M型錯体(コア部)とM−M型錯体(シェル部)との組み合わせとしていえば、例えば、Fe−Fe型錯体(コア部)とNi−Fe型錯体(シェル部)との組み合わせ、Ni−Fe型錯体(コア部)とFe−Fe型錯体(シェル部)との組み合わせ、Co−Fe型錯体(コア部)とFe−Fe型錯体(シェル部)との組み合わせが好ましい。
本発明において、粒子径とは、特に断らない限り、一次粒子の直径をいい、その円相当直径(電子顕微鏡観察により得た超微粒子の画像より、各粒子の投影面積に相当する円の直径として算出した値)をいう。また、平均粒子径については、特に断らない限り、少なくとも30個の超微粒子の粒子径を上記のようにして測定した、その平均値をいう。あるいは目的に応じて、超微粒子の粉体の粉末X線回折(XRD)測定から、そのシグナルの半値幅より算出した平均径より見積もってもよいし、動的光散乱計測から見積もってもよい。ただし、動的光散乱計測から測定する場合は、得られる粒子径は保護配位子を含む場合もあることに注意を要する。
ただし、溶媒に分散させた状態では、複数のナノ粒子が集団で二次粒子として運動し、測定法やその環境によってはより大きな平均粒子径が観測される場合もあるが、分散状態で超微粒子が2次粒子となっているときも、その平均粒径が500nm以下であることが好ましい。なお、超微粒子膜として製膜した後の処理などにより、保護配位子が外れるなどしてさらに大きな凝集体となっていてもよく、それにより本発明が限定して解釈されるものではない。
PB型錯体を含有する電気化学応答性材料層(活物質層)は金属、高分子化合物等別の層を含んでもよく、それぞれの層が複数の材料からなる複合膜でもよい。例えば、活物質層内の電子伝導性を増すためにアセチレンブラック、ケッチェンブラック、導電性高分子などの導電助材を混合させることや、膜の耐久性の向上や、製造時の利便性のための粘度・表面張力等の物性制御を目的として高分子等のバインダや界面活性剤などを混合させてもよい。また、活物質層2あるいは4のいずれかがPB型錯体ナノ粒子を含んでいれば、もう一方は導電性高分子や酸化物など、他の活物質として利用できるものでもよく、さらには他の手法、例えば電解析出法等によって得られたPB型錯体膜であってもよい。また、酸化還元が起こらなくとも、活性炭の様に表面にイオンを吸着し、実質的にイオンを内部に取り込むことが可能な材料を利用してもよい。電極部材層(金属層1,5)とPB型錯体を含有する活物質層2,4は同じ形状である必要ではなく、例えばPB型錯体層は金属層の一部を覆う形状でもよい。また、必要に応じてパターニングされていてもよい。この場合、パターニングによって活物質層が欠けた部分を何らかの材料で補完する(埋める)必要があるが、活物質層で補完してもよい。なお、本発明においてパターニングとは目的や機能に応じて任意の形状に成形することをいい、例えば素子の平面視において基材(基板)とは異なる形状の線図からなる膜を成形することが挙げられる。活物質層の厚さは特に限定されないが、用途によって適当な厚さを選択することが望ましい。例えばエレクトロクロミック素子の場合には50nm〜10μmであることが好ましく、100nm〜5μmであることがより好ましい。電池に利用する場合には1μm〜1000μmであることが好ましく、10μm〜300μmであることがより好ましい。なお、図1においては電極材料層1,5と活物質層2,4とを組み合わせたものを電極体11,12として示しているが、これは理解のためのまとまりとして示しており、その製造方法や構造的な特徴がこの形態により限定して解釈されるものではない。例えば、電極材料層1,5と活物質層2,4との間に別の部材を介在させてもよい。
活物質層の両方にPB型錯体を利用する場合は、特にその組み合わせを問わないが、プルシアンブルー、ニッケル−鉄PB型錯体、コバルト−鉄PB型錯体、銅−鉄PB型錯体、亜鉛−鉄PB型錯体、亜鉛−コバルトPB型錯体、鉄−コバルトPB型錯体、鉄−クロムPB型錯体、亜鉛−クロムPB型錯体の中からの二つの組み合わせが望ましく、特にエレクトロクロミック素子として利用する場合には、プルシアンブルーとニッケル−鉄PB型錯体、プルシアンブルーと銅−鉄PB型錯体、プルシアンブルーと亜鉛−鉄PB型錯体が望ましい。電池として利用する場合には、特にプルシアンブルーとニッケル−鉄PB型錯体、プルシアンブルーと銅−鉄PB型錯体、プルシアンブルーと亜鉛−鉄PB型錯体、プルシアンブルーと鉄−クロムPB型錯体、プルシアンブルーと亜鉛−クロムPB型錯体、鉄−クロムPB型錯体とニッケル−PB型錯体、鉄−クロムPB型錯体と銅−鉄PB型錯体、鉄−クロムPB型錯体と亜鉛−鉄PB型錯体が望ましい。
(C)電極部材層
本実施形態において導電性基材をなす電極部材層は導電性がある材料を有するものであれば材料の種類や構造は問わない。電極部材料層を構成する導電性材料としては、金、銀、鉄、銅、アルミ、ステンレスなどの金属体、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛、酸化スズなどの酸化物導電体、導電性ポリマーなどが利用できる。ただし、エレクトロクロミック素子など外部から色を確認する必要がある場合には透明導電体を金属層の少なくとも一方に設置するなど、用途によって適切な材料を選択する必要がある。また、プルシアンブルー型金属錯体と接触することにより腐食する恐れのある金属を利用する場合には、別途その接触を避けるための膜を間に設置するなどの対策を施すことが望ましい。さらにまた、可搬性の確保や、電気漏洩の防止などを目的として、金属層あるいは/及び金属層の外側に絶縁体層を設置することができる。この場合、絶縁体層は導電性でない固体材料であれば材料を問わない。すなわち、ポリエチレンテレフタレートに代表される絶縁性ポリマー、セラミック、酸化物、ゴム等が利用できる。ただし、外部から色を確認する場合には透明絶縁体を使用する。このように導電性基材をなす材料は導電性物質に限らず絶縁性物質を組み合わせたものであってもよい。また、導電性基材の形状も特に限定されず、板状の基板のほか、導電性を付与された壁面や、所定の機能性製品ないし部品の一部等であってもよい。なお、絶縁体層及び金属層等に構造的な硬質性がなく、柔軟である場合には、使用条件によっては外部からの力により電極体11及び12が接触しないようにしないようにすることが好ましい。この場合は高分子化合物含有電解質の強度を上げることで、別途スペーサーなどを導入せずとも活物質層間の接触を避けることができる。
さらには、PB型錯体を含有する活物質層や電極部材層の金属層の状態を維持するべく外気にふれないように封止材料で覆われていてもよい。封止材料としては、高分子フィルムによるラミネート、エポキシ樹脂、UV硬化樹脂、光硬化樹脂その他の接着剤として利用可能な材料などが挙げられる。その場合、封止性を維持するように金属層から外部に配線する必要がある。
(本実施形態に係る素子の好ましい製造方法)
図1に示した構造の素子を製造する方法に制限はないが以下にその好ましい例(実施態様)を挙げる。まず、電極部材層1,5の片面に形成された金属層(図示せず)上に活物質層2,4を設置し電極体11,12を作製することが望ましい。必ずしも二つの活物質層2,4を設ける必要はなく、片方を導電性材料層のみで構成したり機能性の対極層としたりしてもよいが、耐久性などの観点からは、一対の電極体の両方に活物質層を設けることが望ましい。たとえばPB型錯体ナノ粒子を活物質層に利用するに際し、金属層を準備し、その上にPB型錯体ナノ粒子薄膜層を設置することができる。PB型錯体ナノ粒子薄膜は、例えばナノ粒子の分散液を用い、各種製膜技術、印刷技術を使用して作製することができる。印刷技術としては、インクジェット法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、凸版印刷法などが利用できる。製膜技術としては、スピンコート法、バーコート法、スキージ法、ラングミュアブロジェット法、キャスト法、スプレー法、ディップコート法などが利用できる。また、基板とナノ粒子間の化学結合を用いる方法でもよい。これらの方法により、様々な素子等の加工に利用することができる。
このとき、PB錯体のナノ粒子を所定の媒体に分散させた分散液を用いることが好ましく、その溶媒としては、トルエン、酢酸メチル、酢酸エチル、オクタン、デカン、水、メタノール、エタノール、ブタノール、エチレングリコールなどでもよいし、あるいはそれらの混合液でもよい。また、粘度や表面張力など各種特性を調製するために樹脂等別の物質を添加してもよいが、製膜後の膜内の電子伝導性及びイオン伝導性を著しく阻害しないこと、あるいは製膜後の加熱、薬品への浸漬などの後処理等によって製膜後除去できることが必要である。このとき、上記の通り、活物質層はパターニングされていてもよいが、各種印刷技術を利用することによってそのパターニングを実現することができる。
この活物質層を設置した電極体11,12を二つ準備し、その間に電解質層3を設置することによって所望の構造が得られる。電解質層の設置法についても制限はないが、主な手法としては、以下に挙げる「貼り合わせ法」と「注入法」が挙げられる。
貼り合わせ法とは、一方の電極の活物質層の上に電解質層を設置し、もう一方の電極と貼り合わせることによって、図1の構造の素子を製造する方法である。この場合、電解質層はディスペンサ等での塗布や、バーコート法やスキージ法による塗布などが利用できる。また、電解質層は貼り合わせの前には層状になっている必要はなく、貼り合わせ後に所望の構造が実現されていればよい。また、貼り合わせ時には、真空中でその作業を行ってもよい。これにより、空気等の混入による発泡を防ぐことが容易となる。
また、電解質層の漏出を一層効果的に防ぐ目的として封止材6を電解質層の周りに設置してもよい。その場合、得られる素子構造は図2に示すものが挙げられる。ただし、封止材は活物質層間にある必要はなく、封止材の密着性を向上させるため、活物質層を剥離させ、直接金属層に接していてもよく、また、金属層・活物質層・電解質層の外側に設置されてもよい。この場合、封止材としては、電解質層の漏出を避けられれば制限はなく、例えばUV硬化樹脂、熱硬化フィルム、あるいはそれらの組み合わせなどが利用できる。このとき、高分子化合物含有電解質が溶媒を含む場合、その溶媒に対する耐久性があるものを利用することによって素子の耐久性を向上させることができる。さらには、電解質層の膜厚を制御するために、ビーズ、フィルム等のスペーサーが電解質層に含まれていてもよい。
注入法では、事前に二つの電極を封止材6を介して貼り合わせた構造を作成し、別途準備した注入口から高分子化合物含有電解質を注入し、注入口を封止する。この場合、高分子化合物含有電解質は、少なくとも流入時はある程度の流動性が必要となる。注入後は、加熱等により溶媒を蒸発させ、流動性を下げてもよい。封止材としてはUV硬化樹脂、熱硬化フィルムなどが利用できる。また、複数種類封止材を併用してもよい。例えば、UV硬化樹脂あるいは熱硬化フィルムを利用してもよく、UV硬化樹脂と熱硬化フィルムを併用してもよい。
本発明によれば、電解液層に高分子化合物含有電解質を利用することにより、従来の電解液と同様の注入による電解質層の形成に加え、印刷・塗布などによる湿式工程による電解質層の作製が可能となり、これにより、活物質層と電解質層が同様の手法で作製できるため、製造コストがより軽減される。さらには高分子化合物含有電解質の利用によりデバイス利用における事故等による破損時に電解液が漏洩するなどの危険を避けることができる。またさらに、高分子化合物含有電解質を利用することにより、高電圧による電極の劣化も軽減することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定して解釈されるものではない。
(調製例1:水分散性PBナノ粒子の合成)
特許文献1と同様の方法で水分散性PB(プルシアンブルー)ナノ粒子を作製した。具体的には以下のとおりである。フェロシアン化ナトリウム・10水和物14.5gを水60mLに溶解した水溶液に硝酸鉄・9水和物16.2gを水に溶解した水溶液30mLを混合し、5分間攪拌した。析出した青色のPB沈殿物を遠心分離し、これを水で3回、続いてメタノールで1回洗浄し、減圧下で乾燥した。このときの収量は11.0gであり、収率はFe[Fe(CN)・15HOとして97.4%であった。
製造したPB(凝集体)0.40gを水8mLに懸濁させた。この懸濁液に、フェロシアン化ナトリウム・10水和物180mgを加え、攪拌したところ青色透明溶液ないし分散液へと変化しPBのナノ粒子の分散液(分散液試料1)を得た。
その青色透明液に安定に分散しているPBのナノ粒子の粒径を動的光散乱法によって測定したところ、PBのナノ粒子は水中に概ね20〜40nmの範囲で分布していることが分かった。得られたPBナノ粒子水分散液の水を減圧留去することで、PB型錯体ナノ粒子の粉末を凝集固体としてほぼ定量的に得た。得られた粉末は、水、メタノールもしくはエチレングリコールに再分散し、濃青色の透明な分散液となった。上記のPBのナノ粒子が安定に分散している青色透明液の吸収スペクトルでは、700nm付近に吸収極大を持つにPB特有のFe(II)からFe(III)への電荷移動吸収帯が観測された。
(調製例2:水分散性ニッケル−鉄PB型錯体ナノ粒子の合成)
調製例1において、鉄塩をニッケル塩に変更することにより、水分散性Ni−PBA(Ni−FePB型錯体)ナノ粒子が得られる。具体的には以下のとおりの手順である。
フェリシアン化カリウム25.3gを水80mLに溶解した溶液と、硝酸ニッケル・6水和物33.6gを水20mLに溶解した溶液を一気に混合し、5分間攪拌した。析出した黄褐色のニッケルPB型錯体の沈殿物を遠心分離で取り出し、これを水で3回、続いてメタノールで1回洗浄し、減圧下で乾燥した。このときの収量は30.0gであり、収率はNi[Fe(CN)・10HOとしてほぼ100%であった。作製したニッケルPB型錯体(沈殿物)を粉末X線回折装置で解析したところ、標準試料データベースから検索されるニッケルPB類似体、Ni[Fe(CN)のものと一致した。またその粒子の大きさを、粉末X線回折パターンのピーク幅から見積もったところ、20nmのナノ粒子の凝集体であった。これを水に分散させた分散液2を得た。
(調製例3:ブタノール分散性PBナノ粒子の合成)
調製例1において得られた、PB(凝集体)0.6g (0.53mmol)に、フェロシアン化ナトリウム無水和物0.09gを水に溶解させた溶液15mlに添加した。さらにブタノール15ml及びプロピルアミン61.28μlを加え、3日間攪拌後、6000rpm,10分間遠心分離を行い、上澄みを除去した。さらにジエチルエーテルを利用し、遠心分離(10000prm,10分)3回の洗浄処理を行った後に、30分間室温乾燥を行い、凝集物を得た。得られた凝集物とブタノール15mlを混合、1日撹拌後に遠心分離により沈殿物を除去することにより、ブタノール分散プルシアンブルーナノ粒子分散液を得た。
(調整例4:ポリメタクリル酸メチルを利用した高分子化合物含有電解質の調整1)
炭酸プロピレン50mlとKPF920mg(0.1M)を混合、10分間撹拌することにより、電解液1を得た。この電解液1の50mlをポリメタクリル酸メチル(PMMA、Wako社製)8gを添加、12時間常温にてマグネティックスターラーを用いて撹拌したところ、固形物は無くなり、流動性のある高分子化合物含有電解質1を得た。さらに、真空中で100℃に保温しながら10分間マグネティックスターラーにより撹拌することで脱気を行い、に高分子化合物含有電解質1を得た。
(調整例5:ポリメタクリル酸メチルを利用した高分子化合物含有電解質の調整2)
調整例4において、PMMAの添加量を16gとし、48時間80℃に保温しながらマグネティックスターラーを用いて撹拌したところ、固形物は無くなり、高分子化合物含有電解質1に比べ流動性が低く、粘度の高い高分子化合物含有電解質が得られた。さらに、真空中で100℃に保温しながら10分間マグネティックスターラーにより撹拌することで脱気を行い、に高分子化合物含有電解質2を得た。
(調整例6:ポリメタクリル酸メチルを利用した高分子化合物含有電解質の調整3)
調整例5において、支持電解質をKPFに替え、KN(CF3SO2)2に変更し、濃度0.1mol/l、1.0mol/lの高分子化合物含有電解質3a,3bを得た。
(調整例7:紫外線硬化樹脂を利用した高分子化合物含有電解質の調整)
炭酸プロピレン3mlとビス(トリフルオロメタンスルホニル)イムドカリウム 4789mg(5mol/L相当分)を混合、マグネティックスターラーで30分間撹拌することにより、電解液1を得た。この電解液1の80μlと、グルーラボ株式会社製GLX14−25 100μlgを混合、1分間手で撹拌することで高分子化合物含有電解質4を得た。
<作製例1>
(水分散性プルシアンブルーナノ粒子のスピンコート製膜)
調製例1で調製したプルシアンブルー型金属錯体ナノ粒子分散液1(分散液1、濃度0.1g/ml)を用いて、ITO被膜ガラス基板(縦2.5cm、横2.5cm、厚さ1.1mm)のITO膜上にスピンコート法によりナノ粒子薄膜(薄膜1)を製膜した。具体的には、スピンコーターにITO基板を設置し、分散液1を0.2ml滴下し、2000rpmでの回転を10秒で行った。これを120分間、約25℃の大気中で静置して、媒体を乾燥除去し、プルシアンブルーナノ粒子からなる薄膜付き電極体1を作製した。触針段差計((株)ケーエルエー・テンコール製、触針式段差計:α−STEP(商品名))を用いて膜厚を測定したところ、約200nmであった。
<作製例2>
(水分散性NiPBAナノ粒子のスピンコート製膜)
調製例2で調製したNiPBAナノ粒子分散液2(分散液3、濃度0.1g/ml)を用いて、ITO被膜ガラス基板(縦2.5cm、横2.5cm、厚さ1.1mm)のITO膜上にスピンコート法によりナノ粒子薄膜(薄膜2)を製膜した。具体的には、スピンコーターにITO基板を設置し、分散液1を0.2ml滴下し、2000rpmでの回転を10秒で行った。これを120分間、約25℃の大気中で静置して、媒体を乾燥除去し、プルシアンブルーナノ粒子からなる薄膜付き電極体2を作製した。触針段差計((株)ケーエルエー・テンコール製、触針式段差計:α−STEP(商品名))を用いて膜厚を測定したところ、約200nmであった。
<実施例1>
(電気化学素子1)
作製例1で作成した薄膜電極体1上にスピンコート法により高分子化合物含有電解質膜1を作成した。具体的には、スピンコーター上に薄膜1をプルシアンブルーナノ粒子が上部になるように設置し、高分子化合物含有電解質1を0.3ml滴下し、500rpmでの回転を15秒行った。さらに、電解質1を0.3ml滴下した後、この高分子化合物含有電解質膜上に薄膜電極体2をNiPBAナノ粒子薄膜が高分子化合物含有電解質1と接触するように貼り合わせ、周辺にUV硬化樹脂(グルーラボ株式会社製GLX 14-25)を塗布、紫外光をPanasonic
UJ-20(波長365nm)を用い、4cm上部(照射強度は500mW/cm2程度)から100秒間照射することにより素子を封止、電気化学素子1を得た。
電気化学素子1のITO基板間に、PBナノ粒子塗布側に0.0V〜−0.8Vの三角波電圧を0.02V/秒の挿引速度で印可したところ、図3の電流特性が得られた。素子は元々青色を呈していたが、電圧を低下させていき、−0.50V以下の印可電圧で透明(薄黄色)に変色した。また、−0.8Vから電圧を上昇させていったところ、−0.3V以上で青色に戻った。また、電圧挿引をくりかえしたところ、同様の色変化が観測された。この色変化は、PBナノ粒子が還元されたことによる透明化と、NiPBAナノ粒子が参加されたことにより薄黄色になったことに起因する。また、電気化学素子1を100℃に2時間加熱した後に常温において同様の実験を行ったところ、同様の色変化が確認できた。
また、高分子化合物含有電解質を利用した電極体2のみを用い、同様の工程によって電気化学素子2を作製した。常温で色変化を確認したところ、電気化学素子1は電気化学素子2と同様の色変化を示した。また、電気化学素子1’を100℃に3日間加熱後、常温にて色変化を確認したところ、加熱前と同様の色変化を示した。その際の色変化の様子を図4に示す。本発明の素子は高い熱耐久性を有することが分かる。なお、図中、周縁の色変化が生じていない部分は電解液の乾燥によって生じたものである。
<実施例2>
(電気化学素子2)
高分子化合物含有電解質の製膜法としてバーコート法を利用しても素子が得られる。作製例1で準備したPBナノ粒子薄膜を具備するITOガラスである薄膜電極体1を平板の上に設置、周縁にビニルテープを利用してロの字型に厚み300μmの壁を設置した後、調製例4で準備した高分子化合物含有電解質2を滴下した。その後、バーをロの字型の壁上を密着、平行移動させることにより、薄膜電極体1上に高分子化合物含有電解質の薄膜を得た。ロの字型の壁を除去後、実施例1と同様に高分子化合物含有電解質薄膜上にNiPBAナノ粒子を具備するITOガラスである薄膜電極体2を密着、設置し、周縁をUV硬化樹脂で封止し、電気化学素子2を得た。
電気化学素子2のITO基板間に、PBナノ粒子塗布側に0.0V〜−0.8Vの三角波電圧を0.02V/秒の挿引速度で印可したところ、図4と同様の電流特性が得られた。素子は元々青色を呈していたが、電圧を低下させていき、−0.50V以下の印可電圧で透明(薄黄色)に変色した。また、−0.8Vから電圧を上昇させていったところ、−0.3V以上で青色に戻った。また、電圧挿引をくりかえし行ったところ、同様の色変化が観測された。
<実施例3>
(支持電解質の多様性)
実施例2で用いた支持電解質であるKPF6を含有する高分子化合物含有電解質に代え、調整例6で得たKN(CF3SO2)2 を含む高分子化合物含有電解質3a及び3bに変え、その他の工程を同様に行うことで、電気化学素子3A,3Bを得た。電気化学素子3のITO基板間に、PBナノ粒子塗布側に0.0V〜−0.8Vの三角波電圧を0.02V/秒の挿引速度で印可したところ、図5の電流特性が得られた。素子は元々青色を呈していたが、電圧を低下させていき、−0.50V以下の印可電圧で透明(薄黄色)に変色した。また、−0.8Vから電圧を上昇させていったところ、−0.3V以上で青色に戻った。また、電圧挿引をくりかえしたところ、同様の色変化が観測された。また、図5に示すとおり支持電解質の濃度を変更した電気化学素子3Bであっても、電流がピークを持つ電位に多少の違いがみられるものの、ほぼ同様の応答を示した。KPFを利用した支持電解質の場合でも濃度依存性については同様の傾向が見られた。
<実施例4>
(高分子化合物含有材の多様性)
高分子化合物含有材として、紫外線硬化樹脂も利用できる。調整例7で調整した紫外線硬化樹脂を含有する電解質4を薄膜電極体1上に塗布、この電解質膜上に薄膜電極体2をNiPBAナノ粒子薄膜が高分子化合物含有電解質1と接触するように貼り合わせ、紫外光をPanasonic UJ-20(波長365nm)を用い、120mm上部から150秒間照射することにより紫外線硬化樹脂を硬化させることで電気化学素子4を得た。この素子は封止材を具備していない。
電気化学素子4のITO基板間に、PBナノ粒子塗布側を作用電極として−4.5Vの電圧を印可したところ、素子は青色から透明(薄黄色)に変色した。また、0.0Vの電圧を印可したところ、素子は透明(薄黄色)から青色に戻った。さらに、開回路状態で素子を静置したところ、青色状態、透明(薄黄色)状態共にその色を維持した。
<実施例5>
(耐電圧性の向上)
実施例3で作製した電気化学素子3AにPBナノ粒子塗布側を作用電極として−8Vの電圧を印可したところ、素子は青色から透明(薄黄色)に変色したが、黒色化などの電極の劣化は見られなかった。また、電圧を0.0Vにしたところ、素子は青色に戻った。さらに同様の動作を繰り返したところ、青−透明(薄黄色)の色変化が繰り返し見られ、電極の劣化は確認されなかった。実施例5に示したとおり、異なる高分子化合物含有電解質を利用した電気化学素子3Aにおいても−4.5Vの電圧印可での電極劣化は見られなかった。
<実施例6>
(破損時の液漏れ防止)
本発明による高分子化合物含有電解質を利用することにより、破損時の液漏れを防ぐことができる。実施例2で作製した電気化学素子2をハンマーにて殴打、ガラスを割ったところ、液体の漏れは見られなかった。これより、液体電解質を利用した素子に比べ、利用時の液漏れに関する危険度が軽減されることがわかる。
<実施例7>
(二次電池)
本発明による高分子電解質を具備する電気化学素子は、二次電池としても利用できる。実施例2で作製した電気化学素子3にPBナノ粒子側を作用電極として、−0.8Vを印可し、透明にした後、開放時の起電力を測定したところ、−0.65Vであった。また、電気化学素子2と同様の素子の作製法で、基板として50mm角のITOを作製、プロペラを具備した小型モータと接続したところ、プロペラが回転した。
<実施例8>
(ブタノール分散液を利用した電気化学素子)
実施例1に記載の電気化学素子1の作製法において、プルシアンブルーナノ粒子の水分散液の代わりに調整例4で得られたプルシアンブルーナノ粒子のブタノール分散液を利用する事により、電気化学素子5を得た。ただし、プルシアンブルー型錯体ナノ粒子の製膜後に100℃10分の加熱を行った。この電気化学素子5はITO基板間に、PBナノ粒子塗布側に0.0V〜−0.8Vの電圧印可を行ったところ、電気化学素子1と同様に青―透明の色変化を示した。
<実施例9>
(顔料を含有する電気化学素子)
実施例2で作製した電気化学素子2において、電解質層に顔料を含有させることにより、反射型色可変電気化学素子が得られる。具体的には、実施例2において、高分子化合物含有電解質1の代わりに、5.0モル/LのKN(CF3SO2)2の炭酸プロピレン溶液1g、酸化チタン顔料(テイカ株式会社製JR−600A)を0.35g、さらに炭酸プロピレン50mlとポリメタクリル酸メチル(PMMA、Wako社製)8gを混合して得られたゲルより1gを分取し混合、撹拌した物を利用し、電気化学素子6を作製した。この素子は、電解質層は不透明であり、PBナノ粒子塗布側は青色を、ニッケル−鉄プルシアンブルー型錯体ナノ粒子塗布側は黄色を呈する素子であった。この電気化学素子6に、PBナノ粒子塗布側に0.0V〜−0.8Vの三角波電圧を0.02V/秒の挿引速度で印可したところ、−0.8Vにおいては、プルシアンブルーナノ粒子側は白色に、ニッケル鉄プルシアンブルー型錯体ナノ粒子側は黄色になった。また−0.0Vにおいては、プルシアンブルーナノ粒子側は青色に、ニッケル鉄プルシアンブルー型錯体ナノ粒子側は白色になった。また、電気化学素子6は、一ヶ月、常温静置後も、顔料の沈殿や、ナノ粒子薄膜の剥離は見られず、同様の特性を示した。
本発明の電気化学素子は、従来の電解液を具備する電気化学素子と同様、多様な用途に利用できる。電圧印加によって色を制御するエレクトロクロミック素子としては、表示素子、調光素子などとして利用できる。より具体的には、低消費電力の表示素子である電子ペーパーや看板、広告案内板などの用途としての利用、モバイル機器等に設置するインジケータなどとして利用できる。調光素子としては、建物、乗り物等の窓などに利用して入射光制御を行うことや、時計、速度計などの情報素子の前に設置し、写り込みなどを制御するための調光ガラス、鏡の反射率を制御する調光ミラー、天候等によって色を制御する調光サングラス、照明等の前に設置しての照明フィルタなどに利用できる。また、エネルギー貯蔵素子としての二次電池、キャパシタとしての利用、さらには電気化学的な磁気特性制御素子への利用も可能である。

Claims (11)

  1. 電気化学応答性材料層を具備する一対の電極体においてその少なくとも一方の電気化学応答性材料層に下記一般式(1)で表されるプルシアンブルー型金属錯体のナノ粒子を含有させ、前記一対の電極体をその電気化学応答性材料層側が内側になるよう対向させ、該両電極体の間に高分子化合物含有電解質層を介在させて組み立てたことを特徴とする電気化学素子。
    [M(CN)y・zHO ・・・ 一般式(1)
    [式中、Aは陽イオンを表す。Mは金属原子を表し、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、亜鉛、ランタン、ユーロピウム、ガドリニウム、ルテチウム、バリウム、ストロンチウム、及びカルシウムからなる群より選ばれる一種または二種以上の金属原子である。Mは金属原子を表し、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ニッケル、白金、及び銅からなる群より選ばれる一種または二種以上の金属原子である。xは0〜3の数であり、yは0.3〜1.5の数であり、zは0〜30の数である。]
  2. 前記プルシアンブルー型金属錯体が、上記金属原子M及び上記金属Mの間をシアノ基(CN)が架橋してなるプルシアンブルー型金属錯体の結晶であり、該結晶の周囲に下記金属原子Mの陽イオンおよび/または下記金属原子Mを中心金属とする金属シアノ錯体陰イオンを結合させたものを配置したことを特徴とする請求項1に記載の電気化学素子。
    [金属原子Mは、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ロジウム、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、亜鉛、ランタン、ユーロピウム、ガドリニウム、ルテチウム、バリウム、ストロンチウム、及びカルシウムからなる群より選ばれる一種または二種以上の金属原子である。金属原子Mは、バナジウム、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、鉄、ルテニウム、コバルト、ニッケル、白金、及び銅からなる群より選ばれる一種または二種以上の金属原子である。]
  3. 前記電気化学応答性材料層中の前記プルシアンブルー型金属錯体にアミノ基を有する有機化合物を共存させることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気化学素子。
  4. 前記有機化合物の炭素原子数が3以上100以下であることを特徴とする請求項3記載の電気化学素子。
  5. 前記高分子化合物含有電解質層が高分子電解質又は高分子化合物と支持電解質との組合せからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気化学素子。
  6. 前記高分子化合物含有層に含まれる高分子化合物が、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリメチルアクリロレート、ポリビニルクロライド、ポリビニリデンフロライド、ポリビスメトキシエトキシメトキサイド−フォスファゼン)、及びカルボン酸基もしくはスルホン酸基を有する高分子化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気化学素子。
  7. 前記高分子化合物含有電解質層にポリメタクリル酸メチルを含有させた請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気化学素子。
  8. 前記高分子化合物含有電解質層に紫外線硬化樹脂を含有させた請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気化学素子。
  9. 前記高分子化合物含有電解質に色材を含有させた請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気化学素子。
  10. 前記請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気化学素子に電極部材を組み合わせた構造を持つエレクトロクロミック素子。
  11. 前記請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気化学素子に電極部材を組み合わせた構造を持つ二次電池。
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