JP2014056663A - ナトリウム二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】高電圧を示すことができるナトリウム二次電池を提供すること。
【解決手段】ナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含む正極、金属ナトリウム、ナトリウム含有物質もしくはナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含む負極、及び、ナトリウムイオン導電性を有する電解質を含むナトリウム二次電池であり、前記正極のナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質が、M[Fe(CN)(MはV、Mn、Co、Ni又はCuから選ばれる少なくとも一つの金属である。)を含むことを特徴とする。本発明では、正極材料はNa[Fe(CN)(0<x≦3.0であり、MはV、Mn、Co、Ni又はCuから選ばれる少なくとも一つの金属である。)であってもよい。本発明のナトリウム二次電池では、前記電解質は、ナトリウムイオンを含む、有機電解液又は水系電解液であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、ナトリウム二次電池に関する。特に本発明は、ナトリウム二次電池の正極材料にM[Fe(CN)(式中、Mは、V、Mn、Co、Ni又はCuから選ばれる少なくとも一つの金属である。)又はNa[Fe(CN)(式中、0<x≦3.0であり、Mは、V、Mn、Co、Ni又はCuから選ばれる少なくとも一つの金属である。)を用いた、コスト性及びサイクル特性に優れたナトリウム二次電池に関する。
ナトリウムイオンの挿入及び脱離反応を用いるナトリウム二次電池は、現在、広範に使用されているリチウム二次電池よりも、ナトリウムの資源の優位性から、コスト性に優れた二次電池として期待されており、電極材料、電解質材料等に関する研究開発が進められている。
Parkらは、非特許文献1において、NaTi(POが、有機電解液中で正極として、また、水系電解液中で負極として使用できること、そして、電流密度2.0mA/cmの放電の場合、両電解液とも約120mAh/gという比較的大きな放電容量を示すことを報告している。また、有機電解液中では、約2.0Vの平均放電電圧が示されている。
また、非特許文献2で、Komabaらは、有機電解液中において、FeへのNaイオンの挿入及び脱離が可能であり、電流値20mA/gの放電の場合、約1.8Vの平均放電電圧を示し、約180mAh/gの比較的大きな放電容量を示すことを報告している。
Sun Il Park et al., Journal of The Electrochemical Society, 158 (10) A1067-A1070 (2011). S. Komaba et al., Journal of The Electrochemical Society, 157 (1) A60-A65 (2010).
上記のように、これまでにリチウム二次電池に匹敵するレベルの放電容量を有するナトリウム二次電池が報告されているが、放電電圧に関しては、3V級の電圧を示すことが多いリチウム二次電池よりも1V以上低いという課題があった。
従って、本発明は上記課題を解決することを目的とするものであり、高電圧を示すことができるナトリウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、ナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含む正極、金属ナトリウム、ナトリウム含有物質もしくはナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含む負極、及び、ナトリウムイオン導電性を有する電解質を含むナトリウム二次電池であり、前記正極のナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質が、M[Fe(CN)(式中、Mは、V、Mn、Co、Ni又はCuから選ばれる少なくとも一つの金属である。)を含むことを特徴とする。
さらに、本発明では、前記正極の正極材料は、Na[Fe(CN)(0<x≦3.0、Mは、V、Mn、Co、Ni又はCuから選ばれる少なくとも一つの金属である。)であってもよい。
本発明のナトリウム二次電池では、前記電解質は、ナトリウムイオンを含む有機電解液、又は、ナトリウムイオンを含む水系電解液であることが好ましい。
本発明によれば、高電圧を示すことができるナトリウム二次電池を提供することができる。また、本発明において、水系電解液を使用することで、大幅なコスト削減が可能となる。
本発明のナトリウム二次電池の構成を示す概略図である。 本発明の一実施形態のナトリウム二次電池の構造を示す概略図である。 図2に示した本発明の実施形態のナトリウム二次電池の充放電曲線を示す図である。
本発明は、ナトリウム二次電池、特に、正極の材料としてナトリウム含有酸化銅(NaCuO)を含むものに関する。
以下に、本発明のナトリウム二次電池の実施形態について説明する。
本発明のナトリウム二次電池は、正極、負極及び電解質を少なくとも含む。正極はナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含むものであり、負極は金属ナトリウムもしくはナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含むものであり、電解質はナトリウムイオン導電性を有するものである。
本発明では、正極は、M[Fe(CN)(式中、Mは、V、Mn、Co、Ni又はCuから選ばれる少なくとも一つの金属である。)、又はNa[Fe(CN)(式中、0<x≦3.0、Mは、V、Mn、Co、Ni又はCuから選ばれる少なくとも一つの金属である。)(以下単に、正極材料とも称する。)を含むものである。
本発明で使用できるM[Fe(CN)(式中、Mは、V、Mn、Co、Ni又はCuから選ばれる少なくとも一つの金属である。)は、例えば以下のような手順で得ることができる。
フェリシアン化カリウム(K[Fe(CN)])粉末、MCl(M=V、Mn、Co、Ni又はCu)を、それぞれ蒸留水のような溶媒に溶解し、溶質の混合比が、モル比で3:2となるように混合し、一昼夜、攪拌を行う。生成した沈殿物を、遠心分離機、吸引ろ過機のような回収手段で回収し、乾燥を行う。
本発明で使用できるNa[Fe(CN)(0<x≦3.0;M=V、Mn、Co、Ni、Cu)は、例えば以下の手順で得ることができる。
市販の試薬であるフェリシアン化カリウムK[Fe(CN)]粉末、MCl、及び塩化ナトリウムNaClを、別々に蒸留水などの溶媒に溶解し、それぞれの溶液を、目的とする試料の組成モル比となるように混合し、一昼夜攪拌して沈殿物を得る。沈殿物は、遠心分離機、吸引ろ過機等の回収手段を用いて回収し、乾燥を行う。
本発明のナトリウム二次電池の正極は、上記正極材料とカーボン粉末のようなカーボン材料と混合したものを含むことが好ましい。
上述の正極は、例えば以下のような手段により調製することができるが、本発明はこれらに限定されない。
まず、カーボン粉末(例えばアセチレンブラック粉末などのカーボンブラック類)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のような結着剤粉末、及び、M[Fe(CN)(式中、Mは、V、Mn、Co、Ni又はCuから選ばれる少なくとも一つの金属である。)又はNa[Fe(CN)(式中、0<x≦3.0、Mは、V、Mn、Co、Ni又はCuから選ばれる少なくとも一つの金属である。)を混合し、次いでロールプレス機により圧延し、所定サイズに切り抜いてペレット状に成型することにより、正極を調製することができる。
あるいは、前述のカーボン粉末、結着剤粉末及びM[Fe(CN)又はNa[Fe(CN)の混合物を有機溶剤(例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP))等の溶媒中に分散してスラリー状にした後、例えば銅箔のような金属箔上に塗布し、乾燥することにより、正極を調製できる。
本発明の正極は、ナトリウムイオンを含む有機電解液及びナトリウムイオンを含む水系電解液の両電解液を電解質溶液として用いることができる。また、ナトリウムイオンを含む固体電解質やポリマー電解質などの固体状の電解質も使用することができる。
負極は、金属ナトリウム、ナトリウム含有物質、又はナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含むものであれば特に限定されない。例えば、負極の例としては、金属ナトリウムのシート、又は金属ナトリウムのシートをアルミニウム等の金属箔に圧着したものなどを挙げることができる。このような金属ナトリウムのシート状の負極は、金属ナトリウムをプレス機などでシート状に圧延して所望の形状に成形することで調製することができる。また、金属ナトリウムのシートを金属箔に圧着したものは、前記のように調製した金属ナトリウムのシートをアルミニウム等の金属箔に圧着して調製することができる。
また、上記のような金属ナトリウム以外の負極材料として、負極活物質としてナトリウムを主成分として含む合金(例えば、ナトリウム−スズ合金)(ナトリウム含有物質)、又は、ナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能なアモルファスカーボンなどの材料(ナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質)を挙げることができる。これらの負極活物質を含む負極は、例えば、銅箔のような金属箔に、負極活性物質とポリフッ化ビニリデン(PVDF)のような結着剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)のような有機溶媒に分散させたスラリーを塗布し、乾燥するというような方法で調製することができる。
電解液としては、ナトリウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(NaTFSI)、過塩素酸ナトリウム(NaClO)、六フッ化リン酸ナトリウム(NaPF)などのナトリウムイオンを含む金属塩を、例えば炭酸エチレン(EC)及び炭酸ジメチル(DMC)(体積比1:1)の混合溶媒、EC及び炭酸ジエチル(DEC)などのような混合溶媒、又は炭酸プロピレンのような単独溶媒に溶解した有機電解液、又は、NaOH水溶液、NaSO水溶液、NaCl水溶液、NaClO水溶液などのナトリウムイオンを含む金属塩を水に溶解した水溶液(水系電解液)を挙げることができる。
本発明のナトリウム二次電池の他の電解質として、ナトリウムイオン導電性を有する固体電解質(例えば、75NaS・25Pなどのガラス状物質)、ナトリウムイオン導電性を有するポリマー電解質(例えば、上記有機電解質とポリエチレンオキシドをコンポジット化した物質)などをあげることができる。
本願発明のナトリウム二次電池は、セパレータ、電池ケース等の構造材料などの他の要素を含むこともできる。これらの要素についても、従来公知の二次電池に用いられる各種材料が使用でき、特に制限はない。
上記のような正極、負極、電解液等を使用する電池は、コイン形、円筒形、ラミネート形など従来の形状で作製することができる。そして、これらの二次電池の製造方法も従来と同様の方法を用いることができる。
例えば、本発明のナトリウム二次電池は、例えば、図1に示すような、正極及び負極と、これら両極に接する電解質からなる。本発明では、正極及び負極の間にセパレータが含まれていてもよい。有機電解質又は水系電解質を電解質液として用いる場合には、例えば、セパレータに電解質液を含浸させて使用することができる。また、有機電解質又は水系電解質は、ポリマー電解質等に含浸させてもよい。また、固体電解質、ポリマー電解質等を用いる場合には、両極がこれらに接するように配置すればよい。
さらに図1には明記していないが、正極、負極、電解質、セパレータ等を被う電池ケース等を含むことができる。本発明では、M[Fe(CN)(式中、Mは、V、Mn、Co、Ni又はCuから選ばれる少なくとも一つの金属である。)、又はNa[Fe(CN)(式中、0<x≦3.0、Mは、V、Mn、Co、Ni又はCuから選ばれる少なくとも一つの金属である。)を正極の材料として用いることが特に好ましい。
より具体的な一実施形態としては、図2に示すようなコインセル型の二次電池として本発明を適用することができる。図2に示されるように、コインセル型の二次電池は、正極1及び負極3を含み、これらの電極の間に電解液を含浸したセパレータ2をさらに含む。さらに二次電池構造体は正極ケース4、ガスケット5、及び負極ケース6を含むことができる。この二次電池は、例えば、上記の正極1、負極3、及び電解液を含浸したセパレータ2を、正極ケース4及び負極ケース6に所望の通りに配置し、各構成要素を配置した両ケースを固定することで調製することができる。
本発明では、セパレータに代えて又は加えて、上述したような固体電解質、ポリマー電解質等を使用することができる。
以下に図面を参照して、本発明のナトリウム二次電池についての実施例を詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、本発明の趣旨及び範囲を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(正極材料の調製)
(調製例1)
[Fe(CN)(式中、Mは、V、Mn、Co、Ni又はCuから選ばれる少なくとも一つの金属である。)の調製
正極材料M[Fe(CN)(M=V(実施例1)、Mn(実施例2)、Co(実施例3)、Ni(実施例4)、Cu(実施例5))の合成法について本調製例1で説明する。上記各実施例1〜5に対応する正極材料の製造を以下の手順で行った。
フェリシアン化カリウム(K[Fe(CN)])粉末(関東化学社製)、MCl(M=V、Mn、Co、Ni又はCu)を、それぞれ蒸留水に溶解し、溶質の混合比が、モル比で3:2となるように混合し、一昼夜、攪拌を行った。生成した沈殿物を、遠心分離機及び吸引ろ過機で回収し、60℃で1週間程度の乾燥を行った。得られた試料は、X線回折分析で不純物が存在せず、さらに、ICP分析法で、M:Fe:C:N=3:2:12:12のモル比の組成となっていることを確認し、目的とする化合物が合成されていることを確認した。
正極材料であるNa[Fe(CN)(0<x≦3.0;M=V(実施例6)、Mn(実施例7)、Co(実施例8)、Ni(実施例9)、Cu(実施例10))の合成法を、以下の調製例2及び3で説明する。
(調製例2)
Na[Fe(CN)(x=3.0)の化合物の調製
Na[Fe(CN)(x=3.0)の化合物は、以下の手順で合成した。
まず、市販の試薬であるフェリシアン化カリウムK[Fe(CN)]粉末(関東化学株式会社製)、MCl(関東化学株式会社製)、及び塩化ナトリウムNaCl(関東化学株式会社製)を、別々に蒸留水に溶解した。それぞれの溶液を、目的とする試料の組成モル比となるように混合し、一昼夜、攪拌し、沈殿物を得た。沈殿物は、遠心分離機及び吸引ろ過機を用いて回収し、60℃で1週間の乾燥を行った。乾燥後の沈殿物は、ミキサーで十分に粉砕した。得られた粉末のX線回折測定を行ったところ、不純物の生成がなく、実施例1〜5と同様の回折パターンが得られた。また、粉末のICP分析により、粉末の組成比(モル比)は、Na:M:Fe:C:N=3:3:2:12:12であることが分かった。以上の結果より、得られた粉末がNa[Fe(CN)であることを確認した。
(調製例3)
Na[Fe(CN)(x=1.0及び2.0)の化合物の調製
他の組成の化合物として、Na[Fe(CN)でx=1.0及び2.0の化合物を上記調製例2と同様の手順で調製した。
(参考例)
参考例として、Na[Fe(CN)でx=3.1の化合物を上述の調製例2と同様の手順で調製した。この化合物は、Na[Fe(CN)(0<x≦3.0)を用いたナトリウム二次電池と比較するためのナトリウム二次電池の正極材料として使用した。
下記実施例6〜10は、上述のようにして製造したNa[Fe(CN)(M=V(実施例6)、Mn(実施例7)、Co(実施例8)、Ni(実施例9)、Cu(実施例10))を正極材料とし、有機溶媒を用いた有機電解質を使用してナトリウム二次電池を作製した例である。
(実施例1〜5)
(i)ナトリウム二次電池の作製
ナトリウム二次電池は、以下の手順で作製した。
[Fe(CN)(M=V、Mn、Co、Ni又はCu)粉末、アセチレンブラック粉末(電気化学工業社製)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末(ダイキン社製)を70:25:5の重量比で、らいかい機を用いて十分に粉砕・混合し、次いで、ロール成形して、シートペレット状の電極(厚さ:0.5mm)を作製した。このシート状電極を直径15mmの円形に切り抜いた。負極は、市販の試薬であるナトリウム塊(関東化学製)を、0.8mmの厚さまでプレスし、直径15mmの円形シート状に成型することによって作製した。電解液は、炭酸エチレン(EC)(キシダ化学製)と炭酸ジメチル(DMC)(キシダ化学製)を体積比1:1で混合して調製した混合溶媒に、1mol/Lの濃度でナトリウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(NaTFSI)(キシダ化学製)を溶解することにより調製した。セパレータは、リチウム二次電池用のポリプロピレン製のもの(セルガード社製)を用いた。
ナトリウム二次電池は、図2に示すような2320コイン型のものを製造した。正極は、上記のペレット電極を正極ケース4にセットし、チタンメッシュ(ニラコ製)(図示せず)で覆い、その周縁部をスポット溶接により固定した。負極は、負極ケース6にチタンメッシュ(ニラコ製)(図示せず)をスポット溶接で固定し、その上にナトリウムシートを圧着することにより固定して調製した。次に、ペレットを固定した正極ケースに、セパレータ2をセットし、さらにセパレータ2に電解液を注入し、ナトリウムシートを固定した負極ケースを被せ、コインセルかしめ機で正極ケース4及び負極ケース6をかしめることにより、ポリプロピレン製ガスケット5を含むコインセルを作製した。なお、ナトリウム二次電池の作製は、露点が−85℃以下のアルゴン雰囲気のグローブボックス中で行った。
(ii)充放電試験
ナトリウム二次電池の放電試験は、市販の充放電測定システム(北斗電工社製)を用いて、正極の有効面積当たりの電流密度で0.5mA/cmを通電し、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0Vの電圧範囲で充放電試験を行った。電池の充放電試験は、25℃の恒温槽内(雰囲気は通常の大気環境下)で測定を行った。充放電容量(mAh/g)は、M[Fe(CN)の重量当たりで規格化した。
実施例1〜5で最も高い放電電圧を示したV[Fe(CN)を用いたナトリウム二次電池の充放電曲線を、図3に示す。図より、不可逆容量(充電容量と放電容量の差)も小さく、本発明によるナトリウム二次電池は充放電が可能であり、初回放電容量75mAh/g、平均放電電圧3.6Vを示した。表1に、放電容量、放電電圧、20サイクル目及び50サイクル目の放電容量維持率を示す。表より、V系が最も放電電圧が高く、他の実施例の場合でも3V級の高電圧を示すことがわかる。放電容量は、Cu系(実施例5)が最も大きな値を示した。また、サイクル性能は、いずれの実施例でもほぼ同様の傾向を示し、1サイクル当たり約0.4〜0.5%程度の容量減少しか見られず、安定したサイクル特性を有していることが分かる。
上記のように、本実施例によるナトリウム二次電池は、高電圧でサイクル特性に優れた性能を有していることが確認された。
Figure 2014056663
(実施例6〜10)
ナトリウム二次電池の作製及び充放電特性の測定は、実施例1と同様の方法で行った。
表2に、放電容量、放電電圧、20サイクル目及び50サイクル目の放電容量維持率を示す。表より、V系が最も放電電圧が高く、他の実施例の場合でも3V級の高電圧を示すことがわかる。放電容量は、Cu系(実施例10)が最も大きな値を示した。また、サイクル性能は、いずれの実施例でもほぼ同様の傾向を示し、1サイクル当たり約0.5%程度の容量減少しか見られず、安定したサイクル特性を有していることが分かる。このような傾向は、実施例1〜5と同様であった。また、実施例6〜10における放電容量は、実施例1〜5よりも10%程度低い傾向を示す。これは、本実施例では、初期に構造中にNaイオンを含有し、試料の重量が増加したためであると考えられる。
また、Na[Fe(CN)においてx=1.0及び2.0の試料を合成し、同様の評価を行った。その結果、実施例6〜10とほぼ同様の結果が得られた。
また、Na[Fe(CN)においてx=3.1の化合物を調製し、正極材料として使用した場合は、放電電圧や放電容量は、低下した。これは、不純物相が生成されたことに起因すると考えられる。これは、本発明で規定したNa含有量の範囲が妥当であることを示している。
上記のように、本実施例によるナトリウム二次電池は、高電圧でサイクル特性に優れた性能を有していることが確認された。
Figure 2014056663
上記のように、Na[Fe(CN)(式中、0<x≦3.0、M=V、Mn、Co、Ni、Cu)は、初期状態で結晶構造中にNaイオンを含有しているため、Naイオンを含有していない負極材料(たとえばアモルファスカーボン)と組み合わせてロッキングチェアー型の二次電池を構成することができる。
(実施例11)
本実施例は、水系電解液を使用した場合のものである。
水系電解液として8mol/L NaOH水溶液、負極材料としてアモルファスカーボンをそれぞれ用いて、実施例1と同様にして、コインセルを作製した。
正極の材料には、実施例10で作製したNaCu[Fe(CN)を用いた。
電池の充放電試験は、上記の実施例とほぼ同様に、市販の充放電測定システムを用いて、正極の有効面積当たりの電流密度で0.5mA/cmを通電し、充電終止電圧1.4V、放電終止電圧0.5Vの電圧範囲で充放電試験を行った。
Figure 2014056663
充放電試験の結果を、表3に示す。水系電解液を使用するため、放電電圧は1V級であるが、50サイクル後の放電容量維持率も86%の高い値を達成した。なお、酸性の1mol/L NaSO水溶液中でも、同様の結果を示すことを確認した。この結果は、本発明による正極材料が、水系電解液中でも機能できることを示している。水系電解液は、一般的に、有機電解液よりも低価格であるため、ナトリウム二次電池の低コスト化に有利であると考えられる。更に、水系電解液は不燃性であるために安全性向上に有利であると考えられる。
(実施例12)
固体電解質としてNASICON(NaZrSiPO12)を、負極材料としてアモルファスカーボン(ケッチェンブラックEC600JD、ライオン(株)製)を、正極として調製例1の条件で作製したNa[Fe(CN))を、それぞれ使用した。
NASICONディスクは、以下の手順で調製した。まず、ZrO(NO・8HO(関東化学株式会社)、NHPO(関東化学株式会社)、及びNaSiO・9HO(関東化学株式会社)を、Na:Zr:Si:P=3:2:2:1の比率となるモル比で混合し、850℃で仮焼成を行った。得られた粉末をペレット成型機でディスク状に成型し、1100℃で24時間の本焼成を行った。
実施例1と同様にして、コインセルを作製した。なお、固体電解質はコインセル内に収まるようにディスク(厚さ:約1mm)状に作製し、図2のセパレータ2の部分にセットした。また、正極/固体電解質/負極のそれぞれの界面に隙間ができないように、コインセルケースに任意の厚さのコインセルと同材質のディスク状のスペーサーを溶接した。
電池の放電試験は、実施例とほぼ同様に、市販の放充電測定システムを用いて、正極の有効面積あたりの電流密度で0.5mA/cmを通電し、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0Vの電圧範囲で充放電試験を行った。
充放電試験の結果を表4に示す。実施例6と比較して、正極/電解質及び負極/電解質の界面の接触抵抗が増大するために、電圧は0.1Vの減少を示し、若干ではあるが放電容量も減少した。しかしながら、放電容量で示されるサイクル安定性に変化はみられなかった。本実施例により、固体電解質を含む本発明のナトリウム二次電池が作動可能であることが確認された。
Figure 2014056663
(実施例13)
ポリマー電解質として、PEO系高分子電解質膜を、負極材料としてアモルファスカーボン(ケッチェンブラックEC600JD、ライオン(株)製)を、正極として調製例1の条件で作製したNa[Fe(CN)を、それぞれ使用した。
PEO系電解質膜(厚さ:約2mm)は、以下の手順で調製した。
まず、PEO(Aldrich、Mw=6×10)及び溶質であるLiTFSI(キシダ化学)を、Li/O=1/18となるように、10重量%のBaTiOフィラーと共にアセトニトリル溶媒(キシダ化学)に添加した。なお、BaTiOは、Aldrich製市販試薬(粒子径:<2μm)を用いた。一晩攪拌した後、得られた溶液をPTFE板上に塗布し、アセトニトリルを完全に揮発させた。その後、真空下において90℃で12時間乾燥を行った。
実施例1と同様にして、コインセルを作製した。なお、ポリマー電解質はコインセル内に収まるようにディスク状に切り抜き、図2のセパレータ2の部分にセットした。また、正極/固体電解質/負極のそれぞれの界面に隙間ができないように、コインセルケースに任意の厚さのコインセルと同材質のディスク状のスペーサーを溶接した。
電池の放電試験は、実施例とほぼ同様に、市販の放充電測定システムを用いて、正極の有効面積あたりの電流密度で0.5mA/cmを通電し、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧3.0Vの電圧範囲で充放電試験を行った。
充放電試験の結果を表5に示す。実施例6と比較して、正極/電解質及び負極/電解質の界面の接触抵抗が増大するために、電圧は0.1Vの減少を示し、若干ではあるが放電容量も減少した。しかしながら、放電容量で示されるサイクル安定性に変化はみられなかった。本実施例により、ポリマー電解質を含む本発明のナトリウム二次電池が作動可能であることが確認された。
Figure 2014056663
(比較例)
比較例として、既知材料である正極材料を用いたナトリウム二次電池を作製した。正極材料としてNaCrOを評価した。NaCrOは、NaCOとCrを所定モル比(1:1)で混合し、900℃で、5時間、アルゴン雰囲気中で焼成を行うことにより合成した。
NaCrOを用いるコインセルは、本発明による実施例と同様にして作製及び評価を行った。その結果を、表6に実施例6と比較して示す。
本比較例による電池は、実施例6と比較して、初期特性においては、3.0Vと比較的高い電圧と100mAh/gを上回る放電容量を示した。しかしながら、サイクルによる容量減少は著しく、100サイクル後には、初期の約20%の放電容量しか得られなかった。
一方、実施例6は、放電容量は劣る(但し、二次電池としての特性としては十分なものである。)ものの、放電電圧は0.7Vも高く、100サイクル後に約60%の放電容量が維持されNaCrOよりも大きな放電容量を示し、安定性が高いことが分かった。
以上のように、本発明によるナトリウム二次電池は、高電圧で、しかも安定した充放電サイクル特性を有した高性能電池であることが分かった。
Figure 2014056663
本発明により、高電圧でサイクル特性に優れたナトリウム二次電池を作製することができた。本発明の二次電池は、例えば様々な電子機器の駆動源等として使用することができる。
1 正極
2 セパレータ(電解質を含浸)
3 負極
4 正極ケース
5 ガスケット
6 負極ケース

Claims (4)

  1. ナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含む正極、金属ナトリウム、ナトリウム含有物質もしくはナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含む負極、及び、ナトリウムイオン導電性を有する電解質を含むナトリウム二次電池であり、前記正極のナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質が、M[Fe(CN)(式中、Mは、V、Mn、Co、Ni又はCuから選ばれる少なくとも一つの金属である。)を含むことを特徴とするナトリウム二次電池。
  2. ナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含む正極、金属ナトリウム、ナトリウム含有物質もしくはナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含む負極、及び、ナトリウムイオン導電性を有する電解質を含むナトリウム二次電池であり、前記正極のナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質が、Na[Fe(CN)(式中、0<x≦3.0であり、Mは、V、Mn、Co、Ni又はCuから選ばれる少なくとも一つの金属である。)を含むことを特徴とするナトリウム二次電池。
  3. 前記電解質は、ナトリウムイオンを含む有機電解液であることを特徴とする請求項1又は2に記載のナトリウム二次電池。
  4. 前記電解質は、ナトリウムイオンを含む水系電解液であることを特徴とする請求項1又は2に記載のナトリウム二次電池。
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