JP5596726B2 - マグネシウム電池 - Google Patents

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Description

本発明は、マグネシウム電池に関する。特に本発明は、マグネシウム電池の正極材料にポルフィリン環状構造の中心にマグネシウムを有するポルフィリン系環状有機化合物を用いた、コスト性に優れたマグネシウム電池に関する。
マグネシウムイオンの挿入及び脱離反応を用いるマグネシウム電池は、現在、広範に使用されているリチウムマグネシウム電池よりも、マグネシウムの資源の優位性から、コスト性に優れた電池として期待されている。
Aurbachらは、非特許文献1において、MgxMo34が、有機電解液中で正極として、また水系電解液中で負極として使用できること、そして、電流密度0.3mA/cm2の放電の場合、両電解液とも約75mAh/gという比較的大きな放電容量を示すことを報告している。
また、U特許文献1では、正極材料として、MgXMO2(M=Ni又はCo)を取り上げ、MgxCoO2で、約140mAh/gという比較的大きな放電容量を実現している。
しかしながら、本文献では、低コストのマグネシウムをキャリアイオンとして用いているが、正極材料中にレアメタルを含むため、全体的なコストとしては不利であると考えられる。
特開2001−76720号公報
D. Aurbach, Z. Lu, A. Schechter, Y. Gofer, H. Gizbar, R. Turgeman, Y. Cohen, M. Moshkovich, E. Levi, Nature, VOL 407, 12 OCTOBER 2000, pp724-727.
本発明は、コスト性に優れたマグネシウム電池を提供することを目的とする。
本発明は、マグネシウムイオンの挿入及び脱離が可能な正極、マグネシウム金属、マグネシウムを含む合金若しくはマグネシウムイオンの挿入及び脱離が可能な負極、並びにマグネシウムイオン導電性を有する電解質を含むマグネシウム電池である。本発明では、前記正極が、ポルフィリン環状構造の中心にマグネシウムを有するポルフィリン系環状有機化合物、即ち、下記式(I)で表されるマグネシウムポルフィリンを含み、前記正極は、前記マグネシウムポルフィリンをカーボン粒子と混合して、2〜15時間ボールミル処理を行った材料を含むことを特徴とする
Figure 0005596726
本発明のマグネシウム電池では、前記電解質は、マグネシウムイオンを含む有機電解液、又は、マグネシウムイオンを含む水系電解液であることが好ましい。
更に、本発明は、上記マグネシウム電池の製造方法を包含する。具体的には、本発明は、マグネシウムイオンの挿入及び脱離が可能な、ポルフィリン環状構造の中心にマグネシウムを有するポルフィリン系環状有機化合物、即ち、マグネシウムポルフィリンを含む正極、マグネシウム金属、マグネシウムを含む合金若しくはマグネシウムイオンの挿入及び脱離が可能な負極、並びにマグネシウムイオン導電性を有する電解質を含むマグネシウム電池の製造方法に関する。
本発明の方法は、
(1)前記正極を調製する工程であって、前記正極は、前記ポルフィリン系環状有機化合物をカーボン粒子と混合し、該混合物を2〜15時間ボールミルにより粉砕混合して得られる正極材料から調製される工程と、
(2)前記負極を調製する工程と、
(3)前記電解質を調製する工程と、
(4)前記正極、負極および電解質からマグネシウム電池を製造する工程と
を含むことを特徴とする。
本発明の方法において、マグネシウムポルフィリンは、下記式(I)で表される構造を有する。
Figure 0005596726
本発明によれば、コスト製に優れたマグネシウム電池を提供することができる。
本発明のマグネシウム電池の構成を示す概略図である。 本発明のマグネシウム電池で使用可能なマグネシウムポルフィリンの構造を示す図である。 本発明の一実施形態のマグネシウム電池の構造を示す概略図である。 図3に示した本発明の実施形態のマグネシウム電池の充放電曲線を示す図である。
本発明は、マグネシウム電池、特に、正極の材料としてポルフィリン環状構造の中心にマグネシウムを有するポルフィリン系環状有機化合物を含むものに関する。
以下に、本発明のマグネシウム電池の実施形態について説明する。
本発明のマグネシウム電池は、正極、負極及び電解質を少なくとも含む。正極はマグネシウムイオンの挿入及び脱離が可能なものであり、負極はマグネシウムイオンの挿入及び脱離が可能なものであり、電解質はマグネシウムイオン導電性を有するものである。
本発明では、正極はマグネシウムを中心部分に含有するポルフィリン系環状有機化合物(ポルフィリン環状構造の中心にマグネシウムを有するもの。以下、マグネシウム含有ポルフィリン系環状有機化合物とも称する。)を材料として含む。本発明では、正極の材料であるマグネシウム含有ポルフィリン系環状有機化合物は、下記式(I)で表されるマグネシウムポルフィリン(化学式:C20124Mg、理論放電容量:100mAh/g(図2としても示した。))である。
Figure 0005596726
本発明のマグネシウム電池の正極は、マグネシウム含有ポルフィリン系環状有機化合物とカーボン粉末のようなカーボン材料と混合したものであることが好ましい。
このような正極は、例えば以下のような手段により調製することができるが、本発明はこれらに限定されない。
まず、カーボン粉末(例えばアセチレンブラック粉末などのカーボンブラック類)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のような結着剤粉末、及び、マグネシウム含有ポルフィリン系環状有機化合物を混合し、次いでロールプレス機により圧延し、所定サイズに切り抜いてペレット状に成型することにより、正極を調製することができる。本発明では、正極を製造する際に、カーボン粉末とマグネシウム含有ポルフィリン系環状有機化合物と混合し、ボールミル等の粉砕機により粉砕混合し、得られたボールミル(BM)処理混合物に、更に結着剤粉末を混合した後、上記のように圧延成形して正極の電極を形成してもよい。
あるいは、前述のカーボン粉末、結着剤粉末及びマグネシウム含有ポルフィリン系環状有機化合物の混合物を有機溶剤(例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP))等の溶媒中に分散してスラリー状にした後、例えば銅箔のような金属箔上に塗布し、乾燥すること等により、正極を調製できる。
本発明では、マグネシウム含有ポルフィリン系環状有機化合物(正極物質)の導電性を向上させるために、正極物質を導電材であるカーボン粒子と混合し、ボールミル処理を行うことが好ましい。このようなボールミル処理により、より優れた電池特性を得ることができる。ボールミル処理は、20時間未満、好ましくは2〜15時間、より好ましくは5〜10時間である。
本発明の正極は、マグネシウムイオンを含む有機電解液及びマグネシウムイオンを含む水系電解液の両電解液を電解質溶液として用いることができる。
負極は、金属マグネシウム若しくはマグネシウムイオンの挿入及び脱離が可能なものであれば特に限定されない。例えば、負極の例としては、マグネシウム金属のシート、又はそのようなマグネシウム金属のシートをニッケル、ステンレス等の金属箔に圧着したものなどを挙げることができる。このようなマグネシウム金属のシートの負極は、マグネシウム金属をプレス機などでシート状に圧延して所望の形状に成形することで調製することができる。また、マグネシウム金属のシートを金属箔に圧着したものは、前記のように調製したマグネシウム金属のシートをニッケル、ステンレス等の金属箔に圧着して調製することができる。
また、上記のようなマグネシウム金属以外の負極材料としては、負極活物質としてマグネシウムを主成分として含む合金(例えば、マグネシウム−スズ合金、マグネシウム−シリコン合金など)、又は、マグネシウムイオンの挿入及び脱離が可能なアモルファスカーボンなどの材料を挙げることができる。これらの負極活物質を含む負極は、例えば、銅箔のような金属箔に、負極活性物質とポリフッ化ビニリデン(PVDF)のような結着剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)のような有機溶媒に分散させたスラリーを塗布し、乾燥するというような方法で調製することができる。
電解質液としては、マグネシウム(ビストリフルオロメタンスルホニルイミド)[Mg(TFSI)2]、過塩素酸マグネシウム(Mg(ClO42、ヘキサフルオロリン酸マグネシウム(Mg(PF62)などのマグネシウムイオンを含む金属塩を、例えば炭酸エチレン(EC)及び炭酸ジメチル(DMC)(体積比1:1)の混合溶媒、EC及び炭酸ジエチル(DEC)などのような混合溶媒、又は炭酸プロピレンのような単独溶媒に溶解した有機電解液、又は、Mg(OH)2水溶液、硫酸マグネシウム(MgSO4)水溶液、塩化マグネシウム(MgCl2)などのマグネシウムイオンを含む金属塩を水に溶解した水溶液(水系電解液)を挙げることができる。
本願発明のマグネシウム電池はまた、セパレータ、電池ケース等の構造材料などの他の要素を含むこともできる。これらの要素についても、従来公知のマグネシウム電池に用いられる各種材料が使用でき、特に制限はない。
上記のような正極、負極、電解液等を使用する電池は、コイン形、円筒形、ラミネート形など従来の形状で作製することができる。そして、これらのマグネシウム電池の製造方法も従来と同様の方法を用いることができる。
例えば、本発明のマグネシウム電池は、例えば、図1に示すような、正極及び負極と、これら両極に接する電解質液からなる。本発明では、正極及び負極の間にセパレータが含まれていてもよい。また、電解質はセパレータに含浸されていてもよい。さらに図1には明記していないが、正極、負極、電解質、セパレータ等を被う電池ケース等を含むことができる。本発明では、ポルフィリン環状構造の中心に、マグネシウムを有するポルィリン系環状有機化合物、具体的には、図2に示すような構造を有するマグネシウムポルフィリン(化学式:C20124Mg、理論放電容量:100mAh/g)(上記式(I)と同じもの)を正極の材料として用いる。
より具体的な一実施形態としては、図3に示すようなコインセル型のマグネシウム電池として本発明を適用することができる。図3に示されるように、コインセル型のマグネシウム電池は、正極1及び負極3を含み、これらの電極の間に電解液を含浸したセパレータ2をさらに含む。さらにマグネシウム電池構造体は正極ケース4、ガスケット5、及び負極ケース6を含むことができる。このマグネシウム電池は、例えば、上記の正極1、負極3、及び電解液を含浸したセパレータ2を、正極ケース4及び負極ケース6に所望の通りに配置し、各構成要素を配置した両ケースを固定することで調製することができる。
本発明は、上述のマグネシウム電池の製造方法うち、正極材料として、マグネシウム含有ポルフィリン系環状有機化合物を導電材であるカーボン粒子と混合し、マグネシウム含有ポルフィリン系環状有機化合物とカーボン粒子の混合物をボールミル機等により粉砕混合する処理(ボールミル処理)を行った材料を使用する製造方法も包含する。
即ち、本発明のマグネシウム電池の製造方法は、マグネシウムポルフィリンを含む正極、マグネシウム金属、マグネシウムを含む合金若しくはマグネシウムイオンの挿入及び脱離が可能な負極、並びにマグネシウムイオン導電性を有する電解質を含むマグネシウム電池の製造方法であり、
(1)前記正極を調製する工程であって、前記正極は、前記ポルフィリン系環状有機化合物をカーボン粒子と混合し、該混合物をボールミルにより粉砕混合して得られる正極材料から調製される工程と、
(2)前記負極を調製する工程と、
(3)前記電解質液を調製する工程と、
(4)前記正極、負極および電解質からマグネシウム電池を製造する工程と
を含むことを特徴とする。
本発明の製造方法において、マグネシウムポルフィリンは、下記構造を有する。
Figure 0005596726
本発明の工程(1)は、正極を調製する工程である。この工程は、正極の説明で先に記述したとおりの材料を用い、先に説明した正極の調製手順に従って実施することができる。特に、本工程では、マグネシウム含有ポルフィリン系環状有機化合物を導電材であるカーボン粒子と混合して混合物とし、次いでボールミル機により前記混合物を粉砕混合する。このようなボールミル処理により、より優れた電池特性を得ることができる。ボールミル処理の時間は、20時間未満、好ましくは2〜15時間、より好ましくは5〜10時間である。
本発明の工程(2)は、負極を調製する工程である。この工程は、負極の説明で先に記述したとおりの材料を用い、先に説明した負極の調製手順に従って実施することができる。
本発明の工程(3)は、電解質液を調製する工程である。この工程は、電解質液の説明で先に記述したとおりの材料を用い、これらの材料を上述した適切な有機溶媒又は水に溶解して調製することができる。
本発明の工程(4)は、上記工程(1)〜(3)で調製した各要素を用いて、マグネシウム電池を製造する工程である。マグネシウム電池を形成するには、従来の方法をそのまま適用することができる。例えば、(1)〜(3)で調製した各要素、及び必要に応じてセパレータなどの付随要素を適切な電池ケースに配置し、前記各要素及びケースを固定することで調製することができる。より具体的には、図3に示すようなコイン型の電池の場合、正極1、負極3、及び電解液を含浸したセパレータ2を、正極ケース4及び負極ケース6に所望の通りに配置し、各構成要素を配置した両ケースを固定することで、マグネシウム電池を形成することができる。
以下に図面を参照して、本発明のマグネシウム電池についての実施例を詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、本発明の趣旨及び範囲を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
下記実施例1〜4は、有機溶媒を用いた有機電解質を使用してマグネシウム電池を作製した例であり、実施例5は、水系電解質液を使用してマグネシウム電池を作製した例である。
(実施例1)
(i)マグネシウム電池の作製
マグネシウム電池は、以下の手順で作製した。
正極の材料には、市販の試薬であるマグネシウムポルフィリン粉末(東京化成工業社製)、アセチレンブラック粉末(電気化学工業社製)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末(ダイキン社製)を70:25:5の重量比で用いた。これらの材料を、らいかい機を用いて十分に粉砕・混合し、次いで、ロール成形して、シートペレット状の電極(厚さ:0.2mm)を作製した。このシート状電極を直径15mmの円形に切り抜いて、正極を調製した。負極は、市販の試薬であるアモルファスカーボン(ライオン社製)とポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末(ダイキン製)を80:20の重量比で用いた。これらの材料をらいかい機を用いて十分に粉砕・混合し、次いで、ロール成形してシートペレット状の電極(厚さ0.5mm、直径15mm)を調製した。電解液は、炭酸エチレン(EC)(キシダ化学製)と炭酸ジメチル(DMC)(キシダ化学製)を体積比1:1で混合して調製した混合溶媒に、1mol/Lの濃度でマグネシウム(ビストリフルオロメタンスルホニルイミド)[Mg(TFSI)2](キシダ化学製)を溶解することにより調製した。セパレータは、リチウム二次電池用のポリプロピレン製のもの(セルガード社製)を用いた。
マグネシウム電池は、図3に示すような2320コインセル型のものを製造した。正極は、上記のペレット電極を正極ケース4にセットし、チタンメッシュ(ニラコ製)(図示せず)で覆い、その周縁部をスポット溶接により固定した。負極は、負極ケース6にチタンメッシュ(ニラコ製)(図示せず)をスポット溶接して固定し、その上に上述のようにして調製した負極シートを圧着することにより固定して調製した。次に、ペレットを固定した正極ケースに、セパレータ2をセットし、さらにセパレータ2に電解液を注入し、負極シートを固定した負極ケースを被せ、コインセルかしめ機で正極ケース4及び負極ケース6をかしめることにより、ポリプロピレン製ガスケット5を含むコインセルを作製した。なお、マグネシウム電池の作製は、露点が−80℃以下のアルゴン雰囲気のグローブボックス中で行った。
(ii)放電試験
マグネシウム電池の放電試験は、市販の充放電測定システム(北斗電工社製)を用いて、正極の有効面積当たりの電流密度で0.2mA/cm2を通電し、充電終止電圧2.0V、放電終止電圧0.5Vの電圧範囲で充放電試験を行った。電池の充放電試験は、25℃の恒温槽内(雰囲気は通常の生活環境下)で測定を行った。
本実施例で作製したマグネシウム電池の充放電曲線を、図4に示す。図より、本マグネシウム電池は充放電が可能であり、初回放電容量75mAh/g(マグネシウムポルフィリン粉末重量当たりで規格化した)、平均放電電圧1.4Vを示した。表1に、20サイクル目、50サイクル目の放電容量維持率を示す。
上記のように、本実施例によるマグネシウム電池は、充放電可能で、ある程度のサイクル安定性を有していることが分かった。
Figure 0005596726
(実施例2〜6)
マグネシウムポルフィリン粉末とアセチレンブラック粉末を、ボールミル(BM)で粉砕・混合すること(ボールミル処理)により、電池性能の改善を試みた。
マグネシウムポルフィリン粉末とアセチレンブラック粉末(重量比70:25)をミキサー中で数分程度、混合した。この混合物に、直径7mmのジルコニア製ボールを加え、2時間(実施例2)、5時間(実施例3)、10時間(実施例4)、15時間(実施例5)、20時間(実施例6)のボールミル処理(BM処理)を行った。なお、いずれのBM処理の場合も、マグネシウムポルフィリン−アセチレンブラック混合物とボールの混合割合は、重量比で1:10であり、混合時の回転速度は300rpmであった。
得られたBM処理後のマグネシウムポルフィリン−アセチレンブラック混合物に、PTFEバインダーを更に加え、らいかい機で混合し、実施例1と同様にして正極ペレットを作製した。このペレットを用いて、実施例1と同様にして、コインセルを作製した。また、充放電試験も、実施例1と同様に行った。
充放電試験の結果を、表1に示す。BM処理時間が、10hまでは電池特性が改善した。また、10hのBM処理において、放電容量は理論値の95%を示し、50サイクル後の放電容量維持率も92%の高い値を達成した。これは、BM処理により、マグネシウムポルフィリン粉末とアセチレンブラック粉末の接触性が向上し、両粉末間の界面抵抗が減少したためであると推察される。一方、20hのBM処理では、放電容量などの電池性能は低下した。これは、BM処理時のマグネシウムポルフィリン粉末−アセチレンブラック粒子間の局所的な熱の発生により、マグネシウムポルフィリンの変性が起こったためであると考えられる。このように、本発明では、正極材料の活物質をBM処理することにより、電池性能が改善することが明らかとなった。ただし、BM処理については、処理時間などのパラメータを適宜選択し、処理条件を最適化する必要があると考えられる。
(実施例7)
水系電解液としてMg(OH)2飽和水溶液、負極材料としてアモルファスカーボンを用いて、実施例1と同様にして、コインセルを作製した。
正極については、実施例4の条件で作製したマグネシウムポルフィリン−アセチレンブラック混合物を用いた。
電池の放電試験は、実施例1とほぼ同様に、充放電測定システムを用いて、正極の有効面積当たりの電流密度で0.2mA/cm2を通電し、充電終止電圧1.5V、放電終止電圧0.2Vの電圧範囲で充放電試験を行った。
充放電試験の結果を、表1に示す。水系電解液を使用するため、放電電圧は1V級であるが、放電容量は理論値の91%を示し、50サイクル後の放電容量維持率も90%の高い値を達成した。なお、酸性の1mol/L MgSO4水溶液中でも、同様の結果を示すことを確認した。これらの結果は、本発明によるマグネシウムポルフィリンが、水系電解液中でも正極材料として機能できることを示している。水系電解液は、一般的に、有機電解液よりも低価格であるため、マグネシウム電池の低コスト化に有利であると考えられる。
(比較例)
比較例として、レアメタルを含む正極材料用いたマグネシウム電池を作製した。正極材料としてMg0.5CoO2を評価した。Mg0.5CoO2は、MgOとCo34を所定モル比(3:2)で混合し、800℃、酸素中で焼成を行うことにより合成した。
Mg0.5CoO2を用いるコインセルは、実施例1と同様にして作製及び評価を行った。その結果を、表2に実施例4と比較して示す。
本比較例による電池は、実施例4と比較して、初期特性においては、電圧や放電容量について優れた特性を示した。しかしながら、充放電サイクルによる容量減少は著しく、100サイクル後には、初期の約40%の放電容量しか得られなかった。
一方、実施例3の場合、比較例よりも初期性能は劣る(但し、マグネシウム電池としての特性としては十分なものである。)ものの、100サイクル後でも約83%の放電容量を維持しており、安定性が高いことが分かった。これは、Mg0.5CoO2の場合、遷移金属であるCoの溶出が起こっており、容量の減少を誘因したのではないかと考えられる。
以上のように、本発明によるマグネシウムポルフィリンを用いたマグネシウム電池は、コスト性に優れ、更に優れた充放電サイクル特性を有した高性能電池あることが分かった。
Figure 0005596726
本発明により、コスト性に優れたマグネシウム電池を作製することができ、様々な電子機器の駆動源等として使用することができる。
1 正極
2 セパレータ(電解質液を含浸)
3 負極
4 正極ケース
5 ガスケット
6 負極ケース

Claims (4)

  1. マグネシウムイオンの挿入及び脱離が可能な正極、
    マグネシウム金属、マグネシウムを含む合金若しくはマグネシウムイオンの挿入及び脱離が可能な負極、並びに
    マグネシウムイオン導電性を有する電解質を含むマグネシウム電池であって、
    前記正極が、下記式(I)で表されるマグネシウムポルフィリンを含み、
    Figure 0005596726
    前記正極は、前記マグネシウムポルフィリンをカーボン粒子と混合して、2〜15時間ボールミル処理を行った材料を含むことを特徴とするマグネシウム電池。
  2. 前記電解質が、マグネシウムイオンを含む有機電解液であることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム電池。
  3. 前記電解質が、マグネシウムイオンを含む水系電解液であることを特徴とする請求項1に記載のマグネシウム電池。
  4. 下記式(I)を有するマグネシウムポルフィリンを含む正極、
    Figure 0005596726
    マグネシウム金属、マグネシウムを含む合金若しくはマグネシウムイオンの挿入及び脱離が可能な負極、並びに
    マグネシウムイオン導電性を有する電解質を含むマグネシウム電池の製造方法であり、
    (1)前記正極を調製する工程であって、前記正極は、前記式(I)のマグネシウムポルフィリンをカーボン粒子と混合し、該混合物を2〜15時間ボールミルにより粉砕混合して得られる正極材料から調製される工程と、
    (2)前記負極を調製する工程と、
    (3)前記電解質液を調製する工程と、
    (4)前記正極、負極および電解質からマグネシウム電池を製造する工程と
    を含むことを特徴とするマグネシウム電池の製造方法。
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