JP3277466B2 - 新型二次電池 - Google Patents

新型二次電池

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JP3277466B2
JP3277466B2 JP03205792A JP3205792A JP3277466B2 JP 3277466 B2 JP3277466 B2 JP 3277466B2 JP 03205792 A JP03205792 A JP 03205792A JP 3205792 A JP3205792 A JP 3205792A JP 3277466 B2 JP3277466 B2 JP 3277466B2
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利幸 加幡
利幸 大澤
興利 木村
▲隆▼一 山本
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアニリンとポリア
ミド及び強化繊維よりなる複合体を電極に用い、電解質
としてポリアニリン、ポリアミド双方と錯体を形成する
化合物を用いる二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】電池の分野において、ヨウ素は陰イオン
になりやすい物質であることから、陽イオンに成りやす
い金属と組み合わせて金属−ヨウ素電池を構成されるこ
とが知られている。ヨウ素を正極活物質として用いる場
合、一般的にはヨウ素をポリアミド等の有機化合物との
電荷移動錯体として固定化して使用している。(特開昭
57−15369 、特開昭57−197759、Inory.Chim.Acta,86,L
47(1984),現代化学,165,48(1984年12月号)、Chem.A
bstr.,73,P20869a等参照)。
【0003】ヨウ素を正極活物質として使用する電池は
効率的にヨウ素を保持するために電極材料として、多孔
質ポリアミド等が検討されている。しかしながら、多孔
質ポリアミドは機械的強度が充分でなく、また電気伝導
度も低いため、そのままでは電極材料としての使用は難
しい。一方、ポリアニリン類はヨウ素等のアクセプタ−
との親和性が良く、またアクセプタ−を保持することに
より電気伝導度も向上し、電極材料としての使用が期待
できるが機械的強度が充分でない。ポリアミドとポリア
ニリン類を複合化させることにより電気伝導の改善を行
うことができるが、効率的なアクセプタ−の吸収を行わ
せるために多孔質化を図るとやはり機械的強度は充分で
なく電極材料としての使用は難しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、こうした実
状の下に、アクセプタ−の保持性及び機械的強度の双方
に優れたポリアニリン/ポリアミド複合体を提供し、
又、これを用いた電極材料、及びさらにその電極材料を
用いた内部抵抗が小さく、放電容量の大きい二次電池を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記事情
に鑑み鋭意検討を重ねた結果、ポリアニリンがポリアミ
ドの溶媒であるギ酸に溶解し、ポリアニリンとポリアミ
ドが均一なポリマー複合体を形成し、ポリアニリン、ポ
リアミド及び強化繊維よりなる複合体がアクセプタ−の
保持量、電気伝導度、機械的強度の点で優れており、多
孔質にしてもなお機械的強度が高く、効率的にアクセプ
タ−を保持することを見出した。また、この複合体の強
化繊維に炭素繊維を用いると電気伝導度、機械的強度の
点で最も好ましく、本複合体を電極として用いた電解質
としてポリアニリン、ポリアミド双方と錯体を形成する
化合物を用いる二次電池が高性能であることを見出し本
発明に至った。
【0006】本発明におけるポリアニリンは、アニリン
及びその誘導体の重合体又は共重合体である。
【0007】単量体としては(I)又は(II)である。
【0008】
【化1】
【0009】
【化2】
【0010】(式中、R1〜R4は水素、アルキル基、ア
リール基を表す。)で表わされ、具体的にはアニリン、
4−アミノジフェニルアミン、N−メチルアニリン、N
−エチルアニリン、4−(N−メチルアミノ)ジフェニ
ルアミン、ジフェニルアミン、O−メチルアニリン、O
−エチルアニリン、m−メチルアニリン、m−エチルア
ニリン、4−(N−エチルアミノ)ジフェニルアミン、
N,N´−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等が挙
げられる。これらアニリン及びその誘導体は単独でも又
2種類以上の混合物として使用することができる。しか
し最も好ましいのはアニリンである。
【0011】本発明で用いるポリアニリンはド−プ状
態、未ド−プ状態いずれの場合も可能であるが、未ド−
プ状態のものを用いることが好ましい。未ド−プ状態の
ポリアニリンは有機アクセプタ−と電荷移動錯体を形成
しやすく、それを用いる二次電池は放電容量が高く、内
部抵抗を小さくすることができる。アニリンの重合体で
は次のような構造を繰返し単位とする330nmに単一
の吸収を有する白色の還元体であることが好ましい。
【0012】
【化3】
【0013】このポリアニリンの赤外吸収スペクトルを
図1に示す。本発明では1610cm~1(Qabs)と
1500cm~1(Babs)の吸光度の比(Babs/
Qabs)が2.5以下であることが好ましい。
【0014】本発明の複合体中のポリアニリンの量とし
ては2〜80%、好ましくは5〜70%である。この範
囲外では電気伝導度が高く、ヨウ素の保持量の大きな複
合体は得られない。
【0015】本発明の複合体におけるポリアミドとして
はヨウ素の保持能力、電極の機械的強度を考慮するとナ
イロン類、特に6−ナイロンが好ましい。
【0016】本発明の複合体中のポリアミドの量として
は10〜90%、好ましくは20〜80%である。この
範囲外では電気伝導度が高く、ヨウ素の保持量の大きな
複合体は得られない。
【0017】本発明の複合体は基本的にはポリアニリン
とポリアミドからなるが、この複合体には強化繊維を配
合することが好ましい。このような強化繊維としては機
械的強度が高く、複合体が要素を保持しても機械的強度
を保つ繊維、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リエステル等のプラスチック繊維、ピッチ系、フェノー
ル系、アクリル系PAN系炭素繊維等が例示できるが、
炭素繊維が機械的強度、電気伝導度の点で最も好まし
く、長さとして20μm以上、好ましくは30〜100
0μmの炭素繊維が最も好ましく、長さとして20μm
以上、好ましくは30〜1000μmの炭素繊維が最も
好ましい。
【0018】本発明の複合体中の強化繊維の量としては
5〜50%、好ましくは10〜40%である。この範囲
外では機械的強度が高く、アクセプタ−の保持量の大き
な複合体は得られない。
【0019】本発明の複合体は気孔率20〜80%、好
ましくは30〜75%の連続気孔を有することが好まし
い。連続気孔の存在により複合体の表面積は飛躍的に向
上し、アクセプタ−の効率的な吸収を行うことができ、
本複合体を用いたヨウ素電池の内部抵抗を小さくするこ
とが出来る。本発明の複合体は上記の強化繊維の存在に
より、高気孔率でありながら、機械的強度を高くするこ
とが出来る。
【0020】本発明の好ましい複合体の製造方法として
は1.ポリアニリン粉末、ポリアミド粉末及び強化繊維
を混合、成型後、ポリアミドの表面を加熱溶解させるこ
とにより、多孔質複合体を得る方法、2.ポリアニリ
ン、ポリアミド粉末をギ酸に溶解、強化繊維を分散した
溶液から、ギ酸を蒸発により除去し多孔質複合体を得る
方法、3.ポリアニリン、ポリアミド粉末をギ酸に溶
解、強化繊維を分散した溶解に、ギ酸と相溶性のある溶
剤(例えば水、アルコール、アセトニトリル等)と接触
させギ酸を溶剤へ除去し、多孔質複合体を得る方法が例
示できるが3の方法が複合体の気孔率、機械的強度が高
く、かつ容易に製造することができる。
【0021】本発明の複合体は電池、センサー等の電気
化学素子の電極として有用であり、特にアクセプタ−を
溶解してなる電解質を用いる二次電池、の電極として有
用である。
【0022】次に、特に本発明の二次電池について説明
する。
【0023】本発明の二次電池は電解質として、ZnI
2、CdI2、LI、NaI、KIなどのヨウ素化合物、
クロマニル、ブロマニル、ジクロロベンゾキノン、ベン
ゾキノン、アントラキノン、トルキノン、テトラメチル
−p−ベンゾキノン、テトラフルオロテトラシアノキノ
ジメタン、テトラシアノキノジメタン、テトラシアノエ
チレン、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベ
ンゾキノン等の有機アクセプタ−あるいはこれらの混合
物を溶解したものが用いられる。電解質を溶解させる媒
体としては、水、プロピレンカーボネート、エチレンカ
ーボネート、ベンゾニトリル、アセトニトリル、テトラ
ヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、γ−ブ
チルラクトン、ジオキソラン、トリエチルフォスフェー
ト、トリエチルフォスファイト、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルフォキシド、
ジオキサン、ジメトキシエタン、ポリエチレングリコー
ル、スルフォラン、ジクロロエタン、クロルベンゼン、
ニトロベンゼン等の溶媒、ポリエチレンオキシド、ポリ
プロピレンオキサイド、ポリフッ化ビニリデン、ポリア
クリルアミド、ポリビニルアルコール等をポリマーマト
リックスとしたもの、あるいはこれらの架橋体、低分子
量ポリエチレンオキサイド、クラウンエーテルなどのイ
オン解離基をポリマー主鎖にグラフト化したポリマーが
挙げられ、溶媒に電解質を溶解させた電解液、ポリマ−
に電解質を溶解させたいわゆる高分子固体電解質、高分
子固体電解質に上記溶媒を含有させたイオン伝導性粘弾
性体が用いられる。また電解質のイオン伝導度を向上さ
せるため、LiBF4、LiClO4、LiCF3SO3
LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、TBABF4
TBAClO4、NH3Cl等の電解質塩を溶解させるこ
ともできる。
【0024】本発明のヨウ素電池の負極としてはZn、
Cd、Ag、Li、Na、K等の金属、LiとAl、M
g、Pb、Mn、Zn等の合金、ポリアセチレン、ポリ
パラフェニレン、ポリピリジン、ポリパラペニレンビニ
レン、ポリパラキシリデン、ブタジエン塩素置換体の還
元重合体等の導電性高分子、炭素体が例示できる。
【0025】
【実施例】
ポリアニリンの製造方法 過硫酸アンモニウムと塩酸からA.G.MacDiramid et al.,
Conducting polymers.,105(1987)に示された方法により
ポリアニリンを合成した。合成したポリアニリンを20
%ヒドラジン水溶液で還元処理し、濾過、真空乾燥を行
ない白色のポリアニリンを得た。以下の実施例でのポリ
アニリンにはこの白色ポリアニリンを使用した。
【0026】実施例1 ポリアニリン0.4g、6−ナイロン2.4g、PAN
系炭素繊維1gをギ酸10mlに加え、24時間ボール
ミルにより、溶解、分散を行った。この溶液をガラス基
板上に塗布した後、水に1時間接触させ、ギ酸を除去し
ポリアニリン/6−ナイロン/炭素繊維複合体を作製し
た。複合体をガラス基板より引き剥がし乾燥を行った。
複合体の気孔率は72%、電気伝導度は3S/cmであ
った。厚さ0.5mmの複合体を1cm2の大きさに打
ち抜き、3MZnI2+6MNH4Cl水溶液中で電解に
よりヨウ素を吸収させた。これを正極に用いて図1に示
すような構成部材を積層し、圧着により二次電池を作製
した。なお、負極室の電解液保持材にはガラス繊維製紙
(0.3mm)、負極には0.2mmのZn板を用いた。
セパレ−タには旭硝子製セレミオンを用い、電池外装
(缶)には昭和電工製カーボン板を用い、電解液には3
MZnI2+6MNH4Cl水溶液を用いた。2mAで
1.5Vまで充電後、0.9Vまで放電を行ったところ
4.8mAhの放電容量が得られた。
【0027】実施例2 ポリアニリン0.6g、6−ナイロン2.0g、フェノ
−ル系炭素繊維1gをギ酸10mlに加え、24時間ボ
ールミルにより、溶解、分散を行った。この溶液をガラ
ス基板上に塗布した後、水に1時間接触させ、ギ酸を除
去しポリアニリン/6−ナイロン/炭素繊維複合体を作
製した。複合体をガラス基板より引き剥がし乾燥を行っ
た。複合体の気孔率は68%、電気伝導度5S/cmで
あった。厚さ0.5mmの複合体を1cm2の大きさに
打ち抜き、3MZnI2+6MNH4Cl水溶液中で電解
によりヨウ素を吸収させた。これを正極に用いて図1に
示すような構成部材を積層し、圧着により二次電池を作
製した。なお、負極室の電解液保持材にはガラス繊維製
紙(0.3mm)、負極には0.2mmのZn板を用い
た。セパレ−タには旭硝子製セレミオンを用い、電池外
装(缶)には昭和電工製カーボン板を用い、電解液には
3MZnI2+6MNH4Cl水溶液を用いた。2mAで
1.5Vまで充電後、0.9Vまで放電を行ったところ
4.9mAhの放電容量が得られた。
【0028】実施例3 実施例1で作製した厚さ0.5mmの複合体を1cm2
の大きさに打ち抜き、3MLiIをプロピレンカーボネ
ート−ジメトキシエタン混合溶液に溶解させた電解液中
で、電解によりヨウ素を吸収させた。これを正極に用い
て図1に示すような構成部材を積層し、圧着により二次
電池を作製した。なお、負極室の電解液保持材にはガラ
ス繊維製紙(0.3mm)、負極には0.4mmのLi−
Al合金板を用いた。セパレ−タにはヘキストセラニ−
ズ製セルガ−ドを用い、電池外装(缶)には昭和電工製
カーボン板を用い、電解液には3MLiIをプロピレン
カーボネート−ジメトキシエタン混合溶液を用いた。1
mAで3.3Vまで充電後、2.5Vまで放電を行った
ところ2.5mAhの放電容量が得られた。
【0029】比較例1 実施例1においてPAN系炭素繊維を用いない以外は同
様にしてポリアニリン/6−ナイロン複合体を作製し
た。複合体はもろく、圧縮により容易に粉砕された。そ
のため、この複合体を用いて二次電池は作製することが
できなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用するポリアニリンのIRスペクト
ル。
【図2】本発明の二次電池の構成例の説明図。
【符号の説明】
1、8 カーボン板(電池外装材) 2 正極 3、6 シリコーンゴムシート 4 セパレ−タ 5 負極室電解液保持 7 負極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 興利 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株 式会社リコ−内 (72)発明者 山本 ▲隆▼一 神奈川県横浜市緑区荏田南4−26−18 (56)参考文献 特開 昭61−19074(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/36

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極に複合体中2〜80%のポリアニリ
    ン、同10〜90%のポリアミド及び強化繊維よりなる
    気孔率20〜80%の複合体を用い、電解質にポリアニ
    リン、ポリアミド双方と錯体を形成する化合物を用いる
    ことを特徴とする二次電池。
  2. 【請求項2】 強化繊維が長さ20μm以上の炭素繊維
    であることを特徴とする請求項1記載の二次電池。
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