JP5881587B2 - ナトリウム二次電池 - Google Patents

ナトリウム二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP5881587B2
JP5881587B2 JP2012261399A JP2012261399A JP5881587B2 JP 5881587 B2 JP5881587 B2 JP 5881587B2 JP 2012261399 A JP2012261399 A JP 2012261399A JP 2012261399 A JP2012261399 A JP 2012261399A JP 5881587 B2 JP5881587 B2 JP 5881587B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sodium
secondary battery
positive electrode
electrolyte
copper phosphate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2012261399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014107225A (ja
Inventor
浩伸 蓑輪
浩伸 蓑輪
陽子 小野
陽子 小野
政彦 林
政彦 林
克也 林
克也 林
小林 隆一
隆一 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2012261399A priority Critical patent/JP5881587B2/ja
Publication of JP2014107225A publication Critical patent/JP2014107225A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5881587B2 publication Critical patent/JP5881587B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、ナトリウム二次電池に関する。特に本発明は、ナトリウム二次電池の正極材料にリン酸銅(Cu3(PO42又はリン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)を用いた、コスト性及びサイクル特性に優れたナトリウム二次電池に関する。
ナトリウムイオンの挿入及び脱離反応を用いるナトリウム二次電池は、現在、広範に使用されているリチウム二次電池よりも、ナトリウムの資源の優位性から、コスト性に優れた二次電池として期待されており、電極材料や電解質材料に関する研究開発が進められている。
Parkらは、非特許文献1において、NaTi2(PO43が、有機電解液中で正極として、また水系電解液中で負極として使用できること、そして、当該材料を使用したナトリウム二次電池が、電流密度2.0mA/cm2で放電させた場合、両電解液の場合で共に約120mAh/gの比較的大きな放電容量を示すことを報告している。
また、特許文献1では、NaCoO2が非水電解質中で充放電可能であり、5回という少ないサイクル回数であるものの、94%の高い放電容量維持率を有することが記載されている。
特開2007−35283号公報
Sun Il Park et al., Journal of The Electrochemical Society, 158 (10) A1067-A1070 (2011)
上記のように、これまでにリチウム二次電池に匹敵するレベルの放電容量を有するナトリウム二次電池が報告されているが、上記文献のように電極材料にレアメタルを含む場合が多く、コスト的に不利であるとともに、十分なサイクル特性が得られないという問題があった。
従って、本発明は、コスト性、及び、サイクル特性に優れたナトリウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明は、ナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含む正極、金属ナトリウム、ナトリウム含有物質、又はナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含む負極、及び、ナトリウムイオン導電性を有する電解質を含むナトリウム二次電池であり、前記正極のナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質が、リン酸銅ナトリウム(NaCuPO 4 を含むことを特徴とする。
また、本発明のナトリウム二次電池では、前記正極は、更にカーボン粒子を含む材料、即ちリン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)をカーボン粒子などの導電性粒子と混合した材料であってもよい。
本発明のナトリウム二次電池では、前記電解質は、ナトリウムイオンを含む有機電解液、又は、ナトリウムイオンを含む水系電解液であることが好ましい。或いは、本発明の二次電池では、前記電解質は、固体電解質又はポリマー電解質であってもよい。
本発明によれば、コスト性及びサイクル特性に優れたナトリウム二次電池を供することができる。
本発明のナトリウム二次電池の構成を示す概略図である。 本発明の一実施形態のナトリウム二次電池の構造を示す概略図である。 図2に示した本発明の実施形態のナトリウム二次電池の充放電曲線を示す図である。
本発明は、ナトリウム二次電池、特に、正極の材料としてリン酸銅(Cu3(PO42)又はリン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)を含むものに関する。
以下に、本発明のナトリウム二次電池の実施形態について説明する。
本発明のナトリウム二次電池は、正極、負極及び電解質を少なくとも含む。正極はナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含むものであり、負極は金属ナトリウム、ナトリウム含有物質、若しくはナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含むものであり、電解質はナトリウムイオン導電性を有するものである。
本発明では、正極は、リン酸銅(Cu3(PO42)又はリン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)を材料として含む。
本発明で使用できるリン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)は、例えば以下のような方法で得ることができる。
市販の試薬である炭酸ナトリウム(Na2CO3)粉末、酸化銅CuO、リン酸水素二アンモニウム((NH42HPO4)を、目的とする試料の組成モル比(Na:Cu:P=1:1:1)となるように混合し、得られた混合物を、例えば空気中、900〜1200℃で、48〜96時間焼成する。
本発明のナトリウム二次電池の正極は、リン酸銅(Cu3(PO42)又はリン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)と、カーボン粉末のようなカーボン材料と混合したものを含むことが好ましい。
上述の正極は、例えば以下のような手段により調製することができるが、本発明はこれらに限定されない。
まず、カーボン粉末(例えばアセチレンブラック粉末などのカーボンブラック類)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のような結着剤粉末、及び、リン酸銅(Cu3(PO42)又はリン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)を混合し、次いでロールプレス機により圧延し、所定サイズに切り抜いてペレット状に成型することにより、正極を調製することができる。
本発明では、正極材料中のカーボン粉末と、リン酸銅(Cu3(PO42)又はリン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)の均一性及び分散性を向上させ、二次電池の性能を改善するために、正極を製造する際に、カーボン粉末と、リン酸銅(Cu3(PO42)又はリン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)を混合し、ボールミル等の粉砕機により粉砕混合し、得られたボールミル(BM)処理混合物に、更に結着剤粉末を混合した後、上記のように圧延成形して正極の電極を形成してもよい。
あるいは、前述のカーボン粉末、結着剤粉末及びリン酸銅(Cu3(PO42)又はリン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)の混合物を有機溶剤(例えばN−メチル−2−ピロリドン(NMP))等の溶媒中に分散してスラリー状にした後、例えば銅箔のような金属箔上に塗布し、乾燥することにより、正極を調製できる。
本発明では、リン酸銅(Cu3(PO42)又はリン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)(正極物質)を含む正極の導電性を向上させるために、正極物質を導電材であるカーボン粒子と混合し、ボールミルで粉砕混合するボールミル処理を行うことが好ましい。このようなボールミル処理により、より優れた電池特性を得ることができる。ボールミル処理は、リン酸銅(Cu3(PO42)では12時間未満、好ましくは3〜10時間、その時の平均粒径は0.7〜5μm、より好ましくは、3〜6時間であり、リン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)では、10時間未満、その時の平均粒径は1〜12μm、好ましくは3〜10時間、より好ましくは3〜6時間、最も好ましくは3時間である。
本発明の正極は、ナトリウムイオンを含む有機電解液及びナトリウムイオンを含む水系電解液の両電解液を電解質溶液として用いることができる。更に、本発明の正極を含むナトリウム二次電池は、ナトリウムイオンを通す固体電解質又はポリマー電解質を電解質として用いることもできる。
負極は、金属ナトリウム、ナトリウム含有合金のようなナトリウム含有物質、又はナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含むものであれば特に限定されない。例えば、負極の例としては、金属ナトリウムのシート、又は金属ナトリウムのシートをアルミニウム等の金属箔に圧着したものなどを挙げることができる。このような金属ナトリウムのシートの負極は、金属ナトリウムをプレス機などでシート状に圧延して所望の形状に成形することで調製することができる。また、金属ナトリウムのシートを金属箔に圧着したものは、前記のように調製した金属ナトリウムのシートをアルミニウム等の金属箔に圧着して調製することができる。
また、上記のような金属ナトリウム以外の負極材料として、負極活物質としてナトリウムを主成分として含む合金(例えば、ナトリウム−スズ合金)(ナトリウム含有物質)、又は、ナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能なアモルファスカーボンなどの材料(ナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質)を挙げることができる。これらの負極活物質を含む負極は、例えば、銅箔のような金属箔に、負極活性物質とポリフッ化ビニリデン(PVDF)のような結着剤をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)のような有機溶媒に分散させたスラリーを塗布し、乾燥するというような方法で調製することができる。
電解液としては、ナトリウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(NaTFSI)、過塩素酸ナトリウム(NaClO4)、六フッ化リン酸ナトリウム(NaPF6)などのナトリウムイオンを含む金属塩を、例えば炭酸エチレン(EC)及び炭酸ジメチル(DMC)(体積比1:1)の混合溶媒、EC及び炭酸ジエチル(DEC)などのような混合溶媒、又は炭酸プロピレン(PC)のような単独溶媒に溶解した有機電解液、又は、NaOH水溶液、Na2SO4水溶液、NaCl水溶液、NaClO4水溶液などのナトリウムイオンを含む金属塩を水に溶解した水溶液(水系電解液)を挙げることができる。
本発明のナトリウム二次電池の他の電解質として、ナトリウムイオンを通す固体電解質(例えば、75Na2S・25P25などのガラス状物質、NASICON(Na+ Super Ionic Conductor、Na3Zr2Si2PO12等))、ナトリウムイオンを通すポリマー電解質(例えば、上記有機電解質とポリエチレンオキシドをコンポジット化した物質((PEO)系))などを挙げることができるが、これらに限定されない。本発明では、ナトリウム二次電池で使用される公知のナトリウムイオンを通す固体電解質又はナトリウムイオンを通すポリマー電解質であれば使用することができる。
本願発明のナトリウム二次電池はまた、セパレータ、電池ケース等の構造材料などの他の要素を含むこともできる。これらの要素についても、従来公知の二次電池に用いられる各種材料が使用でき、特に制限はない。
上記のような正極、負極、電解液等を使用する電池は、コイン形、円筒形、ラミネート形など従来の形状で作製することができる。そして、これらの二次電池の製造方法も従来と同様の方法を用いることができる。
例えば、本発明のナトリウム二次電池は、例えば、図1に示すような、正極及び負極と、これら両極に接する電解質からなる。本発明では、正極及び負極の間にセパレータが含まれていてもよい。有機電解質又は水系電解質を電解質液として用いる場合には、例えば、セパレータに電解質液を含浸させて使用することができる。また、有機電解質又は水系電解質は、ポリマー電解質等に含浸させてもよい。また、固体電解質、ポリマー電解質等を用いる場合には、両極がこれらに接するように配置すればよい。
さらに図1には明記していないが、正極、負極、電解質、セパレータ等を被う電池ケース等を含むことができる。本発明では、リン酸銅(Cu3(PO42)又はリン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)を正極の材料として用いることが特に好ましい。
より具体的な一実施形態としては、図2に示すようなコインセル型の二次電池として本発明を適用することができる。図2に示されるように、コインセル型の二次電池は、正極1及び負極3を含み、これらの電極の間に電解液を含浸したセパレータ2をさらに含む。さらに二次電池構造体は正極ケース4、ガスケット5、及び負極ケース6を含むことができる。この二次電池は、例えば、上記の正極1、負極3、及び電解液を含浸したセパレータ2を、正極ケース4及び負極ケース6に所望の通りに配置し、各構成要素を配置した両ケースを固定することで調製することができる。
本発明では、セパレータに代えて又は加えて、上述したような固体電解質、ポリマー電解質等を使用することができる。
以下に図面を参照して、本発明のナトリウム二次電池についての実施例を詳細に説明する。なお、本発明は下記の実施例に示したものに限定されるものではなく、本発明の趣旨及び範囲を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
下記では、正極材料(リン酸銅ナトリウム(NaCuPO4))の調製、及び、実施例1〜11を示す。実施例1〜10は、有機溶媒を用いた有機電解質を使用してナトリウム二次電池を作製した例であり、実施例11は、水系電解質液を使用してナトリウム二次電池を作製した例である。
(正極材料の調製)
(調製例1)
リン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)の調製
本化合物は、以下の手順で合成した。
まず、市販試薬の炭酸ナトリウム(Na2CO3)粉末(関東化学株式会社製)5.3g、酸化銅(CuO)(関東化学株式会社製)8.0g、リン酸水素二アンモニウム((NH42HPO4)(Aldrich社製)13.2gを混合し、得られた混合物を空気中950℃で72時間焼成した。これにより正極材料の粉末を得た。得られた粉末のX線回折測定を行ったところ、不純物の生成がなく、単相の回折パターンが得られた。また、粉末のICP分析により、粉末の組成比(モル比)は、Na:Cu:P:O=1:1:1:4であることが分かった。以上の結果より、得られた粉末がNaCuPO4であることを確認した。
(実施例1)
(i)ナトリウム二次電池の作製
ナトリウム二次電池は、以下の手順で作製した。
正極は、市販試薬のリン酸銅(Cu3(PO42)粉末(和光純薬工業株式会社製)、アセチレンブラック粉末(電気化学工業社製)及びポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粉末(ダイキン社製)を70:25:5の重量比で、らいかい機を用いて十分に粉砕・混合し、次いで、ロール成形して、シートペレット状の電極(厚さ:0.5mm)を作製した。このシート状電極を直径15mmの円形に切り抜いた。負極は、市販の試薬であるナトリウム塊(関東化学製)を、0.8mmの厚さまでプレスし、直径15mmの円形シート状に成型することによって作製した。電解液は、炭酸エチレン(EC)(キシダ化学製)と炭酸ジメチル(DMC)(キシダ化学製)を体積比1:1で混合して調製した混合溶媒に、1mol/Lの濃度でナトリウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(NaTFSI)(キシダ化学製)を溶解することにより調製した。セパレータは、リチウム二次電池用のポリプロピレン製のもの(セルガード社製)を用いた。
ナトリウム二次電池は、図2に示すような2320コイン型のものを製造した。正極は、上記のペレット電極を正極ケース4にセットし、チタンメッシュ(ニラコ製)(図示せず)で覆い、その周縁部をスポット溶接により固定した。負極は、負極ケース6にチタンメッシュ(ニラコ製)(図示せず)をスポット溶接で固定し、その上にナトリウムシートを圧着することにより固定して調製した。次に、ペレットを固定した正極ケースに、セパレータ2をセットし、さらにセパレータ2に電解液を注入し、ナトリウムシートを固定した負極ケースを被せ、コインセルかしめ機で正極ケース4及び負極ケース6をかしめることにより、ポリプロピレン製ガスケット5を含むコインセルを作製した。なお、ナトリウム二次電池の作製は、露点が−85℃以下のアルゴン雰囲気のグローブボックス中で行った。
(ii)充放電試験
ナトリウム二次電池の放電試験は、市販の充放電測定システム(北斗電工社製)を用いて、正極の有効面積当たりの電流密度で0.5mA/cm2を通電し、充電終止電圧3.5V、放電終止電圧2.0Vの電圧範囲で充放電試験を行った。電池の充放電試験は、25℃の恒温槽内(雰囲気は通常の生活環境下)で測定を行った。
本実施例で作製したナトリウム二次電池の充放電曲線を、図3に示す。図より、不可逆容量(充電容量と放電容量の差)も小さく、本発明によるナトリウム二次電池は充放電が可能であり、初回放電容量99mAh/g(リン酸銅(Cu3(PO42)粉末の重量当たりで規格化した)、平均放電電圧2.4Vを示した。表1に、20サイクル目、50サイクル目の放電容量維持率を示す。表より、1サイクル当たり約0.3%程度の容量減少しか見られず、安定したサイクル特性を有していることが分かる。
Figure 0005881587
(実施例2)
上記調製例1に従って調製したリン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)を使用して、実施例1と同様の手順で、ナトリウム二次電池の作製及び充放電特性の測定を行った。
表1に、初回サイクルの平均放電電圧及び放電容量、並びに、20サイクル目及び50サイクル目の放電容量維持率を示す。本実施例で示すリン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)は、実施例1のリン酸銅(Cu3(PO42)とほぼ同様の放電電圧やサイクル特性を有していることを確認した。
以上の結果から、リン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)は、初期状態で結晶構造中にNaイオンを含有しているため、Naイオンを含有していない負極材料(たとえばアモルファスカーボン)と組み合わせてロッキングチェアー型の二次電池を構成することができる。
(実施例3〜6)
リン酸銅(Cu3(PO42)粉末とアセチレンブラック粉末を混合し、ボールミル(BM)で粉砕・混合すること(ボールミル処理)により、電池性能の改善を試みた。
リン酸銅(Cu3(PO42)粉末とアセチレンブラック粉末(重量比70:25)をミキサー中で数分程度混合した。この混合物に、直径7mmのジルコニア製ボールを加え、3時間(実施例3)、6時間(実施例4)、10時間(実施例5)、12時間(実施例6)のBM処理を行った。試料表面をSEMにより観察したところ、それぞれのリン酸銅の平均粒径は、5、2、0.8、0.7μmであった。なお、いずれのBM処理の場合も、リン酸銅−アセチレンブラック混合物とボールの混合比率は、重量比で1:10とし、BM処理時の回転速度は300rpmとした。
得られたBM処理後のリン酸銅−アセチレンブラック混合物は、PTFEバインダーを更に加え、らいかい機で混合し、実施例1と同様にして正極ペレットを作製した。このペレットを用いて、実施例1と同様にして、コインセルを作製した。また、充放電試験も、実施例1と同様に行った。
充放電試験の結果を、表1に示す。BM処理時間が、6h(6時間)までは特性が著しく改善した。また、6hのBM処理において、50サイクル後の放電容量維持率も96%の高い値を達成した。これは、BM処理により、リン酸銅粉末とアセチレンブラック粉末の接触性が向上し、粉末間の界面抵抗が減少したためであると推察される。一方、12hのBM処理では、放電容量などの電池性能は低下した。これは、BM処理時の局所的な熱の発生により、リン酸銅の変性が起こったためであると考えられる。このように、本発明では、正極材料の活物質をBM処理することにより、電池性能が改善することが明らかとなった。ただし、BM処理については、試料の粒子サイズ等によって最適条件が異なるため、それぞれの場合で最適化を行う必要があると考えられる。
(実施例7〜10)
リン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)粉末とアセチレンブラック粉末を、ボールミル(BM)で粉砕・混合すること(ボールミル処理)により、電池性能の改善を試みた。
リン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)粉末とアセチレンブラック粉末(重量比70:25)をミキサー中で数分程度、混合した。この混合物に、直径7mmのジルコニア製ボールを加え、3時間(実施例7)、6時間(実施例8)、10時間(実施例9)、12時間(実施例10)のBM処理を行った。試料表面をSEMにより観察したところ、それぞれのリン酸銅ナトリウムの平均粒径は、12、8、2、1μmであった。なお、いずれのBM処理の場合も、リン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)−アセチレンブラック混合物とボールの混合比率は、重量比で1:10とし、BM処理時の回転速度は300rpmとした。
得られたBM処理後のリン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)−アセチレンブラック混合物は、PTFEバインダーを加え、らいかい機で混合し、実施例1と同様にして正極ペレットを作製した。このペレットを用いて、実施例1と同様にして、コインセルを作製し、充放電試験を行った。
充放電試験の結果を、表1に示す。BM処理時間が、3hまでは特性が著しく改善し、50サイクル後の放電容量維持率も97%の高い値を達成した。これは、BM処理により、リン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)粉末とアセチレンブラック粉末の接触性が向上し、粉末間の界面抵抗が減少したためであると推察される。一方、6h以上のBM処理では、放電容量などの電池性能は低下した。これは、BM処理時の局所的な熱の発生により、リン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)の変性が起こったためであると考えられる。このように、本発明では、正極材料の活物質をBM処理することにより、電池性能が改善することが明らかとなった。ただし、BM処理については、試料の粒子サイズ等によって最適条件が異なるため、それぞれの場合で最適化を行う必要があると考えられる。
(実施例11、12)
水系電解液として8mol/L NaOH水溶液を用い、負極材料としてアモルファスカーボンを用いて、実施例1と同様にして、コインセルを作製した。
正極には、実施例4及び7の条件で作製したリン酸銅(Cu3(PO42)/アセチレンブラック混合物およびリン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)/アセチレンブラック混合物を用いた。
電池の放電試験は、実施例1とほぼ同様に、充放電測定システムを用いて、正極の有効面積当たりの電流密度で2mA/cm2を通電し、充電終止電圧1.4V、放電終止電圧0.5Vの電圧範囲で充放電試験を行った。
充放電試験の結果を、表1に示す。水系電解液を使用するため、放電電圧は1V級であるが、50サイクル後の放電容量維持率が86(実施例11)、89%(実施例12)の高い値を達成した。なお、酸性の1mol/L Na2SO4水溶液中でも、同様の結果を示すことを確認した。これらの結果は、本発明によるリン酸銅系の材料が、水系電解液中でも正極材料として機能できることを示している。水系電解液は、一般的に、有機電解液よりも低価格であるため、ナトリウム二次電池の低コスト化に有利であると考えられる。
(実施例13、14)
ポリマー電解質としてポリアクリロニトリル(PAN)の微粉末を炭酸エチレン(EC)と炭酸プロピレン(PC)の混合溶媒に混合し、撹拌しながら110℃まで加熱した後、ナトリウムビストリフルオロメタンスルホニルイミド(NaTFSI)を加え、110℃で撹拌した。これを、室温中に放置し放冷することで、ポリマー電解質を得た。混合量はそれぞれPAN:EC:PC:NaTFSA=20:60:15:5となるように混合した。この電解質と負極材料としてアモルファスカーボンを用いて、実施例1と同様にして、コインセルを作製した。
正極には、実施例4及び7の条件で作製したリン酸銅(Cu3(PO42)/アセチレンブラック混合物およびリン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)/アセチレンブラック混合物を用いた。
電池の充放電試験は、実施例1とほぼ同様に、充放電測定システムを用いて、正極の有効面積当たりの電流密度で2mA/cm2を通電し、充電終止電圧1.4V、放電終止電圧0.5Vの電圧範囲で行った。
充放電試験の結果を、表1に示す。ポリマー電解質を使用するため、有機電解液を用いる場合に比べ放電電圧は若干下がるが、50サイクル後の放電容量維持率が92(実施例13)、94%(実施例14)、の高い値を達成した。これらの結果は、本発明によるリン酸銅系の材料が、ポリマー電解質中でも正極材料として機能できることを示している。ポリマー電解質は、一般的に、有機電解液よりも安全性が高く、ナトリウム二次電池の高安全化に有利であると考えられる。
(比較例)
比較例として、レアメタルを含む正極材料用いたナトリウム二次電池を作製した。正極材料としてNaCoO2を評価した。NaCoO2は、Na2CO3とCo34を所定モル比(3:2)で混合し、1000℃で焼成を行うことにより合成した。
NaCoO2を用いるコインセルは、実施例1と同様にして作製及び評価を行った。その結果を、表2に実施例7と比較して示す。
本比較例による電池は、実施例7と比較して、初期特性においては、電圧や放電容量について優れた特性を示した。しかしながら、充放電サイクルによる容量減少は著しく、50サイクル後には、初期の約47%の放電容量しか得られなかった。
一方、実施例7の場合、比較例よりも初期性能は劣る(但し、二次電池としての特性としては十分なものである。)ものの、50サイクル後でも放電容量は約97%維持されており、安定性が高いことが分かった。これは、NaCoO2の場合、遷移金属であるCoの溶出が起こっており、容量の減少を誘起したのではないかと考えられる。
以上のように、本発明によるナトリウム二次電池は、コスト性に優れ、更に優れた充放電サイクル特性を有した高性能電池あることが分かった。
Figure 0005881587
本発明により、コスト性及びサイクル特性に優れたナトリウム二次電池を作製することができ、本発明のナトリウム二次電池は、様々な電子機器の駆動源等として使用することができる。
1 正極
2 セパレータ(電解質液を含浸)
3 負極
4 正極ケース
5 ガスケット
6 負極ケース

Claims (4)

  1. ナトリウムイオンの挿入および脱離が可能な物質を含む正極、金属ナトリウム、ナトリウム含有物質、又はナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質を含む負極、及び、ナトリウムイオン導電性を有する電解質を含むナトリウム二次電池であり、前記正極のナトリウムイオンの挿入及び脱離が可能な物質が、リン酸銅ナトリウム(NaCuPO4)を含むことを特徴とするナトリウム二次電池。
  2. 前記正極は、カーボン粒子をさらに含むことを特徴とする請求項に記載のナトリウム二次電池。
  3. 前記電解質が、ナトリウムイオンを含む有機電解液又は水系電解液であることを特徴とする請求項1又は2に記載のナトリウム二次電池。
  4. 前記電解質が、固体電解質又はポリマー電解質であることを特徴とする請求項1又は2に記載のナトリウム二次電池。
JP2012261399A 2012-11-29 2012-11-29 ナトリウム二次電池 Expired - Fee Related JP5881587B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012261399A JP5881587B2 (ja) 2012-11-29 2012-11-29 ナトリウム二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012261399A JP5881587B2 (ja) 2012-11-29 2012-11-29 ナトリウム二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014107225A JP2014107225A (ja) 2014-06-09
JP5881587B2 true JP5881587B2 (ja) 2016-03-09

Family

ID=51028517

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012261399A Expired - Fee Related JP5881587B2 (ja) 2012-11-29 2012-11-29 ナトリウム二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5881587B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111900409A (zh) * 2020-08-04 2020-11-06 中国科学院物理研究所 用作锂电池添加剂的铜化合物材料及其制备方法和应用

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101954600B1 (ko) * 2015-01-14 2019-03-06 고쿠리츠다이가쿠호우진 도쿄다이가쿠 축전 장치용 수계 전해액, 및 당해 수계 전해액을 포함하는 축전 장치
CN107611418B (zh) * 2017-09-29 2020-02-18 陕西科技大学 一种颗粒自组装立方体状Cu3(PO4)2/Cu2P2O7复合电极材料的制备方法
CN107732183B (zh) * 2017-09-29 2020-01-21 陕西科技大学 一种钠离子电池正极材料用Cu3(PO4)2/Cu2P2O7复合材料的制备方法
CN108428950B (zh) * 2018-05-15 2020-07-10 华中科技大学 一种宽分解电压的水溶液电解质
CN110098400A (zh) * 2019-05-24 2019-08-06 陕西科技大学 一种钠离子电池正极材料用Cu3(PO4)2/CNTs复合材料的制备方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3736184A (en) * 1972-03-29 1973-05-29 Mallory & Co Inc P R Metal phosphate and metal arsenate organic electrolyte cells
JPS5184035A (ja) * 1975-01-20 1976-07-23 Japan Storage Battery Co Ltd
JPH10149827A (ja) * 1996-11-20 1998-06-02 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 非水電解質二次電池用電極活物質および非水電解質二次電池
US6319632B1 (en) * 1999-11-24 2001-11-20 Japan Storage Battery Co., Ltd. Active material for lithium batteries
WO2004036672A1 (ja) * 2002-10-18 2004-04-29 Japan As Represented By President Of The University Of Kyusyu リチウム電池用正極材料の製造方法、およびリチウム電池
CN100438156C (zh) * 2006-06-15 2008-11-26 厦门大学 锂电池用磷酸铜正极材料及其制备方法
JP4333752B2 (ja) * 2007-02-19 2009-09-16 トヨタ自動車株式会社 電極活物質およびその製造方法
JP5460979B2 (ja) * 2008-07-09 2014-04-02 住友化学株式会社 遷移金属リン酸塩、それを用いたナトリウム二次電池用正極および該正極を用いた二次電池
JP5454426B2 (ja) * 2010-09-03 2014-03-26 株式会社豊田中央研究所 水溶液系二次電池

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111900409A (zh) * 2020-08-04 2020-11-06 中国科学院物理研究所 用作锂电池添加剂的铜化合物材料及其制备方法和应用
CN111900409B (zh) * 2020-08-04 2021-11-16 中国科学院物理研究所 用作锂电池添加剂的铜化合物材料及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014107225A (ja) 2014-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5756068B2 (ja) ナトリウム二次電池
JP5940529B2 (ja) チタン酸リチウム凝集体及びこれを用いたリチウムイオン二次電池、リチウムイオンキャパシタ
JP5881587B2 (ja) ナトリウム二次電池
JP5890886B1 (ja) リン酸マンガン鉄リチウム正極活物質及びその製造方法
KR20150041078A (ko) 리튬 이온 배터리용 제어된 비가역 용량 손실을 갖는 복합체 캐소드 물질
JP5596726B2 (ja) マグネシウム電池
JP6047086B2 (ja) ナトリウム二次電池
Han et al. The effects of copper and titanium co-substitution on LiNi 0.6 Co 0.15 Mn 0.25 O 2 for lithium ion batteries
JP2015115283A (ja) ナトリウム二次電池及び該ナトリウム二次電池に使用する正極材料の製造方法
JP6307016B2 (ja) ナトリウム二次電池
JP6002110B2 (ja) ナトリウム二次電池
JP6046995B2 (ja) ナトリウム二次電池の製造方法
JP2015022983A (ja) ナトリウム二次電池
JP5937941B2 (ja) ナトリウム二次電池
JP6273868B2 (ja) 蓄電デバイス用負極活物質およびその製造方法
JP2014056663A (ja) ナトリウム二次電池
JP2014116229A (ja) ナトリウム二次電池
JP2014107160A (ja) ナトリウム二次電池
JP2014093189A (ja) 二次電池およびその使用方法、ならびに蓄電装置
JP6061390B2 (ja) ナトリウム二次電池
JP5870004B2 (ja) ナトリウム二次電池
JP5627031B2 (ja) マグネシウム電池
JP2014107115A (ja) ナトリウム二次電池
JP5600131B2 (ja) ナトリウム二次電池
JP5881592B2 (ja) ナトリウム二次電池およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151117

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160126

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5881587

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees