JP2008512727A - 緑色エレクトロクロミック(ec)材料および素子 - Google Patents

緑色エレクトロクロミック(ec)材料および素子 Download PDF

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Abstract

チオフェンに基づく3つの緑色EC材料、およびピラジンに基づく緑色EC材料が開示される。以前は非線形光学材料として研究が行われていた第1のチオフェン誘導体(2,3−ジ−チオフェン−2−イル−チエノ[3,4−b]ピラジン)が、ここではEC材料として使用するために、またEC素子に組み込むために開示される。2つの新たなチオフェン誘導体(2,5−ジ(チエン−2−イル)−3,4−ジ(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェンおよび2,5−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル)−3,4−ジ(2,2,2−トルフルオロ−エトキシ)−チオフェン)、ならびに新たなピラジン誘導体(2,3−ジベンジル−5,7−ジ(チエン−2−イル)チエノ[3,4−b]ピラジン)も開示される。これらの材料はすべて、緑色の状態に選択的に変化することが可能であり、また重合させて緑色ECポリマーを実現できるためである。

Description

エレクトロクロミック(EC)材料は、フォトクロミック材料およびサーモクロミック材料を含む発色材料群の一部である。これらの材料は、光(フォトクロミック)、熱(サーモクロミック)または電位(エレクトロクロミック)にさらされると、その着色レベルまたは不透明度が変わる。発色材料は、光の透過に関する適用において広く関心を集めてきた。
発色材料の初期の適用は、太陽にさらされると暗くなるサングラスまたは処方眼鏡においてであった。このようなフォトクロミック材料は、1960年代後半にコーニング(Corning Incorporated)の研究者によって最初に開発された。このような材料の使用は明らかにその予想される用途に限定されないが、その時以来、透過する光の量を変えることができる窓ガラスを製造するために発色材料を使用することができる可能性があると認識されてきた。実際には、デジタル時計のディスプレイにおいてEC技術がすでに利用されている。
いくつかの異なる特徴のあるタイプのEC材料が知られている。主要な3つのタイプは、無機薄膜、有機ポリマー膜および有機溶液である。液体材料の使用は、多くの用途で不都合があり、その結果、無機薄膜および有機ポリマー膜にはより多くの産業上の用途があるように思われる。
無機薄膜をベースとするEC素子では、EC層は典型的には酸化タングステン(WO)である。特許文献1、2および3には、酸化タングステンEC層に基づく無機薄膜EC素子が記載されている(特許文献1、2および3参照)。酸化モリブデンなど他の無機EC材料も知られている。多くの無機材料がEC材料として使用されてきたが、多くの無機EC材料に関連する加工の困難性および遅い応答時間により、異なるタイプのEC材料の必要性が生じてきた。
酸化還元活性の共役ポリマーは、1つの異なるタイプのEC材料に相当する。これらのポリマー(カソードまたはアノードポリマー)は、本質的にエレクトロクロミックであり、異なる色の状態を電気化学的に(または化学的に)切り替えることができる。酸化還元活性のコポリマー群が、特許文献4に記載されている(特許文献4参照)。窒素をベースとする複素環有機EC材料の別の群が、特許文献5に記載されている(特許文献5参照)。ECウインドウで有用となるEC材料が特定または開発されることを期待して、他のタイプの有機膜EC材料の研究が依然として続いている。新しいタイプのEC有機ポリマー膜およびEC有機ポリマー膜の作製方法にはまだ改善および開発の余地がある。たとえば、特定の色、長期安定性、迅速な酸化還元の切替え、状態の変化に伴う不透明度の大きな変化のような特定の望ましい特性をもたらすEC有機ポリマー膜およびその作製方法を開発することが望ましい。
米国特許第5598293号明細書 米国特許第6005705号明細書 米国特許第6136161号明細書 米国特許第5883220号明細書 米国特許第6197923号明細書 K. Zong, L. Madrigal, L. B. Groenendaal, R. Reynolds, Chem. Comm., 2498, 2002
赤、緑および青は、加法混色に利用される三原色であるため、赤色、緑色および青色のEC材料を実現することが極めて望ましいことになる。赤色および青色のECポリマーは開発されてきたが、緑色EC材料は手に入りにくいままである。本明細書中に提供されている開示には、緑色ECポリマーを得るための2つの異なる方法、ならびに緑色EC材料を生成するために使用することができる特定の化合物および合成技法が記載されている。
材料が緑色を示す基本的な理由は2つある。第1の理由は、補色の原理に基づくものである。3組の補色は、赤/緑、青/橙および黄/紫である。ある材料が白色光から赤色光(おおよそ620nmから780nmの波長)を吸収する場合、その材料は緑色を示す。本明細書に提供されている開示は、620nmと780nmとの間に単一吸収ピークを示すいくつかの異なる材料(すなわち、単一吸収バンドが赤色の光、つまり緑色に対する補色を吸収するために緑色となる材料)を包含する。材料が緑色を示す第2の理由は、材料が2つの異なる吸収バンド、約480nm未満の波長の光(すなわち、スミレ色および青色の光)を吸収する第1の吸収バンド、ならびに約530nmよりも長い波長の光(すなわち、黄色、橙色および赤色の光)をすべて吸収する第2の吸収バンドを含む場合である。この減法の後には緑色の光のみが残されることになり、このような材料は緑色を示すことになる。本明細書に提供されている開示は、緑色以外のすべての色を取り除く二重吸収ピークを示すいくつかの異なる材料を包含する。
本明細書に詳細に開示する第1の緑色EC材料は、本来非線形光学材料としての使用可能性について研究が行われていたチオフェン誘導体、2,3−ジ−チオフェン−2−イル−チエノ[3,4−b]ピラジンである。2,3−ジ−チオフェン−2−イル−チエノ[3,4−b]ピラジンを含む例示的なEC素子を本明細書で説明する。このような素子は、通常の透明な状態から飽和した緑色の状態へ可逆的に切り替えることができる。
また、本明細書に詳細に開示する第2の緑色EC材料は、チオフェン誘導体、2,5−ジ(チエン−2−イル)−3,4−ジ(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェンである。2,5−ジ(チエン−2−イル)−3,4−ジ(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェンのこれまでに知られていない合成を以下に記載する。2,5−ジ(チエン−2−イル)−3,4−ジ(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェンを含むEC素子は、赤色の状態から緑色の状態へ可逆的に切り替えることができる。2,5−ジ(チエン−2−イル)−3,4−ジ(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェンの合成についての詳細な説明を以下に示す。
本明細書に詳細に開示する第3の緑色EC材料は、さらに別のチオフェン誘導体、2,5−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル)−3,4−ジ(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェンである。2,5−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル)−3,4−ジ(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェンのこれまでに知られていない合成を、同様に、以下に記載する。2,5−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル)−3,4−ジ(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェンを含むEC素子は、紫色の状態から緑色の状態へ可逆的に切り替えることができる。2,5−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル)−3,4−ジ(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェンの合成についての詳細な説明を以下に示す。
上記チオフェン誘導体は、各々単一吸収ピークによる緑色を示す。また、前述のように、可能性のある緑色EC材料は二重吸収ピークによる緑色を示すことがある。2つの吸収ピークによる緑色を示す第4の緑色EC材料は、ピラジン誘導体、2,3−ジベンジル−5,7−ジ(チエン−2−イル)チエノ[3,4−b]ピラジンである。2,3−ジベンジル−5,7−ジ(チエン−2−イル)チエノ[3,4−b]ピラジンのこれまでに知られていない合成を以下に記載する。2,3−ジベンジル−5,7−ジ(チエン−2−イル)チエノ[3,4−b]ピラジンを含むEC素子は、通常の透明な状態から緑色の状態へ可逆的に切り替えることができる。2,3−ジベンジル−5,7−ジ(チエン−2−イル)チエノ[3,4−b]ピラジンの合成についての詳細な説明を以下に示す。
本開示は、緑色を示す第1の状態と、緑色以外の色を示す第2の状態との切替えが可能な有機緑色EC材料を含むEC素子も包含する。いくつかの実施形態では、このようなEC素子は参照電極を含み、一方、他の実施形態は、素子の状態を切り替えるために必要な動作電位を低減させるために荷電平衡分子を含む。
この課題を解決するための手段を、以下に発明を実施するための最良の形態でさらに詳細に説明するいくつかの概念を簡素化した形式で紹介するために提供してきた。しかしながら、この課題を解決するための手段は、特許請求の範囲に記載された対象の重要または本質的な特徴を特定するためのものではなく、特許請求の範囲に記載された対象の範囲を決定する際の補助として使用されるものでもない。
以下の詳細な説明が、添付図面と共に参照することによってより良く理解されるようになると、1つまたは複数の例示的実施形態およびその変更形態の様々な態様および付随する利点は、より容易に理解されるであろう。
非限定的な図面および開示の実施形態
例示的な実施形態を参照図面に示す。本明細書に開示する実施形態および図面は、限定的ではなく例示のためのものである。
前述のように、緑色を示す材料は、約620nmと約780nmとの間に単一吸収ピークを示すか、あるいは代わりに、2つの異なる吸収バンド、約480nm未満の波長の光(すなわち、スミレ色および青色の光)を吸収する第1の吸収バンドと、約530nmよりも長い波長の光(すなわち、黄色、橙色および赤色の光)をすべて吸収する第2の吸収バンドとを示す可能性がある。図1Aは、単一吸収ピークを示す緑色材料の典型的な吸収スペクトルを示すグラフを示し、一方、図1Bは、二重吸収ピークを示す緑色材料の典型的な吸収スペクトルを示すグラフを示す。
単一吸収ピークを示す第1の緑色EC材料
緑色ECポリマーとして使用することができる、単一吸収ピークを示す第1の緑色材料は、チオフェン誘導体、2,3−ジ−チオフェン−2−イル−チエノ[3,4−b]ピラジンであり、この誘導体は本来、非線形光学材料としての使用を評価されていた。図2は、中性状態と荷電状態との両状態におけるチオフェン誘導体10の化学構造を示す。中性状態において、チオフェン誘導体10は非常に薄い黄色を示す。チオフェン誘導体10をラジカルイオンに還元することができ、このラジカルイオンは、約680nmに吸収ピークを有し、非常に飽和した緑色を示す。ラジカルイオン(濃緑)から中性状態(薄黄)への遷移は可逆的であり、チオフェン誘導体10を緑色EC材料として使用できることを示す。
図3は、図2のチオフェン誘導体の合成を模式的に示す。この合成ルートは、非線形光学材料としての使用に向けたチオフェン誘導体の可能性に関する研究を行いながら開発した。有意には、この研究に、チオフェン誘導体10のEC材料としての使用についての調査は含まれていなかった。図3に示すように、チオフェンをNBSで処理して2,5−ジブロモチオフェンを生成し、次いでこれを硝酸と硫酸との混合物で処理する。得られる2,5−ジブロモ−3,4−ジニトロ−チオフェンをスズおよびHClで処理して3,4−ジアミノ−チオフェンを生成する。このジアミノ−チオフェンを熱の存在下で1,2−ジ−チオフェン−2−イル−エタン−1,2−ジオンと結合させて、2,3−ジ−チオフェン−2−イル−チエノ[3,4−b]ピラジンを生成する。
2,3−ジ−チオフェン−2−イル−チエノ[3,4−b]ピラジンを組み込んだ実証的EC素子
第1の実証的エレクトロクロミック素子を作製した。この素子は、2つの酸化インジウムスズ(ITO)ガラススライド(透明電極として機能する)、銀箔の参照電極、チオフェン誘導体10、電解質(ヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム)および非水溶媒(アセトニトリルまたはプロピレンカーボネートのどちらか一方)を含む。完成した素子は、約−2ボルトから約0ボルトに及ぶ電源によって、飽和した緑色の状態と通常の透明な薄黄色の状態とを容易に切り替えられる。この実証的研究により、チオフェン誘導体10を使用して、素子の色変化が実質的透明から飽和した緑色であるEC素子を作製することができることが証明された。この素子を図4Aおよび4Bに示す。チオフェン誘導体10は液体電解質に溶解していることに留意されたい。
緑色EC材料としてのチオフェン誘導体10をさらに研究するために、第2の実証的EC素子を構成した。この第2の実証的EC素子には参照電極を組み込まなかった。代わりに、荷電平衡分子、5,10−ジヒドロ−5,10,ジメチルフェナジンを加えて第2の実証的EC素子の動作電位を低減させた。この第2の実証的EC素子は、1.2ボルトという低い電位差によって状態が切り替えられた。状態間の切替え速度は0.4秒と高速であった。第1の実証的EC素子の参照電極を排除したため、第2の実証的EC素子の作製は簡単であった。予備的な結果によると、第2の実証的EC素子はサイクル寿命が長く、動作が容易であり、鮮やかな色をもたらす。この第2の実証的EC素子を図5Aおよび5Bに模式的に示す。図5Cは、酸化状態および還元状態における、図5Aおよび5BのECポリマー素子の透過率データを示すグラフである。
上述のように、荷電平衡分子は、切替え電位を低減するために第2の実証的EC素子の電解質層に組み込まれていることに留意されたい。図6は、この荷電平衡分子の構造、および荷電平衡を容易にするその酸化還元機構を模式的に示す。
単一バンド緑色EC材料の設計検討
赤色光を吸収する(好ましくは750nm前後で最大吸収を示す)導電性ポリマーを実現するためには、導電性ポリマーは約1電子ボルト以下でバンドギャップを有さなければならない。このような導電性ポリマーには、低バンドギャップポリマー(「小バンドギャップ」または「狭バンドギャップ」ポリマーの別名でも知られる)が含まれる。低バンドギャップポリマーを合成するために、共役構造の長さを変更すること、ならびに電子供与基および電子求引基を構造に導入することを含めたいくつかの戦略を実施することができる。複数の緑色EC材料が、上述した合成戦略を用いて開発されてきた。一方の状態で緑色を示し、第2の状態で別の実質的に不透明な色を示す、いくつかの材料が特定された。このような材料は、第1の状態で緑色を示し、第2の状態で実質的に透明な色を示すEC材料に比べて望ましくない。他の材料はモノマーとして合成されたが、重合するのは難しいとわかった。いくつかの材料は、望ましい色遷移(すなわち、通常の透明な状態から緑色の状態へ)を示し、その重合に成功した。
図7A〜図7Fは、単一バンド緑色ECポリマーの候補を特定するために調査した材料の構造を模式的に示す。図7Aにその構造が提供されている化合物1は、その重合に成功し、赤から緑への色変化を示した(非緑色状態は赤色であり、実質的に透明ではないが、一部のディスプレイは、赤、青および緑色状態間で画素を切り替えることによって機能するため、赤色状態と緑色状態とを切り替えるECポリマーは潜在的に有用である)。実証的試験は、このモノマーが安定で、そのポリマーが示す色は美的に許容可能であることを示している。
図7Bにその構造が提供されている化合物2は、実質的に無色から緑色への望ましい色変化を示したが、その重合に成功しなかった。
図7Cにその構造が提供されている化合物3は、その重合に成功し、紫色から緑色への色変化を示した。
図7Dにその構造が提供されている化合物4は、その重合に成功し、橙色から濃緑色への色変化を示した。
図7Dにその構造が提供されている化合物5は、その重合に成功し、実質的に不透明(すなわち、暗色)から緑色への色変化を示した。
図7Eにその構造が提供されている化合物6は、その重合に成功し、暗灰色から緑色への色変化を示した。試験をすると、化合物6は電気化学的に安定ではないことがわかった。
上記研究結果に基づき、化合物1および化合物3はさらに評価するに値することがわかった。図8は、酸化状態および還元状態の両状態における、図7Aの化合物1の透過率データを示すグラフである。
図7Aの化合物1の例示的な合成
図9は、図7Aの化合物1(すなわち、2,5−ジ(チエン−2−イル)−3,4−ジ(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェン)の合成を模式的に示す。この化合物1は、重合させると緑色ECポリマーとして有効に利用することができる。
[化合物Bの合成]
以下の考察において、化合物Aは3,4−ジヒドロキシ−チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステルであり、化合物Bは3,4−ビス−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステルである。
この方法において、3,4−ジヒドロキシ−チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステル(図9においてAで表されるこのチオフェン誘導体(以下、化合物Aと称する))を、先行技術の技法(非特許文献1参照)に従って市販の化学薬品からまず合成する。次いで、化合物A、2,2,2−トリフルオロエタノール、PPhおよびDEADの溶液を、THF中で約15〜24時間(好ましくは不活性雰囲気下で)還流する。この反応混合物を蒸発乾固させる。得られる材料をシリカゲルカラムに投入し、ヘキサンおよびジクロロメタン(4:1、2:1、1:1、体積比)によって溶出させて、3,4−ビス−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルエステル(図5においてBで表されるチオフェン誘導体(以下、「化合物B」と称する))を生成する。
以下の反応パラメータを用いて、化合物Bの収率25%を得た:3.00g(12.92mmol)の化合物A、2.84g(2.2当量)の2,2,2−トリフルオロエタノール、7.46g(2.2当量)のPPh、5.00ml(2.45当量)のDEAD、および45mlのTHF。21時間のアルゴン還流により、約25%の生成物収率に相当する1.30gの化合物C(白い固体)が生成された。
[化合物Cの合成]
この考察において、化合物Cは3,4−ビス−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェン−2,5−ジカルボン酸である。
次に、ある量の化合物Bを、水酸化ナトリウムとエタノールとの溶液中に溶解させ、約50〜70℃の一定の温度を維持しながら約12〜20時間(好ましくは不活性雰囲気下で)撹拌する。得られる溶液を冷却し、過剰な水酸化ナトリウムがあれば、濃塩酸(図9では具体的に特定はしていない)を用いて中和する。エーテル抽出を用いて反応生成物を回収し、この生成物をシリカゲルカラムに投入すること、またヘキサンおよび酢酸エチル(1:1、1:2、体積比)を用いて溶出させることによって精製する。この手順により、3,4−ビス−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェン−2,5−ジカルボン酸(図9においてCで表されるチオフェン誘導体(以下、化合物Cと称する))が生成される。
以下の反応パラメータを用いて、化合物Cの収率約51%を得た:1.30g(3.28mmol)の化合物Bを、1.30g(32.5mmol)の水酸化ナトリウムと45mlのエタノールとの溶液中に溶解させ、アルゴン下60℃で16時間撹拌した。3mlの濃縮HClを用いて過剰な水酸化ナトリウムを中和した。上記のエーテル抽出および溶出技法を用いて生成物を回収し、それにより約51%の生成物収率に相当する約0.62gの化合物Cが生成された。
[化合物Dの合成]
以下の考察において、化合物Dは3,4−ビス−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェンである。
ある量の化合物Cをキノリンに溶解させ、バリウム促進亜クロム酸銅触媒を添加する。「バリウム促進」とは、触媒の性能を増進させるために少量のバリウムを触媒中に組み込むことを指すことが当業者には理解されよう。バリウム促進亜クロム酸銅触媒は、Strem Chemicals, Inc(ニューベリーポート、マサチューセッツ州)から入手可能である。このバリウム促進亜クロム酸銅触媒の化学式は次のとおりである:62〜64%のCrCuO、22〜24%のCuO、6%のBaO、0〜4%のグラファイト、1%のCrO、および1%のCr。キノリンとこのバリウム促進亜クロム酸銅触媒との溶液は図9中にCu/Crで表される(以下、溶液Cu/Crと称する)。化合物Cと溶液Cu/Crとの溶液を約170〜190℃で約12〜18時間(好ましくは不活性雰囲気下で)加熱する。反応混合物を冷却し、次いで、エーテルワークアップ(ether workup)を用いて反応生成物を抽出する(このようなエーテルワークアップは、有機化学合成では一般的な技法であり、より詳細に説明する必要のないことが当業者には理解されよう)。抽出された反応生成物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、シリカゲルカラムとヘキサンおよびジクロロメタン(1:1、体積比)による溶出とを用いて精製し、それによりフッ素化ECモノマー、3,4−ビス−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェン(図9中ではDで表され、本明細書で使用される化合物Dに相当する)の白い固体が生成される。
以下の反応パラメータを用いてこのフッ素化ECモノマー、3,4−ビス−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェン(化合物D)の収率42%を得た:0.62g(1.68mmol)の化合物Cを、0.15gのバリウム促進亜クロム酸銅触媒と共に、3.5mlのキノリンに溶解させ、アルゴン(不活性)雰囲気下で15時間150℃に加熱した。この反応混合物を冷却し、上記のエーテル抽出および溶出技法を用いて生成物を回収し、それにより約42%の生成物収率に相当する0.200gの化合物Dを生成した。
[化合物Eの合成]
以下の考察において、化合物Eは、2,5−ジブロモ−3,4−ビス−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェンである。
ある量の化合物Dを、クロロホルム、酢酸およびNBS(N−ブロモコハク酸イミド)の混合物に溶解させ、得られる混合物を室温である期間(約2〜5時間)撹拌する。化合物Dの溶液を加熱して、約15〜45分間(好ましくは不活性雰囲気下で)沸騰させる。反応混合物を冷却し、次いで水性ワークアップ(aqueous workup)を用いて反応生成物を抽出する(このような水性ワークアップは、有機化学合成では一般的な技法であり、より詳細に説明する必要のないことが当業者には理解されよう)。抽出された反応生成物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、シリカゲルカラムとヘキサンおよび酢酸エチル(5:1、体積比)による溶出とを用いて精製し、それにより2,5−ジブロモ−3,4−ビス−(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェン(図9中ではEで表され、以下化合物Eと称する)の白い結晶性の固体を生成する。
以下の反応パラメータを用いて化合物Eの収率約54%を得た:化合物D(1.48g、5.28mmol)およびNBS(2.35g、11.62mmol)のクロロホルム(70ml)/酢酸(70ml)溶液を室温で3時間撹拌した。次いで、この混合物をアルゴン(不活性)下で30分間還流した。冷却後、この反応混合物を水性ワークアップによりろ過した。その溶液を硫酸マグネシウムで乾燥させた。シリカゲルカラムを使用して、溶媒としてヘキサン/酢酸エチル(5:1、体積比)を用いて、クロマトグラフィを行った。約54%の生成物収率に相当する約1.26gの白い結晶を得た。
[化合物1の合成]
以下の考察において、化合物1は、2,5−ジ(チエン−2−イル)−3,4−ジ(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェンである。
化合物1を製造するための最後の合成ステップは、薄層クロマトグラフィ(TLC)などの技法を用いて反応混合物を監視することによって示されるように、反応が完了するまで、テトラヒドロフラン中の化合物E、2−トリブチルスズチオフェンとジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)との混合物を還流することを含む。この反応混合物を直接シリカゲルカラムに投入し、溶媒としてヘキサン/酢酸エチル(4:1、体積比)を用いて溶出し、それにより定量的なわずかに黄色い結晶、化合物1(すなわち2,5−ジ(チエン−2−イル)−3,4−ジ(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェン)が生成される。
以下の反応パラメータを用いて化合物1を得た:化合物E(0.300g、0.685mmol)、2−トリブチルスズチオフェン(0.562g、1.51mmol)、およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.5mol%)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を、アルゴン(不活性)下で還流した。この反応をTLCによって監視した。反応は15時間後に終了した。この反応混合物を、溶媒としてヘキサン/酢酸エチル(4:1、体積比)を用いてシリカゲルカラムに直接投入した。約0.30gのわずかに黄色い結晶が得られた。収率は定量的であった。
2,2,2−トリフルオロエタノール(化合物Aを化合物Bに変換するために用いられる)を、2−フルオロエタノール、2,3,4,5,6−ペンタフルオロベンジルアルコール、2,2−ジフルオロ−1,3−プロパンジオールのような適当な他のフッ素化アルコールに単に置き換えることによって、図9に示す合成を容易に改変して他のフッ素化ECモノマーを実現することができることに留意されたい。図9に示す合成を用いると、他のフッ素含有ECモノマーを製造することができる。
図7Cの化合物3の例示的な合成
図10Aは、緑色ECポリマーとして利用することができる可能性のある図7Cの化合物3の合成を模式的に示す。
[化合物3の合成]
以下の考察において、化合物3は、2,5−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル)−3,4−ジ(2,2,2−トルフルオロ−エトキシ)−チオフェンである。
まず、図9に関連して化合物Eを上述のように合成する。化合物E、2−トリブチルスズ−3,4−エチレンジオキシルチオフェン、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)の溶液を、不活性雰囲気下THF中で約14〜20時間還流する。この反応混合物をシリカゲルカラムに投入し、ヘキサン/酢酸エチル(10:1、7:1、4:1)によって溶出し、それにより無色のオイル(すなわち化合物3、2,5−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル)−3,4−ジ(2,2,2−トルフルオロ−エトキシ)−チオフェン)が生成される。
以下の反応パラメータを用いて化合物3の収率約27%を得た:化合物E(0.300g、0.685mmol)、2−トリブチルスズ−3,4−エチレンジオキシルチオフェン(0.650g、1.51mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.5mol%)のTHF(15mL)溶液をアルゴン(不活性)下で17時間還流した。この反応混合物をシリカゲルカラムに投入し、ヘキサン/酢酸エチル(10:1、7:1、4:1)によって溶出した。無色のオイルを0.103g得た。収率は約27%であった。
図10Bは、0.1MのLiClOのアセトニトリル溶液中の化合物3の紫外−可視スペクトルである。
二重バンド緑色EC材料の設計検討
二重吸収バンドを含む、緑色を示す導電性有機材料を調査するために、ターチオフェンピラジンのカテゴリに属する緑色のモノマーを調査した。図11Aは、このカテゴリからの3つの既知化合物の構造を示し、それぞれ化合物7、化合物8および化合物9と表す。
図11Bは、図11Aの化合物に基づき合成した6つの誘導体の構造を示し、それぞれ化合物10〜15と表す。化合物13および14は還元状態で飽和した緑色を示し、酸化状態で実質的に透明となることを実証的研究が示した。上記研究に基づき、化合物13はさらに調査するに値することがわかった。
化合物13(図11B)の例示的な合成
図12は、重合させると緑色ECポリマーとして利用することができる可能性のある図11Bの化合物13の合成を模式的に示す。
[化合物13の合成]
以下の考察において、化合物13は2,3−ジベンジル−5,7−ジ(チエン−2−イル)チエノ[3,4−b]ピラジンである。
化合物C(0.300g、1.08mmol)、ベンジル(0.227g、1.08mmol)およびp−トルエンスルホン酸(9mg、5mol%)のクロロホルム(20mL)溶液をアルゴン(不活性)下で17時間還流した。この反応混合物を蒸発させ、その残留物をシリカゲルカラムに投入した。塩化メチレン/ヘキサン(1:1)を使用して化合物を溶出した。約0.350gの紫色の固体を得た。このようにして、収率は約72%であった。
例示的な重合技法
本開示の1つの態様は、電解重合を用いてECポリマー膜を作製する方法を対象とする。高品質ECポリマー膜を実現するために、2つの関連する電解重合技法を利用してECモノマーを重合することができる。脱色状態(bleached state)と非脱色状態(unbleached state)との間で高コントラストを実現するためには、密度が必要とされる。多くのサイクルにわたる再現性には高品質が必要とされる。高コントラストを示さず多くのサイクルにわたる再現性を示さないECポリマー膜は、ウインドウやディスプレイのような、ECポリマーをベースとする装置における構成要素としてあまり有用ではない。
化合物1、化合物3および化合物13に基づきECポリマー膜を作製した。これら重合の具体的なパラメータを以下に説明する。2つの基本的な電解重合技法の概要についてまず説明する。
第1の電解重合技法を、図13中のフローチャート200にまとめる。ブロック202においてECモノマーを調製し、次いで、ブロック204にて示すようにサイクリックボルタンメトリを利用して、ECモノマーを重合し、得られるポリマーを膜として基板、好ましくは酸化インジウムスズ(ITO)で被覆した透明基板上に堆積させる。
本発明による第2の電解重合技法を、図14中のフローチャート212にまとめる。今度の場合もまた、ブロック214において(前述のように)ECモノマーを調製する。出発モノマーを得るまたは調製すると、このモノマーを、ブロック216に示すようにまずクロノアンペロメトリを用いて重合し、その後、ブロック218に示すようにサイクリックボルタンメトリを用いて重合する。クロノアンペロメトリとサイクリックボルタンメトリの両方を組み合わせるこの第2の電解重合技法は、より高品質でより耐久性のあるポリマー膜を実現するように思われる。
ここで図14のブロック216を参照すると、ECモノマーの2段階電解重合の第1のステップは、以下の条件下でクロノアンペロメトリを用いて実現することができる。クロノアンペロメトリを用いてモノマーの酸化的電気化学重合を開始して、対向電極としてパラジウム配線を用いるITOで被覆したガラス基板上に、非常に薄く非常に均一なECポリマー層を積堆させる。今度の場合もまた、選択したモノマーを、過塩素酸テトラブチルアンモニウム塩を用いたプロピレンカーボネート溶液のような溶媒/塩溶液中に入れる。
ブロック218では、複数回走査するサイクリックボルタンメトリを利用して、クロノアンペロメトリを用いて堆積させた均一な層上に追加のポリマーを堆積させる。許容可能な程度に緻密なポリマー層を堆積させるために、追加のサイクルが必要とされることがある。
化合物1および3の例示的重合
以下の技法を使用して、化合物1に基づく安定なポリマーの実現に成功した。
化合物1(22mg)および過塩素酸リチウム(53mg)を、アセトニトリル(5.0ml)に溶解させる。得られる溶液は、0.01Mの化合物1および0.10Mの過塩素酸リチウムを含む。この溶液を、電気化学重合の前に15分間アルゴンによってパージする。ポテンシオスタットと3電極配置を、作用電極としてのITO、対向電極としてのパラジウム配線、および参照電極としての銀配線と共に使用する。これらの電極を、使用前に入念に洗浄し、乾燥させる。2つのやり方で重合を行うことができる。第1の手法は、サイクリックボルタンメトリ法を適用することによる。そのパラメータには、−0.1ボルトから1.1ボルトの走査範囲、10サイクルで50mV/秒の走査速度が含まれる。第2の手法は、クロノアンペロメトリを適用することによる。印加する電位は、20秒間1.2ボルト(対Ag参照電極)である。
同じ技法を使用して化合物3を重合することができる。
化合物13の例示的重合
以下の技法を使用して、化合物13に基づく安定なポリマーの実現に成功した。
化合物13(23mg)およびヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム(193mg)を、塩化メチレン(2.5ml)およびアセトニトリル(2.5ml)に溶解させる。得られる溶液は、0.01Mの化合物13および0.10Mのヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウムを含む。この溶液を、電気化学重合の前に15分間アルゴンによってパージする。ポテンシオスタットと3電極配置を、作用電極としてITO、対向電極としてパラジウム配線、および参照電極として銀配線を用いて使用する。これらの電極を、使用前に入念に洗浄し、乾燥させる。重合にはサイクリックボルタンメトリを使用する。そのパラメータには、−0.05から0.85ボルト(対Ag参照電極)の走査範囲、および8サイクルで20mV/秒の走査速度が含まれる。
緑色ECポリマーを含む例示的EC素子
図15は、詳細に上述した化合物1、3または13のような緑色ECポリマーを含むEC素子を模式的に示す。第1の層をITO透明電極12によって実施し、続いて、(パラフィルム(登録商標)など非導電性で透明なポリマーを用いて実施することができる)絶縁層14を実施する。参照電極18(好ましくは銀電極を用いて実施される)を上部および下部絶縁層14間に挟む。緑色ECポリマー層11を下部絶縁層14と下部透明電極12との間に挟む。各絶縁層は開口部20を含み、この開口部は電解質16で充填されることに留意されたい。これらの開口部により、透明電極と、参照電極と、電解質と、緑色ECポリマーとの間で電荷をやりとりすることが可能となる。
複数の異なる電解質を採用することができる。EC素子の重要な構成要素はこの電解質であり、イオン伝導性でなければならないが、電気的には絶縁性でなければならない。半固体(すなわちゲル)電解質の使用が好ましい。このようなゲル電解質は一般に、アルカリ金属塩(イオン源)をポリマーホスト(安定性のため)と組み合わせることによって形成される。ゲル電解質がスマートウインドウまたはスマートディスプレイに適するためには、そのゲル電解質は、高いイオン伝導度、高い光透過率(すなわち、光学的に透明であること)、および広範囲の時間および温度で安定であることをもたらすことが重要である。高いイオン伝導度はEC素子において不可欠である。というのも、イオンがポリマーマトリックス内を自由にかつ素早く移動する必要があるからである。素子が短絡しないように電気伝導度は無視できる程度であるべきである。スマートウインドウの用途には、脱色状態においてウインドウの透明度を最大にするために、高い光透過率も重要である。EC素子において安定性も同様に不可欠である。長期にわたって様々な温度で測定されるゲル電解質の伝導度および透過率の変化は最小限であるべきである。これらのパラメータは、使用する塩と溶媒の組合せに応じて変わり得る。
一般に、ゲル電解質は、完全に固体のポリマー電解質に比べ、優れた伝導度を提供する。液体電解質を採用することもできるが、ゲル電解質は、機械的安定性(したがって、リークのない素子を容易にする)、低重量、実証的に決定された少なくとも50,000サイクルの確立された寿命という利点を提供する。ゲル電解質では、ポリ塩化ビニル(PVC)およびポリメタクリル酸メチル(PMMA)の固体ポリマーマトリックスにより、寸法安定性が電解質に提供され、一方溶媒の高誘電率により、リチウム塩の高度な解離が可能となる。溶媒の低粘度により、高いイオン移動度を容易にするイオン環境がもたらされる。最適な組合せを決定するために、塩と溶媒との様々な異なる組合せを研究した。
ポリマーマトリックスを有する電解質溶液中に溶解させた塩から、高伝導性のゲル電解質を合成したが、ここでは、寸法安定性のためにPMMAが添加される。リチウム(Li)は、その寸法が小さい故に、およびECポリマーの還元および酸化を容易にするために、ECスイッチング素子において一般に使用される。別の塩、テトラブチルリン酸アンモニウム(TBAP)を採用することもできる。概して、この塩の解離度は高くなくてはならず、そのアニオンは、イオン対形成が最小限に抑えられるように電荷の非局在化が高度でなければならない。
例示的であるが限定的ではない可能な塩のリストには、過塩素酸リチウム(LiClO4)、過塩素酸テトラブチルアンモニウム(TBAP)およびトリフルオロスルホンイミド(LiN(CFSOが含まれる。例示的であるが限定的ではない溶媒のリストには、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EtC)、アセトニトリル(ACN)およびγ−ブチロラクトン(GBL)が含まれる。好ましくは、溶媒を、使用前に分子ふるいで実質的に乾燥させる。一般に、ゲル電解質は、まず塩を溶媒中に溶解させ、次いでPMMAを添加することによって合成される。伝導度が高く(2mS/cm)、粘性で透明な(88%)ゲル電解質を概して実現することができる。
さらに別の有用なゲル電解質を、3%のLiClO、7%のPMMA、20%のPCおよび70%のアセトニトリル(ACN)(重量%)から調製することができる。このようなゲルの簡易合成は、まずPMMAおよびLiClOをACN中に溶解させることによって実現される。PCを、4オングストローム分子ふるいにより乾燥させ、次いでその他の原料と混ぜ合わせた。混合物一式を、室温で10〜14時間撹拌した。伝導度が高く(2mS/cm)、高粘度の透明なゲル電解質が形成された。上述したように、PMMAの固体ポリマーマトリックスにより、寸法安定性が電解質に提供され、一方溶媒PCおよびACNの高誘電率により、リチウム塩の高度な解離が可能となる。PCの低粘度により、高いイオン移動度を容易にするイオン環境がもたらされる。
ゲル電解質は、固体状態素子(溶媒の液体はポリマーマトリックス内に含有される)の作製を容易にするので好ましいが、液体電解質をEC素子で使用することもできる。このような液体電解質の1つを、ACN中の0.1M過塩素酸テトラブチルアンモニウム(TBAP)用いて実現することができる。PVCおよびPMMA以外の材料を採用してゲル電解質用ポリマーマトリックスを提供することができ、またTBAPおよびLiClO以外の材料をイオン源として採用することができることが予期される。本発明の背景において、「ゲル電解質」および「固体電解質」という用語は同義的に使用されることに留意されたい。というのも、ゲル電解質を作製する際に利用する液体材料はポリマーマトリックスに吸収され、ポリマーマトリックス内に含有されない自由液体は実質的に存在しないからである。
緑色ECポリマーを含む第2の例示的EC素子を、図16Aに透明状態50aで、図16Bに着色状態50bで模式的に示す。構造上の観点からすれば、透明状態または着色状態のEC素子に差はない。図16Aおよび16Bにまとめて示す第2の例示的EC素子は、緑色ECポリマー層および対向電極層を含む。この場合もやはり、最上層は透明電極42であり、やはり好ましくはITOである。その次の層は緑色ECポリマーであり、図16Aでは非緑色層44a(これは化合物13のように透明に、または化合物1のように赤色になり得る)として示し、図16Bでは着色層44b(還元状態において、上記緑色ECポリマーは飽和した緑色を示す)として示す。ECポリマー層の次にあるのは固体/ゲル電解質層46である。固体電解質層の後に対向電極層52が続く。底部の透明電極層は、必要ないか、または含まれていない。
対向電極層52は、好ましくは金、白金、高導電性カーボン、または五酸化バナジウムをベースとする。好ましい高導電性カーボンはグラファイトである。グラファイトは確かに好ましい高導電性カーボンを代表するものであるが、透明基板上のコーティングとして適用される導電性膜として、他の高導電性カーボン材料を代わりに有効に利用して、対向電極を作製することができることを理解されたい。多くのタイプの導電性カーボンが、Tokai Carbon Co.(東京、日本)やLoresco International(ハッティズバーグ、ミシシッピ州)のような様々な製造者から入手可能である。したがって、本明細書における用語「グラファイト」の使用は、本発明の範囲を限定するものではなく、例示的であると考えるべきである。ニッケルを透明基板上の導電性膜として有効に使用して、対向電極を作製することができることがさらに予期される。対向電極を使用することにより、状態間の色変化の速度を向上させ、またこれら2つの状態間のコントラスト比を向上させることができる。対向電極材料は化学的に安定で、高い電気伝導度をもたらすべきであり、かつパターン基板を形成しやすいべきである。金、高導電性カーボンおよび白金は、対向電極を作製するために有効に利用することができる電気伝導性材料であると特定されている。グラファイトは、その低価格により非常に有用であることが予期される。金ははるかに高価であるが、非常に薄い層で使用し、それにより金をベースとする対向電極の価格を最低限にすることができる。白金は電気伝導性であるが、高価すぎるためその使用を除外する可能性が高い。さらに他の導電性材料を利用して対向電極を作製することができることがさらに予期される。
本発明を好ましい実施形態およびその変更形態に関して説明してきたが、添付の特許請求の範囲内で、本発明に他の多くの変更を加えることができることが当業者には理解されよう。したがって、本発明の範囲は、上記の記載によって決して限定されるのもではなく、代わりに、もっぱら添付の特許請求の範囲を参照することによって決定されるものである。
単一吸収ピークを示す緑色材料の典型的な吸収スペクトルを示すグラフである。 二重吸収ピークを示す緑色材料の典型的な吸収スペクトルを示すグラフである。 中性状態で薄黄色を示し、荷電状態で濃緑色を示すチオフェン誘導体の構造を示す図である。 図2のチオフェン誘導体の合成を示す模式図である。 図2のチオフェン誘導体を含む実証的EC素子を示す模式図である。 図2のチオフェン誘導体を含む実証的EC素子を示す模式図である。 図2のチオフェン誘導体を含む別の実証的EC素子を示す模式図である。 図2のチオフェン誘導体を含む別の実証的EC素子を示す模式図である。 酸化状態と還元状態の両状態における、図5Aおよび5BのECポリマー素子の透過率データを示すグラフである。 図5Aおよび5BのEC素子に組み込まれる荷電平衡分子の構造を示す図である。 単一バンド緑色ECポリマーの候補を特定するために調査した材料の構造を示す図である。 単一バンド緑色ECポリマーの候補を特定するために調査した材料の構造を示す図である。 単一バンド緑色ECポリマーの候補を特定するために調査した材料の構造を示す図である。 単一バンド緑色ECポリマーの候補を特定するために調査した材料の構造を示す図である。 単一バンド緑色ECポリマーの候補を特定するために調査した材料の構造を示す図である。 単一バンド緑色ECポリマーの候補を特定するために調査した材料の構造を示す図である。 酸化状態および還元状態における、図7Aの化合物1の透過率データを示すグラフである。 重合させると緑色ECポリマーとして有効に利用することができる図7Aの化合物1の合成を示す模式図である。 重合させると緑色ECポリマーとして利用することができる可能性のある図7Cの化合物3の合成を示す模式図である。 酸化状態と還元状態の両状態における、図7Cの化合物3の透過率データを示すグラフである。 二重バンド緑色ECポリマーの候補を特定するために新材料調査用の基準として働く、二重の吸収バンドに基づき緑色を示す既知の材料の構造を示す図(先行技術)である。 二重バンド緑色ECポリマーを作製しようと試みて開発した、6つの新たに合成した化合物の構造を示す図である。 重合させると緑色ECポリマーとして利用することができる可能性のある図11Bの化合物13の合成を示す模式図である。 モノマーからECポリマー膜を作製するための第1の電解重合技法において実行される、例示的な論理的ステップを示すフローチャートである。 モノマーからECポリマー膜を作製するための第2の電解重合技法において実行される、例示的な論理的ステップを示すフローチャートである。 緑色ECポリマーを含む例示的なEC素子を示す模式図である。 緑色ECポリマーを含む例示的な別のEC素子を示す模式図である。 緑色ECポリマーを含む例示的な別のEC素子を示す模式図である。

Claims (16)

  1. 実質的に透明な第1の状態と、飽和した緑色を示す第2の状態との間で切替えが可能なエレクトロクロミック素子であって、
    (a)透明電極と、
    (b)第1の状態においては通常透明であり、第2の状態においては飽和した緑色を示すエレクトロクロミック有機材料と、
    (c)電解質と
    を含むことを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  2. 前記エレクトロクロミック有機材料は、チオフェン誘導体を含むことを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
  3. 前記チオフェン誘導体は、2,3−ジ−チオフェン−2−イル−チエノ[3,4−b]ピラジンを含むことを特徴とする請求項2に記載のエレクトロクロミック素子。
  4. 前記エレクトロクロミック有機材料は、ピラジン誘導体を含むことを特徴とする請求項1に記載のエレクトロクロミック素子。
  5. 前記ピラジン誘導体は、2,3−ジベンジル−5,7−ジ(チエン−2−イル)チエノ[3,4−b]ピラジンを含むことを特徴とする請求項4に記載のエレクトロクロミック素子。
  6. 前記ピラジン誘導体は、2,3−ジベンジル−5,7−ジ(チエン−2−イル)チエノ[3,4−b]ピラジンのハロゲン化誘導体を含むことを特徴とする請求項4に記載のエレクトロクロミック素子。
  7. (a)透明電極と、
    (b)第1の状態においては通常透明であり、第2の状態においては飽和した緑色を示すエレクトロクロミック有機材料と、
    (c)電解質と
    を含むことを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  8. 前記エレクトロクロミック有機材料は、2,3−ジ−チオフェン−2−イル−チエノ[3,4−b]ピラジンを含むことを特徴とする請求項7に記載のエレクトロクロミック素子。
  9. 参照電極をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のエレクトロクロミック素子。
  10. 荷電平衡分子をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のエレクトロクロミック素子。
  11. 前記荷電平衡分子は、5,10−ジヒドロ−5,10,ジメチルフェナジンを含むことを特徴とする請求項10に記載のエレクトロクロミック素子。
  12. 前記エレクトロクロミック有機材料は、2,3−ジベンジル−5,7−ジ(チエン−2−イル)チエノ[3,4−b]ピラジンおよび2,3−ジベンジル−5,7−ジ(チエン−2−イル)チエノ[3,4−b]ピラジンのハロゲン化誘導体のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項7に記載のエレクトロクロミック素子。
  13. (a)透明電極と、
    (b)第1の状態においては緑色ではなく第2の状態において緑色を示し、単一吸収バンドを示すエレクトロクロミック有機材料と、
    (c)電解質と
    を含むことを特徴とするエレクトロクロミック素子。
  14. 前記エレクトロクロミック有機材料は、2,3−ジ−チオフェン−2−イル−チエノ[3,4−b]ピラジンを含むことを特徴とする請求項13に記載のエレクトロクロミック素子。
  15. 前記エレクトロクロミック有機材料は、2,5−ジ(チエン−2−イル)−3,4−ジ(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェンを含むことを特徴とする請求項13に記載のエレクトロクロミック素子。
  16. 前記エレクトロクロミック有機材料は、2,5−(2,3−ジヒドロ−チエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン−5−イル)−3,4−ジ(2,2,2−トリフルオロ−エトキシ)−チオフェンを含むことを特徴とする請求項13に記載のエレクトロクロミック素子。
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