JP2011148670A - 高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置及び供給方法 - Google Patents

高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置及び供給方法 Download PDF

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Abstract

【課題】装置の大型化や高価格化を招くことなく、簡便な構成及び方法により、高圧且つ高純度の窒素ガスの供給装置及び供給方法を提供する。
【解決手段】ガス供給経路L1に、原料空気から高純度の窒素ガスを生成する圧力変動吸着式窒素ガス発生装置2と、圧力変動吸着式窒素ガス発生装置2によって生成された窒素ガスを昇圧する昇圧機3と、昇圧機3によって昇圧された窒素ガスを貯留する貯留槽4と、貯留槽4により貯留された窒素ガスを減圧する弁26とを備え、ガス供給経路L1に、昇圧機3の出口側3bから入口側3aに窒素ガスを返送する返送経路L2が設けられていることを特徴とする高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置1を選択する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置及び供給方法に関する。
従来から、レーザー加工機分野では、ステンレス板の無酸化切断用アシストガスや光路パージガスとして高圧且つ高純度の窒素ガスが要求されている。
高純度の窒素ガスは、圧力変動吸着(Pressure Swing Adsorption:以下、PSAと略する)法によって原料混合ガスを分離する圧力変動吸着式ガス分離装置(以下、PSA装置と略する)によって、比較的簡便に供給することができる。
PSA装置は、吸着剤が充填された吸着筒を2以上有しており、これらを交互に吸着工程と再生工程を行いながら、製品ガスとなる高純度の窒素ガスを生成する。ここで、吸着筒の切り替え時において、生成する窒素ガスの圧力、流量及び純度が変動する。このため、これらの変動を緩和しながら窒素ガスを連続供給するため、PSA装置内部にバッファータンクを設けることが一般的である。
ところで、一般的に99.999%(残存酸素濃度10ppm以下)の高純度の窒素ガスを製造するには、PSA法のみでは難しく、さらに酸素成分を除去する必要がある。そのため、従来は、残存する酸素を水素と結合させて残存酸素濃度を減少させる精製装置を使用して高純度の窒素ガスを製造した。
また、残存する酸素を水素と反応させて水を製造する場合に、窒素ガス中に存在する水を除去するための除去装置としては、例えば、特許文献1に記載の膜式除湿装置や特許文献2に記載のPSA式除湿装置が知られている。
しかしながら、ニッケル反応剤、パラジウム触媒等を充填した精製装置や、特許文献1及び2に記載の膜式除湿装置やPSA式除湿装置を用いることにより、高純度の窒素ガス発生装置のシステムを複雑化し、結果として大規模な設備となり、消費電力もかかる。また、窒素純度99.999%(残存酸素濃度10ppm以下)のガス製造コストが高価になるという問題があった。
また、特許文献1及び2に記載の膜式除湿装置やPSA式除湿装置を使用する場合は、機能上、水分を除去する際に窒素ガスの一部を大気に排出する必要がある。そのため、供給される空気に対して製造される窒素ガスは7〜8割程度しか回収できず、製造できる窒素純度99.999%(残存酸素濃度10ppm以下)のガス量が少ないという問題があった。
ところで、レーザー加工機に高純度の窒素ガスを供給する際、要求される圧力は2.0〜3.5MPaとなる。しかしながら、PSA式窒素ガス発生装置に導入する原料空気の圧力はゲージ圧で0.7〜1.0MPaの範囲であるため、PSA式窒素ガス発生装置の吐出圧力は1.0MPa以下である。したがって、一般的なPSA式窒素ガス発生装置の吐出圧力だけでは、上述したレーザー加工機への供給圧力の仕様を満たさないという問題があった。また、高い圧力を製造するために原料空気を昇圧機で高圧にする事で対応可能であるが、使用する全ての機器等を高圧仕様とする必要があり、設備の高価格化を招いてしまうため、好ましくはない。
そこで、低コストで高圧且つ高純度の窒素ガスを供給するには、PSA式窒素ガス発生装置から供給される高純度の窒素ガスを、昇圧機を用いて要求される圧力まで昇圧する方法が考えられる。
特開2007−277028号公報 特開2005−320221号公報
しかしながら、PSA式窒素ガス発生装置から供給される高純度の窒素ガスを、昇圧機を用いて窒素ガスを昇圧する方法では、昇圧機から吐出する窒素ガスの流量が多くなると、昇圧機の入口側(吸入側)の圧力が低下してしまい、安全機構上、昇圧機が停止して窒素ガスの連続供給ができなくなってしまうおそれがあった。また、昇圧機の入口側の圧力低下を防ぐために、PSA式窒素ガス発生装置からの窒素ガスの供給量を増加させると、PSA式窒素ガス発生装置から供給される窒素ガスの純度が乱れて要求される純度の窒素ガスを供給できないおそれがあった。
そこで、図5に示す窒素ガス供給装置101では、昇圧機103の入口側103aの圧力低下を防ぐためにPSA式窒素ガス発生装置102の内部に設けられているバッファータンク108を大きくする方法や、PSA式窒素ガス発生装置102と昇圧機103との間に窒素ガスを貯留するタンク140を新たに設置する方法を示している。しかしながら、図5に示す窒素ガス供給装置101に示す方法では、装置の大型化やイニシャルコストが高価になるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、装置の大型化や高価格化を招くことなく、簡便な構成及び方法により、高圧且つ高純度の窒素ガスの供給装置及び供給方法を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意研究した結果、PSA式窒素ガス発生装置によって生成される高純度の窒素ガスを昇圧する昇圧機が設けられたガス供給経路に、上記昇圧機の出口側(吐出側)から入口側(吸入側)へ窒素ガスを送出可能な返送経路を設け、昇圧機の入口側の圧力が低下した場合に、当該返送経路を用いて昇圧機の出口側から上記入口側へ窒素ガスを供給することにより、昇圧機の入口側の圧力を回復させることができることを見出して本発明を完成させた。
したがって、本願の発明は以下の構成を有する。
請求項1に係る発明は、ガス供給経路に、原料空気から高純度の窒素ガスを生成する圧力変動吸着式窒素ガス発生装置と、前記圧力変動吸着式窒素ガス発生装置によって生成された前記窒素ガスを昇圧する昇圧機と、前記昇圧機によって昇圧された前記窒素ガスを貯留する貯留槽と、前記貯留槽のガスを減圧して供給する手段と、を備え、
前記ガス供給経路に、前記昇圧機の出口側から入口側に前記窒素ガスを返送する返送経路が設けられていることを特徴とする高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置である。
請求項2に係る発明は、前記返送経路に、減圧手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置である。
請求項3に係る発明は、前記圧力変動吸着式窒素ガス発生装置が、吸着剤として分子篩炭素が充填された2以上の吸着筒を備えており、
導入する前記原料空気の圧力が、ゲージ圧で0.9〜1.0MPaの範囲であり、
単位時間当たりに導入される前記原料空気量と前記吸着剤の充填量との比率が、420〜510hr−1の範囲であり、
当該圧力変動吸着式窒素ガス発生装置内に充填した前記吸着剤の1ton当りの高純度の前記窒素ガスの生成量が、68Nm/hr・ton以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置である。
請求項4に係る発明は、前記分子篩炭素は、酸素の吸着速度定数が6.5×10−2−1以上であり、かつ酸素の吸着速度定数K(O)と窒素の吸着速度定数K(N)との比αが35以上であって、
吸着速度特性が、酸素平衡吸着量95%を吸着するのに要する時間t95と酸素平衡吸着量50%を吸着するのに要する時間t50との関係で、下記式(1)の関係を有することを特徴とする請求項3に記載の高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置である。
(t95/t50)<0.4(α−24) ・・・(1)
請求項5に係る発明は、前記圧力変動吸着式窒素ガス発生装置が、生成した高純度の前記窒素ガスを貯留する一次貯留槽を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置である。
請求項6に係る発明は、2以上の吸着塔に原料空気を供給し、吸着塔を加圧する吸着工程、吸着塔を減圧する再生工程を順次行う圧力変動吸着式ガス分離方法により、前記吸着塔内に充填した吸着剤により酸素成分と窒素成分とを分離し、高純度の窒素ガスを生成する工程と、
生成された前記窒素ガスを昇圧機により昇圧する工程と、
昇圧された前記窒素ガスを貯留する工程と、
貯留された前記窒素ガスを減圧して供給する工程と、を備え、
前記昇圧機の入口側の前記窒素ガスの圧力が低下した場合に、当該昇圧機の出口側から前記入口側へ前記窒素ガスを返送することを特徴とする高圧且つ高純度の窒素ガス供給方法である。
請求項7に係る発明は、前記昇圧機の入口側の前記窒素ガスの圧力が低下した場合に、当該昇圧機の出口側から前記入口側へ前記窒素ガスを返送する際に、昇圧された当該窒素ガスを減圧して供給することを特徴とする請求項6に記載の高圧且つ高純度の窒素ガス供給方法である。
本発明の高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置及び供給方法によれば、圧力変動吸着式窒素ガス発生装置によって生成される窒素ガスを昇圧する昇圧機が設けられているため、一般的な圧力変動吸着式窒素ガス発生装置を用いて高圧の窒素ガスを供給することが可能となる。
また、圧力変動吸着式窒素ガス発生装置によって生成される高純度の窒素ガスを昇圧する昇圧機が設けられたガス供給経路に、上記昇圧機の出口側から入口側へ窒素ガスを返送する返送経路を設けられており、昇圧機の入口側の圧力が低下した場合に、当該昇圧機の出口側から上記入口側へ窒素ガスを返送することができる。これにより、圧力変動吸着式窒素ガス発生装置から過剰に窒素ガスを昇圧機に供給することなく、昇圧機の入口側の圧力を回復させることができる。したがって、圧力変動吸着式窒素ガス発生装置の性能を発揮させて、高純度の窒素ガスを供給することができる。
このように、昇圧機の入口側の圧力が低下した場合であっても、返送経路を用いて入口側の圧力を回復させることができるため、圧力変動吸着式窒素ガス発生装置の内部に設けられた貯留タンクを大きくする必要や、圧力変動吸着式窒素ガス発生装置と昇圧機との間に別途窒素ガスを貯留するタンクを設置する必要がない。これにより、一般的な圧力変動吸着式窒素ガス発生装置をそのまま用いることが可能となる。したがって、装置の大型化や高価格化を招くことなく簡便な構成及び方法により、高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置及び供給方法を提供することができる。
また、本発明の高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置及び供給方法によれば、昇圧された窒素ガスを貯留する貯留槽及び窒素ガスを減圧する弁を備えるため、貯留槽から使用装置へ窒素ガスを供給する際に供給ガスの圧力の制御が可能であるとともに、一時的に大量な高圧且つ高純度の窒素ガスの供給が可能となる。
図1は、本発明を適用した一実施形態である高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置を示す系統図である。 図2(A)〜(F)は、本発明を構成するPSA式窒素ガス発生装置の各工程を説明するための模式図である。 図3は、本発明の実施例を説明するためのグラフである。 図4は、本発明の実施例を説明するためのグラフである。 図5は、従来の高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置を示す系統図である。
以下、本発明を適用した一実施形態である高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置について、これを用いる高圧且つ高純度の窒素ガス供給方法とともに、図面を用いて詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図1は、本発明を適用した一実施形態である高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置を示す系統図である。図1に示すように、高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置(以下、単に「供給装置」という)1は、窒素ガス供給経路(ガス供給経路)L1に、原料空気から高純度の窒素ガスを生成するPSA式窒素ガス発生装置(圧力変動吸着式窒素ガス発生装置)2と、PSA式窒素ガス発生装置2によって生成された窒素ガスを昇圧する昇圧機3と、昇圧機3によって昇圧された窒素ガスを貯留する貯留槽4と、貯留槽4により貯留された窒素ガスを減圧する弁26とを備えて概略構成されている。そして、ガス供給経路L1に、昇圧機3の出口側3bから入口側3aに窒素ガスを返送するための返送経路L2が設けられていることを特徴とする。
PSA式窒素ガス発生装置2は、図1に示すように、原料空気を圧縮する空気圧縮機5と、原料空気を貯蔵する空気貯蔵槽6と、吸着剤を充填した2つの吸着筒7A,7Bと、生成した高純度窒素ガスを貯留するバッファータンク(一次貯留槽)8とを備えて概略構成されている。より具体的には、PSA式窒素ガス発生装置2は、吸着塔7A,7Bの各工程の切替プログラムによって自動開閉する第1入口弁9a、第2入口弁9b、第1排気弁10a、第2排気弁10b、パージ弁11、上部均圧弁12、下部均圧弁13と、第1逆止弁14a及び第2逆止弁14bと、原料空気の流量を所定流量に調整する第1マスフローコントローラ15と、高純度窒素ガスの供給量を所定流量に調整する第2マスフローコントローラ16と、パージガスの流量を所定流量に調整する流量調整弁17と、入口側圧力調整弁18a及び出口側圧力調整弁18bと、圧力計19,20,21と、酸素濃度計22とから構成されている。
このPSA式窒素ガス発生装置2は、吸着剤をそれぞれ充填した2つの吸着筒7A,7Bに対して、適当な圧力に加圧した原料空気を導入して筒内を所定の圧力にする加圧工程、吸着しやすい酸素分を吸着剤に優先的に吸着させて吸着しにくい窒素ガスを採取してバッファータンク8に送り出す吸着工程(製品取出工程)、一方の吸着筒内に残留する窒素分を他方の吸着筒に送り出す減圧均圧工程、吸着筒を大気に解放して圧力を下げる吸着剤に吸着していた酸素分を脱着させて吸着剤を再生する再生工程、他方の吸着筒内から窒素分を受け入れる加圧均圧工程の各工程を2筒の吸着筒7A,7Bで交互に繰り返して実施することにより空気中の酸素と窒素とを分離して、高純度の窒素ガスを連続的に供給するものである。
空気圧縮機5としては、吸着筒7A,7Bに導入する原料空気の最高吐出圧力が0.9〜1.0MPaとなるような空気圧縮機を使用することが好ましい。一般的にPSA法では、加圧圧力が高いと低い酸素濃度の窒素ガスを得ることができるためである。また、空気圧縮機5の選定には、吐出空気量とモーター出力値が重要な因子であり、必要原料空気量を満たすと同時に消費電力の低減を考慮したうえで適した空気圧縮機を選定することが好ましい。
本実施形態の吸着剤には、酸素の吸着速度定数が6.5×10−2−1以上であり、かつ酸素と窒素との分離比α(酸素の吸着速度定数K(O)と窒素の吸着速度定数K(N)との比)K(O)/K(N)が35以上であって、吸着速度特性が、酸素平衡吸着量95%を吸着するのに要する時間t95と酸素平衡吸着量50%を吸着するのに要する時間t50との関係で、以下の関係式を満足する分子篩炭素を用いる。これにより、その他の各種の条件を満たすことを条件として、窒素純度99.999%(残存酸素濃度10ppm以下)の高純度の窒素ガスを供給することができる。
(t95/t50)<0.4(α−24)、ただし、α>35
バッファータンク8は、吸着筒7A,7Bから得られる窒素ガスを一時的に貯留するために設けられたものである。PSA式窒素ガス発生装置2で生成した窒素ガスをバッファータンク8に貯留し、このバッファータンク8から昇圧機3に供給することにより、昇圧機3へ送出する窒素ガスの純度を安定させることができる。これにより、その他の各種の条件を満たすことを条件として、窒素純度99.999%(残存酸素濃度10ppm以下)の高純度の窒素ガスを安定して供給することができる。なお、バッファータンク8の容量は、特に限定されるものではないが、昇圧機3の過剰吸込が頻繁に生じない程度の容量を有することが好ましい。
また、第1及び第2逆止弁14a,14bに代えて開閉弁を用いてもよい。さらに、パージ弁11及び流量調整弁17に代えてオリフィスを用いてもよい。
また、本実施形態では、吸着筒を2筒設けた構成を例示しているが、3筒以上設けた多筒式PSA装置としてもよい。これにより、吸着筒の小型化、特に筒高さを低くするとともに、生成する窒素ガスの純度やバッファータンク8内の圧力の安定化を図ることができる。
昇圧機3は、図1に示すように、PSA式窒素ガス発生装置2から供給される高純度の窒素ガスを昇圧するために設けられている。昇圧機3は、特に限定されるものではないが、PSA式窒素ガス発生装置2からのガス吐出圧力が1.0MPa以下で0.5〜0.6MPa付近であることが多いため、2.0〜5.0MPaまで昇圧することができるものが好ましい。
貯留槽4は、図1に示すように、昇圧機3によって昇圧された窒素ガスを貯留するために昇圧機の下流側に設けられている。また、貯留槽4には、タンク内の圧力を測定するための圧力計23が設けられている。さらに、貯留槽4の上流側のガス供給経路L1には、オイル、埃等の不純物をろ過するためのフィルター24が設けられている。更にまた、貯留槽4の下流側のガス供給経路L1には、貯留槽4内の酸素濃度を測定するための酸素濃度計25と、貯留槽4に貯蔵された高圧の高純度窒素ガスを5.0MPa以下に減圧することが可能な減圧弁26とが設けられている。これにより、貯留槽4内の高純度窒素ガスの圧力を制御しながら、一時的に大量ガスを供給することが可能となる。また、供給ガス量が少量で貯留槽4内の貯蔵ガスで賄える場合、空気圧縮機5、PSA式窒素ガス発生装置2、昇圧機3の機器を手動や連動システムで停止することで、消費電力を低減することができる。
本実施形態の供給装置1におけるガス供給経路L1には、PSA式窒素ガス発生装置2からのガス吐出圧力(昇圧機3の入口側3aの圧力)の低下による昇圧機3の高純度窒素ガスの過剰吸入を防止するため、昇圧機3の出口側3bから入口側3aに窒素ガスを返送することができる返送経路L2が設けられている。また、返送経路L2には、減圧手段として減圧弁27が設けられている。これにより、昇圧機3によって昇圧された出口側3bの窒素の圧力を減圧して、入口側3aへ返送することができる。
次に、上記供給装置1を用いた本実施形態の高圧且つ高純度の窒素ガス供給方法について説明する。
本実施形態の高圧の高純度窒素ガスの供給方法(以下、単に「供給方法」という)は、高純度の窒素ガスを生成する工程(高純度窒素ガスの生成工程)と、窒素ガスを昇圧する工程(窒素ガスの昇圧工程)と、窒素ガスを貯留する工程(窒素ガスの貯留工程)と、窒素ガスを減圧して供給する工程(窒素ガスの供給工程)と、を備えて概略構成されている。以下、各工程について詳細に説明する。
(高純度窒素ガスの生成工程)
高純度窒素ガスの生成工程では、2以上の吸着塔に原料空気を供給し、吸着塔を加圧する吸着工程、吸着塔を減圧する再生工程を順次行う圧力変動吸着式ガス分離方法により、前記吸着塔内に充填した吸着剤により酸素成分と窒素成分とを分離し、高純度の窒素ガスを生成する。
具体的には、本実施形態のPSA式窒素ガス発生装置2は、図2(A)〜(F)に示す各工程を繰り返すことによって空気中の窒素を分離し、窒素ガスを採取する。なお、図2はガスの流れを説明するための概略図であり、各工程において開弁状態でガスが流れている経路のみを図示している。以下に、工程順に各工程をそれぞれ説明する。
図2(A)は、吸着筒7Aが加圧工程、吸着筒7Bが再生工程の前半を行っている状態であり、吸着筒7Aの第1入口弁9aが開き、吸着筒7A内に所定圧力の原料空気が導入されて筒内が加圧されている状態である。このとき、パージ弁11と吸着筒7Bの第2排気弁10bとが開となり、吸着筒7Aの出口から導出した窒素が流量調整弁17で流量調整され、パージ弁11を通って吸着筒7Bの出口に送られ、吸着筒7B内ガスが出口から放出されるとともに筒内のパージが行われる。
図2(B)は、吸着筒7Aが吸着(製品取出)工程、吸着筒7Bが再生工程の後半を行っている状態である。この状態では、吸着筒7Aの圧力がバッファータンク8の圧力以上に上昇することにより、吸着筒7Aの出口ガスが第1逆止弁14aを通過してバッファータンク8に流入する。吸着筒7Aの出口ガスは、筒内に充填された吸着剤(分子篩炭素)によって酸素が吸着されるため、所定の酸素含有率に濃縮された窒素である。一方、吸着筒7Bは、筒内ガスの放出、パージが継続して行われている。
図2(C)は、吸着筒7Aが吸着工程から減圧均圧工程に切り替わり、吸着筒7Bが再生工程から加圧均圧工程に切り替わった状態である。この状態では、吸着筒7Aの第1入口弁9a、吸着筒7Bの第2排気弁10b及びパージ弁11がそれぞれ閉じ、上部均圧弁12及び下部均圧弁13がそれぞれ開く。この均圧工程では、吸着工程が終了して筒内圧力が相対的に高い吸着筒7A内の窒素に富むガスが、再生工程が終了して筒内圧力が相対的に低い吸着筒7Bに回収され、結果的に吸着筒7Aは減圧され、吸着筒7Bは加圧されることになる。
図2(D)は、吸着筒7Aが再生工程に切り替わり、吸着筒7Bが加圧工程に切り替わった状態である。この状態では、吸着筒7Aの第1排気弁10aが開き、筒内ガスが大気放出されることにより、吸着剤に吸着した酸素が脱着して筒外に放出される。また、パージ弁11が開いて吸着筒7Bからのパージガス(窒素ガス)が吸着筒7Aの出口に導入されて更に酸素を洗い流す。また、吸着筒7Bでは、第2入口弁9bが開いて筒内に原料空気が導入されて加圧される。
図2(E)は、吸着筒7Aが再生工程を継続し、吸着筒7Bが加圧工程から吸着工程に切り替わった状態である。この状態では、吸着筒7Aでは、吸着筒7Bからのパージガスの導入と、第1排気弁10aからのガス放出とが継続される。また、吸着筒7Bの筒内圧力が上昇したことにより、第2逆止弁14bを通して吸着筒7Bからバッファータンク8への製品窒素ガスの採取が行われる。
図2(F)は、吸着筒7Aが再生工程から加圧均圧工程に切り替わり、吸着筒7Bが吸着工程から減圧均圧工程に切り替わった状態である。この状態では、吸着筒7Bの第2入口弁9b、吸着筒7Aの第1排気弁10a及びパージ弁11が閉じ、両均圧弁12,13が開く。この均圧工程では吸着工程が終了した吸着筒7B内の窒素に富むガスが、再生工程が終了している吸着筒7Aに回収される。
このように、図2(A)〜(F)に示すような、加圧、製品取出、減圧均圧、再生、加圧均圧の各工程を繰り返すことにより、空気から窒素が分離されて製品ガスとなる窒素ガスが得られる。なお、再生工程では必要に応じて真空ポンプで筒内を減圧排気するようにしてもよい。
上述したような図2(A)〜(F)に示した工程を繰り返すPSA操作では、各工程の切替時間を適切に設定する必要がある。すなわち、原料空気の流量と製品窒素ガスの流量とを固定したときに、加圧時間(吸着時間と表現する場合もある)が短すぎると筒内圧力が原料空気供給圧力に到達せずに吸着剤の性能を十分に発揮できなくなる。一方、加圧時間が長すぎると原料空気導入量が多くなるために吸着剤の酸素吸着量が飽和し、酸素が破過して製品窒素ガスの純度が低下してしまう。さらに、使用する吸着剤の酸素吸着速度、窒素吸着速度によって適切な加圧時間を選定することも重要である。すなわち、酸素吸着速度が速い吸着剤を使用する場合には、早めの切替時間(短い加圧時間)とする必要がある。しがって、製品ガスとなる窒素ガスの供給量、原料空気量、吸着剤の性能に応じて最適な加圧時間を設定することにより、所定流量、所定純度の窒素ガスを効率良く発生させることが可能となる。
なお、本実施形態の吸着剤として上述した分子篩炭素を利用し、窒素純度99.999%(残存酸素濃度10ppm以下)の高純度窒素ガスを効率良く発生するには、各条件を管理する必要がある。具体的には、加圧時間は60〜70秒が望ましく、65〜68秒付近に近い程好ましい。また、加圧工程及び製品取出工程での吸着筒内の原料空気の空間速度(SV値:単位時間当たり導入される空気量と吸着剤の充填量の比率)を420〜530hr−1の範囲に設定するとともに、装置からの窒素ガスの取出量(窒素PSA装置内に充填した吸着剤1ton当りの製品ガス発生量)を68Nm/hr・ton以下の範囲に設定する。これにより、本実施形態のPSA式窒素ガス発生装置2を用いて、窒素純度99.999%(残存酸素濃度10ppm以下)の、高純度の窒素ガスを発生させることができる。
(窒素ガスの昇圧工程)
次に、窒素ガスの昇圧工程では、PSA式窒素ガス発生装置2によって生成された窒素ガスを昇圧機3により昇圧する。一般的に、PSA式窒素ガス装置2からのガス吐出圧力は、1.0MPa以下であり、具体的には0.5〜0.6MPa付近であることが多い。このため、昇圧機3を用いて2.0〜5.0MPaまで高純度の窒素ガスを昇圧する。
(窒素ガスの貯留工程)
次に、窒素ガスの昇圧工程では、昇圧機3によって昇圧された高圧且つ高純度の窒素ガスを貯留槽4に貯留する。具体的には、窒素ガスの貯留工程では、窒素ガスの昇圧工程後の高圧且つ高純度の窒素ガスに含まれるオイル、埃等の不純物をフィルター24でろ過した後、貯留槽4に貯留する。なお、貯留槽4内の圧力は圧力計23で測定でき、貯留槽4内の酸素濃度は酸素濃度計33で測定することができる。
(窒素ガスの供給工程)
次に、窒素ガスの供給工程では、窒素ガスを減圧して、後段の配置されるレーザー加工機等(図示略)に供給する。具体的には、貯留槽4内に貯留され高圧且つ高純度の窒素ガスは減圧弁26で5.0MPa以下に調整することができ、窒素純度99.999%(残存酸素濃度10ppm以下)の高圧且つ高純度の窒素ガスの圧力を制御しながら、一時的に大量ガスを供給することが可能となる。
ところで、二筒切替方式のPSA式窒素ガス発生装置2によって生成された窒素ガスは、吸着筒の切替時に製品ガスとなる窒素ガスの圧力、流量及び濃度が変動する。PSA式窒素ガス発生装置2には、この変動を緩和するためにバッファータンク8が設けられている。これにより、PSA式窒素ガス発生装置2から昇圧機3に窒素ガスを安定供給が可能とされている。しかしながら、昇圧機3の運転中に、入口側3aの圧力低下が発生してしまうおそれがある。そして、昇圧機3の入口側3aの圧力低下が発生すると、昇圧機3からの圧力及び流量といった吐出性能の低下が生じてしまう。さらに、昇圧機3自体が停止してしまうおそれがあった。
そこで、図5に示すように、従来の供給装置101によれば、昇圧機103の入口側103aの圧力の低下を防ぐために、PSA式窒素ガス発生装置102内のバッファータンク108のサイズを大きくする方法や、PSA式窒素ガス発生装置102と昇圧機103との間に新たに貯留槽140を設ける方法で対応していた。これにより、昇圧機103の入口側103aの圧力の低下を抑制することができたが、装置の大型化や設置コストの増加といった不具合が生じていた。
これに対して、図1に示す本実施形態の供給装置1によれば、ガス供給経路L1に、返送経路L2が設けられており、昇圧機3の入口側3aの窒素ガスの圧力が低下した場合に、出口側3bから入口側3aへ窒素ガスを返送することができる。これにより、PSA式窒素ガス発生装置2から吐出される窒素ガスの圧力(すなわち、昇圧機3の入口側3aの圧力)の低下及び昇圧機3の過剰吸込防止ができ、効率良く高圧且つ高純度の窒素ガスを供給することができる。また、バッファータンク8の小型化、PSA式窒素ガス発生装置2と昇圧機3との間に新たに貯留槽を設ける必要がなくなり、供給装置1の小型化、装置価格の低減を図ることができる。
以上説明したように、本実施形態の高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置及び供給方法によれば、PSA式窒素ガス発生装置2によって生成される窒素ガスを昇圧する昇圧機3が設けられているため、一般的なPSA式窒素ガス発生装置を用いて高圧の窒素ガスを供給することが可能となる。
また、PSA式窒素ガス発生装置2によって生成される高純度の窒素ガスを昇圧する昇圧機3が設けられたガス供給経路L1に、昇圧機3の出口側3bから入口側3aへ窒素ガスを返送する返送経路L2を設けられており、昇圧機3の入口側3aの圧力が低下した場合に、昇圧機3の出口側3bから入口側3aへ窒素ガスを返送することができる。これにより、PSA式窒素ガス発生装置2から過剰に窒素ガスを昇圧機3に供給することなく、昇圧機3の入口側3aの圧力を回復させることができる。したがって、PSA式窒素ガス発生装置2の性能を発揮させて、高純度の窒素ガスを供給することができる。
このように、昇圧機3の入口側3aの圧力が低下した場合であっても、返送経路L2を用いて入口側3aの圧力を回復させることができるため、PSA式窒素ガス発生装置2の内部に設けられたバッファータンク8を大きくする必要や、PSA式窒素ガス発生装置2と昇圧機3との間に別途窒素ガスを貯留するタンクを設置する必要がない。これにより、一般的なPSA式窒素ガス発生装置をそのまま用いることが可能となる。したがって、装置の大型化や高価格化を招くことなく簡便な構成及び方法により、高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置1及び供給方法を提供することができる。
また、本実施形態の高圧の高純度窒素ガスの供給装置及び供給方法によれば、昇圧された窒素ガスを貯留する貯留槽4を備えるため、貯留槽4から使用装置へ窒素ガスを供給する際に供給ガスの圧力の制御が可能であるとともに、一時的に大量な高圧且つ高純度の窒素ガスの供給が可能となる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態の高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置1では、窒素純度99.999%(残存酸素濃度10ppm以下)の高圧且つ高純度の窒素ガスを供給する場合について説明したが特に限定されるものではない。例えば、窒素純度99.99%(残存酸素濃度100ppm以下)の窒素ガスを供給する構成としても良い。この場合、PSA式窒素ガス発生装置2の内部に設けられたバッファータンク8をさらに小型化、あるいは省略することも可能となる。
また、上記実施形態では、高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置及び供給方法によれば、製品ガスとして窒素ガスを供給する場合について説明したが、一時的に大量な高圧且つ高純度の製品ガスを供給する形態であれば、特に限定されるものではない。この場合、吸着剤の種類や、PSA装置の運転条件を適宜調整することが必要となる。
以下、具体例を示す。
(実施例1)
吸着剤として上記実施形態の分子篩炭素を充填したPSA式窒素ガス発生装置(吸着剤充填量390kg/筒)と、アトラスコプコ製GA37FFの空気圧縮機とを使用して高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置を構成した。原料空気の圧力は0.95MPa、吸着筒内の原料空気の空間速度SV値(単位時間当たり導入される空気量と吸着剤の充填量の比率)は420hr−1、加圧時間は68秒にそれぞれ設定した。また、窒素ガス中の残存酸素濃度は、テレダイン製の微量酸素分析計で測定した。結果を図3に示す。図3は、PSA式窒素ガス供給装置からの窒素ガスの取出量(窒素PSA装置内に充填した吸着剤1ton当りの製品ガス発生量)、すなわち能力と窒素ガス中の残存酸素濃度の関係を説明した図である。
図3に示すように、吸着筒内の原料空気の空間速度SV値を420hr−1に設定し、かつ、PSA式窒素ガス発生装置からの窒素ガスの取出量、すなわち能力を70Nm/hr・ton以下にすることにより、窒素純度99.999%(残存酸素濃度10ppm以下)の高純度窒素ガスを発生することができた。
ここで、吸着筒内の原料空気の空間速度SV値420hr−1から、導入必要空気流量は2.74m/minと算出される。また、空気圧縮機22kW仕様の吐出空気量から算出して、吸着筒内の原料空気の空間速度SV値の上限は530hr−1となる。
次に、原料空気圧力は0.95MPa、吸着筒内の原料空気の空間速度SVは上限値に近い510hr−1、加圧時間は65秒にそれぞれ設定した結果を図4に示す。ここで、図4も図3と同様に、能力と窒素ガス中の残存酸素濃度の関係を説明した図である。
図4に示すように、吸着筒内の原料空気の空間速度SV値を510hr−1に設定し、かつ、PSA式窒素ガス発生装置からの窒素ガスの取出量、すなわち能力を68Nm/hr・ton以下にすれば、窒素純度99.999%(残存酸素濃度10ppm以下)の高純度の窒素ガスを発生することができた。
図3及び図4の結果から、加圧時間を65〜68秒の範囲に設定し、吸着筒内の原料空気の空間速度SV値を420〜510hr−1の範囲に設定し、且つ能力を68Nm/hr・ton以下にすれば、窒素純度99.999%(残存酸素濃度10ppm以下)の高純度の窒素ガスを効率良く発生することができた。
(実施例2)
実施例1で生成した窒素純度99.999%(残存酸素濃度10ppm以下)かつ、吐出圧力0.6MPaの高純度窒素ガスを、株式会社三和鉄工所製の2BSN8窒素ガス昇圧機を使用して4.5MPaまで昇圧させた後、金澤鐵工株式会社製の1200Lタンクに貯留した。ここで、返送経路を有する実施例1では、表1に示すように、昇圧機吸込圧力が0.6MPa、昇圧機吐出窒素ガス流量25Nm/hrとなり、結果的に供給可能上限高純度窒素ガス流量も25Nm/hrとなり、安定な窒素ガス供給となった。また、タンク内の窒素ガス中の残存酸素濃度はテレダイン製微量酸素分析計で測定した結果、窒素純度99.999%(残存酸素濃度10ppm以下)であった。
(比較例1)
実施例1で生成した窒素純度99.999%(残存酸素濃度10ppm以下)かつ、吐出圧力0.6MPaの高純度窒素ガスを、株式会社三和鉄工所製の2BSN8窒素ガス昇圧機を使用して4.5MPaまで昇圧させた後、金澤鐵工株式会社製の1200Lタンクに貯留した。ここで、返送経路を有さない比較例1では、表1に示すように、昇圧機吸込圧力が0.5〜0.6MPa、昇圧機吐出窒素ガス流量20〜25Nm/hrとなり、結果的に供給可能上限高純度窒素ガス流量も20〜25Nm/hrとなり、不安定な窒素ガス供給となった。また、タンク内の窒素ガス中の残存酸素濃度はテレダイン製微量酸素分析計で測定した結果、窒素純度99.999%(残存酸素濃度10ppm以下)であった。
Figure 2011148670
本発明の高圧の高純度窒素ガスの供給装置及び供給方法は、ステンレス板の無酸化切断用アシストガスや光路パージガス用途等のレーザー加工機分野や、半導体分野に利用可能性を有する。
1・・・高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置
2・・・PSA式窒素ガス発生装置(圧力変動吸着式窒素ガス発生装置)
3・・・昇圧機
3a・・・入口側
3b・・・出口側
4・・・貯留槽
5・・・空気圧縮機
6・・・空気貯蔵槽
7A,7B・・・吸着筒
8・・・バッファータンク(一次貯留槽)
9a・・・第1入口弁9a
9b・・・第2入口弁9b
10a・・・第1排気弁
10b・・・第2排気弁
11・・・パージ弁
12・・・上部均圧弁
13・・・下部均圧弁
14a・・・第1逆止弁
14b・・・第2逆止弁
15・・・第1マスフローコントローラ
16・・・第2マスフローコントローラ
17・・・流量調整弁
18a・・・入口側圧力調整弁
18b・・・出口側圧力調整弁
19,20,21,23・・・圧力計
22,25・・・酸素濃度計
24・・・フィルター
26,27・・・減圧弁
L1・・・窒素ガス供給経路(ガス供給経路)
L2・・・返送経路

Claims (7)

  1. ガス供給経路に、原料空気から高純度の窒素ガスを生成する圧力変動吸着式窒素ガス発生装置と、前記圧力変動吸着式窒素ガス発生装置によって生成された前記窒素ガスを昇圧する昇圧機と、前記昇圧機によって昇圧された前記窒素ガスを貯留する貯留槽と、前記貯留槽のガスを減圧して供給する手段と、を備え、
    前記ガス供給経路に、前記昇圧機の出口側から入口側に前記窒素ガスを返送する返送経路が設けられていることを特徴とする高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置。
  2. 前記返送経路に、減圧手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置。
  3. 前記圧力変動吸着式窒素ガス発生装置が、吸着剤として分子篩炭素が充填された2以上の吸着筒を備えており、
    導入する前記原料空気の圧力が、ゲージ圧で0.9〜1.0MPaの範囲であり、
    単位時間当たりに導入される前記原料空気量と前記吸着剤の充填量との比率が、420〜510hr−1の範囲であり、
    当該圧力変動吸着式窒素ガス発生装置内に充填した前記吸着剤の1ton当りの高純度の前記窒素ガスの生成量が、68Nm/hr・ton以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置。
  4. 前記分子篩炭素は、酸素の吸着速度定数が6.5×10−2−1以上であり、かつ酸素の吸着速度定数K(O)と窒素の吸着速度定数K(N)との比αが35以上であって、
    吸着速度特性が、酸素平衡吸着量95%を吸着するのに要する時間t95と酸素平衡吸着量50%を吸着するのに要する時間t50との関係で、下記式(1)の関係を有することを特徴とする請求項3に記載の高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置。
    (t95/t50)<0.4(α−24) ・・・(1)
  5. 前記圧力変動吸着式窒素ガス発生装置が、生成した高純度の前記窒素ガスを貯留する一次貯留槽を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の高圧且つ高純度の窒素ガス供給装置。
  6. 2以上の吸着塔に原料空気を供給し、吸着塔を加圧する吸着工程、吸着塔を減圧する再生工程を順次行う圧力変動吸着式ガス分離方法により、前記吸着塔内に充填した吸着剤により酸素成分と窒素成分とを分離し、高純度の窒素ガスを生成する工程と、
    生成された前記窒素ガスを昇圧機により昇圧する工程と、
    昇圧された前記窒素ガスを貯留する工程と、
    貯留された前記窒素ガスを減圧して供給する工程と、を備え、
    前記昇圧機の入口側の前記窒素ガスの圧力が低下した場合に、当該昇圧機の出口側から前記入口側へ前記窒素ガスを返送することを特徴とする高圧且つ高純度の窒素ガス供給方法。
  7. 前記昇圧機の入口側の前記窒素ガスの圧力が低下した場合に、当該昇圧機の出口側から前記入口側へ前記窒素ガスを返送する際に、昇圧された当該窒素ガスを減圧して供給することを特徴とする請求項6に記載の高圧且つ高純度の窒素ガス供給方法。
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