JP2010227770A - 圧力スイング吸着設備の流量制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ＰＳＡ設備において、圧力制御方法と流量制御方法を併用して製品ガスの品質、収量の向上を図る。
【解決手段】２成分以上のガス成分を含有する原料ガスから特定ガス成分を吸着分離する吸着塔を有する、圧力スイング吸着設備の流量制御方法であって、吸着塔を所定吸着圧力まで昇圧する工程において、昇圧速度が予め設定された基準昇圧速度を上回る場合には、原料ガスの流量制御の設定値を、予め設定された標準原料ガス流量値に変更することを特徴とする圧力スイング吸着設備の流量制御方法。
【選択図】図４
【解決手段】２成分以上のガス成分を含有する原料ガスから特定ガス成分を吸着分離する吸着塔を有する、圧力スイング吸着設備の流量制御方法であって、吸着塔を所定吸着圧力まで昇圧する工程において、昇圧速度が予め設定された基準昇圧速度を上回る場合には、原料ガスの流量制御の設定値を、予め設定された標準原料ガス流量値に変更することを特徴とする圧力スイング吸着設備の流量制御方法。
【選択図】図４
Description
本発明は、圧力スイング吸着設備の昇圧工程における原料ガスの流量制御に関する。
圧力スイング吸着設備（Ｐｒｅｓｓｕｒｅ Ｓｗｉｎｇ Ａｄｓｏｒｐｔｉｏｎ、以下ＰＳＡ設備と呼ぶ）は高圧吸着−低圧脱着という圧力差吸着方式を採用した複数の吸着塔からなる設備であり、空気からの酸素の分離、コークス炉ガス（水素５０％、メタン３０％、一酸化炭素７％）からの水素の分離等広く利用され、吸着剤としては、ゼオライト、活性炭、アルミナ等があり、適切な吸着剤を選択することも収率に影響するが、ＰＳＡ設備では、製品ガスの収率、品質を維持するためには、吸着塔のガス流量と圧力の管理が重要である。
昇圧ガス流量の制御については、特許文献１に開示され、ガス圧力の制御については、特許文献２に開示されている。
一般に、ＰＳＡ設備の吸着塔における原料ガスの昇圧は流量制御方法または圧力制御方法が行われており、図１の設備配置に示すようにその制御は独立して行われている場合が多い。
流量制御方法は、昇圧用ガス流量を一定とし、吸着塔を昇圧工程時間内に所定圧力まで昇圧できるように、流量設定値を調整する方法であり、本方法によれば、製品ガス流量の安定性に優れるが外気温度の影響等により所定圧力に到達しない場合がある。
圧力制御方法は、吸着塔の圧力が昇圧工程時間内に所定圧力まで昇圧できるように、バルブ開度を調整する方法である。本方法によれば、外気温度の影響などに左右されずに、常に所定圧力に到達できるが、昇圧用ガス流量には変動が生ずるため製品ガス量が変動する場合がある。
即ち、ガス流量制御に対しては、ＰＳＡ設備の吸着塔の起動時等の原料ガス流量が急激に変化する場合には、圧力不足から原料ガスが吸着塔に吸着されずに吹き抜けてしまい、精製分離不足による製品ガス純度の低下や吸着剤の汚染を引き起こすことがある。このような状態になると製品ガスの純度回復に数時間から数日を要する場合がある。
本発明は、ＰＳＡ設備における上記した問題を解決するためになされたものであり、圧力制御方法と流量制御方法を併用して製品ガスの品質、収量の向上を図ることを目的とする。
本発明は、ＰＳＡ設備の運転中に吸着塔のガス圧力の変化を常に監視しておき、原料ガスの昇圧工程で計測される実際の圧力が基準昇圧速度を超える場合は、原料ガス流量制御の設定値を標準原料ガス流量の設定値に変更してガス流量制御を行うことを特徴とする。
即ち、本発明の要旨は、以下の通りである。
第一の発明は、２成分以上のガス成分を含有する原料ガスから特定ガス成分を吸着分離する吸着塔を有する、圧力スイング吸着設備の流量制御方法であって、吸着塔を所定吸着圧力まで昇圧する工程において、昇圧速度が予め設定された基準昇圧速度を上回る場合には、原料ガスの流量制御の設定値を、予め設定された標準原料ガス流量値に変更することを特徴とする圧力スイング吸着設備の流量制御方法である。
第二の発明は、前記基準昇圧速度が圧力スイング吸着設備の吸着・脱着のサイクル時間と、吸着・脱着の設計圧力とから求めたことを特徴とする第一の発明に記載の圧力スイング吸着設備の流量制御方法である。
第三の発明は、前記標準原料ガス流量を原料ガスに対する製品ガスの設計収率から求めたことを特徴とする第一の発明に記載の圧力スイング吸着設備の流量制御方法である。
本発明は、圧力制御方法と流量制御方法を併用したのでＰＳＡ設備の運転中に原料ガスが吸着塔に吸着されずに吹き抜けてしまうことが無くなり、製品ガス純度の安定と吸着材の汚染防止を図れる。
以下、本発明を図を参照して説明する。
図４は、ＰＳＡ設備における本発明の設備配置を説明する図である。原料ガスが配管で搬送され、圧縮機で昇圧されてＰＳＡ設備の吸着塔の吸着剤層入口端部に導入される。圧縮機からの配管は、ＰＳＡ設備の吸着塔を経て製品ガスとなる製品ガスライン配管と原料ガス圧力逃がし弁や製品ガス放出弁を介してオフガスとなるオフガスライン配管に接続している。
吸着塔は通常複数設置され、一方がガスを吸着中であれば、他方は吸着ガスの脱着を行うことにより吸着塔の稼働率を上げて、生産効率の向上を図るように配置されている。吸着塔の入口側、出口側にはそれぞれガス圧力計とガス流量計が設置され、常時ガス圧力とガス流量が監視される。
吸着塔の入口側の圧力計の信号は制御装置を介して原料ガス圧力逃がし弁に送られる。吸着塔の出口側のガス圧力計の信号は制御装置を介して製品ガスの圧力制御弁に送られ、また、昇圧速度が基準昇圧速度を超えた場合は、標準原料ガス流量となるようにガス圧縮機の原料制御弁に送られる。吸着塔の出口側の製品ガス流量計の信号はガス圧縮機の原料制御弁に送られる。
図２、図３を用いてガスの吸着・脱着作用について説明する。本実施の形態では、コークス炉ガスから水素ガスを回収する例を説明する。コークス炉ガスは、水素５０％、メタン３０％、一酸化炭素７％、タール油分他からなる。メタン、タール油分も水蒸気改質によりさらに水素を発生できるが、本発明では、５０％の水素の回収について述べる。
Ｓ１（吸着、圧力8.9Kg/cm2）：ＰＳＡ設備の吸着塔の吸着剤層入口端部から導入されたコークス炉ガス中のメタンガス、一酸化炭素ガスは吸着剤に入口側から吸着され、吸着剤層に吸着気体帯域（入口側からガス流れの方向に沿って濃度勾配を持つ）が形成され、前記帯域の先端部は吸着塔に沿って上昇する。
Ｓ２（均圧、圧力5.0 Kg/cm2）：吸着塔内圧力が所定の圧力に達したら弁（図示せず）を開放して所定の気体成分（水素）が流量調節弁を経て製品ガスとして系外に取り出される。減圧下にある他の吸着塔（図示せず）と出口部同士、入口部同士を同時に連結して２つの塔の平衡化（均圧）を行う。
Ｓ３（パージガス供給、圧力1.6 Kg/cm2）：加圧された状態で残っているメタン、一酸化炭素を水素を供給して吸着塔外に放散する。
Ｓ４（ブローダウン、圧力0.15 Kg/cm2）：吸着剤中に吸着されて残っているメタン、一酸化炭素は減圧されて脱着するので水素を用いて吸着塔外に放出する。
Ｓ５（パージ、圧力0.15 Kg/cm2）：吸着剤をさらに水素で洗浄する。
Ｓ６（昇圧、圧力8.9 Kg/cm2）：吸着塔の圧力を操作の中間圧まで復圧させて吸着工程の準備をする。
次に、吸着塔のガスの昇圧工程におけるガス流量、圧力の制御方法について述べる。
Ｓ１１： 基準昇圧速度を設定する（Ｐｓ／ｓ）：ＰＳＡ設備の吸着・脱着の１サイクルの時間と吸着・脱着圧力との設計値から算出される昇圧工程における昇圧速度。
標準原料ガス流量を設定する（Ｖｓ）：原料ガスに対する製品ガスの設計収率を事前に求めておいて、必要製品ガス量から逆算した流量。
原料ガス流量を設定する（Ｖ0）。
標準原料ガス流量を設定する（Ｖｓ）：原料ガスに対する製品ガスの設計収率を事前に求めておいて、必要製品ガス量から逆算した流量。
原料ガス流量を設定する（Ｖ0）。
Ｓ１２： 昇圧スタート
Ｓ１３： 吸着塔内の圧力（Ｐｖ）、昇圧速度（Ｐｖ／ｓ）、流量（Ｖｖ）を実測する。
Ｓ１４： Ｐｖ／ｓ≦Ｐｓ／ｓ の時 Ｖｖ＝Ｖ0 と設定する。
Ｐｖ／ｓ＞Ｐｓ／ｓ の時 Ｖｖ＝Ｖｓ と設定する。
Ｐｖ／ｓ＞Ｐｓ／ｓ の時 Ｖｖ＝Ｖｓ と設定する。
Ｓ１５： 昇圧終了の判定（吸着圧力に到達したか否かの判定）
Ｎｏ ⇒ Ｓ１３に戻る
Ｙｅｓ ⇒ Ｓ１６へ
Ｎｏ ⇒ Ｓ１３に戻る
Ｙｅｓ ⇒ Ｓ１６へ
Ｓ１６： 昇圧終了
１ 圧縮機
２ 原料ガス圧力逃がし弁
３ 放出弁（製品品質不良時）
４ 圧力制御弁
２ 原料ガス圧力逃がし弁
３ 放出弁（製品品質不良時）
４ 圧力制御弁
Claims (3)
- ２成分以上のガス成分を含有する原料ガスから特定ガス成分を吸着分離する吸着塔を有する、圧力スイング吸着設備の流量制御方法であって、吸着塔を所定吸着圧力まで昇圧する工程において、昇圧速度が予め設定された基準昇圧速度を上回る場合には、原料ガスの流量制御の設定値を、予め設定された標準原料ガス流量値に変更することを特徴とする圧力スイング吸着設備の流量制御方法。
- 前記基準昇圧速度が圧力スイング吸着設備の吸着・脱着のサイクル時間と、吸着・脱着の設計圧力とから求めたことを特徴とする請求項１記載の圧力スイング吸着設備の流量制御方法。
- 前記標準原料ガス流量を原料ガスに対する製品ガスの設計収率から求めたことを特徴とする請求項１記載の圧力スイング吸着設備の流量制御方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2009076206A JP2010227770A (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | 圧力スイング吸着設備の流量制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2009076206A JP2010227770A (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | 圧力スイング吸着設備の流量制御方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
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| JP2009076206A Pending JP2010227770A (ja) | 2009-03-26 | 2009-03-26 | 圧力スイング吸着設備の流量制御方法 |
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Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103853875B (zh) * | 2013-12-13 | 2017-01-04 | 上海森松压力容器有限公司 | 外部热量输入导致容器内气体膨胀的模拟方法 |
| CN111217341A (zh) * | 2020-03-26 | 2020-06-02 | 江苏轻跃气体科技有限公司 | 一种psa制氮系统工艺流程 |
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| JPS61133115A (ja) * | 1984-12-04 | 1986-06-20 | Showa Denko Kk | 富酸素ガスの製造法 |
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| JP2001342013A (ja) * | 2000-03-27 | 2001-12-11 | Nippon Sanso Corp | 窒素ガス発生方法 |
-
2009
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