JP2007277028A - 高純度窒素ガスの製造方法 - Google Patents

高純度窒素ガスの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】窒素濃度を高く、かつ製造量を向上できる高純度窒素ガスの製造方法を提供する。
【解決手段】吸着工程と、精製工程と、除湿工程と、再生工程とを備えている。吸着工程は、空気中の酸素を吸着剤により吸着させる。精製工程は、吸着工程後の第1ガス中に含有されている残存酸素を、水素と反応させて水分に変えることにより、酸素を除去する。除湿工程は、精製工程後の第2ガス中から、水分が除去された高純度窒素ガスと除去された水分を含有するパージガスとを分離する。再生工程は、除湿工程後のパージガスを用いて、吸着剤を再生する再生工程とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、高純度窒素ガスの製造方法に関し、たとえば効率良く高純度の窒素ガスを製造する方法に関する。
従来、空気から窒素ガスを分離する手段として、圧力変動吸着方式(PSA:Pressure Swing Adsorption)の分離方法がある。PSA法を利用したPSA装置は、吸着剤を充填した吸着塔に加圧した空気を供給して、空気中の酸素分子を吸着剤に吸着させ、吸着されなかった窒素ガスを分離して、窒素ガスを得ることができる。そして、吸着された酸素分子は吸着塔圧力を減圧することにより、容易に脱着させることができる。このようなPSA法は、容易に窒素ガスを分離する方法として様々な分野で使用されている。PSA装置では、残存酸素ガス濃度が1000ppm以下、すなわち99.9%以上の高純度の窒素ガスを効率よく製造できる。
しかし、さらに高純度の窒素ガスを製造するためには、PSA法のみでは難しい。そのため、残存する酸素を水素と結合させて残存酸素濃度を減少させる精製装置をさらに使用して、高純度の窒素ガスを製造している窒素ガスの製造方法が特開2005−320221号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1に開示の窒素ガスの製造方法では、PSA法により酸素を除去し、残存する酸素と水素とを水蒸気に反応させて、水蒸気を除去している。特許文献1に開示の窒素ガスの製造方法によれば、99.999%以上の窒素ガス濃度を可能としている。
また、残存する酸素を水素と反応させて水に精製する場合、窒素ガス中に存在する精製される水を除去するための除去装置としては、たとえば膜式除湿装置やPSA式除湿装置などが挙げられる。
特開2005−320221号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示の窒素ガスの製造方法では、精製装置で反応してなる水蒸気を冷却するために大きな電力が必要であるという問題がある。
また、PSA式除湿装置を用いる場合には、窒素ガス中の水を容易に除去して窒素ガス中の水分の濃度を低減できるが、機能上、除去する際に窒素ガスの一部を大気に排出する必要がある。そのため、供給される空気に対して製造される窒素ガスは7〜8割程度しか回収できず、回収率が悪いという問題がある。また、PSA式除湿装置は大きくて複雑であり、高価であるという問題もある。
さらに、膜式除湿装置は、設備が小さく簡便であるが、PSA式除湿装置と同様に機能上、水分を除去する際に窒素ガスの一部を大気に排出する必要があるため、製造される窒素ガスの回収率が悪い。そのため、製造できる高純度窒素ガスの量が少ないという問題がある。
それゆえ本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、窒素濃度を高く、かつ製造量を向上できる高純度窒素ガスの製造方法を提供することである。
本発明にしたがった高純度窒素ガスの製造方法は、吸着工程と、精製工程と、除湿工程と、再生工程とを備えている。吸着工程は、空気中の酸素を吸着剤により吸着させる。精製工程は、吸着工程後の第1ガス中に含有されている残存酸素を、水素と反応させて水分に変えることにより、酸素を除去する。除湿工程は、精製工程後の第2ガス中から、水分が除去された高純度窒素ガスと除去された水分を含有するパージガスとを分離する。再生工程は、除湿工程後のパージガスを用いて、吸着剤を再生する再生工程とを備える。
本発明の高純度窒素ガスの製造方法によれば、高濃度の窒素ガスを含有するパージガスで吸着剤を再生して、従来の製造工程における系外に捨てていたパージガスを再利用している。吸着剤の再生に用いるガスは、水分を含んでいても吸着剤の再生にあまり影響しない一方、高濃度の窒素ガスを含有していると吸着剤の再活性化である再生効率が向上する。そのため、パージガスで吸着剤を再生することにより、吸着剤の再生効率を向上でき、吸着工程での酸素の除去の能力が向上する。よって、窒素濃度が高く、かつ製造量を向上できる高純度窒素ガスを製造できる。
上記高純度窒素ガスの製造方法において好ましくは、吸着工程は、圧力変動吸着装置で行なわれ、除湿工程は、膜式除湿装置で行なわれる。
これにより、吸着工程では、より多く酸素を除去して製造する窒素濃度をより高くできる。また、除湿工程では、製造コストを低減できる。
上記高純度窒素ガスの製造方法において好ましくは、再生工程では、減圧ポンプによりパージガスを吸着剤に供給する工程を含む。これにより、パージガスを容易に吸着剤に供給できる。
上記高純度窒素ガスの製造方法において好ましくは、吸着工程と再生工程とを同時に実施する。これにより、これにより、吸着剤が充填されている1以上の吸着装置で吸着工程を実施しながら、吸着剤が充填されている他の1以上の吸着装置で再生工程を実施できる。そのため、高純度窒素ガスの製造量を多くできる。
上記高純度窒素ガスの製造方法において好ましくは、再生工程は、逆止弁により再生工程が実施されている吸着剤にパージガスを供給する工程を含む。
吸着工程が実施されている吸着剤が充填されている吸着装置よりも再生工程が実施されている吸着剤が充填されている吸着装置の方が内部の圧力が高い。そのため、逆止弁により、パージガスを再生工程が実施されている吸着装置に容易に供給できる。
本発明の高純度窒素ガスの製造方法によれば、高濃度の窒素ガスを含有するパージガスで吸着剤を再生しているため、吸着剤の再生効率を向上できる。よって、窒素濃度が高く、かつ製造量を向上できる高純度窒素ガスを製造できる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態における高純度窒素ガスの製造方法を説明するための図である。図1を参照して、本発明の実施の形態における高純度窒素ガスの製造方法について説明する。実施の形態における高純度窒素ガスの製造方法は、吸着工程と、精製工程と、除湿工程と、再生工程とを備えている。吸着工程は、空気中の酸素を吸着剤により吸着させる。精製工程は、吸着工程後の第1ガス中に含有されている残存酸素を、水素と反応させて水分に変えることにより、酸素を除去する。除湿工程は、精製工程後の第2ガス中から、水分が除去された高純度窒素ガスと除去された水分を含有するパージガスとを分離する。再生工程は、パージガスを用いて、吸着剤を再生する。
図1に示すように、実施の形態における高純度窒素ガスの製造方法に用いる装置は、圧縮機1と、吸着塔2,3と、製品槽4と、精製装置5と、除湿装置6と、高純度窒素ガスタンク8と、パージガスを吸着塔2,3に供給する配管114とを備えている。吸着塔2,3は内部に空気中の酸素を選択的に吸着し窒素を分離する吸着剤を充填している。吸着塔2,3は、圧縮機1により圧縮された空気中の酸素を吸着剤により吸着させて第1ガスとする。製品槽4は、吸着塔2,3により酸素が除去された第1ガスを貯留する。精製装置5は、水素ボンベ7から供給される水素と第1ガス中の酸素とを反応させて第2ガスとする。除湿装置6は、第2ガスから水分が除去された高純度窒素ガスと除去された水分を含有するパージガスとを分離する。高純度窒素ガスタンク8は、製造される高純度窒素ガスを貯留する。配管114は、除湿装置6で分離されるパージガスを吸着塔2,3に供給するための部材である。
高純度窒素ガスを製造するためには、まず、圧縮機1により空気を圧縮する。次に、空気中の酸素を吸着剤により吸着させる吸着工程を実施する。吸収工程は、複数の吸着塔2,3で行なわれることが好ましい。実施の形態では、2つの吸着塔2,3で吸着工程を実施可能としている。また、吸着塔2,3のうち、吸着塔2で供給される圧縮された空気中の酸素を除去し、吸着塔3でパージガスにより再生が行なわれているとする。この場合には、圧縮された空気は、たとえば配管100、弁11、および配管102を介して吸着塔2に供給される。
複数の吸着塔2,3のうち、吸着工程が実施されている吸着塔2では、吸着剤に酸素が吸着されることにより、空気中の酸素を除去する。酸素を吸着する方法は、特に限定されないが、たとえば圧力の変動を利用して酸素を空気から分離する圧力変動吸着(PSA)装置で行なわれることが好ましい。吸着工程がPSA装置で行なわれる場合には、吸着塔2の内部の圧力をたとえば0.5〜1.0Paの高圧にして、分子径の小さい酸素分子を吸着剤の微細な孔に吸着させる。なお、吸着工程に用いる吸着装置は、特にPSA装置に限定されず、たとえば膜式吸着装置などを用いることができる。
吸着剤は、複数の吸着装置である吸着塔2,3に充填されている。吸着剤は、酸素を除去できれば特に限定されないが、たとえばゼオライト、活性アルミナ、または活性炭を用いることができる。PSA装置を用いる場合には、吸着剤としてMSC(Molecular Sieving Carbon:分子篩炭素)を用いることが好ましい。MSCは、強度、耐摩耗性、および均質性に優れているとともに、酸素と窒素との分離能力に優れているため、空気中の酸素をより除去できるからである。
吸着塔2により酸素が除去され、窒素の濃度が高まった第1ガスは、たとえば配管104、弁15、および配管106を介して製品槽4に供給される。吸着塔2出口の窒素濃度を99%、99.9%、および99.99%とするためには、吸着塔2に供給される第1ガスの流量をQ[Nm/H]とすると、0.40Q[Nm/H]、0.27Q[Nm/H]、および0.19Q[Nm/H]の流量の第1ガスが製品槽4に供給される。第1ガスの残存酸素濃度を低減させる観点から、0.27Q[Nm/H]で製品槽4に第1ガスを供給すれば、製品槽4に貯留されている第1ガスの残存酸素濃度は1000ppm(窒素濃度は99.9%)程度となる。
次に、吸着工程後の第1ガス中に含有されている残存酸素を、水素と反応させて除去する精製工程を実施する。精製工程は、たとえば精製装置5により行なわれる。具体的には、製品槽4に貯留されている第1ガスは、配管107、減圧弁19、弁18、および配管108を介して精製装置5に供給される。また、水素ボンベ7に貯留されている水素ガスは、弁20および配管108を介して精製装置5に供給される。
精製装置5では、供給される第1ガス中の残存酸素と水素とを水分に反応させる。水分への反応を促進するために、精製装置5は、パラジウム合金などの触媒を充填していることが好ましい。これにより、第1ガス中の残存酸素がさらに減り、窒素濃度が高くなる第2ガスを製造できる。ただし、第2ガスは、水分を多く含んでいる。精製工程では、たとえば残存ガスを1000ppm含有している第1ガスを、10ppmより低い残存酸素濃度(99.999%を超える窒素濃度)の第2ガスとできる。
次に、精製工程後の第2ガス中から、水分が除去された高純度窒素ガスと、除去された水分を含有するパージガスとを分離する除湿工程を実施する。除湿工程は、たとえば除湿装置6で行なわれる。具体的には、水分を多く含んでいる第2ガスは、配管110を介して除湿装置6に供給される。除湿装置6は、第2ガス中から水分を分離して、高純度窒素ガスを製造する。高純度窒素ガスは、配管112、弁21、および配管113を介して高純度窒素ガスタンク8へ貯留される。なお、さらに水分を除去するために、配管112、弁22、および配管111を介して高純度窒素ガスを貫流させることが好ましい。
一方、第2ガス中から水分を除去するためには、機能上、水分のみを除去できず、高濃度の窒素ガスを含む第2ガス中の一部をパージガスとして高純度窒素ガスを製造する系外に排気する必要がある。パージガスは除湿装置6から配管114を介して排気される。高純度窒素ガスの水分含有割合にパージガスの量は依存する。高純度窒素ガスに含まれる水分の割合を400ppm〜40ppmとすると、第2ガスの量に対して約10〜20%の量のパージガスが排気される。
除湿装置6は、第2ガス中の水分を除去できれば特に限定されず、たとえば膜式除湿装置、冷凍式除湿装置、およびPSA式除湿装置などを用いることができる。除湿装置6は、簡便さの観点から、膜式除湿装置で行なわれることが好ましい。
次に、パージガスを用いて、吸着剤を再生する再生工程を実施する。再生工程は、減圧ポンプによりパージガスを吸着剤に供給する工程を含んでいることが好ましい。減圧ポンプは、たとえば配管114に設けられている。減圧ポンプは、たとえば真空ポンプを用いることができる。これにより、パージガスを除湿装置6から再生を行なう吸着塔3へ容易に供給することができる。
再生工程は、逆止弁23,24により再生工程が実施されている吸着装置である吸着塔2,3にパージガスを選択的に供給する工程を含んでいることが好ましい。再生工程が実施されている吸着塔3は、吸着工程が実施されている吸着塔2よりも圧力が低い。そのため、逆止弁23,24により、再生工程が実施されている相対的に低圧の吸着塔3にパージガスを容易に供給できる。
再生工程では、具体的には、除湿装置6から排気されるパージガスは、配管114および逆止弁24を介して吸着塔3に供給される。そして、吸着塔3では、吸収工程により酸素を吸着している吸着剤をパージガスにより脱着させて、吸着剤を再活性化する。脱着された酸素は、配管103、弁14、および配管101を介して、高純度窒素ガスを製造する系外に排気する。
吸着工程と再生工程とを同時に実施することが好ましい。具体的には、吸着塔2で吸着工程を実施しながら、吸着塔3で再生工程を実施する。また、吸着工程に用いられる吸着塔2と再生工程に用いられる吸着塔3とを一定時間毎に切り替える制御を行なうことが好ましい。一定時間は、吸着工程で吸着剤の能力が低下する程度により決められ、たとえば30秒〜100秒としている。このような制御を行なうことにより、常時空気をいずれかの吸着塔2,3に供給でき、連続して高純度窒素ガスを製造できる。
図2〜図5を参照して、吸着工程と再生工程に用いる吸着塔2,3を切り替える動作について説明する。なお、図2は、吸着塔2で吸着工程を、吸着塔3で再生工程を実施することを説明するための図である。図3は、均圧工程を説明するための図である。図4は、吸着塔3で吸着工程を、吸着塔2で再生工程を実施することを説明するための図である。図5は、別の均圧工程を説明するための図である。
まず、図2に示すように、吸着工程を吸着塔2で、再生工程を吸着塔3で行なっているときには、弁12,13,16,17を閉とし、弁11,14,15を開にする。そして、吸着塔2の吸着能力が低下してくれば吸着工程に用いる吸着塔2を吸着塔3へ切り替える。この際には、吸着塔2,3の内部圧力が同じになる均圧工程を実施することが好ましい。この際には、図3に示すように、弁12,14,15,16を閉にして、弁11,13,17を開にする。そして、吸着塔2,3の内部圧力が同じになれば、吸着工程を吸着塔3で、再生工程を吸着塔2で行なう。この際には、図4に示すように、弁11,14,15,17を閉とし、弁12,13,16を開とする。そして、吸着塔3の吸着能力が低下してくれば、吸着工程に用いる吸着塔3を吸着塔2へ切り替える。この際には、吸着塔3,2の内部圧力が同じになる均圧工程を実施することが好ましい。この際には、図5に示すように、弁12,14,15,16を閉とし、弁11,13,17を開とする。このようにして、吸着工程と再生工程とに用いる吸着塔2,3を切り替えることができる。
以上の工程を実施することにより、本発明の実施の形態における高純度窒素ガスを製造できる。従来と同様の流量で製造する場合には、99.9999%を超える濃度の高純度窒素ガスを製造できる。また、従来と同様の純度で製造する場合には、従来の流量の1.2倍の高純度窒素ガスを製造できる。さらに、従来よりもやや高純度でかつ、流量をやや向上した高純度窒素ガスを製造することもできる。
以上説明したように、本発明の実施の形態における高純度窒素ガスの製造方法によれば、空気中の酸素を吸着剤により吸着させる吸着工程と、吸着工程後の第1ガス中に含有されている残存酸素を、水素と反応させて除去する精製工程と、精製工程後の第2ガス中から、水分が除去された高純度窒素ガスと除去された水分を含有するパージガスとを分離する除湿工程と、パージガスを用いて、吸着剤を再生する再生工程とを備えている。吸着塔3内に充填されている吸着剤を再生する際には、再生に用いるガスの窒素濃度が高いほど再生される吸着剤の活性は高くなる一方、ガスの水分含有量に再生される吸着剤の活性化はあまり影響されない。すなわち、パージガスは、水分を多く含んでいるが、吸着工程および精製工程で酸素を除去した高濃度の窒素ガスであるので、空気などで吸着剤を再生する場合と比較して、再生される吸着剤の活性化が高くなり、再生効率が高くなる。そのため、通常排気されるパージガスを用いて吸着塔3の吸着剤の活性化を高めているので、吸着工程での酸素を吸着する能力が高くなる。よって、吸着工程で高効率に酸素を除去できるので、高い窒素濃度で、かつ回収率を向上することにより製造量を向上できる高純度窒素ガスを製造できる。
[実施例]
本発明の高純度窒素ガスの製造方法の効果を確認するべく、以下のような製造方法により製造した窒素ガスの量とその残存酸素濃度とを測定した。
(実施例1の高純度窒素ガスの製造方法)
実施例1の高純度窒素ガスの製造方法は、実施の形態1の高純度窒素ガスの製造方法にしたがって実施した。具体的には、吸着工程では、2つのPSA吸着を用いて、供給する空気の流量を2100Nl/min、圧力を0.83MPaとした。そして、精製工程では、内部にパラジウム合金からなる触媒を充填した精製装置を用いた。そして、除湿工程では、膜式除湿装置を用いた。そして、再生工程では、逆止弁によりパージガスを再生している吸着塔に供給した。
(比較例1の高純度窒素ガスの製造方法)
比較例1の高純度窒素ガスの製造方法は、基本的には実施例1の高純度窒素ガスの製造方法と同様の構成を備えているが、再生工程を備えていない点においてのみ、実施例1の高純度窒素ガスの製造方法と異なる。なお、供給する空気の流量は実施例1と同様とした。
(測定方法)
実施例1および比較例1の高純度窒素ガスの製造方法により製造される高純度窒素ガスの発生量[Nm/min]と、その高純度窒素ガス中の残存酸素濃度をそれぞれ測定した。その結果を図6および表1に示す。なお、図6は、本発明の実施例における製造される高純度窒素ガスの流量と残存酸素濃度を示す図である。図6中、縦軸は高純度窒素ガス中の酸素濃度(単位:vol.ppm)を示し、横軸は高純度窒素ガスの発生量(単位:Nm/h)を示す。
Figure 2007277028
(測定結果)
図6および表1に示すように、実施例1で製造された高純度窒素ガスの製造量を比較例1で製造された高純度窒素ガスと同じ製造量とすると、実施例1で製造した高純度窒素ガス中の残存酸素濃度を低減することができた。また、実施例1で製造された高純度窒素ガスの残存酸素濃度と比較例1で製造された高純度窒素ガスと同じ残存酸素濃度とすると、実施例1で製造した高純度窒素ガスの製造量を多くできた。
以上説明したように、実施例によれば、再生工程を備えることにより、純度を高く、かつ製造量を向上できる高純度窒素ガスの製造方法であることが確認できた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態における高純度窒素ガスの製造方法を説明するための図である。 吸着塔2で吸着工程を、吸着塔3で再生工程を実施することを説明するための図である。 均圧工程を説明するための図である。 吸着塔3で吸着工程を、吸着塔2で再生工程を実施することを説明するための図である。 別の均圧工程を説明するための図である。 本発明の実施例における製造される高純度窒素ガスの流量と残存酸素濃度を示す図である。
符号の説明
1 圧縮機、2,3 吸着塔、4 製品槽、5 精製装置、6 除湿装置、7 水素ボンベ、8 高純度窒素ガスタンク、11〜18,20〜22 弁、19 減圧弁、23,24 逆止弁、100〜104,106〜108,110〜114 配管。

Claims (5)

  1. 空気中の酸素を吸着剤により吸着させる吸着工程と、
    前記吸着工程後の第1ガス中に含有されている残存酸素を、水素と反応させて水分に変えることにより、酸素を除去する精製工程と、
    前記精製工程後の第2ガス中から、水分が除去された高純度窒素ガスと前記除去された水分を含有するパージガスとを分離する除湿工程と、
    前記パージガスを用いて、前記吸着剤を再生する再生工程とを備える、高純度窒素ガスの製造方法。
  2. 前記吸着工程は、圧力変動吸着装置で行なわれ、
    前記除湿工程は、膜式除湿装置で行なわれる、請求項1に記載の高純度窒素ガスの製造方法。
  3. 前記再生工程では、減圧ポンプにより前記パージガスを前記吸着剤に供給する工程を含む、請求項1または2に記載の高純度窒素ガスの製造方法。
  4. 前記吸着工程と前記再生工程とを同時に実施する、請求項1〜3のいずれかに記載の高純度窒素ガスの製造方法。
  5. 前記再生工程は、逆止弁により前記再生工程が実施されている前記吸着剤に前記パージガスを供給する工程を含む、請求項4に記載の高純度窒素ガスの製造方法。
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