JP2012110824A - Psa装置 - Google Patents

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JP2012110824A JP2010261466A JP2010261466A JP2012110824A JP 2012110824 A JP2012110824 A JP 2012110824A JP 2010261466 A JP2010261466 A JP 2010261466A JP 2010261466 A JP2010261466 A JP 2010261466A JP 2012110824 A JP2012110824 A JP 2012110824A
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聡一郎 辻本
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Abstract

【課題】通常エネルギー回収の行われていない均圧工程に着目し、さらに高圧の吸着塔からエネルギー回収を行うことができるPSA装置を提供すること。
【解決手段】原料ガスが流入するガス流入部1、排ガスが流出するガス流出部2、製品ガスを回収するガス回収部3を備え、内部に原料ガス中の特定成分を選択的に吸着する吸着材a1、a2を充填した吸着塔U1,U2を複数備え、膨張タービンC2および圧縮タービンC1を備えた過給機Cを設け、ガス流入部に圧縮タービンC1を介して原料ガスを一の吸着塔U1、U2に圧入可能な原料ガス供給路L1を設け、高圧の一の吸着塔U1、U2から前記排出路L2に流れるガスを膨張タービンC2に導入して動力を回収する均圧部4を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、原料ガスが流入するガス流入部、排ガスが流出するガス流出部、製品ガスを回収するガス回収部を備え、内部に原料ガス中の特定成分を選択的に吸着する吸着材を充填した吸着塔を複数備えたPSA装置に関する。
一般にPSA装置は、内部に原料ガス中の特定成分を選択的に吸着する吸着材を充填した複数の吸着塔から構成され、前記吸着塔にガス流入部より原料ガスを導入して前記特定成分を前記吸着材に加圧吸着させ、原ガス中の非吸着ガスを前記ガス回収部より製品ガスとして回収する吸着工程、および、吸着塔内の吸着剤に吸着した前記特定成分を前記吸着材から減圧して、脱着させて前記吸着材を再生する脱着工程を、吸着塔ごとに交互に行って、前記ガス中の特定成分を分離可能に運転される。また、この際、吸着塔から脱着させられる前記特定成分は、ガス流出部より流出される。尚、このような工程の効率化のために、吸着工程の終わった高圧の吸着塔における塔内の非吸着ガスを、脱着工程を終えた低圧の吸着塔における昇圧に用いるべく、一対の吸着塔を接続して圧力差の均衡を図る場合があり、このような工程を均圧工程という。
吸着工程を行う場合、前記吸着塔への原料ガス供給には、通常の昇圧機の他に膨張タービンおよび前記膨張タービンにより駆動される圧縮タービンを備えた過給機が用いられることがある。
また、脱着工程における吸着塔からのガスを利用して前記膨張タービンを回し、前記吸着塔への原料ガス供給動力として利用することが考えられている(例えば、特許文献1参照)。
特公昭61−061849号公報
ところが、上記特許文献1によれば、上述のような過給機を備えたPSA装置にあっては、高圧の一の塔から排出されるガスが排気される場合に、その排気のもつ圧力を動力エネルギーとして回収することは考えられているものの、その他の工程において、前記膨張タービンは有効利用されておらず、さらなるエネルギー回収工率の向上が望まれている。
そこで、本発明の目的は、上記実情から、通常エネルギー回収の行われていない均圧工程に着目し、さらに高圧の吸着塔からエネルギー回収を行うことができるPSA装置を提供することにある。
〔構成1〕
上記目的を達成するための本発明のPSA装置の第一の特徴構成は、原料ガスが流入するガス流入部、排ガスが流出するガス流出部、製品ガスを回収するガス回収部を備え、内部に原料ガス中の特定成分を選択的に吸着する吸着材を充填した吸着塔を複数備え、
膨張タービンおよび前記膨張タービンにより駆動される圧縮タービンを備えた過給機を設け、
前記ガス流入部に前記圧縮タービンを介して原料ガスを一の吸着塔に圧入可能な原料ガス供給路を設け、
前記一の吸着塔から排出されるガスを前記ガス流出部およびガス回収部に移送可能にする排出路を設けるとともに、前記ガスを前記排出路から他の吸着塔に返送可能にする返送路を設け、
高圧の一の吸着塔から前記排出路に流れるガスを前記膨張タービンに導入して動力を回収した後、前記返送路を介して低圧状態にある前記他の吸着塔に返送する均圧部を備えた点にある。
〔作用効果1〕
上記特徴構成によると、PSA装置に備えられた各吸着塔は、吸着工程、均圧工程、減圧工程(背景技術にいう脱着工程)を順に行うことができる。
ここで、前記吸着工程に際して、供給される原料ガスは、圧縮タービンを介して前記吸着塔に圧入することができる。また、前記吸着塔から排出される製品ガスは、前記排出路からガス回収部に移送され、製品ガスとして回収可能である。また、減圧工程に際して、前記吸着塔から排出される排ガスは、前記排出路から前記ガス流出部に移送され、排ガスとして流出可能である。
前記吸着工程と減圧工程との間に、均圧工程を行う場合、前記吸着工程を終えて高圧になった吸着塔から前記排出路に流れるガスを前記膨張タービンに導入して動力を回収することができる。この後、前記排出路に流れるガスは、前記返送路を介して低圧状態にある前記他の吸着塔に返送することができ、前記排出路から前記返送路にガスを流す流路をもって均圧工程を行う均圧部を構成することができる。
その結果、均圧工程により、一の吸着塔から他の吸着塔に移流するガスは、膨張して前記膨張タービンの動力を発生させることになるから、圧力としてのエネルギーを動力のエネルギーとして有効に回収することができる。そのため、このPSA装置によると、エネルギー効率高く動作させることができるようになった。
〔構成2〕
また、本発明のPSA装置の第二の特徴構成は、上記構成1に加えて、前記回収された動力により原料ガスを圧縮貯蔵する原料ガスタンクを前記ガス流入部の前記圧縮タービンの下流側に設けた点にある。
〔作用効果2〕
上記原料ガスタンクを設けると、前記膨張タービンにより回収された動力は原料ガスの供給タイミングでなくても原料ガスの圧縮貯蔵に用いることができる。そのため、吸着塔においていずれの工程を行っていたとしても、排出路から膨張タービンに高圧のガスが供給されている状況では、その高圧のガスにより膨張タービンを回転させて動力を回収することができる。
つまり、PSA装置が2塔の吸着塔から構成されているような場合、均圧工程を行っている場合には、いずれの吸着塔にも原料ガスの供給を行っていないが、吸着工程中に前記排出路を介して膨張タービンに流入するガスの膨張エネルギーは、圧縮タービンの動力に変換された後、原料ガスの圧縮エネルギーとして回収されることになる。
〔構成3〕
また、本発明のPSA装置の第三の特徴構成は、上記構成2に加えて、前記原料ガス供給路における前記圧縮タービンと前記原料ガスタンクとの間に、逆止機構を設けた点にある。
〔作用効果3〕
上記逆止機構を設けてあれば、圧縮タービンにより圧縮された原料ガスは、確実に原料ガスタンクに供給されて、圧縮貯蔵されるとともに、その圧縮貯蔵された原料ガスタンク内の原料ガスを各吸着塔に供給する際には、過給機の圧縮タービン側に原料ガスが逆流するのを防止して前記吸着塔に供給されるように整流することができる。
〔構成4〕
また、本発明のPSA装置の第四の特徴構成は、上記構成1〜3に加えて、前記排出路における前記膨張タービンと吸着塔との間に、吸着塔の内圧を制限し、かつ一定に保持する調圧機構を設けた点にある。
〔作用効果4〕
上記調圧機構を設けてあれば、前記一の吸着塔からのガスを所定圧に維持した状態で前記過給機の膨張タービンに安定供給することができ、前記膨張タービンによる動力回収が効率良く行われる。また、吸着工程にある吸着塔の吸着材に原料ガス中の特定成分を一定の圧力で吸着させることができるので、毎回の吸着工程における前記特定成分の吸着量を一定に維持することができる。
PSA装置の概略図 PSA装置の工程(a)〜(b)の運転状態を示す構成図 PSA装置の工程(c)〜(d)の運転状態を示す構成図 PSA装置の工程(e)〜(f)の運転状態を示す構成図 PSA装置の工程(g)〜(h)の運転状態を示す構成図 PSA装置の工程(i)〜(j)の運転状態を示す構成図 PSA装置の各工程の運転タイムサイクルを示す工程図
以下に、本発明のPSA装置の実施形態を説明する。尚、以下に好適な実施例を記すが、これら実施例はそれぞれ、本発明をより具体的に例示するために記載されたものであって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更が可能であり、本発明は、以下の記載に限定されるものではない。
<<PSA装置>>
本発明のPSA装置は、図1に示すように、内部に吸着材a1、a2が夫々充填された第一、第二吸着塔U1、U2と、第一、第二吸着塔U1、U2に繋がる各ガス路L1〜L6に設けられる開閉弁V1〜V6等を開閉制御する制御装置Sを備えて構成されている。そして、第一、第二吸着塔U1、U2には、ガス路L1〜L6として、第一、第二吸着塔U1、U2に原料ガスを供給する原料ガス供給路L1と、第一、第二吸着塔U1、U2からのガスを排出する排出路L2、排出路L2からのガスを対応する第一、第二吸着塔U1、U2に返送する返送路L3が接続されている。また、第一、第二吸着塔U1、U2からの排ガスを系外に排出するための排気路L4、L5を備え、さらに、第一、第二吸着塔U1、U2から回収される濃縮ガスである製品ガスを製品ガスタンクT2に回収するための回収路L6が備えられている。
<原料ガス>
本願における原料ガスとしては、種々任意のガスを用いることができるが、ここでは、原料ガスとして空気が用いられ、製品ガスとしての酸素が濃縮されるPSA装置を例に説明する。また、他に、原料ガスとして空気を用いる場合、酸素以外に窒素等他の成分を濃縮するのに用いることもできるし、空気中に含まれるメタン等の可燃性ガス濃縮、ガス供給ライン中の水素ガス濃縮等に適用することもできる。
<吸着塔>
前記第一、第二吸着塔U1、U2は、筒状容器内部に吸着材a1、a2を充填して構成されている。この第一、第二吸着塔U1、U2には、それぞれ、ガス流入部1、ガス流出部2、ガス回収部3、均圧部4を設けて、それぞれに前記第一、第二吸着塔U1、U2ガス流入、流出させるためのガス路L1〜L6等を接続して構成される。
さらに具体的には、前記ガス流入部1には、第一、第二吸着塔U1、U2に接続される原料ガス供給路L1が設けられる。また、第一、第二吸着塔U1、U2に接続されるL4およびガス流出部2には排出路L2および返送路L3から分岐して接続される排気路L5が設けられている。また、ガス回収部3にはガス流出部2には排出路L2および返送路L3から分岐して接続される回収路L6が設けられ、前記均圧部4には第一、第二吸着塔U1、U2に接続される排出路L2および返送路L3が設けられる。
また、前記第一、第二吸着塔U1、U2には、圧力計MU1、MU2が設けられている。
<吸着材>
本実施形態において吸着材a1、a2は、窒素ガスを選択的に吸着するゼオライトが用いられる。ただし、吸着材としては、原料ガス中に含まれる特定成分が選択的に吸着される材料であれば、特に制限されず、前記特定成分の種類に応じて適宜選択することができる。ここでは、前記吸着材a1、a2として、大気圧および298K下における窒素吸着量が10Nml/g以上であるNa−X型ゼオライトおよびLi−X型ゼオライトが例示的に用いられる。なお、上記窒素吸着量が好ましくは、20Nml/g以上がよい。
<原料ガス供給路>
原料ガス供給路L1には、原料ガスを供給する昇圧ポンプP1および開閉弁V1が設けられ、前記原料ガス供給路L1は、第一、第二原料ガス供給路L11、L12に分岐して第一、第二吸着塔U1、U2に接続され、それぞれの第一、第二原料ガス供給路L11、L12に開閉弁V11、V12を設けてある。また、前記開閉弁V1の上流側に過給機Cの圧縮タービンC1、前記開閉弁V1の下流側に原料ガスを圧縮貯蔵する原料ガスタンクT1を設けてある。これにより、前記原料ガス供給路L1から原料ガスを供給する場合には、圧縮タービンC1および昇圧ポンプP1により昇圧した原料ガスを第一、第二吸着塔U1、U2に供給することができるとともに、前記圧縮タービンC1で昇圧された原料ガスを、原料ガスタンクT1に圧縮貯留できる。また、前記開閉弁V1は、圧縮タービンC1と、原料ガスタンクT1との間の逆止機構として働いている。尚、原料ガスタンクT1には圧力計MT1が設けられている。
<排出路>
前記排出路L2は、第一、第二吸着塔U1、U2に接続される第一、第二排出路L21、L22を集合して接続され、前記第一、第二排出路L21、L22には、それぞれ、対応する開閉弁V21、V22が設けられている。また、集合した排出路L2には調圧弁V2aおよび調圧弁V2aをバイパスするバイパス弁V2bを設けるとともに、過給機Cの膨張タービンC2に接続してある。これにより、前記第一、第二吸着塔U1、U2から排出されるガスは、前記第一、第二排出路L21、L22を経由して排出路L2に至り、前記調圧弁V2aおよびバイパス弁V2bにより所定圧に調整された状態で、過給機Cの膨張タービンC2に流入し、前記膨張タービンC2を回して動力を圧縮タービンC1に伝達することができる。ここで、前記調圧弁V2aおよびバイパス弁V2bは、第一、第二吸着塔U1、U2の内圧を制限する調圧機構として働いている。
<返送路>
前記返送路L3は、第一、第二返送路L31、L32に分岐して前記膨張タービンC2を経たガスを第一、第二吸着塔U1、U2に返送可能に接続されている。また、前記第一、第二返送路L31、L32には、開閉弁V31、V32を設けてある。これにより、後述の均圧工程において、たとえば高圧の第一吸着塔U1から前記排出路L2に流れるガスを前記膨張タービンC2に導入して動力を回収した後、前記返送路L3を介して低圧状態にある第二吸着塔U2に返送することができる。
<排気路>
前記排気路L4は、第一、第二吸着塔U1、U2より直接ガスを系外に放出するガス路を提供するものであり、第一、第二吸着塔U1、U2にそれぞれ接続される第一排気路、第二排気路L41、L42を合流させて構成されている。前記排気路L4には、開閉弁V4および排気ポンプP4が設けられ、第一、第二排気路L41、L42にも開閉弁V41、V42が設けられている。これにより、例えば、後述の第一、第二吸着塔U1、U2内に吸着材a1、a2に吸着されたままの状態で残留する強吸着性の雜ガスを排出するための減圧工程を行う場合に、直接塔内の雜ガスを系外に放出して吸着材を再生することができる。
また、前記排気路L5は、前記排出路L2および前記返送路L3を流れるガスを、前記膨張タービンC2を通過後、第一、第二吸着塔U1、U2に返送される前に系外に放出するガス路を提供するものであって、開閉弁V5を備える。これにより、系外に排出される高圧の排ガスの圧力を前記膨張タービンC2で動力として回収後、系外に放出することができる。
<回収路>
前記回収路L6は、前記排出路L2および前記返送路L3を流れるガスを、前記膨張タービンC2を通過後、第一、第二吸着塔U1、U2に返送される前に回収して系外に放出するガス路を提供するものであって、開閉弁V5および製品ガスタンクT2を備える。これにより、前記第一、第二吸着塔U1、U2において前記吸着材a1,a2から脱着される製品ガスを、製品ガスタンクT2に貯留したり、そのままその製品ガスの供給ラインに流通させて利用したりすることが出来る。
<<PSA装置の運転方法>>
以下、第一、第二吸着塔U1、U2における酸素ガス製造方法について、図2〜7を用いて説明する。尚、ここでは、第一吸着塔U1を例に説明し、第二吸着塔U2についても対応するガス路L1〜L6等、開閉弁V1〜V6等が用いられ、同様の動作が行えることは明らかであるものとして詳細な説明を省略する。尚、各図中、開状態の開閉弁V1〜V6等およびガス流通状態のガス路L1〜L6等を白抜き、太線で示し、閉状態または工程に無関係な開閉弁V1〜V6等およびガス非流通状態のガス路L1〜L6等を黒塗り、細線で示している。また、下記の具体的な工程例では、第一、第二吸着塔U1、U2は、内径132mm、長さ850mmの円筒容器であり、吸着材は、Na-X型ゼオライトであり、各吸着容器に対して、7.2kg充填されている構成における圧力および操作時間を示している。
<吸着工程>
吸着工程初期では、図2(a)に示すように、原料ガスを第一吸着塔U1に導き、窒素ガスを吸着材a1に吸着させる。このとき、原料ガス供給路L1における開閉弁V1、V11、排出路L2における開閉弁V22、V2b、排気路L5における開閉弁V5を開とし、残余の開閉弁を閉とする。調圧弁V2aについては、一次側圧力の設定値に対して、一次側圧力が小さければ自動的に閉になり、大きければ自動的に開となるが、吸着工程の初期では、一次側圧力は小さいので閉になる。ここでは、一次側圧力を0.3MPaとしている。また、このとき、昇圧ポンプP1および過給機Cが駆動され、排出路L2に流れるガスにより前記過給機Cの膨張タービンC2を駆動して、その駆動力を圧縮タービンC1に伝達して原料ガスを圧縮するとともに、前記昇圧ポンプP1によりさらに昇圧して第一吸着塔U1に対して圧縮原料ガスを供給することができる。
これにより、第一吸着塔U1内には、吸着材a1に窒素ガスが吸着される。この工程は0.1分間行われる。前記第一吸着塔U1の内圧は、0.16〜0.18MPa程度にまで上昇させられ、原料ガスタンクT1の内圧は、過給機の駆動により一時的に0.10MPa近くでわずかに上昇する。
尚、このとき、第二吸着塔U2では、排気工程を行っている。
さらに、吸着工程が進むと、図2(b)に示すように、排出路L2における開閉弁V22、V2b、排気路L5における開閉弁V5を閉とし、排出路L2の開閉弁V21、回収路L6の開閉弁V6および、開閉弁排気路L4の開閉弁V4、V42を開とする。調圧弁V2aは第一吸着塔U1の内圧が、設定圧力0.3MPaに達した時点で開となり、排出路L2に製品ガスが流れ、過給機Cが駆動され、原料ガスを圧縮するとともに、前記昇圧ポンプP1により原料ガス供給を行う。
これにより、第一吸着塔U1内には、吸着材a1に窒素ガスが吸着され、製品ガスを回収することができる。この工程は1.0分間(吸着工程として合計1.1分間)行われ、前記第一吸着塔U1の内圧は、0.3MPa程度にまで上昇させられるとともに、原料ガスタンクT1の内圧が0.11MPaまで昇圧される。
尚、このとき、第二吸着塔U2では、減圧工程を行っている。
<降圧工程>
第一吸着塔U1において、続いて行われる降圧工程では、図3(c)に示すように、第一吸着塔U1内の製品ガスを回収路L6を経て回収する。このとき、前記排出路L2における開閉弁V21、V2b、前記回収路L6の開閉弁V6、原料ガス供給路L1の開閉弁V1および排気路L4の開閉弁V42,V4を開とし、残余の開閉弁を閉とする。また、このとき、過給機Cが駆動され、排出路L2に流れるガスにより前記過給機Cの膨張タービンC2を駆動するとともに、その駆動力を圧縮タービンC1に伝達して原料ガスを圧縮するとともに、圧縮された原料ガスを原料ガスタンクT1に圧縮貯蔵することができる。
これにより、第一吸着塔U1内の製品ガスは、製品ガスタンクT2に貯留される(製品ガス回収圧0.2MPa)。この降圧工程は0.2分間行われ、前記第一吸着塔U1の内圧は、0.3MPaから0.21MPa程度にまで低下させられるとともに、原料ガスタンクT1の内圧が0.11MPaから0.13MPaまで昇圧される。
尚、このとき、第二吸着塔U2では、減圧工程が継続される。
<均圧工程(排気)>
第一吸着塔U1において、続いて行われる均圧工程では、図3(d)に示すように、第一、第二吸着塔U1、U2を連通状態として、第一、第二吸着塔U1、U2間でガスの流通を許容し、両者間の均圧を実施する。つまり、均圧工程では、排出路L2および返送路L3の開閉弁V21、V2b、V32、原料ガス供給路L1の開閉弁V1を開とし、残余の開閉弁を全て閉とする。このとき過給機Cが駆動され、排出路L2に流れるガスにより前記過給機Cの膨張タービンC2を駆動するとともに、その駆動力を圧縮タービンC1に伝達して原料ガスを圧縮するとともに、圧縮された原料ガスを原料ガスタンクT1に圧縮貯蔵することができる。
これにより、第一吸着塔U1内の製品ガスが、第二吸着塔U2に移送されることになる。この均圧工程は、0.2分間行われ、前記第一吸着塔の内圧は、0.21MPaから0.13MPa程度にまで低下させられるとともに、原料ガスタンクT1の内圧が0.13MPaから0.14MPaまで昇圧される。
尚、このとき第二吸着塔U2においては、均圧工程(吸気)が行われる
<休止工程>
第一吸着塔U1において、続いて行われる休止工程では、図4(e)に示すように、原料ガス供給路L1の開閉弁V12のみを開状態とし、残余の開閉弁を閉状態として第一吸着塔U1を休止する。
この休止工程は、0.2分間行われ、前記第一吸着塔U1の内圧は、0.13MPa程度に維持させられる。
尚、このとき第二吸着塔U2においては、昇圧工程が行われ、原料ガスタンクT1の内圧が0.14MPaから0.1MPaまで低下される。
<排気工程>
第一吸着塔において、続いて行われる排気工程では、図4(f)に示すように、第一吸着塔U1内部の製品ガスおよび吸着材a1に吸着されたガスがさらに排気される。つまり、排気工程では、原料ガス供給路L1における開閉弁V1、V12、排出路L2における開閉弁V21、V2b、排気路L5における開閉弁V5を開とし、残余の開閉弁を閉とする。また、このとき、昇圧ポンプP1および過給機Cが駆動され、排出路L2に流れるガスにより前記過給機Cの膨張タービンC2を駆動して、その駆動力を圧縮タービンC1に伝達して原料ガスを圧縮するとともに、前記昇圧ポンプP1によりさらに昇圧して第二吸着塔に対して圧縮原料ガスを供給することができる。
これにより、第一吸着塔U1内の圧力は低下し、吸着材a1に吸着された窒素ガスが一部脱着される。この排気工程は0.1分間行われ、前記第一吸着塔U1の内圧は、0.13MPaから0.11MPa程度にまで低下させられるとともに、原料ガスタンクT1の内圧は、過給機Cの駆動により一時的に0.10MPa近くでわずかに上昇される。
尚、このとき、第二吸着塔U2では、吸着工程の初期が行われる。
<減圧工程>
第一吸着塔U1において、続いて行われる減圧工程では、図5(g)に示すように、第一吸着塔U1内部の吸着材a1に吸着された窒素ガスがさらに排気される。つまり、減圧工程では、原料ガス供給路L1における開閉弁V1、V12、排出路L2における開閉弁V22、回収路L6における開閉弁V6、排気路L4における開閉弁V41、V4を開とし、残余の開閉弁を閉とする。また、このとき、排気ポンプP4が駆動される。また、過給機Cが駆動され、排出路L2に流れるガスにより、前記過給機Cの膨張タービンC2が駆動されるから、その駆動力により圧縮タービンC1が作動して原料ガスを圧縮供給することができる。その原料ガスを、昇圧ポンプP1によりさらに昇圧して第二吸着塔U2に供給することとすると、前記昇圧ポンプの動力を削減することができる。
これにより、第一吸着塔U1内の吸着材a1に吸着された窒素ガスが脱着され排気されることにより、吸着材a1が再生される。この工程は1分間行われ、前記第一吸着塔U1の内圧は、0.11MPaから0.02MPa程度にまで低下させられる。
尚、このとき、第二吸着塔U2では、吸着工程が継続され、原料ガスタンクT1の内圧は0.10MPaから0.11MPaに昇圧される。
さらに減圧工程が進むと、第一吸着塔U1において、図5(h)に示すように、ガス流路を切り換えて、第一吸着塔U1内部の減圧が継続される。すなわち、原料ガス供給路L1における開閉弁V1、排出路L2における開閉弁V22、V2b、回収路L6における開閉弁V6、排気路L4における開閉弁V41,V4を開とし、残余の開閉弁を閉とする。また、このとき、昇圧ポンプP1および過給機Cが駆動されている。
この工程は、0.2分間行われ(減圧工程としては合計1.2分間)、前記第一吸着塔U1の内圧は、0.02MPa程度に維持させられる。
尚、このとき第二吸着塔U2においては、降圧工程が行われ、過給機Cにより原料ガスが原料ガスタンクT1内に圧縮供給される。前記原料ガスタンクT1の内圧は0.11MPaから0.13MPaまで昇圧される。
<均圧工程(吸気)>
第一吸着塔U1において、続いて行われる均圧工程では、図6(i)に示すように、第一、第二吸着塔U1、U2を連通状態として、第一、第二吸着塔U1、U2間でガスの流通を許容し、両者間の均圧を実施する。つまり、均圧工程では、排出路L2および返送路L3の開閉弁V22、V2b、V31、原料ガス供給路L1の開閉弁V1を開とし、残余の開閉弁を全て閉とする。このとき過給機Cが駆動され、排出路L2に流れるガスにより前記過給機Cの膨張タービンC2を駆動するとともに、その駆動力を圧縮タービンC1に伝達して原料ガスを圧縮するとともに、圧縮された原料ガスを原料ガスタンクT1に圧縮貯蔵することができる。
これにより、第二吸着塔U2の内の製品ガスが、第一吸着塔U1に移送されることになる。この均圧工程は、0.2分間行われ、前記第一吸着塔U1の内圧は、0.02MPaから0.12MPa程度にまで上昇させられるとともに、原料ガスタンクT1の内圧が0.13MPaから0.14MPaまで昇圧される。
尚、このとき第二吸着塔U2においては、均圧工程(排気)が行われる
<昇圧工程>
第一吸着塔U1において、続いて行われる昇圧工程では、図6(j)に示すように、第一吸着塔U1に対して原料ガスタンクT1より原料ガスの供給を行う。つまり、昇圧工程では、原料ガス供給路L1における開閉弁V11のみを開とし、残余の開閉弁を全て閉とする。このとき昇圧ポンプP1が駆動され、圧縮された原料ガスを第一吸着塔U1に供給することができる。
これにより、第一吸着塔U1の内部は排出路L2を流れるガスで駆動された膨張タービンC2により回収された動力の蓄積された圧縮原料ガスが用いられるので、膨張タービンC2により回収されたエネルギーの有効利用が果たされたことになる。ここで、閉止した開閉弁V1は、原料ガスタンクT1から圧縮タービンC1への逆止機構として働いている。この昇圧工程は、0.2分間行われ、前記第一吸着塔U1の内圧は、0.12MPaから0.15MPa程度にまで上昇させられるとともに、原料ガスタンクT1の内圧が0.14MPaから0.1MPaまで低下される。
尚、このとき第二吸着塔U2においては、休止工程が行われる
昇圧工程を経た第一吸着塔U1では、再度吸着工程が行われ、各工程が図7に示されるタイムサイクルが行われる。即ち、吸着工程1.1分、降圧工程0.2分、均圧工程0.2分、休止工程0.2分、排気工程0.1分、減圧工程1.2分、均圧工程0.2分、昇圧工程0.2分の合計3.4分のタイムサイクルが繰り返される構成とする。
〔別実施例〕
前の実施例では2塔で交互にタイムサイクルを行ったが、さらに多数塔で交互あるいは順次各工程を行うことができる。また、昇圧工程は吸着工程の予備的な工程として行ったが、本発明では必須ではなく、吸着工程、減圧工程が交互に行われる間に均圧工程の行われる装置系であれば、適用することができる。
1 : ガス流入部
2 : ガス流出部
3 : ガス回収部
4 : 均圧部
C : 過給機
C1 : 圧縮タービン
C2 : 膨張タービン
L1 : 原料ガス供給路
L11 : 第一原料ガス供給路
L12 : 第二原料ガス供給路
L2 : 排出路
L21 : 第一排出路
L22 : 第二排出路
L3 : 返送路
L31 : 第一返送路
L32 : 第二返送路
L4 : 排気路
L41 : 第一排気路
L42 : 第二排気路
L5 : 排気路
L6 : 回収路
MT1、MU1、MU2 : 圧力計
P1 : 昇圧ポンプ
P4 : 排気ポンプ
S : 制御装置
T1 : 原料ガスタンク
T2 : 製品ガスタンク
U1 : 第一吸着塔
U2 : 第二吸着塔
V1、V11、V12、V21、V22、V31、V32、V4、V41、V42、V5、V6 : 開閉弁
V2a : 調圧弁
V2b : バイパス弁
a1、a2: 吸着材

Claims (4)

  1. 原料ガスが流入するガス流入部、排ガスが流出するガス流出部、製品ガスを回収するガス回収部を備え、内部に原料ガス中の特定成分を選択的に吸着する吸着材を充填した吸着塔を複数備えたPSA装置であって、
    膨張タービンおよび前記膨張タービンにより駆動される圧縮タービンを備えた過給機を設け、
    前記ガス流入部に前記圧縮タービンを介して原料ガスを一の吸着塔に圧入可能な原料ガス供給路を設け、
    前記一の吸着塔から排出されるガスを前記ガス流出部およびガス回収部に移送可能にする排出路を設けるとともに、前記ガスを前記排出路から他の吸着塔に返送可能にする返送路を設け、
    高圧の一の吸着塔から前記排出路に流れるガスを前記膨張タービンに導入して動力を回収した後、前記返送路を介して低圧状態にある前記他の吸着塔に返送する均圧部を備えたPSA装置。
  2. 前記回収された動力により原料ガスを圧縮貯蔵する原料ガスタンクを前記ガス流入部の前記圧縮タービンの下流側に設けた請求項1に記載のPSA装置。
  3. 前記原料ガス供給路における前記圧縮タービンと前記原料ガスタンクとの間に、逆止機構を設けた請求項2に記載のPSA装置。
  4. 前記排出路における前記膨張タービンと吸着塔との間に、吸着塔の内圧を制限し、かつ一定に保持する調圧機構を設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載のPSA装置。
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