JP2020025931A - ガス分離装置、ガス分離方法、窒素富化ガス製造装置及び窒素富化ガス製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
一方で、吸着剤に吸着した成分を吸着剤から脱離させる際に、真空ポンプの代わりにエジェクターを用いる方法が知られている(特許文献2)。
特許文献2に記載の混合気体の分離方法では、圧縮機により加圧された空気の一部を常にエジェクターに供給することで、吸着床収納容器内を大気圧よりも低い減圧状態としている。そのため、エジェクターに供給する分の圧縮空気の量を十分に確保する必要が生じ、圧縮機に供給する分の原料空気の量を増やす必要がある。以上より、特許文献2に記載の混合気体の分離方法にあっては、圧縮機の大型化、圧縮機の消費電力の増大等の問題がある。
[1] 第1の成分と第2の成分とを含む原料ガスから前記第1の成分と前記第2の成分とを分離するガス分離装置であって、前記原料ガスを圧縮する圧縮機と、圧縮された前記原料ガスの一部が導入され、前記原料ガス中の前記第1の成分を吸着する吸着剤が充填された複数の吸着槽と、前記複数の吸着槽のそれぞれと前記圧縮機とを接続する供給配管と、前記供給配管から分岐する1以上の分岐配管と、前記分岐配管に設けられ、圧縮された前記原料ガスの残部が貯留される1以上の圧縮原料ガス槽と、前記圧縮原料ガス槽の二次側の前記分岐配管に設けられる吸引器と、前記吸引器と前記複数の吸着槽のそれぞれとを接続する吸引配管と、を備え、前記吸引器が第1の導入口と第2の導入口と導出口とを有し、前記第1の導入口及び前記導出口が前記分岐配管に沿って配置され、前記第2の導入口が前記吸引配管と接続されている、ガス分離装置。
[2] 吸着剤が充填された第1の吸着槽と前記吸着剤が充填された第2の吸着槽と圧縮機とを用いて、第1の成分と第2の成分とを含む原料ガスから前記第1の成分と前記第2の成分とを分離するガス分離方法であって、圧縮された前記原料ガスを前記第1の吸着槽内に導入して前記第1の吸着槽内を加圧し、前記原料ガス中の前記第1の成分を前記第1の吸着槽内の前記吸着剤に吸着させて、前記第1の成分と前記第2の成分とを分離する加圧吸着工程と、前記加圧吸着工程の後の前記第1の吸着槽内に残留するガスを前記第2の吸着槽内に導入して、前記第2の吸着槽内を加圧する第1の均圧工程と、圧縮された前記原料ガスを前記第2の吸着槽内に導入して前記原料ガス中の前記第1の成分を前記第2の吸着槽内の前記吸着剤に吸着させるとともに、前記第1の吸着槽内を減圧し、前記第1の吸着槽内の前記吸着剤から前記第1の成分を脱離させて、前記第1の吸着槽内の前記吸着剤を再生する減圧再生工程と、前記減圧再生工程の後の前記第2の吸着槽内に残留するガスを前記第1の吸着槽内に導入して、前記第1の吸着槽内を加圧する第2の均圧工程と、を有し、前記第1の均圧工程及び前記第2の均圧工程のいずれか一方又は両方では、前記圧縮機の二次側に配置された圧縮原料ガス槽に圧縮された前記原料ガスを貯留し、前記減圧再生工程では、前記圧縮原料ガス槽の二次側に配置された吸引器に、前記圧縮原料ガス槽に貯留されている圧縮された前記原料ガスを導入することで、前記吸引器と前記第1の吸着槽及び前記第2の吸着槽のそれぞれとを接続する吸引配管を介して前記第1の吸着槽内をさらに減圧し、前記加圧吸着工程では、前記圧縮原料ガス槽に貯留されている圧縮された前記原料ガスを前記吸引器に導入することで、前記吸引配管を介して前記第2の吸着槽内をさらに減圧する、ガス分離方法。
[3] 窒素ガスを含む原料空気から窒素富化ガスを製造する窒素富化ガス製造装置であって、前記原料空気を圧縮する圧縮機と、圧縮された前記原料空気の一部が導入され、前記原料空気中の窒素ガス以外の成分を吸着する吸着剤が充填された複数の吸着槽と、前記複数の吸着槽のそれぞれと前記圧縮機とを接続する供給配管と、前記供給配管から分岐する1以上の分岐配管と、前記分岐配管に設けられ、圧縮された前記原料空気の残部が貯留される1以上の圧縮原料空気槽と、前記圧縮原料空気槽の二次側の前記分岐配管に設けられる吸引器と、前記吸引器と前記複数の吸着槽のそれぞれとを接続する吸引配管と、を備え、前記吸引器が第1の導入口と第2の導入口と導出口とを有し、前記第1の導入口及び前記導出口が前記分岐配管に沿って配置され、前記第2の導入口が前記吸引配管と接続されている、窒素富化ガス製造装置。
[4] 原料空気中の窒素ガス以外の成分を吸着する吸着剤が充填された第1の吸着槽と前記吸着剤が充填された第2の吸着槽と圧縮機とを用いて、窒素ガスを含む原料空気から窒素富化ガスを製造する窒素富化ガス製造方法であって、圧縮された前記原料空気を前記第1の吸着槽内に導入して前記第1の吸着槽内を加圧し、前記原料空気中の窒素ガス以外の成分を前記第1の吸着槽内の前記吸着剤に吸着させて窒素富化ガスを得る加圧吸着工程と、前記加圧吸着工程の後の前記第1の吸着槽内に残留するガスを前記第2の吸着槽内に導入して、前記第2の吸着槽内を加圧する第1の均圧工程と、圧縮された前記原料空気を前記第2の吸着槽内に導入して前記原料空気中の窒素ガス以外の成分を前記第2の吸着槽内の前記吸着剤に吸着させるとともに、前記第1の吸着槽内を減圧し、前記第1の吸着槽内の前記吸着剤から窒素ガス以外の成分を脱離させて、前記第1の吸着槽内の前記吸着剤を再生する減圧再生工程と、前記減圧再生工程の後の前記第2の吸着槽内に残留するガスを前記第1の吸着槽内に導入して、前記第1の吸着槽内を加圧する第2の均圧工程と、を有し、前記第1の均圧工程及び前記第2の均圧工程のいずれか一方又は両方では、前記圧縮機の二次側に配置された圧縮原料空気槽に圧縮された前記原料空気を貯留し、前記減圧再生工程では、前記圧縮原料空気槽の二次側に配置された吸引器に、前記圧縮原料空気槽に貯留されている圧縮された前記原料空気を導入することで、前記吸引器と前記第1の吸着槽及び前記第2の吸着槽のそれぞれとを接続する吸引配管を介して前記第1の吸着槽内をさらに減圧し、前記加圧吸着工程では、前記圧縮原料空気槽に貯留されている圧縮された前記原料空気を前記吸引器に導入することで、前記吸引配管を介して前記第2の吸着槽内をさらに減圧する、窒素富化ガス製造方法。
(ガス分離装置)
まず、本発明の一実施形態である第1の実施形態に係るガス分離装置1の構成について説明する。ガス分離装置1は、第1の成分と第2の成分とを含む原料ガスから第1の成分と第2の成分とを分離する装置である。
第1の成分及び第2の成分の化学種は特に限定されない。原料ガスとしては、ガス分離装置の分野で通常利用されている混合ガスを適用できる。
以下の説明においては、原料ガスが原料空気である場合を一例として説明するが、本発明の分離装置は、下記の態様に限定されない。
以下にガス分離装置1(窒素富化ガス製造装置)の各構成要素に関して、原料ガスが原料空気である場合を一例にして詳しく説明を行う。
本実施形態においては、吸着剤8は原料空気中の窒素ガス以外の成分を吸着する。吸着剤8としては分子篩活性炭、合成ゼオライトが例示される。これらの中でも吸着剤8としては、分子篩活性炭が好ましい。
他の実施形態においては、吸着剤8は吸着対象となる第1の成分に合わせて適宜選択でき、特に限定されない。
二次配管L9Aの第1の端部は、第1の吸着槽5Aの二次側の端部と接続され、二次配管L9Aの第2の端部は導出配管L4及び第2の均圧配管L5のそれぞれと接続点A2で接続されている。
二次配管L9Bの第1の端部は、第2の吸着槽5Bの二次側の端部と接続され、二次配管L9Bの第2の端部は導出配管L4及び第2の均圧配管L5のそれぞれと接続点B2で接続されている。
供給配管L1の第1の端部は圧縮機4と接続され、供給配管L1の第2の端部は分岐点D2で配管L1Aと配管L1Bとに分岐されている。配管L1Aの端部は接続点A1で一次配管L8Aの第1の端部と接続されている。また、配管L1Bの端部は接続点B1で一次配管L8Bの第1の端部と接続されている。そして、配管L1Aには第1の供給弁11aが設けられ、配管L1Bには第2の供給弁11bが設けられている。
圧縮原料空気槽6は、圧縮された原料空気を貯留できる形態であれば特に限定されない。
分岐点D1と圧縮原料空気槽6との間の分岐配管L7には空気槽元弁17が設けられている。
排気配管L2の第1の端部は配管L2Aと配管L2Bとに分岐され、排気配管L2の第2の端部は吸引器7の二次側の部分の分岐配管L7と接続されている。これにより排気配管L2の第2の端部は、大気開放されている。
配管L2Aの端部は接続点A1で一次配管L8Aの第1の端部と接続されている。また、配管L2Bの端部は接続点B1で一次配管L8Bの第1の端部と接続されている。そして、配管L2Aには第1の排気弁12aが設けられ、配管L2Bには第2の排気弁12bが設けられている。そして、排気配管L2の第2の端部側には排気集合弁12が設けられている。
吸引器7は第1の導入口7aと第2の導入口7bと導出口7cとを有している。第1の導入口7a及び導出口7cは分岐配管L7に沿って同一の配管上に配置されている。そして、第2の導入口7bは吸引配管L10と接続されている。
以上の構成を有する吸引器7にあっては、吸引器7の第1の導入口7aに圧縮された原料空気が導入され、導出口7cから圧縮された原料空気が導出されると、例えばベンチュリ効果によって説明される現象のように減圧状態が発生する。この減圧状態を利用することで、吸引器7は圧縮された原料空気の導入により、第1の吸着槽5A内及び第2の吸着槽5B内を大気圧以下にさらに減圧し、第1の吸着槽5A内及び第2の吸着槽5B内のガスを吸引できる。
吸引器7の具体例としては、アスピレーター、エジェクター等が例示される。吸引器7は、例えば、ベンチュリ効果により真空状態を作り出す真空発生器でもよい。
これに対してガス分離装置1(窒素富化ガス製造装置)によれば、吸着槽内が排気集合弁12の開閉によって大気開放された後、第1の吸着槽5A内又は第2の吸着槽5B内の圧力を吸引器7により大気圧からさらに減圧できる。よって、従来の装置と比較して吸着成分の脱離効率が向上する。
以上説明したガス分離装置1(窒素富化ガス製造装置)にあっては吸引器7を備えるため、吸着剤に吸着した成分を脱離させる際に真空ポンプを使用する必要がなくなる。そのため、設備の故障、メンテナンスコスト及び設備面積の増大を抑制できる。そして、ガス分離装置1(窒素富化ガス製造装置)は圧縮原料空気槽6を備えるため、圧縮機4に供給する原料空気の量を増やす必要がなくなり、圧縮機の大型化及び圧縮機の消費電力を抑制できる。
以下、本発明の一実施形態である第1の実施形態に係るガス分離方法(以下、「ガス分離方法(1)」と記載する。)について図1及び表1を参照しながら説明する。なお、ガス分離方法(1)の説明においても、ガス分離装置1の説明と同様に原料ガスが原料空気である場合を一例として説明するが、本発明のガス分離方法は、下記の態様に限定されない。
表1に示すように、ガス分離方法(1)では、加圧吸着工程と、第1の均圧工程と、減圧再生工程と、第2の均圧工程の各工程を繰り返すことで、第1の吸着槽5Aと第2の吸着槽5Bと圧縮機4とを用いて、窒素ガスを含む原料空気から窒素富化ガスを製造する。
以下、第1の吸着槽5Aの各工程について説明する。
まず、第2の均圧工程では、第1の吸着槽5Aが加圧吸着工程を行う直前の状態にあり、第2の吸着槽5Bが減圧再生工程を行う直前の状態にある。具体的には、第1の均圧弁13、第2の均圧弁15、空気槽元弁17が開となっており、第1の供給弁11a、第2の供給弁11b、排気集合弁12、第1の排気弁12a、第2の排気弁12b、第1の導出弁16a、第2の導出弁16b、導入弁19が閉となっている。
そして、第2の均圧工程では、第2の均圧弁15が開いている。そのため、第2の吸着槽5B内の相対的に高圧のガスは、第2の吸着槽5Bの二次側から、二次配管L9B、第2の均圧配管L5及び二次配管L9Aをこの順に経由して、第1の吸着槽5Aの二次側から第1の吸着槽5A内に導入される。
このように、第2の均圧工程では、加圧吸着工程を終えた第2の吸着槽5B内に残留する相対的に高圧のガスを、減圧再生工程が終了している第1の吸着槽5A内に回収している。
加圧吸着工程の状態S1では、第1の供給弁11a、排気集合弁12、第2の排気弁12b、第1の導出弁16aが開となっており、第2の供給弁11b、第1の排気弁12a、第1の均圧弁13、第2の均圧弁15、第2の導出弁16b、空気槽元弁17が閉となっている。
状態S2では、導入弁19が開いているため、圧縮原料空気槽6に貯留されている圧縮された原料空気は、分岐配管L7を介して吸引器7の第1の導入口7aに導入される。この際、分岐配管L7には設けられている減圧弁18により、吸引器7に導入される圧縮された原料空気の圧力を調整してもよい。
これに対してガス分離方法(1)によれば、吸引器7により第2の吸着槽5B内を大気圧からさらに減圧できる。よって、従来の装置と比較して吸着成分の脱離効率が向上する。
第2の排気弁12b及び導入弁19の両方が開状態である場合、第2の吸着槽5B内の吸着剤8から脱離した窒素ガス以外の成分が排気配管L2を経由して排出される。
状態S3を経て第2の吸着槽5B内の吸着剤8の再生が完了する。
第1の均圧工程では、第1の吸着槽5Aが減圧再生工程を行う直前の状態にあり、第2の吸着槽5Bが加圧吸着工程を行う直前の状態にある。具体的には、第1の均圧弁13、第2の均圧弁15、空気槽元弁17が開となっており、第1の供給弁11a、第2の供給弁11b、排気集合弁12、第1の排気弁12a、第2の排気弁12b、第1の導出弁16a、第2の導出弁16b、導入弁19が閉となっている。
そして、第1の均圧工程では、第2の均圧弁15が開いている。そのため、第1の吸着槽5A内の相対的に高圧のガスは、第1の吸着槽5Aの二次側から、二次配管L9A、第2の均圧配管L5及び二次配管L9Bをこの順に経由して、第1の吸着槽5Aの二次側より第2の吸着槽5B内に導入される。
このように、第1の均圧工程では、加圧吸着工程を終えた第1の吸着槽5A内に残留する相対的に高圧のガスを、減圧再生工程が終了している第2の吸着槽5B内に回収している。
減圧再生工程では、第1の吸着槽5Aの状態が状態S4,S5,S6の順に切り替わる。
減圧再生工程の状態S4では、第2の供給弁11b、排気集合弁12、第1の排気弁12a、第2の導出弁16bが開となっており、第1の供給弁11a、第2の排気弁12b、第1の均圧弁13、第2の均圧弁15、第1の導出弁16a、空気槽元弁17が閉となっている。
状態S5では導入弁19が開、排気集合弁12が閉となっている点以外は、減圧再生工程の状態S4と同様の弁の開閉状態である。
状態S5では、導入弁19が開いているため、圧縮原料空気槽6に貯留された圧縮された原料空気は、分岐配管L7を介して吸引器7の第1の導入口7aに導入される。この際、分岐配管L7には設けられている減圧弁18により、吸引器7に導入される圧縮された原料空気の圧力を調整してもよい。
状態S6を経て第1の吸着槽5A内の吸着剤8の再生が完了する。
これに対してガス分離方法(1)によれば、第1の吸着槽5A内の圧力を吸引器7により大気圧からさらに減圧できる。よって、従来の装置と比較して吸着成分の脱離効率が向上する。
第1の排気弁12a及び導入弁19の両方が開状態である場合、第1の吸着槽5A内の吸着剤8から脱離した窒素ガス以外の成分が排気配管L2を経由して排出される。
以上説明したガス分離方法(1)にあっては、減圧再生工程で圧縮原料空気槽6の二次側に配置された吸引器7に、圧縮原料空気槽6に貯留された圧縮された原料空気を導入することで、吸引配管L10を介して第1の吸着槽5A内をさらに減圧するため、吸着剤に吸着した成分を脱離させる際に真空ポンプを使用する必要がなくなる。そのため、設備の故障、メンテナンスコスト及び設備面積の増大を抑制できる。そして、ガス分離方法(1)では第1の均圧工程及び第2の均圧工程のいずれか一方又は両方で、圧縮原料空気槽6に圧縮された原料空気を貯留するため、圧縮機4に供給する原料空気の量を増やす必要がなくなり、圧縮機の大型化及び圧縮機の消費電力を抑制できる。
さらにガス分離方法(1)では、加圧吸着工程で圧縮された原料空気を吸引器7に導入することで、吸引配管L10を介して第2の吸着槽5B内を吸引器7でさらに減圧するため、吸着剤の吸着成分の脱離効率がよくなり、吸着剤の吸着能が十分に回復しやすくなる。その結果、製品ガスの純度が向上する。
(ガス分離装置)
以下、本発明の一実施形態である第2の実施形態に係るガス分離装置2の構成について説明する。ガス分離装置1と同様に原料ガスが原料空気である場合においては、ガス分離装置2は、窒素ガスを含む原料空気から窒素富化ガスを製造する窒素富化ガス製造装置であるともいえる。そして、ガス分離装置2の説明において、ガス分離装置1で説明した構成と同一の構成については、同一の語及び同一の符号を用いてその説明を省略する。
以下にガス分離装置2の各構成要素に関して詳しく説明を行う。
配管L10Aの端部は一次配管L8Aと接続点A3で接続されている。また、配管L10Bの端部は一次配管L8Bと接続点B3で接続されている。そして、配管L10Aには第1の吸引弁21aが設けられ、配管L10Bには第2の吸引弁21bが設けられている。
以上説明したガス分離装置2は、ガス分離装置1と同様の作用効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態である第2の実施形態に係るガス分離方法(以下、「ガス分離方法(2)」と記載する。)について図2及び表2を参照しながら説明する。ガス分離方法(1)と同様に原料ガスが原料空気である場合においては、ガス分離方法(2)は窒素ガスを含む原料空気から窒素富化ガスを製造する窒素富化ガス製造方法(2)であるともいえる。そして、ガス分離方法(2)の説明において、ガス分離方法(1)で説明した構成と同一の構成については、同一の語及び同一の符号を用いてその説明を省略する。
ガス分離方法(2)の加圧吸着工程の状態S1では、ガス分離方法(1)の加圧吸着工程の状態S1と同様に、窒素富化ガスが二次配管L9A、配管L4A、導出配管L4をこの順に経由して第1の吸着槽5Aから図示略の製品ガス槽へ導出される。そして、状態S1では、第2の排気弁12bが開いているため、第2の吸着槽5B内が減圧される。その結果、第2の吸着槽5B内の吸着剤8から酸素ガス等の吸着成分が脱離し、排気ガスとして排気配管L2を経由して第2の吸着槽5Bから排出される。これにより、第2の吸着槽5B内の吸着剤8の再生が開始する。
その後、状態S3を経て第2の吸着槽5B内の吸着剤8の再生が完了する。
第1の吸着槽5Aが加圧吸着工程にある際、再生弁14は開状態でも閉状態でもよい。
ガス分離方法(2)の第1の均圧工程では、ガス分離方法(1)の第1の均圧工程と同様に、加圧吸着工程を終えた第1の吸着槽5A内に残留する相対的に高圧のガスを、減圧再生工程が終了している第2の吸着槽5B内に回収している。そして、圧縮機4から吐出される圧縮された原料空気が、圧縮原料空気槽6内へ導入され、圧縮原料空気槽6内で貯留される。
ガス分離方法(2)の減圧再生工程の状態S4では、ガス分離方法(1)の減圧再生工程の状態S4と同様に、窒素富化ガスが第2の吸着槽5Bから図示略の製品ガス槽へ導出される。そして、第1の吸着槽5A内の吸着剤8から酸素ガス等の吸着成分が脱離し、排気ガスとして排気配管L2を経由して第1の吸着槽5Aから排出される。これにより、第1の吸着槽5A内の吸着剤8の再生が開始する。
状態S5では、圧縮原料空気槽6に貯留された圧縮された原料空気が吸引器7の第1の導入口7aに導入される。これにより、第2の導入口7bと接続される吸引配管L10を介して、第1の吸着槽5A内が吸引器7によってさらに減圧される。その結果、ガス分離方法(1)と比較して、第1の吸着槽5A内の吸着剤8の吸着成分の脱離がさらに促進され、脱離効率がさらによくなる。
その後状態S6を経て第1の吸着槽5A内の吸着剤8の再生が完了する。
第1の吸着槽5Aが減圧再生工程にある際、再生弁14は開状態でも閉状態でもよい。
以上説明したガス分離方法(2)にあっては、ガス分離方法(1)と同様の作用効果を奏する。
(ガス分離装置)
以下、本発明の一実施形態である第3の実施形態に係るガス分離装置3の構成について説明する。ガス分離装置1と同様に原料ガスが原料空気である場合においては、ガス分離装置3は、窒素ガスを含む原料空気から窒素富化ガスを製造する窒素富化ガス製造装置であるともいえる。そして、ガス分離装置3の説明において、ガス分離装置1及びガス分離装置2で説明した構成と同一の構成については、同一の語及び同一の符号を用いてその説明を省略する。
以下にガス分離装置3の各構成要素に関して詳しく説明を行う。
第1の圧縮原料空気槽6a及び第2の圧縮原料空気槽6bは、圧縮された原料空気を貯留できる形態であれば特に限定されない。
第3の実施形態では配管L11Aが供給配管L1上の分岐点D1から分岐している。分岐点D1と分岐点D4との間の配管L11Aには、第1の空気槽元弁17a、第1の圧縮原料空気槽6a、第1の導入弁19aが一次側からこの順に設けられている。
第3の実施形態では配管L11Bが供給配管L1上の分岐点D3から分岐している。分岐点D3は、分岐点D1の一次側に位置している。分岐点D3と分岐点D4との間の配管L11Bには、第1の空気槽元弁17b、第2の圧縮原料空気槽6b、第2の導入弁19bが一次側からこの順に設けられている。
以上説明したガス分離装置3は、ガス分離装置1と同様の作用効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態である第3の実施形態に係るガス分離方法(以下、「ガス分離方法(3)」と記載する。)について図3及び表3を参照しながら説明する。ガス分離方法(1)と同様に原料ガスが原料空気である場合においては、ガス分離方法(3)は窒素ガスを含む原料空気から窒素富化ガスを製造する窒素富化ガス製造方法(3)であるともいえる。そして、ガス分離方法(3)の説明において、ガス分離方法(1)で説明した構成と同一の構成については、同一の語及び同一の符号を用いてその説明を省略する。
ガス分離方法(3)の加圧吸着工程の状態S1では、ガス分離方法(1)の加圧吸着工程の状態S1と同様に、窒素富化ガスが第1の吸着槽5Aから図示略の製品ガス槽へ導出される。そして、状態S1では、第2の排気弁12bが開いているため、第2の吸着槽5B内が減圧される。その結果、第2の吸着槽5B内の吸着剤8から酸素ガス等の吸着成分が脱離し、排気ガスとして排気配管L2を経由して第2の吸着槽5Bから排出される。これにより、第2の吸着槽5B内の吸着剤8の再生が開始する。
その後、状態S3を経て第2の吸着槽5B内の吸着剤8の再生が完了する。
第1の吸着槽5Aが加圧吸着工程にある際、再生弁14は開状態でも閉状態でもよい。
ガス分離方法(3)の第1の均圧工程では、第1の吸着槽5A内に残留する相対的に高圧のガスを第2の吸着槽5B内に回収している。そして、圧縮機4から吐出される圧縮された原料空気が、第2の圧縮原料空気槽6b内へ導入され、第2の圧縮原料空気槽6b内で貯留される。
ガス分離方法(3)の減圧再生工程の状態S4では、ガス分離方法(1)の加圧吸着工程の状態S4と同様に、窒素富化ガスが第2の吸着槽5Bから図示略の製品ガス槽へ導出される。そして、状態S4では、第1の排気弁12aが開いているため、第1の吸着槽5A内が減圧される。その結果、第1の吸着槽5A内の吸着剤8から酸素ガス等の吸着成分が脱離し、排気ガスとして排気配管L2を経由して第1の吸着槽5Aから排出される。その結果、第1の吸着槽5A内の吸着剤8の再生が開始する。
その後状態S6を経て第1の吸着槽5A内の吸着剤8の再生が完了する。
第1の吸着槽5Aが減圧再生工程にある際、再生弁14は開状態でも閉状態でもよい。
以上説明したガス分離方法(3)にあっては、ガス分離方法(1)と同様の作用効果を奏する。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
実施例1では図1に示すガス分離装置1を用いて、表1に示す弁開閉動作にしたがって、窒素ガス以外の成分と窒素ガスとを分離し、窒素富化ガスを製造した。実施例1で窒素富化ガスの製造中の各吸着槽の最低圧力[kPaG]を測定し、製品ガス中の酸素濃度[vol.ppm]を測定した。その結果を加圧吸着工程及び均圧工程の実施時間とともに表5に示す。
図4に示す従来の分離装置101を用意した。従来の分離装置101は、圧縮機4と第1の吸着槽5Aと第2の吸着槽5Bとを備える。そして、ガス分離装置1は供給配管L1と排気配管L2と第1の均圧配管L3と導出配管L4と第2の均圧配管L5と再生配管L6と一次配管L8A,L8Bと二次配管L9A,L9Bとをさらに備える。すなわち、従来の分離装置101は、圧縮原料空気槽6、吸引器7及び分岐配管L7を備えない点以外は、ガス分離装置1と同様の装置構成である。
製品ガス中の酸素濃度が低下していることから、実施例1の結果から、製品ガスの流量を増やした場合でも、製品ガスの純度を維持できることが判る。そのため、本発明の窒素富化ガス製造装置によれば、製品ガスの生産効率が向上することが示唆される。
圧縮された原料空気の供給流量を増やさずとも、製品ガスの流量を維持できることから、装置が小型化し、製品ガスの流量に対して必要となる原料空気の流量を抑制でき、製品ガスの収率がよくなることが示唆される。
Claims (4)
- 第1の成分と第2の成分とを含む原料ガスから前記第1の成分と前記第2の成分とを分離するガス分離装置であって、
前記原料ガスを圧縮する圧縮機と、
圧縮された前記原料ガスの一部が導入され、前記原料ガス中の前記第1の成分を吸着する吸着剤が充填された複数の吸着槽と、
前記複数の吸着槽のそれぞれと前記圧縮機とを接続する供給配管と、
前記供給配管から分岐する1以上の分岐配管と、
前記分岐配管に設けられ、圧縮された前記原料ガスの残部が貯留される1以上の圧縮原料ガス槽と、
前記圧縮原料ガス槽の二次側の前記分岐配管に設けられる吸引器と、
前記吸引器と前記複数の吸着槽のそれぞれとを接続する吸引配管と、
を備え、
前記吸引器が第1の導入口と第2の導入口と導出口とを有し、
前記第1の導入口及び前記導出口が前記分岐配管に沿って配置され、前記第2の導入口が前記吸引配管と接続されている、ガス分離装置。 - 吸着剤が充填された第1の吸着槽と前記吸着剤が充填された第2の吸着槽と圧縮機とを用いて、第1の成分と第2の成分とを含む原料ガスから前記第1の成分と前記第2の成分とを分離するガス分離方法であって、
圧縮された前記原料ガスを前記第1の吸着槽内に導入して前記第1の吸着槽内を加圧し、前記原料ガス中の前記第1の成分を前記第1の吸着槽内の前記吸着剤に吸着させて、前記第1の成分と前記第2の成分とを分離する加圧吸着工程と、
前記加圧吸着工程の後の前記第1の吸着槽内に残留するガスを前記第2の吸着槽内に導入して、前記第2の吸着槽内を加圧する第1の均圧工程と、
圧縮された前記原料ガスを前記第2の吸着槽内に導入して前記原料ガス中の前記第1の成分を前記第2の吸着槽内の前記吸着剤に吸着させるとともに、前記第1の吸着槽内を減圧し、前記第1の吸着槽内の前記吸着剤から前記第1の成分を脱離させて、前記第1の吸着槽内の前記吸着剤を再生する減圧再生工程と、
前記減圧再生工程の後の前記第2の吸着槽内に残留するガスを前記第1の吸着槽内に導入して、前記第1の吸着槽内を加圧する第2の均圧工程と、を有し、
前記第1の均圧工程及び前記第2の均圧工程のいずれか一方又は両方では、前記圧縮機の二次側に配置された圧縮原料ガス槽に圧縮された前記原料ガスを貯留し、
前記減圧再生工程では、前記圧縮原料ガス槽の二次側に配置された吸引器に、前記圧縮原料ガス槽に貯留されている圧縮された前記原料ガスを導入することで、前記吸引器と前記第1の吸着槽及び前記第2の吸着槽のそれぞれとを接続する吸引配管を介して前記第1の吸着槽内をさらに減圧し、
前記加圧吸着工程では、前記圧縮原料ガス槽に貯留されている圧縮された前記原料ガスを前記吸引器に導入することで、前記吸引配管を介して前記第2の吸着槽内をさらに減圧する、ガス分離方法。 - 窒素ガスを含む原料空気から窒素富化ガスを製造する窒素富化ガス製造装置であって、
前記原料空気を圧縮する圧縮機と、
圧縮された前記原料空気の一部が導入され、前記原料空気中の窒素ガス以外の成分を吸着する吸着剤が充填された複数の吸着槽と、
前記複数の吸着槽のそれぞれと前記圧縮機とを接続する供給配管と、
前記供給配管から分岐する1以上の分岐配管と、
前記分岐配管に設けられ、圧縮された前記原料空気の残部が貯留される1以上の圧縮原料空気槽と、
前記圧縮原料空気槽の二次側の前記分岐配管に設けられる吸引器と、
前記吸引器と前記複数の吸着槽のそれぞれとを接続する吸引配管と、
を備え、
前記吸引器が第1の導入口と第2の導入口と導出口とを有し、
前記第1の導入口及び前記導出口が前記分岐配管に沿って配置され、前記第2の導入口が前記吸引配管と接続されている、窒素富化ガス製造装置。 - 原料空気中の窒素ガス以外の成分を吸着する吸着剤が充填された第1の吸着槽と前記吸着剤が充填された第2の吸着槽と圧縮機とを用いて、窒素ガスを含む原料空気から窒素富化ガスを製造する窒素富化ガス製造方法であって、
圧縮された前記原料空気を前記第1の吸着槽内に導入して前記第1の吸着槽内を加圧し、前記原料空気中の窒素ガス以外の成分を前記第1の吸着槽内の前記吸着剤に吸着させて窒素富化ガスを得る加圧吸着工程と、
前記加圧吸着工程の後の前記第1の吸着槽内に残留するガスを前記第2の吸着槽内に導入して、前記第2の吸着槽内を加圧する第1の均圧工程と、
圧縮された前記原料空気を前記第2の吸着槽内に導入して前記原料空気中の窒素ガス以外の成分を前記第2の吸着槽内の前記吸着剤に吸着させるとともに、前記第1の吸着槽内を減圧し、前記第1の吸着槽内の前記吸着剤から窒素ガス以外の成分を脱離させて、前記第1の吸着槽内の前記吸着剤を再生する減圧再生工程と、
前記減圧再生工程の後の前記第2の吸着槽内に残留するガスを前記第1の吸着槽内に導入して、前記第1の吸着槽内を加圧する第2の均圧工程と、を有し、
前記第1の均圧工程及び前記第2の均圧工程のいずれか一方又は両方では、前記圧縮機の二次側に配置された圧縮原料空気槽に圧縮された前記原料空気を貯留し、
前記減圧再生工程では、前記圧縮原料空気槽の二次側に配置された吸引器に、前記圧縮原料空気槽に貯留されている圧縮された前記原料空気を導入することで、前記吸引器と前記第1の吸着槽及び前記第2の吸着槽のそれぞれとを接続する吸引配管を介して前記第1の吸着槽内をさらに減圧し、
前記加圧吸着工程では、前記圧縮原料空気槽に貯留されている圧縮された前記原料空気を前記吸引器に導入することで、前記吸引配管を介して前記第2の吸着槽内をさらに減圧する、窒素富化ガス製造方法。
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