JP2018177615A - 水素ガス製造装置、及び水素ガス製造方法 - Google Patents

水素ガス製造装置、及び水素ガス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アンモニアの分解反応に必要な熱量を安定的に供給することができる水素ガス製造装置、及び水素ガス製造方法を提供する。【解決手段】PSA方式によって原料ガスから水素ガスを製造する装置であって、アンモニア分解装置3と、吸着塔570A〜570Dと、アンモニア分解装置から吸着塔に原料ガスを供給する原料ガス供給ライン510と、脱圧工程または再生工程にある吸着塔から排出されるオフガスを挿通するオフガス排出ライン520と、オフガス排出ラインに設けられた第1のタンク523と、第1のタンクの二次側に設けられた第2のタンク525と、第1のタンクと第2のタンクとの間に設けられた昇圧手段524と、第1のタンクと第2のタンクとを結ぶ返送ライン580と、オフガス排出ラインで挿通されるオフガスを、アンモニア分解装置の燃料として再利用する燃料ラインL5と、を有する水素ガス製造装置。【選択図】図2

Description

本発明は、水素ガス製造装置、及び水素ガス製造方法に関する。
水素ガスを燃料電池自動車等の燃料として利用する技術が開発されている。しかし、水素ガスを大量に輸送することは困難である。たとえば、大量の水素ガスを輸送するには、水素ガスを超低温下で液化する必要があり、大量の水素ガスを常温で輸送するには、水素ガスを高圧下で圧縮する必要がある。
そこで、水素ガスを窒素ガスと反応させてアンモニアを生成してから、生成したアンモニアを大量に輸送してからユースポイントで水素ガスに分解して利用する技術の開発が進められている。当該技術分野においては、輸送先のユースポイントでアンモニアを分解して、水素ガスと窒素ガスとの混合ガスとし、当該混合ガスから水素ガスと窒素ガスとを分離して、水素ガスを利用する技術が提案されている(特許文献1,2)。
混合ガス中の水素ガスを精製する装置、及び方法として、PSA(Pressure Swing Adsorption)方式によって、水素ガスを精製する装置(以下、「PSA装置」とも記す。)に関する技術が広く知られている。特許文献1,2はいずれも、アンモニアを分解して発生した水素ガスと窒素ガスとの混合ガスを精製する装置として、PSA装置を適用することを開示している。
かかるPSA装置においては、再生工程等で排出されるオフガスには、水素ガスが含まれることが知られている。特許文献2は、再生工程等にあるPSA装置から排出されるオフガスを燃焼させて発生する熱量を、アンモニア分解装置に供給して、アンモニアの分解反応に必要な熱量を供給できること開示している。
特許第5457395号公報 特表2009−542568号公報
しかしながら、特許文献2に記載の技術にあっては、PSA装置から排気されるオフガスの流量の変動が激しく、アンモニアの分解反応に必要な熱量を安定的に供給することができない。さらに、特許文献2に記載の技術にあっては、PSA装置から排気されるオフガスに含まれる水素ガス濃度の濃度変化が激しく、アンモニアの分解反応に必要な熱量を安定的に供給することができない。よって特許文献2に記載の技術では、アンモニア分解装置の燃焼等が不十分になり、アンモニアの分解反応の反応効率が低下する。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、アンモニアの分解反応に必要な熱量を安定的に供給することができる水素ガス製造装置、及び水素ガス製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を備える。
[1] PSA方式によって原料ガスから水素ガスを製造する装置であって、アンモニアを分解して、窒素ガスと水素ガスとを含む原料ガスを生成するアンモニア分解装置と、二つ以上の吸着塔と、前記アンモニア分解装置から前記吸着塔に前記原料ガスを供給する原料ガス供給ラインと、前記吸着塔に接続され、脱圧工程または再生工程にある吸着塔から排出されるオフガスを挿通するオフガス排出ラインと、前記オフガス排出ラインに設けられ、前記オフガスを貯留する第1のタンクと、前記オフガス排出ラインのうち、前記第1のタンクの二次側の部分に設けられた第2のタンクと、前記オフガス排出ラインのうち、前記第1のタンクと前記第2のタンクとの間に設けられた昇圧手段と、前記第1のタンクと前記第2のタンクとを結ぶ返送ラインと、前記オフガス排出ラインで挿通されるオフガスを、前記アンモニア分解装置の燃料として再利用する燃料ラインと、を有する、水素ガス製造装置。
[2] 前記オフガス排出ラインと、前記返送ラインによって、前記第1のタンクと前記第2のタンクとの間で循環された前記オフガスを、前記アンモニア分解装置の燃料として再利用する[1]に記載の水素ガス製造装置。
[3] [1]又は[2]に記載の水素ガス製造装置を用いた水素ガス製造方法であって、前記吸着塔内を減圧して、吸着塔内に残存する原料ガスをオフガスとして排出する脱圧工程と、前記吸着塔内に水素ガスを導入して、吸着塔内に残存する原料ガスと、前記水素ガスとをオフガスとして排出する再生工程と、前記オフガスを、前記第1のタンクと、前記第2のタンクとの間で循環させて混合する工程と、前記オフガスを、前記アンモニア分解装置の燃料として再利用する工程と、を含み、前記再利用する工程で再利用される前記オフガスに含まれる水素ガスの濃度の変動が抑制されている水素ガス製造方法。
本発明の水素ガス製造装置、及び水素ガス製造方法によれば、アンモニアの分解反応に必要な熱量を安定的に供給することができる。
本発明を適用した実施形態に係る水素ガス製造装置の概略構成の一例を示す系統図である。 図1に示す水素ガス製造装置のうち、PSA装置の概略構成の一例を示す系統図である。 実施例1のオフガス中に含まれる水素ガス濃度、及び窒素ガス濃度の経時的変化を示す図である。 実施例2のオフガス中に含まれる水素ガス濃度、及び窒素ガス濃度の経時的変化を示す図である。 比較例1のオフガス中に含まれる水素ガス濃度、及び窒素ガス濃度の経時的変化を示す図である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「原料ガス」とは、アンモニアを分解して得られる水素ガスを含む混合ガスを意味する。原料ガスには、水素ガスの他に、不純物(窒素ガス、メタンガス、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等)が含まれている。
「再生ガス」とは、再生工程で吸着塔内に残存する不純物等を排出するために導入される、精製された水素ガスを意味する。
「オフガス」とは、脱圧工程、または再生工程にある吸着塔内から排出されるガスを意味する。
「吸着工程」とは、原料ガスに含まれる不純物を高圧下で吸着塔内に吸着させて、精製された水素ガスを回収する工程を意味する。
「脱圧工程」とは、吸着工程後の吸着塔内を減圧し、吸着塔内に残存する原料ガスを排出する工程を意味する。
「再生工程」とは、真空ポンプで吸着塔内に残存する原料ガスを排出する工程を意味する。再生工程の中でも、単に真空ポンプで吸着塔内に残存する原料ガスを排出する工程を「排気工程」と記し、真空ポンプによる排出を行いながら、吸着工程で精製した水素ガスの一部を吸着塔内に導入して、不純物を排出する工程を「排気再生工程」と記す。
「減圧均圧工程」とは、吸着工程を終えて脱圧工程を行う前の吸着塔が、再生工程を終えて吸着工程を行う前の吸着塔内に、水素ガスを導出すること工程を意味する。
「加圧均圧工程」とは、再生工程を終えて吸着工程を行う前の吸着塔が、吸着工程を終えて脱圧工程を行う前の吸着塔から、水素ガスを導入される工程を意味する。
「加圧工程」とは、加圧均圧工程が終了した吸着塔に精製された水素ガスを導入して吸着塔内を加圧する工程であり、次の吸着行程の準備のための工程である。
以下、本発明を適用した一実施形態の水素ガス製造装置、及び水素ガス製造方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
[水素ガス製造装置]
まず、本発明を適用した一実施形態である水素ガス製造装置1の構成について説明する。
図1は、水素ガス製造装置1の構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、水素ガス製造装置1は、アンモニア供給源2、アンモニア分解装置3と、アンモニア除去装置4と、PSA装置5と、空気供給源6と、ラインL1〜L6とを備えている。
以下に水素ガス製造装置1の各構成要素に関して説明する。
アンモニア供給源2は、ラインL1を介してアンモニアをアンモニア分解装置3に供給する。ラインL1は、一端がアンモニア供給源2と接続され、他端がアンモニア分解装置3と接続されている。アンモニアは、ボンベ、タンク、トラック、及びパイプライン等の公知の方法でアンモニア供給源2に供給される。
アンモニア分解装置3は、アンモニア供給源2から供給されるアンモニアを分解して、窒素ガスと水素ガスとを含む原料ガスを生成する。アンモニア分解装置は下式(1)に示されるアンモニア分解反応によって、アンモニアを窒素ガスと水素ガスとに分解する。かかる分解反応は、アンモニア分解装置3が有する反応室7で行われる。
2NH→N+3H ・・・(1)
アンモニア分解装置3は、特に制限されず、公知の反応器であってよい。例えば、アンモニア分解装置3の一例は、燃焼熱等の熱量を与えることによって上記(1)式で示されるアンモニアの分解反応を行う。そのため、アンモニア分解装置3は、反応室7に安定的に熱量を供給する。反応室7には、アンモニア分解触媒が充填されている。アンモニア分解触媒は、アンモニア分解反応を促進する。アンモニア分解触媒としては、ニッケル、及びルテニウム等の公知の触媒が挙げられる。
ラインL2は、一端がアンモニア分解装置3と接続され、他端がアンモニア除去装置4と接続されている。
アンモニア除去装置4は、アンモニア分解反応によって得られる原料ガスに含まれている未反応のアンモニアを除去する。アンモニア除去装置4は、アンモニア吸着剤、及び分離膜等の公知の分離・精製機構9を有している。
ラインL3は、一端がアンモニア除去装置4と接続され、他端がPSA装置5と接続されている。
PSA装置5は、ラインL3を介して供給される原料ガス中に含まれる水素ガスを精製する装置である。PSA装置5は、少なくとも二つ以上の吸着塔を有している。
前記原料ガスには、水素ガスの他、窒素ガス、及びメタンガス塔の不純物が含まれている。PSA装置5は、かかる不純物を原料ガスから除去して、水素ガスを精製する。
ラインL4は、PSA装置5の吸着工程にある吸着塔から精製された水素ガスを取り出すためのラインである。
ラインL5は、PSA装置5の排気工程、排気再生工程、または脱圧工程にある吸着塔から排出されるオフガスを、アンモニア分解装置3に導入し、前記アンモニア分解装置の燃料として再利用する燃料ラインである。
ラインL6は、一端が空気供給源6と接続され、他端がラインL5と接続されている。
空気供給源6は、ラインL6を介して、ラインL5に空気を導出し、オフガスに酸素ガスを混入することによって、オフガスをアンモニア分解装置3の実用的な燃料とする。
上記の様に概略構成された水素ガス製造装置1は、PSA装置5を有するので、オフガスの流量の変動を抑制し、かつ、オフガス中の水素ガス濃度の濃度変化を低減することができ、アンモニア分解装置3に安定的に熱量を供給することができる。
以下、PSA装置5について説明する。
図2は、本発明を適用した一実施形態であるPSA装置5の構成の一例を示す系統図である。
図2に示すように、PSA装置5は、原料ガス供給ライン510、オフガス排出ライン520、脱圧ライン530、水素ガス回収ライン540、再生ガス導入ライン550、均圧・加圧ライン560、第1乃至第4の吸着塔570A〜570D、真空ポンプ522、第1のタンク523、昇圧ポンプ524、第2のタンク525、バルブV−1〜V−6,V−1〜V−6,V−1〜V−6,V−1〜V−6,バルブV、及び返送ライン580を備え概略構成されている。
原料ガス供給ライン510は、一端がラインL3と接続されており、他端が第1乃至第4の供給分岐ライン511A〜511Dに分岐されている。
第1の供給分岐ライン511Aは、第1の吸着塔570Aの下端と接続された接続管571Aと接続されている。第1の供給分岐ライン511Aは、接続管571Aを介して、第1の吸着塔570Aの下端に原料ガスを供給する。
第2の供給分岐ライン511Bは、第2の吸着塔570Bの下端と接続された接続管571Bと接続されている。第2の供給分岐ライン511Bは、接続管571Bを介して、第2の吸着塔570Bの下端に原料ガスを供給する。
第3の供給分岐ライン511Cは、第3の吸着塔570Cの下端と接続された接続管571Cと接続されている。第3の供給分岐ライン511Cは、接続管571Cを介して、第3の吸着塔570Cの下端に原料ガスを供給する。
第4の供給分岐ライン511Dは、第4の吸着塔570Dの下端と接続された接続管571Dと接続されている。第4の供給分岐ライン511Dは、接続管571Cを介して、第4の吸着塔570Dの下端に原料ガスを供給する。
オフガス排出ライン520は、再生中の各吸着塔から排出されるオフガスを挿通する。
オフガス排出ライン520は、一端が第1乃至第4の排出分岐ライン521A〜521Dに分岐されており、他端が、ラインL5を介して、アンモニア分解装置3と接続されている。
第1の排出分岐ライン521Aは、接続管571Aと接続されている。第1の排出分岐ライン521Aは、接続管571Aを介して、第1の吸着塔570Aの下端から排出されるオフガスを挿通する。
第2の排出分岐ライン521Bは、接続管571Bと接続されている。第2の排出分岐ライン521Bは、接続管571Bを介して、第2の吸着塔570Bの下端から排出されるオフガスを挿通する。
第3の排出分岐ライン521Cは、接続管571Cと接続されている。第3の排出分岐ライン521Cは、接続管571Cを介して、第3の吸着塔570Cの下端から排出されるオフガスを挿通する。
第4の排出分岐ライン521Dは、接続管571Dと接続されている。第4の排出分岐ライン521Dは、接続管571Dを介して、第4の吸着塔570Dの下端から排出されるオフガスを挿通する。
本実施形態に係る水素ガス精製装置1では、第1乃至第4の排出分岐ライン521A〜521Dは、各吸着塔の下端に接続されており、オフガス排出ライン520は、第1乃至第4の排出分岐ライン521A〜521Dを介して、各吸着塔に、接続される。なお、各吸着塔が再生工程にあるとき、各吸着塔の上端が一次側であり、各吸着塔の下端が二次側(すなわち、オフガスの排出口側)となる。
オフガス排出ライン520には、真空ポンプ522と、第1のタンク523と、昇圧ポンプ524と、第2のタンク525とが、この順で直列に設けられている。
第2のタンク525は、オフガス排出ライン520のうち、第1のタンク523の二次側の部分に設けられている。昇圧ポンプ524は、オフガス排出ライン520のうち、第1のタンク523と第2のタンク525との間の部分に設けられている。
真空ポンプ522は、オフガス排出ライン520のうち、第1乃至第4の排出分岐ライン521A〜521Dの分岐位置と第1のタンク523との間に設けられている。真空ポンプ522は、オフガス排出ライン520を介して、第1乃至第4の吸着塔570A〜570D内を吸引することで、オフガスを第1のタンク523に導く。
第1のタンク523は、オフガス排出ライン520に設けられている。具体的には、第1のタンク523は、オフガス排出ライン520のうち、真空ポンプ522と昇圧ポンプ524との間に設けられている。第1のタンク523は、オフガス排出ライン520を介して、第1乃至第4の吸着塔570A〜570Dから排出されたオフガスを一時的に貯留するタンクである。第1のタンク523は、オフガスを一時的に貯留した後、第2のタンク525にオフガスを供給する。なお、図示はしないが、第1のタンク523は圧力計を有してもよい。
昇圧ポンプ524は、オフガス排出ライン520のうち、第1のタンク523と第2のタンク525との間に設けられている。昇圧ポンプ524は、オフガス排出ライン520を介して、第1のタンク523内に一時的に貯留されたオフガスを昇圧する昇圧手段の一例である。昇圧ポンプ524によって昇圧されたオフガスは、第1のタンク523から第2のタンク525に圧送される。
第2のタンク525は、オフガス排出ライン520のうち、第1のタンク523の二次側の部分に設けられている。具体的には、第2のタンク525は、オフガス排出ライン520のうち、昇圧ポンプ524とラインL5との間に設けられている。第2のタンク525は、第1のタンク523を介して供給されたオフガスを一定の圧力に維持しながら貯留する。
第2のタンク525は、貯留されたオフガスを燃料ガスとして、ラインL5を介してアンモニア分解装置3に供給する。なお、図示はしないが、第2のタンク525は圧力計を有してもよい。
水素ガス生成装置1の運転中には、第1のタンク523内の圧力は、大気圧程度に維持されていることが好ましい。特に、各吸着塔の少なくとも1つが脱圧工程、または再生工程の少なくとも一方を行っている間に、第1のタンク523内の圧力が大気圧程度に維持されていることが好ましい。この場合、真空ポンプ522の二次側の圧力である背圧が大気圧程度に維持され、真空ポンプ522が正常に動作して各吸着塔内を吸引し、吸着塔内の不純物が脱離しやすくなる。
なお、大気圧程度の圧力とは、大気圧より50PaG小さい圧力値を下限値とし、大気圧より50PaG大きい圧力値を上限値とする数値範囲にある圧力をいう。
第1のタンク内の圧力が大気圧程度に維持されやすくなる観点から、第1のタンク523の容積は第2のタンク525の容積より、大きいことが好ましい。
第1のタンク523、及び第2のタンク525は、水素ガスが各タンクの外部に漏れるのを防ぐために、気密性を有していることが好ましい。
なお、第2のタンク525内の圧力は、オフガスを一定の圧力に維持しながら貯留しやすくなるため、第1のタンク523内の圧力より高く維持されている。
脱圧ライン530は、一端が第1乃至第4の脱圧分岐ライン531A〜531Dに分岐されており、他端が、第1のタンク523と接続されている。第1の脱圧分岐ライン531Aは、接続管571Aを介して、第1の吸着塔570Aの下端から排出されるオフガスを挿通する。
第2の脱圧分岐ライン531Bは、接続管571Bと接続されている。第2の脱圧分岐ライン531Bは、接続管571Bを介して、第2の吸着塔570Bの下端から排出されるオフガスを挿通する。
第3の脱圧分岐ライン,531Cは、接続管571Cと接続されている。第3の脱圧分岐ライン531Cは、接続管571Cを介して、第3の吸着塔570Cの下端から排出されるオフガスを挿通する。
第4の脱圧分岐ライン,531Dは、接続管571Dと接続されている。第4の脱圧分岐ライン531Dは、接続管571Dを介して、第4の吸着塔570Dの下端から排出されるオフガスを挿通する。
脱圧ライン530には、流量調節バルブ532が設けられている。
流量調節バルブ532は、脱圧ライン530のうち、第1乃至第4の脱圧分岐ライン531A〜531Dの分岐位置と第1のタンク523との間に設けられている。流量調節バルブ532は、脱圧ライン530が挿通するオフガスの流量を制御する。
水素ガス回収ライン540は、一端が第1乃至第4の回収分岐ライン541A〜541Dに分岐されており、他端が、水素ガス貯蔵タンク542と接続されている。
第1の回収分岐ライン541Aは、接続管572Aと接続されている。第1の回収分岐ライン541Aは、接続管572Aを介して、第1の吸着塔570Aの上端から精製された水素ガスを回収する。
第2の回収分岐ライン541Bは、接続管572Bと接続されている。第2の回収分岐ライン541Bは、接続管572Bを介して、第2の吸着塔570Bの上端から精製された水素ガスを回収する。
第3の回収分岐ライン541Cは、接続管572Cと接続されている。第3の回収分岐ライン541Cは、接続管572Cを介して、第3の吸着塔570Cの上端から精製された水素ガスを回収する。
第4の回収分岐ライン541Dは、接続管572Dと接続されている。第4の回収分岐ライン541Dは、接続管572Dを介して、第4の吸着塔570Dの上端から精製された水素ガスを回収する。
再生ガス導入ライン550は、一端が第1乃至第4の導入分岐ライン551A〜551Dに分岐されており、他端が、水素ガス回収ライン540のうち、第1乃至第4の回収分岐ライン541A〜541Dの分岐位置と、水素ガス貯蔵タンク542との間に位置する接続点543で、接続されている。第1の導入分岐ライン551Aは、接続管572Aと接続されている。第1の導入分岐ライン551Aは、接続管572Aを介して、第1の吸着塔570Aの上端に再生ガスを導入する。
第2の導入分岐ライン551Bは、接続管572Bと接続されている。第2の導入分岐ライン551Bは、接続管572Bを介して、第2の吸着塔570Bの上端に再生ガスを導入する。
第3の導入分岐ライン551Cは、接続管572Cと接続されている。第3の導入分岐ライン551Cは、接続管572Cを介して、第3の吸着塔570Cの上端に再生ガスを導入する。
第4の導入分岐ライン551Dは、接続管572Dと接続されている。第4の導入分岐ライン551Dは、接続管572Dを介して、第4の吸着塔570Dの上端に再生ガスを導入する。
再生ガス導入ライン550には、流量調節バルブ552が設けられている。
流量調節バルブ552は、再生ガス導入ライン550のうち、第1乃至第4の導入分岐ライン551A〜551Dの分岐位置と、接続点543との間に設けられている。流量調節バルブ552は、水素ガス貯蔵タンク542から、接続点543、及び再生ガス導入ライン550を介して、第1乃至第4の吸着塔570A〜570Dに導入される再生ガスの流量を制御する。
均圧・加圧ライン560は、一端が第1乃至第4の均圧分岐ライン561A〜561Dに分岐されており、他端が、水素ガス回収ライン540のうち、第1乃至第4の回収分岐ライン541A〜541Dの分岐位置と、接続点543との間に位置する接続点544で、接続されている。
第1の均圧分岐ライン561Aは、接続管572Aと接続されている。第2の均圧分岐ライン561Bは、第2の接続管572Bと接続されている。第3の均圧分岐ライン561Cは、接続管572Cと接続されている。第4の均圧分岐ライン561Dは、接続管572Dと接続されている。
均圧・加圧ライン560には、流量調節バルブ562が設けられている。
流量調節バルブ562は、均圧・加圧ライン560のうち、接続点544と、後述する加圧バルブ563との間に設けられている。流量調節バルブ562は、均圧・加圧ライン560内のガスの流量を調節する。
均圧・加圧ライン560には、加圧バルブ563が設けられている。
加圧バルブ563は、均圧・加圧ライン560のうち、第1乃至第4の均圧分岐ライン561A〜561Dの分岐位置と、流量調節バルブ562との間に設けられている。加圧バルブ563は、水素ガス貯蔵タンク542から、接続点544、及び均圧・加圧ライン560を介して高圧の水素ガスを導入して、第1乃至第4の吸着塔570A〜570Dを加圧する。
第1の吸着塔570Aは、その下端が接続管571Aと接続されており、上端が接続管572Aと接続されている。第1の吸着塔570A内には、吸着剤573Aが充填されている。
第2の吸着塔570Bは、その下端が接続管571Bと接続されており、上端が接続管572Bと接続されている。第1の吸着塔570B内には、吸着剤573Bが充填されている。
第3の吸着塔570Cは、その下端が接続管571Cと接続されており、上端が接続管572Cと接続されている。第3の吸着塔570C内には、吸着剤573Cが充填されている。
第4の吸着塔570Dは、その下端が接続管571Dと接続されており、上端が接続管572Dと接続されている。第4の吸着塔570D内には、吸着剤573Dが充填されている。
吸着剤573A〜573Dとしては、アンモニアを分解して得られる原料ガスに含まれる水素以外の不純物ガス(窒素ガス、メタンガス、水蒸気、アンモニア、一酸化炭素ガス、二酸化炭素ガス等)を選択的に吸着できる剤が好ましい。具体的には、吸着剤573A〜573Dとしては、活性炭、活性アルミナ、ゼオライト等を用いることができ、これらは一種を単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。これらの中でも吸着剤573A〜573Dとしては、ゼオライトが好ましい。
ゼオライトとしては、A型ゼオライト又はX型ゼオライトが好ましく、リチウム又はカルシウムでイオン交換されていることがより好ましい。吸着剤573A〜573Dにリチウム又はカルシウムでイオン交換されたA型ゼオライト又はX型ゼオライトが含まれていると、メタンガス、及び窒素ガス等が除去されるため好ましい。
吸着剤573A〜573Dとしては、少なくとも二種以上の吸着剤を積層して充填することが好ましい。少なくとも二層以上に積層して充填することにより、各層で異なる種類の不純物ガスを除去し、両成分を効率的に除去することができる。
返送ライン580は、第1のタンク523と第2のタンク525とを結ぶ。返送ライン580は、第2のタンク525から、第1のタンク523にオフガスを導出する。
バルブV−1は、第1の供給分岐ライン511Aに設けられている。バルブV−2は、第1の排出分岐ライン521Aに設けられている。バルブV−3は、第1の脱圧分岐ライン531Aに設けられている。
バルブV−4は、第1の回収分岐ライン541Aに設けられている。バルブV−5は、第1の導入分岐ライン551Aに設けられている。バルブV−6は、第1の均圧分岐ライン561Aに設けられている。
バルブV−1は、第2の供給分岐ライン511Bに設けられている。バルブV−2は、第2の排出分岐ライン521Bに設けられている。バルブV−3は、第2の脱圧分岐ライン531Bに設けられている。
バルブV−4は、第2の回収分岐ライン541Bに設けられている。バルブV−5は、第2の導入分岐ライン551Bに設けられている。バルブV−6は、第2の均圧分岐ライン561Bに設けられている。
バルブV−1は、第3の供給分岐ライン511Cに設けられている。バルブV−2は、第3の排出分岐ライン521Cに設けられている。バルブV−3は、第3の脱圧分岐ライン531Cに設けられている。
バルブV−4は、第3の回収分岐ライン541Cに設けられている。バルブV−5は、第3の導入分岐ライン551Cに設けられている。バルブV−6は、第3の均圧分岐ライン561Cに設けられている。
バルブV−1は、第4の供給分岐ライン511Dに設けられている。バルブV−2は、第4の排出分岐ライン521Dに設けられている。バルブV−3は、第4の脱圧分岐ライン531Dに設けられている。
バルブV−4は、第4の回収分岐ライン541Dに設けられている。バルブV−5は、第4の導入分岐ライン551Dに設けられている。バルブV−6は、第4の均圧分岐ライン561Dに設けられている。
バルブVは、返送ライン580に設けられている。バルブVは、第2のタンク525から第1のタンク523に導出されるオフガスの圧力、及びオフガスの流量の少なくとも一方を調節する。バルブVとしては、例えば、流量コントロール用のニードルバルブ、または圧力調節器等を用いることができる。
バルブVでオフガスの圧力、及びオフガスの流量の少なくとも一方を調節することにより、アンモニア分解装置3のアンモニアの分解反応、及びオフガスの燃焼反応等の状態に合わせて、オフガス中の水素ガス濃度を制御することができ、アンモニアの分解反応に必要な熱量を安定的に供給することができる。
実施形態の水素ガス製造装置1は、返送ライン580と、オフガス排出ライン520によって、第1のタンク523と第2のタンク525との間で循環されたオフガスを、ラインL5に導出し、アンモニア分解装置の燃料として再利用する。
PSA装置5が有する吸着塔の数は、実施形態のように、4つの吸着塔を有する形態に限定されない。すなわち、吸着塔の数は、4に限定されない。水素ガスの精製効率、及び原料ガスの圧力変動を抑制する観点から、吸着塔の数は2〜8が好ましく、装置が複雑にならない点で2〜4がより好ましい。
[水素ガス製造方法]
次に、上述した水素ガス製造装置1を用いた、本実施形態の水素ガス製造方法の一例について、説明する。
以下、図1を参照して、本実施形態の水素ガス製造方法について、具体的に説明する。
実施形態の水素ガス製造方法は、上述の水素ガス製造装置1を用いた水素ガス製造方法であって、前記吸着塔内を減圧して、吸着塔内に残存する原料ガスをオフガスとして排出する脱圧工程と、前記吸着塔内に水素ガスを導入して、吸着塔内に残存する原料ガスと、前記水素ガスとをオフガスとして排出する再生工程と、前記オフガスを、前記第1のタンクと、前記第2のタンクとの間で循環させて混合する工程と、前記オフガスを、前記アンモニア分解装置の燃料として再利用する工程と、を含み、前記再利用する工程で再利用される前記オフガスに含まれる水素ガスの濃度の変動が抑制されている。
アンモニア供給源2に貯蔵されたアンモニアは、ラインL1を介して、アンモニア分解装置3に導入される。
原料ガスは、アンモニア分解装置3で、下式(1)に示されるアンモニア分解反応によって、生成される。
2NH→N+3H ・・・(1)
アンモニア分解装置3で生成された原料ガスには、アンモニア分解装置3で分解されなかった未反応のアンモニアが含まれている。かかる未反応のアンモニアは、ラインL2を介してアンモニア除去装置4に導入され、分離・精製機構9によって原料ガスから除去される。
未反応のアンモニアが除去された原料ガスは、ラインL3を介して、PSA装置5に導入される。原料ガスに含まれる水素ガス以外の不純物(窒素ガス、メタンガス、一酸化炭素ガス、及び二酸化炭素ガス等)は、PSA装置5によって、除去され、高純度の水素ガスが製造される。高純度の水素ガスはラインL5を介して、PSA装置5から回収される。
実施形態の水素ガス製造方法では、PSA装置5が有する少なくとも2つ以上の吸着塔が脱圧工程または再生工程にある吸着塔からオフガスが排出される。再生工程では、製造された水素ガスの一部を吸着塔内に再生ガスとして導入しているので、かかるオフガスには、水素ガスが含まれている。よってオフガスに空気を混入し、燃焼させて発生する熱量をアンモニア分解装置3によるアンモニアの分解反応に利用することができる。オフガスの燃焼を行うことによって、再生ガスを有効利用でき、水素回収(利用)率を実質的に100%とすることができる。
オフガスの燃焼に際しては、空気は空気供給源6からラインL6を介して、ラインL5で混入される。
以下、図2を参照して、PSA装置5による、不純物の除去工程について具体的に説明する。
表1は本実施形態の水素ガス製造方法のうちPSA装置5による、不純物の除去工程を説明するための表である。以下、表1に示す各状態S1〜20について順番に説明する。なお、表1中、網掛けを施された部分の期間は、該当するバルブが開いている状態を示し、網掛けが施されていない部分の期間は、バルブが閉じている状態を示す。
Figure 2018177615
表1に示すように、PSA装置5による不純物の除去は、各吸着塔で、吸着工程と、均圧工程と、脱圧工程と、排気工程と、排気再生工程と、加圧工程との各工程を繰り返すことによって行われる。ここでは一例として、表1中、PSA装置5の状態が表1に示すS1〜20の各状態にあるときを説明する。ここでは、状態S1の前に、第1の吸着塔570Aでは加圧工程が行われ、第2の吸着塔570Bでは排気再生工程が行われ、第3の吸着塔570Cでは脱圧工程が行われ、第4の吸着塔570Dでは吸着工程が行われていた場合を一例として以下の説明を行う。
まず、図1に示すすべてのバルブV−1〜V−6,V−1〜V−6,V−1〜V−6,V−1〜V−6を閉じた状態から、PSA装置5が表1の状態S1となるように、バルブV−1、バルブV−4、バルブV−6、バルブV−2、及びバルブV−6を開く。
このとき、第1の吸着塔570Aは、その下端が原料ガス供給ライン510と接続され、上端が水素ガス回収ライン540と接続されている。よって、状態S1では、原料ガスが、アンモニア除去装置4から、ラインL3、原料ガス供給ライン510、第1の供給分岐ライン511A、バルブV−1、及び接続管571Aを介して、第1の吸着塔570Aの下端から吸着剤573Aに供給され、第1の吸着塔570A内が加圧される。第1の吸着塔570Aに供給された原料ガスに含まれる不純物は、高圧下で吸着剤573Aに吸着される。こうして原料ガスから不純物が除去され、第1の吸着塔570Aから接続管571A、バルブV−4、及び第1の回収分岐ライン541Aを介して、精製された水素ガスが回収される。すなわち、状態S1にある第1の吸着塔570Aでは、精製された水素ガスを回収する吸着工程が行われている。
第3の吸着塔570Cには、脱圧工程を経て減圧された原料ガス(0.01MPaG程度)が残存している。そこでバルブV−2を開くことにより、第3の吸着塔570Cの下端がオフガス排出ライン520と接続される。すると、当該原料ガスは、真空ポンプ522によって第3の吸着塔570Cから、接続管571C、バルブV−2、及び第3の排出分岐ライン521C、及びオフガス排出ライン520を介して、第1のタンク523に、オフガスとして排出される。すなわち、状態S1では、第3の吸着塔570Cで、排気工程が行われている。
バルブV−6を開くことにより、第4の吸着塔570D内から、高圧の水素ガスが導出される。この高圧の水素ガスは、接続管572D,第4の均圧分岐ライン561D、及びバルブV−6を介して、均圧・加圧ライン560に導出される。一方、バルブV−6を開くことにより、排気再生工程を終えた第2の吸着塔570Bは、均圧・加圧ライン560に接続される。そのため、第4の吸着塔570D内から導出された高圧の水素ガスは、均圧・加圧ライン560から、第2の均圧分岐ライン561B、バルブV−6、及び接続管572Bを介して、第2の吸着塔570Bに導出される。よって、高圧の水素ガスが第4の吸着塔570D内から導出されると、第4の吸着塔570D内の圧力は、第2の吸着塔570B内の圧力と均圧になるまで、減圧される。同時に、第2の吸着塔570B内の圧力は、第4の吸着塔570A内の圧力と均圧になるまで、加圧される。
以上説明したように、状態S1にある第4の吸着塔570Dでは、減圧均圧工程が行われており、第2の吸着塔570Bでは、加圧均圧工程が行われている。
状態S1の時間は、t秒である。tは例えば、1〜10秒とすることができる。
次に、表1の状態S2となるように、状態S1のときに開けたバルブV−6を閉じ、状態S1のときに開けたバルブV−1、バルブV−4、バルブV−6、及びバルブV−2を開いたまま、バルブV−5、及びバルブV−3を開き、加圧バルブ563を稼働する。
バルブV−6を閉じることにより、第4の吸着塔570Dでは減圧均圧工程が終了する。
バルブV−2を開いたまま、バルブV−5を開くことにより、第3の吸着塔570Cは、その下端がオフガス排出ライン520と接続され、上端が再生ガス導入ライン550と接続される。このとき、再生ガスが、水素ガス貯蔵タンク542から、接続点543、再生ガス導入ライン550、第3の導入分岐ライン551C、バルブV−5、及び接続管572Cを介して、第3の吸着塔570Cの上端から吸着剤573Cに導入される。よって、第3の吸着塔570C内に残存する原料ガスと、吸着剤から脱離させた不純物とが、再生ガスとともに、接続管571C、バルブV−2、及び第3の排出分岐ライン521Cを介して、第1のタンク523にオフガスとして排出される。すなわち、状態S2では、第3の吸着塔570Cでは、排気再生工程が行われている。
バルブV−3を開くことにより、第4の吸着塔570Dの下端が脱圧ライン530と接続される。すると、第4の吸着塔570Dに残存していた相対的に高圧の原料ガスは減圧される。そのため、吸着剤573Dに吸着された不純物は吸着剤573Dから脱離する。脱離した不純物は、第4の吸着塔570Dから、接続管571D、第4の脱圧分岐ライン531D、バルブV−3、脱圧ライン530、及び流量調節バルブ532を介して、第1のタンク523に排出される。すなわち、状態S2では第4の吸着塔570Dで、脱圧工程が行われている。
加圧バルブ563を稼働することにより、水素ガス貯蔵タンク542から、接続点544、均圧・加圧ライン560、第2の均圧分岐ライン561B、バルブV−6、及び接続管572Bを介して、高圧の水素ガスが第2の吸着塔570Bに導入される。第2の吸着塔570Bは、高圧の水素ガスの導入によって、加圧され、次の吸着工程の準備が行われる。すなわち、状態S2では第2の吸着塔570Bでは、加圧工程が行われている。状態S2の時間は、t秒である。tは例えば、10〜120秒とすることができる。
次に、表1の状態S3となるように、状態S2のときに開けたバルブV−3を閉じる。これにより、第4の吸着塔570Dで脱圧工程が終了する。状態S3の時間は、t秒である。tは例えば、10〜120秒とすることができる。
状態S1〜S3を通して、第1の吸着塔570Aでは、吸着工程が行われている。そのため、状態S1〜S3を通して、第1の吸着塔570Aの上端から、精製された水素ガスが回収されている。
吸着工程にある第1の吸着塔570A内の圧力は、一般的なPSA方式の吸着工程における圧力(0.1〜1.0MPaG程度)と同程度でよく、特に制限されない。
状態S2,S3を通して、第2の吸着塔570Bでは、加圧工程が行われている。状態S2,S3の間は、第2の吸着塔570Bが加圧され、吸着工程を行うための準備が行われる。
状態S2,S3を通して、第3の吸着塔570Cでは、再生工程のうち、排気再生工程が行われている。状態S2,S3の間は、第3の吸着塔570Cでは、真空ポンプ522による排出を行いながら、再生ガスを吸着塔内に導入して、不純物が排出される。排気再生工程を行うことによって、吸着剤573Cの吸着能が回復され、製造される水素ガスの純度の低下が防がれる。
実施形態の水素ガス製造方法では、状態S1〜S3を通して、第3の吸着塔570Cで真空ポンプ522による排気を伴う再生工程が行われ、オフガスが第1のタンク523に排出されている。さらに、状態S2では、排気再生工程が第3の吸着塔570Cで開始されると同時に、第4の吸着塔570Dで脱圧工程が行われる。これにより後述するオフガスをアンモニア分解装置の燃料として再利用する工程で、燃料中の水素ガスの濃度の変動を抑制しやすくなる。
真空ポンプ522の背圧が大気圧より高くならないようにする観点から、第1のタンク523に排出されたオフガスは、昇圧ポンプ524によって第2のタンク525に圧送される。オフガスは、第2のタンク525で一定の圧力に保たれる。
実施形態の水素ガス製造方法は、オフガスを第1のタンク523と、第2のタンク525との間で循環させて混合する工程を含む。具体的には、第2のタンク525で貯留されたオフガスは、返送ライン580を介して、バルブVで圧力、及び流量の少なくとも一方が調節され、第1のタンク523に返送され、さらに、オフガス排出ライン520を介して、昇圧ポンプ524によって第2のタンク525に圧送される。すなわち、第2のタンク525で貯留されたオフガスは、返送ライン580、第1のタンク523、及びオフガス排出ライン520を介して、第1のタンクと、第2のタンクの間を循環する。実施形態の水素ガス製造方法では、オフガスを第1のタンク523と、第2のタンク525の間で循環させて混合することにより、オフガス中の水素ガスの濃度の変動が抑制されている。
かかるオフガスの循環は、状態S1〜S3を通して行われることが好ましいが、これに限定されず、バルブVで圧力、及び流量の少なくとも一方を調節し、状態S1〜S3のうち少なくとも1つ以上の状態で、行われてもよい。
次に、表1の状態S4となるように、バルブV−1、バルブV−4、バルブV−6、バルブV−2、及びバルブV−5を閉じ、バルブV−1、バルブV−4、バルブV−6、バルブV−2、及びバルブV−6を開き、加圧バルブ563の稼働を停止する。これにより、第1の吸着塔570Aで吸着工程が終了し、第2の吸着塔570Bで加圧工程が終了し、第3の吸着塔570Cで排気再生工程が終了する。
状態S4では、第1の吸着塔570Aでは、状態S1で説明した第4の吸着塔570Dと同様に、減圧均圧工程が行われている。
状態S4では、第2の吸着塔570Bでは、状態S1で説明した第1の吸着塔570Aと同様に、吸着工程が行われている。
状態S4では、第3の吸着塔570Cでは、状態S1で説明した第2の吸着塔570Bと同様に、加圧均圧工程が行われている。
第4の吸着塔570Dには、状態S2の脱圧工程を経て減圧された原料ガスが残存している。そこでバルブV−2を開くと、状態S1で説明した第3の吸着塔570Cと同様に、当該原料ガスは、第4の吸着塔570Dから、第1のタンク523に、オフガスとして排出される。すなわち、状態S4では、第4の吸着塔570Dで、排気工程が行われている。
状態S4の時間は、t秒である。tは例えば、1〜10秒とすることができる。
次に、表1の状態S5となるように、状態S4のときに開けたバルブV−6を閉じ、状態S4のときに開けたバルブV−1、バルブV−4、バルブV−6、及びバルブV−2を開いたまま、バルブV−5、及びバルブV−3を開き、加圧バルブ563を稼働する。
バルブV−6を閉じ、バルブV−3を開くことにより、第1の吸着塔570Aでは減圧均圧工程が終了し、状態S2で説明した第4の吸着塔570Dと同様に、脱圧工程が開始される。
バルブV−2を開いたまま、バルブV−5を開くことにより、状態S2で説明した第3の吸着塔570Cと同様に、第4の吸着塔570Dでは、排気再生工程が開始される。排気再生工程によって、吸着剤573Dの吸着能が回復され、製造される水素ガスの純度の低下が防がれる。
状態S5では、第2の吸着塔570Bでは、状態S2で説明した第1の吸着塔570Aと同様に、吸着工程が行われている。
状態S5では、第3の吸着塔570Cでは、状態S2で説明した第2の吸着塔570Bと同様に、加圧工程が行われている。状態S5の時間は、t秒である。tは例えば、10〜120秒とすることができる。
次に、表1の状態S6となるように、状態S5のときに開けたバルブV−3を閉じる。これにより、第1の吸着塔570Aで脱圧工程が終了する。
状態S6では、第2の吸着塔570Bでは、状態S3で説明した第1の吸着塔570Aと同様に、吸着工程が行われている。
状態S6では、第3の吸着塔570Cでは、状態S3で説明した第2の吸着塔570Bと同様に、加圧工程が行われている。
状態S6では、第4の吸着塔570Dでは、状態S3で説明した第3の吸着塔570Cと同様に、排気再生工程が行われている。状態S6の時間は、t秒である。tは例えば、10〜120秒とすることができる。
状態S4〜S6を通して、第2の吸着塔570Bでは、状態S1〜S3にある第1の吸着塔570Aと同様に、吸着工程が行われている。つまり、状態S4〜S6を通して、第2の吸着塔570Bの上端から、精製された水素ガスが回収されている。
吸着工程にある第2の吸着塔570B内の圧力は、特に制限されず、0.1〜1.0MPaG程度であってよい。
状態S5,S6を通して、第3の吸着塔570Cでは、加圧工程が行われている。状態S5,S6の間は、第3の吸着塔570Cが加圧され、吸着工程を行うための準備が行われる。
状態S5,S6を通して、第4の吸着塔570Dでは、再生工程のうち、排気再生工程が行われている。状態S5,S6の間は、第4の吸着塔570Dでは、真空ポンプ522による排出を行いながら、再生ガスを吸着塔内に導入して、不純物が排出される。排気再生工程を行うことによって、吸着剤573Dの吸着能が回復され、製造される水素ガスの純度の低下が防がれる。
実施形態の水素ガス製造方法では、状態S4〜S6を通して、第4の吸着塔570Dで真空ポンプ522による排気を伴う再生工程が行われ、オフガスが第1のタンク523に排出されている。さらに、状態S5では、排気再生工程が第4の吸着塔570Dで開始されると同時に、第1の吸着塔570Aで脱圧工程が行われる。これにより後述するオフガスをアンモニア分解装置の燃料として再利用する工程で、燃料中の水素ガスの濃度の変動を抑制しやすくなる。
真空ポンプ522の背圧が大気圧より高くならないようにする観点から、第1のタンク523に排出されたオフガスは、昇圧ポンプ524によって第2のタンク525に圧送される。オフガスは、第2のタンク525で一定の圧力に保たれる。
実施形態の水素ガス製造方法は、オフガスを第1のタンク523と、第2のタンク525との間で循環させて混合する工程を含む。具体的には、第2のタンク525で貯留されたオフガスは、返送ライン580を介して、バルブVで圧力、及び流量の少なくとも一方が調節され、第1のタンク523に返送され、さらに、オフガス排出ライン520を介して、昇圧ポンプ524によって第2のタンク525に圧送される。すなわち、第2のタンク525で貯留されたオフガスは、返送ライン580、第1のタンク523、及びオフガス排出ライン520を介して、第1のタンクと、第2のタンクの間を循環する。実施形態の水素ガス製造方法では、オフガスを第1のタンク523と、第2のタンク525の間で循環させて混合することにより、オフガス中の水素ガスの濃度の変動が抑制されている。
かかるオフガスの循環は、状態S4〜S6を通して行われることが好ましいが、これに限定されず、バルブVで圧力、及び流量の少なくとも一方を調節し、状態S4〜S6のうち少なくとも1つ以上の状態で、行われてもよい。
次に、表1の状態S7となるように、バルブV−1、バルブV−4、バルブV−6、バルブV−2、及びバルブV−5を閉じ、バルブV−1、バルブV−4、バルブV−6、バルブV−2、及びバルブV−6を開き、加圧バルブ563の稼働を停止する。これにより、第2の吸着塔570Bで吸着工程が終了し、第3の吸着塔570Cで加圧工程が終了し、第4の吸着塔570Dで排気再生工程が終了する。
状態S7では、第1の吸着塔570Aでは、状態S1で説明した第3の吸着塔570Cと同様に、排気工程が行われている。
状態S7では、第2の吸着塔570Bでは、状態S1で説明した第4の吸着塔570Dと同様に、減圧均圧工程が行われている。
状態S7では、第3の吸着塔570Cでは、状態S1で説明した第1の吸着塔570Aと同様に、吸着工程が行われている。
状態S7では、第4の吸着塔570Dでは、状態S1で説明した第2の吸着塔570Bと同様に、加圧均圧工程が行われている。
状態S7の時間は、t秒である。tは例えば、1〜10秒とすることができる。
次に、表1の状態S8となるように、状態S7のときに開けたバルブV−6を閉じ、状態S7のときに開けたバルブV−1、バルブV−4、バルブV−6、及びバルブV−2を開いたまま、バルブV−5、及びバルブV−3を開き、加圧バルブ563を稼働する。
バルブV−6を閉じ、バルブV−3を開くことにより、第2の吸着塔570Bでは減圧均圧工程が終了し、状態S2で説明した第4の吸着塔570Dと同様に、脱圧工程が開始される。
バルブV−2を開いたまま、バルブV−5を開くことにより、状態S2で説明した第3の吸着塔570Cと同様に、第1の吸着塔570Aでは、排気再生工程が開始される。排気再生工程によって、吸着剤573Aの吸着能が回復され、製造される水素ガスの純度の低下が防がれる。
状態S8では、第3の吸着塔570Cでは、状態S2で説明した第1の吸着塔570Aと同様に、吸着工程が行われている。
状態S8では、第4の吸着塔570Dでは、状態S2で説明した第2の吸着塔570Bと同様に、加圧工程が行われている。状態S8の時間は、t秒である。tは例えば、10〜120秒とすることができる。
次に、表1の状態S9となるように、状態S8のときに開けたバルブV−3を閉じる。これにより、第2の吸着塔570Bで脱圧工程が終了する。
状態S9では、第3の吸着塔570Cでは、状態S3で説明した第1の吸着塔570Aと同様に、吸着工程が行われている。
状態S9では、第4の吸着塔570Dでは、状態S3で説明した第2の吸着塔570Bと同様に、加圧工程が行われている。
状態S9では、第1の吸着塔570Aでは、状態S3で説明した第3の吸着塔570Cと同様に、排気再生工程が行われている。状態S9の時間は、t秒である。tは例えば、10〜120秒とすることができる。
状態S7〜S9を通して、第3の吸着塔570Cでは、状態S1〜S3にある第1の吸着塔570Aと同様に、吸着工程が行われている。つまり、状態S7〜S9を通して、第3の吸着塔570Cの上端から、精製された水素ガスが回収されている。
吸着工程にある第3の吸着塔570C内の圧力は、特に制限されず、0.1〜1.0MPaG程度であってよい。
状態S8,S9を通して、第4の吸着塔570Dでは、加圧工程が行われている。状態S8,S9の間は、第4の吸着塔570Dが加圧され、吸着工程を行うための準備が行われる。
状態S8,S9を通して、第1の吸着塔570Aでは、再生工程のうち、排気再生工程が行われている。状態S8,S9の間は、第1の吸着塔570Aでは、真空ポンプ522による排出を行いながら、再生ガスを吸着塔内に導入して、不純物が排出される。排気再生工程を行うことによって、吸着剤573Aの吸着能が回復され、製造される水素ガスの純度の低下が防がれる。
実施形態の水素ガス製造方法では、状態S7〜S9を通して、第1の吸着塔570Aで真空ポンプ522による排気を伴う再生工程が行われ、オフガスが第1のタンク523に排出されている。さらに、状態S8では、排気再生工程が第1の吸着塔570Aで開始されると同時に、第2の吸着塔570Bで脱圧工程が行われる。これにより後述するオフガスをアンモニア分解装置の燃料として再利用する工程で、燃料中の水素ガスの濃度の変動を抑制しやすくなる。
真空ポンプ522の背圧が大気圧より高くならないようにする観点から、第1のタンク523に排出されたオフガスは、昇圧ポンプ524によって第2のタンク525に圧送される。オフガスは、第2のタンク525で一定の圧力に保たれる。
実施形態の水素ガス製造方法は、オフガスを第1のタンク523と、第2のタンク525との間で循環させて混合する工程を含む。具体的には、第2のタンク525で貯留されたオフガスは、返送ライン580を介して、バルブVで圧力、及び流量の少なくとも一方が調節され、第1のタンク523に返送され、さらに、オフガス排出ライン520を介して、昇圧ポンプ524によって第2のタンク525に圧送される。すなわち、第2のタンク525で貯留されたオフガスは、返送ライン580、第1のタンク523、及びオフガス排出ライン520を介して、第1のタンクと、第2のタンクの間を循環する。実施形態の水素ガス製造方法では、オフガスを第1のタンク523と、第2のタンク525の間で循環させて混合することにより、オフガス中の水素ガスの濃度の変動が抑制されている。
かかるオフガスの循環は、状態S7〜S9を通して行われることが好ましいが、これに限定されず、バルブVで圧力、及び流量の少なくとも一方を調節し、状態S7〜S9のうち少なくとも1つ以上の状態で、行われてもよい。
次に、表1の状態S10となるように、バルブV−1、バルブV−4、バルブV−6、バルブV−2、及びバルブV−5を閉じ、バルブV−1、バルブV−4、バルブV−6、バルブV−2、及びバルブV−6を開き、加圧バルブ563の稼働を停止する。これにより、第3の吸着塔570Cで吸着工程が終了し、第4の吸着塔570Aで加圧工程が終了し、第1の吸着塔570Aで排気再生工程が終了する。
状態S10では、第1の吸着塔570Aでは、状態S1で説明した第2の吸着塔570Bと同様に、加圧均圧工程が行われている。
状態S10では、第2の吸着塔570Bでは、状態S1で説明した第3の吸着塔570Cと同様に、排気工程が行われている。
状態S10では、第3の吸着塔570Cでは、状態S1で説明した第4の吸着塔570Dと同様に、減圧均圧工程が行われている。
状態S10では、第4の吸着塔570Dでは、状態S1で説明した第1の吸着塔570Aと同様に、吸着工程が行われている。
状態S10の時間は、t10秒である。t10は例えば、1〜10秒とすることができる。
次に、表1の状態S11となるように、状態S10のときに開けたバルブV−6を閉じ、状態S10のときに開けたバルブV−1、バルブV−4、バルブV−6、及びバルブV−2を開いたまま、バルブV−5、及びバルブV−3を開き、加圧バルブ563を稼働する。
バルブV−6を閉じ、バルブV−3を開くことにより、第3の吸着塔570Cでは減圧均圧工程が終了し、状態S2で説明した第4の吸着塔570Dと同様に、脱圧工程が開始される。
バルブV−2を開いたまま、バルブV−5を開くことにより、状態S2で説明した第3の吸着塔570Cと同様に、第2の吸着塔570Bでは、排気再生工程が開始される。排気再生工程によって、吸着剤573Bの吸着能が回復され、製造される水素ガスの純度の低下が防がれる。
状態S11では、第1の吸着塔570Aでは、状態S2で説明した第2の吸着塔570Bと同様に、加圧工程が行われている。
状態S11では、第4の吸着塔570Dでは、状態S2で説明した第1の吸着塔570Aと同様に、吸着工程が行われている。状態S11の時間は、t11秒である。t11は例えば、10〜120秒とすることができる。
次に、表1の状態S12となるように、状態S11のときに開けたバルブV−3を閉じる。これにより、第3の吸着塔570Cで脱圧工程が終了する。
状態S12では、第1の吸着塔570Aでは、状態S3で説明した第2の吸着塔570Bと同様に、加圧工程が行われている。
状態S12では、第2の吸着塔570Bでは、状態S3で説明した第3の吸着塔570Cと同様に、排気再生工程が行われている。
状態S12では、第4の吸着塔570Dでは、状態S3で説明した第1の吸着塔570Aと同様に、吸着工程が行われている。状態S12の時間は、t12秒である。t12は例えば、10〜120秒とすることができる。
状態S10〜S12を通して、第4の吸着塔570Dでは、状態S1〜S3にある第1の吸着塔570Aと同様に、吸着工程が行われている。つまり、状態S10〜S12を通して、第4の吸着塔570Dの上端から、精製された水素ガスが回収されている。
吸着工程にある第4の吸着塔570D内の圧力は、特に制限されず、0.1〜1.0MPaG程度であってよい。
状態S11,S12を通して、第1の吸着塔570Aでは、加圧工程が行われている。状態S11,S12の間は、第1の吸着塔570Aが加圧され、吸着工程を行うための準備が行われる。
状態S11,S12を通して、第2の吸着塔570Bでは、再生工程のうち、排気再生工程が行われている。状態S11,S12の間は、第2の吸着塔570Bでは、真空ポンプ522による排出を行いながら、再生ガスを吸着塔内に導入して、不純物が排出される。排気再生工程を行うことによって、吸着剤573Bの吸着能が回復され、製造される水素ガスの純度の低下が防がれる。
実施形態の水素ガス製造方法では、状態S10〜S12を通して、第2の吸着塔570Bで真空ポンプ522による排気を伴う再生工程が行われ、オフガスが第1のタンク523に排出されている。さらに、状態S11では、排気再生工程が第2の吸着塔570Bで開始されると同時に、第3の吸着塔570Cで脱圧工程が行われる。これにより後述するオフガスをアンモニア分解装置の燃料として再利用する工程で、燃料中の水素ガスの濃度の変動を抑制しやすくなる。
真空ポンプ522の背圧が大気圧より高くならないようにする観点から、第1のタンク523に排出されたオフガスは、昇圧ポンプ524によって第2のタンク525に圧送される。オフガスは、第2のタンク525で一定の圧力に保たれる。
実施形態の水素ガス製造方法は、オフガスを第1のタンク523と、第2のタンク525との間で循環させて混合する工程を含む。具体的には、第2のタンク525で貯留されたオフガスは、返送ライン580を介して、バルブVで圧力、及び流量の少なくとも一方が調節され、第1のタンク523に返送され、さらに、オフガス排出ライン520を介して、昇圧ポンプ524によって第2のタンク525に圧送される。すなわち、第2のタンク525で貯留されたオフガスは、返送ライン580、第1のタンク523、及びオフガス排出ライン520を介して、第1のタンクと、第2のタンクの間を循環する。実施形態の水素ガス製造方法では、オフガスを第1のタンク523と、第2のタンク525の間で循環させて混合することにより、オフガス中の水素ガスの濃度の変動が抑制されている。
かかるオフガスの循環は、状態S10〜S12を通して行われることが好ましいが、これに限定されず、バルブVで圧力、及び流量の少なくとも一方を調節し、状態S10〜S12のうち少なくとも1つ以上の状態で、行われてもよい。
以上説明したように、状態S1〜S10にかけてPSA装置5から排出されるオフガスには、水素ガスが含まれている。オフガス中の水素ガス濃度の変動は、第1のタンク523と、第2のタンク525の間で循環させて混合することにより、抑制されている。
実施形態の水素ガス製造方法は、上述したPSA装置5のオフガスをアンモニア分解装置3の燃料として再利用する工程を含む。ラインL5を流れるオフガスには、ラインL6を介して空気が混入される。空気が混入されたオフガスは、PSA装置5からラインL5を介してアンモニア分解装置3に燃料として供給される。
(作用効果)
以上説明したように、上記の構成を有する水素ガス製造装置1は、PSA装置5が有する第2のタンク525でオフガスを一定の圧力に維持しながら貯留するので、ラインL5を介してアンモニア分解装置3に燃料として導入されるオフガスの流量、及び圧力の変動が抑制され、アンモニアの分解反応に必要な熱量をアンモニア分解装置3に安定的に供給することができる。
また、上記の構成を有する水素ガス製造装置1は、第1のタンク523と第2のタンク525との間でオフガスを循環させるので、第1のタンク523内のオフガスと第2のタンク525内のオフガスとが混合され、ラインL5に導出されるオフガス中の水素ガスの濃度の変動が抑制される。かかる水素ガス製造装置1を用いた実施形態の水素ガス製造方法によれば、オフガス中の水素濃度を一定にしてアンモニア分解装置3の燃料として導入するので、アンモニアの分解反応に必要な熱量をアンモニア分解装置3に安定的に供給することができる。
したがって、本発明によれば、アンモニアの分解反応に必要な熱量を、PSA装置5から排出されるオフガスを再利用することによって、安定的に供給することができるので、アンモニアの分解反応の反応効率が低下することなく、効率的に水素ガスを製造することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されない。また、本発明は特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が加えられてよい。例えば、表2に示すように、PSA装置5の各バルブの開閉を行うことによって、PSA装置5からオフガスを排出させ、水素ガスを製造してもよい。表2に示すバルブの開閉では、PSA装置5が有するいずれかの吸着塔で排気再生工程を開始する時期と、他のいずれかの吸着塔で脱圧工程を開始する時期とが、再生工程の全行程時間の少なくとも半分の時間が経過した後である。表2に示すバルブの開閉を行うことによっても、オフガスの濃度変動が抑制され、PSA装置5から排出されるオフガスを再利用しても、アンモニアの分解反応の反応効率が低下することなく、効率的に水素ガスを製造することができる。
Figure 2018177615
<実施例>
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
(実施例1)
図2に示すPSA装置5が有する各塔の吸着剤として合成ゼオライト1Lを充填し、原料ガスとして水素ガスを75%、窒素ガスを25%それぞれ含有するガスを17.0NL/minでPSA装置5に導入し、精製された水素ガスを10.2NL/minで回収した。吸着工程における吸着圧力を300kPaGとして排気再生工程における到達圧力を−80kPaGとして運転すると、精製された水素ガス中の窒素ガス濃度は10ppm以下であった。ここで、返送ライン580に設けられたバルブV等によってオフガスを、第1のタンク523と、第2のタンク525との間で循環させながら、表1に示すバルブの開閉操作に従って水素ガスの精製を行った。このときのオフガス中の水素ガス濃度は、図3に示すように変動が抑制され、その平均値は38%±1%であった。
なお、精製された水素ガス、及びオフガス中の水素ガス濃度は、島津製作所製のGC−TCDを用いて測定した。
(実施例2)
表2に示すバルブの開閉操作にしたがった以外は、実施例1と同様にして、PSA装置5による水素ガスの精製を行った。このときのオフガス中の水素ガス濃度は、図4に示すように変動が抑制され、その平均値は38%±2%であった。
(比較例1)
返送ライン580に設けられた圧力調節器V塔によってオフガスを、第1のタンク523と、第2のタンク525との間で循環させなかったこと以外は、実施例1と同様にして、PSA装置5による水素ガスの精製を行った。このときのオフガス中の水素ガス濃度は、図5に示すように変動し、その平均値は38%±5%であった。その結果、比較例1における水素ガスの製造効率は、実施例1,2における製造効率より低下していた。
1…水素ガス精製装置、2…アンモニア供給源、3…アンモニア分解装置、4…アンモニア除去装置、5…PSA装置、6…空気供給源、7…反応室、L1〜L6…ライン、510…原料ガス供給ライン、520…オフガス排出ライン、523…第1のタンク、524…昇圧ポンプ、525…第2のタンク、530…脱圧ライン、540…水素ガス回収ライン、550…再生ガス導入ライン、560…均圧・加圧ライン、570…吸着塔、580…返送ライン

Claims (3)

  1. PSA方式によって原料ガスから水素ガスを製造する装置であって、
    アンモニアを分解して、窒素ガスと水素ガスとを含む原料ガスを生成するアンモニア分解装置と、
    二つ以上の吸着塔と、
    前記アンモニア分解装置から前記吸着塔に前記原料ガスを供給する原料ガス供給ラインと、
    前記吸着塔に接続され、脱圧工程または再生工程にある吸着塔から排出されるオフガスを挿通するオフガス排出ラインと、
    前記オフガス排出ラインに設けられ、前記オフガスを貯留する第1のタンクと、
    前記オフガス排出ラインのうち、前記第1のタンクの二次側の部分に設けられた第2のタンクと、
    前記オフガス排出ラインのうち、前記第1のタンクと前記第2のタンクとの間に設けられた昇圧手段と、
    前記第1のタンクと前記第2のタンクとを結ぶ返送ラインと、
    前記オフガス排出ラインで挿通されるオフガスを、前記アンモニア分解装置の燃料として再利用する燃料ラインと、
    を有する、水素ガス製造装置。
  2. 前記オフガス排出ラインと、前記返送ラインによって、前記第1のタンクと前記第2のタンクとの間で循環された前記オフガスを、前記アンモニア分解装置の燃料として再利用する請求項1に記載の水素ガス製造装置。
  3. 請求項1又は2に記載の水素ガス製造装置を用いた水素ガス製造方法であって、
    前記吸着塔内を減圧して、吸着塔内に残存する原料ガスをオフガスとして排出する脱圧工程と、
    前記吸着塔内に水素ガスを導入して、吸着塔内に残存する原料ガスと、前記水素ガスとをオフガスとして排出する再生工程と、
    前記オフガスを、前記第1のタンクと、前記第2のタンクとの間で循環させて混合する工程と、
    前記オフガスを、前記アンモニア分解装置の燃料として再利用する工程と、を含み、
    前記再利用する工程で再利用される前記オフガスに含まれる水素ガスの濃度の変動が抑制されている水素ガス製造方法。
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