JP7020735B1 - ゼオライト吸着および除去システム、ならびにゼオライト吸着および除去方法 - Google Patents

ゼオライト吸着および除去システム、ならびにゼオライト吸着および除去方法 Download PDF

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【課題】ゼオライトに吸着した炭化水素をより短時間で効率的に除去すること【解決手段】上記課題の解決手段として、本発明によるゼオライト吸着および除去システムは、炭化水素および不純物を含有する第1流体から当該不純物を吸着によって分離するゼオライトを収容するゼオライト収容部と、第1流体をゼオライト収容部に導入する第1導入経路と、二酸化炭素ガスを含む第2流体をゼオライト収容部に導入する第2導入経路とを備える。当該システムは、好ましくは、第1導入経路と第2導入経路とがゼオライト収容部に対して選択的に連通されるように構成されており、第2導入経路から第2流体をゼオライト収容部内に流通させることによってゼオライトに吸着した炭化水素を除去し得る。第1流体に含有される不純物は、メタノール、水、硫黄または硫黄化合物を含み得る。【選択図】図6

Description

本発明は、ゼオライト吸着および除去システム、ならびにゼオライト吸着および除去方法に関する。特に、本発明は、不純物と共にゼオライトに吸着した炭化水素を効率的に低コストで除去することを含むゼオライト吸着および除去システム、ならびにゼオライト吸着および除去方法に関する。
従来、メタノール等の低級アルコール、水、硫黄含有物質等の不純物を含む炭化水素の流体から不純物を分離するためのプロセスにおいて、多孔質材料であるゼオライトを用いた吸着処理が広く行われている。ゼオライトの骨格構造は、国際ゼオライト学会(IZA)によりデータベース化されており、そのうちの一部は工業的に頻繁に利用されている。ゼオライトを用いて不純物が分離される炭化水素の例として、メタノールや水を含むLPG(液化石油ガス)、その成分であるプロパンおよびブタン、ならびに、水などの不純物を含むガス井の生産流体(天然ガスなど)等を挙げることができる。
また、都市ガスの製造工程においては、液化天然ガス(LNG)のみでは都市ガス(熱量11,000kcal/m)として熱量不足であるため、LNGに増熱原料としてLPGを添加し付臭することが、一般的に行われている。LNGに対するLPGの添加方法には、液状態のLNGに液状態のLPGを添加する液-液熱量調整、ガス状態のLNGに液状態のLPGを添加する液-ガス熱量調整、およびガス状態のLNGにガス状態のLPGを添加するガス-ガス熱量調整がある。ガスに比較して液体は容積が小さいため、設備費等において、液-液熱量調整が優位となっている。このような液-液熱量調整では、約-160℃のLNGに対してLPGを添加する際に、LPG中のメタノールや水が凝固析出し、機器や配管等を閉塞させる問題がある。この閉塞問題を回避するために、LNGにLPGを添加する前処理として、ゼオライトを吸着剤として用いてLPG中のメタノールや水を吸着・分離することが行われている。このような従来のプロセスは、例えば、特許文献1や非特許文献1にて報告されている。
これらのゼオライトを用いた不純物の吸着・分離プロセスにおいて、ゼオライトの破過(寿命到達)時や容器開放検査時には、ゼオライト吸着塔(ゼオライト収容部)からゼオライトの抜出及び再充填作業が必要となる。ここでゼオライトの抜出に当たり、LPG等の被処理炭化水素のガスは可燃性ガスであることから、ゼオライト細孔内に吸着している炭化水素に対し脱着・除去(パージ)用のガスを流通させることで危険性を排除する必要がある。
このようにゼオライト細孔内に吸着しているLPG等の炭化水素を脱着・除去するために、常温での窒素ガスの通気が行われている。
特開2000-192060号公報
「LPG中のメタノール吸着除去設備の基礎設計」、化学工学論文集、第39巻、第5号、pp.458-465、2013、小西宏徳他
しかし、上述の窒素ガス通気によるゼオライトからの炭化水素の脱着・除去には、多量のガス流量が必要であり、処理コストが大きくなる。また、炭化水素の完全な除去に至るまでかなりの長時間を要し、プロセス効率が低くなる。このように、窒素ガス通気によるゼオライトからの炭化水素の除去は、プロセス全体の運転効率の低下、処理コストの増大などが課題となっている。
従って、本発明の目的は、ゼオライトに吸着した液化石油ガス(LPG)等の炭化水素をより短時間で効率的に脱着・除去(パージ)することを可能とし、ひいてはプロセス全体の運転効率の向上、処理コストの削減をもたらす、ゼオライト吸着および除去システム、ならびにゼオライト吸着および除去方法を提供することである。
鋭意研究した結果、本発明者は、意外なことに、ゼオライトに吸着したLPG等の炭化水素を脱着・除去するためのガス(パージ用ガス)として、二酸化炭素ガス(CO)、すなわち炭酸ガスを含む流体を用いることによって、従来のパージ用ガスである窒素ガスと比べて、格段に短い時間でゼオライトから炭化水素を除去することが可能であることを見出し、本発明を完成させた。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、以下のとおりである。
ゼオライト吸着および除去システムであって、
炭化水素および不純物を含有する第1流体から当該不純物を吸着によって分離するゼオライトを収容するゼオライト収容部と、
前記第1流体を前記ゼオライト収容部に導入する第1導入経路と、
二酸化炭素ガスを含む第2流体を前記ゼオライト収容部に導入する第2導入経路と、
を備える、ゼオライト吸着および除去システム。
ここで好ましくは、当該ゼオライト吸着および除去システムは、前記第1導入経路と前記第2導入経路とが前記ゼオライト収容部に対して選択的に連通されるように構成されており、前記第2導入経路から前記第2流体を前記ゼオライト収容部内に流通させることによって前記ゼオライトに吸着した前記炭化水素を除去することができる。
また好ましくは、当該ゼオライト吸着および除去システムは、前記ゼオライトによって前記第1流体から前記不純物が分離された前記炭化水素を前記ゼオライト収容部から排出する排出経路と、前記ゼオライトから除去された前記炭化水素および前記第2流体の混合物を、前記ゼオライト収容部からフレア処理部に送出する送出経路とを更に含んでいてよい。
また、上記目的を達成するための本発明の他の一態様は、以下のとおりである。
ゼオライト吸着および除去方法であって、
ゼオライトを収容するゼオライト収容部に、炭化水素および不純物を含有する第1流体を導入し、当該不純物を前記ゼオライトに吸着させることによって分離する工程と、
二酸化炭素ガスを含む第2流体を前記ゼオライト収容部に導入し流通させる工程と、
を備える、ゼオライト吸着および除去方法。
ここで好ましくは、当該ゼオライト吸着および除去方法は、前記第1流体の前記ゼオライト収容部への第1導入経路と前記第2流体の前記ゼオライト収容部への第2導入経路とが前記ゼオライト収容部に対して選択的に連通されるように構成されており、二酸化炭素ガスを含む第2流体を前記ゼオライト収容部に導入し流通させることによって前記ゼオライトに吸着した前記炭化水素を前記ゼオライトから除去する工程を更に備えていてよい。
また好ましくは、当該ゼオライト吸着および除去方法は、前記ゼオライトによって前記第1流体から前記不純物が分離された炭化水素を前記ゼオライト収容部から排出する工程と、前記ゼオライトから除去された前記炭化水素および前記第2流体の混合物を、前記ゼオライト収容部からフレア処理部に送出する工程を更に含んでいてよい。
本明細書において、吸着された炭化水素のゼオライトからの「脱着・除去」(あるいは「脱着・除去する」)なる用語と、吸着された炭化水素のゼオライトからの「除去」(あるいは「除去する」)なる用語とは、同義の用語として、すなわち相互交換的に又は相互置換的に使用される。
本発明によれば、二酸化炭素ガス(CO)を含む流体を用いることによって、ゼオライトに吸着した液化石油ガス(LPG)等の炭化水素を、穏和な条件下で、より短時間で効率的に脱着・除去(パージ)することが可能になる。さらに、本発明によれば、プロセス全体の運転効率の向上、処理コストの削減がもたらされる。
本発明に従う二酸化炭素ガスを含有する流体によるゼオライトからの炭化水素の除去は、窒素ガスの通気によるゼオライトからの炭化水素の除去と比べ、例えば、ガス必要量が約30分の1程度に削減され得ると共に、除去の作業時間は約50分の1に削減され得、低コストかつ高効率なプロセスが達成される。
図1は、本発明に係る例示的な第1の実施形態によるゼオライト吸着および除去システムにおいて、ゼオライト吸着塔に収容されたゼオライトを用いて炭化水素(LPG)から不純物(メタノールおよび水)を分離し、出荷する経路を強調表示したフロー図である。 図2は、本発明に係る例示的な第1の実施形態によるゼオライト吸着および除去システムにおいて、二酸化炭素ガスをゼオライト吸着塔に流通させることによって、ゼオライトに吸着した炭化水素(LPG)をゼオライトからガス成分として脱着・除去する経路を強調表示したフロー図である。 図3は、本発明に係る例示的な第2の実施形態によるゼオライト吸着および除去システムにおいて、ゼオライト吸着塔に収容されたゼオライトを用いて炭化水素(ブタン)から不純物(硫黄化合物等)を分離し、出荷する経路を強調表示したフロー図である。 図4は、本発明に係る例示的な第2の実施形態によるゼオライト吸着および除去システムにおいて、二酸化炭素ガスをゼオライト吸着塔に流通させることによって、ゼオライトに吸着した炭化水素(ブタン)をゼオライトからガス成分として脱着・除去する経路を強調表示したフロー図である。 図5は、本発明に係る例示的な第3の実施形態によるゼオライト吸着および除去システムにおいて、ゼオライトを用いて炭化水素(ガス井からの生産流体)から不純物(水等)を分離・出荷し、さらに、二酸化炭素ガスをゼオライト吸着塔に流通させることによって、ゼオライトに吸着した炭化水素をゼオライトからガス成分として脱着させるフロー図である。 図6は、実施例1および比較例1において、それぞれ、ゼオライトから炭化水素(プロパン)を脱着・除去する(パージする)ためのガスとして二酸化炭素ガスおよび窒素ガスを用いたときの流通時間に対するゼオライト吸着器出口のプロパン濃度をプロットしたグラフである。また、図6には、脱着・除去用ガスの流通時間初期のみの拡大図(1)、およびゼオライト吸着器出口プロパンが低濃度の部分のみの拡大図(2)を併せて示す。
本発明の一態様によるゼオライト吸着および除去システムは、炭化水素および不純物を含有する第1流体から当該不純物を吸着によって分離するゼオライトを収容するゼオライト収容部と、前記第1流体を前記ゼオライト収容部に導入する第1導入経路と、二酸化炭素ガスを含む第2流体を前記ゼオライト収容部に導入する第2導入経路とを備える。本態様に属する好ましい一実施形態において、当該ゼオライト吸着および除去システムは、前記第1導入経路と前記第2導入経路とが前記ゼオライト収容部に対して選択的に連通されるように構成されており、前記第2導入経路から前記第2流体を前記ゼオライト収容部内に流通させることによって前記ゼオライトに吸着した前記炭化水素を除去する。さらに本態様に属する好ましい一実施形態において、当該ゼオライト吸着および除去システムは、前記ゼオライトによって前記第1流体から前記不純物が分離された前記炭化水素を前記ゼオライト収容部から排出する排出経路と、前記ゼオライトから除去された前記炭化水素および前記第2流体の混合物を、前記ゼオライト収容部からフレア処理部に送出する送出経路とを更に含む。
また、本発明の他の一態様によるゼオライト吸着および除去方法は、ゼオライトを収容するゼオライト収容部に、炭化水素および不純物を含有する第1流体を導入し、当該不純物を前記ゼオライトに吸着させることによって分離する工程と、二酸化炭素ガスを含む第2流体を前記ゼオライト収容部に導入し流通させる工程とを備える。本態様に属する好ましい一実施形態において、当該ゼオライト吸着および除去方法は、前記第1流体の前記ゼオライト収容部への第1導入経路と前記第2流体の前記ゼオライト収容部への第2導入経路とが前記ゼオライト収容部に対して選択的に連通されるように構成されており、二酸化炭素ガスを含む第2流体を前記ゼオライト収容部に導入し流通させることによって前記ゼオライトに吸着した前記炭化水素を前記ゼオライトから除去する工程を備える。さらに本態様に属する好ましい一実施形態において、当該ゼオライト吸着および除去方法は、前記ゼオライトによって前記第1流体から前記不純物が除去された炭化水素を前記ゼオライト収容部から排出する工程と、前記ゼオライトから除去された前記炭化水素および前記第2流体の混合物を、前記ゼオライト収容部からフレア処理部に送出する工程を含む。
第1流体の炭化水素は、特に限定されないが、例えば、炭素数1~5程度の飽和または不飽和炭化水素、典型的には、液化石油ガス(LPG)、その成分であるプロパン、ブタン、ガス井の生産流体に含まれる天然ガスなどの炭化水素混合物、オレフィン、その他のパラフィンが挙げられる。
第1流体に炭化水素と共に含まれる不純物としては、特に限定されないが、例えば、メタノールまたは水等のO-H結合を有する酸素含有化合物、硫黄や、硫化水素またはメルカプタン等のS-H結合を有する硫黄含有化合物などが包含される。
典型的な第1流体としては、例えば、メタノール及び水を含む液化石油ガス(LPG)、硫黄または硫黄含有化合物を含む液化石油ガス(LPG)成分のプロパンやブタン、他の種々の物質に加えて水を含むガス井の生産流体が挙げられる。
第1流体における不純物の量は、特に限定されないが、LPGやガス井からの生産流体では通常0.001質量%~50質量%程度であり得る。また他の実施形態において、LPGやガス井からの生産流体以外のいずれかの第1流体における不純物の量も、通常0.001質量%~50質量%程度であってよい。
ゼオライトは、その細孔径よりも小さい分子径を有する分子を吸着・分離する能力を有している。従って、本発明において使用されるゼオライトは、二酸化炭素の分子径(3.7Å=0.37nm)よりも大きな細孔径を有する限りは、特に限定されず、第1流体から分離されるべき不純物の種類に応じて適宜使用される。二酸化炭素の分子径(3.7Å)よりも大きな細孔径を有するゼオライトの非限定的な例としては、A型ゼオライト、MCM-22、フェリエライト、ZSM-5、ベータ型ゼオライト、モルデナイト、L型ゼオライト、X型ゼオライト、Y型ゼオライトなどが挙げられる。
第2流体は、二酸化炭素ガス(CO)を含む。標準状態(0℃及び1気圧)換算にて、第2流体に含まれる二酸化炭素の質量割合は、通常70質量%超であってよく、好ましくは80質量%以上であってよく、より好ましくは90質量%以上であってよく、最も好ましくは実質的に99質量%以上から100質量%以下(すなわち実質的に二酸化炭素ガスのみ)であってよい。第2流体には、二酸化炭素ガス以外に、他の不活性ガスが含まれていてよい。他の不活性ガスとしては、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴンが挙げられる。
二酸化炭素ガス(CO)は、公知の方法で製造・貯蔵することができる。例えば、二酸化炭素ガスは、アンモニア合成工業の副生ガス、製鉄所の副生ガス、重油脱硫用水素プラントの副生ガスなどの多様な工業プラントが排出される副生ガスを輸送・貯蔵して用いてもよい。
ゼオライトによって第1流体から不純物が分離された炭化水素流(例えば精製LPG成分、精製されたガス井生産物など)は、ゼオライト収容部から出荷・排出される。ゼオライト収容部から排出された後、出荷ラインに送出される間に、公知のいずれかの後処理または追加の精製処理を行ってもよい。
ゼオライトの破過(寿命到達)時や容器開放検査時には、出荷を停止した後、ゼオライト収容部からゼオライトの抜出及び再充填作業を行う必要が生じる。ゼオライト収容部からのゼオライトの抜出に先立ち、二酸化炭素ガスを含む第2流体をゼオライト収容部に導入し、流通させることによって、ゼオライトに吸着した炭化水素(例えば、LPG、プロパン、ブタン、ガス井の生産流体など)をゼオライトからガス成分として脱着・除去し、それにより危険性を排除することができる。
ゼオライトに吸着する炭化水素のガスの標準状態(0℃および大気圧下)における比重を二酸化炭素ガスを含む第2流体の標準状態における比重で除した値が1.02以上である場合、第2流体がゼオライト収容部の上方から導入されるように構成することによって、より比重の小さい二酸化炭素ガスを含む第2流体がゼオライト収容部の全体にわたってスムーズに均一かつ十分に行き渡ることになり、効率良く脱着・除去を完了させることが可能になる。他方、ゼオライトに吸着する炭化水素のガスの標準状態における比重を第2流体の標準状態における比重で除した値が1.02未満である場合、第2流体がゼオライト収容部の下方から導入されるように構成することによって、比重がほぼ同等であるか、またはより比重の大きい二酸化炭素ガスを含む第2流体が、上述と同様に、ゼオライト収容部の全体にわたってスムーズに均一かつ十分に行き渡ることになり、効率良く脱着・除去を完了させることが可能になる。
脱着・除去用ガスとしての二酸化炭素ガスを含む第2流体のゼオライト収容部への流通量は、特に限定されず、ゼオライト収容部に収容されたゼオライト重量や充填密度、ゼオライトの種類や吸着不純物の種類により適宜決定され得る。例えば、二酸化炭素ガスを含む第2流体(好ましくは二酸化炭素ガスのみ)のゼオライト収容部への流通量は、通常、収容ゼオライト1kgあたり1~100NL/分であってよく、より典型的には、収容ゼオライト1kgあたり5~50NL/分であってよい。例えば、二酸化炭素ガスを含む第2流体の流通開始時のゼオライトの温度は5℃~40℃程度であってよく、より典型的には10℃~35℃程度であってよい。例えば、二酸化炭素ガスを含む第2流体の流通中のゼオライトの最高到達温度は、40℃~90℃であってよく、好ましくは50℃~85℃であってよく、より好ましくは60℃~80℃であってよい。例えば、二酸化炭素ガスを含む第2流体のゼオライト収容部への流通時間は、吸着炭化水素の除去が完全に完了するまで通常1時間以内であってよく、好ましくは50分以内であってよく、より好ましくは40分以内であってよい。
ゼオライト収容部の出口に、脱着・除去された炭化水素濃度の検出器を設置してよい。このような検出器を用い、炭化水素濃度がゼロに達した以降の所定時間以内に(すなわち吸着炭化水素の除去が確実に完了した時点で)、二酸化炭素ガスを含む第2流体のゼオライト収容部への流通が自動的に停止され得るように処理プログラムを設定することができる。これにより、二酸化炭素ガスを含む第2流体の供給量を最小限に抑制し、コスト削減をより進めることができる。
二酸化炭素ガスを含む第2流体の流通によってゼオライト収容部から脱着・除去された炭化水素のガス成分、特には流通時間初期に除去された炭化水素のガス成分を、ゼオライト収容部に導入される前の第1流体と合わせるリサイクル経路をさらに形成してもよい。あるいは代替的に、ゼオライト収容部から脱着・除去された炭化水素のガス成分、特には流通時間初期に除去された炭化水素のガス成分を、出荷経路または後処理送出経路に接続してもよい。二酸化炭素ガスの流通によってゼオライト収容部から除去された炭化水素のガス成分は、特に流通時間の初期において除去用ガスである二酸化炭素ガスを殆ど(あるいは全く)含んでおらず純度が高いため、利用価値が高く、リサイクルに好適であり、あるいは、精製済み製品としてのスペックを満たし得るので、資源の効率的利用に資することになる。
二酸化炭素ガスを含む第2流体の流通によってゼオライト収容部から炭化水素のガス成分を脱着・除去することにより、流通時間初期において急速に除去が進行し得る。完全な除去を行うためには、流通時間の初期以降もある程度の時間にわたり、二酸化炭素ガスを含む第2流体の流通を継続させることが望ましく、その際には実質的に純粋な、すなわち100%濃度の二酸化炭素ガスが排出されることになり得る。このように排出された実質的に純粋な二酸化炭素ガスは、回収して再利用することが可能であり、プロセスの効率化、コスト削減および温室効果ガス排出抑制につながり得る。
フレア処理部は、二酸化炭素ガスを含む第2流体の通気によってゼオライトから脱着・除去された炭化水素および第2流体の混合物を排出する際、それらの排出ガスを大気中に放散させる前に焼却処理する設備である。本発明において、フレア処理部は、通常、ゼオライト吸着および除去システムを含むプロセス装置から十分安全な距離に設置したフレアスタックまたはグランドフレアであり、好ましくは高い塔として形成されていてよい。フレア処理部には、点火装置以外に、上記排出ガスの燃焼を補助するための補助燃料(フレアガスの燃焼成分が少ない場合に安定した燃焼を行う発熱量を得るために投入する燃料)を供給するための供給ラインが接続されていてよい。そのような補助燃料は、特に限定されないが、気体燃料、液体燃料を予めガス化または霧化したものなどを用いることができる。
図面を参照した本発明の実施形態の説明
本発明のより具体的な実施形態を、図面を参照して説明する。これらの実施形態は例示であって、本発明はそれによって限定されない。当業者は、本発明の範囲内で、これらの実施形態の一部のみを利用し、あるいは複数の実施形態を適宜組み合わせて実施することも可能である。
本発明の一実施形態を、図1及び図2を参照して説明する。
本実施形態は、液化天然ガス(LNG)からの都市ガス製造における液-液熱量調整用の液化石油ガス(LPG)に含まれる不純物であるメタノールの吸着・分離を目的としたゼオライト吸着塔を含む。
液化天然ガス(LNG)は、主に輸入品であって、これを構成する炭化水素の80質量%超~99質量%超はメタンであり、その他にエタン、プロパン、ブタン、ペンタンを含み得る。都市ガス製造ラインに供給されるLNGは、精製処理済みであり、殆ど不純物を含まない。
また、本実施例にて用いられるLNGの熱量調整用LPGは、例えば、プロパンのみ、あるいは、プロパン及びブタンの混合物であってよい。そのような混合物の場合、プロパン60~90モル%、ブタン10~40モル%の混合物であってよい。代替的に、LNGの熱量調整用LPGとして、ブタンのみが用いられることもあり得る。標準状態(0℃および1気圧)にて、空気に対する比重は、プロパンが約1.56であり、ブタンが約2.07である。
上述のように、都市ガスの製造工程においては、LNGを気化器において加熱・気化させ、付臭のうえ、都市ガス導管に供給する。ここで、LNGのみでは、都市ガスとしての熱量不足であるため、一般的には、増熱原料としてLPGが添加されている。設備コスト抑制の観点から、液状態のLNGに液状態のLPGを添加する液-液熱量調整が実施されている。液-液熱量調整では、約-160℃のLNGに対して、LPGを添加する際に、LPG中のメタノールや水が凝固析出し、機器や配管等を閉塞させる問題がある。この閉塞問題を回避するために、LNGにLPGを添加する前処理として、吸着剤(ゼオライト)を用いて、LPG中のメタノールや水を吸着・分離している。
ゼオライトを充填したゼオライト吸着塔は、ゼオライトの破過(寿命到達)時や容器開放検査時には、ゼオライトの抜出及び再充填作業が必要となる。ゼオライトの抜出に当たっては、LPGは可燃性ガスであることから、ゼオライト細孔内に吸着しているLPGを脱着・除去(パージ)することで危険性を排除する必要がある。この除去作業のため、窒素ガスの通気が行われている。しかし、窒素ガスの通気によるゼオライトからのLPGの除去には、かなりの長時間を要する。また、加熱した窒素ガスの通気によるゼオライトからのLPGの脱着のためには、蒸気等の熱源、配管、熱交換器等の付帯設備が必要になり、大幅なコストの増加を生じることになる。従って、窒素ガス通気によるゼオライトからのLPG除去は、プロセス全体の運転効率の低下、処理コストの大幅な増大などの不都合を有することが課題になっている。
本実施形態においては、従来の窒素ガスによるゼオライトからのLPG脱着に替えて、二酸化炭素ガスの通気によるLPG脱着・除去(COパージ)を行う。これによって、窒素ガスの通気によるゼオライトからのLPGの除去と比べ、ガス必要量が約30分の1程度に削減され得ると共に、除去の作業時間は約50分の1に削減され得、低コストかつ高効率なプロセスが達成される。また、本実施形態によれば、フレア処理設備用の補助燃料の使用量も小さくなるので、フレア処理コスト(及び処理時間)が大幅に削減され得、ひいてはフレア処理の燃焼に伴うCO(温室効果ガス)の発生も削減され得る。
さらに、加熱された窒素ガス通気の場合と比較して、蒸気等の熱源、配管、熱交換器等の付帯設備が不要になり、この点からも大幅なコスト削減を達成し得る。本実施形態に従う二酸化炭素ガスによるゼオライトからの炭化水素の除去は、短時間で完了させ得るにもかかわらず、通常、約70℃程度の穏和な条件下で進行し得る。
図1は、ゼオライト吸着塔に収容されたゼオライトを用いて炭化水素であるLPG(本実施形態ではプロパン100%とする)から不純物であるメタノールおよび水を分離し、出荷する経路を例示している。
ここでは、メタノール及び水が分離された精製LPG製品の出荷のため、二酸化炭素ガス(CO)供給バルブV20、フレア処理用バルブV21、補助燃料バルブV30を閉止し、LPG供給バルブV10、LPG出荷バルブV11を開放する。その上で、液体のLPGをゼオライト吸着塔1に供給することで、LPG中のメタノールや水が吸着・分離され、精製LPGが製品として出荷・排出される。
本実施形態において、LPGから不純物であるメタノールや水を分離するために使用されるゼオライトは、特に限定されないが、例えば、Na-X型ゼオライトが挙げられる。
図2は、図1の精製LPG製品の出荷に続いて、ゼオライトの破過(寿命到達)時や容器開放検査時にゼオライト吸着塔のゼオライト収容部からゼオライトの抜出及び再充填作業を行うにあたり、二酸化炭素ガスをゼオライト吸着塔に流通させることによってゼオライトに吸着した炭化水素(LPG)をゼオライトからガス成分として脱着・除去する(パージする)経路を示している。
ここでは、LPG供給バルブV10、LPG出荷バルブV11を閉止し、配管や吸着塔1に設置された液抜きノズル(図示せず)を開放することで、吸着塔内の液体のLPGを抜き出す。LPGの抜出完了後は、液抜きノズルを閉止する。吸着塔1内には、ガスのLPGが存在し、加圧状態となっているため、フレア処理用バルブV21、補助燃料バルブV30を開放し、吸着塔1内が大気圧程度になるまで、フレア処理設備(以降では単に「フレア」と称する)2にてLPGの燃焼処理を行う。吸着塔1内が大気圧程度まで減圧されたことを確認したら、二酸化炭素ガス供給バルブV20を開放し、二酸化炭素ガスを吸着塔1に供給することで、ゼオライトに吸着したLPGの脱着・除去を行う。ゼオライトから除去されたLPGと二酸化炭素の混合ガスは、吸着塔1からフレア2に送気され、燃焼処理される。吸着塔1からフレア2に送気されるガスにおいて、LPG成分が検出されなくなったら、除去完了とし、全バルブを閉止のうえ、ゼオライトの抜出作業を行う。
本実施形態では、図2に示されるように、ゼオライトに吸着するLPG、この場合プロパンの標準状態(0℃および1気圧下)における比重(約1.56)が二酸化炭素ガスの標準状態における比重(約1.53)と殆ど差異がないため、二酸化炭素ガスがゼオライト吸着塔の下方から導入されるように経路設定されている。この場合、ゼオライトからのLPG脱着・除去のため二酸化炭素ガスがゼオライト吸着塔の下方から導入されることによって、ゼオライト収容部の全体にわたって除去を完了させることが可能になる。
ここでの「下方」とは、ゼオライト収容部において、ゼオライトの収容容積を50%に分割する水平線よりも鉛直下方の部分を指すものとする。また、これに対する「上方」とは、ゼオライト収容部において、ゼオライトの収容容積を50%に分割する水平線よりも鉛直上方の部分を指すものとする。ゼオライト収容部の「下方」は、好ましくは、最も下方である底部あるいは底部の近傍であり、ゼオライト収容部の「上方」は、好ましくは、最も上方である頂部あるいは頂部の近傍である。
図示されていないが、二酸化炭素ガスの流通によってゼオライト吸着塔から除去されたLPG(この場合はプロパン)のガス成分、特には流通開始から例えば約10分程度以内の初期に除去されたガス成分を、ゼオライト吸着塔に導入される前のLPGに合わせるリサイクル経路を更に形成してもよいし、あるいは代替的に出荷経路に接続してもよい。後述の実施例にて実証されたように、二酸化炭素ガスの流通によってゼオライト吸着塔から除去された流通時間初期のLPG(プロパン)は、除去用ガスである二酸化炭素ガスを殆ど(あるいは全く)含んでおらず純度が高いため、利用価値が高く、リサイクルに好適であり、あるいは出荷製品としてのスペックを満たし得るので、資源の効率的利用に資する。
本発明の別の一実施形態を、図3及び図4を参照して説明する。
本実施形態は、エアゾール製品の製造における原料であるLPGの成分のプロパン、ブタンに含まれる不純物の臭気成分であるメルカプタン等の硫黄含有化合物の吸着・分離を目的としたゼオライト吸着塔を含む。
エアゾール製品の製造工程においては、LPG成分である低圧のブタンと高圧のプロパンを混合することで、エアゾール製品に適した圧力を有する混合ガスとし、これをエアゾール製品の噴射剤として使用している。このような混合ガスにおけるプロパンとブタンの混合モル比は、特に限定されないが、通常9:1~1:9程度であり、好ましくは6:4~4:6程度であってよい。
LPG(プロパン、ブタン)には、臭気成分として、通常メルカプタン等の臭気を有する硫黄含有化合物が含まれているが、エアゾール製品としての性質上、そのような臭気成分を分離することが求められる。そのため、エアゾール製品に使用する前処理として、吸着剤(ゼオライト等)を用いて、プロパンおよびブタンの各々から臭気成分である硫黄含有化合物を吸着・分離している。LPGに対する付臭成分の一般的な例としては、TBM(ターシャリーブチルメルカプタン)、THT(テトラヒドロチオフェン)、DMS(メチルサルファイド)等の硫黄含有化合物や、これとシクロヘキセン等の硫黄分を含まない物質との混合物が挙げられる。
上述のとおり、ゼオライトを充填したゼオライト吸着塔は、ゼオライトの破過(寿命到達)時や容器開放検査時には、ゼオライトの抜出及び再充填作業が必要となる。ゼオライトの抜出に当たっては、プロパンやブタンは可燃性ガスであることから、ゼオライト細孔内に吸着しているプロパンやブタンを脱着・除去(パージ)することで危険性を排除する必要がある。この除去作業のため、窒素ガスの通気が行われている。しかし、窒素ガスの通気によるゼオライトからのプロパンやブタンの除去には、かなりの長時間を要する。また、加熱した窒素ガスの通気によるゼオライトからのプロパンやブタンの除去のためには、蒸気等の熱源、配管、熱交換器等の付帯設備が必要になり、大幅なコストの増加を生じることになる。従って、窒素ガス通気によるゼオライトからのプロパンやブタンの除去は、プロセス全体の運転効率の低下、処理コストの大幅な増大などの不都合を有することが課題になっている。
本実施形態においては、従来の窒素ガスによるプロパンやブタンの脱着・除去に替えて、二酸化炭素ガスの通気によるゼオライトからのプロパン・ブタンの脱着・除去(COパージ)を行う。これによって、上記の第1の実施形態と同様、窒素ガスの通気によるゼオライトからのプロパン・ブタンの除去と比べ、例えば、ガス必要量が約30分の1程度に削減され得ると共に、除去の作業時間は約50分の1に削減され得、低コストかつ高効率なプロセスが達成される。また、本実施形態によれば、フレア処理設備用の補助燃料の使用量も小さくなるので、フレア処理コスト(及び処理時間)が大幅に削減され得、ひいてはフレア処理の燃焼に伴うCO(温室効果ガス)の発生も削減され得る。
ゼオライト吸着塔に収容されたゼオライトを用いて炭化水素であるプロパン(エアゾール製品の製造における原料LPGの一成分)から不純物であるメルカプタン等の硫黄含有化合物を分離し、出荷する経路、および、精製プロパン製品の出荷に続いて、ゼオライトの破過(寿命到達)時や容器開放検査時にゼオライト吸着塔のゼオライト収容部からゼオライトの抜出及び再充填作業を行うにあたり、二酸化炭素ガスをゼオライト吸着塔に流通させることによってゼオライトに吸着したプロパンをゼオライトからガス成分として脱着・除去する(パージする)経路については、図1および図2を参照して上述されたものと同様であるから、説明を省略する。
図3は、ゼオライト吸着塔に収容されたゼオライトを用いて炭化水素であるブタン(エアゾール製品の製造における原料LPGの他方の一成分)から不純物であるメルカプタン等の硫黄含有化合物を分離し、出荷する経路を例示している。
ここでは、メルカプタン等の硫黄含有化合物が分離された精製ブタン製品の出荷のため、二酸化炭素ガス供給バルブV50、フレア処理用バルブV51、補助燃料バルブV60を閉止し、LPG(ブタン)供給バルブV40、LPG(ブタン)出荷バルブV41を開放した上で、液体のブタンを供給することで、吸着塔1でブタン中の臭気成分の硫黄含有化合物は吸着され、精製ブタンが製品として出荷・排出される。
本実施形態において、LPGから不純物である硫黄含有化合物を分離するために使用されるゼオライトは、特に限定されないが、例えば、Na-Xのほか、Na-A型、Ca-X型ゼオライトなどが挙げられる。
図4は、図3の精製ブタン製品の出荷に続いて、ゼオライトの破過(寿命到達)時や容器開放検査時にゼオライト吸着塔のゼオライト収容部からゼオライトの抜出及び再充填作業を行うにあたり、二酸化炭素ガスをゼオライト吸着塔に流通させることによってゼオライトに吸着した炭化水素(本図ではブタン)をゼオライトからガス成分として脱着・除去する(パージする)経路を示している。
ここでは、LPG(ブタン)供給バルブV40、LPG出荷バルブV41を閉止し、配管や吸着塔1に設置された液抜きノズルを開放することで、吸着塔内の液体のLPG(ブタン)を抜き出す。LPGの抜出完了後は、液抜きノズルを閉止する。吸着塔1内には、ガスのLPG(ブタン)が存在し、加圧状態となっているため、フレア処理用バルブV51、補助燃料バルブV60を開放し、吸着塔1内が大気圧程度になるまで、フレア2にてLPGの燃焼処理を行う。吸着塔1内が大気圧程度まで減圧したことを確認したら、二酸化炭素ガス供給バルブV50を開放し、二酸化炭素ガスを吸着塔1に供給することで、ゼオライトに吸着したLPG(ブタン)のパージを行う。ゼオライトから脱着・除去されたLPG(ブタン)と二酸化炭素ガスの混合ガスは、吸着塔1からフレア2に送気され、燃焼処理される。吸着塔1からフレア2に送気されるガスにおいて、LPG(ブタン)成分が検出されなくなったら、パージ完了とし、全バルブを閉止のうえ、ゼオライトの抜出作業を行う。
本実施形態では、図4に示されるように、ゼオライトに吸着するLPG、本図の場合ブタンの標準状態(0℃および1気圧下)における比重(約2.07)が二酸化炭素ガスの標準状態における比重(約1.53)よりも大幅に大きいため、二酸化炭素ガスがゼオライト吸着塔の上方から導入されるように経路設定されている。この場合、ゼオライトからのブタン脱着・除去のため二酸化炭素ガスがゼオライト吸着塔の上方から導入されることによって、ゼオライト収容部の全体にわたって均一かつ十分に、効率良く除去を完了させることが可能になる。
図示されていないが、二酸化炭素ガスの流通によってゼオライト吸着塔から脱着・除去されたLPG(図3~4の場合はブタン)のガス成分、特には流通開始から例えば約10分程度以内の初期に除去されたガス成分を、ゼオライト吸着塔に導入される前のLPGに合わせるリサイクル経路を更に形成してもよいし、あるいは代替的に出荷経路に接続してもよい。後述の実施例にてプロパンについて実証されたのと同様に、二酸化炭素ガスの流通によってゼオライト吸着塔から除去された流通時間初期のLPG(図3~4の場合はブタン)は、除去用ガスである二酸化炭素ガスを殆ど(あるいは全く)含んでおらず純度が高いため、利用価値が高く、リサイクルに好適であり、あるいは、出荷製品としてのスペックを満たし得ると考えられるので、資源の効率的利用に資する。
本発明の更なる他の一実施形態を、図5を参照して説明する。
本実施形態は、ガス井から得られたガス状の生産流体から水等の不純物の吸着・分離を目的としたゼオライト吸着塔を含む。すなわち、本実施形態は、ガス井から生産される生産流体を天然ガスパイプラインに流す前に、生産流体中の水分を分離、乾燥させるゼオライト吸着塔に本発明を適用したものである。
図5は、ゼオライトを用いて炭化水素(ガス井から得られた生産流体)から不純物(水等)を分離・出荷し、さらに、二酸化炭素ガスをゼオライト吸着塔に流通させることによって、ゼオライトに吸着した炭化水素をゼオライトからガス成分として脱着・除去する、本実施形態に係るゼオライト吸着および除去システムのフローを示す。
ガス井から生産される生産流体の粗製ガスには、天然ガスの主成分であるメタン、エタンの他、圧縮すると常温でも液化するプロパン、ブタン、さらにはいわゆるコンデンセート油の成分となるペンタンまたはそれよりも分子量の大きな(炭素数が多い)常温常圧でも液体となる炭化水素、水分や二酸化炭素、さらには水銀、硫黄酸化物、硫化水素などの蒸気成分が不純物として含有される。通常、ガス井戸から得られた粗製ガスに含まれる炭化水素(粗製ガス中の不純物以外の成分)の70質量%超~99質量%超はメタンであり、その他にエタン、プロパン、ブタン、ペンタンを含み得るが、その組成は産地により異なる。
図5において、ガス井で生産されたガス状の生産流体は、適宜設置された昇圧ポンプ等の圧力調整手段で、所定の圧力まで昇圧された後、前処理プロセスにて、粗製ガスから所定の不純物が除去される。本実施形態の前処理プロセスは、水銀除去装置251と凝縮器252で構成されている。
水銀除去装置251では、粗製ガスから金属水銀蒸気が除去される。金属水銀は、プロセス中にアマルガムを形成し易く、配管腐食につながり得るため、可能な限り除去する必要がある。金属水銀蒸気の除去のためには、金属硫化物系吸着剤(例えば硫化鉄や硫化銅)、硫黄含浸活性炭、モレキュラーシーブ等の吸着剤による水銀除去などの公知の技術が使用され得る。
凝縮器252では、凝縮により、水銀除去装置251で処理されたガス流体から水分・コンデンセート油などの液体成分が除去される。ここで除去される水分は、粗製ガスに含まれる水分の過半量であり、好ましくは80%以上であってよい。凝縮器252で除去された液体成分は、セパレータ253にて水とコンデンセート油に分離され、水は地層圧入などで処理され、コンデンセート油は製品として出荷される。
前処理プロセスを経た前処理済みガス流体は、ゼオライト吸着塔201a、201bを含む乾燥プロセスで、残留する水分が分離された後、必要に応じて設けられる酸性ガス除去処理部254で、二酸化炭素、硫化水素、有機硫黄化合物(メルカプタン、COS等)などのいわゆる酸性ガス成分が除去される。
酸性ガス除去プロセスに使用される装置としては、公知のアミン吸収塔が例示される。使用され得るアミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、メチルジエタノールアミンが挙げられる。
これらのプロセスで、不純物が除去された生産流体は、メタン、エタン、プロパン、ブタンを主成分とし、その組成に応じて、いわゆる天然ガス、あるいは、天然ガスと液化石油ガス成分の混合物として扱われて、製品としてパイプラインを通し需要地やLNG基地等へ出荷される。
ガス井の生産流体から主に水を分離・乾燥させる乾燥プロセスでは、ゼオライト吸着剤を充填した二組のゼオライト吸着塔201a、201b、炭化水素脱着・除去(パージ)用の二酸化炭素ガス(CO)を充填したタンク202、加熱装置203a、203bが用いられる。本実施形態において使用されるゼオライトは、特に限定されないが、主な不純物である水および二酸化炭素よりも大きな細孔径を有する必要性から、例えば13Xゼオライトと称されるものが挙げられる。
一定量の水を吸着したゼオライト吸着剤は、再生処理(ゼオライトからの水の脱着・除去)が必要になるため、ゼオライト吸着塔201aと201bは交互に運転モードと再生モードを繰り返しながら生産を続けるように構成されている。すなわち、吸着塔201aの運転モードでは、二酸化炭素供給バルブ205a、ガス排出バルブ206aを閉め、生産流体供給バルブ204a、製品排出バルブ207aを開ける。このとき加熱装置203aを動作させない。これにより、主成分がメタンである前処理済み生産流体は、気相状態で吸着塔201aに供給され、含まれる水分は吸着塔内部のゼオライト吸着剤に吸着・分離される。
吸着塔201aに供給された処理済み生産流体が一定量に達すると(それに伴ってゼオライト吸着剤が一定量の水を吸着した時には)、吸着塔201aは再生モードに切り替えられ、ガス排出バルブ206a、ガス回収バルブ208aが開けられ、製品排出バルブ207aとフレア排出バルブ209aは閉められる。このとき加熱装置203aを動作させ、250~350℃に加熱した前処理済み生産流体を吸着塔201a内に導入することで、水分を吸着したゼオライト吸着剤が加熱され、それによって水分が放出される。吸着塔から排出される前処理済み生産流体は、多量の水分を含んでいる。そのため、この排出流体は、ガス回収バルブ208aを通り、必要に応じて冷却装置(図示せず)で冷却された後、加圧ポンプで加圧されて、凝縮器252に導入され、ガス井から供給される生産流体と共に処理される。
吸着塔201aが再生モードに切り替えられる時、吸着塔201bを運転モードに切り替えることで、吸着塔201aのゼオライト吸着剤の再生処理(ゼオライトからの水の脱着・分離)中も製品の生産が可能となる。吸着塔201bの運転モードでは、二酸化炭素供給バルブ205b、ガス排出バルブ206bを閉め、生産流体供給バルブ204b、製品排出バルブ207bを開ける。同様に、吸着塔201bが再生モードに切り替えられる時、吸着塔201aを運転モードに切り替えることで、吸着塔201bのゼオライト吸着剤の再生処理中も製品の生産が可能となる。吸着塔201bの再生モードでは、ガス排出バルブ206b、ガス回収バルブ208aが開けられ、製品排出バルブ207bとフレア排出バルブ209aは閉められる。すなわち、このように、再生モード/運転モードの切り替えが可能な2つのゼオライト吸着塔を並列に配置することによって、ゼオライトの再生処理時に操業を停止する必要がない。
本実施形態の生産流体の処理システムでは、通常、生産流体に対する0.3~2MPaの圧力によって運転・処理が行われる。
ゼオライト交換や容器開放検査時に吸着塔201aを開放する場合、以下の手順で、吸着剤に吸着された炭化水素ガス成分の脱着・除去を行う。この手順には、減圧工程と置換工程が含まれる。吸着塔201bの開放/炭化水素除去も同様に行うことができる。
減圧工程
二酸化炭素供給バルブ205a、製品排出バルブ207a、生産流体供給バルブ204a、フレア排出バルブ209aを閉め、ガス排出バルブ206a、ガス回収バルブ208aを開けた上で、昇圧ポンプを運転する。これにより吸着塔201aに残留するガス成分は回収され、生産流体とともに運転中の吸着塔201bを通って、製品として出荷される。
この処理により、吸着塔201a内のガス成分は吸着塔より排出され、吸着塔201aの内圧は所定圧力まで低下する。ここでの所定圧力とは、フレア排出バルブ209a系統の配管で吸着塔201a内のガス成分をフレア措置に排出するために必要な圧力である。この圧力は、設備に応じて規定されるが、概ね大気圧の二倍以下、例えば1.05倍程度の圧力に設定される。
置換工程
吸着塔201aの内圧が所定圧力に達すると、二酸化炭素ガス供給バルブ205aを開き、二酸化炭素ガス供給装置202から二酸化炭素ガスを吸着塔201aに供給する。この場合、二酸化炭素ガスの比重(標準状態にて約1.53)は、吸着塔201a内に残留するガス成分(メタンを主成分とする)の比重より大きいため、吸着塔の下方(好ましくは底部)から二酸化炭素ガスが供給されることで、ゼオライト吸着塔の全体にわたって均一かつ十分に、効率良く脱着・除去を完了させることが可能になる。すなわち、ゼオライトに吸着した残量ガスを完全に除去し、かつゼオライト収容部に除去用ガス(パージガス)を充満させることでゼオライトの抜出作業が可能になるまでの時間(「残留ガス-パージガス切り替え時間」と称することができる)を短くすることが可能となる。
図示されていないが、二酸化炭素ガスの流通によってゼオライト吸着塔から脱着・除去された生産流体(図5の場合は典型的に天然ガス)のガス成分、特には流通開始から例えば約10分程度以内の初期の除去ガス成分を、ゼオライト吸着塔に導入される前の前処理済み生産流体に合わせるリサイクル経路を更に形成してもよいし、あるいは代替的に酸性ガス除去プロセスへの送出経路に接続してもよい。後述の実施例にてプロパンについて実証されたのと同様に、二酸化炭素ガスの流通によってゼオライト吸着塔から除去させた流通時間初期の生産流体のガス(図5の場合は典型的に天然ガス)は、除去用ガスである二酸化炭素ガスを殆ど(あるいは全く)含んでおらず純度が高いため、利用価値が高く、リサイクルに好適であり、あるいは酸性ガス除去プロセスへの送出製品としてのスペックを満たし得ると考えられるので、天然資源の効率的利用に資する。
以下に実施例を参照して本発明を例証するが、本発明はこの実施例によって何ら限定されるものではない。
炭化水素吸着ゼオライトからの脱着・除去挙動の比較実験
内径151mmのゼオライト吸着器(ゼオライト収容部を含む)に、2.23kgのNaX型ゼオライトを高さ200mmで収容した。
このゼオライト吸着器の底部から液体のLPG(プロパンのみ)を流入させ、ゼオライトを液体LPGに十分浸漬させることによって完全な吸着状態とした。ゼオライトに対するLPGの完全吸着の後、液抜き及び脱圧(大気圧まで)を行い、LPG吸着ゼオライトの試料を得た。
本発明に従う実施例1として、LPG吸着ゼオライト試料が収容されたゼオライト吸着器に、脱着・除去(パージ)用ガスとして二酸化炭素ガス(CO)を、線速度1.32m/分で22NL/分の流量にて流通させた。
ゼオライト吸着器内部の温度(すなわち収容されたゼオライトの温度)は、二酸化炭素ガスの流通の開始前の約20℃から流通開始直後に約60℃にまで急上昇し、次いで流通中に最高で約70℃に達したものの、それより上昇することはなく短時間で急下降に転じ、流通が停止されたときは約20℃にまで再び低下した。
他方、比較例1として、LPG吸着ゼオライト試料が収容されたゼオライト吸着器に、脱着・除去(パージ)用ガスとして窒素ガス(N)を、線速度1.26m/分で21NL/分の流量にて流通させた。
窒素ガスの流通の開始から停止に至るまでのゼオライト吸着器内部の温度は約20℃で一定であった。
脱着・除去用ガスとして、二酸化炭素ガス(CO)を用いた上記実施例、および窒素ガス(N)を用いた上記比較例について、除去用ガスの流通時間を横軸にとり、ゼオライト吸着器出口のプロパン(C)濃度(体積%)を縦軸にとったグラフを図6に示す。また、図6には、除去用ガスの流通時間初期の1時間のみの拡大図(1)、およびゼオライト吸着器出口プロパンが3体積%以下の低濃度である部分のみの拡大図(2)を併せて示す。
図6のグラフから、以下の事項が把握される。
・脱着・除去用ガスとして二酸化炭素ガスを用いたときに、脱着・除去用ガスとして窒素ガスを用いたときと比較して、プロパン除去の作業時間(出口プロパン濃度が0.1体積%未満、つまり爆発下限界の1/20未満に達するまでの時間)が約1/50になった。これにより、プロセス効率が高められ、ひいてはゼオライト抜出作業の短縮および設備の稼働率の向上が達成され得る。
・脱着・除去用ガスとして二酸化炭素ガスを用いたときに、脱着・除去用ガスとして窒素ガスを用いたときと比較して、ガスの必要量が約1/30になった。これにより、除去用ガスのコストが大幅に削減され得る。
・図6の拡大図(1)に示されているように、脱着・除去用ガスの流通時間初期におけるゼオライト吸着器出口のプロパン濃度の低下プロファイルおよび低下速度は、脱着・除去用ガスとして二酸化炭素ガスを用いたときと窒素ガスを用いたときとで大きく異なっていた。すなわち、除去用ガスとして二酸化炭素ガスを用いたときには、ゼオライト吸着器出口から、最初の約10分は二酸化炭素ガスを全くあるいは殆ど含まない約100%濃度(すなわち高純度の)プロパンが排出され、次いでプロパン濃度が急低下した。除去用ガスの流通開始直後に排出されるガスは、コンプレッサー等の簡便な昇圧手段で容易に製品として回収できフレア処理による温室効果ガスの削減が可能となる。これに対して、除去用ガスとして窒素ガスを用いたときには、ゼオライト吸着器出口のプロパン濃度は流通開始直後からほぼ一定の割合で漸減が継続するため、低い濃度のプロパンが排出され製品としての回収は困難となる。
・図6の拡大図(1)と併せて拡大図(2)に示されているように、脱着・除去用ガスとして二酸化炭素ガスを用いたときには、流通開始から約20分で、ゼオライト吸着器出口のプロパン濃度が0.1体積%未満、つまり爆発下限界の1/20未満に達した。それに対して、脱着・除去用ガスとして窒素ガスを用いたときには、ゼオライト吸着器出口のプロパン濃度が0.1体積%未満、つまり爆発下限界の1/20未満に達するまで約16時間もの長時間を要した。
1:ゼオライト吸着塔
2:フレア処理部
10、40:LPG供給ライン
11、41:LPG出荷ライン
20、50:CO供給ライン
21、51:フレア送出ライン
30、60:補助燃料供給ライン
V10、V40:LPG供給バルブ
V11、V41:LPG出荷バルブ
V20、V50:CO供給バルブ
V21、V51:フレア処理用バルブ
V30、V60:補助燃料バルブ
201a、201b:ゼオライト吸着塔
202:CO充填タンク
203a、203b:加熱装置
204a、204b:生産流体供給バルブ
205a、205b:CO供給バルブ
206a、206b:ガス排出バルブ
207a、207b:製品排出バルブ
208a:ガス回収バルブ
209a:フレア排出バルブ
251:水銀除去装置
252:凝縮器
253:セパレータ
254:酸性ガス除去処理部

Claims (10)

  1. ゼオライト吸着および除去システムであって、
    炭化水素および不純物を含有する第1流体から当該不純物を吸着によって分離するゼオライトを収容するゼオライト収容部であって、前記炭化水素が、液化石油ガス(LPG)の成分であるプロパンおよび/もしくはブタンを含み、前記不純物が、メタノール、TBM(ターシャリーブチルメルカプタン)、THT(テトラヒドロチオフェン)およびDMS(ジメチルサルファイド)からなる群から選択される少なくとも1種を含むゼオライト収容部と、
    前記第1流体を前記ゼオライト収容部に導入する第1導入経路と、
    二酸化炭素ガスを含む第2流体を前記ゼオライト収容部に導入する第2導入経路であって、前記第2流体が70質量%超の二酸化炭素を含む第2導入経路と、
    を備える、ゼオライト吸着および除去システム。
  2. 前記第1導入経路と前記第2導入経路とが前記ゼオライト収容部に対して選択的に連通されるように構成されており、前記第2導入経路から前記第2流体を前記ゼオライト収容部内に流通させることによって前記ゼオライトに吸着した前記炭化水素を除去する、請求項1に記載のゼオライト吸着および除去システム。
  3. 前記ゼオライトによって前記第1流体から前記不純物が分離された前記炭化水素を前記ゼオライト収容部から排出する排出経路と、
    前記ゼオライトから除去された前記炭化水素および前記第2流体の混合物を、前記ゼオライト収容部からフレア処理部に送出する送出経路と、を含む、
    請求項1又は請求項2に記載のゼオライト吸着および除去システム。
  4. 前記ゼオライトに吸着する前記炭化水素のガスの標準状態(0℃および1気圧下)における比重を前記第2流体の標準状態における比重で除した値が1.02以上である場合、前記第2流体が前記ゼオライト収容部の上方から導入されるように前記第2導入経路を前記ゼオライト収容部の上部に接続し、または、前記ゼオライトに吸着する前記炭化水素のガスの標準状態における比重を前記第2流体の標準状態における比重で除した値が1.02未満である場合、前記第2流体が前記ゼオライト収容部の下方から導入されるように前記第2導入経路を前記ゼオライト収容部の下部に接続する、請求項1~3のいずれか1項に記載のゼオライト吸着および除去システム。
  5. 前記第2流体の流通によって前記ゼオライト収容部から除去された前記炭化水素を、前記ゼオライト収容部に導入される前の前記第1流体と混合させるリサイクル経路をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のゼオライト吸着および除去システム。
  6. ゼオライト吸着および除去方法であって、
    ゼオライトを収容するゼオライト収容部に、炭化水素および不純物を含有する第1流体を導入し、当該不純物を前記ゼオライトに吸着させることによって分離する工程であって、前記炭化水素が、液化石油ガス(LPG)の成分であるプロパンおよび/もしくはブタンを含み、前記不純物が、メタノール、TBM(ターシャリーブチルメルカプタン)、THT(テトラヒドロチオフェン)およびDMS(ジメチルサルファイド)からなる群から選択される少なくとも1種を含む工程と、
    二酸化炭素ガスを含む第2流体を前記ゼオライト収容部に導入し流通させる工程であって、前記第2流体が70質量%超の二酸化炭素を含む工程と、
    を備える、ゼオライト吸着および除去方法。
  7. 前記第1流体の前記ゼオライト収容部への第1導入経路と前記第2流体の前記ゼオライト収容部への第2導入経路とが前記ゼオライト収容部に対して選択的に連通されるように構成されており、二酸化炭素ガスを含む第2流体を前記ゼオライト収容部に導入し流通させることによって前記ゼオライトに吸着した前記炭化水素を前記ゼオライトから除去する工程を備える、請求項6記載のゼオライト吸着および除去方法。
  8. 前記ゼオライトによって前記第1流体から前記不純物が分離された炭化水素を前記ゼオライト収容部から排出する工程と、
    前記ゼオライトから除去された前記炭化水素および前記第2流体の混合物を、前記ゼオライト収容部からフレア処理部に送出する工程を含む、
    請求項6又は請求項7に記載のゼオライト吸着および除去方法。
  9. 前記ゼオライトに吸着する前記炭化水素のガスの標準状態(0℃および大気圧下)における比重を前記第2流体の標準状態における比重で除した値が1.02以上である場合、前記第2流体が前記ゼオライト収容部の上方から導入され、または、前記ゼオライトに吸着する前記炭化水素のガスの標準状態における比重を前記第2流体の標準状態における比重で除した値が1.02未満である場合、前記第2流体が前記ゼオライト収容部の下方から導入される、請求項6~8のいずれか1項に記載のゼオライト吸着および除去方法。
  10. 前記第2流体の流通によって前記ゼオライト収容部から除去された前記炭化水素を、前記ゼオライト収容部に導入される前の前記第1流体と混合させてリサイクルする工程をさらに含む、請求項6~9のいずれか1項に記載のゼオライト吸着および除去方法。
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