JP2011137278A - ポリエステル繊維 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れたクリープ特性と熱収縮率が小さいポリエステル繊維を提供する。
【解決手段】ポリエステル樹脂100質量部に対し、スルホンアミド化合物金属塩又はスルホンイミド化合物金属塩からなるポリエステル樹脂用結晶核剤0.001〜1質量部を含有するポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とするポリエステル繊維である。前記ポリエステル樹脂用結晶核剤が、ベンゼンスルホンアミド金属塩、トルエン−4−スルホンアミド金属塩、N−フェニル−4−ベンゼンスルホンアミド金属塩、N−フェニル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド金属塩、および、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシド金属塩からなる群から選択されるものであることが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】ポリエステル樹脂100質量部に対し、スルホンアミド化合物金属塩又はスルホンイミド化合物金属塩からなるポリエステル樹脂用結晶核剤0.001〜1質量部を含有するポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とするポリエステル繊維である。前記ポリエステル樹脂用結晶核剤が、ベンゼンスルホンアミド金属塩、トルエン−4−スルホンアミド金属塩、N−フェニル−4−ベンゼンスルホンアミド金属塩、N−フェニル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド金属塩、および、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシド金属塩からなる群から選択されるものであることが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、ポリエステル繊維に関し、詳しくは、収縮が少なく、クリープ特性に優れた
ポリステル繊維に関する。
ポリステル繊維に関する。
ポリエステル樹脂は、その優れた寸法安定性、耐候性、力学的特性、耐久性、電気的特性、耐薬品性等に優れ、特にポリエチレンテレフタレート樹脂(以下PET樹脂と記す場合がある)は、その高い強度と良好な染色性、生産が容易であるため、合成繊維としての検討が進んでおり、衣料用、車両内装材、緩衝材等様々な分野に展開されてきた。例えば、特許文献1には、工事現場で使用される特殊車両において、エンジン音や駆動に係る騒音・振動を防止するため、エンジンルーム内に防音材(吸音材)としてPET繊維を不織布として形成し、それを積層させてマット状として防音材に利用される方法が提案されている。
一般にPET樹脂は熱収縮が大きいことが知られている。この性質を利用して、例えば、飲料用ボトルや食品容器のラベルとして、PET樹脂のフィルムが用いられている。これは、ガラス転移温度以上又は融点近くの範囲で加熱されると、フィルムの延伸方向にかけられた応力が解除されてフィルムが収縮する性質によるものである。
しかしながら、PET樹脂を繊維として用いた場合はこの熱収縮の性質が問題になる。例えば、特許文献1に記載されている防音材の場合、エンジンルームが高温環境になるため、PET繊維が熱収縮して防音材としての効果が損なわれる場合があった。
また車両のタイヤ構造に繊維層を挿入して、ゴム成分のクッション性を高める効果が知られているが、タイヤにかかる応力は車両の走行環境に影響されるため一定量ではなく、時間の経過とともに繊維にかかる歪み(クリープ)が増大して、タイヤ構造が変形したり、パンクしてしまったりする場合があった。
そこで本発明の目的は、上記従来問題を解決し、優れたクリープ特性を有し、熱収縮率
が小さいポリエステル繊維を提供することにある。
が小さいポリエステル繊維を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリエスエル樹脂に対し、スルホンアミド化合物金属塩又はスルホンイミド化合物金属塩からなるポリエステル樹脂用結晶核剤を配合することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のポリエステル繊維は、ポリエステル樹脂100質量部に対し、スルホンアミド化合物金属塩又はスルホンイミド化合物金属塩からなるポリエステル樹脂用結晶核剤0.001〜1質量部を含有するポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とするものである。
本発明のポリエステル繊維においては、前記ポリエステル樹脂用結晶核剤として、ベンゼンスルホンアミド金属塩、トルエン−4−スルホンアミド金属塩、N−フェニル−4−ベンゼンスルホンアミド金属塩、N−フェニル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド金属塩、および、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシド金属塩からなる群から選択されるものを好適に使用することができる。
また、本発明のポリエステル繊維においては、前記ポリエステル樹脂用結晶核剤として、ベンゼンスルホンアミドナトリウム塩、トルエン−4−スルホンアミドナトリウム塩、N−フェニル−4−ベンゼンスルホンアミドナトリウム塩、N−フェニル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドナトリウム塩、および、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウム塩からなる群から選択されるものを好適に使用することができる。
また、本発明のポリエステル繊維は、前記ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
また、本発明のポリエステル繊維は、熱収縮率が15%以下であることが好ましい。
本発明により、優れたクリープ特性を有し、熱収縮率が少ないポリエステル繊維を得ることができる。
本発明のポリエステル繊維について、以下に詳述する。
本発明に係るスルホンアミド化合物金属塩又はスルホンイミド化合物金属塩からなるポリエステル樹脂用結晶核剤とは、スルホンアミド骨格を有する化合物の金属塩又はスルホンイミド骨格を有する化合物の金属塩を表す。スルホンアミド骨格またはスルホンイミド骨格を有する化合物としては、例えば、スルホンアミド、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、トルエン−4−スルホンアミド、4−クロロベンゼンスルホンアミド、4−アミノベンゼンスルホンアミド、N−ブチル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−フェニル−ベンゼンスルホンアミド、N−フェニル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−ピリジン−2−イルベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(5−メチル−チアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−チアゾール−2−イル−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(5−メチル−イソキサゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(2,6−ジメトキシ−ピリミジン−4−イル)−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシド、4−アミノ−6−クロロ−ベンゼン−1,3−ジスルホン酸ジアミド、6−エトキシ−ベンゾチアゾール−2−スルホン酸アミド、5−ジメチルアミノ−ナフタレン−1−スルホン酸アミド、4−ナトリウムオキシ−ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ベンゼンスルホニルアミノ−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド等が挙げられる。
本発明においては、ベンゼンスルホンアミド金属塩、トルエン−4−スルホンアミド金属塩、N−フェニル−ベンゼンスルホンアミド金属塩、N−フェニル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド金属塩、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシド金属塩が好ましく用いられる。
本発明に係るスルホンアミド化合物金属塩又はスルホンイミド化合物金属塩からなるポリエステル樹脂用結晶核剤とは、スルホンアミド骨格を有する化合物の金属塩又はスルホンイミド骨格を有する化合物の金属塩を表す。スルホンアミド骨格またはスルホンイミド骨格を有する化合物としては、例えば、スルホンアミド、メタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、トルエン−4−スルホンアミド、4−クロロベンゼンスルホンアミド、4−アミノベンゼンスルホンアミド、N−ブチル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、N−フェニル−ベンゼンスルホンアミド、N−フェニル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−ピリジン−2−イルベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(5−メチル−チアゾール−2−イル)−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−チアゾール−2−イル−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(5−メチル−イソキサゾール−3−イル)−ベンゼンスルホンアミド、4−アミノ−N−(2,6−ジメトキシ−ピリミジン−4−イル)−ベンゼンスルホンアミド、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシド、4−アミノ−6−クロロ−ベンゼン−1,3−ジスルホン酸ジアミド、6−エトキシ−ベンゾチアゾール−2−スルホン酸アミド、5−ジメチルアミノ−ナフタレン−1−スルホン酸アミド、4−ナトリウムオキシ−ベンゼンスルホンアミド、N−(4−ベンゼンスルホニルアミノ−フェニル)−ベンゼンスルホンアミド等が挙げられる。
本発明においては、ベンゼンスルホンアミド金属塩、トルエン−4−スルホンアミド金属塩、N−フェニル−ベンゼンスルホンアミド金属塩、N−フェニル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド金属塩、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシド金属塩が好ましく用いられる。
上記スルホンアミド化合物又はスルホンイミド化合物の金属塩における金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、チタニウム、マンガン、鉄、亜鉛、珪素、ジルコニウム、イットリウム又はバリウムから選択される金属が挙げられ、それらの中でも、カリウム、リチウム、ナトリウムは、ポリエステル樹脂の結晶化促進効果に優れているので好ましく、ナトリウムが、特に好ましい。
本発明に係るポリエステル樹脂とは、通常の熱可塑性ポリエステル樹脂を用いることができ、特に制限されるものではない。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート等のポリアルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレート等の芳香族ポリエステル;ポリエステルの構成成分と他の酸成分及び/又はグリコール成分(例えばイソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタール酸、ジフェニルメタンジカルボン酸、ダイマー酸のような酸成分、ヘキサメチレングリコール、ビスフェノールA、ネオペンチルグリコールアルキレンオキシド付加体のようなグリコール成分)を共重合したポリエーテルエステル樹脂;ポリヒドロキシブチレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリ乳酸樹脂、ポリリンゴ酸、ポリグリコール酸、ポリジオキサノン、ポリ(2−オキセタノン)等の分解性脂肪族ポリエステル;芳香族ポリエステル/ポリエーテルブロック共重合体、芳香族ポリエステル/ポリラクトンブロック共重合体、ポリアリレートなどの広義のポリエステル樹脂も使用される。
なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート及びポリ乳酸からなる群から選択される一種以上のポリエステル樹脂が好ましく使用され、特に、ポリエチレンテレフタレートは、透明性、成形加工性に優れ、安価であるためより好ましい。
また、上記ポリエステル樹脂は、単独、又は複数樹脂のブレンド(例えば、ポリエチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレートのブレンドなど)、もしくはそれらの共重合体(例えば、ポリブチレンテレフタレートとポリテトラメチレングリコールとの共重合体など)であってもよいが、特に、融点が200℃〜300℃のものが耐熱性を有する特性を示すため、好ましく使用される。
ポリエステル樹脂100質量部に対する、前記スルホンアミド化合物金属塩又はスルホンイミド化合物金属塩からなるポリエステル樹脂用結晶核剤の添加量は、0.001〜1質量部であり、好ましくは、0.005〜1質量部である。0.001質量部より少ないと、結晶核剤としての作用効果が低く、1質量部より多いと、ポリエステル樹脂中への分散性が低下し、ポリエステル繊維を十分に延伸できない場合がある。
本発明においては、前記ポリエステル繊維の熱収縮率(ドイツ工業規格DIN 53866 T3に依拠して測定)が15%以下の物が好ましい。15%を超える場合、使用目的に合った材料を製造するのが困難になる場合がある。
本発明においては、前記ポリエステル繊維を延伸配向させたものが好ましい。延伸方法は、公知の延伸方法を用いることができ、繊維が切れない範囲において延伸比率の制限なく延伸させることができる。
スルホンアミド化合物金属塩又はスルホンイミド化合物金属塩からなるポリエステル樹脂用結晶核剤を配合したポリエステル樹脂には、必要に応じてさらに通常の他の添加剤を配合することができる。他の添加剤の配合方法としては、ポリエステル樹脂に他の添加剤を目的に応じた配合量で混合して、押出機などの成形加工機で溶融混錬して造粒する方法が挙げられ、スルホンアミド化合物金属塩又はスルホンイミド化合物金属塩からなるポリエステル樹脂用結晶核剤と一緒に他の添加剤を配合してもよく、スルホンアミド化合物金属塩又はスルホンイミド化合物金属塩からなるポリエステル樹脂用結晶核剤をポリエステル樹脂に配合して繊維にした後、他の添加剤を添加したものでもよい。
他の添加剤としては、例えば、着色防止剤、蛍光増白剤、艶消し剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン化合物、重金属不活性化剤、本発明に用いるポリエステル樹脂用結晶核剤以外のその他の結晶核剤、難燃剤、金属石鹸、ハイドロタルサイト、充填剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、着色剤、可塑剤などがあげられる。
他の添加剤としては、例えば、着色防止剤、蛍光増白剤、艶消し剤、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン化合物、重金属不活性化剤、本発明に用いるポリエステル樹脂用結晶核剤以外のその他の結晶核剤、難燃剤、金属石鹸、ハイドロタルサイト、充填剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、着色剤、可塑剤などがあげられる。
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、トリデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジルチオアセテート、チオジエチレンビス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス[3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド]グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(2,6−ジ第三ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−3−メチルフェノール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス[2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル]テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス[(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]イソシアヌレート、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ第三ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス[2−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルヒドロシンナモイルオキシ)−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、トリエチレングリコールビス[β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート]等が挙げられる。
上記フェノール系酸化防止剤の使用量は、前記ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部、より好ましくは0.01〜5質量部である。
上記フェノール系酸化防止剤の使用量は、前記ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部、より好ましくは0.01〜5質量部である。
上記リン系酸化防止剤とは、例えば、トリフェニルホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチル−5−メチルフェニル)ホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられる。
上記リン系酸化防止剤の使用量は、前記ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部、より好ましくは0.01〜5質量部である。
上記リン系酸化防止剤の使用量は、前記ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.001〜10質量部、より好ましくは0.01〜5質量部である。
上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−アクリロイルオキシエチル)−5−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三オクチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−5−第三ブチルフェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三アミル−5−(2−メタクリロイルオキシエチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕−5−クロロベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−メタクリロイルオキシメチル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシプロピル)フェニル〕ベンゾトリアゾール等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシロキシフェニル)−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(3−C12〜13混合アルコキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−〔2−ヒドロキシ−4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル〕−4,6−ビス(4−メチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジヒドロキシ−3−アリルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ヒドロキシ−3−メチル−4−ヘキシロキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等の2−(2−ヒドロキシフェニル)−4,6−ジアリール−1,3,5−トリアジン類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、オクチル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ドデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、テトラデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ヘキサデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、オクタデシル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート、ベヘニル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシ)ベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;各種の金属塩、又は金属キレート、特にニッケル、クロムの塩、又はキレート類等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤の使用量は、前記ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.001〜5質量部、より好ましくは0.005〜0.5質量部である。
上記紫外線吸収剤の使用量は、前記ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.001〜5質量部、より好ましくは0.005〜0.5質量部である。
上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノ−ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8−12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、ビス{4−(1−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジル}デカンジオナート、ビス{4−(2,2,6,6−テトラメチル−1−ウンデシルオキシ)ピペリジル)カーボナート、CIBA社製 商品名 TINUVIN NOR 371等が挙げられる。
上記ヒンダードアミン系光安定剤の使用量は、前記ポリエステル樹脂100質量部に対
して、0.001〜5質量部、より好ましくは0.005〜0.5質量部である。
上記ヒンダードアミン系光安定剤の使用量は、前記ポリエステル樹脂100質量部に対
して、0.001〜5質量部、より好ましくは0.005〜0.5質量部である。
上記その他の結晶核剤としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、亜鉛粉末、アルミニウム粉末等の単体物;酸化亜鉛、酸化マグネシウム、アルミナ、ヘマタイト、マグネタイト等の金属酸化物;タルク、アスベスト、カオリン、モンモリロナイト、クレー、ピロフィライト等の粘土・鉱石類、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩;リン酸カルシウム等の無機リン酸塩;芳香族オキシスルホン酸の金属塩、有機リン化合物のマグネシウム塩、有機リン化合物の亜鉛塩等の有機リン酸塩;珪酸カルシウム塩、珪酸マグネシウム塩等の無機珪酸塩;モノカルボン酸ナトリウム塩、モノカルボン酸リチウム塩、モノカルボン酸バリウム塩、モノカルボン酸マグネシウム塩、モノカルボン酸カルシウム塩、ステアリン酸ナトリウム、モンタン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸カルシウム、4−第三ブチル安息香酸アルミニウム塩、アジピン酸ナトリウム及び2ナトリウムビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシレート、炭酸ナトリウム、炭酸マグネシウム等のカルボン酸金属塩;ナトリウムビス(4−第三ブチルフェニル)ホスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート及びリチウム−2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェート等のリン酸エステル金属塩;ジベンジリデンソルビトール、ビス(メチルベンジリデン)ソルビトール、ビス(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、及びビス(ジメチルベンジリデン)ソルビトール等の多価アルコール誘導体;N,N’,N”−トリス[2−メチルシクロヘキシル]―1,2,3−プロパントリカルボキサミド、N,N’,N”−トリシクロヘキシル−1,3,5−ベンゼントリカルボキミド、N,N’−ジシクロヘキシル−ナフタレンジカルボキサミド、1,3,5−トリス(2,2−ジメチルプロピオニルアミノ)ベンゼン等のアミド化合物;ポリカプロラクトン、ポリグリコール、ポリオレフィン、ナイロン6、ポリテトラフルオロエチレン粉末、高融点PET、ポリエステルオリゴマーのアルカリ金属塩等の高分子物質等が挙げられる。
上記その他の結晶核剤の使用量は、本発明で用いられる結晶核剤との合計量が、前記ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.001〜1質量部となるように用いられる。
上記その他の結晶核剤の使用量は、本発明で用いられる結晶核剤との合計量が、前記ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.001〜1質量部となるように用いられる。
上記難燃剤としては、例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、クレジル−2,6−キシレニルホスフェート及びレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)等の芳香族リン酸エステル、フェニルホスホン酸ジビニル、フェニルホスホン酸ジアリル及びフェニルホスホン酸(1−ブテニル)等のホスホン酸エステル、ジフェニルホスフィン酸フェニル、ジフェニルホスフィン酸メチル、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド誘導体等のホスフィン酸エステル、ビス(2−アリルフェノキシ)ホスファゼン、ジクレジルホスファゼン等のホスファゼン化合物、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸メラム、ポリリン酸アンモニウム、リン含有ビニルベンジル化合物及び赤リン等のリン系難燃剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、エチレンビス(ペンタブロモフェニル)、エチレンビステトラブロモフタルイミド、1,2−ジブロモ−4−(1,2−ジブロモエチル)シクロヘキサン、テトラブロモシクロオクタン、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ポリスチレン及び2,4,6−トリス(トリブロモフェノキシ)−1,3,5−トリアジン、トリブロモフェニルマレイミド、トリブロモフェニルアクリレート、トリブロモフェニルメタクリレート、テトラブロモビスフェノールA型ジメタクリレート、ペンタブロモベンジルアクリレート、及び、臭素化スチレン等の臭素系難燃剤等が挙げられる。
上記難燃剤の使用量は、前記ポリエステル樹脂100質量部に対して、1〜70質量部、より好ましくは、10〜30質量部である。
上記難燃剤の使用量は、前記ポリエステル樹脂100質量部に対して、1〜70質量部、より好ましくは、10〜30質量部である。
上記充填剤としては、ポリエステル樹脂の強化に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、ウォラストナイト、ゾノトライト、アタパルジャイトなどの鉱物繊維類、ガラス繊維、ミルドファイバー、金属コートガラス繊維などのガラス繊維類、炭素繊維、カーボンミルドファイバー、金属コート炭素繊維などの炭素繊維類、ステンレス鋼線、銅線、アルミ線、タングステン線などの金属線類、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、ホウ酸アルミニウムウィスカー、チタン酸カリウムウィスカー、塩基性硫酸マグネシウムウィスカー、針状酸化チタン、針状炭酸カルシウムなどの各種ウィスカー類などの繊維充填剤や、タルク、マイカ、ガラスフレーク、グラファイトフレークなどの板状充填剤、ハイドロタルサイト、ガラスビーズ、ガラスバルーン、セラミックバルーン、カーボンビーズ、シリカ粒子、チタニア粒子、アルミナ粒子、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化亜鉛などの各種充填剤が挙げられ、これら二種以上を併用してもよい。
上記充填剤は、ポリエステル繊維の特性を損なわない範囲で適宜使用できる。
上記充填剤は、ポリエステル繊維の特性を損なわない範囲で適宜使用できる。
本発明のポリエステル繊維は、常法により撚糸、接着剤処理、熱処理、アルカリ処理を処置することができ、上記撚糸は、ポリエステル繊維以外の他の繊維材料と撚糸してもよい。他の繊維材料としては、ポリエステル繊維と絡みやすく、繊維の折れが少ないものが好ましく用いられる。
本発明のポリエステル繊維は、車両用タイヤ構造体、印刷用基材、壁紙用基材、ワイビング材、各種フィルター材、湿布材、生理用品等の医療衛生材、衣料、衣料用芯地、枕カバー、化粧用基材、自動車用内装材、吸音材、包装材、土木などの産業資材等の用途に利用することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によって制限を受けるものではない。尚、ポリエステル繊維の熱収縮率及び、クリープ特性は下記の条件にて測定した。
(熱収縮率)
熱収縮率は、ドイツ工業規格DIN 53866 T3に準じて評価した。
試験片を5mN/texの張力で引張った状態を維持したまま、180℃の恒温室に15分間静置した。その後、張力を維持したまま室温に戻して繊維の長さを測定し、無処置の繊維を5mN/texの張力で引っ張った場合の長さに対する収縮率を熱収縮率として求めた。
熱収縮率は、ドイツ工業規格DIN 53866 T3に準じて評価した。
試験片を5mN/texの張力で引張った状態を維持したまま、180℃の恒温室に15分間静置した。その後、張力を維持したまま室温に戻して繊維の長さを測定し、無処置の繊維を5mN/texの張力で引っ張った場合の長さに対する収縮率を熱収縮率として求めた。
(クリープ特性)
ドイツ工業規格DIN 53835 T3に準じ、クリープ特性として伸び残率を、下記の方法にて測定した。
試験片を予め2mN/texの張力でクランプに設置し、50mm/minの速度で試験片の伸び率が7%になるまで引っ張り、そのまま1時間維持した後、張力を開放してクランプを初期の位置まで戻し、再度、試験片を50mm/minの速度で、試験片のたるみがなくなるまでの引っ張った際の、試験片の伸び率を残留伸び率とした。
ドイツ工業規格DIN 53835 T3に準じ、クリープ特性として伸び残率を、下記の方法にて測定した。
試験片を予め2mN/texの張力でクランプに設置し、50mm/minの速度で試験片の伸び率が7%になるまで引っ張り、そのまま1時間維持した後、張力を開放してクランプを初期の位置まで戻し、再度、試験片を50mm/minの速度で、試験片のたるみがなくなるまでの引っ張った際の、試験片の伸び率を残留伸び率とした。
(結晶性の評価方法)
繊維を束ねて測定試料用ホルダーに充填し、X線回折(Cu−Kα線、40kV/40mA、ステップ幅:0.1°、スキャンスピード:5秒/ステップ、走査範囲:5〜60°、透過)の条件で、連続ステップ走査モードで測定した。
結晶性は、結晶化度Xcにより評価した。結晶化度Xcとは、結晶性PETのX線強度Icry、及び、アモルファスなPET樹脂のX線強度Iam、において、Xc=Icry/(Icry+Iam)の関係にある。
アモルファスなPET樹脂のX線スペクトルの面積を予め算出し、測定試料のX線スペクトルの面積からアモルファスなPET樹脂のX線スペクトルの面積を除いたものについて、測定試料のX線スペクトルの総面積との比を結晶化度Xcとして、測定試料の結晶性を評価した。
繊維を束ねて測定試料用ホルダーに充填し、X線回折(Cu−Kα線、40kV/40mA、ステップ幅:0.1°、スキャンスピード:5秒/ステップ、走査範囲:5〜60°、透過)の条件で、連続ステップ走査モードで測定した。
結晶性は、結晶化度Xcにより評価した。結晶化度Xcとは、結晶性PETのX線強度Icry、及び、アモルファスなPET樹脂のX線強度Iam、において、Xc=Icry/(Icry+Iam)の関係にある。
アモルファスなPET樹脂のX線スペクトルの面積を予め算出し、測定試料のX線スペクトルの面積からアモルファスなPET樹脂のX線スペクトルの面積を除いたものについて、測定試料のX線スペクトルの総面積との比を結晶化度Xcとして、測定試料の結晶性を評価した。
〔実施例1〜3〕
予め180℃で乾燥させたポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人化成株式会社製TR−8550)100質量部に対し、下記表3に記載のポリエステル樹脂用結晶核剤を0.3質量部配合してよく混合し、二軸押出機(HAAKE社製PTW16;シリンダ温度:285℃)で溶融混練し、巻き取り装置(SAHM社製;ドイツ)で下記表1に記載の条件で延伸して繊維を作製し、室温に冷却した。
冷却した繊維について、巻き取り装置で下記表2に記載の条件で繊維を延伸させた。
予め180℃で乾燥させたポリエチレンテレフタレート樹脂(帝人化成株式会社製TR−8550)100質量部に対し、下記表3に記載のポリエステル樹脂用結晶核剤を0.3質量部配合してよく混合し、二軸押出機(HAAKE社製PTW16;シリンダ温度:285℃)で溶融混練し、巻き取り装置(SAHM社製;ドイツ)で下記表1に記載の条件で延伸して繊維を作製し、室温に冷却した。
冷却した繊維について、巻き取り装置で下記表2に記載の条件で繊維を延伸させた。
〔比較例1〕
上記実施例1において、スルホンアミド化合物金属塩又はスルホンイミド化合物金属塩からなるポリエステル樹脂用結晶核剤を配合しなかった以外には、実施例1と同様に実施して繊維を得た。
上記実施例1において、スルホンアミド化合物金属塩又はスルホンイミド化合物金属塩からなるポリエステル樹脂用結晶核剤を配合しなかった以外には、実施例1と同様に実施して繊維を得た。
実施例1〜3及び比較例1で得られた繊維について、熱収縮率、クリープ特性、結晶化度を求めた。これらの結果について、それぞれ表3に示す。
表3より、本発明のポリエステル繊維は、スルホンアミド化合物金属塩又はスルホンイミド化合物金属塩からなるポリエステル樹脂用結晶核剤を配合することにより、結晶性が良好で、優れたクリープ特性と熱収縮率が小さいポリエステル繊維を得られることが確認できた。
Claims (6)
- ポリエステル樹脂100質量部に対し、スルホンアミド化合物金属塩又はスルホンイミド化合物金属塩からなるポリエステル樹脂用結晶核剤0.001〜1質量部を含有するポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とするポリエステル繊維。
- 前記ポリエステル樹脂用結晶核剤が、ベンゼンスルホンアミド金属塩、トルエン−4−スルホンアミド金属塩、N−フェニル−4−ベンゼンスルホンアミド金属塩、N−フェニル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミド金属塩、および、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシド金属塩からなる群から選択されるものである請求項1記載のポリエステル繊維。
- 前記ポリエステル樹脂用結晶核剤が、ベンゼンスルホンアミドナトリウム塩、トルエン−4−スルホンアミドナトリウム塩、N−フェニル−4−ベンゼンスルホンアミドナトリウム塩、N−フェニル−4−メチル−ベンゼンスルホンアミドナトリウム塩、および、1,2−ベンズイソチアゾール−3(2H)−オン1,1−ジオキシドナトリウム塩からなる群から選択されるものである請求項1記載のポリエステル繊維。
- 前記ポリエステル樹脂がポリエチレンテレフタレートである請求項1〜3のうち何れか一項に記載のポリエステル繊維。
- DIN 53866 T3に従って測定した熱収縮率が、15%以下である請求項1〜4のうち何れか一項記載のポリエステル繊維。
- 延伸配向されたものである請求項1〜5のうち何れか一項記載のポリエステル繊維。
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