JPH05272011A - ポリウレタン弾性繊維の製造方法 - Google Patents

ポリウレタン弾性繊維の製造方法

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JPH05272011A
JPH05272011A JP6621092A JP6621092A JPH05272011A JP H05272011 A JPH05272011 A JP H05272011A JP 6621092 A JP6621092 A JP 6621092A JP 6621092 A JP6621092 A JP 6621092A JP H05272011 A JPH05272011 A JP H05272011A
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JP
Japan
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polyurethane elastic
elastic fiber
fiber
spinning
speed
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JP6621092A
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Yoshinori Morifuji
義紀 森藤
Yasushi Sanenari
泰 實成
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速度で細繊度のポリウレタン弾性繊維を効
率的に製造する方法を提供する。 【構成】 ポリウレタン弾性繊維を紡糸段階に於いて、
紡糸油剤を付与せず、そのままさらに延伸し、熱処理
し、次いで冷却した後、油剤を付与し、巻き取ることを
連続して実施する、所謂、スピン・ドロー・テーク・ア
ップ方式ポリウレタン弾性繊維を細くする製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スピン・ドロー・テー
ク・アップ方式によりポリウレタン弾性繊の繊度を細く
する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド繊維やポリエステル繊維の溶
融紡糸においては生産性向上のため工業的に有利な方法
として、未延伸糸を一旦巻き上げることなく引き続き延
伸する、所謂、スピン・ドロー・テーク・アップ法が数
多く提案されているが、ポリウレタン弾性繊維を乾式紡
糸で得る方法での例はない。
【0003】ポリアミド繊維やポリエステル繊維のよう
な結晶性高分子には延伸配向が、掛けられるのに対し、
非晶性のソフトセグメント部が約80%を占めるポリウ
レタン弾性繊維は延伸しても弾性回復が起こるため、所
望する延伸糸とならない。繊維の分子構造差に起因する
ところが大きい。また、乾式紡糸においては紡糸筒内で
脱溶剤と繊維の物性発現が行われるが、生産性向上を目
指すため紡糸速度を上げると脱溶媒が不充分となり、巻
き取られた状態で繊維同士の膠着が起こる。
【0004】これを防ぐため、熱効率を高めて脱溶剤の
完結を図っているが、熱効率の向上だけでは紡糸速度の
高速化には対応できていないし、また、受熱量の不足に
よって繊維の物性発現がしにくいことと思われる。更
に、図3に示される従来の紡糸方法では、紡糸速度を上
げてゆくと、紡糸筒内での安定走行ができず糸切れとな
っていた。一方、 一度巻き取られたポリウレタン弾性
繊維を延伸し、熱処理する加工方法でポリウレタン弾性
繊維を細くする方法が特公昭52ー21088号公報に
開示されているが、実施例中で最も細繊度のものでも1
9、5デニールであり、加工速度は90フィート/分
(約27m/分)程度の非常に遅い加工速度である。
【0005】このような低加工速度ではコスト上から見
て実用性のある細繊度のポリウレン弾性繊維を提供でき
ない。 これを改良するため、本発明者らは、特開平3
ー82818号公報によって加工速度を100m/分以
上で、ポリウレタン弾性繊維を延伸し、熱処理して繊度
を細くする方法、及び特願平2ー273200号によっ
て、10デニール以下のポリウレタン弾性繊維を高速
(例えば、250m/分)で得る方法を提案したが、一
度巻き取られたポリウレタン弾性繊維を解舒するときの
解舒速度は高々250m/分であり、解舒速度に延伸倍
率を乗じた加工速度のレベルは紡糸速度のレベルに比べ
て遅いものであつた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の、紡糸速度の遅いスピン・テーク・アップ方式や、一
度巻き取ったポリウレタン弾性繊維を延伸し、熱処理す
ることでポリウレタ弾性繊維を細くする方法にかえて、
ポリウレタン弾性繊維の紡糸段階に於いて、所謂、スピ
ン・ドロー・テーク・アップ方式によるポリウレタン弾
性繊維の製造方法によって、さらに速い速度でポリウレ
タン弾性繊維を細くする方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の問題を解決するた
め、高速での効率の良い熱処理について鋭意検討した結
果、意外にも、紡糸油剤の付着していないものでも高速
で延伸することが出来ることを見いだし、本発明に至っ
たものである。紡糸油剤が付着した糸を熱処理する際、
油剤揮散が終了して後、繊維の外周部から芯部への熱が
伝わる過程において、紡糸油剤の存在は繊維外周部と芯
部とに所定温度到達までに要する時間に差を生じさせて
しまう。すなわち、芯部まで所定温度にさせるべく加熱
すると、外周部が溶融し糸切れとなり、逆に外周部だけ
が所定温度になった場合は芯部は所定温度にまで至って
いないので延伸し、熱処理することによつて細繊度の物
性良好なポリウレタン弾性繊維とすることができないの
である。
【0008】すなわち、本発明は、乾式紡糸によるポリ
ウレタン弾性繊維の製造方法において、紡糸されたまま
のポリウレタン弾性繊維を、巻き取ることなくそのまま
延伸し、熱処理することにより、その繊度を細くするこ
とを特徴とするポリウレタン弾性繊維の製造方法、であ
る。スピン・ドロー・テーク・アップ方式による紡糸方
法はポリアミド繊維やポリエステル繊維などの溶融紡糸
では通例であるがポリウレタン弾性繊維などの乾式紡糸
においては例がないものである。また、延伸工程が入る
ことでポリアミド繊維やポリエステル繊維などの溶融紡
糸では沸水収縮率等の物性が変化してしまうのに対し、
本発明のポリウレタン弾性繊維の製造方法の場合は、ス
ピン・ドロー・テーク・アップ方式を採用しても、繊度
が細くなるだけで、強力、伸度、モジュラス等の基本物
性は通常の乾式紡糸で得られるポリウレタン弾性繊維の
基本物性と同等のものが得られる点で大きく異なるもの
である。
【0009】本発明の製造方法に用いられるポリウレタ
ン重合体組成物は両端にヒドロキシル基を持ち分子量6
00〜5000である実質的に線状の重合体、例えばポ
リエ−テルジオ−ル、ポリラクトンジオ−ル、ポリチオ
エ−テルジオ−ル、ポリエステルアミドジオ−ル、ポリ
エステルジオ−ル、ポリ炭化水素ジオ−ル、ポリカ−ボ
ネ−トジオ−ル、ポリウレタンジオ−ル、ポリシロキサ
ンジオールの1種或いは2種以上と有機ジイソシアネ−
ト及びヒドラジン、ポリヒドラジド、ポリオ−ル、ポリ
アミン、ヒドロキシルアミン、水と単官能性活性水素原
子を有する末端停止剤、例えば、ジアルキルアミンを1
段または多段階に反応せしめて得られる、分子内にウレ
タン基を有する弾性高分子である。
【0010】または、上述の両端にヒドロキシル基をも
ち分子量600〜5000である実質的に線状の重合体
と有機ジイソシアネ−トとからなるプレポリマ−に多官
能性活性水素原子を有する鎖伸長剤と単官能性活性水素
原子を有する末端停止剤とを反応させながら紡糸して得
られるものである。また、上記ポリウレタン重合体組成
物には、所望により、公知のポリウレタン重合体組成物
に有用である特定の化学構造を有する有機または無機の
配合剤、例えば、ガス黄変防止剤、紫外線吸収剤、酸化
防止剤、防黴剤、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、珪
酸マグネシウム、珪酸カルシウム、酸化亜鉛等のような
無機微粒子、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マ
グネシウム、ポリテトラフルオルエチレン、オルガノポ
リシロキサン等の粘着防止剤、を適宜配合することもで
きる。
【0011】熱処理方法は、ホットロールのような直接
加熱方式でもよいし、中空ヒーターのような間接加熱方
式でもよいが、延伸後のポリウレタン弾性繊維のデニー
ルが15以下の場合には後者の間接加熱方式が、より好
ましい。ホットロールを用いる場合、加熱効率の点から
は、ロール表面は鏡面が好ましいが、ポリウレタン弾性
繊維が粘着して走行安定性を欠くことになるので、テフ
ロンのような離型性を良くする化合物でロール表面をコ
ーティングしておくことが好ましい。
【0012】熱処理温度は、公知技術であるポリウレタ
ン繊維の製造方法における繊維固着温度以上であればよ
く、熱処理時に直接加熱体に融着したり、あるいは間接
加熱中に熔断したりすることのない範囲でできるだけ高
温が好ましく、特に220〜70℃が好ましい。ポリウ
レタン弾性繊維の熱処理時間は、延伸後の繊維物性が強
度1.8〜2.5g/d、伸度500〜650%を発現
させるに必要な時間であればよく、熱処理温度が高いほ
ど短く、低いほど長くなるが0.05〜3秒間が好まし
い。
【0013】延伸倍率は、所望する繊度によって決定さ
れるもので、紡糸後の繊度と巻きとり繊度との比であ
り、好ましくは、1.0〜3.0である。次に本発明の
ポリウレタン弾性繊維の製造方法を添付図面を参照して
以下説明する。図1は好ましい本発明のポリウレタン弾
性繊維の製造方法の一例を模式的に示す説明図である。
【0014】本発明のポリウレタン弾性繊維を細くする
製造方法は、乾式紡糸で紡出され繊維形成されたポリウ
レタン弾性繊維1を延伸し熱処理することによって製造
することができる。即ち、図1に示すようにポリウレタ
ン弾性繊維1は第1ゴデットロール2を経て第1ゴデッ
トロールを基準に延伸倍率倍の速度で回転するネルソン
式のホットロール3,4に必要な熱量を受けるための接
触長分巻き付け、熱処理して細繊度のポリウレタン弾性
繊維5とする。
【0015】この際、ホットロール3,4を通過し熱セ
ットされて所定の繊度になったポリレタン弾性繊維5の
温度が50℃より高いと繊度斑や機械的物性斑が生ずる
ので、ホットロール3,4と同速で回転する水冷の第2
ゴデットロール6で冷却された後に、油剤付与ロール7
で油剤が付与され巻き取り機8に巻き取る。油剤の付与
量としては4 〜10重量%が好ましい。
【0016】水冷ロールの温度は糸温度を20〜50℃
制御できる温度であればよい。糸温度が20℃未満にな
るとポリウレタン弾性のソフトセグメント部の結晶性が
高い場合、弾性回復性が低下して糸切れを起こすことに
なる。
【0017】
【実施例】次に本発明を実施例で更に詳しく説明するが
これに限定されるものではない。尚、繊維物性は東洋ボ
ールドウィン社製テンシロンで破断強伸度を測定した。
【0018】
【実施例1】平均分子量1200のポリテトラメチレン
グリコール1000g(重量部、以下同じ)および4,
4´−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト312gを、
窒素ガス気流中95℃において90分間攪拌しつつ反応
させて、イソシアネート基残基のプレポリマーを得た。
次いでこれを室温まで冷却した後、乾燥ジメチルホルム
アミド2360gを加え、溶解してプレポリマー溶液と
した。
【0019】一方、エチレンジアミン23.4gおよび
ジエチルアミン3.7gを乾燥ジメチルホルムアミド
1570gに溶解し、これに前記プレポリマー溶液を室
温で添加して、粘度1200ポイズ(30℃)のポリウ
レタン溶液を得た。こうして得られた粘稠な重合体溶液
に、二酸化チタン0.5%(重量%、以下同じ)4,4
´−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフ
ェノール)2%、2−(2´−ヒドロキシ−3´−t−
ブチル−5´−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾ
トリアゾール0.7%を添加した。これを、紡糸原液と
した。
【0020】この紡糸原液を用いて図1に示す本発明の
方法で紡糸し、延伸し、熱処理し繊度を細くした。即
ち、乾式紡筒内に紡出され繊維形成されたポリウレタン
弾性繊維1(40d/4f)を第1ゴデットロール(2
600m/分)を経て、240℃で制御されている直径
32cmのホットロール3,4(1200m/分)に8
回巻き付け(ラップし)熱処理する。
【0021】次いで、20℃で制御されている水冷の第
2ゴデットロール61200m/ 分で冷却した後に、油
剤付与ロール7で油剤を6%付与し繊度を細くしたポリ
ウレタン弾性繊維5(20d/4f)を、巻き取り機8
(1160m/分)に巻き取った。得られた繊維の物性
及び生産状況を表1に示す。
【0022】
【比較例1〜2】実施例1と同様の紡糸原液を用い、図
3に示す従来の紡糸方法で紡糸速度を変えてポリウレタ
ン弾性繊維(40d/4f)とした。油剤付着量は対繊
維重量6%であった。得られた繊維の物性及び生産状況
を表1に示す。
【0023】
【比較例3〜6】実施例1と同様の紡糸原液を用い、ポ
リウレタン弾性繊維(40d/4f)を紡糸速度600
m/ 分で油剤を対繊維重量6%付与した後に巻きとっ
た。ついで、図2に示す方法で加工速度を変ながらポリ
ウレタン弾性繊維(20d/4f)の製造を試みた。
【0024】すなわち、給糸ロール11から給糸された
ポリウレタン弾性繊維1(40/4f)を、240℃で
制御され給糸速度の2倍の速度に設定されてい直径32
cmのホットロール3,4に所定回数巻き付け、熱セッ
トした後、次いで、20℃で制御され給糸ロールの速度
の2倍の速度に設定されている水冷の第2ゴデットロー
ル6で冷却した後に、油剤付与ロールで油剤を6%付与
し繊度を細くしたポリウレタン弾性繊維5(20d/4
f)を、巻き取り機(580m/分)に巻き取った。
【0025】得られた繊維の物性(デニール, 強度,伸
度)及び生産状況について表1に示す。表1から明らか
な様にポリウレタン弾性繊維を解舒しつつ延伸し、熱処
理する場合、解舒速度に限界があり高速生産には限界の
ある事が分かる。また、比較例3〜6の熱処理条件は2
40℃、0.6秒であるのに対し、実施例1で240
℃、0.4秒であり熱効率の良いことが分かる。
【0026】更に、従来の紡糸方法では、紡糸速度を上
げていくと糸走不安定となり(40d以下の細デニールの
場合、特に顕著である) 、繊維物性発現も不充分なもの
となる。本発明は、紡糸速度は従来通りであって、引き
続き延伸し、熱処理する速度を上げるため、安定した紡
糸状態で生産できるものである。
【0027】
【表1】
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、従来の、紡糸速度の遅
いスピン・テーク・アップ方式や一度巻き取られたポリ
ウレタン弾性繊維を別工程で繊度を細くする方法に比較
して、効率良く細繊度のポリウレタン弾性繊維を製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のポリウレタン弾性繊維の繊度を細くす
る製造方法の一例を模式的に示す説明図
【図2】従来のポリウレタン弾性繊維の繊度を細くする
製造方法を模式的に示す説明図
【図3】従来のスピン・テーク・アップ方式を模式的に
示す説明図
【符号の説明】
1 ポリウレタン弾性繊維 2 第1ゴデットロール 3 ホットロール 4 ホットロール 5 細繊度のポリウレタン弾性繊維 6 水冷の第2ゴデットロール 7 油剤付与ロール 8 巻き取り機 9 紡口 10 第3ゴデットロール 11 給糸ロール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾式紡糸によるポリウレタン弾性繊維の
    製造方法において、紡糸されたままのポリウレタン弾性
    繊維を、巻き取ることなくそのまま延伸し、熱処理する
    ことにより、その繊度を細くすることを特徴とするポリ
    ウレタン弾性繊維の製造方法。
JP6621092A 1992-03-24 1992-03-24 ポリウレタン弾性繊維の製造方法 Withdrawn JPH05272011A (ja)

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