JP3857741B2 - 分繊用弾性糸 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、整経機、カバリング機、合撚機、コアースパン精紡機、編機などにおいて分繊しながら使用できるポリウレタン弾性糸に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、有機ジイソシアネートと高分子量ジオールで調整されたイソシアナート末端のプレポリマーを鎖長伸長させて得られるポリウレタン弾性糸は公知であり、ポリアミド繊維やポリエステル繊維と交編されファンデーション、ソックス、パンティストッキング、スポーツウェア等、多分野に伸縮機能素材として使用されている。通常使用されるポリウレタン弾性糸は、マルチフィラメントの場合、紡糸段階で粘着性のある状態でフィラメント相互を接合させ相互の分離応力を100mg以上に設定して巻き取られるが、1ボビンに1本の接合マルチフィラメントを巻き付けたものである。モノフィラメントの場合には、接合させる必要はないが、やはり1ボビンに1本のモノフィラメントを巻き付けたものである。
【0003】
このような背景下、本出願人は、生産性を高め、分離性能の優れたポリウレタン弾性糸を提供する目的で、特開平3−59112号公報で、複数本の接合マルチフィラメントあるいはモノフィラメントが1個のボビンに引き揃えて巻かれたポリウレタン弾性糸であって、金属石鹸を0.01〜0.5重量%含有すること、かつ引き揃えて巻かれた接合マルチフィラメントあるいはモノフィラメントの相互の分離応力が15mg以下であることを特徴とする分繊用弾性糸を提案した。しかしながら、この分繊用弾性糸は生産性がよく、また分離性能もよいものの、糸長方向の繊度斑が生じやすいという欠点を有していた。かかる繊度斑は、特に、細デニールの糸にとって、深刻なものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来技術の欠点を克服し、細デニール糸であっても糸長方向の繊度斑の少ない高品位の分繊用弾性糸を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、複数本の接合マルチフィラメントあるいはモノフィラメントが1個のボビンに引き揃えて巻かれたポリウレタン弾性糸であって、ハイドロタルサイト化合物を0.1〜0.8重量%、金属石鹸を0.05〜0.5重量%、変性シリコン化合物を0.05〜0.5重量%含有すること、かつ引き揃えて巻かれた接合マルチフィラメントあるいはモノフィラメントの相互の分離応力が10mg以下であることを特徴とする分繊用弾性糸であり、特に繊度斑が2.5%以下である分繊用弾性糸である。以下、本発明について説明する。
【0006】
本発明において、ポリウレタン弾性糸とは、ウレタン結合のみからなるポリウレタン弾性糸、ポリウレタン結合及びウレア結合とからなるポリウレタンウレア弾性糸をいう。
本発明において、接合マルチフィラメントとは、フィラメント相互が簡単に分離しない状態に接着せれたマルチフィラメントであり、好ましくは分離応力が20mg以上、更に好ましくは100mg以上であるマルチフィラメントである。20mg未満では、マルチフィラメント同士が分離し易く、単糸割れによって加工工程での糸切れとなり、好ましくない。
【0007】
本発明のポリウレタン弾性糸は、複数本の接合マルチフィラメントあるいはモノフィラメントが1個のボビンに引き揃えて巻かれたポリウレタン弾性糸である。1ボビンに1本の接合マルチフィラメントあるいはモノフィラメントを巻き付けた場合と異なり、生産性等の点で優れている。例えば、モノフィラメントの場合、30d/3fを紡糸することで、10d/1fの糸を一挙に3本紡糸した事となり、生産性は高まるのである。本数は2本以上であれば特に限定されないが、分繊作業の円滑さの点から2〜5本、更には2〜3本であることが好ましい。
【0008】
ポリウレタン弾性糸は、分繊作業の円滑さの点から、ガイド等により引き揃えて巻かれていることが肝要である。特に接合マルチフィラメントについては、ガイド等により引き揃えて巻かれていない場合、例えば仮撚機による場合には、接合マルチフィラメント同士の分離応力が10mg以下であっても、仮撚によってお互いが絡み合っているために分繊時に糸が切れる等の問題がある。
【0009】
本発明のポリウレタン弾性糸は、ハイドロタルサイト化合物を0.1〜0.8重量%、金属石鹸を0.05〜0.5重量%、変性シリコン化合物を0.05〜0.5重量%含有することが肝要である。これによって、本発明の弾性糸は、複数本の接合マルチフィラメントあるいはモノフィラメントが1個のボビンに引き揃えて巻かれたポリウレタン弾性糸であっても、糸長方向の繊度斑の少ない高品位の分繊用弾性糸となる。
【0010】
本発明において、ハイドロタルサイト化合物の添加量はポリウレタン系重合体の重量に基いて0.1〜0.8重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜0.6重量%である。0.1重量%未満では繊度斑の解消の効果が無く、0.8重量%を越えて添加しても紡糸の安定性及び弾性機能に悪影響を及ぼす恐れがあり、不経済である。
【0011】
本発明で使用する金属石鹸としては、リチウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム等の金属とラウリン酸、ステアリン酸等の脂肪酸との組み合わせが挙げられる。金属石鹸の添加量はポリウレタン系重合体の重量に基いて0.05〜0.5重量%が好ましく、より好ましくは0.15〜0.35重量%である。0.05重量%未満では分繊時に接合マルチフィラメントあるいはモノフィラメントの相互の分離応力を10mg以下とする事が難しく分繊作業の円滑さを欠く事になり、0.5重量%を越えて添加すると、マルチフィラメントの場合、紡糸段階で粘着性のある状態でフィラメント相互を接合させ相互の分離応力を100mg以上に設定して巻き取る事が出来ない。
【0012】
本発明に使用する変性シリコン化合物としては、直鎖状ポリエーテル変性シリコン、分岐状ポリエーテル変性シリコン、アルキル変性シリコン、アミノ変性シリコン等が挙げられる。変性シリコン化合物の添加量はポリウレタンウレア重合体の重量に基いて0.05〜0.5重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜0.3重量%である。0.05重量%未満では分繊時に接合マルチフィラメントあるいはモノフィラメントの相互の分離応力を10mg以下とする事が難しく分繊作業の円滑さを欠く事になり、0.5重量%を越えて添加すると、マルチフィラメントの場合、紡糸段階で粘着性のある状態でフィラメント相互を接合させ相互の分離応力を100mg以上に設定して巻き取る事が出来ない。
【0013】
本発明の弾性糸は、引き揃えて巻かれた接合マルチフィラメントあるいはモノフィラメントの相互の分離応力が10mg以下であることが肝要である。10mgを超える場合には分繊時の円滑さを欠く事となり、本発明の効果が生じない。
本発明の弾性糸は一般に太さが5〜100デニールであるが、特に繊度斑が品質上深刻な問題となる5〜70デニール、更には5〜30デニールの細デニ−ルの場合に、本発明の効果が有利に発揮できる。
【0014】
本発明の弾性糸は、後述の方法により測定される繊度斑が2.5%以下、更には2.3%以下である。
次に、本発明の弾性糸の製造方法について説明する。
本発明において、ポリウレタン弾性糸は、基本的には有機ジイソシアナートと実質的に線状の高分子ジオールとで調整されたイソシアナート末端のプレポリマーに多官能性活性水素原子を有する鎖伸長剤および単官能性活性水素原子を有する末端封鎖剤を1段または多段階に反応せしめて得られる分子内にウレタン基を有する弾性高分子重合体を溶融紡糸、乾式紡糸、湿式紡糸して得られるものである。
【0015】
ポリウレタン弾性糸を構成するポリウレタン基体の別の調製の仕方としては、上述の両端にヒドロキシル基をもち分子量400〜5,000である実質的に線状の重合体と有機ジイソシアネ−トとからなるイソシアネート末端のプレポリマ−に多官能性活性水素原子を有する鎖伸長剤と単官能性活性水素原子を有する末端停止剤とを反応させながら紡糸して得られるものである。
【0016】
本発明のポリウレタン基材の製造原料の一つである高分子ジオールとしては、両末端にヒドロキシル基を持つ数平均分子量400〜5,000の実質的に線状の高分子体であり、例えばポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシペンタメチレングリコール、炭素数1〜8の直鎖状またはランダム状にエーテル結合している共重合ポリアルキレンエーテルジオール等のポリエーテルジオール;アジピン酸、セバチン酸、マレイン酸、イタコン酸、アゼライン酸、マロン酸等の二塩基酸の一種または二種以上とエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、1,10−デカンジオール、1,3−ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサン等のグリコールの一種または二種以上とから得られたポリエステルジオール;又はポリエステルアミドジオール、ポリエーテルエステルジオール、ポリ−ε−カプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール等のポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオール等を挙げることができる。
【0017】
本発明のポリウレタン基材の製造原料の一つである有機ジイソシアナートとしては、例えば脂肪族、脂環族、芳香族のジイソシアナートの中で、反応条件下で溶解または液状を示すものすべてを適用できる。
例えば、メチレン−ビス(4−フェニルイソシアナート)、メチレン−ビス(3−メチル−4−フェニルイソシアナート)、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、m−及びp−キシリレンジイソシアナート、α,α,α’,α’−テトラメチル−p−キシリレンジイソシアナート、m−及びp−フェニレンジイソシアナート、4,4’−ジメチル−1,3−キシリレンジイソシアナート、1−アルキルフェニレン−2,4及び2,6−ジイソシアナート、3−(α−イソシアナートエチル)フェニルイソシアナート、2,6−ジエチルフェニレン−1,4−ジイソシアナート、ジフェニル−ジメチルメタン−4,4−ジイソシアナート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアナート、ナフチレン−1,5−ジイソシアナート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート、メチレン−ビス(4−シクロヘキシルイソシアナート)、1,3−及び1,4−シクロヘキシレンジイソシアナート、トリメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、ペンタメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、3,3,5−トリメチル−5−メチレンシクロヘキシルジイソシアネート等が例示される。好ましくは、メチレン−ビス(4−フェニルイソシアナート)である。
【0018】
本発明のポリウレタンウレア基材の製造原料の一つである、多官能性活性水素原子を有する鎖伸長剤としては、例えばヒドラジン、ポリヒドラジド、ポリオ−ル、エチレンジアミン,プロピレンジアミン,ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン,m−キシリレンジアミン,p−キシリレンジアミン等のポリアミン、ヒドロキシルアミン、水、1,4ブタンジオール等のポリオールを用いることができる。
【0019】
また、本発明のポリウレタン基材の製造原料の一つである、単官能性活性水素原子を有する末端停止剤としては、例えば、ジエチルアミンのようなジアルキルアミン等が用いられる。これらの鎖伸長剤、末端停止剤は1種単独でまたは2種以上混合して用いてもよい。
本発明のハイドロタルサイト化合物、金属石鹸、変性シリコン化合物のポリウレタンウレアへの配合はポリウレタン重合体製造の任意の段階で可能であるがポリウレタン重合体の重合終了後が好ましい。
【0020】
また、上記ポリウレタン重合体組成物には、所望により、公知のポリウレタン重合体組成物に有用である特定の化学構造を有する有機または無機の配合剤、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダードアミン系化合物等の紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系化合物等の酸化防止剤、防黴剤;硫酸バリウム、酸化マグネシウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、酸化亜鉛等のような無機微粒子;ポリテトラフルオロエチレン等の粘着防止剤を適宜配合することもできる。
【0021】
複数本の接合マルチフィラメントを引き揃えて巻き取るに際しては、図1に示す様に紡糸室下部に設けたエアージェット撚糸機14で所定単位毎に束ねて撚りをかけた後に、静止ガイド6によって引き揃えた後、1個のボビン11に巻き取る。
すなわち、ハイドロタルサイト化合物、金属石鹸、変性シリコン化合物のポリウレタンウレアへを含むポリウレタン重合体の溶液は紡糸室1に取り付けられた紡糸アセンブリ−2へ圧入する。紡糸口金のオリフィス3から溶液が押し出され、これに熱風入口4を通って紡糸室に導入される高温燃焼ガスを並流に当てる。これによって、ポリウレタン重合体の溶媒は蒸発し、連続フィラメント13が形成される。
【0022】
連続フィラメントは13は紡糸室出口に取り付けられた撚糸機16により撚りがかけられ、紡糸室内に撚り点がくるよう調整され接合マルチフィラメント15が形成される。蒸発した溶媒は高温燃焼ガスとともに熱風出口5より排出されるが、紡糸室1の下部の穴より溶媒が出ないよう通常導入した高温燃焼ガスと蒸発した溶媒の総量より多く排出し、紡糸室下部より空気が向流に流れるようにしている。
【0023】
接合マルチフィラメントの糸条温度は紡糸室下部からの向流空気量で調整される、静止ガイド6で引き揃えられ、第1ゴデッドロ−ル7と第2ゴデッドロ−ル9の中間に設けられた油剤ロ−ル8により油剤を付与し、フリクションロ−ル10により分繊用糸11として巻き取られる。なお、接合マルチフィラメントは、特開平59112号公報のように、紡糸室から出た後、静止ガイド6で引き揃えられる前に冷却装置により冷却することも可能であるが、本発明の弾性糸は上記ハイドロタルサイト化合物、金属石鹸、変性シリコン化合物を特定の重量比で含むため、接合マルチフィラメントの糸条温度を敢えて調整しなくとも、本発明の狙いとする糸条間の分離応力が得られる。
【0024】
また、複数本のモノフィラメントを引き揃えて巻き取るに際しても同様に、図2に示す様に、静止ガイド6によって引き揃えた後、1個のボビン11に巻き取るとよい。なお、モノフィラメントの場合にはエアージェット撚糸機は不要である。
本発明によれば、通常の紡糸速度で細デニール糸を一挙に生産できるために、生産効率が高まる。そして、この傾向は細デニールになるほど顕著となっている。
【0025】
本発明のポリウレタン弾性糸を製造する際には、接合マルチフィラメントの場合でも、モノフィラメントの場合でも、ガイド等によって引き揃えて巻き取ることが肝要である。ここで、ガイドを用いた場合には、ガイドの素材は摩擦抵抗による糸切れ防止の点からアルミナ、チタン等のセラミックガイドが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明を実施例で更に詳しく説明するが、これに限定されるものではない。
また、実施例中の特性値の測定法を以下に示す。
(破断強伸度)
引張試験機(オリエンテック(株)製UTM−III−100型)により20℃、65%RH雰囲気下で 試料長5cmの弾性糸を把持長5cmで、1,000%/分の歪速度で破断させ破断時の強力と伸度を測定する。
【0027】
(分離応力)
引張試験機(オリエンテック(株)製UTM−III−100型)により20℃、65%RH雰囲気下で行う。
▲1▼複数本の接合マルチフィラメントまたは複数本のモノフィラメントの分離応力の測定は、長さ方向に先ず1本の接合マルチフィラメントまたはモノフィラメントを分離して引張試験機のクランプに把持し50cm/分の速度で、分繊しその分繊に要した応力を測定する。
【0028】
▲2▼一本の接合マルチフィラメント内の分離応力は糸の切断部をよく揉んで単糸を取り出し単糸と他の残りの部分とを引張試験機のクランプに把持し50cm/分の速度で、分繊しその分繊に要した応力を測定する。
(分繊糸の走行時の分離性)
送り出しロール上に分繊用弾性糸を接し、これより糸を引き出して分繊し巻き取りロール上に接したボビンへ分繊した糸条を巻き返す。
【0029】
途中、スネルガイドを設け分繊した糸と糸とのなす角度(θ)を10°に設定し、150m/分で送り出し、225m/分で巻き取り10分間走行させた時の糸切れ回数を測定し分繊作業の円滑さを調べる。
(繊度斑;U%)
計測器工業(株)製のU%EVENNESS TESTER Type Cで測定する。
【0030】
【実施例1〜3及び比較例1〜5】
<ポリウレタン溶液の調整例>
数平均分子量1,200のポリテトラメチレングリコール1,000g(重量部、以下同じ)およびメチレン−ビス(4−フェニルイソシアナ−ト)312gを、窒素ガス気流中95℃において90分間攪拌しつつ反応させて、イソシアネート基残基のプレポリマーを得た。次いで、これを室温まで冷却した後、乾燥ジメチルホルムアミド2,360gを加え、溶解してプレポリマー溶液とした。
【0031】
一方、エチレンジアミン23.4gおよびジエチルアミン3.7gを乾燥ジメチルホルムアミド1,570gに溶解し、これに前記プレポリマー溶液を室温で添加して、粘度1,200ポイズ(30℃)のポリウレタン溶液を得た。こうして得られた粘稠な重合体溶液に、(対ポリマー固形分重量%、以下同じ)、4,4´−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)2%、2−(2´−ヒドロキシ−3´−t−ブチル−5´−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾール0.7%を添加したものを、紡糸原液▲1▼とする。
【0032】
この紡糸原液▲1▼に表1に示す添加剤を配合し真空脱泡後、口径0.2mm孔数6ホールのノズルから260℃燃焼ガスを流した紡糸室に押し出し紡糸室下部のエアージェット撚糸機で2本づつ束ねて撚をかけ3本の20デニール/2フィラメントの接合マルチフィラメントを形成し500m/分の速度で巻き取った。
表1内の記号は以下の様であり、DHT:ハイドロタルサイト化合物,StMg:ステアリン酸マグネシウム,S−E−Si:分岐状ポリエーテル変性シリコン,L−E−Si:分子両末端ポリエーテル変性シリコン,A−Si:アミノ変性シリコンを表す。
【0033】
得られた20d糸の強力,伸度,接合マルチフィラメント20d同士の分離応力,接合マルチフィラメント内の単糸同士の分離応力,分繊糸の走行時の分離性について表1に示す。
表1に示すように、ハイドロタルサイト化合物の添加で糸長方向の繊度斑が解消され、金属石鹸と変性シリコンの併用によって接合マルチフィラメント内の単糸間の分離応力は低下させずに引き揃えて巻き取られた接合マルチフィラメント同士の分離応力を低下させて分繊を容易にできる事が分かる。
【0034】
【実施例4及び比較例6】
紡糸原液▲1▼に表2に示す添加剤を配合し真空脱泡後、口径0.2mm孔数4ホールのノズルから260℃燃焼ガスを流した紡糸室に押し出し10デニールの糸を4本形成し、静止ガイドでモノフィラメントを2本づつ引き揃えて500m/分の速度で2個のボビンに巻き取った。
【0035】
得られた繊維の強力,伸度,引き揃えられたモノフィラメント同士の分離応力,分繊糸の走行時の分離性について表2に示す。
表2に示すように、経時後も優れた円滑な分繊性を示した。
【0036】
【表1】
Figure 0003857741
【0037】
【表2】
Figure 0003857741
【0038】
【発明の効果】
本発明のポリウレタンウレア弾性糸は、ハイドロタルサイト化合物、金属石鹸、変性シリコン化合物を含有せしめる事によって、1個のボビンに引き揃えて巻かれた接合マルチフィラメントあるいはモノフィラメントの相互の分離応力が10mg以下である分繊用弾性糸を与える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接合マルチフィラメントの分繊用弾性糸の製造装置の一例を示す概略図である。
【図2】本発明のモノフィラメントの分繊用弾性糸の製造装置の一例を示す概略図である。
【図3】本発明の分離試験装置の概略図である。
【符号の説明】
1 紡糸室
2 紡糸アセンブリー
3 オリフィス
4 熱風入口
5 熱風出口
6 静止ガイド
7 第一ゴデットロール
8 油剤ロール
9 第二ゴデットロール
10 フリクションロール
11 分繊用弾性糸
12 連続フィラメント
13 接合マルチフィラメント
14 撚糸機
15 送り出しロール
16 ボビン
17 巻取りロール
18 スネルガイド

Claims (2)

  1. 複数本の接合マルチフィラメントあるいはモノフィラメントが1個のボビンに引き揃えて巻かれたポリウレタン弾性糸であって、ハイドロタルサイト化合物を0.1〜0.8重量%、金属石鹸を0.05〜0.5重量%、変性シリコン化合物を0.05〜0.5重量%含有すること、かつ引き揃えて巻かれた接合マルチフィラメントあるいはモノフィラメントの相互の分離応力が10mg以下であることを特徴とする分繊用弾性糸。
  2. 繊度斑が2.5%以下である請求項1記載の分繊用弾性糸。
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