JP4030375B2 - 接着性良好な紙おむつ用ポリウレタン弾性繊維 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙おむつ用ポリウレタン弾性繊維に関する。更に詳しくは、紙おむつのゴム部に使用する接着性良好な紙おむつ用ポリウレタン弾性繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】
紙おむつの腰部や脚部等に、いわゆるゴム部として、重ね合わされた不織布の間にラミネートして使用されるポリウレタン弾性繊維は公知である。このポリウレタン弾性繊維は通常ホットメルトによって不織布にラミネートされるが、ホットメルトの使用によって接着部位が硬くなり、おむつに必要なソフトな風合いが損なわれるため、出来るだけ少量のホットメルト剤で良好な接着性を発揮できるポリウレタン弾性繊維が望まれている。又、紙おむつの製造工程でポリウレタン弾性繊維の糸巻き体からのスムーズな解じょ性も重要な問題であった。
【0003】
特公平5−50429号公報には処理剤付着量が2重量%以下の解じょ性と接着剤との接着性が良好な弾性糸巻糸体が、特開2000−327224号公報および特開2001−316974号公報には処理剤としてポリプロピレングリコール系ポリオールの解じょ性と接着剤との接着性が良好な弾性糸巻糸体が、特開平10−152264号公報には表面張力を規定した油剤を付与した解じょ性と接着性が良好な弾性糸巻糸体が、特開2001−29386号公報には2%以下の低処理剤付着した良好な伸長性と回復性をもつ紙おむつの製法が提案されている。しかし、いずれも接着性と解じょ性を高いレベルで同時に満足できるものではなかった。
【0004】
紙おむつの広汎な普及に伴い紙おむつが高温な場所に保管される場合がある。例えば、夏場におむつが自家用車内に放置された場合やディスカウント店の店頭に並べられた場合、温度は65℃以上に到達することがある。このような場合に、ポリウレタン弾性繊維とホットメルト剤との接着力の低下が起こる問題があった。しかし、少量のホットメルト剤でも良好な接着性を有し、高温に放置された場合でも接着性の低下が少ないポリウレタン弾性繊維はいまだ見出されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を解決し、良好な解じょ性を持ち、且つホットメルト剤との優れた接着性と同時に高温保管時の接着性の低下が少ない接着性の良好な紙おむつに有用なポリウレタン弾性繊維に関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、接着性良好な紙おむつ用ポリウレタン弾性繊維について鋭意検討した結果、特定の単糸繊度からなるマルチフィラメントが、少量のホットメルト剤との良好な接着性と高温保管された場合の接着性の低下を抑制し、更に解じょ性も良好であることを見出し本発明に至った。
即ち本発明は、以下のとおりである。
(1)単糸繊度が3.4〜8.3デシテックスで、且つフィラメント数が58〜265のマルチフィラメントから構成され、全繊度が200〜2200デシテックスであることを特徴とする接着性良好な紙おむつ用ポリウレタン弾性繊維。
(2)弾性繊維に処理剤が0.1〜5質量%付着又は含有されている上記(1)記載の接着性良好な紙おむつ用ポリウレタン弾性繊維。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明のポリウレタン弾性繊維は単糸繊度が3.4〜8.3デシテックスである。ここで云う繊度は巻取り後の一定長の糸質量から算出したものである。単糸繊度が3.4デシテックス未満では接着性は良好であるが糸切れが多発して紡糸が難しく生産が困難である。一方、単糸繊度が8.3デシテックスを越えると高温放置時の接着性の低下が大きい。好ましくは4.0〜8.2デシテックス、更に好ましくは4.8〜8.0デシテックスである。単糸繊度が小さくなるとマルチフィラメントの表面積が増加する。そのことによって、ポリウレタン弾性繊維に対してホットメルト剤の濡れ速度が早くなり、ホットメルトの浸透が促進されると推定される。
【0008】
本発明のポリウレタン弾性繊維はフィラメント数が58〜265のマルチフィラメントである。フィラメント数が58以上であれば、全織度に対する単糸表面積が十分大きくなり、接着性を良好に保つことができる。本発明の単糸繊度、総繊度範囲においてフィラメント数が265を越えるマルチフィラメントは、紡糸が困難である。通常、細い単糸繊度で且つ多くのフィラメント数から構成されたマルチフィラメントのポリウレタン弾性繊維は、一般の衣料用途に用いる場合、整経時、編成時の編み針や筬による摩擦によって単糸切れが発生しやすい。本発明のポリウレタン弾性繊維は紙おむつ用途に特有の有用性を示すものである。すなわち本発明のポリウレタン弾性繊維の全繊度は200〜2200デシテックスと大きく、好ましくは250〜1900デシテックス、更に好ましくは300〜1800デシテックスの範囲である。
【0009】
本発明の弾性繊維には解じょ性の観点から処理剤が0.1〜5質量%付着又は含有されていることが好ましい。処理剤の好ましい付着又は含有量は0.2〜4質量%、特に好ましい付与量は0.3〜3質量%である。
付与量が0.1質量%未満では巻き糸体パッケージから糸を取り出す際、ポリウレタン弾性繊維同士が密着し解じょ性が悪く、一定の張力で糸を取り出せないことや糸がパッケージに逆巻きを起こして糸切れを頻発する。処理剤量が5質量%を越えると高温保管時のホットメルト剤との接着性が低下する。処理剤の成分は、ジメチルシリコン、鉱物油等公知のものを用いることができ、ジメチルシリコン、鉱物油、炭素数8〜25の末端にOH基を有する高級アルコール、ポリアルキレンエーテルグリコール、ポリアルキレンエーテルグリコールと有機ジイソシアネートとのポリウレタン化合物のうち1種又は2種以上を含む処理剤が好ましい。
鉱物油は公知のものが用いられ、特に限定されない。
【0010】
ジメチルシリコンは、ジメチルシロキサン単位からなるポリジメチルシロキサン、ジメチルシロキサン単位と炭素数2〜4のアルキル基を含むジアルキルシロキサン単位とからなるポリジアルキルシロキサン類、ジメチルシロキサン単位とメチルフェニルシロキサン単位とからなるポリシロキサン類等が挙げられ、好ましくはポリジメチルシロキサンである。ジメチルシリコン及び鉱物油の25℃における動粘度が、恒温水槽中キャノンフェンスケ粘度管を用いて定法で測定した時に5〜50センチストークスであるものが更に好ましい。
【0011】
ポリアルキレンエーテルジオール化合物はホモまたは共重合物であって、数平均分子量400〜2000、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等のアルキレンオキシドを重合又は共重合するか、低分子のポリアルキレングリコールをエチレンオキシド、プロピレンオキシド等を用いてさらに共重合して得られ、プロピレンオキシド単独の重合物が好ましい。また、融点が20℃以下のものであれば冬場でも解じょ性が確保でき、紙おむつ製造工程中で良好に用いることができるため更に好ましい。
【0012】
ポリアルキレンエーテルグリコールと有機ジイソシアネートとのポリウレタン化合物は、前記のホモ又は共重合ポリアルキレンエーテルジオール化合物と有機ジイソシアネート化合物とのウレタン結合をもつ分子量が100〜10000の重付加物であり、処理剤中で溶解又は均一に微粒子化出来るるものが好ましい。有機ジイソシアネートとしては、例えば、脂肪族、脂環族、芳香族のジイソシアネートの中で、反応条件下で溶解又は液状を示すものの全てを適用できる。例えば、メチレン−ビス(4−フェニルイソシアネート)、メチレン−ビス(3−メチル−4−フェニルイソシアネート)、2,4−トリレンジイソシアネート、2、6−トリレンジイソシアネート、m−及びp−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−キシリレンジイソシアネート、m−及びp−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジメチル−1,3−キシリレンジイソシアネート、1−アルキルフェニレン−2,4及び2,6−ジイソシアネート、3−(α−イソシアネートエチル)フェニルイソシアネート、2,6−ジエチルフェニレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニル−ジメチルメタン−4,4−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレン−ビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−及び1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等が挙げられる。
【0013】
本発明のポリウレタン弾性繊維は、ポリアルキレンエーテルジオールと有機ジイソシアネートと活性水素原子含有化合物とを反応させて得たポリウレタンを紡糸して得ることが出来る。ポリアルキレンエーテルジオールは、アルキレン基がテトラメチレン基又は、テトラメチレン基と炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基等であるものが挙げられる。すなわち、ポリテトラメチレンエーテルジオール、共重合ポリ(テトラメチレン・ネオペンチレン)エーテルジオール、共重合ポリ(テトラメチレン・2−メチルブチレン)エーテルジオールが好ましい。
【0014】
有機ジイソシアネートとしては、例えば、脂肪族、脂環族、芳香族のジイソシアネートの中で、反応条件下で溶解又は液状を示すものの全てを適用できる。例えば、メチレン−ビス(4−フェニルイソシアネート)、メチレン−ビス(3−メチル−4−フェニルイソシアネート)、2,4−トリレンジイソシアネート、2、6−トリレンジイソシアネート、m−及びp−キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチル−キシリレンジイソシアネート、m−及びp−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジメチル−1,3−キシリレンジイソシアネート、1−アルキルフェニレン−2,4及び2,6−ジイソシアネート、3−(α−イソシアネートエチル)フェニルイソシアネート、2,6−ジエチルフェニレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニル−ジメチルメタン−4,4−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレン−ビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−及び1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等が挙げられる。好ましくは、メチレン−ビス(4−フェニルイソシアネート)である。
【0015】
活性水素原子含有化合物としては、例えば、ヒドラジン、ポリヒドラジン、炭素原子数2〜10の直鎖又は分岐した脂肪族、脂環族、芳香族の活性水素を有するアミノ基を持つ化合物で、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、特開平5−155841号公報に記載されているウレア基を有するジアミン類等のジアミン、ヒドロキシルアミン、水、又は低分子量のグリコール、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、1,10−デカンジオール、1,3−ジメチロールシクロヘキサン、1,4−ジメチロールシクロヘキサン等を用いることができる。好ましくは、エチレンジアミン及び1,2−プロピレンジアミンである。
【0016】
単官能性活性水素原子を有する末端停止剤としては、例えば、ジエチルアミンのようなジアルキルアミン、アルキルアミン、炭素数4〜15の末端OH基を有するアルコール等が用いられる。これらの鎖伸長剤、末端停止剤は、単独又は2種以上混合して用いてもよい。
本発明において、ポリアルキレンエーテルジオール、ジイソシアネート化合物及び活性水素含有化合物によるポリウレタン重合体の製造には、公知のポリウレタン化重合反応の技術を用いることができる。例えば、ポリアルキレンエーテルジオールと有機ジイソシアネートとを、1:1.2〜2.2(モル比)、好ましくは1:1.3〜1.8の割合で反応させ、両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを合成し、ウレタン部分を得る。
【0017】
次いで、このウレタンプレポリマーをジアミン化合物又はグリコール化合物により鎖伸長反応を行い、ポリウレタン重合体を得ることができる。
ポリウレタン重合体組成物には、ポリウレタン弾性繊維に用いられる公知の有機又は無機の化合物、例えば、熱安定剤、フェノール系酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン類、黄変防止剤、熱変色防止剤、粘着防止剤、顔料、帯電防止剤、防黴剤、着色剤、充填剤、耐塩素向上無機物質等を併用して添加してもよい。
このようにして得られたポリウレタン重合体は、通常の方法で乾式紡糸、溶融紡糸又は湿式紡糸を行い、ポリウレタン弾性繊維を得ることができる。好ましくは乾式及び湿式紡糸で得られるポリウレタン弾性繊維である。
【0018】
得られたポリウレタン弾性繊維は、紡糸前にポリマーに処理剤が添加混合されるか又は紙管パッケージに巻き取る前又は後に、ロールオイリング、ガイドオイリング、スプレーオイリング等の公知の方法によって処理剤が付着される。
処理剤には、前記の処理剤成分以外に公知の配合剤である、ポリエステル変性シリコン、ポリエーテル変性シリコン、ポリオルガノシロキサン、アミノ変性シリコン、アミノエーテル変性シリコン、タルク、シリカ、コロイダルアルミナ等の鉱物性徴粒子、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩粉末、高級脂肪族カルボン酸、パラフィン、ポリエチレン、松脂等の常温で固体のワックスなどを本発明の効果を損なわない限度においてポリウレタン弾性繊維に付着又は含有してもよい。
【0019】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
本発明に用いられる評価方法は以下の通りである。
(1)接着性
2倍に伸長させたポリウレタン弾性繊維1本にホットメルト接着剤をVスリットで0.05g/m付着させ、両サイドをポリプロピレンの不織布で挟み込み、その上から130℃の熱物体で弾性繊維と不織布を熱圧着させる。これを一週間、65℃で放置する場合と40℃で放置する場合の2条件で放置後、200mm長に熱圧着体を切断し、体温相当の35℃雰囲気下で、24時間放置後の弾性繊維の長さを測定する。接着性が良好な場合は収縮が小さく、まったく収縮しない場合は200mm、完全に収縮した場合は100mmとなり、数値が大きいほど接着性は良好である。接着性保持率は前記の測定データをもとにして、以下の(1)式により算出した。
接着性保持率(%)=100×(65℃放置後の収縮した長さ)/(40℃放置後の収縮した長さ) (1)
【0020】
(2)解じょ性
紡糸され、紙管に巻き取られたポリウレタン弾性繊維3kg巻糸体を、35℃、65%RHの雰囲気で1ヶ月間放置後、15℃、40%RHで2日間、更に25℃、65%RHの雰囲気で1ヶ月間放置したのちに評価を行う。巻糸体を梨地ローラー上に置き、ローラーを回転させながら、ローラー表面速度100m/分で、弾性繊維を送り出し、50cm離れた所に設置された同じ径の梨地ローラー上に巻き取る。巻き取るローラー上の表面速度を200m/分から徐々に低下させて、送り出すローラー上の弾性繊維が逆巻きを開始する時点の速度を測定する。この値が小さいほど紙巻から糸離れがよいことを示し、解じょ性が良好と判断する。
【0021】
【実施例1〜6】
数平均分子量1800のポリテトラメチレンエーテルジオール2400gと、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート550.2gとを乾燥窒素雰囲気下、80℃で3時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマーを得た。これを室温に冷却した後、ジメチルアセトアミド4320gを加えて溶解し、ポリウレタンプレポリマー溶液を調整した。一方、エチレンジアミン48.66g及びジエチルアミン8.22gをジメチルアセトアミド2340gに溶解し、これを前記プレポリマー溶液に室温下で添加して、粘度4500ポイズ(30℃)のポリウレタン溶液を得た。
このポリウレタン溶液に、ポリウレタン固形分に対して、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)を1質量%、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロ−ベンゾトリアゾールを0.5質量%添加し、紡糸用原液を得た。
【0022】
このようにして得られた紡糸用原液を、紡糸口金の細孔から熱風中に押しだして溶剤を蒸発させた。乾燥された糸条がリング仮撚り機を通過する過程で仮撚りし、ゴデットローラーを経てオイリングローラー上で10cstのジメチルシリコン50質量%と10cstの鉱物油50質量%からなる処理剤を糸条に対して2.5質量%付与し、毎分500m/分の速度で紙管に巻き取った。このようにして単糸繊度5.0デシテックス(dt)、フィラメント数96、全繊度480デシテックス(dt)のポリウレタン弾性繊維を得た。ここで云う繊度は巻取り後の一定長の糸質量から算出したもので、処理剤の質量を含んでいる。該弾性繊維の各種性能評価結果を表1に示す。
【0023】
【実施例2〜6】
実施例1において、表1に示すように、単糸繊度、フィラメント数、および総繊度を変更し、実施例2〜6のポリウレタン弾性繊維を得た。該弾性繊維の各種性能評価結果を表1に示す。
【比較例1〜4】
表1に示すように、単糸繊度、フィラメント数及び全繊度を変えた以外は実施例1と同様にして、比較例1〜4のポリウレタン弾性繊維を得た。弾性繊維の各種性能評価結果を表1に示す。
これより、比較例の弾性繊維は接着性保持率と解じょ性がいずれも低いレベルであることが判る。
【0024】
【実施例7〜12】
実施例3において、表2に示すように処理剤付着量を増減し、実施例7〜12のポリウレタン弾性繊維を得た。なおこの時、総繊度が一定になるように原液押出し量を調整した。弾性繊維の各種性能評価結果を表2に示す。
これより、処理剤付着量が少ないほど接着性保持率は高くなり、処理剤付着量が多くなるほど解じょ性が向上する傾向である。処理剤付着量を変えることで接着性と解じょ性のバランスを変化させ、紙おむつの部位や用途別に最適なバランスの弾性繊維を供給する事ができる。なかでも処理剤付着量が0.1〜5質量%の範囲であれば、接着性と解じょ性を高いレベルで両立できることがわかる。
【0025】
【表1】
Figure 0004030375
【0026】
【表2】
Figure 0004030375
【0027】
【発明の効果】
本発明のポリウレタン弾性繊維は、紙おむつ製造時に、少量のホットメルト剤との優れた接着性、高温時の保管に於いても接着性の低下が少なく、本発明のポリウレタン弾性繊維を用いた紙おむつの腰部や脚部、いわゆるゴム部は風合いがやわらかくソフトであり、紙おむつ製造時の巻き取りパッケージからの優れた解じょ性能等に優れた性能を有する。

Claims (2)

  1. 単糸繊度が3.4〜8.3デシテックスで、且つフィラメント数が58〜265のマルチフィラメントから構成され、全繊度が200〜2200デシテックスであることを特徴とする接着性良好な紙おむつ用ポリウレタン弾性繊維。
  2. 弾性繊維に処理剤が0.1〜5質量%付着又は含有されていることを特徴とする請求項1記載の接着性良好な紙おむつ用ポリウレタン弾性繊維。
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