JP3015232B2 - 共重合ポリエーテルをベースとしたポリウレタン弾性繊維 - Google Patents

共重合ポリエーテルをベースとしたポリウレタン弾性繊維

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JP3015232B2
JP3015232B2 JP5249136A JP24913693A JP3015232B2 JP 3015232 B2 JP3015232 B2 JP 3015232B2 JP 5249136 A JP5249136 A JP 5249136A JP 24913693 A JP24913693 A JP 24913693A JP 3015232 B2 JP3015232 B2 JP 3015232B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性機能及び耐摩耗
性、製編性に優れたポリウレタン繊維に関するものであ
る。更に詳しくは、高い破断伸度、伸長時の変形歪
に対し小さな応力変動、伸長時の低ヒステリシスロ
ス、低温下での伸縮後の低残留歪、優れた耐伸縮摩
擦摩耗性を示し、且つ、捲縮均一性が良く、糸の解舒性
が良好で、編成時の糸道ガイド、編針との摩擦力が小さ
く、優れた弾性機能、摩耗性と製編性を有すポリウレタ
ン弾性繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン弾性繊維はスパンデックス
と称され、水着、ファウンデーション、ストッキング類
等ストレッチ性の要求される用途に広く用いられている
が、種々の弾性機能、製編性についてのより一層の改良
が望まれている。即ち、室温での弾性機能として、高い
破断伸度、変形歪に対する応力変動が小さいこと、伸長
時の応力のヒステリシス損失の小さいことが望まれ、更
には低温下での弾性回復性の改良が望まれている。
【0003】これら弾性機能の改良を目的とし、種々の
低融点ジオールを用いて製造されたポリウレタンからの
弾性繊維が開示されている。例えば、低融点ジオール成
分として、共重合化したエーテルエステルジオールを用
いたポリウレタン重合体(特開昭55−160016号
公報、特開昭58−59213号公報、特開昭63−1
78131号公報)、エーテルカーボネートジオール
(特開平1−252630号公報)が開示されている
が、これから得られる弾性繊維では、ジオール成分にエ
ステル結合が存在するために、耐加水分解性、耐カビ性
等の耐久性に劣り、そのポリウレタン重合体の使用分野
は限定されている。
【0004】また、ジオール成分としてエステル結合を
含まずエーテル結合のみを含むものを用い弾性機能を改
善することが、例えば、特開昭60−26021号公
報、特開昭63−235320号公報、特開昭58−1
25718号公報に提案されている。しかし、これらの
弾性繊維は、その弾性機能が改善されてもその耐摩擦摩
耗性が低いという問題があった。
【0005】本出願人は、共重合ポリアルキレンエーテ
ルジオールを原料としたポリウレタン弾性繊維を特開平
2−49022号公報に開示した。該ポリウレタン弾性
繊維は、高い破断伸度、伸長時の変形歪に対し小さ
な応力変動、伸長時の低ヒステリシスロスおよび低
温下での伸縮後の低残留歪を有す極めて優れた弾性機能
を有すが、耐摩擦摩耗性が低いという欠点があった。耐
摩擦摩耗性向上について検討した結果、スパンデックス
の膠着防止として、特公昭63−8233号公報、特開
平5−5277号公報、特開平5−117976号公報
に開示されているアミノ変性シリコーンが極めて有効で
あることを見い出し、本発明に到達した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術におけるこれらの問題をもたらさずに、優れた弾性
機能、即ち高い破断伸度、伸長時の歪に対する小さ
な応力変動、伸長時の応力の小さなヒステリシス損
失、低温下での伸縮後の小さな残留歪を有し、且つ、
耐摩耗性に優れ、捲縮均一性が良く、糸の解舒性が良好
で、編成時の糸道ガイド、編針との摩擦力が小さく、優
れた弾性機能、耐摩耗性と製編性とを有すポリウレタン
弾性繊維を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、共重合化したポリアル
キレンエーテルジオールを用いた場合に、弾性機能に優
れたポリウレタン弾性繊維が得られることを見いだし、
更に、アミノ変性シリコーンを用い糸の摩擦係数を制御
することにより、耐摩耗性に優れた弾性繊維を得ること
を見いだし、本発明に到達した。
【0008】即ち、本発明は、有機ジイソシアネート
化合物、テトラメチレン基と少なくとも1種以上の炭
素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキレン基が、ブ
ロック状またはランダム状にエーテル結合し、テトラメ
チレンエーテルユニットと他のアルキレンエーテルユニ
ットのモル比が96:4〜15:85であり、数平均分
子量が500〜5000の共重合ポリアルキレンエーテ
ルジオール及びイソシアネート基と反応する活性水素
含有化合物から得られるポリウレタン重合体からなる繊
維であって、かつ、アミノ当量5,000〜100,0
00のアミノ変性シリコーンがポリウレタン重合体に対
し0.1wt%以上付着しており、ナイロン糸との静摩
擦係数が0.15以上、0.32以下であることを特徴
とするポリウレタン弾性繊維である。
【0009】本発明に用いる共重合ポリアルキレンエー
テルジオールは、テトラメチレン基と少なくとも1種以
上の炭素数1〜8の直鎖状または分岐状のアルキレン基
が、ブロック状またはランダム状にエーテル結合してい
る数平均分子量が500〜5000の共重合ポリアルキ
レンエーテルジオールである。例えば、異なる二種類の
アルキレン基をA、Bとし、R1〜R6を、A、Bを含
有するポリアルキレンエーテル基とすると、例えば、H
O−R 1 O−A−O−B−OR 2 −OH、HO−R 3
−A−O−A−O−A−O−B−O−B−O−B−O−
B−OR 4 −OH、HO−R 5 O−A−O−B−O−A
−O−A−O−B−OR 6 −OH等が挙げられる。
【0010】2種類以上のアルキレンを含むことによ
り、一種類のみのアルキレンを含むアルキレンエーテル
ジオールを用いた場合に比べ、得られるポリウレタン弾
性繊維の弾性機能が改善される。中でも、得られるポリ
ウレタン弾性繊維の耐水性、耐光性及び耐摩耗性の観点
からテトラメチレンエーテルユニットと他のアルキレン
エーテルユニットからなる共重合ポリテトラメチレン
ーテルグリコールが好ましく、更に、弾性機能の観点か
ら、テトラメチレンエーテルユニットとネオペンチレン
エーテルユニットとの組み合わせが好ましい。
【0011】テトラメチレン以外のアルキレンエーテル
ユニットは、4モル%以上且つ85モル%以下含むこと
が好ましい。アルキレンエーテルユニットが4モル%未
満では、スパンデックスの弾性機能改良効果が小さく、
85モル%を越えると弾性繊維の強度または伸度の低下
が大きい。本発明で使用される共重合ポリアルキレンエ
ーテルジオールの数平均分子量(Mn)は、500〜5
000、好ましくは1000〜4000である。Mnが
500より小さい場合、弾性回復性が低下し、5000
より大きいと紡糸性が悪化する。
【0012】本発明において用いられるジイソシアネー
トとしては、分子内に2個のイソシアネート基を有す公
知の脂肪族、脂環族もしくは芳香族の有機ジイソシアネ
ートが挙げられ、具体的には、4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレ
ンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキ
シルメタンジイソシアネート等の有機ジイソシアネート
が例示される。また、有機ジイソシアネートとしては、
遊離のイソシアネート基に変換される封鎖されたイソシ
アネート基を有する化合物を使用してもよい。
【0013】本発明において用いられるイソシアネート
基と反応する活性水素含有化合物としては、ポリウレタ
ンにおける常用の連鎖成長剤、即ち、イソシアネートと
反応し得る水素原子を少なくとも2個含有する分子量5
00以下の低分子化合物を用いることが出来る。この具
体例としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミ
ン、トリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、1,
3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、ヒ
ドラジン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ジヒ
ドラジド、ピペラジン等のジアミン類、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール
等のジオール類が挙げられる。これらの化合物は、単独
でまたは2種以上を混合して用いても良い。また場合に
より、イソシアネートと反応し得る活性水素を1個含有
する化合物と併用しても良い。
【0014】有機ポリイソシアネート、共重合ポリアル
キレンエーテルジオール及び活性水素含有化合物を用い
てポリウレタンを製造する方法に関しては、公知のウレ
タン化反応の技術を採用することが出来る。また、本発
明で用いられる各種化合物の化学量論的割合は、共重合
ポリアルキレンエーテルジオールの水酸基と活性水素含
有化合物の活性水素の総和が、有機ジイソシアネート化
合物のイソシアネート基に対して1.00以上1.07
当量未満が好ましい。
【0015】本発明のポリウレタン弾性繊維を構成する
ポリウレタン重合体の比粘度(ηsp/c)は、1.1
〜3.5dl/gが好ましい。この範囲とすることによ
り、弾性回復性に優れた弾性繊維となる。本発明の弾性
繊維を構成するポリウレタン重合体は、 有機ポリイソシアネート;
【0016】
【化1】
【0017】(R1 はジイソシアネート化合物の有機残
基) 共重合ポリアルキレンエーテルジオール;
【0018】
【化2】
【0019】活性水素含有化合物;
【0020】
【化3】
【0021】(R3 ,R4 は活性水素含有化合物の残
基)と表した場合、基本的には、
【0022】
【化4】
【0023】
【化5】
【0024】(但し、L、Mは1以上の整数である)と
表される構造単位(4)及び(5)の繰り返しにより表
される構造を持つ。上記ポリウレタン重合体の末端は、
−R3 Hもしくは−R4 であってもよい。この様にして
得られるポリウレタン重合体は、従来公知の乾式紡糸
法、湿式紡糸法、溶融紡糸法のいずれかで繊維状に成形
し得る。この際、アミノ変性シリコーンを付着し、糸の
摩擦特性を制御する。
【0025】本発明で用いられるアミノ変性シリコーン
は、通常膠着防止剤として知られているが、他に膠着防
止剤としてタルク、シリカ、コロイダルアルミナ等の鉱
物性微粒子、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸
カルシウム等の高級脂肪酸金属塩粉末、高級脂肪族カル
ボン酸、高級脂肪族アルコール、パラフィンポリエチレ
ン等の常温で固体のワックスなど種々のものが知られて
いる。本発明のポリウレタン弾性繊維の耐摩擦摩耗性の
向上は、上記膠着防止剤のうち、アミノ変性シリコーン
を用いることによって初めて得られるものである。
【0026】本発明のアミノ変性シリコーンとは、シロ
キサン結合を繰り返し単位とするものを言うが、直鎖状
のポリジメチルシロキサン分子鎖にアミノ基が付加した
もので、メチル基が他のアルキル基、アリル基、フェニ
ル基に置換されているもの、或いは、分岐または架橋構
造を有すレジン、ワニスも利用できる。アミノ基の付加
位置としては、側鎖および/または分子鎖の末端に結合
していても良く、更に、アミノ基も1級アミン、2級ア
ミンおよびモノアミン、ジアミン等いずれも有効であ
る。
【0027】本発明のアミノ変性シリコーンは、アミノ
当量が5000〜100000のものが好ましく、ポリ
ウレタン重合体に対し0.1wt%以上付着される。ア
ミノ当量が100000を越えると粘性が高く成りす
ぎ、スパンデックスに付着させることが困難となり、5
000未満ではスパンデックスを用いた織物の経筋発生
を改良する効果及び耐摩耗性の向上効果が小さい。
【0028】本発明のポリウレタン弾性繊維の摩擦特性
としては、静摩擦係数が0.15以上で且つ0.32以
下であることが好ましい。静摩擦係数が0.32を越え
ると、該ポリウレタン弾性繊維の耐摩擦摩耗性が低下す
る。即ち、ポリウレタン弾性繊維を用い編成した生地に
おいて、ポリウレタン弾性繊維が相手素材と接触し、摩
擦摩耗によりポリウレタン弾性繊維が切断される。この
時、摩擦摩耗量は、ポリウレタン弾性繊維の静摩擦係数
に依存し、静摩擦係数が0.32以下の場合、摩擦摩耗
より伸縮疲労が優勢となり共重合ポリアルキレンエーテ
ルジオールをベースとしたポリウレタン弾性繊維の特長
が発揮され、耐摩耗特性が向上する。また、静摩擦係数
が0.15未満では、糸−糸間の摩擦が小さくなりす
ぎ、糸をボビンに巻取る際、糸が滑り落ち安定して巻き
取ることが出来ない。
【0029】本発明に用いられるアミノ変性シリコーン
は、例えば、仕上げ剤中に混合して用いることによりポ
リウレタン弾性繊維に付着させることが出来る。この仕
上げ剤のベース処理剤としては、鉱物油、ポリジメチル
シロキサン、天然または合成エステル類、及びこれらを
主成分とする混合油剤等、従来繊維用油剤として用いら
れていたものであれば使用可能であり、癒着防止剤、つ
なぎ剤、帯電防止剤等を含んでいてもよい。
【0030】アミノ変性シリコーンの付着による糸の摩
擦特性の制御は、油剤中のアミノ変性シリコーンの含有
量、糸へのアミノ変性シリコーンの付着量、アミノ変性
シリコーンの分子量やアミノ当量等を調整することによ
って行うことができる。本発明のポリウレタン弾性繊維
は、繊維同士の癒着、ボビンに巻取られた繊維を解舒す
る時の張力変動、糸道抵抗の変動等による後加工工程で
の糸切れ発生が抑制され製編性に優れる。
【0031】この様にして得られたポリウレタン弾性繊
維は、実用上は、そのまま裸糸として使用しても良く、
また他の繊維、例えば、ポリアミド繊維、ウール、綿、
再生繊維、ポリエステル繊維など、従来公知の繊維で被
覆して被覆弾性繊維として使用することもでき、ファウ
ンデーション、靴下留め、口ゴム、コルセット、外科用
の包帯、織物及び編物の水着、ストッキング、パンティ
ストッキング等の用途に有用である。
【0032】本発明に用いられるアミノ当量、静摩擦係
数および耐摩擦摩耗性は以下の方法で測定されるもので
ある。 アミノ当量;試料(アミノ変性シリコーン)約1gを精
秤し、クロロホルムで希釈、溶解し約25ml溶液とす
る。これに指示薬としてブロモフェノールブルーを添加
し、0.1規定塩酸のメタノール溶液で滴定する。この
時、溶液が青色から紫、黄色を経て無色になる点を滴定
の終点とする。
【0033】塩酸の滴定量をE(ml)、塩酸溶液の力
価をf、試料の重量をw(g)とすると、アミノ当量=
104 ×w/(f×E)で算出される。静摩擦係数(μ
s);未処理のナイロン(旭化成工業(株)製レオナ1
0/7B)と試料(スパンデックスとの静摩擦係数
(μs)は、ジョリーバランス計(興亜商会(株)製)
を用い、以下の条件で測定した。即ち、図1に示す様
に、ナイロン糸(N)に20g(W1)の荷重を付け摩
擦体とする。これと直角に、試料(スパンデックス)
(S)をバネ(B)の下部に取り付けた滑車を介し、一
端に2gの荷重(W2)を付け、30cm/分の速度で
試料(S)を走行させる。この時、バネ(B)に加わる
最大荷重Tを測定する。静摩擦係数(μs)は、下記式
(a)
【0034】
【数1】
【0035】から算出される。耐摩擦摩耗性;ナイロン
旭化成工業(株)製、レオナ10/5BOP)と試料
(スパンデックスとを引き揃え、糸送り35m/分で
約15cm長の筒編地を作製する。該編地を自由長でK
W染色後、10分間水洗更に5分間脱水する。KW染色
は、イオン交換水にBLANKOPHOR CL(Ba
yer製)1.2%owf(編地100gに対し1.2
g)、イオネットラップ50(三洋化成(株)製)を
0.4g/l、酢酸アンモニウム0.5g/lおよび酢
酸2ml/lを溶解した液を染色液とし、染色液をボイ
ル(100℃)下で、浴比1;30となるように編地を
45分間浸漬し染色する。
【0036】該処理を施した筒編地を12時間風乾後、
220%伸長(0〜220%の繰り返し伸長)、200
rpmでデマッチャ試験機を用い、繰り返し伸縮試験を
する。所定回数後、ナイロン糸による摩擦摩耗で切断さ
れたスパンデックス糸の切断状況を観察し、スパンデッ
クス糸の切断が認められない最大の伸縮サイクル数を耐
摩擦摩耗性の尺度とする。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0038】
【実施例1】ネオペンチルグリコール(以下NPG)共
重合率19モル%、数平均分子量(Mn)2000のポ
リアルキレンエーテルジオール2000g(1モル)
と、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以
下MDI)400g(1.6モル)とを乾燥窒素気流下
で80℃で3時間、攪拌下で反応させ、ウレタンプレポ
リマーを得た。これを室温に冷却した後、ジメチルアセ
トアミド4、457g加え、攪拌しながら溶解し、均一
な溶液とした。
【0039】一方、エチレンジアミン34.2g(0.
57モル)、ジエチルアミン4.38g(0.06モ
ル)をジメチルアセトアミド1、233gに溶解した溶
液を、上記プレポリマー溶液に高速攪拌下で加え、室温
下1時間反応させ、ポリウレタン重合体溶液を得た。こ
の溶液から、通常の乾式紡糸法により、繊度40dのポ
リウレタン弾性繊維を得た。この際、仕上げ剤には、ア
ミノ変性シリコーンwt%、ポリジメチルシロキサン
72wt%、鉱物油24wt%、ステアリン酸マグネシ
ウム1wt%の混合油剤を用い、ポリマーに対して9w
t%付着した。この弾性繊維の諸物性値を表2に示す。
【0040】
【実施例2〜8及び比較例1〜3】表1に記載したジオ
ールの構成組成のポリアルキレンエーテルジオールを用
い、表1記載の仕込組成で、実施例1と同様にしてポリ
ウレタン重合体溶液を得た。この溶液から、表2に示す
組成の仕上げ剤を用いて、乾式紡糸法により繊度40d
のポリウレタン弾性繊維を得た。これらの諸物性を表2
に示す。
【0041】
【実施例9】実施例4のポリウレタン弾性繊維から耐摩
擦摩耗性測定用の筒編地を作製、処理し、編地を切り開
いた。4cm角の該編地を縦横各200%伸長固定し、
300gの接圧下、300rpmで木綿摩耗布に擦り付
けた。この際、ポリウレタン弾性繊維が切れるまでに4
50分要した。
【0042】
【比較例4】実施例4と同一のポリマー組成から、アミ
ノ変性シリコーンを含まない仕上げ剤(ポリジメチルシ
ロキサン90wt%、鉱物油8wt%、ステアリン酸マ
グネシウム2wt%の混合油剤)を9%付着したポリウ
レタン弾性繊維を用いて実施例9と同様の摩耗試験をし
たところ、ポリウレタン弾性繊維が切れるまでに120
分要した。
【0043】この様に、アミノ変性シリコーンを用いる
ことにより、共重合ポリアルキレンエーテルジオールを
ベースとしたポリウレタン弾性繊維の耐摩擦摩耗性が大
幅に向上する。
【0044】
【比較例5】実施例4の共重合ポリアルキレンエーテル
ジオールに代えて数平均分子量2000のポリテトラメ
チレンエーテルグリコールを用い、実施例4と同じ組成
で得たポリウレタン重合体溶液から、実施例4と同一の
アミノ変性シリコーンを含む仕上げ剤を9wt%付着し
たポリウレタン弾性繊維を得た。(アミノ変性シリコー
ンの付着量;0.27wt%)該ポリウレタン弾性繊維
の物性は、破断強度650kg/cm2 、破断伸度70
0%、0℃及び−20℃での残留歪が各々80%、19
0%、200%での応力保持率が60%、100%〜6
00%への応力変動率が9.7倍であった(これらの物
性は表2に従って測定した)。
【0045】又、該ポリウレタン弾性繊維を用いて、実
施例9と同様の摩耗試験をしたところ、ポリウレタン弾
性繊維が切れるまでに、500分要した。この様に、ポ
リテトラメチレンエーテルグリコールを用いたスパンデ
ックス比し、本発明の共重合ポリアルキレンエーテル
ジオールを用いたスパンデックス、高い破断伸度、
伸長時の変形歪に対し小さな応力変動、伸長時の低
ヒステリシスロス、低温下での低残留歪、優れた耐
伸縮摩擦摩耗性を示すという特長を有している。
【0046】なお、表1において; *1;表中の構造単位とは、共重合ポリアルキレンエー
テルジオール中のエーテル構造単位の組み合わせを示
す。即ち、共重合ポリアルキレンエーテルジオールの構
造単位である異なる二種類のアルキレン基をA、Bおよ
びこれらのモル比(m/n)を表す。
【0047】表2において; *2;試料長5cmのサンプルを1000%/分の歪速
度で引ッ張りテストを20℃で行った時の、破断強度お
よび破断伸度を示す。 *3;温度0℃および−20℃で、1000%/分の歪
速度で、300%までの伸長回復を3回繰り返した時
の、3回目の回復時の応力が0となる残留歪を示す。
【0048】*4;20℃で、1000%/分の歪速度
で300%までの伸長回復を3回繰り返した時の、3回
目の200%歪時の、伸長時の応力に対する回復時の応
力保持率を示す。 *5;20℃で、1000%/分の歪速度で引っ張りテ
ストを行った時の、100%伸長時の応力に対する60
0伸長時の応力の倍率を示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明のポリウレタン弾性繊維は、共重
合ポリアルキレンエーテルジオールを用いることによ
り、弾性機能に優れ、更にアミノ変性シリコーンの付着
により耐摩擦摩耗性、製編性に優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における静摩擦係数(μs)の測定方法
を模式的に示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ジイソシアネート化合物、テト
    ラメチレン基と少なくとも1種以上の炭素数1〜8の直
    鎖状または分岐状のアルキレン基が、ブロック状または
    ランダム状にエーテル結合し、テトラメチレンエーテル
    ユニットと他のアルキレンエーテルユニットのモル比が
    96:4〜15:85であり、数平均分子量が500〜
    5000の共重合ポリアルキレンエーテルジオール及び
    イソシアネート基と反応する活性水素含有化合物から
    得られるポリウレタン重合体からなる繊維であって、か
    つ、アミノ当量5,000〜100,000のアミノ変
    性シリコーンがポリウレタン重合体に対し0.1wt%
    以上付着しており、ナイロン糸との静摩擦係数が0.1
    5以上、0.32以下であることを特徴とするポリウレ
    タン弾性繊維。
JP5249136A 1993-10-05 1993-10-05 共重合ポリエーテルをベースとしたポリウレタン弾性繊維 Expired - Lifetime JP3015232B2 (ja)

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