JP2963856B2 - アミノ変性シリコーンを含有するポリウレタン弾性繊維 - Google Patents

アミノ変性シリコーンを含有するポリウレタン弾性繊維

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JP2963856B2
JP2963856B2 JP7075606A JP7560695A JP2963856B2 JP 2963856 B2 JP2963856 B2 JP 2963856B2 JP 7075606 A JP7075606 A JP 7075606A JP 7560695 A JP7560695 A JP 7560695A JP 2963856 B2 JP2963856 B2 JP 2963856B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、着用時の糸切れが少な
く、かつ繰り返しの洗濯にも耐えうる着用耐久性及び着
用感に優れたパンティストッキングに適したポリウレタ
ン弾性繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン弾性繊維は、一般に、スパ
ンデックスと称され、水着、婦人用下着、靴下等、スト
レッチ性の要求される衣料用途に種々用いられている。
特に、近年、ゾッキタイプのパンティストッキング(以
下パンティストッキングと略す。)向けのポリウレタン
弾性繊維について、種々の弾性機能、製編性、着用耐久
性について、より一層の改良が望まれている。
【0003】即ち、パンティストッキングとして、より
ソフトな着用感と生地の透明感のある薄手化商品が嗜好
され、その為に、ポリウレタン弾性繊維の細デニール化
や低モジュラス化が図られ、従来の20d(デニール)
から、より細い15d以下の弾性繊維や、共重合ポリア
ルキレンエーテルジオールを用いた弾性率の低いポリウ
レタン弾性繊維が用いられたりする傾向にある。この様
なポリウレタン弾性繊維を用いる事により、ソフトな着
用感と生地の透明感のある薄手化商品が可能となる反
面、着用時の糸切れが起こりやすくなり、ポリウレタン
弾性繊維の耐摩擦摩耗性の向上が近年重要となってき
た。本発明者らは、優れた弾性特性を有するポリウレタ
ン弾性繊維の耐摩擦摩耗性向上について検討した結果、
油剤成分にアミノ当量5000から100000のアミ
ノ変性シリコーンを用いる事が極めて有効であることを
見い出した(特願平05−249136:以下先出願
と略す。)。しかし、更に検討を進めた結果、低モジュ
ラス弾性繊維、例えば15d以下の細いポリウレタン弾
性繊維や共重合ポリアルキレンエーテルジオールを用い
たポリウレタン弾性繊維に、アミノ変性シリコーンの油
剤成分を弾性繊維に付与したのみでは、着用耐久性は充
分ではなく、更に、染色工程及び着用後の洗濯時にアミ
ノ変性シリコーンが繊維表面から脱落しやすく、パンテ
ィストッキングの繰り返しの着用耐久性は未だ充分満足
できる水準でない事が分かった。アミノ変性シリコーン
成分からなる油剤を、ポリウレタン弾性繊維の膠着防止
等に用いた開示が有る(特開平3−294524号公
報,特開平5−5277号公報,特開平5−11797
6号公報,特開平3−146774号公報)。また、特
定のジアミノシリル化合物をポリエステル系ポリウレタ
ンの重合時にポリマー鎖伸長剤の一部として用い、ポリ
ウレタンの耐湿分老化性を向上させた開示が有る(特公
平6−65761号公報)。しかし、アミノ変性シリコ
ーンをポリウレタン重合体に添加、含有させてポリアル
キレンエーテル系ポリウレタン弾性繊維の耐摩耗着用の
耐久性改善に関する開示はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、パンティス
トッキングに適した、ソフトで良好な着用感を発現する
優れた弾性機能、繰り返し洗濯しても着用耐久性のある
低モジュラスなポリウレタン弾性繊維に関する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、ポリアルキレンエーテルジオールを用いたポ
リウレタン重合体にアミノ変性シリコーンを含有したポ
リウレタン弾性繊維によって、初めて、本発明の課題を
解決する事が出来た。即ち、本発明は、1種または2
種以上の炭素数2〜10の直鎖状または分岐状のアルキ
レン基がエーテル結合している数平均分子量が500〜
5000の単一または共重合ポリアルキレンエーテルジ
オール、有機ジイソシアネート化合物、イソシアネ
ート基と反応する活性水素含有化合物から得られるポリ
ウレタン重合体に対して、アミノ変性シリコーン化合物
を0.01重量%〜5重量%含有させてなるポリウレタ
ン弾性繊維である。本発明のアミノ変性シリコーンを含
有するポリウレタン弾性繊維は、繰り返しの洗濯に耐
え、長期にわたる着用耐久性が大きく向上する。
【0006】本発明に用いるポリアルキレンエーテルジ
オールは、1種または2種以上の炭素数2〜10の直鎖
状または分岐状のアルキレン基が、エーテル結合してい
る数平均分子量が500〜5000の単一または共重合
ポリアルキレンエーテルジオールである。本発明の共重
合ポリアルキレンエーテルジオールは、アルキレン基
が、ブロック状またはランダム状にエーテル結合してい
る数平均分子量が500〜5000の共重合ポリアルキ
レンエーテルジオールであり、異なる二種類のアルキレ
ン基をA、Bとし、Rl 〜R6 を、A, Bを含有するポ
リアルキレンエーテル基とすると、例えば、HO−Rl
O−A−O−B−OR2 −OH、HO−R3 O−A−
−A−O−A−O−B−O−B−O−B−O−B−OR
4 −OH、HO−R5A−O−B−O−A−O−A
−O−B−OR6 −OH等が挙げられる。従来からポリ
ウレタン弾性繊維の原料として広範に用いられている単
一ポリアルキレンエーテルジオールであるPTMG(ポ
リテトラメチレンエーテルグリコール)に比較して、2
種類以上のアルキレン基からなる共重合ポリアルキレン
エーテルジオールを用いたポリウレタン弾性繊維の場
合、弾性機能がさらに改善され、その為、このポリウレ
タン弾性繊維は優れた弾性機能、即ち高い破断伸度、
伸長時の歪に対する小さな応力変動、伸長時の応力
の小さなヒステリシス損失を有するため、これを使用し
たパンティストッキングは、優れた弾性機能を有し、着
用感に優れた商品となる。共重合ポリアルキレンエーテ
ルジオールの中でも、得られるポリウレタン弾性繊維の
耐水性、耐光性及び耐摩耗性、弾性機能の観点から、ブ
チレン基,すなわちテトラメチレンエーテルユニットを
含む共重合ポリアルキレンエーテルジオールが好まし
く、更にはブチレン基,すなわちテトラメチレンエーテ
ルユニットと2,2−ジメチルプロピレン基、すなわち
ネオペンチレンエーテルユニットとの組み合わせが好ま
しい。
【0007】テトラメチレン基以外のアルキレンエーテ
ルユニットは、4モル%以上且つ85モル%以下含むこ
とが好ましい。アルキレンエーテルユニットが4モル%
未満では、スパンデックスの弾性機能改良効果が小さ
く、85モル%を越えると弾性繊維の強度または伸度の
低下が大きい。本発明で使用されるポリアルキレンエー
テルジオールの数平均分子量(Mn)は、500〜50
00、好ましくは1000〜4000である。Mnが5
00より小さい場合、弾性回復性が低下し、5000よ
り大きいと紡糸性が悪化する。
【0008】本発明において用いられるジイソシアネー
トとしては、分子内に2個のイソシアネート基を有す公
知の脂肪族、脂環族もしくは芳香族の有機ジイソシアネ
ートが挙げられ、具体的には、4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート、2,4−または2,6−トリレ
ンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキ
シルメタンジイソシアネート等の有機ジイソシアネート
が例示され、好ましくは、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネートである。また、有機ジイソシアネート
として、遊離のイソシアネート基に変換される封鎖され
たイソシアネート基を有する化合物を使用してもよい。
【0009】本発明において用いられるイソシアネート
基と反応する活性水素含有化合物としては、ポリウレタ
ンにおける常用の鎖伸長剤、即ち、イソシアネートと反
応し得る水素原子を少なくとも2個含有する分子量50
0以下の低分子化合物を用いることが出来る。この具体
例としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、
トリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、1,3−
ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、ヒドラ
ジン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ジヒドラ
ジド、ピペラジン等のジアミン類、及び特開平5−15
5841号公報で開示されたジアミン化合物類、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール等のジオール類、好ましくはエチレンジアミ
ン、1,2−プロピレンジアミン、及び特開平5−15
5841号公報で開示されたジアミン化合物類が挙げら
れる。これらの化合物は、単独でまたは2種以上を混合
して用いても良い。また場合により、イソシアネートと
反応し得る活性水素を1個含有する化合物と併用しても
良い。
【0010】有機ポリイソシアネート、ポリアルキレン
エーテルジオール及び活性水素含有化合物を用いてポリ
ウレタンを製造する方法に関しては、公知のウレタン化
反応の技術を採用することが出来る。また、本発明で用
いられる各種化合物の化学量論的割合は、ポリアルキレ
ンエーテルジオールの水酸基と活性水素含有化合物の活
性水素の総和が、有機ジイソシアネート化合物のイソシ
アネート基に対して1.00以上1.07当量未満が好
ましい。
【0011】本発明のポリウレタン弾性繊維を構成する
ポリウレタン重合体の比粘度(ηsp/c)は、1.1
〜3.5dl/gが好ましい。この範囲とすることによ
り、弾性回復性に優れた弾性繊維となる。尚、ここで比
粘度(ηsp/c)とは、N,N’−ジメチルアセトア
ミド溶媒中における(η/η0 −1)/Cで計算した値
である。(但し、Cはポリマー0.5g/DMAC9
9.5gの溶液粘度(0.5 wt%) であり、ηはオストワ
ルド粘度計による希薄溶液中の落下秒数であり、η0
同上粘度計によるDMACのみの落下秒数である。) 本発明の弾性繊維を構成するポリウレタン重合体は、 ポリアルキレンエーテルジオール;
【0012】
【化1】
【0013】(R1 は、ポリアルキレンエーテルジオー
ルの残基) 有機ポリイソシアネート;
【0014】
【化2】
【0015】(R2 はジイソシアネート化合物の有機残
基) 活性水素含有化合物;
【0016】
【化3】
【0017】(R3 ,R4 は活性水素含有化合物の残
基)と表した場合、基本的には、
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】(但し、L、Mは1以上の整数である)と
表される構造単位(4)及び(5)の繰り返しにより表
される構造を持つ。上記ポリウレタン重合体の末端は、
−R3 Hもしくは−R4 であってもよい。本発明で用い
られるアミノ変性シリコーンは、例えば、
【0021】
【化6】
【0022】
【化7】
【0023】
【化8】
【0024】
【化9】
【0025】(但し、n,mは1以上の整数、Xは、−
RNH2 または−RNHR' NH2 R,R’はアルキ
レン基である。)等で表される構造を持つ。すなわち、
本発明のアミノ変性シリコーンとは、シロキサン結合を
繰り返し単位とするものを言うが、直鎖状のポリジメチ
ルシロキサン分子鎖にアミノ基が付加したもので、メチ
ル基の一部が、他のアルキル基、アリル基、フェニル基
に置換されているもの、或いは、ポリジメチルシロキサ
ン分子鎖が分岐または架橋構造のものも利用できる。ア
ミノ基の付加位置としては、側鎖および/または分子鎖
の末端に結合していても良く、更に、アミノ基も1級ア
ミン、2級アミンおよびモノアミン、ジアミン等いずれ
も有効である。好ましくは、一般式(6)〜(9)で表
されるアミノ変性シリコ(以下、アミノ変性シリコ
ンということもある。)である。
【0026】本発明で用いられるアミノ変性シリコンの
アミノ当量(g/eq)は、アミノ基1個当たりのシロ
キサン分子量に相当し、アミノ当量が小さいほど分子中
のアミノ基量が多いことを表している。本発明に用いら
れるアミノ変性シリコンは、アミノ当量(g/eq)が
3000以下が好ましく、更に好ましくは1000以下
である。3000より大きい場合、洗濯耐久性の効果が
低下する。
【0027】本発明に用いられるアミノ変性シリコンの
数平均分子量は、驚くべき事に、一般に、油剤成分とし
て用いられるアミノ変性シリコンでは、揮発性、飛散性
が高く問題となる比較的低分子量のものが逆に好ましい
事が分かった。これは、本発明ではアミノ変性シリコン
が繊維の内部に存在することが必須であり、ポリウレタ
ン重合体にアミノ変性シリコンを含有させた場合、低分
子量低粘度であれば弾性繊維に含有されたアミノ変性シ
リコンが繊維表面に徐々に移行するが、アミノ当量(g
/eq)が低いのでアミノ基がポリウレタン重合体と親
和性を保って脱離し難い効果がある為と推定される。こ
れに対し、油剤成分としてアミノ変性シリコンを用いた
場合には、揮発性、飛散性に問題があり、かつ耐洗濯着
用耐久性の効果も小さいことが分かった。
【0028】以上の点から、本発明に用いられるアミノ
変性シリコンの数平均分子量は8000以下が好まし
く、更に好ましくは、3000以下の比較的低分子量で
低粘性のものである。また、25℃での粘度は、100
0cst以下が好ましい。更に好ましくは、200cs
t以下である。
【0029】本発明のアミノ変性シリコンの含有量は、
ポリウレタン重合体に対して、0.01重量%〜5重量
%、好ましくは、0.05重量%〜3重量%、特に好ま
しくは0.1重量%〜1.5重量%である。0.01重
量%より少なければ、洗濯耐久性の効果がなく,5重量
%より多ければ、紡糸時に紙管ボビン上で弾性繊維同士
が糸滑りを起こし、巻取り形状不良となり好ましくな
い。
【0030】この様にして得られるアミノ変性シリコン
を含有するポリウレタン重合体に、更に、ポリウレタン
重合体に有用な公知の有機化合物又は無機化合物の熱安
定剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、黄変防止剤、熱変色
防止剤、耐プール用殺菌塩素剤を添加しても良い。この
様にして得られたポリウレタン重合体組成物は、従来公
知の乾式紡糸法、湿式紡糸法、溶融紡糸法のいずれかで
繊維状に成形し得る。この際、更に、先出願のアミノ変
性シリコーンを油剤として付着させてもよい。
【0031】ここで用いられる油剤成分は、アミノ変性
シリコンの他に、ポリエステル変性シリコン、ポリエー
テル変性シリコン、ポリオルガノシロキサン、鉱物油、
タルク、シリカ、コロイダルアルミナ等の鉱物性微粒
子、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウ
ム等の高級脂肪酸金属塩粉末、高級脂肪族カルボン酸、
高級脂肪族アルコール、パラフィンポリエチレン等の常
温で固体のワックスなど種々のものを組み合わせて使用
して良い。
【0032】ポリウレタン弾性繊維の洗濯着用耐久性
は、本発明のアミノ変性シリコーンをポリウレタンに含
有させたポリウレタン弾性繊維によって著しく向上す
る。更に、本発明のアミノ変性シリコンをポリウレタン
に含有した弾性繊維の場合、油剤成分として付与した場
合に比べて、長期に渡って繊維同士の癒着、ボビンに巻
取られた繊維を解舒する時の張力変動、糸道抵抗の変動
等による後加工工程での糸切れ発生が抑制され製編性も
一層優れる。
【0033】この様にして得られたポリウレタン弾性繊
維は、実用上は、そのまま裸糸として使用しても良く、
また他の繊維、例えば、ポリアミド繊維、ウール、綿、
再生繊維、ポリエステル繊維など、従来公知の繊維で被
覆して被覆弾性繊維として使用することもできる。本発
明のポリウレタン弾性繊維は、特に、タイツ、パンティ
ストッキングの用途に、有用であるが、これに限定され
ることなく、ファウンデーション、靴下留め、口ゴム、
コルセット、外科用の包帯、織物及び編物の水着等にも
用いる事ができる。
【0034】本発明に用いられるアミノ当量、耐摩擦摩
耗性の測定及びパンティストッキングの作成は以下の方
法で行った。 アミノ当量 試料(アミノ変性シリコーン)約1gを精秤し、クロロ
ホルムで希釈、溶解し約25ml溶液とする。これに指
示薬としてブロモフェノールブルーを添加し、0.1規
定塩酸のメタノール溶液で滴定する。この時、溶液が青
色から紫、黄色を経て無色になる点を滴定の終点とす
る。
【0035】塩酸の滴定量をE(ml)、塩酸溶液の力
価をf、試料の重量をw(g)とすると、アミノ当量=
104 ×w/(f×E)で算出される。 25℃粘度 キャノン・フェンスケ型粘度計を用いて、JIS K
2283に準じて測定した。 破断強力および破断伸度 試料長5cmのサンプルを1000%/分の歪速度で引
ッ張りテストを20℃で行った時の、破断強力および破
断伸度を示す。 200%での応力保持率 20℃で、1000%/分の歪速度で300%までの伸
長回復を3回繰り返した時の、3回目の200%歪時
の、伸長時の応力に対する回復時の応力保持率を示す。 100%〜300%への応力変動率 20℃で、1000%/分の歪速度で引っ張りテストを
行った時の、100%伸長時の応力に対する300%伸
長時の応力の倍率を示す。 耐摩擦摩耗性(伸縮サイクル)評価 ナイロン糸(旭化成工業(株)製、レオナ10d/5
f)と試料(ポリウレタン弾性繊維)とを引き揃え、糸
送り35m/分で約15cm長の筒編地を作製する。こ
の筒編地を、染色ー洗濯処理筒編地として、耐摩耗摩擦
性評価に用いた。すなわち、編地を自由長で蛍光白色染
色する。イオン交換水にBLANKOPHOR CL
(Bayer社製染料)1.2%owf(編地100g
に対し1.2g)、イオネットラップ50(三洋化成
(株)製)を0.4g/l、酢酸アンモニウム0.5g
/lおよび酢酸2ml/lを溶解した液を染色液とし、
染色液をボイル(100℃)下で、浴比1:30となる
ように編地を45分間浸漬し染色する。
【0036】該処理を施した筒編地を12時間風乾後、
洗濯処理として、花王製新ニュービーズ0.83g/
l,40℃の水40lに洗濯機で40分撹拌後、10分
間流水で水洗し、45℃で8時間風乾し、これを洗濯1
回とした。この操作を3回繰り返して洗濯3回処理とし
た。これらの筒編地を、220%伸長(0〜220%の
繰り返し伸長)、200rpmでデマッチャ試験機を用
い、繰り返し伸縮試験をする。所定回数後、ナイロン糸
による摩擦摩耗で切断されたスパンデックスの切断状況
を観察し、スパンデックスの切断が認められない最大の
伸縮サイクル数として耐摩擦摩耗性の評価を行ない表1
に記載した。 耐摩耗布耐久性評価 上記未処理筒編地を、蛍光白色染色後、洗濯1回及び3
回処理した筒編地を、染色−洗濯処理筒編地として、以
下の評価に用いた。筒編地を切り開き、4cm角の該編
地を縦横各200%伸長固定し、300gの接圧下、3
00rpmで木綿摩耗布に擦り付けた。この際、目視に
よって、筒編地のポリウレタン弾性繊維が切れ、編地に
穴があくまでの時間(分)を測定し、結果を表2に記載
した。 パンティストッキングの作成 ナイロン糸(旭化成工業(株)製、レオナ10d/5
f)と試料(スパンデックス弾性繊維)を、カバーリン
グ(ドラフト率2.7,1800T/m)後、このカバ
ーリング糸を用いて、トータルコース2400コースで
編んだ編地を、50℃でプレセットした後、95℃で4
5分間染色後、フィックス剤処理−柔軟加工剤処理後、
125℃15秒間熱セットを行い、パンティストッキン
グを仕上げた。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0038】
【実施例1〜5】テトラメチレンエーテルユニットとネ
オペンチレンエーテルユニット(以下NPG)からなる
数平均分子量(Mn)2000の共重合ポリアルキレン
エーテルジオール(NPGの共重合率19モル%)20
00g(1モル)と、4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(以下MDI)400g(1.6モル)と
を乾燥窒素気流下で80℃で3時間、攪拌下で反応さ
せ、ウレタンプレポリマーを得た。これを室温に冷却し
た後、ジメチルアセトアミド4457gを加え、攪拌し
ながら溶解し、均一な溶液とした。
【0039】一方、エチレンジアミン34.2g(0.
57モル)、ジエチルアミン4.38g(0.06モ
ル)をジメチルアセトアミド1233gに溶解した溶液
を、上記プレポリマー溶液に高速攪拌下で加え、室温下
1時間反応させ、4100ポイズ/30℃の粘調なポリ
ウレタン重合体溶液を得た。この溶液に、表1に示すア
ミノ変性シリコン(一般式(6)タイプ)を添加し、均
一に混合した後、通常の乾式紡糸法により、繊度15d
のポリウレタン弾性繊維を得た。この際、仕上げ剤に
は、ポリジメチルシロキサン74wt%、鉱物油25w
t%、ステアリン酸マグネシウム1wt%の混合油剤を
用い、ポリマーに対して9wt%付着した。この弾性繊
維の諸物性値を表1に示す。
【0040】
【比較例1】実施例1と同様な方法で得た粘調なポリウ
レタン重合体溶液に、表1に記載したアミノ変性シリコ
ン(一般式(6)タイプ)を添加せずに、実施例1と同
様な方法で、繊度15dの実施例1の仕上げ剤を付着し
たポリウレタン弾性繊維を得た。この弾性繊維の諸物性
値を表1に示す。
【0041】
【比較例2及び3】実施例1に従って作ったポリウレタ
ン重合体に、アミノ変性シリコンは添加せずに、実施例
1と同様にして、繊度15dのポリウレタン弾性繊維を
得た。この際、仕上げ剤に、表1に記載したアミノ変性
シリコン(一般式(6)タイプ)3wt%,ポリジメチ
ルシロキサン72wt%、鉱物油24wt%、ステアリ
ン酸マグネシウム1wt%の混合油剤を用い、ポリマー
に対して9wt%付着した。この弾性繊維の諸物性値を
表1に示す。
【0042】
【実施例6】実施例1と同様な方法で得た粘調なポリウ
レタン重合体溶液に表1に記載したアミノ変性シリコン
(一般式(7)タイプ)を添加して、実施例1と同様な
方法で、繊度15dの実施例1の仕上げ剤を付着したポ
リウレタン弾性繊維を得た。この弾性繊維の諸物性値を
表1に示す。
【0043】
【実施例7,8】共重合ポリアルキレンジオールの代わ
りに、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTM
G)数平均分子量1800を用いた以外は、実施例1と
同様な方法で4800ポイズ/30℃の粘調なポリウレ
タン重合体溶液を得た。このポリウレタン重合体溶液
に、表1に記載したアミノ変性シリコン(一般式(6)
タイプ)を添加して、実施例1と同様な方法で繊度15
dのポリウレタン弾性繊維を得た。この弾性繊維の諸物
性値を表1に示す。
【0044】
【比較例4】実施例6と同様な方法で得た粘調なポリウ
レタン重合体溶液に、アミノ変性シリコンを添加せず、
実施例4と同様な方法で、繊度15dのポリウレタン弾
性繊維を得た。この弾性繊維の諸物性値を表1に示す。
また、各実施例及び比較例のポリウレタン弾性繊維
いて、前記の方法にてパンティストッキングを作成し、
20代〜40代の女性10名をランダムに抽出して、約
8時間/1日着用した後、洗濯し、日陰で乾燥させた。
このパンティストッキングのポリウレタン弾性繊維が切
断してない事を確認して着用1回と数える。着用1回毎
に、洗濯の操作を繰り返して、パンティストッキングの
着用を繰り返し、切断を認めた場合、その前の着用回数
を着用耐久回数として記録し、着用者の回数の平均値で
表した。切断が無い場合は、最高10回まで着用を繰り
返した結果を表2に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明のアミノ変性シリコーンを含有す
るポリウレタン弾性繊維は、優れた繰り返しの耐洗濯着
用耐久性を持つ。又、共重合ポリアルキレンエーテルジ
オールを用いた弾性繊維は、弾性機能に優れているた
め、パンティストッキングの着用感にも優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 6/94 D01F 6/70 D06M 15/643 - 15/647

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1種または2種以上の炭素数2〜10
    の直鎖状または分岐状のアルキレン基がエーテル結合し
    ている数平均分子量が500〜5000のポリアルキレ
    ンエーテルジオール、 有機ジイソシアネート化合物、 イソシアネート基と反応する活性水素含有化合物から
    得られるポリウレタン重合体に対して、アミノ変性シリ
    コーン化合物を0.01重量%〜5重量%含有させてな
    るポリウレタン弾性繊維。
  2. 【請求項2】 アミノ変性シリコーン化合物のアミノ基
    当量が3000以下で有ることを特徴とする請求項1記
    載のポリウレタン弾性繊維。
  3. 【請求項3】 アルキレン基がブチレン基単独またはブ
    チレン基と1種以上の炭素数2〜10の直鎖状または分
    岐状のアルキレン基とがエーテル結合しているポリアル
    キレンエーテルジオールである請求項2記載のポリウレ
    タン弾性繊維。
  4. 【請求項4】 アルキレン基が、ブチレン基と2,2−
    ジメチルプロピレン基から成る共重合ポリアルキレンエ
    ーテルジオールである請求項3記載のポリウレタン弾性
    繊維。
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