JP2002348729A - サニタリー用ポリウレタン弾性繊維 - Google Patents

サニタリー用ポリウレタン弾性繊維

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JP2002348729A
JP2002348729A JP2001158310A JP2001158310A JP2002348729A JP 2002348729 A JP2002348729 A JP 2002348729A JP 2001158310 A JP2001158310 A JP 2001158310A JP 2001158310 A JP2001158310 A JP 2001158310A JP 2002348729 A JP2002348729 A JP 2002348729A
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polyurethane
elongation
elastic fiber
sanitary
polyurethane elastic
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JP2001158310A
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Kunisato Itou
晋悟 伊藤
Michiji Miyauchi
理治 宮内
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Du Pont Toray Co Ltd
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Du Pont Toray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低温でもヘタリのない優れた弾性特性を有し、
かつ、外観品位、フィット性、着用性、着用感などに優
れたサニタリー製品を得ること。 【解決手段】主構成成分がポリオール、ジイソシアネー
トおよびジオールであるポリウレタンであって、該ポリ
オールがテトラヒドロフランとエチレンオキサイドおよ
び/またはプロピレンオキサイドとのランダム共重合体
を含有し、破断伸度が450%以上であることを特徴と
するサニタリー用ポリウレタン弾性繊維。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温でもヘタリの
ない優れた弾性特性を有し、かつ、サニタリー製品に好
適な伸長性と回復性を兼ね備えたサニタリー用ポリウレ
タン弾性繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】弾性繊維は、その優れた伸縮特性から紙
おむつ、衛生ナプキンなどのサニタリー用途に幅広く使
用されている。
【0003】かかる弾性繊維として、ポリウレタン弾性
繊維が用いられていて、特開昭63−235320号公
報、特開平5−239177号公報および特開平2−1
9511号公報などにテトラヒドロフランおよび3−メ
チルテトラヒドロフランの共重合体、有機ジイソシアネ
ートおよびジアミン化合物からなるポリウレタン重合体
を紡糸する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
技術では、紙おむつなどに弾性繊維を用いた際に、ドラ
フトアップが困難であり、製品一個当たりに使用する弾
性繊維の量を減少させることができず、生産コストを減
少させることができなかった。
【0005】また、単位時間当たりの生産量も向上させ
ることができなかった。
【0006】本発明の目的は、従来の技術では得られな
かった、サニタリー用ポリウレタン弾性繊維を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のサニタリー用ポ
リウレタン弾性繊維は、前記の課題を解決するため、以
下の手段を採用する。
【0008】すなわち、主構成成分がポリオール、ジイ
ソシアネートおよびジオールであるポリウレタンであっ
て、該ポリオールがテトラヒドロフランとエチレンオキ
サイドおよび/またはプロピレンオキサイドとのランダ
ム共重合体を含有し、破断伸度が450%以上であるこ
とを特徴とするサニタリー用ポリウレタン弾性繊維であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明のサニタリー用ポリ
ウレタン弾性繊維について、さらに詳細に述べる。
【0010】本発明のサニタリー用ポリウレタン弾性繊
維は、ポリオール、ジイソシアネートおよびジオールが
主構成成分であるポリウレタンである。
【0011】ポリウレタンの合成法も特に限定されるも
のではない。特に、反応を効率的に行う等の観点から溶
液中で重合するのが好ましい。なお、本発明の効果を妨
げない範囲で3官能性以上の多官能性のグリコールやイ
ソシアネート等が使用されていても何ら構わない。
【0012】ここで、本発明におけるポリウレタンを構
成する代表的な構造単位について説明する。
【0013】本発明に用いるポリオールは、優れた耐寒
性および高い伸長性を有し、かつ、高い回復性を具備し
たものを得る観点から、テトラヒドロフラン(以下、T
HFと略す)とエチレンオキサイドおよび/またはプロ
ピレンオキサイドが不規則に配列した、いわゆるランダ
ム共重合体を使用する。
【0014】本発明においては、ブロック共重合体を用
いると、得られるポリウレタン弾性繊維が著しい吸水性
を有するため、吸水時の物性が低下する問題がある。
【0015】すなわち本発明に用いるポリオールは、ポ
リ(テトラメチレン−コ−エチレンエーテル)グリコー
ルとポリ(テトラメチレン−コ−1,2−プロピレンエ
ーテル)グリコールから選択されるコポリ(アルキレン
エーテル)グリコールとも表現され得る。
【0016】かかるポリ(テトラメチレン−コ−エチレ
ンエーテル)グリコールにおいて、エチレンエーテル
は、全アルキレンエーテルに対して15〜37mol%
含有されるのが好ましく、20〜35mol%含有され
るのがより好ましい。
【0017】また、ポリ(テトラメチレン−コ−1,2
−プロピレンエーテル)グリコールにおいて、1,2−
プロピレンエーテルは、全アルキレンエーテルに対して
15〜30mol%含有されるのが好ましい。
【0018】さらに、本発明で使用するポリオールはラ
ンダム共重合体のみから構成されていてもよいし、ま
た、他のポリオールと共重合されたものでもよく、さら
に他のポリオールと混合されてなるものであってもよ
い。
【0019】他のポリオールとしては、優れた耐寒性、
高い伸長性を有し、かつ、高い回復性を具備したものを
得る観点から、ポリ(1,4−テトラメチレングリコー
ル)(以下、PTMGと略する)、特許第261513
1号などに開示されているネオペンチル基を主鎖に含む
ジオール、特開平2−289616号公報等に開示され
ているポリカーボネートジオール、特開平5−9851
1号公報等に開示されているエステル系ジオール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリ
カプロラクトンジオール、ポリエチレンエーテルグリコ
ール、ポリプロピレンエーテルグリコール、ネオペンチ
レンオキサイドとテトラヒドロフランとの共重合ポリオ
ール等を使用するのが好ましい。そして、かかる他のポ
リオールは、1種類であってもよく、さらに2種類以上
であってもよい。
【0020】本発明においては、エチレンオキサイドお
よび/またはプロピレンオキサイド単位のモル分率が5
〜90%の範囲であるのが好ましい。
【0021】本発明に用いるポリオールの重量平均分子
量は、糸にした際の伸度、強度、耐熱性などの観点から
1000以上6000以下の範囲にあることが好まし
い。
【0022】さらに好ましくは1300以上4500以
下の範囲である。この範囲の分子量のポリオールを用い
ることにより、力学特性のバランスの取れた弾性糸を得
ることができる。
【0023】次に本発明に用いるジイソシアネートは、
例えば、5−イソシアネート−1−(イソシアネートメ
チル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、1−
イソシアネート−4−[(4−イソシアネートフェニ
ル)メチル]ベンゼン、1−イソシアネート−2−
[(4−イソシアネート−フェニル)メチル]ベンゼ
ン、1,1’−メチレンビス(4−イソシアネートシク
ロヘキサン)、4−メチル−1,3−フェニレンジイソ
シアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート(以下、MDIと略記する)、2,4−トリレンジ
イソシアネート(以下、TDIと略記する)、1,4−
ジイソシアネートベンゼン、キシリレンジイソシアネー
ト、2,6−ナフタレンジイソシアネートなどの芳香族
ジイソシアネートは、特に耐熱性や強度の高いポリウレ
タンを合成するのに好ましい。
【0024】さらに脂環族ジイソシアネートとして、例
えば、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)
(以下、H12MDIと略する)、イソホロンジイソシア
ネート、メチルシクロヘキサン2,4−ジイソシアネー
ト、メチルシクロヘキサン2,6−ジイソシアネート、
シクロヘキサン1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒド
ロキシリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレン
ジイソシアネート、オクタヒドロ1,5−ナフタレンジ
イソシアネートなどが好ましい。脂肪族ジイソシアネー
トは特にポリウレタン糸の黄変を抑制する際に好ましく
用いられる。
【0025】そして、これらのジイソシアネートは単独
で使用してもよいし、2種以上を併用して用いてもよ
い。
【0026】かかるジイソシアネートのモル量の比は、
得られるポリウレタン弾性繊維の強度特性の観点から、
ポリオール1に対し、ジイソシアネートは1.2以上
2.3以下の範囲であるのが好ましい。
【0027】次に本発明に用いる鎖伸長剤として、低分
子ジオールを用いるものである。
【0028】低分子ジオールとしては、エチレングリコ
ール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオー
ル、1,2−プロピレングリコール、3−メチル−1,
5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−ト
リメチレンジオール、2,2,4−トリメチル−1,5
−ペンタンジオール、2−メチル−2−エチル−1,3
−プロパンジオール、ビスヒドロキシエトキシベンゼ
ン、ビスヒドロキシエチレンテレフタレートなどを用い
るのが好ましい。
【0029】これらの中から1種または2種以上を選ん
で用いることも好ましい。特に、ジオール伸長のポリウ
レタンとしては耐熱性が高く、また、強度の高いポリウ
レタン弾性繊維を得る観点から、エチレングリコール、
1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオールを用い
るのが好ましい。
【0030】本発明のサニタリー用ポリウレタン弾性繊
維は、破断伸度が450%以上である。破断伸度が45
0%に満たないと高次加工で、糸にドラフトをかけた際
に糸切れが生じやすいという問題がある。
【0031】また、紙おむつ等の製品において、締め付
ける力が大きく、赤ちゃんの肌に赤い締め跡(レッドマ
ーク)を生じさせない観点から300%伸長時の応力が
0.15cN/デシテックス以下であるのが好ましい。
【0032】さらに、製品のはきやすさ、着用感および
レッドマークを生じさせない観点から200%伸長時の
応力と300%伸長時の応力の差が0.080cN/デ
シテックス以下の範囲であるのが好ましい。
【0033】また、良好な耐熱性を得る観点から、10
0%伸長状態で180℃で処理した後の200%伸長時
応力が処理前の応力の100%以上であるのが好まし
い。
【0034】本発明のサニタリー用ポリウレタン弾性繊
維の繊度、断面形状などは特に限定されるものではな
い。例えば、断面は円形であっても扁平であっても何ら
かまわない。
【0035】本発明のサニタリー用ポリウレタン弾性繊
維は、−5℃での残留歪みが90%以下であるのが好ま
しく、50%以下であるのがより好ましく、さらに好ま
しくは26%以下である。
【0036】また、本発明のサニタリー用ポリウレタン
弾性繊維は、耐熱性が100%以上であるのが好まし
い。
【0037】本発明のサニタリー用ポリウレタン弾性繊
維には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐ガス安定剤など
として、いわゆるBHTや住友化学工業(株)製の”ス
ミライザー”GA−80などをはじめとするヒンダード
フェノール系薬剤、各種の”チヌビン”をはじめとする
ベンゾトリアゾール系薬剤、住友化学工業(株)製の”
スミライザー”P−16をはじめとするリン系薬剤、各
種の”チヌビン”をはじめとするヒンダードアミン系薬
剤、さらに酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラックを
はじめとする無機顔料、ステアリン酸マグネシウムをは
じめとする金属石鹸、また、銀や亜鉛やこれらの化合物
などを含む殺菌剤、消臭剤、またシリコーン、鉱物油な
どの滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタインやリ
ン酸系などをはじめとする各種の帯電防止剤などが含ま
れていたり、またポリマと反応させられていることも好
ましい。
【0038】そして、特に光や各種の酸化窒素などへの
耐久性をさらに高めるには、酸化窒素補足剤、例えば日
本ヒドラジン(株)製のHN−150、熱酸化安定剤、
例えば住友化学工業(株)製の”スミライザー”GA−
80、光安定剤、例えば住友化学工業(株)製の”スミ
ソーブ”300#622などを使用することは好まし
い。
【0039】次に本発明のサニタリー用ポリウレタン弾
性繊維の製造方法について詳細に説明する。
【0040】本発明においては、最初にポリウレタン溶
液を調製するのが好ましい。
【0041】本発明においてはポリウレタン溶液の溶質
であるポリウレタンの製造方法やポリウレタン溶液の製
造方法はいずれの方法であってもよい。
【0042】すなわち、溶融重合法でも溶液重合法のい
ずれでもよい。しかし、より好ましいのは溶液重合法で
ある。溶液重合法の場合には、ポリウレタンにゲルなど
の異物の発生が少ない。また、当然のことであるが、溶
液重合の場合、溶液にする労が省け、生産効率の観点か
らも好ましい。
【0043】そして本発明においては、テトラヒドロフ
ランとエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオ
キサイドのランダム共重合体を含有するポリオール、ジ
イソシアネートおよびジオールを主構成成分とするポリ
ウレタンを使用するものである。
【0044】こうした中でも特にポリオールの重量平均
分子量が1000以上6000以下の範囲にあり、鎖伸
長剤であるジオールはエチレングリコール、1,3プロ
パンジオールおよび1,4ブタンジオールからなる群か
ら選ばれる少なくとも一種であり、ジイソシアネートは
MDIを主原料として溶液中で合成されるポリウレタン
が好ましい。
【0045】かかるポリウレタンは、例えば、DMA
C、DMF、DMSO、NMPなどやこれらを主成分と
する溶剤の中で、前記の原料を用い合成することにより
得ることができる。
【0046】例えば、こうした溶剤中に、各原料を投
入、溶解せしめ、適度な温度に加熱し反応せしめポリウ
レタンとする、いわゆるワンショット法、また、ポリオ
ールとMDIをまず溶融反応せしめ、しかる後に、該反
応物を溶剤に溶解し、前記のジオールと反応せしめ、ポ
リウレタンとする方法などが、特に好適な方法として採
用され得る。
【0047】なお、かかるポリウレタンの合成に際し、
アミン系触媒や有機金属触媒を1種または2種以上混合
して用いても何ら構わない。これらの代表的なものとし
ては、アミン系触媒としては、例えば、N,N−ジメチ
ルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルア
ミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−
エチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチル
エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル
−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テ
トラメチルヘキサンジアミン、ビス−2−ジメチルアミ
ノエチルエーテル、N,N,N’,N’,N’−ペンタ
メチルジエチレントリアミン、テトラメチルグアニジ
ン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラ
ジン、N−メチル−N’−ジメチルアミノエチル−ピペ
ラジン、N−(2−ジメチルアミノエチル)モルホリ
ン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダ
ゾール、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N,
N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−
メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、トリエタノ
ールアミン等を好ましく使用できる。また、有機金属触
媒としてはオクタン酸スズ、二ラウリン酸ジブチルス
ズ、オクタン酸鉛ジブチル等を好ましく使用できる。
【0048】さらに、本発明においては、ポリウレタン
の分子量およびポリウレタン紡糸溶液の粘度を制御する
ため、鎖停止剤を使用することも好ましい。
【0049】かかる鎖停止剤として、n−ブタノール、
ジエチルアミン、シクロヘキシルアミン、n−ヘキシル
アミン等が好ましい。
【0050】鎖停止剤は、通常、鎖伸長剤と混合して使
用されるのが好ましい。
【0051】また、ジエチレントリアミンとグリセロー
ルのような三官能性物質の少量もポリマー粘度の制御に
用いることができる。
【0052】こうして得られるポリウレタン溶液の濃度
は特に限定されるものではないが、通常、30重量%以
上80重量%以下の範囲が好ましい。
【0053】本発明においては、かかるポリウレタン溶
液に前記した各種添加剤を添加することが好ましい。添
加剤のポリウレタン溶液への添加方法としては、任意の
方法を採用することができる。その代表的な方法とし
て、スタティックミキサーによる方法、攪拌による方式
などをとることができる。
【0054】ここで、添加剤は溶液にして添加すること
が好ましい。溶液であるとポリウレタン溶液への均一な
添加が可能となる。
【0055】本発明においては、ポリウレタン溶液を紡
糸してポリウレタン弾性繊維を得る。紡糸方法として
は、湿式法、乾式法、溶融法のいずれの方法であっても
よい。
【0056】紡糸速度を高速とする観点から乾式法で紡
糸するのが好ましい。乾式紡糸においては、ガスの供給
部が少なくとも2箇所設けられ、ガスの吸引部が前記ガ
スの供給部の間に設けられた紡糸筒に、口金からポリウ
レタン溶液を吐出させて繊維を形成する際、紡糸筒下部
に設けられたガスの供給部から供給するガスの温度を6
0℃以下とすることも糸ムラをなくす観点から好ましく
行われる。
【0057】紡糸の際、ゴデローラーと巻取機の速度比
は糸の使用目的に応じて決めるのが好ましい。
【0058】本発明においては、ゴデローラーと巻取機
の速度比を1.1以上1.8以下として巻き取ることが
好ましい。
【0059】また、紡糸速度は300m/分以上800
m/分以下であるのが好ましい。
【0060】本発明においてサニタリーとは、紙おむ
つ、衛生ナプキン等を意味する。
【0061】
【実施例】本発明を実施例によって更に詳しく説明す
る。ただし、本発明がこれら実施例によって限定される
ものではない。
【0062】本発明における応力緩和、強度、伸度、残
留歪み、耐熱性の定量法について説明する。 [応力緩和、強度、伸度、残留歪み]応力緩和、強度、
伸度、残留歪みは、ポリウレタン糸をインストロン45
02型引張試験機を用い、引張テストすることにより得
られた。
【0063】なお、応力緩和、強度、伸度は22℃で測
定し、残留歪みは−5℃で測定した。
【0064】これらは下記により定義される。
【0065】5cm(L1)の試料を50cm/分の引
張速度で300%伸長を5回繰返した。このときの応力
を(G1)とした。
【0066】次に該長さを30秒間保持した。30秒間
保持後の応力を(G2)とした。
【0067】また、応力を0としたときの試料長を(L
2)とした。
【0068】さらに6回目にポリウレタン糸が切断する
まで伸長した。
【0069】この破断時の応力を(G3)、破断時の試
料長さを(L3)とした。
【0070】以下、前記特性は下記式により得られた。
【0071】 強度=(G3) 応力緩和(%)=100×((G1)−(G2))/(G1) 残留歪み(%)=100×((L2)−(L1))/(L1) 伸度(%)=100×((L3)−(L1))/(L1) [耐熱性]糸を100%伸長させ、180℃の乾燥空気
の雰囲気に1分間した。処理後、糸をフリーの状態にし
て21℃,65%RHの雰囲気に一晩放置した後インス
トロン4502型引張試験機を用い200%伸長時の応
力を測定し、処理前の応力と比較することにより応力保
持率を求めた。(値が大きい程耐熱性に優れる) [実施例1]THFとエチレンオキサイドの割合が7対
3で分子量が1951のランダム共重合体であるポリオ
ール(三洋化成工業(株)製”テトラキシノールAS−
200S”)2770g、MDI1065g、エチレン
グリコール176gおよびジメチルアセトアミド601
7g反応装置に投入し、窒素気流下、70℃で攪拌し
た。攪拌トルクが所定の値に達した時点でn-ブタノー
ルを16g投入し反応を終了させ、40重量パーセント
のポリウレタン溶液を得た。このポリウレタン溶液に酸
化防止剤、耐ガス安定剤および酸化チタンを適量添加す
ることにより試料溶液を調製した。得られた溶液を52
2m/分のスピードで乾式紡糸することにより480デ
シテックス、24フィラメントの糸を得た。
【0072】この糸の200%伸長時の応力、300%
伸長時の応力、破断伸度、破断強度強度、応力緩和、−
5℃で測定した残留歪みおよび耐熱性の結果を表1に示
す。
【0073】
【表1】
【0074】[実施例2]THFとエチレンオキサイド
の割合が7対3で分子量が1951のランダム共重合体
であるポリオール(三洋化成工業(株)製”テトラキシ
ノールAS−200S”)2674g、MDI113
0.25g、エチレングリコール195.36gおよび
ジメチルアセトアミド5997.7g反応装置に投入
し、窒素気流下、70℃で攪拌した。攪拌トルクが所定
の値に達した時点でn-ブタノールを16g投入し反応
を終了させ、40重量パーセントのポリウレタン溶液を
得た。このポリウレタン溶液に酸化防止剤、耐ガス安定
剤および酸化チタンを適量添加することにより試料溶液
を調製した。得られた溶液を522m/分のスピードで
乾式紡糸することにより480デシテックス、24フィ
ラメントの糸を得た。
【0075】この糸の200%伸長時の応力、300%
伸長時の応力、破断伸度、破断強度強度、応力緩和、−
5℃で測定した残留歪みおよび耐熱性の結果を表1に示
す。
【0076】[実施例3]THFとプロピレンオキサイ
ドの割合が8対2で分子量が2000のランダム共重合
体であるポリオール2700g、MDI1113.75
g、エチレングリコール192.51gおよびジメチル
アセトアミド6009.4g反応装置に投入し、窒素気
流下、70℃で攪拌した。攪拌トルクが所定の値に達し
た時点でn-ブタノールを16g投入し反応を終了さ
せ、40重量パーセントのポリウレタン溶液を得た。こ
のポリウレタン溶液に酸化防止剤、耐ガス安定剤および
酸化チタンを適量添加することにより試料溶液を調製し
た。得られた溶液を522m/分のスピードで乾式紡糸
することにより480デシテックス、24フィラメント
の糸を得た。
【0077】この糸の200%伸長時の応力、300%
伸長時の応力、破断伸度、破断強度強度、応力緩和、−
5℃で測定した残留歪みおよび耐熱性の結果を表1に示
す。
【0078】[実施例4]THFとエチレンオキサイド
の割合が7対3で分子量が3556のランダム共重合体
であるポリオール(三洋化成工業(株)製”テトラキシ
ノールAS−300S”)3556g、MDI825
g、エチレングリコール142.6gおよびジメチルア
セトアミド6785.4g反応装置に投入し、窒素気流
下、70℃で攪拌した。攪拌トルクが所定の値に達した
時点でn-ブタノールを18g投入し反応を終了させ、
40重量パーセントのポリウレタン溶液を得た。このポ
リウレタン溶液に酸化防止剤、耐ガス安定剤および酸化
チタンを適量添加することにより試料溶液を調製した。
得られた溶液を522m/分のスピードで乾式紡糸する
ことにより480デシテックス、24フィラメントの糸
を得た。
【0079】この糸の200%伸長時の応力、300%
伸長時の応力、破断伸度、破断強度強度、応力緩和、−
5℃で測定した残留歪みおよび耐熱性の結果を表1に示
す。
【0080】[実施例5]THFとエチレンオキサイド
の割合が7対3で分子量が3556のランダム共重合体
であるポリオール(三洋化成工業(株)製”テトラキシ
ノールAS−300S”)3556g、MDI875
g、エチレングリコール155gおよびジメチルアセト
アミド6879g反応装置に投入し、窒素気流下、70
℃で攪拌した。攪拌トルクが所定の値に達した時点でn
-ブタノールを18g投入し反応を終了させ、40重量
パーセントのポリウレタン溶液を得た。このポリウレタ
ン溶液に酸化防止剤、耐ガス安定剤および酸化チタンを
適量添加することにより試料溶液を調製した。得られた
溶液を522m/分のスピードで乾式紡糸することによ
り480デシテックス、24フィラメントの糸を得た。
【0081】この糸の200%伸長時の応力、300%
伸長時の応力、破断伸度、破断強度強度、応力緩和、−
5℃で測定した残留歪みおよび耐熱性の結果を表1に示
す。
【0082】[比較例1]分子量2100のPTMG2
835g、MDI1012.5g、エチレングリコール
167.4gおよびジメチルアセトアミド6022.4
g反応装置に投入し、窒素気流下、70℃で攪拌した。
攪拌トルクが所定の値に達した時点でn-ブタノールを
16g投入し反応を終了させ、40重量パーセントのポ
リウレタン溶液を得た。このポリウレタン溶液に酸化防
止剤、耐ガス安定剤および酸化チタンを適量添加するこ
とにより試料溶液を調製した。得られた溶液を522m
/分のスピードで乾式紡糸することにより480デシテ
ックス、24フィラメントの糸を得た。
【0083】この糸の200%伸長時の応力、300%
伸長時の応力、破断伸度、破断強度強度、応力緩和、−
5℃で測定した残留歪みおよび耐熱性の結果を表1に示
す。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、低温においても弾性的
性質が損なわれず、ヘタリのない優れた低温特性を有
し、かつ、良好な伸長性と回復性を兼ね備え、しかも耐
熱性の良好なサニタリー用ポリウレタン弾性繊維を得る
ことができる。本発明のサニタリー用ポリウレタン弾性
繊維を紙おむつ、衛生ナプキン等のサニタリー製品の製
造に使用した際、生産コストを減少させるとともに、単
位時間当たりの生産量を増加させることができ、フィッ
ト性、外観品位、着用性、着用感などに優れたものを生
産コスト得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C003 AA16 BA08 GA01 4C098 AA09 CC01 DD06 DD23 4J034 CA04 CB07 CC03 CC12 DA01 DB03 DC50 DF02 DG03 DG04 DG06 DL01 HA01 HA07 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 JA01 JA02 KA01 KA02 KB02 KC17 KC18 KD11 KD12 QD06 RA02 RA09 4L035 BB02 EE01 EE08 EE20 GG01 MH01 MH02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主構成成分がポリオール、ジイソシアネー
    トおよびジオールであるポリウレタンであって、該ポリ
    オールがテトラヒドロフランとエチレンオキサイドおよ
    び/またはプロピレンオキサイドとのランダム共重合体
    を含有し、破断伸度が450%以上であることを特徴と
    するサニタリー用ポリウレタン弾性繊維。
  2. 【請求項2】300%伸長時の応力が0.15cN/デ
    シテックス以下であることを特徴とする請求項1に記載
    のサニタリー用ポリウレタン弾性繊維。
  3. 【請求項3】200%伸長時の応力と300%伸長時の
    応力の差が0.080cN/デシテックス以下の範囲で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載のサニタ
    リー用ポリウレタン弾性繊維。
  4. 【請求項4】エチレンオキサイドおよび/またはプロピ
    レンオキサイド単位のモル分率が5〜90%の範囲であ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかにに記載の
    サニタリー用ポリウレタン弾性繊維。
  5. 【請求項5】ポリオールの分子量が、1000以上60
    00以下の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載のサニタリー用ポリウレタン弾性繊維。
  6. 【請求項6】−5℃での残留歪みが90%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のサニタ
    リー用ポリウレタン弾性繊維。
  7. 【請求項7】耐熱性が100%以上であることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれかに記載のサニタリー用ポリ
    ウレタン弾性繊維。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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