JP2000170047A - 被覆弾性糸およびその製造方法 - Google Patents
被覆弾性糸およびその製造方法Info
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- JP2000170047A JP2000170047A JP10375100A JP37510098A JP2000170047A JP 2000170047 A JP2000170047 A JP 2000170047A JP 10375100 A JP10375100 A JP 10375100A JP 37510098 A JP37510098 A JP 37510098A JP 2000170047 A JP2000170047 A JP 2000170047A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】外観品位、フィット性、着用性、着用感、伸び
などに優れた製品を得ること。 【解決手段】ポリビニルピロリドンおよび/またはその
共重合体を含有し、主構成成分がポリオール、ジイソシ
アネートおよびジオールであるポリウレタン糸からなる
芯部と、該芯部の周りを被覆する非弾性糸からなる鞘部
で構成されることを特徴とする被覆弾性糸およびポリビ
ニルピロリドンおよび/またはその共重合体を含有し、
主構成成分がポリオール、ジイソシアネートおよびジオ
ールであるポリウレタン糸の周りに、非弾性糸を被覆す
ることを特徴とする被覆弾性糸の製造方法。
などに優れた製品を得ること。 【解決手段】ポリビニルピロリドンおよび/またはその
共重合体を含有し、主構成成分がポリオール、ジイソシ
アネートおよびジオールであるポリウレタン糸からなる
芯部と、該芯部の周りを被覆する非弾性糸からなる鞘部
で構成されることを特徴とする被覆弾性糸およびポリビ
ニルピロリドンおよび/またはその共重合体を含有し、
主構成成分がポリオール、ジイソシアネートおよびジオ
ールであるポリウレタン糸の周りに、非弾性糸を被覆す
ることを特徴とする被覆弾性糸の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被覆弾性糸および
その製造方法に関する。
その製造方法に関する。
【0002】さらに詳しくは、本発明の被覆弾性糸を用
い、高次加工して衣服などに使用することにより、外観
品位、フィット性、着用性、着用感、伸びなどに優れた
ものを得ることができるという被覆弾性糸およびその製
造方法に関する。
い、高次加工して衣服などに使用することにより、外観
品位、フィット性、着用性、着用感、伸びなどに優れた
ものを得ることができるという被覆弾性糸およびその製
造方法に関する。
【0003】
【従来の技術】従来からストッキングにはポリウレタン
系弾性糸などの弾性糸が使用されてきた。かかる弾性糸
は、非弾性糸によって被覆された加工糸として使用され
てきた。
系弾性糸などの弾性糸が使用されてきた。かかる弾性糸
は、非弾性糸によって被覆された加工糸として使用され
てきた。
【0004】近年、特に、ストッキングの外観品位、フ
ィット性、着用性、着用感などを、従来の交編品より、
良好なものとする観点から、弾性糸の混率を多くするゾ
ッキが提案されてきた。
ィット性、着用性、着用感などを、従来の交編品より、
良好なものとする観点から、弾性糸の混率を多くするゾ
ッキが提案されてきた。
【0005】しかし、従来の技術で、未だ完全には解決
されないこととして、着圧とサイズの問題があった。つ
まり、ポリウレタン糸などの弾性糸の混率が多くなる
と、着圧がやや高くなりやすく、またサイズが小さくな
りやすいのである。
されないこととして、着圧とサイズの問題があった。つ
まり、ポリウレタン糸などの弾性糸の混率が多くなる
と、着圧がやや高くなりやすく、またサイズが小さくな
りやすいのである。
【0006】かかる問題点の解決法としては、原糸から
高次加工まで幾つかの手段が採られていた。その代表的
な手段は、原糸の観点からは、例えば、セット性および
熱セット性を高くする方法などがとられていた。また、
高次加工の観点からは、例えば、加工工程のドラフトを
下げる方法などがとられていた。
高次加工まで幾つかの手段が採られていた。その代表的
な手段は、原糸の観点からは、例えば、セット性および
熱セット性を高くする方法などがとられていた。また、
高次加工の観点からは、例えば、加工工程のドラフトを
下げる方法などがとられていた。
【0007】しかし、前者のみではこうした目的に対し
ては、その効果は低いのが現状であった。また、後者の
場合、コストアップしたり、熱セット性を上げ、サイズ
を大きく仕上げると、伸びが失われるなどの問題点があ
った。
ては、その効果は低いのが現状であった。また、後者の
場合、コストアップしたり、熱セット性を上げ、サイズ
を大きく仕上げると、伸びが失われるなどの問題点があ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明によれば、従来
の技術では得られなかった、外観品位、フィット性、着
用性、着用感、伸びなどに優れた製品を得ることができ
る。
の技術では得られなかった、外観品位、フィット性、着
用性、着用感、伸びなどに優れた製品を得ることができ
る。
【0009】また、本発明の被覆弾性糸はストッキン
グ、ソックス、丸編、横編み等、種々の用途に展開する
ことができる。
グ、ソックス、丸編、横編み等、種々の用途に展開する
ことができる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の被覆弾性糸は、
前記の課題を解決するため、以下の発明特定事項を有す
る。
前記の課題を解決するため、以下の発明特定事項を有す
る。
【0011】すなわち、ポリビニルピロリドンおよび/
またはその共重合体を含有し、主構成成分がポリオー
ル、ジイソシアネートおよびジオールであるポリウレタ
ン糸からなる芯部と、該芯部の周りを被覆する非弾性糸
からなる鞘部で構成されることを特徴とする被覆弾性糸
である。
またはその共重合体を含有し、主構成成分がポリオー
ル、ジイソシアネートおよびジオールであるポリウレタ
ン糸からなる芯部と、該芯部の周りを被覆する非弾性糸
からなる鞘部で構成されることを特徴とする被覆弾性糸
である。
【0012】また、本発明の被覆弾性糸の製造方法は、
前記の課題を解決するため、以下の発明特定事項を有す
る。
前記の課題を解決するため、以下の発明特定事項を有す
る。
【0013】すなわち、ポリビニルピロリドンおよび/
またはその共重合体を含有し、主構成成分がポリオー
ル、ジイソシアネートおよびジオールであるポリウレタ
ン糸の周りに、非弾性糸を被覆することを特徴とする被
覆弾性糸の製造方法である。
またはその共重合体を含有し、主構成成分がポリオー
ル、ジイソシアネートおよびジオールであるポリウレタ
ン糸の周りに、非弾性糸を被覆することを特徴とする被
覆弾性糸の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、さらに詳
細に述べる。
細に述べる。
【0015】まず本発明に使用するポリウレタンについ
て述べる。
て述べる。
【0016】本発明に使用するポリウレタンの主構成成
分は、ポリオール、ジイソシアネートおよびジオールと
するものである。
分は、ポリオール、ジイソシアネートおよびジオールと
するものである。
【0017】また、その合成法も特に限定されるもので
はない。
はない。
【0018】特に、反応を効率的に行う等の観点から溶
液中で重合するのが好ましい。
液中で重合するのが好ましい。
【0019】なお、本発明の効果を妨げない範囲で3官
能性以上の多官能性のグリコールやイソシアネート等が
使用されていても何ら構わない。
能性以上の多官能性のグリコールやイソシアネート等が
使用されていても何ら構わない。
【0020】ここで、本発明に使用するポリウレタン糸
を構成する代表的な構造単位について述べる。
を構成する代表的な構造単位について述べる。
【0021】本発明に用いるポリオールはポリエーテル
系グリコール、ポリエステル系グリコール、ポリカーボ
ネートジオール等がその代表的なものとして用いること
ができる。
系グリコール、ポリエステル系グリコール、ポリカーボ
ネートジオール等がその代表的なものとして用いること
ができる。
【0022】そして、特に糸にした際の柔軟性、伸度が
要求される場合には、ポリエーテル系グリコールを用い
ることが好ましい。ポリエーテル系グリコールとして
は、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以
下PTMGと略する)、THFおよび3−MeTHFの
共重合体である変性PTMG(以下3M−PTMGと略
する)、THFおよび2,3−ジメチルTHFの共重合
体である変性PTMG、特許第2615131号などに
開示される側鎖を両側に有するポリアルキレンエーテル
グリコールなどのポリオール等をその代表的なものとし
て用いることができる。これらポリエーテル系グリコー
ルを1種または2種以上混合もしくは共重合して用いて
もよい。
要求される場合には、ポリエーテル系グリコールを用い
ることが好ましい。ポリエーテル系グリコールとして
は、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以
下PTMGと略する)、THFおよび3−MeTHFの
共重合体である変性PTMG(以下3M−PTMGと略
する)、THFおよび2,3−ジメチルTHFの共重合
体である変性PTMG、特許第2615131号などに
開示される側鎖を両側に有するポリアルキレンエーテル
グリコールなどのポリオール等をその代表的なものとし
て用いることができる。これらポリエーテル系グリコー
ルを1種または2種以上混合もしくは共重合して用いて
もよい。
【0023】また、ポリウレタン糸として耐磨耗性や耐
光性が特に要求される際には、ブチレンアジペート、ポ
リカプロラクトンジオール、特開昭61−26612号
公報などに開示されている側鎖を有するポリエステルポ
リオールなどをはじめとするポリエステル系グリコール
や特公平2−289516号公報などに開示されている
ポリカーボネートジオールを用いてもよい。
光性が特に要求される際には、ブチレンアジペート、ポ
リカプロラクトンジオール、特開昭61−26612号
公報などに開示されている側鎖を有するポリエステルポ
リオールなどをはじめとするポリエステル系グリコール
や特公平2−289516号公報などに開示されている
ポリカーボネートジオールを用いてもよい。
【0024】また、こうしたポリオールは単独で使用し
てもよいし、2種以上混合もしくは共重合して用いるこ
ともできる。
てもよいし、2種以上混合もしくは共重合して用いるこ
ともできる。
【0025】本発明に用いるポリオールの数平均分子量
は、糸にした際の伸度、強度、耐熱性などの観点から1
000以上8000以下の範囲にあることが好ましい。
は、糸にした際の伸度、強度、耐熱性などの観点から1
000以上8000以下の範囲にあることが好ましい。
【0026】さらに好ましくは2500以上6000以
下の範囲である。この範囲の分子量のポリオールを用い
ることにより、伸度、強度、弾性回復力、耐熱性に優れ
た弾性糸を得ることができる。
下の範囲である。この範囲の分子量のポリオールを用い
ることにより、伸度、強度、弾性回復力、耐熱性に優れ
た弾性糸を得ることができる。
【0027】次に本発明に用いるジイソシアネートはジ
フェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す
る)、トリレンジイソシアネート、1,4−ジイソシア
ネートベンゼン、キシリレンジイソシアネート、2,6-ナ
フタレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネー
トは、特に耐熱性や強度の高いポリウレタンを合成する
のに好適である。
フェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す
る)、トリレンジイソシアネート、1,4−ジイソシア
ネートベンゼン、キシリレンジイソシアネート、2,6-ナ
フタレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネー
トは、特に耐熱性や強度の高いポリウレタンを合成する
のに好適である。
【0028】さらに脂環族ジイソシアネートとして、例
えばメチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(以
下、H12MDIと略する)、イソホロンジイソシアネー
ト、メチルシクロヘキサン2,4−ジイソシアネート、
メチルシクロヘキサン2,6−ジイソシアネート、シク
ロヘキサン1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロキ
シリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイ
ソシアネート、オクタヒドロ1,5−ナフタレンジイソ
シアネートなどを用いることができる。脂肪族ジイソシ
アネートは特にポリウレタン糸の黄変を抑制する際に有
効に使用できる。
えばメチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(以
下、H12MDIと略する)、イソホロンジイソシアネー
ト、メチルシクロヘキサン2,4−ジイソシアネート、
メチルシクロヘキサン2,6−ジイソシアネート、シク
ロヘキサン1,4−ジイソシアネート、ヘキサヒドロキ
シリレンジイソシアネート、ヘキサヒドロトリレンジイ
ソシアネート、オクタヒドロ1,5−ナフタレンジイソ
シアネートなどを用いることができる。脂肪族ジイソシ
アネートは特にポリウレタン糸の黄変を抑制する際に有
効に使用できる。
【0029】そして、これらのジイソシアネートは単独
で使用してもよいし、2種以上を併用して用いてもよ
い。
で使用してもよいし、2種以上を併用して用いてもよ
い。
【0030】次に本発明に用いる鎖伸長剤として、低分
子ジオールを用いるものである。
子ジオールを用いるものである。
【0031】低分子ジオールとしては、エチレングリコ
ール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオー
ル、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシ
エチレンテレフタレートなどを用いることができる。
ール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオー
ル、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、ビスヒドロキシ
エチレンテレフタレートなどを用いることができる。
【0032】これらの中から1種または2種以上を選ん
で用いることができる。特に好ましくはエチレングリコ
ール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオール
である。これらを用いると、ジオール伸長のポリウレタ
ンとしては耐熱性が高く、また、強度の高い糸を得るこ
とができる。
で用いることができる。特に好ましくはエチレングリコ
ール、1,3プロパンジオール、1,4ブタンジオール
である。これらを用いると、ジオール伸長のポリウレタ
ンとしては耐熱性が高く、また、強度の高い糸を得るこ
とができる。
【0033】また、耐久性や強度の高い繊維を得る観点
から、本発明の弾性糸の数平均分子量は、4万以上15
万以下の範囲にあることが好ましい。
から、本発明の弾性糸の数平均分子量は、4万以上15
万以下の範囲にあることが好ましい。
【0034】なお、本発明における分子量はGPCで測
定しており、ポリスチレンにより換算している。本発明
に使用するポリウレタン糸はかかる構成から好ましくは
なるものである。
定しており、ポリスチレンにより換算している。本発明
に使用するポリウレタン糸はかかる構成から好ましくは
なるものである。
【0035】そして、さらに、エチレングリコール、
1,3プロパンジオールおよび1,4ブタンジオールか
らなる群から選ばれる少なくとも一種のジオール、分子
量が2500以上6000以下の範囲にあるポリオール
およびジイソシアネートとしてMDIを主に使用して合
成され、かつ、高温側の融点が180℃以上250℃以
下の範囲にあるポリウレタン糸は、特に伸度が高くな
り、さらに上記のように、工程通過性も含め、実用上の
問題は無く、かつ熱セット性に優れるので好ましい。
1,3プロパンジオールおよび1,4ブタンジオールか
らなる群から選ばれる少なくとも一種のジオール、分子
量が2500以上6000以下の範囲にあるポリオール
およびジイソシアネートとしてMDIを主に使用して合
成され、かつ、高温側の融点が180℃以上250℃以
下の範囲にあるポリウレタン糸は、特に伸度が高くな
り、さらに上記のように、工程通過性も含め、実用上の
問題は無く、かつ熱セット性に優れるので好ましい。
【0036】本発明における高温側の融点とは、DSC
で糸を測定した際のセカンドランの値であり、ポリウレ
タンのいわゆるハードセグメントの融点が該当する。
で糸を測定した際のセカンドランの値であり、ポリウレ
タンのいわゆるハードセグメントの融点が該当する。
【0037】なお、ポリウレタン糸の高温側の融点を1
80℃以上250℃以下にするためには、事前にテスト
をし、ジイソシアネートとポリオール、ジオールの比率
を選択することを適宜行うのが好ましい。
80℃以上250℃以下にするためには、事前にテスト
をし、ジイソシアネートとポリオール、ジオールの比率
を選択することを適宜行うのが好ましい。
【0038】本発明に使用するポリウレタンの構成は好
ましくはかかるものからなるものである。
ましくはかかるものからなるものである。
【0039】次に本発明に使用するポリウレタン糸はポ
リビニルピロリドン(以下PVPと略する)およびその
共重合体のうちの少なくとも1種を含有するものであ
る。
リビニルピロリドン(以下PVPと略する)およびその
共重合体のうちの少なくとも1種を含有するものであ
る。
【0040】ポリビニルピロリドンおよびその共重合体
のうちの少なくとも1種を含有しないと、熱セット性、
セット性が低くなり、各種の衣服等にした際、サイズが
小さくなったり、着圧感が高すぎたりする問題がある。
のうちの少なくとも1種を含有しないと、熱セット性、
セット性が低くなり、各種の衣服等にした際、サイズが
小さくなったり、着圧感が高すぎたりする問題がある。
【0041】PVPおよびその共重合体のうちの少なく
とも1種の好ましい含有量は、0.1重量%以上10重
量%である。
とも1種の好ましい含有量は、0.1重量%以上10重
量%である。
【0042】ポリウレタン糸にPVPおよびその共重合
体のうちの少なくとも1種が含まれると、原因は不明で
はあるが、熱セット性が向上したり、機械的なセット性
が向上し、また、強度も高くなったりするが、伸度や応
力緩和などの特性には悪影響を与えず、また、PVPお
よびその共重合体のうちの少なくとも1種が糸中に存在
しても、糸がフィブリル化することもなく、使用に当た
っては従来のポリウレタン糸と何ら変わりがないという
予想外の驚くべき現象が発現する。
体のうちの少なくとも1種が含まれると、原因は不明で
はあるが、熱セット性が向上したり、機械的なセット性
が向上し、また、強度も高くなったりするが、伸度や応
力緩和などの特性には悪影響を与えず、また、PVPお
よびその共重合体のうちの少なくとも1種が糸中に存在
しても、糸がフィブリル化することもなく、使用に当た
っては従来のポリウレタン糸と何ら変わりがないという
予想外の驚くべき現象が発現する。
【0043】またプロセス面においてもPVPおよびそ
の共重合体をポリウレタン溶液に添加し乾式紡糸すると
紡糸性が極めて良好になるという効果が得られる。
の共重合体をポリウレタン溶液に添加し乾式紡糸すると
紡糸性が極めて良好になるという効果が得られる。
【0044】そして、PVPおよびその共重合体のうち
の少なくとも1種の含有量として特に好ましいのは、1
重量%以上7重量%以下の範囲である。
の少なくとも1種の含有量として特に好ましいのは、1
重量%以上7重量%以下の範囲である。
【0045】PVPおよびその共重合体の含有量が、1
重量%以上7重量%以下の範囲であるとセット性、応力
緩和、強度、伸度、熱セット性が特に良好になり、また
紡糸性も良好となる。
重量%以上7重量%以下の範囲であるとセット性、応力
緩和、強度、伸度、熱セット性が特に良好になり、また
紡糸性も良好となる。
【0046】なお、これらの特性値は、ポリウレタン糸
の用途により変える必要があるので、用途により事前に
テストし、PVPおよびその共重合体の含有比率を適宜
決めるのが好ましい。
の用途により変える必要があるので、用途により事前に
テストし、PVPおよびその共重合体の含有比率を適宜
決めるのが好ましい。
【0047】本発明においては、PVPの共重合体を合
成する際に用いる共重合化合物は特に限定されるもので
はないが、例えば、N−イソプロペニル2−ピロリド
ン、N−ビニル4-メチル2-ピロリドン、N−ビニルピペ
リドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルエナン
トラクタム、N−ビニルバレロラクタム、、N−ブテニ
ル−2,4−ジ(1−ブテニル)−2−ピロリドンビニ
ルアセテート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、
スチレン、アクリル酸等を用いることができる。これら
の共重合体はブロック共重合体であってもランダム共重
合体であっても何ら構わない。
成する際に用いる共重合化合物は特に限定されるもので
はないが、例えば、N−イソプロペニル2−ピロリド
ン、N−ビニル4-メチル2-ピロリドン、N−ビニルピペ
リドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルエナン
トラクタム、N−ビニルバレロラクタム、、N−ブテニ
ル−2,4−ジ(1−ブテニル)−2−ピロリドンビニ
ルアセテート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、
スチレン、アクリル酸等を用いることができる。これら
の共重合体はブロック共重合体であってもランダム共重
合体であっても何ら構わない。
【0048】次に、ポリウレタン糸の製造を特に容易に
し、また、製造されるポリウレタン糸の特性を目標の特
性とし、さらに、実用においてもPVPおよびその共重
合体のうちの少なくとも1種の脱落などを実質的に発生
させない観点から、本発明で使用するPVPおよびその
共重合体のうちの少なくとも1種のK値は20以上70
以下の範囲であることが好ましい。
し、また、製造されるポリウレタン糸の特性を目標の特
性とし、さらに、実用においてもPVPおよびその共重
合体のうちの少なくとも1種の脱落などを実質的に発生
させない観点から、本発明で使用するPVPおよびその
共重合体のうちの少なくとも1種のK値は20以上70
以下の範囲であることが好ましい。
【0049】本発明においてK値とはフィケンシャーの
粘度式より算出されるもののことをいう。
粘度式より算出されるもののことをいう。
【0050】なお、ポリウレタン糸へのPVPおよびそ
の共重合体の必要含有量はポリウレタン糸の目標特性、
特にK値の値に影響を受けると考えられ、従って、K値
とPVPおよびその共重合体の含有量は、糸の目標特性
に応じて適宜、選択することが好ましい。
の共重合体の必要含有量はポリウレタン糸の目標特性、
特にK値の値に影響を受けると考えられ、従って、K値
とPVPおよびその共重合体の含有量は、糸の目標特性
に応じて適宜、選択することが好ましい。
【0051】そして、PVPおよびその共重合体として
特に好ましいものは、PVPおよびその共重合体がイソ
プロピルアルコールを溶媒として合成されたものであ
る。溶媒として、イソプロピルアルコールを使用して合
成されたPVPおよびその共重合体は、副生物のピロリ
ドンの含有が少ないためか、PVPおよびその共重合体
そのものの色が着きにくく、また紡糸工程などで熱など
を受けて、問題になることが少なく好ましい。
特に好ましいものは、PVPおよびその共重合体がイソ
プロピルアルコールを溶媒として合成されたものであ
る。溶媒として、イソプロピルアルコールを使用して合
成されたPVPおよびその共重合体は、副生物のピロリ
ドンの含有が少ないためか、PVPおよびその共重合体
そのものの色が着きにくく、また紡糸工程などで熱など
を受けて、問題になることが少なく好ましい。
【0052】本発明に使用される糸の繊度、断面形状な
どは特に限定されるものではない。例えば、糸の断面は
円形であっても扁平であっても何らかまわない。また、
本発明に使用するポリウレタン糸は各種安定剤や顔料な
どを含有していても何ら問題はない。例えば耐光、耐酸
化防止剤などとしていわゆるBHTや住友化学工業
(株)製の“スミライザー”GA−80などをはじめと
するヒンダードフェノール系薬剤、各種の”チヌビン”
をはじめとするベンゾトリアゾール系薬剤、住友化学工
業(株)製の“スミライザー”P−16をはじめとする
リン系薬剤、各種の”チヌビン”をはじめとするヒンダ
ードアミン系薬剤、さらに酸化チタン、酸化亜鉛、カー
ボンブラックをはじめとする無機顔料、ステアリン酸マ
グネシウムをはじめとする金属石鹸、また、銀や亜鉛や
これらの化合物などを含む殺菌剤、消臭剤、またシリコ
ーン、鉱物油などの滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウ
ム、ベタインやリン酸系などをはじめとする各種の帯電
防止剤などが含まれていたり、またポリマと反応してい
ても何らかまわない。
どは特に限定されるものではない。例えば、糸の断面は
円形であっても扁平であっても何らかまわない。また、
本発明に使用するポリウレタン糸は各種安定剤や顔料な
どを含有していても何ら問題はない。例えば耐光、耐酸
化防止剤などとしていわゆるBHTや住友化学工業
(株)製の“スミライザー”GA−80などをはじめと
するヒンダードフェノール系薬剤、各種の”チヌビン”
をはじめとするベンゾトリアゾール系薬剤、住友化学工
業(株)製の“スミライザー”P−16をはじめとする
リン系薬剤、各種の”チヌビン”をはじめとするヒンダ
ードアミン系薬剤、さらに酸化チタン、酸化亜鉛、カー
ボンブラックをはじめとする無機顔料、ステアリン酸マ
グネシウムをはじめとする金属石鹸、また、銀や亜鉛や
これらの化合物などを含む殺菌剤、消臭剤、またシリコ
ーン、鉱物油などの滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウ
ム、ベタインやリン酸系などをはじめとする各種の帯電
防止剤などが含まれていたり、またポリマと反応してい
ても何らかまわない。
【0053】そして、特に光や各種の酸化窒素などへの
耐久性をさらに高めるには、酸化窒素補足剤、例えば日
本ヒドラジン(株)製のHN−150、熱酸化安定剤、
例えば住友化学工業(株)製の“スミライザー”GA−
80、光安定剤、例えば住友化学工業(株)製の“スミ
ソーブ”300#622などを使用することは有効であ
る。
耐久性をさらに高めるには、酸化窒素補足剤、例えば日
本ヒドラジン(株)製のHN−150、熱酸化安定剤、
例えば住友化学工業(株)製の“スミライザー”GA−
80、光安定剤、例えば住友化学工業(株)製の“スミ
ソーブ”300#622などを使用することは有効であ
る。
【0054】本発明で使用するポリウレタン糸の繊度は
10〜50デニールの範囲が好ましく、より好ましくは
10〜25デニールの範囲である。
10〜50デニールの範囲が好ましく、より好ましくは
10〜25デニールの範囲である。
【0055】また、破断伸度は300%以上であること
が好ましい。
が好ましい。
【0056】かかる本発明で使用するポリウレタン糸の
製法について詳細に説明する。
製法について詳細に説明する。
【0057】本発明においては、最初にポリウレタン重
合体溶液を調製する。
合体溶液を調製する。
【0058】本発明においてはポリウレタン重合体溶液
の溶質であるポリウレタンの製法やポリウレタン重合体
溶液の製法はいずれの方法であってもよい。
の溶質であるポリウレタンの製法やポリウレタン重合体
溶液の製法はいずれの方法であってもよい。
【0059】すなわち、溶融重合法でも溶液重合法のい
ずれでもよい。しかし、より好ましいのは溶液重合法で
ある。溶液重合法の場合には、ポリウレタンにゲルなど
の異物の発生が少なく、紡糸しやすく、低繊度のポリウ
レタン糸を得やすい。また、当然のことであるが、溶液
重合の場合、溶液にする労が省け、生産効率の観点から
も好ましい。
ずれでもよい。しかし、より好ましいのは溶液重合法で
ある。溶液重合法の場合には、ポリウレタンにゲルなど
の異物の発生が少なく、紡糸しやすく、低繊度のポリウ
レタン糸を得やすい。また、当然のことであるが、溶液
重合の場合、溶液にする労が省け、生産効率の観点から
も好ましい。
【0060】そして本発明において特に好適なポリウレ
タンとしては、前記したものを使用することができる。
タンとしては、前記したものを使用することができる。
【0061】こうした中でも特に好適なポリウレタンと
は、ポリオールの分子量が2500以上6000以下の
範囲にあり、鎖伸長剤であるジオールはエチレングリコ
ール、1,3プロパンジオールおよび1,4ブタンジオ
ールからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、ジ
イソシアネートはMDIを主原料として溶液中で合成さ
れ、かつ、そのポリウレタンの高温側の融点が180℃
以上250℃以下であるポリウレタン重合体溶液であ
る。
は、ポリオールの分子量が2500以上6000以下の
範囲にあり、鎖伸長剤であるジオールはエチレングリコ
ール、1,3プロパンジオールおよび1,4ブタンジオ
ールからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、ジ
イソシアネートはMDIを主原料として溶液中で合成さ
れ、かつ、そのポリウレタンの高温側の融点が180℃
以上250℃以下であるポリウレタン重合体溶液であ
る。
【0062】かかるポリウレタンは、例えば、DMA
C、DMF、DMSO、NMPなどやこれらを主成分と
する溶剤の中で、前記の原料を用い合成することにより
得ることができる。
C、DMF、DMSO、NMPなどやこれらを主成分と
する溶剤の中で、前記の原料を用い合成することにより
得ることができる。
【0063】例えば、こうした溶剤中に、各原料を投
入、溶解せしめ、適度な温度に加熱し反応せしめポリウ
レタンとする、いわゆるワンショット法、また、ポリオ
ールとMDIをまず溶融反応せしめ、しかる後に、該反
応物を溶剤に溶解し、前記のジオールと反応せしめ、ポ
リウレタンとする方法などが、特に好適な方法としてと
られる。
入、溶解せしめ、適度な温度に加熱し反応せしめポリウ
レタンとする、いわゆるワンショット法、また、ポリオ
ールとMDIをまず溶融反応せしめ、しかる後に、該反
応物を溶剤に溶解し、前記のジオールと反応せしめ、ポ
リウレタンとする方法などが、特に好適な方法としてと
られる。
【0064】ポリウレタンの高温側の融点を180℃以
上250℃以下に調節する代表的な方法として、ポリオ
ール、MDI、ジオールの種類と比率をコントロールす
る方法などが好ましくとられる。ポリオールの分子量が
高い場合には、MDIの割合を相対的に多くすることが
好ましい。同様にジオールの分子量が高いときにもポリ
オールの割合を相対的に少なくすることにより、高温の
融点が高いポリウレタンとすることができる。
上250℃以下に調節する代表的な方法として、ポリオ
ール、MDI、ジオールの種類と比率をコントロールす
る方法などが好ましくとられる。ポリオールの分子量が
高い場合には、MDIの割合を相対的に多くすることが
好ましい。同様にジオールの分子量が高いときにもポリ
オールの割合を相対的に少なくすることにより、高温の
融点が高いポリウレタンとすることができる。
【0065】ポリオールの分子量が2500以上の場
合、高温側の融点を180℃以上にするには、(MDI
のモル数)/(ポリオールのモル数)=2以上の割合
で、重合を進めることが好ましい。
合、高温側の融点を180℃以上にするには、(MDI
のモル数)/(ポリオールのモル数)=2以上の割合
で、重合を進めることが好ましい。
【0066】なお、かかるポリウレタンの合成に際し、
アミン系触媒や有機金属触媒を1種または2種以上混合
して用いても何ら構わない。これらの代表的なものとし
ては、アミン系触媒としては、例えば、N,N−ジメチ
ルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルア
ミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−
エチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチル
エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル
−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テ
トラメチルヘキサンジアミン、ビス−2−ジメチルアミ
ノエチルエーテル、N,N,N’,N’,N’−ペンタ
メチルジエチレントリアミン、テトラメチルグアニジ
ン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラ
ジン、N−メチル−N’−ジメチルアミノエチル−ピペ
ラジン、N−(2−ジメチルアミノエチル)モルホリ
ン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダ
ゾール、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N,
N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−
メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、トリエタノ
ールアミン等を使用することができる。
アミン系触媒や有機金属触媒を1種または2種以上混合
して用いても何ら構わない。これらの代表的なものとし
ては、アミン系触媒としては、例えば、N,N−ジメチ
ルシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルア
ミン、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、N−
エチルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチル
エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル
−1,3−プロパンジアミン、N,N,N’,N’−テ
トラメチルヘキサンジアミン、ビス−2−ジメチルアミ
ノエチルエーテル、N,N,N’,N’,N’−ペンタ
メチルジエチレントリアミン、テトラメチルグアニジ
ン、トリエチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラ
ジン、N−メチル−N’−ジメチルアミノエチル−ピペ
ラジン、N−(2−ジメチルアミノエチル)モルホリ
ン、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダ
ゾール、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,N,
N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−
メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、
2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、トリエタノ
ールアミン等を使用することができる。
【0067】また、有機金属触媒としてはオクタン酸ス
ズ、二ラウリン酸ジブチルスズ、オクタン酸鉛ジブチル
等を用いることができる。
ズ、二ラウリン酸ジブチルスズ、オクタン酸鉛ジブチル
等を用いることができる。
【0068】こうして得られるポリウレタン重合体溶液
の濃度は特に限定されるものではないが、通常、30重
量%以上80重量%以下の範囲が好ましい。
の濃度は特に限定されるものではないが、通常、30重
量%以上80重量%以下の範囲が好ましい。
【0069】本発明においては、かかるポリウレタン重
合体溶液にポリビニルピロリドンおよびその共重合体の
うち少なくとも1種を添加するものである。
合体溶液にポリビニルピロリドンおよびその共重合体の
うち少なくとも1種を添加するものである。
【0070】ポリビニルピロリドンおよびその共重合体
のうち少なくとも1種のポリウレタン重合体溶液への添
加方法としては、任意の方法をとることができる。
のうち少なくとも1種のポリウレタン重合体溶液への添
加方法としては、任意の方法をとることができる。
【0071】その代表的な方法としては、スタティック
ミキサーによる方法、攪拌による方式などをとることが
できる。
ミキサーによる方法、攪拌による方式などをとることが
できる。
【0072】ここで、添加されるポリビニルピロリドン
およびその共重合体のうち少なくとも1種は溶液にして
添加することが好ましい。ポリビニルピロリドン溶液で
あるとポリウレタン重合体溶液への均一な添加が可能と
なる。
およびその共重合体のうち少なくとも1種は溶液にして
添加することが好ましい。ポリビニルピロリドン溶液で
あるとポリウレタン重合体溶液への均一な添加が可能と
なる。
【0073】ポリウレタン重合体溶液への添加は、前記
した、例えば、耐光防止剤、耐酸化防止剤などをはじめ
とする薬剤や顔料などと同時に添加してもよい。
した、例えば、耐光防止剤、耐酸化防止剤などをはじめ
とする薬剤や顔料などと同時に添加してもよい。
【0074】そして、前記ポリウレタン重合体溶液を乾
式紡糸することによって本発明で使用するポリウレタン
糸を得ることができる。
式紡糸することによって本発明で使用するポリウレタン
糸を得ることができる。
【0075】次に、本発明で使用するポリウレタン糸の
セット性と応力緩和は、特にゴデーローラーと巻取機の
速度比の影響を受けやすいので、糸の使用目的に応じて
決めるのが好ましい。
セット性と応力緩和は、特にゴデーローラーと巻取機の
速度比の影響を受けやすいので、糸の使用目的に応じて
決めるのが好ましい。
【0076】すなわち、ゴデーローラーと巻取機の速度
比を1.15以上1.65以下として巻き取ることが好
ましい。そして、特に高いセット性と、低い応力緩和の
糸が要求される場合には、該比を1.15以上1.40
以下とするのがより好ましく、1.15以上1.35以
下として巻き取ることがさらに好ましい。
比を1.15以上1.65以下として巻き取ることが好
ましい。そして、特に高いセット性と、低い応力緩和の
糸が要求される場合には、該比を1.15以上1.40
以下とするのがより好ましく、1.15以上1.35以
下として巻き取ることがさらに好ましい。
【0077】一方、低いセット性と、高い応力緩和の糸
が要求される場合には、該比を1.25以上1.65以
下とするのがより好ましく、1.35以上1.65以下
として巻き取ることがさらに好ましい。
が要求される場合には、該比を1.25以上1.65以
下とするのがより好ましく、1.35以上1.65以下
として巻き取ることがさらに好ましい。
【0078】また、紡糸速度としては、450m/分以
上であることが、強度を高くする面から好ましい。
上であることが、強度を高くする面から好ましい。
【0079】紡糸速度は、操業性の観点から、450m
/分以上、2000m/分以下の範囲が好ましい。
/分以上、2000m/分以下の範囲が好ましい。
【0080】また、特に本発明においては、さまざまな
種類の糸を安定して紡糸すること、すなわち、細い糸か
ら太い糸まで安定して紡糸する観点から、乾燥雰囲気温
度がポリウレタンの高温側の融点より高い温度であるこ
とが好ましい。
種類の糸を安定して紡糸すること、すなわち、細い糸か
ら太い糸まで安定して紡糸する観点から、乾燥雰囲気温
度がポリウレタンの高温側の融点より高い温度であるこ
とが好ましい。
【0081】本発明において乾燥雰囲気温度とは、口金
下へ乾燥用の気体を送りこむ際の気体の紡糸機への入り
口の温度を意味する。
下へ乾燥用の気体を送りこむ際の気体の紡糸機への入り
口の温度を意味する。
【0082】次に、本発明で使用する非弾性糸について
説明する。
説明する。
【0083】本発明で使用する非弾性糸は、フィラメン
ト糸または紡績糸のいずれであってもよい。
ト糸または紡績糸のいずれであってもよい。
【0084】具体的には、フィラメント糸として、レー
ヨン、アセテート、ポリアミド、ポリエステル、アクリ
ル、ポリプロピレン、塩化ビニル等の化合繊または絹
(生糸)であって、態様が原糸、仮ヨリ加工糸、もしく
は先染糸等のいずれであってもよく、また、これらの複
合糸であってもよい。
ヨン、アセテート、ポリアミド、ポリエステル、アクリ
ル、ポリプロピレン、塩化ビニル等の化合繊または絹
(生糸)であって、態様が原糸、仮ヨリ加工糸、もしく
は先染糸等のいずれであってもよく、また、これらの複
合糸であってもよい。
【0085】これらは、いずれも撚糸加工のし易い、安
定した糸条であることが好ましい。また、紡績糸は、木
綿、羊毛、麻、絹等の天然繊維、レーヨン、ポリアミ
ド、ポリエステル、アクリロニトリル、ポリプロピレ
ン、塩化ビニール系等の化合繊からなるステープルであ
って、これらが単独もしくは混紡された紡績糸であれば
よい。
定した糸条であることが好ましい。また、紡績糸は、木
綿、羊毛、麻、絹等の天然繊維、レーヨン、ポリアミ
ド、ポリエステル、アクリロニトリル、ポリプロピレ
ン、塩化ビニール系等の化合繊からなるステープルであ
って、これらが単独もしくは混紡された紡績糸であれば
よい。
【0086】フィラメント糸である場合、5〜30dの
範囲が好ましく、7〜12dの範囲がより好ましい。
範囲が好ましく、7〜12dの範囲がより好ましい。
【0087】次に、本発明の被覆弾性糸を製造する方法
を詳細に説明する。
を詳細に説明する。
【0088】本発明においては、非弾性糸としてフィラ
メント糸を用いる場合、市販の撚糸機を用い、芯成分と
なるポリウレタン糸にドラフトをかけ、該ポリウレタン
糸の周りを非弾性糸で巻回させて被覆して得るものであ
る。
メント糸を用いる場合、市販の撚糸機を用い、芯成分と
なるポリウレタン糸にドラフトをかけ、該ポリウレタン
糸の周りを非弾性糸で巻回させて被覆して得るものであ
る。
【0089】本発明において、撚数は相手素材のデニー
ル、フィラメント数に応じて、適宜選択し得るが、10
00〜3000t/mの範囲が好ましい。
ル、フィラメント数に応じて、適宜選択し得るが、10
00〜3000t/mの範囲が好ましい。
【0090】本発明において、伸長によって芯糸が応力
緩和し、伸縮性が潜在化することにより、高次加工工程
で、スチームや沸水等のエネルギーを受けた際に伸縮性
が顕在化することにより、サイズが大きく、優れた伸び
特性を有する製品を得る観点から、カバリングドラフト
は、2.0以上4.0以下が好ましく、2.4以上3.
2以下がより好ましい。
緩和し、伸縮性が潜在化することにより、高次加工工程
で、スチームや沸水等のエネルギーを受けた際に伸縮性
が顕在化することにより、サイズが大きく、優れた伸び
特性を有する製品を得る観点から、カバリングドラフト
は、2.0以上4.0以下が好ましく、2.4以上3.
2以下がより好ましい。
【0091】
【実施例】本発明を実施例によって更に詳しく説明す
る。ただし、本発明がこれら実施例によって限定される
ものではない。
る。ただし、本発明がこれら実施例によって限定される
ものではない。
【0092】本発明におけるセット性、応力緩和、強
度、伸度、熱セット性、ポリビニルピロリドンの定量法
について説明する。 [セツト性、応力緩和、強度、伸度]セット性、応力緩
和、強度、伸度は、ポリウレタン糸をインストロン45
02型引張試験機を用い、引張テストすることにより得
られた。
度、伸度、熱セット性、ポリビニルピロリドンの定量法
について説明する。 [セツト性、応力緩和、強度、伸度]セット性、応力緩
和、強度、伸度は、ポリウレタン糸をインストロン45
02型引張試験機を用い、引張テストすることにより得
られた。
【0093】これらは下記により定義される。
【0094】5cm(L1)の試料を50cm/分の引
張速度で300%伸長を5回繰返した。このときの応力
を(G1)とした。次に該長さを30秒間保持した。3
0秒間保持後の応力を(G2)とした。次に該伸長を回
復せしめ応力が0になった時の試料の長さを(L2)と
した。さらに6回目に弾性糸が切断するまで伸長した。
この破断時の応力を(G3)、破断時の試料長さを(L
3)とした。以下、前記特性は下記式により得られた。
張速度で300%伸長を5回繰返した。このときの応力
を(G1)とした。次に該長さを30秒間保持した。3
0秒間保持後の応力を(G2)とした。次に該伸長を回
復せしめ応力が0になった時の試料の長さを(L2)と
した。さらに6回目に弾性糸が切断するまで伸長した。
この破断時の応力を(G3)、破断時の試料長さを(L
3)とした。以下、前記特性は下記式により得られた。
【0095】強度=(G3) 応力緩和=100×((G1)−(G2))/(G1) セット性=100×((L2)−(L1))/(L1) 伸度=100×((L3)−(L1))/(L1) [熱セツト性]糸をフリーで100℃のスチームで10
分処理し、次にフリーで100℃の沸騰水で2時間処理
し、一日室温で乾燥した。つぎに該糸(長さ=(L
5))を100%伸長した(長さ=2×(L5))。該
長さのまま115℃のスチームで、1分間処理した。さ
らに同長さで、130℃の乾熱処理、さらに同長さで、
1日室温で放置した。次に、糸の伸長状態をはずし、そ
の長さ(L6)を測定した。 熱セット性=100×((L6)−(L5))/(L
5) [ポリビニルピロリドンの定量法]糸試料100mgに
ジメチルアセトアミド5mlを加え、糸を溶解した。得
られた溶液にエタノール20mlをゆっくりと加えポリ
ウレタン成分を再沈させた。溶液成分を高速液体クロマ
トグラフィーにより分析を行った。ポリビニルピロリド
ンの定量には濃度の決定しているポリビニルピロリドン
溶液により検量線を予め作成し、用いた。下記式により
ポリビニルピロリドン含有率を求めた。
分処理し、次にフリーで100℃の沸騰水で2時間処理
し、一日室温で乾燥した。つぎに該糸(長さ=(L
5))を100%伸長した(長さ=2×(L5))。該
長さのまま115℃のスチームで、1分間処理した。さ
らに同長さで、130℃の乾熱処理、さらに同長さで、
1日室温で放置した。次に、糸の伸長状態をはずし、そ
の長さ(L6)を測定した。 熱セット性=100×((L6)−(L5))/(L
5) [ポリビニルピロリドンの定量法]糸試料100mgに
ジメチルアセトアミド5mlを加え、糸を溶解した。得
られた溶液にエタノール20mlをゆっくりと加えポリ
ウレタン成分を再沈させた。溶液成分を高速液体クロマ
トグラフィーにより分析を行った。ポリビニルピロリド
ンの定量には濃度の決定しているポリビニルピロリドン
溶液により検量線を予め作成し、用いた。下記式により
ポリビニルピロリドン含有率を求めた。
【0096】ポリビニルピロリドン含有率(重量%)=
(試料ピーク面積/検量線ピーク面積)×検量線試料量
/糸試料重量 [実施例1]分子量2100のPTMG、MDIおよび
エチレングリコールからなるポリウレタンのジメチルア
セトアミド溶液(39重量%)2000gに関東化学製
ポリビニルピロリドン(K=30)のジメチルアセトア
ミド溶液(40重量%)を61.8g加え、2時間攪拌
することにより試料溶液とした。得られた溶液を口金か
ら乾燥雰囲気温度が380℃の気体中に吐出し、ゴデー
ローラーと巻取機の速度比を1.40として540m/
分のスピードで乾式紡糸することにより、18デニー
ル、モノフィラメントのポリウレタン糸を得た。
(試料ピーク面積/検量線ピーク面積)×検量線試料量
/糸試料重量 [実施例1]分子量2100のPTMG、MDIおよび
エチレングリコールからなるポリウレタンのジメチルア
セトアミド溶液(39重量%)2000gに関東化学製
ポリビニルピロリドン(K=30)のジメチルアセトア
ミド溶液(40重量%)を61.8g加え、2時間攪拌
することにより試料溶液とした。得られた溶液を口金か
ら乾燥雰囲気温度が380℃の気体中に吐出し、ゴデー
ローラーと巻取機の速度比を1.40として540m/
分のスピードで乾式紡糸することにより、18デニー
ル、モノフィラメントのポリウレタン糸を得た。
【0097】紡糸性は良好であった。このポリウレタン
糸の伸度、強度、セット性、応力緩和、熱セット性、P
VP含有率および融点を表1に示す。
糸の伸度、強度、セット性、応力緩和、熱セット性、P
VP含有率および融点を表1に示す。
【0098】かかるポリウレタン糸の周りを、市販の仮
より加工機を用い、非弾性糸として、ナイロン6(7d
−5f)を使用して、巻回させて被覆加工糸を得た。
より加工機を用い、非弾性糸として、ナイロン6(7d
−5f)を使用して、巻回させて被覆加工糸を得た。
【0099】得られた被覆加工糸を用いゾッキパンスト
を編んだところ、置寸は従来のゾッキパンストよりも大
きく、着圧は従来品よりも高くない着用性および着用感
に優れたゾッキパンストを得ることができた。
を編んだところ、置寸は従来のゾッキパンストよりも大
きく、着圧は従来品よりも高くない着用性および着用感
に優れたゾッキパンストを得ることができた。
【0100】
【表1】 ★[実施例2]実施例1と同様のポリウレタン溶液19
67gに関東化学製ポリビニルピロリドン(K=30)
のジメチルアセトアミド溶液(40重量%)を19.9
g加え、2時間攪拌することにより試料溶液とした。得
られた溶液を実施例1と同一の乾燥雰囲気温度の気体中
に吐出し、ゴデーローラーと巻取機の速度比を1.40
として540m/分のスピードで乾式紡糸することによ
り、18デニール、モノフィラメントのポリウレタン糸
を得た。紡糸性は良好であった。
67gに関東化学製ポリビニルピロリドン(K=30)
のジメチルアセトアミド溶液(40重量%)を19.9
g加え、2時間攪拌することにより試料溶液とした。得
られた溶液を実施例1と同一の乾燥雰囲気温度の気体中
に吐出し、ゴデーローラーと巻取機の速度比を1.40
として540m/分のスピードで乾式紡糸することによ
り、18デニール、モノフィラメントのポリウレタン糸
を得た。紡糸性は良好であった。
【0101】このポリウレタン糸の伸度、強度、セット
性、応力緩和、熱セット性、PVP含有率および融点を
併せて表1に示す。
性、応力緩和、熱セット性、PVP含有率および融点を
併せて表1に示す。
【0102】得られたポリウレタン糸を用い、実施例1
と同一の方法によって被覆加工糸を得て、かかる被覆加
工糸を用いてゾッキパンストを編んだところ、置寸は従
来のゾッキパンストよりも大きく、着圧は従来品よりも
高くない着用性および着用感に優れたゾッキパンストを
得ることができた。 [実施例3]実施例1と同一のポリウレタン溶液203
8gにISP製のN−ブテニル−2,4−ジ(1−ブテ
ニル)−2−ピロリドンを10%共重合したPVP(G
ANEX P−904)のジメチルアセトアミド溶液
(40重量%)を63.0g加え、2時間攪拌すること
により試料溶液とした。得られた溶液を実施例1と同一
の乾燥雰囲気温度の気体中に吐出し、ゴデーローラーと
巻取機の速度比を1.40として540m/分のスピー
ドで乾式紡糸することにより、18デニール、モノフィ
ラメントのポリウレタン糸を得た。紡糸性は良好であっ
た。
と同一の方法によって被覆加工糸を得て、かかる被覆加
工糸を用いてゾッキパンストを編んだところ、置寸は従
来のゾッキパンストよりも大きく、着圧は従来品よりも
高くない着用性および着用感に優れたゾッキパンストを
得ることができた。 [実施例3]実施例1と同一のポリウレタン溶液203
8gにISP製のN−ブテニル−2,4−ジ(1−ブテ
ニル)−2−ピロリドンを10%共重合したPVP(G
ANEX P−904)のジメチルアセトアミド溶液
(40重量%)を63.0g加え、2時間攪拌すること
により試料溶液とした。得られた溶液を実施例1と同一
の乾燥雰囲気温度の気体中に吐出し、ゴデーローラーと
巻取機の速度比を1.40として540m/分のスピー
ドで乾式紡糸することにより、18デニール、モノフィ
ラメントのポリウレタン糸を得た。紡糸性は良好であっ
た。
【0103】このポリウレタン糸の伸度、強度、セット
性、応力緩和、熱セット性、PVP含有率および融点を
併せて表1に示す。
性、応力緩和、熱セット性、PVP含有率および融点を
併せて表1に示す。
【0104】得られたポリウレタン糸を用い、実施例1
と同一の方法によって被覆加工糸を得て、かかる被覆加
工糸を用いてゾッキパンストを編んだところ、置寸は従
来のゾッキパンストよりも大きく、着圧は従来品よりも
高くない着用性および着用感に優れたゾッキパンストを
得ることができた。 [実施例4]実施例1と同一のポリウレタン溶液198
3gにISP製のビニルアセテートを共重合したPVP
(S−630)のジメチルアセトアミド溶液(40重量
%)を61.3gを加え、2時間攪拌することにより試
料溶液とした。得られた溶液を実施例1と同一の乾燥雰
囲気温度の気体中に吐出し、ゴデーローラーと巻取機の
速度比を1.40として540m/分のスピードで乾式
紡糸することにより、18デニール、モノフィラメント
のポリウレタン糸を得た。紡糸性は良好であった。
と同一の方法によって被覆加工糸を得て、かかる被覆加
工糸を用いてゾッキパンストを編んだところ、置寸は従
来のゾッキパンストよりも大きく、着圧は従来品よりも
高くない着用性および着用感に優れたゾッキパンストを
得ることができた。 [実施例4]実施例1と同一のポリウレタン溶液198
3gにISP製のビニルアセテートを共重合したPVP
(S−630)のジメチルアセトアミド溶液(40重量
%)を61.3gを加え、2時間攪拌することにより試
料溶液とした。得られた溶液を実施例1と同一の乾燥雰
囲気温度の気体中に吐出し、ゴデーローラーと巻取機の
速度比を1.40として540m/分のスピードで乾式
紡糸することにより、18デニール、モノフィラメント
のポリウレタン糸を得た。紡糸性は良好であった。
【0105】このポリウレタン糸の伸度、強度、セット
性、応力緩和、熱セット性、PVP含有率および融点を
併せて表1に示す。
性、応力緩和、熱セット性、PVP含有率および融点を
併せて表1に示す。
【0106】得られたポリウレタン糸を用い、実施例1
と同一の方法によって被覆加工糸を得て、かかる被覆加
工糸を用いてゾッキパンストを編んだところ、置寸は従
来のゾッキパンストよりも大きく、着圧は従来品よりも
高くない着用性および着用感に優れたゾッキパンストを
得ることができた。また、ビニルピロリドンのモノマー
およびオリゴマーの揮発が小さく、PVPの含有量が他
の水準に比べ多い糸を得ることができた。 [実施例5]分子量2900のPTMG、MDIおよび
1,4−ブタンジオールからなるポリウレタンのジメチ
ルアセトアミド溶液(40重量%)2011gに関東化
学製PVP(K=30)のジメチルアセトアミド溶液
(40重量%)を62.2g加え、2時間攪拌すること
により試料溶液とした。得られた溶液を実施例1と同一
の乾燥雰囲気温度の気体中に吐出し、ゴデーローラーと
巻取機の速度比を1.40として540m/分のスピー
ドで乾式紡糸することにより、18デニール、モノフィ
ラメントのポリウレタン糸を得た。紡糸性は良好であっ
た。
と同一の方法によって被覆加工糸を得て、かかる被覆加
工糸を用いてゾッキパンストを編んだところ、置寸は従
来のゾッキパンストよりも大きく、着圧は従来品よりも
高くない着用性および着用感に優れたゾッキパンストを
得ることができた。また、ビニルピロリドンのモノマー
およびオリゴマーの揮発が小さく、PVPの含有量が他
の水準に比べ多い糸を得ることができた。 [実施例5]分子量2900のPTMG、MDIおよび
1,4−ブタンジオールからなるポリウレタンのジメチ
ルアセトアミド溶液(40重量%)2011gに関東化
学製PVP(K=30)のジメチルアセトアミド溶液
(40重量%)を62.2g加え、2時間攪拌すること
により試料溶液とした。得られた溶液を実施例1と同一
の乾燥雰囲気温度の気体中に吐出し、ゴデーローラーと
巻取機の速度比を1.40として540m/分のスピー
ドで乾式紡糸することにより、18デニール、モノフィ
ラメントのポリウレタン糸を得た。紡糸性は良好であっ
た。
【0107】このポリウレタン糸の伸度、強度、セット
性、応力緩和、熱セット性、PVP含有率および融点を
併せて表1に示す。
性、応力緩和、熱セット性、PVP含有率および融点を
併せて表1に示す。
【0108】得られたポリウレタン糸を用い、実施例1
と同一の方法によって被覆加工糸を得て、かかる被覆加
工糸を用いてゾッキパンストを編んだところ、置寸は従
来のゾッキパンストよりも大きく、着圧は従来品よりも
高くない着用性および着用感に優れたゾッキパンストを
得ることができた。 [実施例6]THFおよび3−MeTHFの共重合体で
ある分子量3500の変性PTMG、MDIおよび1,
4−ブタンジオールからなるポリウレタンのジメチルア
セトアミド溶液(40重量%)1792gに関東化学製
PVP(K=30)のジメチルアセトアミド溶液(40
重量%)38.8gとISP製のビニルアセテートを共
重合したPVP(S−630)のジメチルアセトアミド
溶液(40重量%)16.6gを加え、2時間攪拌する
ことにより試料溶液とした。得られた溶液を実施例1と
同一の乾燥雰囲気温度の気体中に吐出し、ゴデーローラ
ーと巻取機の速度比を1.40として540m/分のス
ピードで乾式紡糸することにより、18デニール、モノ
フィラメントのポリウレタン糸を得た。紡糸性は良好で
あった。このポリウレタン糸の伸度、強度、セット性、
応力緩和、熱セット性、PVP含有率および融点を併せ
て表1に示す。
と同一の方法によって被覆加工糸を得て、かかる被覆加
工糸を用いてゾッキパンストを編んだところ、置寸は従
来のゾッキパンストよりも大きく、着圧は従来品よりも
高くない着用性および着用感に優れたゾッキパンストを
得ることができた。 [実施例6]THFおよび3−MeTHFの共重合体で
ある分子量3500の変性PTMG、MDIおよび1,
4−ブタンジオールからなるポリウレタンのジメチルア
セトアミド溶液(40重量%)1792gに関東化学製
PVP(K=30)のジメチルアセトアミド溶液(40
重量%)38.8gとISP製のビニルアセテートを共
重合したPVP(S−630)のジメチルアセトアミド
溶液(40重量%)16.6gを加え、2時間攪拌する
ことにより試料溶液とした。得られた溶液を実施例1と
同一の乾燥雰囲気温度の気体中に吐出し、ゴデーローラ
ーと巻取機の速度比を1.40として540m/分のス
ピードで乾式紡糸することにより、18デニール、モノ
フィラメントのポリウレタン糸を得た。紡糸性は良好で
あった。このポリウレタン糸の伸度、強度、セット性、
応力緩和、熱セット性、PVP含有率および融点を併せ
て表1に示す。
【0109】得られたポリウレタン糸を用い、実施例1
と同一の方法によって被覆加工糸を得て、かかる被覆加
工糸を用いてゾッキパンストを編んだところ、置寸は従
来のゾッキパンストよりも大きく、着圧は従来品よりも
高くない着用性および着用感に優れたゾッキパンストを
得ることができた。 [実施例7]実施例1と同一のポリウレタン溶液198
3gにイソプロピルアルコールを重合溶媒として重合さ
れたBASF社製のPVP(“ルビスコール”K30ス
ペシャルグレード、以下、K30SPと略す)のジメチ
ルアセトアミド溶液(40重量%)を61.3gを加
え、2時間攪拌することにより試料溶液とした。得られ
た溶液を実施例1と同一の乾燥雰囲気温度の気体中に吐
出し、ゴデーローラーと巻取機の速度比を1.40とし
て540m/分のスピードで乾式紡糸することにより、
18デニール、モノフィラメントのポリウレタン糸を得
た。紡糸性は良好であった。
と同一の方法によって被覆加工糸を得て、かかる被覆加
工糸を用いてゾッキパンストを編んだところ、置寸は従
来のゾッキパンストよりも大きく、着圧は従来品よりも
高くない着用性および着用感に優れたゾッキパンストを
得ることができた。 [実施例7]実施例1と同一のポリウレタン溶液198
3gにイソプロピルアルコールを重合溶媒として重合さ
れたBASF社製のPVP(“ルビスコール”K30ス
ペシャルグレード、以下、K30SPと略す)のジメチ
ルアセトアミド溶液(40重量%)を61.3gを加
え、2時間攪拌することにより試料溶液とした。得られ
た溶液を実施例1と同一の乾燥雰囲気温度の気体中に吐
出し、ゴデーローラーと巻取機の速度比を1.40とし
て540m/分のスピードで乾式紡糸することにより、
18デニール、モノフィラメントのポリウレタン糸を得
た。紡糸性は良好であった。
【0110】このポリウレタン糸の伸度、強度、セット
性、応力緩和、熱セット性、PVP含有率および融点を
併せて表1に示す。
性、応力緩和、熱セット性、PVP含有率および融点を
併せて表1に示す。
【0111】得られたポリウレタン糸を用い、実施例1
と同一の方法によって被覆加工糸を得て、かかる被覆加
工糸を用いてゾッキパンストを編んだところ、置寸は従
来のゾッキパンストよりも大きく、着圧は従来品よりも
高くない着用性および着用感に優れたゾッキパンストを
得ることができた。また、ビニルピロリドンのモノマー
およびオリゴマーの揮発が小さく、PVPの含有量が多
い糸を得ることができた。 [比較例1]分子量2100のPTMG、MDIおよび
エチレングリコールからなるポリウレタンのジメチルア
セトアミド溶液(39重量%)をゴデーローラーと巻取
機の速度比を1.40として540m/分のスピードで
乾式紡糸することにより、18デニール、モノフィラメ
ントのポリウレタン糸を得た。このポリウレタン糸の伸
度、強度、セット性、応力緩和、熱セット性を併せて表
1に示す。
と同一の方法によって被覆加工糸を得て、かかる被覆加
工糸を用いてゾッキパンストを編んだところ、置寸は従
来のゾッキパンストよりも大きく、着圧は従来品よりも
高くない着用性および着用感に優れたゾッキパンストを
得ることができた。また、ビニルピロリドンのモノマー
およびオリゴマーの揮発が小さく、PVPの含有量が多
い糸を得ることができた。 [比較例1]分子量2100のPTMG、MDIおよび
エチレングリコールからなるポリウレタンのジメチルア
セトアミド溶液(39重量%)をゴデーローラーと巻取
機の速度比を1.40として540m/分のスピードで
乾式紡糸することにより、18デニール、モノフィラメ
ントのポリウレタン糸を得た。このポリウレタン糸の伸
度、強度、セット性、応力緩和、熱セット性を併せて表
1に示す。
【0112】得られたポリウレタン糸を用い、実施例1
と同一の方法によって被覆加工糸を得て、かかる被覆加
工糸を用いてゾッキパンストを編んだがサイズ、伸び特
性が劣り、着圧の高いものであった。 [比較例2]分子量2900のPTMG、MDIおよび
1,4−ブタンジオールからなるポリウレタンのジメチ
ルアセトアミド溶液(40重量%)をゴデーローラーと
巻取機の速度比を1.40として540m/分のスピー
ドで乾式紡糸することにより、18デニール、モノフィ
ラメントのポリウレタン糸を得た。このポリウレタン糸
の伸度、強度、セット性、応力緩和、熱セット性を併せ
て表1に示す。
と同一の方法によって被覆加工糸を得て、かかる被覆加
工糸を用いてゾッキパンストを編んだがサイズ、伸び特
性が劣り、着圧の高いものであった。 [比較例2]分子量2900のPTMG、MDIおよび
1,4−ブタンジオールからなるポリウレタンのジメチ
ルアセトアミド溶液(40重量%)をゴデーローラーと
巻取機の速度比を1.40として540m/分のスピー
ドで乾式紡糸することにより、18デニール、モノフィ
ラメントのポリウレタン糸を得た。このポリウレタン糸
の伸度、強度、セット性、応力緩和、熱セット性を併せ
て表1に示す。
【0113】得られたポリウレタン糸を用い、実施例1
と同一の方法によって被覆加工糸を得て、かかる被覆加
工糸を用いてゾッキパンストを編んだがサイズ、伸び特
性が劣り、着圧の高いものであった。
と同一の方法によって被覆加工糸を得て、かかる被覆加
工糸を用いてゾッキパンストを編んだがサイズ、伸び特
性が劣り、着圧の高いものであった。
【0114】
【発明の効果】本発明により得られる被覆弾性糸は、特
に衣服など使用した際、フィット性、外観品位、着用
性、着用感、伸びなどに優れたものを得ることができ
る。これらの優れた特性を有することから、単独での使
用はもとより、各種繊維との組み合わせにより、例えば
ソックス、ストッキング、丸編、トリコット、水着、ス
キーズボン、作業服、煙火服、洋服、ゴルフズボン、ウ
エットスーツ、ブラジャー、ガードル、手袋や靴下をは
じめとする各種繊維製品の締め付け材料、紙おしめなど
サニタニー品の漏れ防止用締め付け材料、防水資材の締
め付け材料、似せ餌、造花、電気絶縁材、ワイピングク
ロス、コピークリーナー、ガスケットなど、種々の用途
に展開可能である。
に衣服など使用した際、フィット性、外観品位、着用
性、着用感、伸びなどに優れたものを得ることができ
る。これらの優れた特性を有することから、単独での使
用はもとより、各種繊維との組み合わせにより、例えば
ソックス、ストッキング、丸編、トリコット、水着、ス
キーズボン、作業服、煙火服、洋服、ゴルフズボン、ウ
エットスーツ、ブラジャー、ガードル、手袋や靴下をは
じめとする各種繊維製品の締め付け材料、紙おしめなど
サニタニー品の漏れ防止用締め付け材料、防水資材の締
め付け材料、似せ餌、造花、電気絶縁材、ワイピングク
ロス、コピークリーナー、ガスケットなど、種々の用途
に展開可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宝金 圭二 滋賀県大津市園山1丁目1番2号 東レ・ デュポン株式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 4L002 AA05 AB04 AC01 BA01 EA06 FA02 FA03 FA05 FA06 4L035 BB02 BB11 DD14 EE08 EE20 FF01 FF04 FF07 MH02 MH07 MH11 4L036 MA04 MA06 MA33 MA39 PA01 PA05 RA24 UA07
Claims (3)
- 【請求項1】ポリビニルピロリドンおよび/またはその
共重合体を含有し、主構成成分がポリオール、ジイソシ
アネートおよびジオールであるポリウレタン糸からなる
芯部と、該芯部の周りを被覆する非弾性糸からなる鞘部
で構成されることを特徴とする被覆弾性糸。 - 【請求項2】ポリウレタン糸中にポリビニルピロリドン
および/またはその共重合体が0.1重量%以上10重
量%以下の範囲で含有されていることを特徴とする請求
項1に記載の被覆弾性糸。 - 【請求項3】ポリビニルピロリドンおよび/またはその
共重合体を含有し、主構成成分がポリオール、ジイソシ
アネートおよびジオールであるポリウレタン糸の周り
に、非弾性糸を被覆することを特徴とする被覆弾性糸の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10375100A JP2000170047A (ja) | 1998-12-10 | 1998-12-10 | 被覆弾性糸およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10375100A JP2000170047A (ja) | 1998-12-10 | 1998-12-10 | 被覆弾性糸およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000170047A true JP2000170047A (ja) | 2000-06-20 |
Family
ID=18504968
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10375100A Pending JP2000170047A (ja) | 1998-12-10 | 1998-12-10 | 被覆弾性糸およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000170047A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104988623A (zh) * | 2015-06-23 | 2015-10-21 | 张家港市华阳针纺织品有限公司 | 一种低收缩率复合纱线的制备方法 |
CN106222874A (zh) * | 2016-08-24 | 2016-12-14 | 深圳市六月玫瑰内衣科技有限公司 | 一种超弹裸氨面料的制备方法 |
CN106319742A (zh) * | 2016-08-24 | 2017-01-11 | 深圳市六月玫瑰内衣科技有限公司 | 一种超薄裸氨面料的制备方法 |
WO2020013384A1 (ko) * | 2018-07-13 | 2020-01-16 | 효성티앤씨 주식회사 | 열세트성 개선 원사를 사용한 원단 및 이를 사용한 데님 |
-
1998
- 1998-12-10 JP JP10375100A patent/JP2000170047A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104988623A (zh) * | 2015-06-23 | 2015-10-21 | 张家港市华阳针纺织品有限公司 | 一种低收缩率复合纱线的制备方法 |
CN106222874A (zh) * | 2016-08-24 | 2016-12-14 | 深圳市六月玫瑰内衣科技有限公司 | 一种超弹裸氨面料的制备方法 |
CN106319742A (zh) * | 2016-08-24 | 2017-01-11 | 深圳市六月玫瑰内衣科技有限公司 | 一种超薄裸氨面料的制备方法 |
WO2020013384A1 (ko) * | 2018-07-13 | 2020-01-16 | 효성티앤씨 주식회사 | 열세트성 개선 원사를 사용한 원단 및 이를 사용한 데님 |
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