JPH1181045A - ポリウレタン糸およびその製法 - Google Patents
ポリウレタン糸およびその製法Info
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- JPH1181045A JPH1181045A JP10211959A JP21195998A JPH1181045A JP H1181045 A JPH1181045 A JP H1181045A JP 10211959 A JP10211959 A JP 10211959A JP 21195998 A JP21195998 A JP 21195998A JP H1181045 A JPH1181045 A JP H1181045A
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Abstract
も回復性が高く、しかもそれらの特性が時間により変化
しにくいポリウレタン糸およびその製法を提供するこ
と。 【解決手段】下記の糸特性が、A式群、B式群、C式を
ともに満足し、かつ、高温側の融点が200〜255℃
であることを特徴とするポリウレタン糸。 A式群 破断伸度≧320% 破断強度≧0.5CN/D 1.1≦セット比≦1.3 15%≦応力緩和率≦32% 40%≦熱セット率≦95% B式群 0.9≦300%応力経時変化比≦1.1 0.9≦応力緩和率経時変化比≦1.1 C式 2≦ヒステリシス比≦6
Description
よびその製法に関するものである。さらに詳しくは、熱
セット性を有し、高い伸度と強度を有し、しかも低ヒス
テリシスであり、また、糸物性が経時変化しにくいポリ
ウレタン糸およびその製法に関するものである。
大別すると鎖伸長剤にアミンを用いるウレタンウレア糸
と鎖伸長剤にジオールを用いるウレタン糸からなってい
た。
熱セット性は低いものであった。
性は優れたものであった。
性の高いポリウレタン糸は存在しなかった。
は、側鎖を有したポリウレタンの例が記載されている
が、本発明で得られる特異な特性を有するポリウレタン
糸を示唆したものではなかった。
発明の目的を示唆する記載はなかったし、またそのため
特定のポリオールや鎖伸長剤を使用することを示唆して
いなかった。
性の高いポリウレタン糸を製造しようという思想は存在
しなかったのである。
の技術では得ることができなかった熱セット性が高く、
しかも回復性が高く、しかもそれらの特性が時間により
変化しにくいポリウレタン糸およびその製法を提供する
ことである。
は前記課題を解決するため、以下の構成を有する。
群、C式をともに満足し、かつ、高温側の融点が200
〜255℃であることを特徴とするポリウレタン糸であ
る。 A式群 破断伸度≧320% 破断強度≧0.5CN/D 1.1≦セット比≦1.3 15%≦応力緩和率≦32% 40%≦熱セット率≦95% B式群 0.9≦300%応力経時変化比≦1.1 0.9≦応力緩和率経時変化比≦1.1 C式 2≦ヒステリシス比≦6 また、本発明のポリウレタン糸の製法は、前記課題を解
決するため、以下の構成を有する。
リオールの少なくとも一部はメチル基を側鎖として5〜
35モル%有し、かつ、該ポリオールの分子量は300
0〜8000であり、ジイソシアネートは少なくともジ
フェニルメタンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤は
エチレングライコールであり、かつ、(該ジフェニルメ
タンジイソシアネートのモノ数)/(該ポリオールのモ
ノ数)=2.5〜6であり、かつ、その溶質の軟化点が
180〜220℃であり、高温側の融点が200℃〜2
55℃、数平均分子量が4万〜15万であり、溶媒が下
記のいずれかまたはその混合液であり、その濃度が30
〜90%であるポリウレタン溶液を、乾式紡糸すること
を特徴とするポリウレタン糸の製法である。
ルムアミド、ジメチルスルオキシド、n−メチルピロリ
ドン さらに、本発明のポリウレタン糸の製法は、前記課題を
解決するため、以下の構成を有する。
リオールの少なくとも一部はメチル基を側鎖として5〜
35モル%有し、かつ、該ポリオールの分子量は300
0〜8000であり、ジイソシアネートは少なくともジ
フェニルメタンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤は
1,4ブタンジオールであり、かつ、(該ジフェニルメ
タンジイソシアネートのモノ数)/(該ポリオールのモ
ノ数)=2.5〜6であり、かつ、その溶質の軟化点が
160〜200℃であり、高温側の融点が180℃〜2
50℃、数平均分子量が4万〜15万であり、溶媒が下
記のいずれかまたはその混合液であり、その濃度が30
〜90%である溶液を、乾式紡糸することを特徴とする
ポリウレタン糸の製法である。
ルムアミド、ジメチルスルオキシド、n−メチルピロリ
ドン
に述べる。
いて述べる。本発明にかかる糸は下記の特性を有するも
のである。
値を有するものである。
5CN/D以上とするものである。ポリウレタン糸が広
く多方面に使用されるためには、破断伸度は320%以
上とするものである。そして、破断伸度は400%以上
であるのが特に好ましい。400%以上になるとその用
途は、殆ど制限を受けなくなる。
ものである。破断強度が0.5CN/D以上あると、ナ
イロン、ポリエステル等の糸を弾性糸に巻いた加工糸を
用いた衣料や、またポリウレタンベア糸使いにおいて
も、ポリウレタンのみが切れるコア切れ等と呼ばれる弾
性糸のみが切れてしまうことにより生じる製品の劣化を
少なくすることができる。
過性もよい。破断強度は0.8CN/D以上であると特
に好ましい。
下とするものである。セット比は、高次加工性と、実用
における着圧とフィット感に関係する因子である。かか
る範囲のものから作られた糸からは、高い高次加工性と
適度な着圧とフィット感を有する生地を作ることができ
る。
範囲にあると好ましい。
するものである。
力緩和率は15〜29%の範囲である。
るものである。熱セット率は高い方が所望の衣服形態に
できるので好ましい。そして、特に好ましい熱セット率
は50%以上、95%以下である。かかる範囲の値にな
ると、例えば衣服のデザインも容易になるし、また良好
な形態とすることもできるのである。
が少ないものである。
後で大差ないものである。
の糸の300%伸長を5回繰り返した時の300%伸長
時の応力)/(紡糸直後糸の糸の300%伸長を5回繰
り返した時の300%伸長時の応力) 応力緩和率経時変化比=(紡糸3ヶ月後糸の応力緩和
率)/(紡糸直後糸の応力緩和率) これらの特性値がいずれも、0.9〜1.1の範囲にあ
るものである。
後の高次加工の管理が厄介になるが、本発明の糸はかか
ることがないので、品質面からは、生地に段や色差を生
ずることが少なくなる利点があるのである。このため在
庫管理、高次工程管理が容易となるし、また、そのため
に要する倉庫費、金利、人件費などの削減も可能となる
のである。
比が、0.94〜1.06の範囲に収まることである。
糸物性の変化率がかかる範囲に収まると、前記したトラ
ブルが生じる確率は大幅に低くなる。
糸後48時間〜120時間に測定した糸物性をいう。
00〜255℃の範囲にあるものである。
は、繊維を細かく裁断したサンプルのDSCにおけるセ
カンドランの測定値である。
ントの融点が該当する。高温側の融点が、かかる温度で
あると、本発明のポリウレタン糸やポリウレタンと併用
する繊維を熱劣化することなく、ヒートセットすること
が可能となるのである。
℃の範囲にあるのが好ましい。
途へ展開したとき、良好な形態と良好なフィット性が同
時に発揮できるのである。
である。そして、ヒステリシス比は2〜5の範囲にある
のが好ましい。かかる糸は、ソフトなストレッチで、か
つ、回復性があり、しかも熱セット性があるので、希望
の形態にセットできるので、特に衣服にしたとき、良好
な形態と良好なフィット性、ストレッチ性を同時に得る
ことができるのである。
定法について簡単に説明する。
述べる。
インストロン4502型引張試験器を用い、5cmの長
さの試料を50cm/minの引張速度で300%伸長
することを5回繰り返した後、30秒間該長さを保持
し、しかる後、伸長を回復せしめ応力が0になった時の
試料の長さと伸長を行う前の長さの比をセット比とい
う。
伸長時、30秒保持後の応力の減少率を応力緩和率と称
する。これらの測定は、21℃、65%RHの雰囲気で
実施される。
測定において、6回目に糸が破断するまで伸びを加えた
時の伸びと、その時の応力を、それぞれ破断伸度、破断
強度と称する。
るものである。 ヒステリシス比=(300%伸長を5回繰り返した時の
1回目の200%伸長伸時の応力)/(300%伸長を
5回繰り返し、そこで30秒保持し、しかる後に、歪み
を除き、その回復過程におけるもとの長さに対する伸び
が200%の時の応力) 次に熱セット率とは下記の定義にかかるものである。
間処理し、次に沸騰水で2時間、同様にフリーで処理
し、1日室温で乾燥する。
次に該糸を100%伸長し、115℃のスチームで1分
間処理し、さらに同伸長率で、130℃の空気中で1分
間処理し、さらに1日室温で放置し、その時の長さを測
定する。
/(元の長さ)}×100を熱セット率とする。
成について説明する。
なくとも一部は側鎖を有するのが好ましい。側鎖として
は、メチル基を始め、エチル基など任意のものが使用で
きる。また、側鎖は、片側についてもよいし、ネオペン
チルグライコールのように両側についてもよい。
ルの分子量は3000〜8000の範囲が好ましい。ポ
リオールの分子量が3000未満となると得られる糸の
回復性が低くなる傾向がある。また、伸度が出にくくな
る傾向もある。一方、ポリオールの分子量が8000を
越えると、強度が低下したり、対薬品性が低下する傾向
がある。つまり、ポリオールの分子量としては、800
0以下が好ましい。そして、特に好ましいポリオールの
分子量は、3300〜4500である。かかる値のもの
は、力学バランスの取れたポリウレタン糸を得ることが
できるのである。
のついたポリオールとしては、特公平7−116276
号公報に開示されているテトラヒドロフランと3ーアル
キルテトラヒドロフランとの共重合ポリテトラメチレン
グライコール(以下、3−PTMGと称する)、PP
G、特開平5−98511号公報に開示されるメチル基
が側鎖についたポリエステルグライコール、特許第50
6713号公報に開示されているメチル基が側鎖につい
たポリカーボネートグライコール、また、特開平5−3
2775号公報に開示されているネオペンチルオキサイ
ドを構造に含むポリエーテル系グライコールなどはその
代表的なものである。
は、メチル基である。メチル基を側鎖としてもつポリオ
ールからなるポリウレタン糸は、高い強度を有し、かつ
高い回復性を有するなど、良好な物性を示すのである。
に好ましいものとしては3−PTMGまたはPTMGと
3−PTMGとの混合物がポリオールを構成するもので
ある。かかるポリオールを用いると、低温においても特
に回復性が高く、かつ強度も高いポリウレタン糸を得る
ことができるのである。
る必要はなく、2種類以上であっても何らかまわない。
そして、ポリオールを2種類以上用いる際、すべてのポ
リオールが側鎖を有する必要はない。
ールの構成単位に対して5〜35モル%存在することで
ある。側鎖の比率がかかる範囲になると特に、回復性が
優れ、高伸度、高強度で、かつ熱セット性の高いものと
することができる。
なくともジフェニルメタンジイソシアネート(以下、M
DIと称する)からなるものが好ましい。MDIは得ら
れるポリウレタン糸に高い耐熱性、高い耐薬品性を付与
でき、また高い強伸度を付与することができるという大
きな利点がある。なお、当然のことではあるが、本発明
の効果を損なわない範囲で他のジイソシアネートなどを
併用しても差し支えない。
レングライコール(以下、EGと称する)および/また
は1,4ブタンジオール(以下、BGと称する)からな
るものが好ましい。
性、高い耐薬品性を付与することができ、さらに高い強
伸度を付与することができるという利点がある。
ポリウレタン糸を得ることができる。
果を損なわない範囲で他のグライコールなどを併用して
も差し支えない。
したものからなるが、本発明の効果を損なわない範囲で
グリセリンなどをはじめとする多官能アルコールなどが
構成要素となっても何らかまわない。
ら主に構成されるのであるが、その好ましい構成比率を
下記に示す。
復性を発揮し、かつ熱セット性に優れ、強度、伸度も高
くする観点から、本発明においては(ジイソシアネート
のモノ数)/(ポリオールのモノ数)(以下、付加比率
と称する)=2.5〜6とするのが好ましい。
好ましい。
4万〜15万の範囲にあることが好ましい。この範囲に
あると、耐久性や強度の高い糸を得ることができる。
定しており、ポリスチレンにより換算している。
形であっても扁平であっても何らかまわない。
く、任意のものがとれる。
さらには2本以上の繊維が合着したものであってもよ
い。
料などを含有していても何ら問題はない。例えば耐光、
耐酸化防止剤などとしていわゆるBHTや住友化学工業
(株)製の“スミライザーGA−80”などをはじめと
するヒンダードフェノール系薬剤、各種の“チヌビン”
などをはじめとするベンゾトリアゾール系薬剤、住友化
学工業(株)製の“スミライザーP−16”などをはじ
めとするリン系薬剤、各種の“チヌビン”などをはじめ
とするヒンダードアミン系薬剤、さらに酸化チタン、酸
化亜鉛、カーボンブラックなどの無機顔料、モンモリナ
イトなどの粘土鉱物、ステアリン酸マグネシウムなどを
はじめとする金属石鹸、また、銀や亜鉛やこれらの化合
物などを含む殺菌剤、消臭剤、またシリコーン、鉱物油
などの滑剤、硫酸バリウム、酸化セリウム、ベタインや
リン酸系などをはじめとする各種の帯電防止剤などが含
まれたり、またポリマと反応していても何らかまわな
い。そして、特に光や各種の酸化窒素などへの耐久性を
さらに高めるには、酸化窒素補足剤、例えば、日本ヒド
ラジン(株)製の“HN−150”、熱酸化安定剤、例
えば、住友化学工業(株)製の“スミライザーGA−8
0”、光安定剤、例えば、住友化学工業(株)製の“ス
ミゾブ300#622”などを使用することは有効であ
る。
て説明する。
タン溶液を乾式紡糸するものである。
リオールの少なくとも一部はメチル基を側鎖として5〜
35モル%有し、かつ、該ポリオールの分子量は300
0〜8000であり、ジイソシアネートは少なくともジ
フェニルメタンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤は
少なくともエチレングライコールからなり、かつ、付加
比率が2.5〜6であり、かつ、その溶質の軟化点が1
80〜220℃であり、高温側の融点が200℃〜25
5℃、数平均分子量が4万〜15万であり、溶媒は下記
のいずれかまたはその混合液であり、その濃度は30〜
90%であるポリウレタン溶液を、乾式紡糸するもので
ある。
ルムアミド、ジメチルスルオキシド、n−メチルピロリ
ドン または、溶質であるポリウレタンが、ポリオールの少な
くとも一部はメチル基を側鎖として5〜35モル%有
し、かつ、該ポリオールの分子量は3000〜8000
であり、ジイソシアネートは少なくともジフェニルメタ
ンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤は1,4ブタン
ジオールからなり、かつ、付加比率が2.5〜6であ
り、かつ、その溶質の軟化点が160〜200℃であ
り、高温側の融点が180℃〜250℃、数平均分子量
が4万〜15万であり、溶媒は下記のいずれかまたはそ
の混合液であり、その濃度は30〜90%である溶液
を、乾式紡糸するものである。
ルムアミド、ジメチルスルオキシド、n−メチルピロリ
ドン 本発明において、該ポリウレタン溶液の製法は特に限定
されるものではなく任意の方法を採用することができ
る。
溶解してもよい。また、溶媒中でポリウレタンを重合し
てもよい。そして、本発明で特に好ましいのは、溶媒中
でポリウレタンを重合する方法である。いわゆる溶液重
合法で作られたポリウレタン溶液はゲルなどの不純物が
少なく良好な糸となることはもとより、紡糸が容易であ
るという大きな利点を有する。
い。
るとワンショット法と、プレポリマー法があるが、双方
とも特に限定されず使用可能である。
ングリコールのように2級アルコールを使用する場合な
どのように、触媒の使用が有効なこともある。
触媒としては、アミン系触媒や有機金属触媒を1種また
は2種以上混合物などがあり、その一例としては下記の
ものがある。
ルシクロヘキシルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミ
ン、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、N-エチル
モルホリン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミ
ン、N,N,N',N'-テトラメチル-1,3- プロパンジアミン、
N,N,N',N'-テトラメチルヘキサンジアミン、ビス-2- ジ
メチルアミノエチルエーテル、N,N,N',N',N'- ペンタメ
チルジエチレントリアミン、テトラメチルグアニジン、
トリエチレンジアミン、N,N'- ジメチルピペラジン、N-
メチル-N'-ジメチルアミノエチル- ピペラジン、N-(2-
ジメチルアミノエチル) モルホリン、1-メチルイミダゾ
ール、1,2-ジメチルイミダゾール、N,N-ジメチルアミノ
エタノール、N,N,N'- トリメチルアミノエチルエタノー
ルアミン、N-メチル-N'-(2- ヒドロキシエチル) ピペラ
ジン、2,4,6-トリス( ジメチルアミノメチル) フェノー
ル、N,N-ジメチルアミノヘキサノール、トリエタノール
アミン等が挙げられる。また、有機金属触媒としてはオ
クタン酸スズ、二ラウリン酸ジブチルスズ、オクタン酸
鉛ジブチル等が挙げられる。
ルからなる場合にも当然使用可能である。
220℃であり、高温側の融点が180℃〜255℃で
あるものとする。
フイルムに成型し、120℃で乾燥させたものをTMA
を用い測定したものを称する。
20℃である。かかる軟化温度のポリウレタン糸は高い
ヒートセット性を発揮し、各種の衣服をはじめ種々の用
途へ展開できるのである。
ストして組成を決めることが大切である。
量は4万〜15万である。これらの測定法は前記したと
おりである。
法も特に限定されるものではなく、任意の方法で作るこ
とは可能である。
ておく方法、さらには、重合の最後に末端封鎖剤を添加
し、分子量をコントロールする方法などがよく知られた
方法である。末端封鎖剤としては、モノアミンやモノア
ルコールなどが好ましく使用され、本発明においても好
ましく使用され得る。
を30〜90%とし、乾式紡糸する。なお、高濃度の場
合は、適宜、溶液粘度を適正化することが必要になる。
このときは、溶液温度を高温にすることが通常使われ
る。
ミド、ジメチルスルオキシド、n−メチルピロリドン単
独、またはこれらの混合物が好ましく使用される。な
お、本発明の効果を妨げない範囲で、他の溶剤が併用さ
れていても何ら構わない。そして、これら溶媒の中で、
特に好ましいものとしては、DMACである。DMAC
を使用すると安定した溶液が得られるのである。
液にはポリウレタンの耐光安定剤などをはじめ前記した
ような各種の添加剤、粘度安定剤などが添加されていて
もよいことは言うまでもない。
ティックミキサー方式など任意の方法を採用することが
できる。
乾式紡糸する。紡糸の際、ゴデローラーと巻取機の速度
比は糸にした際の伸度および強力を従来の糸と同等もし
くはそれ以上にすることのできる1.1〜1.55の間
とすることが好ましい。
る。ただし、本発明がこれら実施例によって限定される
ものではないことは、言うまでもないことである。 (実施例1)テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒ
ドロフランを87.5:12.5のモル比で共重合した
分子量が3500の3−PTMGを1050g、MDI
を252g、EGを41gをそれぞれ、2010gのD
MAC溶液に攪拌しながら投入した。
攪拌し、次にブタノールを投入して停止反応を実施し
た。本溶液を乾燥したところ固形分残留率は約40%で
あった。本ポリウレタンの付加比率は計算上約3.36
であった。
ェノール系酸化防止剤、シリコーン油を加えることによ
り粘調な重合体溶液を得た。この重合体溶液の粘度を落
球式粘度計で測定し、40℃で4800ポイズであっ
た。また、本発明の軟化点は約200℃であった。
れている乾式紡糸筒に吐出せしめ、ゴデローラーと巻取
機の速度比を1.25とし、毎分730mの速度で乾式
紡糸し、17デニール/モノフィラメントの糸を通常の
厚紙管に巻き取った。この糸の特性を表1に示す。
経時変化が少ない糸が得られた。
3−メチルテトラヒドロフランを87.5:12.5の
モル比で共重合した分子量が3500の3−PTMGを
1050g、MDIを293g、EGを51gをそれぞ
れ、2090gのDMAC溶液に攪拌しながら投入し
た。
攪拌し、次にブタノールを投入して停止反応を実施し
た。
40%であった。本ポリウレタンの付加比率は計算上約
3.91であった。
ェノール系酸化防止剤、シリコーン油を加えることによ
り粘調な重合体溶液を得た。この重合体溶液の粘度を落
球式粘度計で測定し、40℃で4900ポイズであっ
た。また、本発明の軟化点は約208℃であった。
れている乾式紡糸筒に吐出せしめ、ゴデローラーと巻取
機の速度比を1.25とし、毎分730mの速度で乾式
紡糸し、17デニール/モノフィラメントの糸を通常の
厚紙管に巻き取った。この糸の特性を併せて表1に示
す。
経時変化が少ない糸が得られた。 (実施例3)実施例1で用いたテトラヒドロフランと3
−メチルテトラヒドロフランを87.5:12.5のモ
ル比で共重合した分子量が4000の3−PTMGを1
200g、MDIを263g、EGを46gをそれぞ
れ、2265gのDMAC溶液に攪拌しながら投入し
た。
攪拌し、次にブタノールを投入して停止反応を実施し
た。
40%であった。本ポリウレタンの付加比率は計算上約
3.5であった。
ェノール系酸化防止剤、シリコーン油を加えることによ
り粘調な重合体溶液を得た。この重合体溶液の粘度を落
球式粘度計で測定し、40℃で4700ポイズであっ
た。また、本発明の軟化点は約202℃であった。
れている乾式紡糸筒に吐出せしめ、ゴデローラーと巻取
機の速度比を1.25とし、毎分730mの速度で乾式
紡糸し、17デニール/モノフィラメントの糸を通常の
厚紙管に巻き取った。この糸の特性を併せて表1に示
す。
経時変化が少ない糸が得られた。 (実施例4)実施例1で用いたテトラヒドロフランと3
−メチルテトラヒドロフランを87.5:12.5のモ
ル比で共重合した分子量が3500の3−PTMGを1
050g、MDIを263g、BGを67gをそれぞ
れ、2070gのDMAC溶液に攪拌しながら投入し
た。
攪拌し、次にブタノールを投入して停止反応を実施し
た。本溶液を乾燥したところ固形分残留率は約40%で
あった。本ポリウレタンの付加比率は計算上約3.5で
あった。
ェノール系酸化防止剤、シリコーン油を加えることによ
り粘調な重合体溶液を得た。この重合体溶液の粘度を落
球式粘度計で測定し、40℃で4300ポイズであっ
た。また、本ポリウレタンの軟化点は約175℃であっ
た。
れている乾式紡糸筒に吐出せしめ、ゴデローラーと巻取
機の速度比を1.25とし、毎分650mの速度で乾式
紡糸し、17デニール/モノフィラメントの糸を通常の
厚紙管に巻き取った。この糸の特性を併せて表1に示
す。
経時変化が少ない糸が得られた。 (比較例1)分子量が約2000のPTMGを670
g、MDIを252g、EGを41gをそれぞれ、14
40gのDMAC溶液に攪拌しながら投入した。
攪拌し、次にブタノールを投入して停止反応を実施し
た。本溶液を乾燥したところ固形分残留率は約40%で
あった。本ポリウレタンの付加比率は計算上約3であっ
た。
抗ガス剤等を加えることにより粘調な重合体溶液を得
た。この重合体溶液の粘度を落球式粘度計で測定し、4
0℃で4600ポイズであった。また、本ポリウレタン
の軟化点は約205℃であった。
れている乾式紡糸筒に吐出せしめ、ゴデローラーと巻取
機の速度比を1.25とし、毎分630mの速度で乾式
紡糸し、17デニール/モノフィラメントの糸を通常の
厚紙管に巻き取った。この糸の特性を表2に示す。
ずれるものであり、また糸特性の劣ったものであった。
0℃、無溶媒の条件下、付加比率1.58で2時間反応
させることによりNCO末端のウレタンプレポリマを得
た。次にこのプレポリマを室温まで冷却後、フラスコに
500g採り、1000gのDMAcに溶解した後、
7.80gのエチレンジアミンと1.17gのジエチル
アミンの混合液を80.7gのDMAcで希釈した溶液
を加えることにより鎖伸長反応を行い、さらにヒンダー
ドアミン系抗ガス剤およびフェノール系酸化防止剤を適
量加えることにより粘調な重合体溶液を得た。この重合
体溶液の粘度を落球式粘度計で測定し、40℃で280
0ポイズであった。次に重合体溶液(固体分32%)
を、毎分730mの速度で乾式紡糸し、20デニール/
2フィラメントの糸を通常の厚紙管に巻き取った。この
糸の諸特性を併せて表2に示す。 (比較例3)DMAc2385g中に実施例1で使用し
た3−PTMGを1225g、MDIを265g、シク
ロヘキサンジメタノールを100g投入し、攪拌しなが
ら65℃に昇温し、6時間反応させ、次に10gのブタ
ノールを投入し反応を停止した。本溶液を乾燥したとこ
ろ固形分残留率は約40%であった。また、本ポリウレ
タンの付加比率は計算上約3であった。
抗ガス剤等を加えることにより粘調な重合体溶液を得
た。この重合体溶液の粘度を落球式粘度計で測定し、4
0℃で4600ポイズであった。また、本ポリウレタン
の軟化点は約135℃であった。
れている乾式紡糸筒に吐出せしめ、ゴデローラーと巻取
機の速度比を1.25とし、毎分520mの速度で乾式
紡糸し、17デニール/モノフィラメントの糸を通常の
厚紙管に巻き取った。しかし、この糸を厚紙管に巻取つ
たところ、糸は融着してしまい糸にならなかった。
性が優れ、しかも回復性が高く、また経時変化が少ない
画期的なスパンデックス糸であり、これらの優れた特性
を有することから、単独での使用はもとより、各種繊維
との組み合わせにより、例えばソックス、ストッキン
グ、丸編、トリコット、水着、スキーズボン、作業服、
煙火服、洋服、ゴルフズボン、ウエットスーツ、ブラジ
ャー、ガードル、手袋や靴下をはじめとする各種繊維製
品の締め付け材料、紙おしめなどサニタニー品の漏れ防
止用締め付け材料、防水資材の締め付け材料、似せ餌、
造花、電気絶縁材、ワイピングクロス、コピークリーナ
ー、ガスケットなど、種々の用途に展開可能である。
Claims (10)
- 【請求項1】下記の糸特性が、A式群、B式群、C式を
ともに満足し、かつ、高温側の融点が200〜255℃
であることを特徴とするポリウレタン糸。 A式群 破断伸度≧320% 破断強度≧0.5CN/D 1.1≦セット比≦1.3 15%≦応力緩和率≦32% 40%≦熱セット率≦95% B式群 0.9≦300%応力経時変化比≦1.1 0.9≦応力緩和率経時変化比≦1.1 C式 2≦ヒステリシス比≦6 - 【請求項2】下記の糸特性が、A式群、B式群、C式を
ともに満足し、かつ、高温側の融点が200〜250℃
であることを特徴とするポリウレタン糸。 A式群 破断伸度≧400% 破断強度≧0.8CN/D 1.1≦セット比≦1.25 15%≦応力緩和率≦29% 50%≦熱セット率≦95% B式群 0.9≦300%応力経時変化比≦1.1 0.9≦応力緩和率経時変化比≦1.1 C式 2≦ヒステリシス比≦5 - 【請求項3】ポリウレタン糸であって該ポリウレタンの
ポリオールの少なくとも一部はメチル基を側鎖として5
〜35モル%有し、かつ、該ポリオールの分子量は30
00〜8000であり、ジイソシアネートは少なくとも
ジフェニルメタンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤
は少なくともエチレングライコールからなり、かつ、
(ジイソシアネートのモル数)/(ポリオールのモノ
数)=2.5〜6であり、高温側の融点が200〜25
5℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の
ポリウレタン糸。 - 【請求項4】ポリウレタン糸であって該ポリウレタンの
ポリオールの少なくとも一部はメチル基を側鎖として5
〜35モル%有し、かつ、該ポリオールの分子量は30
00〜8000であり、ジイソシアネートは少なくとも
ジフェニルメタンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤
は少なくとも1,4ブタンジオールからなり、かつ、
(ジイソシアネートのモル数)/(ポリオールのモノ
数)=2.5〜6であり、高温側の融点が180〜24
0℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の
ポリウレタン糸。 - 【請求項5】(ジイソシアネートのモノ数)/(ポリオ
ールのモノ数)=3〜4であり、その数平均分子量が4
万〜15万であることを特徴とする請求項1〜4のいず
れか1項に記載のポリウレタン糸。 - 【請求項6】ポリオールが3ーメチルテトラヒドロキシ
フランを共重合した共重合ポリテトラメチレングライコ
ールからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
1項に記載のポリウレタン糸。 - 【請求項7】ポリオールの分子量が3300〜4500
であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に
記載のポリウレタン糸。 - 【請求項8】溶質であるポリウレタンが、ポリオールの
少なくとも一部はメチル基を側鎖として5〜35モル%
有し、かつ、該ポリオールの分子量は3000〜800
0であり、ジイソシアネートは少なくともジフェニルメ
タンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤はエチレング
ライコールであり、かつ、(該ジフェニルメタンジイソ
シアネートのモノ数)/(該ポリオールのモノ数)=
2.5〜6であり、かつ、その溶質の軟化点が180〜
220℃であり、高温側の融点が200℃〜255℃、
数平均分子量が4万〜15万であり、溶媒が下記のいず
れかまたはその混合液であり、その濃度が30〜90%
であるポリウレタン溶液を、乾式紡糸することを特徴と
するポリウレタン糸の製法。 溶媒:ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルオキシド、n−メチルピロリドン - 【請求項9】溶質であるポリウレタンが、ポリオールの
少なくとも一部はメチル基を側鎖として5〜35モル%
有し、かつ、該ポリオールの分子量は3000〜800
0であり、ジイソシアネートは少なくともジフェニルメ
タンジイソシアネートからなり、鎖伸長剤は1,4ブタ
ンジオールであり、かつ、(該ジフェニルメタンジイソ
シアネートのモノ数)/(該ポリオールのモノ数)=
2.5〜6であり、かつ、その溶質の軟化点が160〜
200℃であり、高温側の融点が180℃〜250℃、
数平均分子量が4万〜15万であり、溶媒が下記のいず
れかまたはその混合液であり、その濃度が30〜90%
である溶液を、乾式紡糸することを特徴とするポリウレ
タン糸の製法。 溶媒:ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルオキシド、n−メチルピロリドン - 【請求項10】ジメチルアセトアミド中で重合せしめた
ポリウレタン溶液を口金から気体中に吐出せしめ、乾燥
しゴデローラーと巻取機の速度比を1.1〜1.55と
して巻き取ることを特徴とする請求項8または9に記載
のポリウレタン糸の製法。
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-
1998
- 1998-07-10 JP JP21195998A patent/JP3826375B2/ja not_active Expired - Lifetime
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