JP2000072840A - 合成皮革用または弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂ならびにその製造方法 - Google Patents

合成皮革用または弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂ならびにその製造方法

Info

Publication number
JP2000072840A
JP2000072840A JP10246105A JP24610598A JP2000072840A JP 2000072840 A JP2000072840 A JP 2000072840A JP 10246105 A JP10246105 A JP 10246105A JP 24610598 A JP24610598 A JP 24610598A JP 2000072840 A JP2000072840 A JP 2000072840A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active hydrogen
compound
molecular weight
polyol
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10246105A
Other languages
English (en)
Inventor
Joichi Saito
譲一 斎藤
Kiyoteru Kashiwame
浄照 柏女
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP10246105A priority Critical patent/JP2000072840A/ja
Publication of JP2000072840A publication Critical patent/JP2000072840A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】低モジュラスで、回復性に富んだ合成皮革用ま
たは弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂およびその製造方
法を提供する。 【解決手段】活性水素含有基を2以上有する高分子量活
性水素化合物とイソシアネート化合物とからなるイソシ
アネート基末端プレポリマと、少なくとも一部が芳香環
を有するジアミン化合物(例えばm−キシリレンジアミ
ン)である鎖延長剤とを反応させる製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、イソシアネート基
末端プレポリマと鎖延長剤とからなる合成皮革用または
弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂ならびにその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオキシテトラメチレンジオールやポ
リエステルポリオールといった高分子量活性水素化合物
とイソシアネート化合物とを反応させてイソシアネート
基末端プレポリマとし、このプレポリマに、エチレンジ
アミンなどの鎖延長剤を反応させることにより、高弾
性、高伸び、高耐久性などの特徴を有する弾性糸用ポリ
ウレタンウレア樹脂を製造することは知られている。
【0003】上記した製造方法において使用される、ポ
リオキシテトラメチレンジオールやポリエステルポリオ
ールといった高分子量活性水素化合物は、平均分子量が
3000以下であることが多く、特に1000〜200
0の分子量のものが主に使用されている。
【0004】このように、分子量範囲が3000以下の
原料を使用するため、ポリウレタンウレア樹脂のモジュ
ラスが高い問題があった。また、ポリウレタンウレア樹
脂の低モジュラス化のため、高分子量活性水素化合物の
分子量を高くしようとすると、粘度が上昇する問題があ
った。さらに、このようなポリウレタンウレア樹脂を合
成皮革または弾性糸として使用した場合、硬い感触で、
風合いの悪い合成皮革または弾性糸となる問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、低モジュラスで、しかも、回復性に富んだ合成
皮革用または弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂およびそ
の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はすなわち、上記
目的を達成する下記の発明である。活性水素含有基を2
以上有する高分子量活性水素化合物とイソシアネート化
合物とを反応させて得られるイソシアネート基末端プレ
ポリマと、鎖延長剤とを反応させることにより合成皮革
用または弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂を製造する方
法であって、前記高分子量活性水素化合物の少なくとも
一部がプロピレンオキシドの開環した単位構造を有する
ポリオキシアルキレンポリオールであり、前記鎖延長剤
の少なくとも一部が芳香環を有するジアミン化合物であ
ることを特徴とする合成皮革用または弾性糸用ポリウレ
タンウレア樹脂の製造方法。活性水素含有基を2以上有
する高分子量活性水素化合物とイソシアネート化合物と
を反応させて得られるイソシアネート基末端プレポリマ
と、鎖延長剤とを、溶媒中で反応させて重合物を得た
後、溶媒を除去することにより合成皮革用または弾性糸
用ポリウレタンウレア樹脂を製造する方法であって、前
記高分子量活性水素化合物の少なくとも一部がプロピレ
ンオキシドの開環した単位構造を有するポリオキシアル
キレンポリオールであり、前記鎖延長剤の少なくとも一
部が芳香環を有するジアミン化合物であることを特徴と
する合成皮革用または弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂
の製造方法。
【0007】活性水素含有基を2以上有する高分子量活
性水素化合物とイソシアネート化合物とを反応させて得
られるイソシアネート基末端プレポリマと、鎖延長剤と
を反応させて得られる合成皮革用または弾性糸用ポリウ
レタン樹脂であって、前記高分子量活性水素化合物の少
なくとも一部がプロピレンオキシドの開環した単位構造
を有するポリオキシアルキレンポリオールであり、前記
鎖延長剤の少なくとも一部が芳香環を有するジアミン化
合物であることを特徴とする合成皮革用または弾性糸用
ポリウレタンウレア樹脂。
【0008】本発明によれば、イソシアネート基末端プ
レポリマの原料となる高分子量活性水素化合物の少なく
とも一部に、オキシプロピレン基を有するポリオキシア
ルキレンポリオールを使用し、また、プレポリマに反応
させる鎖延長剤として芳香環を有するジアミン化合物を
使用することにより、低モジュラスで、回復性に富んだ
合成皮革用または弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂を得
ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に使用される高分子量活性
水素化合物は、活性水素含有基を2以上有する。活性水
素含有基の数は好ましくは2〜8、最も好ましくは2〜
4である。高分子量活性水素化合物としては活性水素含
有基として水酸基を2以上有する高分子量ポリオールが
好ましい。高分子量ポリオールの水酸基価は60以下で
あることが好ましい。また水酸基価は5以上が好まし
く、8以上が特に好ましい。
【0010】本発明では特に、プロピレンオキシドの開
環した単位構造(オキシプロピレン基)を有するポリオ
キシアルキレンポリオール(以下、オキシプロピレン基
を有するポリオキシアルキレンポリオールという)を高
分子量活性水素化合物の一部または全部として使用す
る。
【0011】オキシプロピレン基を有するポリオキシア
ルキレンポリオールは、多価アルコール、糖類、アルカ
ノールアミン、多価フェノール等を開始剤として、触媒
の存在下、プロピレンオキシドのみ、またはプロピレン
オキシドと他の環状エーテルを開環付加反応させて製造
されることが好ましい。
【0012】他の環状エーテルとしては、エチレンオキ
シド、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオ
キシドなどのアルキレンオキシド、テトラヒドロフラン
などがある。プロピレンオキシドのみ、またはプロピレ
ンオキシドとエチレンオキシドを反応させて得られるポ
リオキシアルキレンポリオールが好ましい。
【0013】触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナ
トリウムなどの汎用アルカリ触媒、水酸化セシウムなど
のセシウム触媒、複合金属シアン化物錯体触媒、ポルフ
ィリン触媒などが好ましい。
【0014】また、このポリオキシアルキレンポリオー
ルは、水酸基価60以下でありかつ総不飽和度が0.0
7以下であることが好ましく、水酸基価60以下であり
かつ総不飽和度が0.04以下であることがより好まし
い。特に好ましくは水酸基価40以下でありかつ総不飽
和度が0.03以下である。総不飽和度が0.07を超
えると、モノオール成分が多くなりすぎて、充分な強度
の樹脂が得られないため好ましくない。
【0015】さらに、水酸基価60以下でありかつ総不
飽和度が0.07以下であるポリオキシアルキレンポリ
オールは、複合金属シアン化物錯体やセシウム化合物を
触媒として製造されるものが好ましく、複合金属シアン
化物錯体を触媒として製造されるものがより好ましい。
複合金属シアン化物錯体触媒としては、亜鉛ヘキサシア
ノコバルテート錯体が好ましく使用できる。
【0016】また、高分子量活性水素化合物として、前
記ポリオキシアルキレンポリオールと他のポリオールを
併用することもできる。このようなポリオールには、オ
キシプロピレン基を有さないポリオキシアルキレンポリ
オール、ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオ
ール、ポリカーボネートポリオール等がある。これらの
水酸基価は5〜60が好ましく、20〜60が特に好ま
しい。
【0017】オキシプロピレン基を有さないポリオキシ
アルキレンポリオールは、上記した製造方法において、
環状エーテルとして、プロピレンオキシド以外の環状エ
ーテルを使用することにより製造できる。ポリオキシエ
チレンポリオール、ポリオキシテトラメチレンポリオー
ルなどが好ましい。ポリオキシテトラメチレンポリオー
ルは特に好ましい。
【0018】ポリエステルポリオールとしては、シュウ
酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、セバシン酸、マ
レイン酸、イタコン酸、アジピン酸、マロン酸等の二塩
基酸から選ばれる1種または2種以上の混合物、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコ
ール、シクロヘキサンメタノール等の低分子量ジオール
から選ばれる1種または2種以上の混合物、および任意
に、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリ
スリトールなどの3官能以上のアルコール化合物から選
ばれる1種または2種以上の混合物を、カルボキシル基
に対して水酸基が過剰となる割合で反応させて得られた
ものが好ましい。
【0019】また、水酸基に対してカルボキシル基が過
剰となる割合で反応させて得られた末端にカルボキシル
基を有するポリエステルに、例えばポリオキシエチレン
ジオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシ
テトラメチレンジオール、ポリオキシペンタメチレンジ
オール等のポリオキシアルキレンジオールをさらに反応
させて得られるポリエステル−ポリオキシアルキレンポ
リオールも使用できる。
【0020】ポリラクトンポリオールとしては、γ−ブ
チロラクトンやε−カプロラクトン等を開環重合して得
られるものが好ましい。ポリカーボネートポリオールと
しては、アルキレンカーボネート類と1,4−ブタンジ
オール、1,3−ペンタンジオール、1,5−ペンタン
ジオール、1,6−ヘキサンジオール等の低分子量ジオ
ールとの反応により得られるポリ(ブタン−1,4−カ
ーボネートジオール)、ポリ(ペンタン−1,5−カー
ボネートジオール)、ポリ(ヘキサン−1,6−カーボ
ネートジオール)およびそれらの共重合体ならびに混合
物から得られるポリカーボネートジオールが好ましい。
【0021】また、本発明においては、高分子量活性水
素化合物とモノオール化合物を併用することもできる。
モノオール化合物としては、水酸基価が112以下のも
のが好ましい。活性水素基を1つ含む化合物にプロピレ
ンオキシド、エチレンオキシド、ブチレンオキシド、テ
トラヒドロフラン、ε−カプロラクトン等の1種または
2種以上を付加重合したものなどが使用できる。
【0022】高分子量活性水素化合物は、オキシプロピ
レン基を有するポリオキシアルキレンポリオールのみか
らなるか、またはオキシプロピレン基を有するポリオキ
シアルキレンポリオールとポリオキシテトラメチレンポ
リオールとの混合物であることが好ましい。混合物であ
ることが特に好ましい。
【0023】なお、混合物の場合、オキシプロピレン基
を有するポリオキシアルキレンポリオールとポリオキシ
テトラメチレンポリオールの混合割合は重量比で、10
〜90/90〜10が好ましく、30〜80/70〜2
0がより好ましい。
【0024】本発明で使用されるイソシアネート化合物
としては、ジイソシアネート化合物が好ましい。具体的
には、1,3−プロパンジイソシアネート、1,4−ブ
タンジイソシアネート、1,5−ペンタンジイソシアネ
ート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、3−メチル
ヘキサン−1,6−ジイソシアネート、および3,3−
ジメチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等の脂肪
族ジイソシアネート、1,3−および1,4−シクロヘ
キシレンジイソシアネートのような脂環族ジイソシアネ
ート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレ
ンジイソシアネート、α,α,α’,α’−テトラメチ
ル−p−キシリレンジイソシアネート、1,4−フェニ
レンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソ
シアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、
2,6−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソ
シアネート等の芳香族ジイソシアネートが挙げられる。
【0025】本発明において、高分子量活性水素化合物
とイソシアネート化合物とを反応させてイソシアネート
基末端プレポリマ(以下、単にプレポリマという)を製
造する場合、高分子量活性水素化合物とイソシアネート
化合物との反応割合(イソシアネート基のモル数/水酸
基のモル数)は1.2〜3.0の範囲が好ましく、より
好ましくは1.4〜1.8の範囲である。上記比の値
が、1.2未満ではプレポリマがきわめて高粘度にな
り、取扱いが困難となる。3.0を超えると生成するポ
リウレタンウレア樹脂の強度、伸び特性などが不充分と
なるため好ましくない。
【0026】一方、本発明において使用される鎖延長剤
としては、その少なくとも一部に、芳香族系ジアミン化
合物および芳香環に結合した脂肪族鎖を介してアミノ基
が結合した脂肪族ジアミン化合物といった芳香環を有す
るジアミン化合物を使用する。
【0027】芳香環を有するジアミン化合物としては、
ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,6
−ジアミノトルエン、4,4’−ジアミノジフェニルメ
タン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェ
ニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノ
ジフェニルメタン、3,5−ジエチル−2,4−ジアミ
ノトルエン、3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトル
エン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミ
ン等が挙げられ、これらのうち、キシリレンジアミンが
好ましく、m−キシリレンジアミンが特に好ましい。
【0028】なお、本発明において、鎖延長剤として、
通常使用される水、ジオール、アミノアルコール、脂肪
族ジアミン化合物等を上記した芳香環を有するジアミン
化合物と併用することもできる。
【0029】本発明の合成皮革用または弾性糸用ポリウ
レタンウレア樹脂は次の方法で製造できる。すなわち、
前記高分子量活性水素化合物とイソシアネート化合物と
を反応させて、イソシアネート基末端プレポリマを得た
後、さらに本発明における鎖延長剤とを反応させること
により製造できる。さらに詳しくは、高分子量活性水素
化合物とイソシアネート化合物とを反応させて、イソシ
アネート基末端プレポリマを合成し、これを、例えば
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド等の有機溶媒に溶解し
てプレポリマ溶液を得、その後、このプレポリマ溶液に
芳香環を有するジアミン化合物を含有する鎖延長剤を加
えて重合反応を行って、濃度が15〜40%のポリウレ
タンウレア重合物溶液を得る。次に、得られたポリウレ
タンウレア重合物溶液から溶媒を、除去しながら硬化さ
せることにより、本発明の合成皮革用または弾性糸用ポ
リウレタンウレア樹脂を製造できる。
【0030】なお、使用される鎖延長剤の量は、プレポ
リマ溶液中のイソシアネート基のモル数とアミン化合物
中のアミノ基のモル比が1.4〜1.02の範囲が好ま
しい。この範囲外では、ポリマ分子量が大きくなりすぎ
たり小さくなりすぎるなどして成形することが困難であ
ったり、また樹脂の強度が充分に得られないため好まし
くない。また、重合反応を行う際、ポリマの分子量を調
節するために、例えばジエチルアミン、ジブチルアミ
ン、ジエタノールアミン等のモノアミンを末端停止剤と
して使用してもよい。
【0031】さらに、本発明の合成皮革用または弾性糸
用ポリウレタンウレア樹脂には、酸化防止剤、紫外線吸
収剤などの各種添加剤を加えることもできる。このよう
な添加剤は反応系に加えてもよい。
【0032】さらにまた、鎖延長剤を加えて重合反応を
行う際の温度は0℃〜30℃が好ましい。温度が0℃未
満ではプレポリマの溶解性が低下し、反応系が不均一に
なり、30℃を超えるとイソシアネート基とアミノ基と
の反応が異常に速くなって反応を制御しにくくなるため
好ましくない。
【0033】こうして得られる合成皮革用または弾性糸
用ポリウレタンウレア樹脂は、100%モジュラスが2
5kg/cm2 以下で、かつ、回復率が90%以上であ
ることが好ましい。こうして得られる合成皮革用または
弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂は、100%モジュラ
スが21kg/cm2 以下で、かつ、回復率が93%以
上であることがより好ましい。100%モジュラスが2
5kg/cm2 を超えると、得られる樹脂の風合いが硬
くなり好ましくない。また、回復率が90%未満では、
得られる樹脂のへたりなどが大きくなるため好ましくな
い。
【0034】また、本発明の合成皮革用または弾性糸用
ポリウレタンウレア樹脂は、合成皮革の他、ストッキン
グ、パンツなど下着類、紙おむつ、靴下などの弾性糸に
利用できる。
【0035】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明する。なお、実施例および比較例における、伸び
(%)、100%モジュラス(kg/cm2 )、破断強
度(kg/cm2 )の各物性の測定は、JIS−K 7
311のポリウレタン系熱可塑性エラストマーの試験方
法に従って行い、また、回復率(%)については、JI
S−K 7311で使用するダンベル片を使用して試験
を行い、300%伸長後の初期寸法に対する寸法変化率
の逆数を%表示したものである。
【0036】例1(ポリオキシアルキレンポリオールの
製造) ポリウレタンウレア樹脂の原料であるポリオキシアルキ
レンポリオール(以下、単にポリオールという)を以下
のようにして製造した。ポリオールA、B、Dは、分子
量400〜600のポリオキシプロピレンポリオールを
開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテート錯体を触媒
としてプロピレンオキシドを開環付加反応させ、次いで
精製して触媒成分を除去して製造したものであり、ポリ
オールCは、分子量400〜600のポリオキシプロピ
レンポリオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバル
テート錯体を触媒としてプロピレンオキシドを開環付加
反応させ、次いでこの触媒を失活させた後、アルカリ触
媒を用いてエチレンオキシドを付加し、精製して触媒成
分を除去して製造したものであり、ポリオールE、F
は、アルカリ触媒を用いて開始剤にプロピレンオキシド
およびエチレンオキシドを開環付加反応させ、その後精
製して製造されたものである。
【0037】得られた各ポリオキシアルキレンポリオー
ルA〜Fについての、水酸基数(N)、オキシエチレン
基含有量(EO)、水酸基価(X)、総不飽和度(Y)
を表1に示す。
【0038】例2(実施例) 水酸基価56のポリオキシテトラメチレンジオール44
6g、ポリオールAの245g、ポリオールBの202
g、および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト107gの混合物を、窒素ガス雰囲気中80℃で10
時間撹拌して反応させ、イソシアネート基末端プレポリ
マを得た。次にこれをN,N’−ジメチルアセトアミド
に溶解して、固形分濃度が30重量%のプレポリマ溶液
を得た。
【0039】m−キシリレンジアミン0.47gとジエ
チルアミン0.12gをその合計で30重量%溶液とな
るようにN,N’−ジメチルアセトアミドに溶解した溶
液を硬化剤溶液として、プレポリマ溶液100gに加
え、激しく撹拌して重合反応を行ってポリウレタンウレ
ア重合物溶液を得た。得られた重合物溶液からN,N’
−ジメチルアセトアミドを蒸発させ、重合物を乾固し、
厚さ200μmのフィルム状の試料を作成した。これを
室温で10日間養生した後、物性を測定した。その結果
を表2に示す。
【0040】例3(実施例) 水酸基価56のポリオキシテトラメチレンジオール43
4g、ポリオールCの385g、ポリオールDの49
g、および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト132gとを用い、例2と同様に処理して固形分濃度
が30重量%のプレポリマ溶液を得た。
【0041】3,5−ジエチル−2,4−ジアミノトル
エンと3,5−ジエチル−2,6−ジアミノトルエンと
をモル比で4:1に配合した混合物0.75gと、ジエ
チルアミン0.15gとを用い、例2と同様に処理して
硬化剤溶液を得、次いで、例2と同様に処理してポリウ
レタンウレア重合物溶液を得た。また、得られた重合物
溶液から例2と同様にして試料を作成し、物性を測定し
た。その結果を表2に示す。
【0042】例4(実施例) 水酸基価56のポリオキシテトラメチレンジオール41
7g、ポリオールEの368g、ポリオールFの48
g、および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト167gとを用い、例2と同様に処理して固形分濃度
が30重量%のプレポリマ溶液を得た。
【0043】3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ
ジフェニルメタン1.22gとジエチルアミン0.20
gとを用い、例2と同様に処理して硬化剤溶液を得、次
いで、例2と同様に処理してポリウレタンウレア重合物
溶液を得た。また、得られた重合物溶液から例2と同様
にして試料を作成し、物性を測定した。その結果を表2
に示す。
【0044】例5(実施例) ポリオールCの804g、ポリオールDの103g、お
よび4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート93
gとを用い、例2と同様に処理して固形分濃度が30重
量%のプレポリマ溶液を得た。
【0045】4,4’−ジアミノジフェニルメタン0.
60gとジエチルアミン0.11gとを用い、例2と同
様に処理して硬化剤溶液を得、次いで、例2と同様に処
理してポリウレタンウレア重合物溶液を得た。また、得
られた重合物溶液から例2と同様にして試料を作成し、
物性を測定した。その結果を表2に示す。
【0046】例6(比較例) 水酸基価56のポリオキシテトラメチレンジオール41
7g、ポリオールEの368g、ポリオールFの48
g、および4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト167gとを用い、例2と同様に処理して固形分濃度
が30重量%のプレポリマ溶液を得た。
【0047】エチレンジアミン0.32gとジエチルア
ミン0.20gとを用い、例2と同様に処理して硬化剤
溶液を得、次いで、例2と同様に処理してポリウレタン
ウレア重合物溶液を得た。また、得られた重合物溶液か
ら例2と同様にして試料を作成し、物性を測定した。そ
の結果を表2に示す。
【0048】例7(比較例) ポリオールCの804g、ポリオールDの103g、お
よび4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート93
gとを用い、例2と同様に処理して固形分濃度が30重
量%のプレポリマ溶液を得た。
【0049】エチレンジアミン0.18gとジエチルア
ミン0.11gとを用い、例2と同様に処理して硬化剤
溶液を得、次いで、例2と同様に処理してポリウレタン
ウレア重合物溶液を得た。また、得られた重合物溶液か
ら例2と同様にして試料を作成し、物性を測定した。そ
の結果を表2に示す。
【0050】例8(比較例) 水酸基価56のポリオキシテトラメチレンジオール83
3gと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート1
67gとを用い、例2と同様に処理して固形分濃度が3
0重量%のプレポリマ溶液を得た。
【0051】エチレンジアミン0.32gとジエチルア
ミン0.20gとを用い、例2と同様に処理して硬化剤
溶液を得、次いで、例2と同様に処理してポリウレタン
ウレア重合物溶液を得た。また、得られた重合物溶液か
ら例2と同様にして試料を作成し、物性を測定した。そ
の結果を表2に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、低モジュラスで、したがって風合いがよくかつ柔ら
かい感触であり、しかも回復性が良好な、合成皮革や弾
性糸に適したポリウレタンウレア樹脂を得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F055 AA01 AA27 EA09 FA15 FA16 FA21 4J034 BA07 BA08 CA02 CA04 CA13 CA15 CB03 CB07 CB08 CC12 CC61 CC62 CC65 CC67 CE01 DA01 DB03 DB07 DF01 DF02 DF11 DF12 DF16 DF20 DF29 DG03 DG04 DG05 DG06 DG08 DG09 DG14 DG15 DG16 DG23 DH02 DH05 DH06 GA55 HA01 HA07 HC03 HC12 HC13 HC17 HC22 HC46 HC52 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 JA02 JA14 JA30 JA42 KA01 KB01 KC02 KC03 KD07 KD11 KE02 QA02 QB14 QB15 QC05 RA03 RA09 4L035 FF01 FF05 GG01 GG04 MH02 MH09 MJ04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】活性水素含有基を2以上有する高分子量活
    性水素化合物とイソシアネート化合物とを反応させて得
    られるイソシアネート基末端プレポリマと、鎖延長剤と
    を反応させることにより合成皮革用または弾性糸用ポリ
    ウレタンウレア樹脂を製造する方法であって、前記高分
    子量活性水素化合物の少なくとも一部がプロピレンオキ
    シドの開環した単位構造を有するポリオキシアルキレン
    ポリオールであり、前記鎖延長剤の少なくとも一部が芳
    香環を有するジアミン化合物であることを特徴とする合
    成皮革用または弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂の製造
    方法。
  2. 【請求項2】活性水素含有基を2以上有する高分子量活
    性水素化合物とイソシアネート化合物とを反応させて得
    られるイソシアネート基末端プレポリマと、鎖延長剤と
    を、溶媒中で反応させて重合物を得た後、溶媒を除去す
    ることにより合成皮革用または弾性糸用ポリウレタンウ
    レア樹脂を製造する方法であって、前記高分子量活性水
    素化合物の少なくとも一部がプロピレンオキシドの開環
    した単位構造を有するポリオキシアルキレンポリオール
    であり、前記鎖延長剤の少なくとも一部が芳香環を有す
    るジアミン化合物であることを特徴とする合成皮革用ま
    たは弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】活性水素含有基を2以上有する高分子量活
    性水素化合物とイソシアネート化合物とを反応させて得
    られるイソシアネート基末端プレポリマと、鎖延長剤と
    を反応させて得られる合成皮革用または弾性糸用ポリウ
    レタン樹脂であって、前記高分子量活性水素化合物の少
    なくとも一部がプロピレンオキシドの開環した単位構造
    を有するポリオキシアルキレンポリオールであり、前記
    鎖延長剤の少なくとも一部が芳香環を有するジアミン化
    合物であることを特徴とする合成皮革用または弾性糸用
    ポリウレタンウレア樹脂。
  4. 【請求項4】前記ポリオキシアルキレンポリオールの水
    酸基価が60以下であり、かつ総不飽和度が0.07以
    下である、請求項1もしくは2に記載の製造方法または
    請求項3に記載の樹脂。
  5. 【請求項5】前記ポリオキシアルキレンポリオールが複
    合金属シアン化物錯体を重合触媒として製造されるもの
    である、請求項1もしくは2に記載の製造方法または請
    求項3に記載の樹脂。
  6. 【請求項6】前記高分子量活性水素化合物が、前記ポリ
    オキシアルキレンポリオールと前記ポリオキシテトラメ
    チレンポリオールの混合物である、請求項1もしくは2
    に記載の製造方法または請求項3に記載の樹脂。
  7. 【請求項7】前記高分子量活性水素化合物が、前記ポリ
    オキシアルキレンポリオールと前記ポリオキシテトラメ
    チレンポリオールの混合物であり、かつそれらの割合が
    重量比で10〜90/90〜10である、請求項1もし
    くは2に記載の製造方法または請求項3に記載の樹脂。
  8. 【請求項8】樹脂の100%モジュラスが25kg/c
    2 以下で、かつ、回復率が90%以上である、請求項
    1もしくは2に記載の製造方法または請求項3に記載の
    樹脂。
JP10246105A 1998-08-31 1998-08-31 合成皮革用または弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂ならびにその製造方法 Withdrawn JP2000072840A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10246105A JP2000072840A (ja) 1998-08-31 1998-08-31 合成皮革用または弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂ならびにその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10246105A JP2000072840A (ja) 1998-08-31 1998-08-31 合成皮革用または弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂ならびにその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000072840A true JP2000072840A (ja) 2000-03-07

Family

ID=17143565

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10246105A Withdrawn JP2000072840A (ja) 1998-08-31 1998-08-31 合成皮革用または弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂ならびにその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000072840A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002348729A (ja) * 2001-05-28 2002-12-04 Du Pont Toray Co Ltd サニタリー用ポリウレタン弾性繊維
JP2002348730A (ja) * 2001-05-28 2002-12-04 Du Pont Toray Co Ltd サニタリー用ポリウレタン弾性繊維
JP2002348728A (ja) * 2001-05-28 2002-12-04 Du Pont Toray Co Ltd サニタリー用ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法
JP2002348727A (ja) * 2001-05-28 2002-12-04 Du Pont Toray Co Ltd サニタリー用ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法
WO2006043569A1 (ja) * 2004-10-21 2006-04-27 Asahi Glass Company, Limited ポリウレタン樹脂およびポリウレタン樹脂溶液の製造方法
KR101434918B1 (ko) 2014-06-05 2014-08-29 성일티앤씨 주식회사 합성피혁의 제조방법 및 이에 의해 제조된 합성피혁

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002348729A (ja) * 2001-05-28 2002-12-04 Du Pont Toray Co Ltd サニタリー用ポリウレタン弾性繊維
JP2002348730A (ja) * 2001-05-28 2002-12-04 Du Pont Toray Co Ltd サニタリー用ポリウレタン弾性繊維
JP2002348728A (ja) * 2001-05-28 2002-12-04 Du Pont Toray Co Ltd サニタリー用ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法
JP2002348727A (ja) * 2001-05-28 2002-12-04 Du Pont Toray Co Ltd サニタリー用ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法
JP4600798B2 (ja) * 2001-05-28 2010-12-15 東レ・オペロンテックス株式会社 サニタリー用ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法
JP4600799B2 (ja) * 2001-05-28 2010-12-15 東レ・オペロンテックス株式会社 サニタリー用ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法
WO2006043569A1 (ja) * 2004-10-21 2006-04-27 Asahi Glass Company, Limited ポリウレタン樹脂およびポリウレタン樹脂溶液の製造方法
EP1803757A1 (en) * 2004-10-21 2007-07-04 Asahi Glass Company, Limited Polyurethane resin and process for producing polyurethane resin solution
JPWO2006043569A1 (ja) * 2004-10-21 2008-05-22 旭硝子株式会社 ポリウレタン樹脂およびポリウレタン樹脂溶液の製造方法
EP1803757A4 (en) * 2004-10-21 2009-05-06 Asahi Glass Co Ltd POLYURETHANE RESIN AND METHOD FOR MANUFACTURING POLYURETHANE RESIN SOLUTION
KR101434918B1 (ko) 2014-06-05 2014-08-29 성일티앤씨 주식회사 합성피혁의 제조방법 및 이에 의해 제조된 합성피혁

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5340902A (en) Spandex fibers made using low unsaturation polyols
JP4586271B2 (ja) ポリウレタン系/ポリウレタンウレア系樹脂及びその製造方法
RU2198899C2 (ru) Усовершенствованные эластомеры типа спандекса
JP2004035877A (ja) スパンデックスの製造に有用なポリウレタン/尿素およびその製造方法
JP2004035877A5 (ja)
JP2000072840A (ja) 合成皮革用または弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂ならびにその製造方法
JP2004035878A (ja) スパンデックスの製造に有用なポリウレタン/尿素およびその製造方法
TWI288759B (en) Polyurethane/ureas useful for the production of spandex and a process for their production
JP4343351B2 (ja) ポリウレタン繊維
JP2004035878A5 (ja)
JP2000086740A (ja) 合成皮革用または弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂の製造方法
JP2004035880A5 (ja)
JP4106828B2 (ja) ポリウレタンウレア系樹脂の製造方法、及び合成皮革・弾性糸用ポリウレタンウレア系樹脂
JP4106827B2 (ja) ポリウレタンウレア系樹脂の製造方法、及び合成皮革・弾性糸用ポリウレタンウレア系樹脂
JP2000103831A (ja) 合成皮革用または弾性糸用ポリウレタンウレア樹脂およびその製造方法
JP2004035879A5 (ja)
KR20030094007A (ko) 스판덱스 섬유 제조에 적합한 예비중합체 촉매
JP2013019072A (ja) 手袋の製造方法及び手袋
JP4600798B2 (ja) サニタリー用ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法
JP4600799B2 (ja) サニタリー用ポリウレタン弾性繊維およびその製造方法
KR101439736B1 (ko) 생산성 향상이 가능한 스판덱스 섬유의 제조방법
WO2023274810A1 (en) Polyurethane urea fiber or film and preparation method thereof

Legal Events

Date Code Title Description
RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20041004

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041006

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20041004

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070424

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20070601