JP7467648B2 - ポリウレタン弾性繊維、並びにそれを含むギャザー部材、及び衛生材料 - Google Patents

ポリウレタン弾性繊維、並びにそれを含むギャザー部材、及び衛生材料 Download PDF

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Description

本発明は、ポリウレタン弾性繊維、並びにそれを含むギャザー部材、及び衛生材料に関する。
紙おむつ等の衛材用途の腰部や足部等にギャザー部として使用されるポリウレタン弾性繊維は、一般的に160dtex以上の太繊度のマルチフィラメントであり、かつ、紙おむつの製造工程における糸の走行時にガイドや搬送ロールへの単糸の巻付きによる糸切れが少ないものが使用される。この用途には、通常、有機溶剤を紡糸原液に使用して乾式紡糸されたポリウレタンウレア弾性繊維が使用されている。しかしながら、近年、環境面・安全面・エネルギーコストの観点から、有機溶剤を用いない溶融紡糸法で紡糸された熱可塑性のポリウレタン弾性繊維が求められている。
以下の特許文献1には、編地用途を想定した、糸の熱接着時の断糸や劣化が起こり難い工程性に優れた熱可塑性のポリレウレタン弾性糸が開示されている。一般的に、紙おむつの製造工程における糸の走行性は、複数製品の連続使用など、編地の製造工程とは異なる走行性が求められるが、特許文献1では編地用途しか想定されておらず、紙おむつの製造工程における糸の走行性に優れたポリウレタン弾性繊維に関して、詳細な開示はない。
また、以下の特許文献2には、200~2200dtexの紙おむつ用の太繊度マルチフィラメント弾性繊維が開示されているが、その製造方法は乾式紡糸法である。
溶融紡糸による紙おむつ用ポリウレタン弾性繊維として特許文献3が知られているが、特許文献3には、走行性を良好にする手段について具体的な開示はない。
このように、繊度が160dtex以上であり、紙おむつ製造工程における走行性に優れた、熱可塑性のポリウレタン繊維は未だ見出されていない。
特開2006-307409号公報 特開2004-52127号公報 国際公開第2015/055459号
前記した従来技術に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、紙おむつ製造工程における走行性に優れる、熱可塑性のポリウレタン弾性繊維、並びにそれを含むギャザー部材、及び衛生材料を提供することである。
本発明者らは、160dtex以上の太繊度のマルチフィラメントにおいて単糸同士の合着力が一定範囲にある熱可塑性のポリウレタン弾性繊維が、紙おむつ製造工程における走行性に優れることを予想外に見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は以下のとおりのものである。
[1]以下の特徴:
(a)マルチフィラメントである;
(b)総繊度が160dtex以上2000dtex以下である;
(c)フローテスタにおける、押出荷重49N、開始温度120℃、昇温3℃/min条件下での流出開始温度が160℃以上220℃以下である;
(d)単糸同士の合着力が0.4cN以上である;
を有するポリウレタン弾性繊維。
[2]複屈折率Δnが0.010以上である、前記[1]に記載のポリウレタン弾性繊維。
[3]複屈折率Δnが0.025以下である、前記[1]又は[2]に記載のポリウレタン弾性繊維。
[4]飽和脂肪酸金属塩、及び/又は、飽和脂肪酸アミドを0%超0.5重量%以下で含有する、前記[1]~[3]のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維。
[5]フィラメント(単糸)数が3以上であり、かつ、前記ポリウレタン弾性繊維の断面における単糸同士の合着部の長さの平均値が10μm以上である、前記[1]~[4]のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維。
[6]200%伸長・回復繰り返し試験における2サイクル目の90%回復時応力が0.015cN/dtex以上である、前記[1]~[5]のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維。
[7]単糸繊度が5dtex以上50dtex以下である、前記[1]~[6]のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維。
[8]前記[1]~[7]のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維を含む、ギャザー部材。
[9]前記[1]~[7]のいずれかに記載のポリウレタン弾性繊維を含む、衛生材料。
本発明に係るポリウレタン弾性繊維は、紙おむつ製造工程における走行性に優れるものである。また、本発明の別の態様であるギャザー部材及び衛生材料は、適度な締め付け力があり、紙おむつのずれ落ちや尿漏れが起こりにくい。
単糸同士の合着部の長さを示す図である。 走行性の評価方法を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施形態のポリウレタン弾性繊維は、以下の特徴:
(a)マルチフィラメントである;
(b)総繊度が160dtex以上2000dtex以下である;
(c)フローテスタにおける、押出荷重49N、開始温度120℃、昇温3℃/min条件下での流出開始温度が160℃以上220℃以下である;
(d)単糸同士の合着力が0.4cN以上である;
を有するポリウレタン弾性繊維である。
本実施形態のポリウレタン弾性繊維はマルチフィラメントである(特徴(a))。フィラメント(単糸)数は、特に制限はなく、2本以上であればよい。
本実施形態のポリウレタン弾性繊維の総繊度は、160dtex以上2000dtex以下である(特徴(b))。ここでいう総繊度とは、巻き取り後の一定量の糸質量から算出したものである。総繊度は、好ましくは200dtex以上1000dtex以下、より好ましくは300dtex以上700dtex以下である。総繊度が160dtex以上であれば、ギャザー部における締め付け力が十分であり、紙おむつのずれ落ちが生じにくい。他方、総繊度が2000dtex未満であれば、ギャザー部のごわつきが発生しにくく、ホットメルトと十分に接着する。
また、本実施形態のポリウレタン弾性繊維は、単糸繊度が5dtex以上50dtex以下であることが好ましい。単糸繊度が5dtex以上であると、紡糸中の糸切れが起こりにくい。他方、単糸繊度が50dtex以下であれば、紡糸時に冷却が効きやすく単糸の配向がかかりやすくなるため、十分な回復時応力が得られやすい。
本実施形態のポリウレタン弾性繊維は、(c)フローテスタにおける、押出荷重49N、開始温度120℃、昇温3℃/min条件下での流出開始温度が160℃以上220℃以下、好ましくは170℃以上215℃以下、より好ましくは180℃以上210℃以下である。流出開始温度が160℃以上であると、耐熱性が十分高く、紙おむつ製造工程中にホットメルト塗工時の熱による断糸が起こりにくい。他方、流出開始温度が220℃以下であれば、溶融紡糸時に高温での融解が必要ないためウレタンの熱分解が進行しにくく、糸切れが起こりにくい。
本実施形態のポリウレタン弾性糸は、(d)単糸同士の合着力が0.4cN以上である。単糸同士の合着力は、マルチフィラメントから単糸を剥がすのに必要な力と定義され、その具体的な測定方法は後述の実施例にて説明する。合着力が0.4cN以上であれば、紙おむつ製造工程で糸がばらけることによるガイドへの単糸の巻付きによる糸切れや走行糸の振動や揺れ、張力変動が少なく、走行性が良好である。単糸同士の合着力は、好ましくは0.6cN以上である。合着力を前記範囲とするためには、紡糸条件を調整し、マルチフィラメントの集束位置での糸温度を25℃以上とすることが好ましい。尚、「単糸同士の合着」とは、単糸同士が単に接しているのではなく何らかの力により接着している状態であり、融着している場合も含む。糸の走行性の観点からは、単糸同士が融着していることが好ましい。また、単糸同士の合着力は、3.0cN以下であることが好ましく、より好ましくは2.5cN以下であり、さらに好ましくは2.0cN以下である。合着力が3.0cN以下であれば、90%回復時応力が十分に高くなる。
本実施形態のポリウレタン弾性繊維は、複屈折率Δnが0.010以上であることが好ましく、より好ましくは0.013以上であり、さらに好ましくは0.015以上である。また、複屈折率Δnが0.025以下であることが好ましく、より好ましくは0.022以下であり、さらに好ましくは0.020以下である。複屈折率Δnが0.010以上であれば、ポリウレタン分子鎖が十分に配向しており、回復時応力が十分に高くなる。また、複屈折率Δnが0.025以下であれば、十分に伸度が高くなる。複屈折率Δnを前記範囲とするためには、マルチフィラメントの集束位置での糸温度が20℃~50℃となるように、紡糸温度、冷風温度、冷風量、紡速、仮撚り位置等の条件(以下「紡糸条件」という)を調整することが望ましい。こうすることで、集束までに紡糸した糸が十分に冷却された状態で配向されるため、複屈折Δnが前記範囲となる。
本実施形態のポリウレタン弾性繊維は、飽和脂肪酸金属塩、及び/又は、飽和脂肪酸アミドを0重量%超0.5重量%以下で含有することが好ましい。通常、単糸合着力を有したまま膠着防止をさせることは難しいところ、前記範囲で飽和脂肪酸金属塩や飽和脂肪酸アミドを含有することで、単糸合着力と膠着防止を両立することができ、解舒性と走行性の良好な糸を得ることができる。膠着を防止することにより、紙おむつ製造工程における巻糸体から糸を高速で解舒する際の解舒性が良好な糸となり、巻糸体に糸が巻き付いてしまう逆巻きや糸走行時の張力変動による糸切れの発生を抑制することができる。本実施形態のポリウレタン弾性繊維は、飽和脂肪酸金属塩、及び/又は、飽和脂肪酸アミドを0.2重量%~0.4重量%で含有することがより好ましい。
尚、飽和脂肪酸金属塩とは、飽和脂肪酸と金属がイオン結合したもののことを言う。飽和脂肪酸アミドとは、飽和脂肪酸とアミンとが縮合したアミド化合物のことを言う。飽和脂肪酸金属塩及び飽和脂肪酸アミドを構成する飽和脂肪酸としては、炭素数12~20の飽和脂肪酸が好ましく、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸等が例示されるが、特にステアリン酸が好ましい。また、飽和脂肪酸金属塩を構成する金属としては、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、亜鉛等が例示されるが、マグネシウムが好ましい。また、飽和脂肪酸アミドを構成するアミンは、モノアミンやジアミンであることができ、モノアミンとしてはモノメチルアミン、ジメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等が例示され、ジアミンとしてはエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等が例示されるが、エチレンジアミンが好ましい。すなわち、飽和脂肪酸金属塩としてはステアリン酸マグネシウムが好ましく、飽和脂肪酸アミドとしてはエチレンビスステアリン酸アミドが好ましい。
本実施形態のポリウレタン弾性繊維は、200%伸張・回復繰り返し試験における2サイクル目の90%回復時応力が0.015cN/dtex以上であることが好ましい。200%伸張回復繰返し試験における2サイクル目の90%回復時応力が0.015cN/dtex以上であれば、紙おむつのギャザーとして使用したときに締め付け力が十分であり、紙おむつのずれ落ちや尿漏れが起こりにくい。
本実施形態のポリウレタン弾性繊維は、破断伸度が300%以上であることが好ましく、より好ましくは400%以上、さらに好ましくは450%以上である。伸度が300%以上であれば、紙おむつ製造工程中に、糸切れが発生しにくい。伸度は、紡糸条件を緻密に調整し、紡糸時のポリマー粘度と紡糸張力をコントロールすることで、繊維の配向性を調整することで達成できる。
本実施形態のポリウレタン弾性糸は、フィラメント数が2本以上であり、かつ、該ポリウレタン弾性繊維の断面における単糸同士の合着部の長さの平均値が10μm以上であることが好ましく、単糸同士の合着部の長さの平均値は、より好ましくは11μm以上、さらに好ましくは12μm以上である。断面における単糸同士の合着部の長さの平均値の測定方法は、後述の実施例にて詳細に説明する。単糸同士の合着部の長さの平均値が10μm以上であれば、単糸同士の合着力が十分高く、紙おむつ製造工程における糸の走行性が良好である。単糸同士の合着部の長さの平均値を前記範囲とするためには、紡糸条件をコントロールし、マルチフィラメントの集束位置での糸温度を25℃以上とすることが好ましい。
本実施形態のポリウレタン弾性糸は、ポリオール、有機ジイソシアネート化合物、及び、活性水素含有化合物の重合物であるポリウレタン樹脂を含むことが好ましい。
ポリオールは、熱可塑性ポリウレタンの重合で一般的に使用されるポリアルキレンエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオールが好ましく、特に好ましくはポリアルキレンエーテルジオールであり、数平均分子量900~3,000のものが好ましい。ポリアルキレンエーテルジオールとしては、アルキレン基がテトラメチレン基であるもの、テトラメチレン基と炭素数1~8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基等であるものが挙げられる。すなわち、ポリテトラメチレンエーテルジオール、共重合ポリ(テトラメチレン・ネオペンチレン)エーテルジオール、共重合ポリ(テトラメチレン・2-メチルブチレン)エーテルジオールが好ましい。
有機ジイソシアネートとしては、例えば、脂肪族、脂環族、芳香族のジイソシアネートの中で、反応条件下で溶解又は液状を示すものの全てを適用でき、具体的には、メチレン-ビス(4-フェニルイソシアネート)、メチレン-ビス(3-メチル-4-フェニルイソシアネート)、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、m-及びp-キシリレンジイソシアネート、α,α,α’,α’-テトラメチル-キシリレンジイソシアネート、m-及びp-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジメチル-1,3-キシリレンジイソシアネート、1-アルキルフェニレン-2,4-及び2,6-ジイソシアネート、3-(α-イソシアネートエチル)フェニルイソシアネート、2,6-ジエチルフェニレン-1,4-ジイソシアネート、ジフェニル-ジメチルメタン-4,4-ジイソシアネート、ジフェニルエーテル-4,4’-ジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレン-ビス(4-シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-及び1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソフォロンジイソシアネート等が挙げられ、特にメチレン-ビス(4-フェニルイソシアネート)が好ましい。
イソシアネート基と反応する活性水素含有化合物としては、例えば、低分子量のグリコールが使用可能であり、具体的には、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、1,10-デカンジオール、1,3-ジメチロールシクロヘキサンまたは1,4-ジメチロールシクロヘキサンが挙げられる。また、2-アミノ-1-エタノール、3-アミノ-1-プロパノール、4-アミノ-1-ブタノール、5-アミノ-1-ペンタノール等のアルカノールアミンも使用できる。イソシアネート基と反応する活性水素含有化合物としては、特に1,4-ブタンジオールが好ましい。
本実施形態のポリウレタン弾性糸は、必要に応じ、安定剤を含んでもよい。安定剤としては、ポリウレタン樹脂に通常用いられる化合物、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、耐ガス安定剤、帯電防止剤が挙げられる。また、紡糸時に、必要に応じて、膠着防止剤や処理剤を添加することができる。膠着防止剤としては、前述の飽和脂肪酸金属塩や飽和脂肪酸アミドが好ましい。処理剤の成分としては、ジメチルシリコン、鉱物油等公知のものを用いることができ、ジメチルシリコン、鉱物油、炭素数8~25の末端にOH基を有する高級アルコール、ポリアルキレンエーテルグリコール、ポリアルキレンエーテルグリコールと有機ジイソシアネートとのポリウレタン化合物のうち1種又は2種以上を含む処理剤が好ましい。
本実施形態のポリウレタン弾性繊維に含まれるポリウレタン樹脂の製造には、公知のポリウレタン化反応の技術を用いることができ、ワンショット法、プレポリマー法どちらのプロセスで製造されてもよい。プレポリマー法の場合、窒素パージ下、温水ジャケット及び、攪拌機を有する反応タンクにポリオールと有機ジイソシアネートをモル比で1:1.8~3.0、好ましくは、1:2.2~2.5で添加し、プレポリマー反応を40~100℃、より好ましくは、50~80℃で行い、両末端イソシアネート基プレポリマーを得る。次いで、この両末端イソシアネート基プレポリマーに対し、活性水素化合物がイソシアネート末端基の官能基数におよそ等しい当量で添加され、鎖延長反応を行う。当量比としては、イソシアネート末端基に対し、0.95~1.1が好ましく、より好ましくは0.99~1.05である。その後、固相重合を行い、所定分子量のポリウレタンを得ることができる。鎖延長反応と固相重合の方法としては、プレポリマーの入ったバッチ反応容器に活性水素化合物を40~100℃で、そのまま添加した後、払い出して固相重合を60~200℃、好ましくは80~130℃で行い、ペレタイズしチップ状のポリマーを得てもよい。プレポリマーと固相重合とを均一に混合した後、円筒状パイプ形態や二軸押出機を用いて重合ゾーンのシリンダー温度を180~240℃とし、連続又は半連続的にポリマーを得た後、固相重合を60~200℃、好ましくは80~140℃で行ってもよい。
得られるポリウレタン樹脂の分子量(Mw)は、GPCによって、ポリスチレン標準にして測定されるとき、一般に約100,000~800,000であり、好ましくは150,000~500,000であり、より好ましくは200,000~400,000である。
紡糸の方式については、所望の物性が得られる限り、特に制限されるものではなく、例えば、ポリウレタン樹脂チップを押出機に投入し、加熱され、溶融紡糸する方法の他に、ポリウレタン樹脂チップを溶融した後、ポリイソシアネート化合物を混合して紡糸する方法、両末端イソシアネート基プレポリマーに対し、両末端イソシアネート基プレポリマーと活性水素化合物との反応物を添加し、チップ化を経由せず連続的に紡糸する方法が挙げられる。
押出機に投入されたポリウレタン樹脂は、計量ポンプによって、計量され、紡糸ヘッドに導入される。必要に応じて、紡糸ヘッド内で金網やガラスビーズ等を用いたろ過により、異物を除去した後、口金から、吐出され、冷風チャンバーで空冷され、処理剤が付与された後、ゴデットロールを経由して巻き取られる。
紡糸工程では、ダイの温度、冷風風速、冷風温度、集束位置、紡糸速度を調整しており、繊維の温度プロファイルと紡糸張力を緻密にコントロールしている。ダイの温度は180℃~220℃が好ましく、より好ましくは200℃~210℃である。冷風は紡口直下から糸の走行方向に対して垂直にあてる方法などの一般的な溶融紡糸の冷却方法を用い、冷風風速は0.2m/s~2.0m/sが好ましく、より好ましくは0.5m/s~1.2m/s、冷風温度は5℃~20℃が好ましく、より好ましくは7℃~15℃である。集束位置はマルチフィラメントを合着させる方法として用いており、口金からゴデットロールの間に仮撚り機を設置し、撚りの強弱により下部から撚りを伝播させ、フィラメント相互を集束させ、その集束点の高さをコントロールしている。仮撚りの方法は一般的な方法を選択でき、エアノズルによる空気仮撚りや、回転するリングに接触させるリング仮撚り機などを用いることができる。集束位置は口金からフィラメントが集束する点までの距離と定義することができ、800~1700mmが好ましく、より好ましくは1000~1600mm、さらに好ましくは1200~1400mmとすることで、糸の冷却による配向と集束位置での糸温度をコントロールでき、伸張回復時応力と合着力の双方が優れた繊維を得ることができる。
本実施形態のポリウレタン弾性繊維を含むギャザー部材、及び衛生材料も、本発明の一態様である。衛生材料の具体例としては、使い捨て紙おむつや生理用品に代表される吸収性物品や、マスク、包帯等が挙げられる。紙おむつにおいては、ウエスト部や脚回り部に、不織布にホットメルトを介して弾性繊維が接着したギャザー部材が用いられるが、本実施形態のギャザー部材は、こうした部位に好適に用いられる。本実施形態のポリウレタン弾性繊維は、紙おむつ製造工程における走行性が良好かつ、優れた締め付け力を有するギャザー部材及び衛生材料を製造することができる。
以下、本発明を、実施例、比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。実施例等における測定値は、下記の測定法により求めたものである。尚、本実施例においては製造した巻糸体からサンプリングを行っているが、サンプルのサイズ等の制約で下記のサンプリングができない場合は、適宜合理的なサンプリング方法及び測定方法を採用してもよい
(1)流出開始温度
島津フローテスタCFT-500D型((株)島津製作所製)を使用し、サンプル量1.5g、ダイ(ノズル)の直径0.5mm、厚み1.0mmの条件下で、49Nの押出荷重を加え、初期設定温度120℃で240秒間予熱した後、3℃/分の速度で等速昇温し、その際に描かれるプランジャーストローク-温度曲線を求める。等速昇温されるに従い、サンプルは徐々に加熱され、ポリマーが流出し始める。この時のフロー温度を流出開始温度とする。さらに昇温すると溶融状態となったポリマーは大きく流出し、プランジャー降下が停止し終了する。3回測定した後、その平均温度を流出開始温度とする。尚、測定サンプルは、同一の巻糸体から1.5gの糸を巻き出し、油剤などの処理剤を除去する等の事前処理を行わず、糸を丸めハサミで4等分にカットしたものを用いた。
(2)単糸同士の合着力
島津製作所製EZ-SX AUTOGRAPHにより20℃、65%RH雰囲気化で行う。単糸同士の合着力の測定は、マルチフィラメントの単糸をピンセットを用いてばらけさせ、単糸を3cm程度引き出す。そのとき引き出した単糸1本を下部のチャックで挟み、残りの引き出された方のマルチフィラメントを上部のチャックで挟み、把持長を5cmとして、上下方向に500mm/分の速度で引っ張り、マルチフィラメントから単糸を割いていく。糸の弛みがとれ、割かれ始めた点から測定完了まで150mm割いた際の応力を測定する。150mm割いた際の応力のピークの平均値を合着力とする。5m間隔で5サンプル採取してそれぞれ合着力を測定し、その平均値を求める。
(3)破断伸度
島津製作所製AGS-500NG AUTOGRAPH試験機を使用し、温度20℃、湿度65%の条件で測定する。把持長5cmの弾性糸を、500mm/分の速度で伸長したときの破断時伸度を測定する。5m間隔で5サンプル採取して、それぞれ破断伸度を測定し、その平均値を求める。
(4)200%伸張・回復繰り返し試験における2サイクル目の90%回復時応力の測定
島津製作所製AGS-500NG AUTOGRAPH試験機を使用し、温度20℃、湿度65%の条件で測定する。把持長5cmの試料に対し、500mm/minの速度で200%までの伸長・回復を2回繰り返すとき、2回目の伸度90%での回復時応力を2サイクル目の90%回復時応力とする。この値が高いほど、締め付け力が高い繊維であると判断する。5m間隔で5サンプル採取して、それぞれ、90%回復時応力を測定し、その平均値を求める。
(5)複屈折率Δn
OLYMPUS社製の偏光顕微鏡BX-51PにOLYMPUS社製のコンペンセータU-CTBを取り付けて、Δnを測定する。5m間隔で5サンプルを採取して、測定を実施し、その平均値を求める。
(6)断面における単糸同士の合着部の長さの平均値
ポリウレタン弾性繊維の糸長方向に対して、垂直方向に切断した断面をSEMで撮影し、その断面写真からマルチフィラメントの外周に位置する単糸同士が合着している部位において、図1のように最も離れた2つの合着点を結んだ線分の長さを測定する。外周に位置する単糸について全ての合着点の長さを測定し、測定数で割って平均を求める。尚、断面のSEM写真を撮影するためのマルチフィラメント糸は切断前に液体窒素に10秒以上浸漬し、単糸の長さ方向に垂直に、カミソリ刃によって切断し、その断面を正面から観察できるようにSEMのステージ上にセットして観察する。SEMの測定倍率はマルチフィラメントの断面の全体像が観察できるように適切な倍率で観察する。本実施例と比較例においては、100~300倍の範囲で測定を行い、測定回数は同一の巻糸体から1m以上の間隔をあけて、5本サンプリングし、それぞれの断面から求められた合着部の長さの平均値の和を5で除した値をそのサンプルの合着部の長さの平均値とした。
(7)繊度
ポリウレタン弾性繊維を張力のかからないように巻糸体から剥ぎ取り、無張力状態かつ弛みのない状態で1m測長して切り取り、その重量を計量し、下記式:
繊度(dt)=10000×1mあたりの重量(g)
から求めた。測定は5回行い、その平均値を繊度とする。総繊度はマルチフィラメント1本を上記方法で測定したもので、単糸繊度は総繊度を糸本数で除したものとする。
(8)集束位置の糸温度
日本アビオニクス社製の赤外線サーモグラフィカメラInfRecR550Proを使用し、雰囲気温度25℃での紡糸時に、集束位置の高さで糸条から100mm離れた位置にカメラを固定し、集束された糸にピントを合わせて熱画像を撮影した。測定物質の放射率は0.9に設定し、走行する糸の30mm後ろには黒いゴム板を設置し、外部環境からの熱の反射の影響を最小限に留めた。撮影した熱画像から集束位置の最上部の温度を抽出し、その温度を集束位置の糸温度とした。
(9)走行性
紡糸によって得られた弾性繊維の巻糸体1を、図2の装置にかけ、弾性繊維送り出しロール2を、速度50m/分、弾性繊維を3回巻きつけたプレドラフトロール3を、速度80m/分、巻き取りロール4を、速度85m/分の条件で走行させた。観察部位5での弾性繊維の挙動を3分間目視観察し、以下の評価基準で評価した:
5点:糸揺れ幅が0mm以上~2mm未満
4点:糸揺れ幅が2mm以上~4mm未満
3点:糸揺れ幅が4mm以上~6mm未満
2点:糸揺れ幅が6mm以上
1点:糸切れ。
走行性が3点以上であれば、紙おむつ製造工程での糸切れが少なく、最終的に得られるギャザーの伸縮性能が良好な糸となる。走行性が2点以下では、紙おむつ製造工程で糸切れが発生しやすく、紙おむつの生産性を低下させてしまう。
(10)解舒性
紡糸後、紙管に巻き取られた弾性繊維150gの巻糸体から、15gを解舒して剥ぎ取る。15g剥ぎ取った後の巻糸体をクリール台に静置し、垂直方向に糸をクリールし、ドッグテールガイドを通して、水平方向に糸を走らせ、2m離れた巻き取りロールによって15m/minの速度で巻き取った。巻取りロールの1m手前に、にオンライン張力計(エイコー測器社製テンションピックアップ Z-2型レンジ50g)を設置し、3分間計測し、その平均値を解舒張力とする。この値が小さいほど巻糸体から糸離れがよいことを示し、解舒性が良好と判断する。下記の評価基準で、解舒性を評価した:
5点:解舒張力が3g未満
4点:解舒張力が3g以上5g未満
3点:解舒張力が5g以上7g未満
2点:解舒張力が7g以上10g未満
1点:解舒張力が10g以上。
解舒性が3点以上であれば、紙おむつ製造工程における巻糸体から糸を高速で解舒する際の糸離れが良好な糸となり、巻糸体に糸が巻き付いてしまう逆巻きや糸走行時の張力変動による糸切れの発生を抑制しやすい。
[実施例1]
数平均分子量1800のポリテトラメチレンエーテルジオール2400gと、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート750.75gとを、乾燥窒素雰囲気下、60℃で3時間、攪拌下で反応させて、末端イソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマーを得た。この反応液に酸化防止剤としてアデカ製AO-60を9g、紫外線吸収剤としてアデカ製LA-36を9g混合した後、さらに、1,4-ブタンジオール150.95gを添加して、15分撹拌し、粘度200Pa・s(30℃)のポリウレタンを得た。
その後、テフロン(登録商標)トレイに払い出し、このポリウレタンをトレイに入れたまま、110℃の熱風オーブン中で19時間アニーリングしてポリウレタン樹脂を得た。このポリウレタン樹脂は、ショアーA硬度が75であり、熱可塑性の特性を有していた。
こうして得られたポリウレタン樹脂を、ホーライ社製粉砕機UG-280型にて、3mm程度の粉末に粉砕した。ポリウレタン樹脂粉末に対し、乾燥させたエチレンビスステアリン酸アミドを0.35質量部添加し、ホッパーから投入し、押出機内で溶融させた。ヘッドに設置したギアポンプにより計量、加圧し、フィルターでろ過後、ダイの温度210℃で、径0.23mm、60ホールのノズルから31g/分の吐出量で、吐出させた。冷風長900mmの冷風チャンバーから冷風風速0.6m/s、冷風温度16℃の冷風を吹き出し、繊維に垂直にあてた。5m下部に設置したリング式仮撚り機を用いて、撚りを伝播させ、紡口から撚りの伝播位置までの距離である集束位置を1400mmとし、その後、ポリジメチルシロキサンと鉱物油を主成分とする処理剤を付与しながら、500m/分の速度で巻き取り、単糸繊度10dtex、総繊度620dtexのポリウレタン弾性繊維を得た。集束位置での糸温度は30℃で、ポリウレタン弾性繊維に対する処理剤の付与率は2質量部であった。各種機能性評価を以下の表3に示すが、締め付け力の指標である200%繰り返し伸張・回復試験における2サイクル目の90%回復時応力に優れ、走行性評価が4点であり走行性が良好な繊維を得られた。弾性繊維の各種性能評価結果を以下の表1に示す。
[実施例2]
接触リング式仮撚り機の回転数を調整し、集束位置を1000mmの位置とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のポリウレタン繊維を得た。弾性繊維の各種性能評価結果を以下の表1に示す。
[実施例3]
リング式仮撚り機の回転数を調整し、集束位置を800mmの位置とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3のポリウレタン繊維を得た。弾性繊維の各種性能評価結果を以下の表1に示す。
[実施例4]
紡糸口金に径0.35mm、36ホールのノズルを装着し、ダイの温度を215℃、ノズルから43.4g/分の吐出量で吐出させ、冷風を温度15℃、風速0.7m/sで、700/minの速度で巻き取りしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4のポリウレタン繊維を得た。得られた単糸繊度を17dtexであり、総繊度は620dtexだった。弾性繊維の各種性能評価結果を以下の表1に示す。
[実施例5]
接触リング式仮撚り機の回転数を調整し、集束位置を1000mmの位置とした以外は実施例4と同様にして、実施例5のポリウレタン繊維を得た。弾性繊維の各種性能評価結果を以下の表1に示す。
[実施例6]
紡糸口金に径0.5mm、24ホールのノズルを装着し、ダイの温度を220℃、ノズルから62g/分の吐出量で吐出させ、冷風を温度14℃、風速0.8m/sで、1000/minの速度で巻き取りしたこと以外は、実施例4と同様にして、実施例6のポリウレタン繊維を得た。得られた繊維の単糸繊度は26dtexで、総繊度は620dtexだった。弾性繊維の各種性能評価結果を以下の表1に示す。
[実施例7]
紡糸口金に径0.5mm、16ホールのノズルを装着し、ダイの温度210℃、ノズルから83g/分の吐出量を吐出させ、冷風を温度14℃、風速0.8m/sで、1400/minの速度で巻き取りしたこと以外は、実施例4と同様にして、実施例7のポリウレタン繊維を得た。得られた繊維の単糸繊度は40dtexで、総繊度は620dtexだった。弾性繊維の各種性能評価結果を以下の表1に示す。
[実施例8]
ポリウレタン樹脂粉末に対し、乾燥させたエチレンビスステアリン酸アミドを添加せず、冷風温度を16℃、冷風風速を0.7m/sとしたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例8のポリウレタン繊維を得た。弾性繊維の各種性能評価結果を以下の表1に示す。
[実施例9]
ポリウレタン樹脂粉末に対し、エチレンビスステアリン酸アミドを添加せず、乾燥させたステアリン酸マグネシウムを0.35質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例9のポリウレタン繊維を得た。弾性繊維の各種性能評価結果を以下の表1に示す。
[実施例10]
吐出温度を200℃、冷風温度15℃、冷風風速を0.8m/sとしたこと以外は、実施例4と同様にして、実施例10のポリウレタン繊維を得た。弾性繊維の各種性能評価結果を以下の表1に示す。
[実施例11]
ポリウレタン樹脂粉末に対し、乾燥させたエチレンビスステアリン酸アミドを0.6質量部添加し、集束位置を1200mmとした以外は、実施例1と同様にして、実施例11のポリウレタン弾性繊維を得た。弾性繊維の各種性能評価結果を以下の表1に示す。
[実施例12]
ダイの温度230℃、冷風温度を15℃、冷風速度0.7m/sとして、集束位置を700mmの位置とした以外は、実施例4と同様にして、実施例12のポリウレタン繊維を得た。弾性繊維の各種性能評価結果を以下の表1に示す。
[比較例1]
冷風温度を16℃、冷風風速を0.6m/sとし、集束位置を1800mmとした以外は、実施例4と同様にして、比較例1のポリウレタン弾性繊維を得た。比較例1の弾性繊維は、集束位置が適切な位置ではなかったために、単糸合着力が0.3cNであり、走行性評価では2点であり、走行性が不十分だった。弾性繊維の各種性能評価結果を以下の表1に示す。
[比較例2]
集束位置を4500mmとした以外は、比較例1と同様にして、比較例2のポリウレタン弾性繊維を得た。比較例2の弾性繊維は、集束位置が適切な位置ではなかったために、単糸合着力が0.2cNであり、走行性評価では1点であり、走行性が不十分だった。弾性繊維の各種性能評価結果を以下の表1に示す。
[比較例3]
ダイの温度190℃、冷風温度15℃、冷風速度0.9m/sとしたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3のポリウレタン弾性繊維を得た。比較例3の弾性繊維は、吐出温度が低く、冷風風速が高かったため、紡糸時の集束位置での糸温度が低すぎて、単糸同士が合着できていないため、合着力が低く、走行性評価では1点だった。また、紡糸時に冷却されすぎており、配向がかかりすぎたために伸度が280%と低くなり、走行性評価の延伸倍率に耐えきれない糸が多く糸切れが多発した。弾性繊維の各種性能評価結果を以下の表1に示す。
[比較例4]
ポリウレタン樹脂粉末に対し、乾燥させたエチレンビスステアリン酸アミドを添加せずに押出機内で溶融させ、紡糸口金に径0.35mm、36ホールのノズルを装着し、ダイの温度を208℃、ノズルから37.2g/分の吐出量で吐出させ、冷風を温度16℃、風速0.5m/sとし、集束位置2200mm、600/minの速度で巻き取りしたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4のポリウレタン繊維を得た。得られた糸は単糸合着力が低く、走行性評価は2点であり、走行性が不十分だった。弾性繊維の各種性能評価結果を以下の表1に示す。
Figure 0007467648000001
本発明のポリウレタン弾性繊維は、フィラメントの合着力に優れ、紙おむつ製造工程における走行性が良好かつ、優れた締め付け力を有することから、紙おむつなどの衛生材料のギャザー部や伸縮部の弾性部材として好適に利用可能である。
1 弾性繊維の巻糸体
2 送り出しロール
3 プレドラフトロール
4 巻き取りロール
5 観察部位
6 セラミックフックガイド
7 ベアリングフリーローラー

Claims (7)

  1. 以下の特徴:
    (a)マルチフィラメントである;
    (b)総繊度が160dtex以上2000dtex以下である;
    (c)フローテスタにおける、押出荷重49N、開始温度120℃、昇温3℃/min条件下での流出開始温度が160℃以上220℃以下である;
    (d)単糸同士の合着力が0.4cN以上である;
    を有するポリウレタン弾性繊維であって、
    複屈折率Δnが0.010以上であり、かつ、
    複屈折率Δnが0.025以下である、
    ことを特徴とするポリウレタン弾性繊維
  2. 飽和脂肪酸金属塩、及び/又は、飽和脂肪酸アミドを0重量%超0.5重量%以下で含有する、請求項に記載のポリウレタン弾性繊維。
  3. フィラメント(単糸)数が3以上であり、かつ、前記ポリウレタン弾性繊維の断面における単糸同士の合着部の長さの平均値が10μm以上である、請求項1又は2に記載のポリウレタン弾性繊維。
  4. 200%伸長・回復繰り返し試験における2サイクル目の90%回復時応力が0.015cN/dtex以上である、請求項1~のいずれか1項に記載のポリウレタン弾性繊維。
  5. 単糸繊度が5dtex以上50dtex以下である、請求項1~のいずれか1項に記載のポリウレタン弾性繊維。
  6. 請求項1~のいずれか1項に記載のポリウレタン弾性繊維を含む、ギャザー部材。
  7. 請求項1~のいずれか1項に記載のポリウレタン弾性繊維を含む、衛生材料。
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