JPH07150411A - ポリウレタン弾性繊維の製造法 - Google Patents

ポリウレタン弾性繊維の製造法

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JPH07150411A
JPH07150411A JP5293762A JP29376293A JPH07150411A JP H07150411 A JPH07150411 A JP H07150411A JP 5293762 A JP5293762 A JP 5293762A JP 29376293 A JP29376293 A JP 29376293A JP H07150411 A JPH07150411 A JP H07150411A
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JP
Japan
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diol
polyurethane
heat resistance
yarn
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JP5293762A
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English (en)
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Yoshinori Ido
祥記 井戸
Satoshi Nakamura
智 中村
Hajime Suzuki
肇 鈴木
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性、弾性回復性に優れたポリウレタン弾
性繊維を溶融紡糸法で製造せんとするものである。 【構成】 ポリカ−ボネ−トジオ−ルを用い、ジオ−ル
とイソシアネ−トのモル数を制御することにより、溶融
紡出糸でありながら、乾式および湿式紡出糸に勝る耐熱
性、弾性回復性を有するポリウレタン弾性繊維を得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カ−ボネ−ト系のポリ
ウレタン弾性繊維の製造方法に関するものであり、詳し
くは溶融紡糸法により得られる耐熱性および弾性回復性
に優れるポリウレタン弾性繊維の製造法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン弾性繊維の耐熱性や弾性回
復性はその製造方法、例えば乾式、湿式、溶融紡糸法に
より大きく影響をうけることが知られている。このうち
乾式、湿式紡糸により得られる糸は、ハ−ドセグメント
のドメインが強固な水素結合をつくりえるように鎖延長
剤としてジアミンが用いられ、結果として糸の耐熱性や
弾性回復性を向上させている。一方溶融紡糸法により得
られる糸は、熱可塑性ポリウレタンを一度溶融する必要
があるため強固なハ−ドセグメントをつくりえない。そ
のため、耐熱性や弾性回復性は大幅に上記2紡糸法によ
る糸に比べ劣っている。
【0003】しかしながら、溶融紡糸法は乾式もしくは
湿式紡糸法に比し、溶剤を用いないことによる地球環境
的なメリット、糸の均一性向上による品質メリット、お
よびコストメリットなど多くの利点を有している。
【0004】このために優れた耐熱性や弾性回復性を有
する糸を溶融紡糸法で得ようとする試みは、例えば特公
昭63−53287号公報、特公昭63−53288号
公報、特開平3−213515号公報などで検討されて
きているが、乾式、湿式紡糸法から製造された糸に比べ
ると、その性能は満足されたものとはいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は
乾式、湿式紡糸法から製造された糸とほぼ同等、もしく
は、それ以上の耐熱性、弾性回復性を有する糸を溶融紡
糸法により提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、分子
量500以下の少なくとも1種の低分子量ジオ−ルと分
子量750以上の少なくとも1種のポリカ−ボネ−トジ
オ−ルと、これらのジオ−ルに対して1.02〜1.2
5モル倍の少なくとも1種の有機ジイソシアネ−トを反
応させて得られるポリウレタンポリマ−を溶融紡糸する
ことを特徴とするポリウレタン弾性繊維の製造法に関す
る。
【0007】分子量750以上のポリカ−ボネ−トジオ
−ルとしては、1、4−ブタンジオ−ル、1、6−ヘキ
サンジオ−ル、2、2−ジメチル−1、3−プロパンジ
オ−ル、1、8−オクタンジオ−ルなどのようなポリヒ
ドロキシル化合物と、アリ−ルカ−ボネ−ト、例えばジ
フェニルカ−ボネ−トとのエステル交換反応により得ら
れる、少なくとも2個の水酸基を含む物があげられる
が、これらは1種で用いても、2種以上を混合して用い
てもさしつかえない。弾性繊維の原料として一般的に用
いられるポリテトラメチレンエ−テルグリコ−ルに代表
されるエ−テルタイプ、ポリエチレンアジペ−トに代表
されるエステルタイプ、およびポリカプロラクトンタイ
プでは本発明に記した驚くべき効果は認められない。
【0008】分子量としては、750より低いと得られ
た弾性繊維の伸度が低くなりすぎるので好ましくない。
分子量が高すぎる場合は、弾性回復性が低下するが、こ
れは他の要因との交絡が大きいので、一概にどの程度と
までは決めることができない。分子量500以下の低分
子量ジオ−ル、ジイソシアネ−トの種類、使用量によっ
て異なるが、分子量1000〜3000の範囲が好まし
い。
【0009】また、有機ジイソシアネ−トとしては、4
・4´−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、1・5−
ナフタレンジイソシアネ−ト、1・4−フェニレンジイ
ソシアネ−ト、2・4−トリレンジイソシアネ−ト、ヘ
キサメチレンジイソシアネ−ト、1・4−シクロヘキサ
ンジイソシアネ−ト、4・4´−ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−トのよ
うな有機ジイソシアネ−トの1種または2種以上の混合
物が例示できる。さらにトリイソシアネ−トを少量併用
してもよい。
【0010】分子量500以下の低分子量ジオ−ルとし
ては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ブ
チレングリコ−ル、ヘキサンジオ−ル、ヒドロキシエチ
ルハイドロキノン、シクロヘキサンジメタノ−ルの1種
またはこれらの2種以上の混合物が例示できる。
【0011】分子量750以上のポリカ−ボネ−トジオ
−ルと分子量500以下の低分子量ジオ−ルの比は、各
々の分子量や弾性繊維の所望物性などにより種々変え得
るが、両者の合計モル数に対しジイソシアネ−トのモル
数は1.02〜1.25の範囲が望ましい。この比が小
さすぎると弾性繊維の耐熱性、弾性回復性が低下する
し、大きすぎると溶融粘度が小さい、固化速度が遅い、
繊維表面の接着性が大きいなど安定した紡糸が困難にな
る。
【0012】本発明のポリウレタン弾性繊維を製造する
のに使用するポリウレタンは、公知のウレタン化技術を
採用して製造することができる。たとえば、ポリカ−ボ
ネ−トジオ−ルまたはこれと低分子量ジオ−ルの混合物
を約40〜100℃に予熱した後、これらの混合物の合
計モル数とイソシアネ−ト基の比が1:1.02〜1.
25となる割合の量のジイソシアネ−トを加え、短時間
に強力にかき混ぜた後、約50〜180℃、窒素下で放
置することによりポリウレタンが得られる。また、ウレ
タンプレポリマ−を経由してポリウレタンを得る方法を
用いることもできる。
【0013】またポリウレタンの製造に当たっては、ポ
リウレタンの製造において通常使用されている、触媒、
活性剤、消泡剤、滑剤、また紫外線吸収剤、黄変防止剤
などの安定剤、顔料、帯電防止剤、表面処理剤、難燃
剤、防黴剤、補強剤の任意の成分を必要に応じて使用す
ることができる。
【0014】本発明のポリウレタンは溶融紡糸法により
繊維化されるが、溶融紡糸に使用する紡糸装置や紡糸条
件は、ポリウレタンの内容、目的とする繊維の太さ、重
合法等により種々異なりえるが、通常、重合した直後の
溶融したポリマ−を押し出し式紡糸装置に供給し、紡糸
温度180〜240℃、紡糸速度1000m/分以下、
特に600m/分以下で紡糸するのが好ましい。また、
見かけドラフト率は50以上、好ましくは100以上と
するのが良い。また、紡糸した糸条を巻き取り機により
ボビンに巻き取る際の紡糸テンションは0.1g/d以
下、好ましくは0.05g/d以下とする。
【0015】また、巻き取られた糸条を低湿下で、ハ−
ドセグメントのガラス転移温度付近で熱処理し、ハ−ド
セグメントとソフトセグメントの相分離を十分に進行さ
せることが好ましい。これらの方法により、一般に、太
さが約5〜100デニ−ル//フィラメントのポリウレ
タン弾性繊維を得ることができるが、本発明に用いられ
るポリウレタン弾性繊維は、デニ−ルが15〜100の
範囲が適当であり、好ましくは40〜80である。これ
らの弾性繊維は、カバリング糸や裸糸の状態で使用され
る。
【0016】次に本発明を実施例をもって具体的に説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。また、実施例中の%は重量%である。さらに下記の
例において、対数粘度、耐熱性、弾性回復率は下記の方
法により測定した。
【0017】《評価試料の作成》ポリウレタンポリマ−
をヒ−トプレス機により240℃でフィルム化した。熱
処理を施す場合は、窒素下、120℃で16時間実施し
た(比較例は220℃)
【0018】《対数粘度の測定》ポリマ−0.0750
gを0.05規定−ジブチルアミン/N,N−ジメチル
アセトアミド溶媒25mlに溶解し、このポリマ−溶液
10mlをオストワルド粘度計にとり、30℃の恒温槽
中で落下秒数を測定して以下の式より対数粘度
(ηinh )を求めた。 ηinh ={ln(t/t0 )}/C t :ポリマ−溶液の落下秒数(秒) t0 :溶媒の落下秒数(秒) C :ポリマ−溶液の濃度(g/dl) 以上の方法により、フィルムの対数粘度を測定した。
【0019】《耐熱性の測定》試料(厚さ約0.1mm
のフィルム)を100%伸長下、160℃(乾熱)で1
分間加熱し、冷却後リラックスした時の試料長を測定
し、次式より耐熱性を求めた。 耐熱性(%)={(加熱後の長さ−試料長)/試料長}
×100 優れた耐熱性を有するポリウレタン弾性体は、伸長下の
加熱による永久変形が起こりにくいため、上記式により
定義した耐熱性は小さい値となる。
【0020】《弾性回復率の測定》試料(厚さ約0.1
mmのフィルム)を300%伸長後リラックスし、再び
300%伸長したときの150%伸長時の応力を測定
し、1回目の150%伸長時の応力に対する割合を次式
から求めた。 弾性回復率(%)=(2回目の150%伸長時の応力/
1回目の150%伸長時の応力)×100 優れた弾性回復性を有するポリウレタン弾性体は、伸長
による構造破壊が起こりにくいため、上記式により定義
した弾性回復率は大きな値となる。
【0021】−実施例1、2− 両末端に水酸基を持つ数平均分子量2000のポリカ−
ボネ−トジオ−ル(1、6−ヘキサンジオ−ルとアルキ
レンカ−ボネ−トのエステル交換反応で重合)100重
量部、1,4−ブタンジオ−ル10重量部とジフェニル
メタンジイソシアネ−ト46.3重量部(NCO/OH
=1.15)を室温、窒素下で約1分間激しく攪した
後、テフロンバットに移し、窒素気流下180℃で30
分重合した。ヒ−トプレス機で作成したフィルムを窒素
気流下、120℃で16時間、熱処理した物を、熱処理
前のフィルムとともに測定に供した。
【0022】−比較例1− 両末端に水酸基を持つ数平均分子量2000のポリテト
ラメチレンエ−テルジオ−ルをポリカ−ボネ−トジオ−
ルの代わりに用いた以外は実施例1と同様の実験を行っ
た(熱処理後フィルムのみ)。
【0023】−比較例2− 両末端に水酸基を持つ数平均分子量2000のポリブチ
レンアジペ−トジオ−ルをポリカ−ボネ−トジオ−ルの
代わりに用いた以外は実施例1と同様の実験を行った
(熱処理後フィルムのみ)。
【0024】−比較例3− 両末端に水酸基を持つ数平均分子量1800のポリテト
ラメチレンエ−テルジオ−ルとジフェニルメタンジイソ
シアネ−トとをモル比1:1.6の割合で反応させプレ
ポリマ−を得、ついでエチレンジアミンで鎖延長を行
い、ポリマ−濃度30%(溶媒はN,N−ジメチルアセ
トアミド)で2000ポイズ(30℃)の粘度のポリウ
レタン溶液を得た。この溶液から溶媒キャスト法により
得たポリウレタンフィルムを測定に供した。
【0025】−比較例4− 実施例1において、重合時のNCO/OH比を1.01
とした以外は、実施例1と同様の方法で実験を行った。
各例の評価結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、溶融紡糸法で製造され
たポリウレタン弾性繊維でありながら乾式もしくは湿式
紡糸法で製造されたポリウレタン弾性繊維とほぼ同等、
もしくはそれ以上の耐熱性、弾性回復性をポリウレタン
弾性繊維を得ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量500以下の少なくとも1種の低
    分子量ジオ−ルと分子子量750以上の少なくとも1種
    のポリカ−ボネ−トジオ−ルと、これらのジオ−ルに対
    して1.02〜1.25モル倍の少なくとも1種の有機
    ジイソシアネ−トを反応させて得られるポリウレタンポ
    リマ−を溶融紡糸することを特徴とするポリウレタン弾
    性繊維の製造法。
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