JPH11322886A - ポリウレタンおよびその弾性繊維 - Google Patents

ポリウレタンおよびその弾性繊維

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JPH11322886A
JPH11322886A JP10140000A JP14000098A JPH11322886A JP H11322886 A JPH11322886 A JP H11322886A JP 10140000 A JP10140000 A JP 10140000A JP 14000098 A JP14000098 A JP 14000098A JP H11322886 A JPH11322886 A JP H11322886A
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JP
Japan
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polyurethane
molecular weight
parts
isocyanate
group
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JP10140000A
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Takashi Masui
敬志 増井
Futoshi Ishimaru
太 石丸
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱セット性が高く、かつ弾性回復性に優れたポ
リウレタン、特にポリウレタン弾性繊維を得ること。 【解決手段】高分子ポリオ−ル、有機ポリイソシアネ−
ト、及び低分子ポリオ−ルとからなる架橋構造を有する
ポリウレタンであって、かつ、該組成物中のウレタン結
合のうち、0.1〜50モル%がベンジル性水酸基とイ
ソシアネート基とが反応して得られるウレタン結合とす
ることにより、熱セット性が高く、かつ弾性回復性に優
れたポリウレタン、特にポリウレタン弾性繊維を得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、弾性回復性に優
れ、ある温度を境に熱による構造変化が顕著に異なるこ
とを特徴とするポリウレタンに関するものであり、特に
該ポリウレタンを弾性繊維分野に用いた場合、該弾性繊
維が編みまれた布帛等において、ある温度以上での熱セ
ット率が高く、かつ、熱セット工程後の弾性回復性も熱
セット工程前と同様に優れているポリウレタン弾性繊維
に関するものである。詳しくは架橋構造を有し、かつ、
全ウレタン結合のうち、0.1〜50モル%がベンジル
性水酸基とイソシアネート基とが反応して得られるウレ
タン結合であることを特徴とするポリウレタン組成物、
及び、それから得られる弾性繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりポリウレタンの製造、特にポリ
ウレタン弾性繊維の製造には、高分子ジオ−ル、有機ジ
イソシアネ−ト、及び低分子ジオ−ルが用いられること
が多いが、これらから製造されるポリウレタンの弾性回
復性は必ずしも満足できるものではない。特に弾性繊維
分野では、該ポリウレタン弾性繊維が布帛等に編みこま
れて熱セット工程を通過した場合、熱セット率は高いと
いう特徴を有するものの、セット後の該ポリウレタン弾
性繊維の弾性回復性は満足できるものではなかった。
【0003】また弾性繊維としては、低分子ジオ−ルの
代わりに低分子ジアミンを用いたポリウレタンウレアも
広く用いられている。ポリウレタンウレアは水素結合能
の強いウレア結合を有しているため、耐熱性が高く、熱
セット工程通過後の弾性回復性も熱セット工程前と同様
に満足できるレベルであるが、熱セット率が低いという
欠点がある。
【0004】すなわち、従来の技術では、熱セット率が
高く、かつ、弾性回復性、特に熱セット工程通過後の弾
性回復性が優れているという弾性繊維を得ることはでき
ない。これは、このような特性を有するポリウレタンが
これまでに、得られなかったためである。
【0005】一方、ポリウレタンとは趣が異なるが、加
硫等により架橋されたゴムは化学結合架橋ゆえに、耐熱
性や弾性回復性に優れている。しかしながら、このよう
な化学架橋されたポリマーを成形、特に弾性繊維に成形
することは非常に困難であり、熱セットという観点で見
るとその熱セット率は非常に低いといえる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の課題
は、高分子ポリオ−ル、有機ポリイソシアネート、低分
子ポリオ−ルから、化学架橋されたゴム並みの優れた弾
性回復性を有するポリウレタン及び、それから得られる
ある温度以上での熱セット率が高く、かつ、熱セット工
程後の弾性回復性も熱セット工程前と同様に優れている
ポリウレタン弾性繊維を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者らは鋭意研究、検討した結果、遂に本発明
を完成するに到った。すなわち本発明は、高分子ポリオ
−ル、有機ポリイソシアネ−ト、及び低分子ポリオ−ル
とからなる架橋構造を有するポリウレタンであって、か
つ、該ポリウレタン中のウレタン結合のうち、0.1〜
50モル%が下記一般式(1)で示されるベンジル性水
酸基とイソシアネート基が反応して得られるウレタン結
合であることを特徴とするポリウレタン、および、それ
から得られるポリウレタン弾性繊維である。
【0008】
【化2】 (前記一般式中、R1 、R2 は水素、炭素数6以下の炭
化水素基、ハロゲン基から選ばれた基を表し、同一であ
っても異なっていてもよい。R3 は芳香族イソシアネ−
ト、ベンジル性ジイソシアネ−ト、脂肪族イソシアネ−
ト、脂環式イソシアネ−トの残基から選ばれた基を表
す。)
【0009】本発明に用いられる高分子ポリオ−ルとし
ては、ポリテトラメチレンエ−テルグリコ−ルに代表さ
れるポリエ−テルポリオール、ポリブチレンアジペ−ト
に代表されるポリエステルポリオ−ル、ポリカプロラク
トンポリオ−ル、ポリカプロラクトンのようなポリエス
テルグリコ−ルとアルキレンカ−ボネ−トとの反応物な
どで例示されるポリエステルポリカ−ボネ−トポリオ−
ル、エチレンカ−ボネ−トをエチレングリコ−ル、プロ
ピレングリコ−ル、ブチレングリコ−ル、ネオペンチル
グリコ−ルなどの多価アルコ−ルと反応させ、次いで得
られた反応混合物をアジピン酸、アゼライン酸、セバシ
ン酸等の有機ジカルボン酸と反応させた物、および1,
4−ブタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、2,
2−ジメチル−1,3−プロパンジオ−ル、1,8−オ
クタンジオ−ルなどのようなポリヒドキシル化合物と、
アリ−ルカ−ボネ−ト、例えばジフェニルカ−ボネ−ト
とのエステル交換反応により得られるポリカ−ボネ−ト
ポリオ−ルなどが挙げられる。これらは1種で用いて
も、2種以上を混合してもさしつかえない。
【0010】また、有機ポリイソシアネ−トとしては、
4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、1,5
−ナフタレンジイソシアネ−ト、1,4−フェニレンジ
イソシアネ−ト、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、
2,6−トリレンジイソシアネ−ト等の芳香族ジイソシ
アネート、m−キシリレンジイソシアネ−ト、p−キシ
リレンジイソシアネ−ト等のベンジル性ジイソシアネ−
ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト等の脂肪族ジイソ
シアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネ−
ト、4,4´−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−
ト、イソホロンジイソシアネ−ト等の脂環式ジイソシア
ネ−トがあげられる。これらは1種で用いても、2種以
上を混合してもさしつかえない。
【0011】低分子量ポリオ−ルとしては、下記(条件
1)(条件2)を満足する多官能化合物などを用いるこ
とができる。 (条件1)分子内に脂肪族水酸基を2個持つ。 (条件2)分子内に少なくとも1個の下記一般式(2)
で示されるベンジル性水酸基を持つ。
【0012】
【化3】 (前記一般式中、R1 、R2 は水素、炭素数6以下の炭
化水素基、ハロゲン基から選ばれた基を表し、同一であ
っても異なっていてもよい。)
【0013】具体的に化合物を挙げるならば、2−
{〔(4−ヒドロキシメチル)ベンジル〕オキシ}−
1,3−プロパンジオ−ル、2−{〔(4−ヒドロキシ
メチル)ベンゾイル〕オキシ}−1,3−プロパンジオ
−ル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−ア
ミノベンジルアルコ−ル等が挙げられる。
【0014】これらの化合物はエチレングリコ−ル、プ
ロピレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,6
−ヘキサンジオ−ル、1,4−ビス(ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼン、1,3−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベ
ンゼン、1,2−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼ
ン、シクロヘキサンジメタノ−ル、ビス(2−ヒドロキ
シエチル)テレフタレート、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)イソフタレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)フ
タレート、2,2−ビス〔4−(ヒドロキシエトキシ)
フェニル〕プロパン等と併用しても差し支えない。ただ
し、これらを用いて得られるポリウレタンの全ウレタン
結合のうち、0.1〜50モル%が前記一般式(1)で
示されるベンジル性水酸基とイソシアネート基が反応し
て得られるウレタン結合である必要がある。
【0015】本発明における高分子ポリオ−ルと低分子
ポリオ−ルの比は、各々の分子量やポリウレタンの所望
物性などにより種々変え得る。また、両者の合計水酸基
数に対し、有機ポリイソシアネートのイソシアネ−ト基
数(NCO/OH)は0.80〜1.25の範囲が望ま
しく、好ましくは0.95〜1.15であることがより
望ましい。この比が小さすぎると分岐構造が不充分とな
り弾性回復性が低下するため好ましくなく、大きすぎる
と溶融粘度が小さく、固化速度が遅く、また表面の接着
性が大きくなり、生産性が低下するため好ましくない。
【0016】本発明において、低分子ポリオールとして
多官能化合物を用いていることから、得られるポリウレ
タンはハードセグメント部が架橋された構造を持つこと
になる。一般的にポリウレタンは、ハードセグメントの
水素結合による凝集力によってソフトセグメントを拘束
し、ゴム的な特性を発現するが、このハードセグメント
の凝集力として水素結合に、強固な化学結合による架橋
が加われば、弾性回復性が向上する。
【0017】本発明のポリウレタンはウレタン結合によ
る架橋点を有するが、この架橋点結合はベンジル性水酸
基とイソシアネート基からなるウレタン結合により形成
されている。従って、脂肪族水酸基とイソシアネ−ト基
からなる主鎖のウレタン結合に比べ、低温で解離するこ
とが可能である。この特性を利用することにより、弾性
繊維の分野でこれまでの技術では不可能であった、熱セ
ット率が高く、かつ、弾性回復性、特に熱セット工程通
過後の弾性回復性が優れているという弾性繊維の開発が
可能となる。
【0018】すなわち、本発明ポリウレタン及び、該ポ
リウレタン弾性繊維は、室温では架橋構造を有している
ため、弾性回復性が優れている。また、熱セット温度を
架橋点結合を形成するウレタン結合(ベンジルOH基と
イソシアネ−ト基)が解離する温度に設定してやれば、
熱セット温度以上では、架橋が切断されるため、高い熱
セット性を有することになる。さらに、再び室温まで冷
却されると、架橋を再形成するため、熱セット工程通過
後も弾性回復性は優れている。
【0019】本発明のポリウレタンは、全ウレタン結合
のうち、0.1〜50モル%が前記一般式(1)で示さ
れるベンジル性水酸基とイソシアネート基が反応して得
られるウレタン結合である。好ましくは0.1〜30モ
ル%であり、特に0.2〜15モル%の範囲が望まし
い。なお0.1モル%未満では、充分な弾性回復性が得
られず、また50モル%を超えると、成形性が乏しくな
りので好ましくない。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明ポリウレタンは、溶融法、
溶液法など公知のウレタン化技術を用いて製造すること
ができるが、コスト、作業環境などを考慮した場合、溶
融法で製造することが好ましい。たとえば、高分子ポリ
オールと低分子ポリオ−ルの化合物を約40〜100℃
に予熱した後、これらの混合物の合計水酸基数に対し有
機ポリイソシアネートのイソシアネ−ト基数が0.95
〜1.15となる割合の量の有機ポリイソシアネ−トを
加え、短時間に強力にかき混ぜた後、約50〜180
℃、窒素下で放置することによりポリウレタンが得られ
る。また、ウレタンプレポリマ−を経由してポリウレタ
ンを得る方法を用いることもできる。なお、必要に応じ
て他のトリオ−ルやトリイソシアネ−トなどの3官能成
分を併用しても良い。
【0021】またポリウレタンの製造に当たっては、ポ
リウレタンの製造において通常使用されている、触媒、
活性剤、消泡剤、滑剤、また紫外線吸収剤、黄変防止剤
などの安定剤、顔料、帯電防止剤、表面処理剤、難燃
剤、防黴剤、補強剤の任意の成分を必要に応じて使用す
ることができる。
【0022】本発明のポリウレタンは、樹脂、成形物、
フィルム、弾性繊維などに広範囲に利用できるが、なか
でも弾性繊維とした場合に優れた弾性回復性、かつ、高
い熱セット率を有する弾性繊維を得ることができる。ま
た本発明の弾性繊維は溶融紡糸、乾式紡糸、湿式紡糸等
の紡糸方法で生産することができるが、コスト、繊維の
均質性等の観点から、溶融紡糸を行うことが望ましい。
【0023】本発明のポリウレタンの溶融紡糸に使用す
る紡糸装置や紡糸条件は、ポリウレタンの内容、目的と
する繊維の太さ、重合法等により種々異なり得るが、通
常、重合した直後の溶融したポリマ−を押し出し式紡糸
装置に供給し、紡糸温度180〜240℃、紡糸速度1
000m/分以下、特に600m/分以下で紡糸するの
が好ましい。また、見かけドラフト率は50以上、好ま
しくは100以上とするのが良い。また、紡糸した糸条
を巻き取り機によりボビンに巻き取る際の紡糸テンショ
ンは0.1g/d以下、好ましくは0.05g/d以下
とする。
【0024】また、巻き取られた糸条を低湿下で、ハ−
ドセグメントのガラス転移温度付近で熱処理し、ハ−ド
セグメントとソフトセグメントの相分離を充分に進行さ
せることが好ましい。これらの方法により、一般に、太
さが約5〜100デニ−ル//フィラメントのポリウレ
タン弾性繊維を得ることができるが、本発明に用いられ
るポリウレタン弾性繊維は、デニ−ルが15〜100の
範囲が適当であり、好ましくは40〜80である。これ
らの弾性繊維は、カバリング糸や裸糸の状態で使用され
る。
【0025】
【実施例】次に本発明を実施例を用いて具体的に説明す
るが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。また、実施例中の部は重量部を表す。さらに下記の
例において、弾性回復率、熱セット率は下記の方法によ
り測定した。
【0026】《評価試料の作成》:ポリウレタンポリマ
−をヒ−トプレス機により215℃でフィルム化した。
熱処理を施す場合は、窒素下、100℃で16時間実施
した。 《弾性回復率の測定》:試料(厚さ約0.1mmのフィ
ルム)を300%伸長後、リラックスする際の150%
伸長時の応力を測定し、1回目の150%伸長時の応力
に対する割合を次式から求めた。 弾性回復率(%)=(リラックス時の150%伸長時の
応力/1回目の150%伸長時の応力)×100 また、熱セット工程後の弾性回復性の測定として、フィ
ルムを下記記載の熱セット率測定と同様の処理(100
%伸長下、熱処理)を行い、そのフィルムの弾性回復率
を上記と同様に測定した。 《熱セット率の測定》:試料(厚さ約0.1mmのフィ
ルム)を100%伸長下、ある一定温度(乾熱)で1分
間加熱し、冷却後リラックスした時の試料長を測定し、
次式より熱セット率を求めた。 熱セット率(%)={(加熱後の長さ−試料長)/試料
長}×100
【0027】実施例1 両末端に水酸基を持つ数平均分子量1950のポリブチ
レンアジペート(PBAと略す)97.50部、1,4
−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン(BHEB
と略す)8.91部、2−{〔(4−ヒドロキシメチ
ル)ベンジル〕オキシ}−1,3−プロパンジオ−ル
(HPDと略す)1.06部、ジフェニルメタンジイソ
シアネ−ト(MDIと略す)25.63部を室温、窒素
下で約1分間激しく攪拌した後、テフロンバットに移
し、窒素気流下200℃で30分重合した。ヒ−トプレ
ス機で溶融成形したフィルムを測定に供した。
【0028】実施例2 両末端に水酸基を持つ数平均分子量1950のPBA9
7.50部、BHEB9.80部、HPD0.11部、
MDI25.07部を室温、窒素下で約1分間激しく攪
拌した後、テフロンバットに移し、窒素気流下200℃
で30分重合した。ヒ−トプレス機で溶融成形したフィ
ルムを測定に供した。
【0029】実施例3 両末端に水酸基を持つ数平均分子量1950のPBA9
7.50部、BHEB4.95部、HPD5.30部、
MDI28.13部を室温、窒素下で約1分間激しく攪
拌した後、テフロンバットに移し、窒素気流下200℃
で30分重合した。ヒ−トプレス機で溶融成形したフィ
ルムを測定に供した。
【0030】比較例1 両末端に水酸基を持つ数平均分子量1950のPBA9
7.50部、BHEB9.90部、MDI25.00部
を室温、窒素下で約1分間激しく攪拌した後、テフロン
バットに移し、窒素気流下200℃で30分重合した。
ヒ−トプレス機で溶融成形したフィルムを測定に供し
た。
【0031】実施例4 両末端に水酸基を持つ数平均分子量1950のPBA5
8.50部、1,4−ブタンジオ−ル(BDと略す)
4.05部、HPD1.06部、MDI20.63部を
室温、窒素下で約1分間激しく攪拌した後、テフロンバ
ットに移し、窒素気流下200℃で30分重合した。ヒ
−トプレス機で溶融成形したフィルムを測定に供した。
【0032】比較例2 両末端に水酸基を持つ数平均分子量1950のPBA5
8.50部、BD4.50部、MDI20.00部を室
温、窒素下で約1分間激しく攪拌した後、テフロンバッ
トに移し、窒素気流下200℃で30分重合した。ヒ−
トプレス機で溶融成形したフィルムを測定に供した。
【0033】実施例5 両末端に水酸基を持つ数平均分子量1950のPBA5
8.50部、2,2−ビス〔4−(ヒドロキシエトキ
シ)フェニル〕プロパン(BPPと略す)14.22
部、MDI15.00部を100℃、60分窒素下で攪
拌して、反応させた。NCOがほぼ100%反応してい
ることを確認後、HPD1.06部、ヘキサメチレンジ
イソシアネ−ト(HDIと略す)3.78部の順に添加
して室温、窒素下で約1分間激しく攪拌した後、テフロ
ンバットに移し、窒素気流下200℃で30分重合し
た。ヒ−トプレス機で溶融成形したフィルムを測定に供
した。
【0034】実施例6 両末端に水酸基を持つ数平均分子量1950のPBA5
8.50部、BPP14.22部、MDI15.00部
を100℃、60分窒素下で攪拌して、反応させた。N
COがほぼ100%反応していることを確認後、N,N
−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−アミノベンジル
アルコ−ル(BABと略す)1.06部、HDI3.7
8部の順に添加して室温、窒素下で約1分間激しく攪拌
した後、テフロンバットに移し、窒素気流下200℃で
30分重合した。ヒ−トプレス機で溶融成形したフィル
ムを測定に供した。
【0035】比較例3 両末端に水酸基を持つ数平均分子量1950のPBA5
8.50部、BPP15.80部、MDI15.00部
を100℃、60分窒素下で攪拌して、反応させた。N
COがほぼ100%反応していることを確認後、HDI
3.36部を添加して室温、窒素下で約1分間激しく攪
拌した後、テフロンバットに移し、窒素気流下200℃
で30分重合した。ヒ−トプレス機で溶融成形したフィ
ルムを測定に供した。
【0036】参考例1 前記実施例1〜6および比較例1〜3で得られたポリウ
レタンの各々の測定結果を表1および2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】 # 括弧内はポリウレタン中の相対モル% * 全ウレタン結合のうち、ベンジル性水酸基とイソシ
アネート基からなるウレタン結合の割合。
【0039】実施例7、比較例4 実施例1および比較例1で得られたポリウレタンをそれ
ぞれ溶融紡糸し、40デニール/4フィラメントの弾性
糸を得た。その糸を100℃で16時間処理したものの
熱セット性、弾性回復性を測定した。熱セット性、弾性
回復性の測定はフィルムでの測定法に準じて行った。そ
れらの結果を表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】表1より明らかのように、本発明ポリウ
レタンは弾性回復率が高く、特に熱セット工程に相当す
る熱処理後の弾性回復率が優れていることが判る。ま
た、一般的に熱セット率が高いと言われているポリウレ
タンを比較例とすると、本発明のポリウレタンは、ある
温度以上では、具体的には架橋部のウレタン結合がベン
ジル性OHと芳香族性NCOの場合、150℃以上で、
架橋部のウレタン結合がベンジル性OHと脂肪族性NC
Oの場合、170℃以上で、熱セット率が比較例と同程
度に高い。また表2からも同様のことが判る。従って、
本発明によれば、高分子ポリオ−ル、有機ポリイソシ
アネ−ト、及び低分子ポリオ−ルとからなる架橋構造を
有するポリウレタンであって、かつ、該ポリウレタン中
のウレタン結合のうち、0.1〜50モル%がベンジル
性水酸基とイソシアネート基とが反応して得られるウレ
タン結合であれば、熱セット性の高い特性と、弾性回復
性に優れる特性を両立するポリウレタン及びポリウレタ
ン弾性繊維を得ることができ、産業界に寄与すること大
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子ポリオ−ル、有機ポリイソシアネ
    −ト、及び低分子ポリオ−ルとからなる架橋構造を有す
    るポリウレタンであって、かつ、該ポリウレタン中のウ
    レタン結合のうち、0.1〜50モル%が下記一般式
    (1)で示されるベンジル性水酸基とイソシアネート基
    とが反応して得られるウレタン結合であることを特徴と
    するポリウレタン。 【化1】 (前記一般式(1)中、R1 、R2 は水素、炭素数6以
    下の炭化水素基、ハロゲン基から選ばれた基を表し、同
    一であっても異なっていてもよい。R3 は芳香族イソシ
    アネ−ト、ベンジル性ジイソシアネ−ト、脂肪族イソシ
    アネ−ト、脂環式イソシアネ−トの残基から選ばれた基
    を表す。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリウレタンから製造さ
    れた弾性繊維。
JP10140000A 1998-05-21 1998-05-21 ポリウレタンおよびその弾性繊維 Pending JPH11322886A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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