JP2000178828A - ポリエステル繊維の製造法 - Google Patents
ポリエステル繊維の製造法Info
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Abstract
る柔軟性に優れ、捲姿が良好なポリエステル繊維の製造
法を提供する。 【解決手段】 ポリトリメチレンテレフタレートを主体
とするポリエステルを紡糸口金より溶融紡出し、糸条を
一旦捲き取ることなく連続して延伸し、捲き取る製造方
法。最終延伸ローラ2と捲取機4との間でスチーム熱処
理を行い、捲き取られた繊維の放縮率が0.2〜1.5
%となるように捲き取る。
Description
テレフタレート(PTT)を主体とするポリエステル繊
維を、捲姿よく捲き取ることができるポリエステル繊維
の製造法に関するものである。
テルの一種であり、溶融紡糸法により得られる繊維は、
弾性に優れ、柔軟であり、広範な用途に適用可能であ
る。PTTは、ポリエチレンテレフタレートを主とする
汎用のポリエステル繊維と同様に、溶融紡糸した糸を熱
延伸することで実用的な物性の繊維とすることができ
る。また、延伸をしない高配向未延伸糸を仮撚加工した
場合においても、実用的な繊維とすることができる。
リエチレンテレフタレートと同じように高速で捲き取っ
たり、延伸後にローラ熱処理を施す場合、捲取速度や延
伸倍率を低くしなければ良好な捲姿のパッケージを得る
ことができず、そのため、生産性が低下し、また高強度
化を図ることが困難であるという問題点があった。
−8123号公報では、未延伸糸の配向を均一かつ高配
向になるように引き取り、その糸条を延伸、熱処理する
方法が提案されており、特開昭52−8124号公報で
は、延伸熱処理を2段以上で行う方法が提案されてい
る。また、特開昭58−104216号公報では、引取
速度を2000m/分以上として高配向の糸条を得、こ
の高配向の未延伸糸を熱延伸する方法が提案されてい
る。
業性は改善されたが、捲き取り時の問題点は解消され
ず、また、いずれも、紡糸工程と延伸工程を別工程で行
い、低速で熱延伸した例しか示されておらず、特に、紡
糸と延伸を一工程で行う高速延伸時においては、捲き取
り時の問題を解消することはできなかった。
は、引取速度が9000m/分以上の超高速紡糸による
方法が提案されているが、この方法では単糸切れ等の発
生が多く、操業的安定性に欠けると同時に、引取速度の
みで糸条の物性を制御するため、物性の制御が困難であ
り、用途に応じた物性を有する繊維を得ることができな
いという問題があった。他にも、PTTを主体とした繊
維の製造方法に関する提案が種々行われているが、紡糸
に引き続いて延伸を行い捲き取る方法及び延伸を行わず
に未延伸糸を捲き取る方法において、十分に満足できる
ような物性を有する繊維を、高い生産速度で操業性よく
安定して得ることができる製造法は未だ確立されていな
い。
な問題点を解決するものであって、PTTを主体とする
柔軟性に優れたポリエステル繊維を、紡糸に引き続いて
延伸を行い捲き取る方法及び延伸を行わずに未延伸糸を
捲き取る方法において、十分に満足できるような物性を
有する繊維を、高い生産速度で操業性よく安定して良好
な捲姿に捲き取ることができるポリエステル繊維の製造
法を提供することを技術的な課題とするものである。
解決するために検討した結果、本発明に到達した。すな
わち、本発明は、次の(1)、(2)を要旨とするもの
である。 (1)PTTを主体とするポリエステルを紡糸口金より
溶融紡出し、糸条を一旦捲き取ることなく連続して延伸
し、捲き取る製造方法において、最終延伸ローラと捲取
機との間でスチーム熱処理を行い、捲き取られた繊維の
放縮率が0.2〜1.5%となるようにして捲き取るこ
とを特徴とするポリエステル繊維の製造法。 (2)PTTを主体とするポリエステルを紡糸口金より
溶融紡出し、糸条を延伸することなく、高配向未延伸糸
を捲き取る製造方法において、最終引取ローラと捲取機
との間でスチーム熱処理を行い、捲き取られた繊維の放
縮率が0.2〜1.5%となるようにして捲き取ること
を特徴とするポリエステル繊維の製造法。
に説明する。本発明は、PTTを主体とするポリエステ
ルを、紡糸口金より溶融紡出し、糸条を一旦捲き取るこ
となく連続して延伸し、捲き取る製造方法(延伸法)、
紡糸口金より溶融紡出し、糸条を延伸することなく、高
配向未延伸糸を捲き取る製造方法(未延伸法)におい
て、最終延伸ローラあるいは最終引取ローラとの捲取機
の間でスチーム熱処理を行い、捲き取られた繊維の放縮
率が0.2〜1.5%となるようにして捲き取るもので
ある。
程図であり、図2は、未延伸法の一実施態様を示す概略
工程図である。図1に示すように、本発明の延伸法で
は、溶融紡糸し、冷却固化した糸条を引取ローラ1で引
き取り、引取ローラ1と最終延伸ローラ2間で延伸し、
最終延伸ローラ2と捲取機4間にスチーム熱処理器3を
設けてスチーム熱処理を行う。そして、スチーム熱処理
を行った後、捲取機4で捲き取る。このとき、得られる
繊維の強度を高くするためには、最終延伸ローラ2を1
00〜150℃程度の加熱ローラとすることが好まし
い。また、引取ローラ1と最終延伸ローラ2間には、他
にも引取ローラ又は延伸ローラを設けてもよい。
法では、溶融紡糸し、冷却固化した糸条を第1引取ロー
ラ11で引き取り、最終引取ローラ12と捲取機4間に
スチーム熱処理器3を設けてスチーム熱処理を行い、延
伸することなく、捲取機4で未延伸糸を捲き取る。
紡糸延伸方法において使用されるスチーム熱処理器を用
いればよいが、スチーム熱処理を最終延伸ローラあるい
は最終引取ローラと捲取機の間で行うのは、スチーム熱
処理器の後にローラがあるとローラ上での糸揺れが大き
くなり、糸斑の発生や操業性の悪化の原因となるためで
ある。
は、捲き取った繊維の放縮率が0.2〜1.5%、好ま
しくは0.2〜0.8%となるようにして捲き取る必要
がある。PTTは、汎用品であるポリエチレンテレフタ
レートと同じような条件を適用して延伸法、未延伸法を
行うと、繊維の放縮率が大きいために、良好な捲姿のパ
ッケージを得ることができない。
でスチーム熱処理を施し、かつ適切な弛緩率で弛緩処理
を行い、捲き取った繊維の放縮率が0.2〜1.5%と
なるようにすることにより、良好な捲姿のパッケージを
得ることが可能となる。放縮率が0.2%より小さいと
捲き崩れの発生やリラックスオーバーの原因となり好ま
しくなく、また、1.5%を超えると、耳高やチーズ端
面のふくらみが発生する。
みならず、最終延伸ローラあるいは最終引取ローラと捲
取機間の弛緩率を変更し、捲き張力を調整することによ
って行うことができる。なお、弛緩率は延伸倍率や捲き
取り速度を変更することにより調整することができる。
定を行い、算出するものである。捲き取ってから5分以
内に表層部の繊維(約1300mm)を取り出し、取り
出した繊維の上部を固定し、下部に0.03g/dの荷
重を掛けて固定部から糸長1000mm(L1)の所に
印を付け、荷重を掛けた状態で24時間放置後、固定部
から印部までの糸長(L2)を測定し、次式にて求め
る。 放縮率(%)= (L1−L2)/L1×100
を主体とするものであるが、ポリエステル本来の性質を
損なわない程度において、第3成分が混合あるいは共重
合されたもの、あるいは艶消剤、着色剤、安定剤、制電
剤等を含んでいるものでもよい。
範囲であれば特に限定されるものではないが、本発明
は、特に、衣料用のマルチフィラメントの製造に適した
方法であり、相対粘度(フェノールと四塩化エタンとの
当重量混合物を溶媒とし、濃度0.5g/dl、温度2
5℃で測定した)が1.40〜1.70程度のものが好
ましい。
を施すことによって、弛緩率を大きくすることができ、
種々の物性の糸条を得ることが可能である。特に延伸法
によれば、強度が3.0〜5.0g/d、伸度が25〜
40%、初期ヤング率が20〜30g/d程度の優れた
物性のポリエステル繊維を製造することが可能であり、
得られたポリエステル繊維は、低ヤング率であるため、
布帛にすると、柔軟性に富んだものとなる。
る。なお、本発明における特性値の測定及び評価は次の
とおりである。 (a) 強伸度 島津製作所製オートグラフS−100を用い、JIS L 10
13に準じて測定した。 (b) 放縮率 前記の方法で測定した。 (c) 捲姿 得られた5kg捲のパッケージの捲姿を目視にて評価
し、捲姿が良好なものは○、耳高や型くずれ等が生じて
いるものを×とした。
を溶媒とし、濃度0.5g/dl、温度25℃で測定し
た)が1.60のPTTチップを用い、常用の溶融紡糸
装置に紡糸口金を装着し、温度270℃で溶融紡糸を行
った。紡出した糸条を冷却した後、油剤を付与し、図1
に示すような工程に従い、延伸法で延伸糸を得た。この
とき、速度2500m/分で温度70℃の引取ローラ1
に5回掛けて引き取り、続いて速度4400m/分で温
度140℃の最終延伸ローラ2に7回掛けて延伸し、引
き続いてスチーム熱処理器3でスチームの温度300
℃、圧力1. 2kg/cm2 の熱処理を行った。続い
て、弛緩率12. 5%とし、スチーム熱処理器3と捲取
機4間の張力を5.3g/ヤーンとして捲き取り、75
デニール/24フィラメントの繊維を得た。
紡糸装置に紡糸口金を装着し、温度270℃で溶融紡糸
を行った。紡出した糸条を冷却した後、油剤を付与し、
図2に示すような工程に従い、未延伸法で未延伸糸を得
た。このとき、速度4000m/分の引取ローラ11
(室温)で引き取り、続いて速度4010m/分の最終
引取ローラ12(室温)で引き取り、引き続いてスチー
ム熱処理器3でスチームの温度300℃、圧力0.8k
g/cm2 とし、熱処理を行った。続いて、弛緩率5.
2%とし、スチーム熱処理器3と捲取機4間の張力を
4.5g/ヤーンとして捲き取り、75デニール/24
フィラメントの繊維を得た。
ム熱処理器3と捲取機4間の張力5g/ヤーンとして捲
き取った以外は実施例1と同様に行った。
ム熱処理器3と捲取機4間の張力5g/ヤーンで捲取機
に捲き取った以外は実施例2と同様に行った。
の張力3.5g/ヤーンとして捲き取った以外は実施例
2と同様に行った。
維の強度、伸度、放縮率、捲姿の評価結果を表1に示
す。
は、繊維の放縮率が本発明の範囲内になるようにスチー
ム熱処理を施したので、良好な捲姿のパッケージに捲き
取れ、また、得られた繊維の強度、伸度も優れていた。
一方、比較例1〜2ではスチーム熱処理を施さず、繊維
の放縮率が大きすぎたため、得られたパッケージは耳高
が生じ、捲姿の悪いものであった。比較例3は繊維の放
縮率が0.1%と小さすぎ、また張力も3.5g/ヤー
ンと小さかったため、型くずれが起き、採取できなかっ
た。
軟性に優れたポリエステル繊維を、紡糸に引き続いて延
伸を行い捲き取る方法及び延伸を行わずに未延伸糸を捲
き取る方法において、十分に満足できるような物性を有
する繊維を、高い生産速度で操業性よく安定して良好な
捲姿に捲き取ることができる。
である。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 ポリトリメチレンテレフタレートを主体
とするポリエステルを紡糸口金より溶融紡出し、糸条を
一旦捲き取ることなく連続して延伸し、捲き取る製造方
法において、最終延伸ローラと捲取機との間でスチーム
熱処理を行い、捲き取られた繊維の放縮率が0.2〜
1.5%となるようにして捲き取ることを特徴とするポ
リエステル繊維の製造法。 - 【請求項2】 ポリトリメチレンテレフタレートを主体
とするポリエステルを紡糸口金より溶融紡出し、糸条を
延伸することなく、高配向未延伸糸を捲き取る製造方法
において、最終引取ローラと捲取機との間でスチーム熱
処理を行い、捲き取られた繊維の放縮率が0.2〜1.
5%となるようにして捲き取ることを特徴とするポリエ
ステル繊維の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10355997A JP2000178828A (ja) | 1998-12-15 | 1998-12-15 | ポリエステル繊維の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10355997A JP2000178828A (ja) | 1998-12-15 | 1998-12-15 | ポリエステル繊維の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000178828A true JP2000178828A (ja) | 2000-06-27 |
Family
ID=18446807
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10355997A Pending JP2000178828A (ja) | 1998-12-15 | 1998-12-15 | ポリエステル繊維の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000178828A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100456305B1 (ko) * | 2002-04-01 | 2004-11-09 | 주식회사 효성 | 이염성 폴리트리메틸렌테레프탈레이트 섬유의 제조방법 및그 섬유 |
WO2008032379A1 (en) * | 2006-09-14 | 2008-03-20 | Toray Industries, Inc. | Polyester fiber, woven knit fabric, car sheet and process for producing polyester fiber |
US7578957B2 (en) | 2002-12-30 | 2009-08-25 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Process of making staple fibers |
-
1998
- 1998-12-15 JP JP10355997A patent/JP2000178828A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100456305B1 (ko) * | 2002-04-01 | 2004-11-09 | 주식회사 효성 | 이염성 폴리트리메틸렌테레프탈레이트 섬유의 제조방법 및그 섬유 |
US7578957B2 (en) | 2002-12-30 | 2009-08-25 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Process of making staple fibers |
WO2008032379A1 (en) * | 2006-09-14 | 2008-03-20 | Toray Industries, Inc. | Polyester fiber, woven knit fabric, car sheet and process for producing polyester fiber |
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