JP2005179815A - ポリアミドマルチフィラメント糸及びポリアミド混繊加工糸 - Google Patents

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Abstract

【課題】 織編物とした後に熱処理を施すことにより、織編物の組織の拘束力を受けることなく収縮を発現し、嵩高性、ソフト感に優れ、さらに、ワックス感のないウールライク感に優れ、品位の高い布帛を得ることができる混繊加工糸及びこの混繊加工糸を得ることができるポリアミドマルチフィラメント糸を提供する。
【解決手段】 高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸を芯糸、伸度260〜350%、熱水収縮率−1.0〜4.0%、乾熱収縮率−1.5〜3.5%であるポリアミドマルチフィラメント糸を鞘糸として混繊交絡されている芯鞘構造の加工糸であって、加工糸の伸度30〜65%、熱水収縮率10〜30%、乾熱収縮率5〜25%であるポリアミド混繊加工糸。
【選択図】 図1

Description

本発明は、製編織後の染色工程等の熱処理により伸長する性能を有するポリアミドマルチフィラメント糸及びこのポリアミドマルチフィラメント糸を鞘糸、高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸を芯糸とした収縮性能の異なるフィラメントからなる混繊加工糸に関するものである。
ふくらみ感と嵩高性を有する織編物を得ることができる繊維として、収縮特性の異なる複数の繊維を混繊した異収縮混繊糸が広く用いられている。一般的な異収縮混繊糸は、織編物とした後に染色等の熱処理を施すことによって収縮が発現するものである。しかしながら、従来提案されている異収縮混繊糸では、織編物とした際の組織の拘束力により収縮差が発現し難く、嵩高性の点では不十分であるという問題があった。
そこで、特許文献1に記載されているように、高い収縮を示す高収縮性のポリアミド繊維を用いた異収縮混繊糸が提案されている。この異収縮混繊糸を製編織すれば、後加工により収縮が発現し、ソフト感、ハリ、コシ等に優れた布帛を得ることができる。しかしながら、ポリアミド特有のワックス感があり、衣料用途の高級素材等としては使いにくいという問題があった。
特開2000−355841号公報
本発明は、上記の問題点を解決するものであり、織編物とした後に熱処理を施すことにより、織編物の組織の拘束力を受けることなく収縮を発現し、嵩高性、ソフト感に優れ、さらに、ワックス感のないウールライク感に優れ、品位の高い布帛を得ることができる混繊加工糸及びこの混繊加工糸を得ることができるポリアミドマルチフィラメント糸を提供することを技術的な課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、次の(1)、(2)を要旨とするものである。
(1)伸度260〜350%、熱水収縮率−1.0〜4.0%、乾熱収縮率−1.5〜3.5%であることを特徴とするポリアミドマルチフィラメント糸。
(2)高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸を芯糸、伸度260〜350%、熱水収縮率−1.0〜4.0%、乾熱収縮率−1.5〜3.5%であるポリアミドマルチフィラメント糸を鞘糸として混繊交絡されている芯鞘構造の加工糸であって、加工糸の伸度30〜65%、熱水収縮率10〜30%、乾熱収縮率5〜25%であることを特徴とするポリアミド混繊加工糸。
なお、本発明におけるマルチフィラメント糸及び加工糸の伸度は、島津製作所製オートグラフAGS−5G型を用いて、JIS L 1013 『引張強さ及び伸び率』に記載の方法に準じ、つかみ間隔100mm、引張速度250mm/minとして、糸が切断した時の値を測定するものである。
熱水収縮率は、測定するマルチフィラメント糸を50cmのループにし、糸条の繊度(dtex)に応じてd/33gの初荷重を掛けて長さAを求め、次いでフリーにして沸騰水中に30分間浸漬した後、自然乾燥し、再び糸条の繊度(dtex)に応じてd/33gの初荷重を掛けて長さBを求め、次の式で算出するものである。
熱水収縮率(%)=〔(A―B)/A〕×100
乾熱収縮率は測定するマルチフィラメント糸を50cmのループにし、糸条の繊度に応じてd/33gの初荷重を掛けて長さAを求め、次いでフリーにして180℃のオーブンにて30分間処理した後、糸条の繊度(dtex)の1/33gに初荷重を掛けて長さBを求め、次の式で算出するものである。
乾熱収縮率(%)=〔(A―B)/A〕×100
本発明のポリアミドマルチフィラメント糸は適度な伸度、熱水収縮率と乾熱収縮率を有しているので、このポリアミドマルチフィラメント糸と高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸からなる混繊加工糸は、この混繊加工糸を用いて製編織した布帛に熱処理を施すと、嵩高性やソフト感、さらには、ナイロン特有のワックス感が少なくウールライク感を有しており、品位の高い布帛を得ることが可能となる。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明のポリアミドマルチフィラメント糸は、伸度、熱水収縮率、乾熱収縮率が特定の値を満足するもので、熱処理により伸長する自発伸長糸である。
そして、本発明のポリアミド混繊加工糸は、本発明のポリアミドマルチフィラメント糸(以下、自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸という)を鞘糸とし、高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸を芯糸として混繊交絡してなる芯鞘構造の加工糸であり、鞘糸の伸長性と芯糸の収縮性により、熱処理を施すことによって、芯糸と鞘糸との絡み合いおよび芯糸と鞘糸との長さ方向の動きにより独特な風合い(ソフト感に優れ、さらに、ワックス感のないウールライク感)に優れた嵩高加工糸となるものである。
自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸の伸度は260〜350%、中でも280〜330%とすることが好ましい。伸度が260%未満であると、熱処理による伸長性が不足し、混繊加工糸とした際に十分な嵩高性を付与することができなくなる。一方、350%を超えると、熱処理による伸長が大きくなりすぎ、混繊加工糸とした際には、熱処理すると収縮に斑が生じ、糸長方向で嵩高性がばらつき、得られる布帛の品位が劣ることとなる。
自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸の熱水収縮率は−1.0〜4.0%、中でも−0.5〜3.5%とすることが好ましい。さらに、乾熱収縮率は−1.5〜3.5%、中でも−1.0〜3.0%とすることが好ましい。
熱水収縮率が−1.0%未満であったり、乾熱収縮率が−1.5%未満であると、混繊加工糸とした際には、熱処理すると、芯糸による収縮との差が大きくなり、収縮斑が生じ、糸長方向で嵩高性がばらつき、得られる布帛の品位が劣ることとなる。
一方、熱水収縮率が4.0%を超えたり、乾熱収縮率が3.5%を超えると、混繊加工糸とした際には、熱処理時に鞘糸の伸長性が不足するため、十分な嵩高加工糸とならず、布帛に十分な嵩高性を付与することができなくなり、ウールライク感も乏しいものとなる。
そして、本発明の混繊加工糸は、上記の本発明の自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸を鞘糸とし、高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸を芯糸とするものであるが、本発明の混繊加工糸においては、伸度は30〜65%、中でも35〜60%とすることが好ましく、熱水収縮率は10〜30%、中でも15〜25%とすることが好ましく、乾熱収縮率は5〜25%、中でも10〜20%とすることが好ましい。
混繊加工糸の伸度が30%未満であると、熱処理した後の伸長性が不十分となり、嵩高性やソフト感が不足する。一方、65%を超えると、熱処理による伸長が大きくなりすぎ、熱処理した際に収縮に斑が生じ、嵩高性が糸長方向でばらつき、得られる布帛の品位が劣ることとなる。
混繊加工糸の熱水収縮率が10%より低かったり、乾熱収縮率が5%より低いと、熱処理をした後の収縮が不足し、布帛に十分な嵩高性やソフト感を付与することができなくなる。一方、熱水収縮率が30%を超えたり、乾熱収縮率が25%を超えると、熱処理した際に収縮に斑が生じ、嵩高性が糸長方向でばらつき、得られる布帛の品位が低下する。
さらに、本発明の混繊加工糸を構成する高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸の性能は、上記したような混繊加工糸の伸度、熱水収縮率、乾熱収縮率を満足するものとする必要があるが、伸度30〜70%、熱水収縮率15〜30%、乾熱収縮率13〜28%程度のものとすることが好ましい。
高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸の伸度が30%未満であると、熱処理した後の伸長性が不十分となり、嵩高性やソフト感が不足しやすい。一方、70%を超えると、熱処理した際に収縮に斑が生じ、嵩高性が糸長方向でばらつき、得られる布帛の品位が劣ることとなりやすい。
高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸の熱水収縮率が15%より低かったり、乾熱収縮率が13%より低いと、熱処理をした後の収縮が不足し、布帛に十分な嵩高性やソフト感を付与することが困難となる。一方、熱水収縮率が30%を超えたり、乾熱収縮率が28%を超えると、熱処理した際に収縮に斑が生じ、嵩高性が糸長方向でばらつき、得られる布帛の品位が低下しやすい。
本発明の混繊加工糸における高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸と本発明の自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸との比率(質量比)は、高収縮性ポリアミドマルチフィラメント:自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸=1:6〜3:1、さらには1:4〜2:1とすることが好ましい。
また、本発明の混繊加工糸における自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸と高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸の単糸繊度の比率(単糸繊度比)は、高収縮性ポリアミドマルチフィラメント糸:自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸=1:1〜5:1、さらには4:3〜3:1とすることが好ましい。両者の単糸繊度の比は、芯糸と鞘糸との絡み合いおよび芯糸と鞘糸との長さ方向の動きにも影響を与えるものであり、嵩高性や風合いを左右する要因となるものである。
自発伸長糸の比率や単糸繊度比が上記範囲より大きい場合、高収縮性ポリアミドマルチフィラメント糸による収縮が十分ではなくなり、嵩高感に乏しいものとなりやすい。一方、高収縮性ポリアミドマルチフィラメント糸の比率や単糸繊度比が上記範囲より大きい場合、自発伸長糸による弛み部分が少なくなるために、ソフト感やウールライク感に乏しいものとなりやすい。
また、本発明の自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸と高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸ともに、単糸繊度は8.0dtex以下、さらには6.0dtex以下で1.0dtex以上のものとすることが好ましい。これにより、混繊加工糸を用いた布帛の風合いを嵩高感、ウールライク感に加えて、コシのあるものとすることができる。
本発明の混繊加工糸は、本発明の自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸と高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸とが混繊交絡されたものであり、インターレースによって流体処理されたものとすることが好ましい。混繊加工糸の交絡数は40〜100個/m、中でも45〜95個/mとすることが好ましい。交絡数が40個/m未満の場合は芯糸と鞘糸の一体化が不十分となり、開繊が生じて製織性不良や織物にしたときに欠点が生じやすくなる。一方、100個/mを超えるときには、交絡数過剰により、嵩高性やソフト感が乏しくなりやすい。
なお、本発明の自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸、本発明のポリアミド混繊加工糸における高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸ともに、ポリアミド系熱可塑性ポリマーからなるものであるが、本発明におけるポリアミド系熱可塑性ポリマーとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン69、ナイロン46等あるいはこれらの共重合体が挙げられる。また、これらのポリマ−には、その効果を損なわない範囲であれば、各種の共重合成分、艶消剤、改質剤、制電剤、顔料等の各種の添加剤を含んだものでもよい。
本発明の混繊加工糸は熱処理することにより嵩高加工糸となるものであるが、製編織した後、熱処理を施すことが好ましく、これにより混繊加工糸に収縮が生じ、高品位の織編物となるものである。このとき、製編織条件は特に限定するものではなく、通常の織編物を得るような密度、組織で製編織を行えばよい。
そして、収縮や伸長を生じさせる熱処理としては、染色工程で行うことが好ましく、染色工程には、精練、染色、フィックス(余分な染料の除去工程)、F.S.(生機の風合いの調整及び熱固定)等の工程があり、各工程における熱処理条件は、繊度、織組織などに合わせて調整を行えばよいが、一般的には以下のような条件で処理を行うことが好ましい。
製錬工程 :70℃〜80℃、20分〜30分
染色工程 :100℃、30分
フィックス工程 :70℃〜80℃、15分〜25分
F.S.工程:160℃〜170℃、30秒
次に、本発明の自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸及び混繊加工糸の製造方法について説明する。
まず、自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸は、上記したポリアミドを常法により溶融紡糸し、冷却固化した後、油剤を付与し、延伸することなく巻取速度400〜1500m/min程度で巻き取る。次に、この未延伸糸を延伸加工機に供給して延伸を行なう。このとき、ローラ間で倍率0.90〜2.0倍、ローラ間に熱処理ヒーターを設け、温度100〜180℃で熱延伸することによって得ることができる。
次に、本発明の混繊加工糸を構成する高収縮性のポリアミドマルチフィラメントは、合成繊維の製造の常法に従い得ることができる。すなわち、紡糸した糸条を一旦未延伸糸として巻き取り、巻き取った未延伸糸を延伸機で延伸する二工程法と、紡糸した糸を一旦巻き取ることなくローラ間で延伸した後に巻き取る一工程法のどちらを採用してもよいが、生産性よく製造するためには、直接紡糸延伸法による高速溶融紡糸法である一工程法を用いることが好ましい。
一工程法の場合について説明する。紡糸速度1500〜2000m/minで溶融紡糸した糸条を冷却固化した後、油剤を付与し、ローラ間で倍率1.8〜2.5倍、ローラ温度100〜160℃で熱延伸した後、巻取速度2000〜4000m/minで巻き取る。
次に、本発明の混繊加工糸は、上述した自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸と高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸とを引き揃え、インターレースによる交絡処理を施して混繊加工した後に巻き取ることによって得ることができる。
本発明の混繊加工糸は、自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸の熱収縮特性が特定のものであるため、自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸と高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸とを混繊加工時に糸長差をもたせる必要がない。
図1を用いて説明する。図1は本発明の混繊加工糸の製造工程の一実施態様を示す概略工程図である。
まず、自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸を案内ガイドを通して引き出し、第一ローラ1と第二ローラ2との間で延伸倍率1.01〜1.20として延伸する。このとき第一ローラ1と第二ローラ2との間に箱型ヒータ4(非接触式熱処理ヒータ)を設置して、走行する糸条に温度140〜180℃で熱処理を施して熱延伸する。そして、第二ローラ2上で高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸と引き揃えを行い、インターレーサー5に導き交絡を付与する。交絡処理は、前述した交絡数の範囲内になるようにするため、混繊加工時の糸速100〜600m/minで巻き取りながら、インターレースのエアー圧0.1〜4.0MPaとして行なうことが好ましい。続いて第三ローラ3を介してチーズ状に巻き取り、パッケージ6を得る。
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明における各物性値、交絡数の測定及び織物の評価は以下のように行った。
(a)相対粘度
96%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dl、温度25℃で測定した。
(b)交絡数は、JIS L 1013 『より数』に記載の方法に準じて測定を行い、糸条1mあたりの数値で表した。
(c)織物の品位評価
得られた混繊加工糸を用いて、緯糸密度134本/2.54cm、経糸密度202本/2.54cmでツイル織物を製織し、得られた織物をサーキュラー染色試験機(株式会社日阪製作所製)にて、界面活性剤(日華化学株式会社製、サンモールFL)を濃度1g/リットルで用い、苛性ソーダ1g/1を用いて80℃で30分精錬を行い、続いて酸性染料(Tectilon Yellow4R)を1%0.w.f、酢酸0.3cc/1、均染剤(丸菱油化株式会社製、レベランNDK)を2% o.m.fで使用し、100℃で30分染色を行なった。その後、染料固着剤(日華化学株式会社製、サンライフ E27)を2% o.m.fで用いて80℃で20分でフィックス処理を行ない、最後に170℃で30秒間F.S.作業を行なった。
以上のように、染色、熱処理した後の織物の柔軟性と嵩高感・ウールライク調・織物欠点の有無の3つの評価について、それぞれについて目視及び触感による官能評価をパネラー10人で行い、一人10点満点で採点し、その合計点により以下のように4段階評価とした。
100〜85点 ◎
84〜70点 ○
69〜40点 △
39〜 0点 ×
実施例1
相対粘度2.6のナイロン6を溶融紡糸し、冷却固化した後、油剤を付与し、延伸することなく巻取速度400m/min程度で巻き取る。次に、この未延伸糸を延伸加工機に供給し、ローラ間で倍率1.10倍、ローラ間に熱処理ヒータを設け、温度160℃で熱延伸することによって、伸度324.5%、熱水収縮率2.8%、乾熱収縮率2.5%の自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸(100dtex/24f)を得た。
次に、相対粘度2、49のナイロン6/66共重合体〔共重合比率:N6/N66=85/15〕を用い、温度258℃で溶融紡糸し、紡糸した後、非水系油剤を付与し、ローラ間で倍率2.2倍、ローラ温度120℃で熱延伸した後、巻取速度3500m/minで巻き取り、伸度63.9%、熱水収縮率20.5%、乾熱収縮率16.7%の40dtex/6fの高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸を得た。
そして、図1に示す工程図に基づき、まず、上記の自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸を、第一ローラ1と第二ローラ2との間の箱型ヒータ4で温度160℃の熱処理を行いながら、延伸倍率1.10、時間0.14秒で熱延伸を行った。次に、自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸と高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸とを引き揃えてインターレーサー5(デュポン社製のインタレーサーJC−16C)に供給し、エアー圧0.3Mpaで空気交絡処理を施し、巻き取り速度250m/minで巻き取り、高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸と自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸との比率(質量比)が高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸:自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸=4:9、交絡数58.5個/m、130dtex/30fの混繊加工糸(単糸繊度比−高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸の単糸繊度:自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸の単糸繊度=9:5)を得た。
実施例2、比較例3
自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸を製造する際の延伸倍率を表1に示すように変更し、伸度、熱水収縮率、乾熱収縮率、繊度の値を表1に示すものとした以外は実施例1と同様にして行なった。
実施例3、比較例1、2
自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸を製造する際のヒータ温度を表1に示すように変更し、伸度、熱水収縮率、乾熱収縮率の値を表1に示すものとした以外は実施例1と同様にして行なった。
比較例4、5
高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸を製造する際の延伸倍率を表1に示すように変更し、伸度、熱水収縮率、乾熱収縮率、繊度の値を表1に示すものとした以外は実施例1と同様にして行なった。
実施例1〜3、比較例1〜5で得られた自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸、高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸の伸度、熱水収縮率、乾熱収縮率、繊度、得られた混繊加工糸の伸度、熱水収縮率、乾熱収縮率、交絡数及び織物の品位の結果を表1に示す。
Figure 2005179815
表1から明らかなように、実施例1〜3で得られた混繊加工糸は、自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸の伸度、熱水収縮率、乾熱収縮率ともに適正範囲内であり、混繊加工糸の伸度、熱水収縮率、乾熱収縮率も適正範囲内のものであったため、この混繊加工糸から得られた織物は、熱処理すると、嵩高性、ソフト感に優れ、ワックス感のないウールライク感を有しており、製織性にも優れているため、織欠点のない品位の高いものであった。
一方、比較例1、3で得られた混繊加工糸は、自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸の熱水収縮率、乾熱収縮率が高かったため、熱処理時に鞘糸の伸長性が不足するものとなり、このため、これらの混繊加工糸からなる織物は、熱処理を施しても嵩高性、ソフト感に乏しく、ウールライク感にも乏しいものとなった。比較例2で得られた混繊加工糸は、自発伸長性ポリアミドマルチフィラメント糸の伸度が高く、熱水収縮率、乾熱収縮率が低かったため、鞘糸の熱処理による伸長が大きくなりすぎ、このため、この混繊加工糸からなる織物は、熱処理を施すと、収縮が不均一なものとなり、織物欠点の生じたものとなった。比較例4で得られた混繊加工糸は、高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸の伸度、熱水収縮率、乾熱収縮率が低かったため、伸度、熱水収縮率、乾熱収縮率の全てが低いものとなり、布帛に十分な嵩高性やソフト感を付与することができず、ウールライク感にも乏しく、織物欠点も多いものとなった。一方、比較例5で得られた混繊加工糸は、高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸の伸度、熱水収縮率、乾熱収縮率が高かったため、伸度、熱水収縮率、乾熱収縮率の全てが高いものとなり、熱処理した際に収縮に斑が生じ、嵩高性が糸長方向でばらつき、得られる布帛の品位が低下した。
本発明の嵩高混繊加工糸の製造方法の一実施態様を示す部分工程図である。
符号の説明
1 第一ローラ
2 第二ローラ
3 第三ローラ
4 箱型ヒーター
5 インターレーサー
6 パッケージ

Claims (2)

  1. 伸度260〜350%、熱水収縮率−1.0〜4.0%、乾熱収縮率−1.5〜3.5%であることを特徴とするポリアミドマルチフィラメント糸。
  2. 高収縮性のポリアミドマルチフィラメント糸を芯糸、伸度260〜350%、熱水収縮率−1.0〜4.0%、乾熱収縮率−1.5〜3.5%であるポリアミドマルチフィラメント糸を鞘糸として混繊交絡されている芯鞘構造の加工糸であって、加工糸の伸度30〜65%、熱水収縮率10〜30%、乾熱収縮率5〜25%であることを特徴とするポリアミド混繊加工糸。
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