JP2011131395A - 吸湿層を有するガスバリア性積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材の少なくとも片面にガスバリア層を有するガスバリア性フィルム層(A)と、ポリアルキレンオキサイド、アクリレートナノ粒子及び有機金属錯体のいずれか1種以上を含有する吸湿層(B)とを備えるガスバリア性積層体を提案する。ポリアルキレンオキサイド、アクリレートナノ粒子及び有機金属錯体は、低湿度下においても高い飽和吸湿量を有することから、ガスバリア性フィルムで吸湿層が挟まれたような低湿度環境下においても高い吸湿性能を発揮することができる。
【選択図】図1
Description
また、ガスバリア性フィルムは、包装用途以外にも、近年、液晶表示素子、太陽電池、電磁波シールド、タッチパネル、EL用基板、カラーフィルター等で使用する透明導電シートの一部などの新しい用途にも注目されている。
また特許文献2には、ポリビニルアルコールからなる中間被覆層と、アルカリ土類金属酸化物からなる蒸着薄膜層とを備えた構成の水分吸収機能を持つ蒸着フィルム積層体が開示され、特許文献3や特許文献4には、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ(ビニルアルコール−CO−エチレン)フィルム及びナイロンなどの水分吸収保持能力のある透明プラスチック基材を挟み込んだ形で貼り合わせて積層したスタック構造をもつガスバリア積層体について開示されている。
そこで、本発明の課題は、透明性と高い吸湿性能とを有する吸湿層を備えたガスバリア性積層体を提供することにある。
第1の本発明であるガスバリア性積層体としては、基材の少なくとも片面にガスバリア層を有するガスバリア性フィルム層(A)と、ポリアルキレンオキサイド、アクリレートナノ粒子及び有機金属錯体のいずれか1種以上を含有する吸湿層(B)とを備えるものであれば、特に制限されず、特定の材料を含有する吸湿層(B)を備えることで、ガスバリア性フィルム層(A)を透湿した水蒸気を吸湿層で捕捉することができ、透明性と高い吸湿性能とを発揮することができる。中でも、2つのガスバリア性フィルムで吸湿層(B)が挟まれた構成のガスバリア性積層体では、吸湿層(B)は低湿度環境下にあり、従来吸湿層の材料として採用されてきたポリビニルアルコールやエチレン−酢酸ビニル共重合体では、このような環境下では十分な吸湿性能を発揮することができなかったが、上記特定材料を含有した吸湿層(B)であれば、このような低湿度環境下においても、十分な吸湿性能を発揮することができる。
吸湿層(B)としては、ポリアルキレンオキサイド、アクリレートナノ粒子及び有機金属錯体のいずれか1種以上を含有するものであれば特に制限されず、ポリアルキレンオキサイドとしては、例えば、アルキレングリコールポリマー、アルキレングリコール系ポリマー、アルキレングリコール系重合体、アルキレングリコール重合体、オキシアルキレンポリマ、オキシアルキレン重合体、ポリアルキレンオキサイド、ポリアルキレンオキシド、ポリアルキレングリコール、ポリオキシアルキレン、ポリ(アルキレンオキサイド)、ポリ(アルキレンオキシド)、ポリ(アルキレングリコール)、ポリ(オキシアルキレン))などを挙げることができる。
これらは農業園芸用保水材、帯電防止フィルムなどとして使用されている吸水性、親水性の樹脂であり、市販のペレット状の原料として入手することができ、押出機によりシート状に製膜することができる。また、水溶液のコート剤として使用してもよい。市販で入手できる製品として、例えば、商品名「アクアコーク」(住友精化株式会社製)などが挙げられる。
上記ガスバリア性フィルム層(A)としては、基材の少なくとも片面にガスバリア層を有するものであれば、特に制限されるものではなく、ポリエチレンテレフタレートなどの基材に、シリカなどの無機酸化物や金属などの蒸着膜からなるガスバリア層を積層させて成るフィルム状物を挙げることができる。中でも、温度40℃、湿度90%RHの条件下で測定した水蒸気透過率が、2.0g/m2・day未満であるガスバリア性フィルムを用いることが好ましく、このようなガスバリア性フィルムは、商品名「テックバリア」(三菱樹脂株式会社製)として、入手することができる。
ガスバリア性積層体の積層構成としては、ガスバリア性フィルム層(A)/吸湿層(B)の2層構成のほか、ガスバリア性フィルム層(A)/吸湿層(B)/ガスバリア性フィルム層(C)の3層構成などを挙げることができる。中でも2つのガスバリア性フィルムで吸湿層を挟んだ3層構成においては、吸湿層(B)は低湿度環境下となるため、特定材料を含有した吸湿層(B)がより効果を発揮することができる。
なお、ガスバリア性フィルム層(C)としては、上述したガスバリア性フィル層(A)と同様の材料から構成することができる。
ガスバリア性積層体の製造方法としては、何ら制限されることはなく、例えば、押出ラミネート法や、接着剤を用いたドライラミネート法などを用いて、ガスバリア性フィルム層や吸湿層を積層させることで製造することができる。
第2の本発明の太陽電池パネルとしては、第1の本発明であるガスバリア性積層体をその構成部材の1つとして用いたものであれば特に制限されるものではなく、本発明のガスバリア性積層体の持つ性質から、例えば、太陽電池パネルのバックシートなどに用いることができる。
第3の本発明の有機EL装置としては、第1の本発明であるガスバリア性積層体をその構成部材の1つとして用いたものであれば特に制限されるものではなく、本発明のガスバリア性積層体の持つ性質から、例えば、有機EL装置の有機EL素子の防湿フィルムなどに用いることができる。
ASTM−F1249に準処して、透湿度測定装置(モダンコントロール社製「P e r matran−W1」)を使用し、温度40℃、相対湿度90%の条件下で測定した。
JISK−7105に準じて、分光光度計を用いて測定した。
40℃、90%で測定した水蒸気透過率が1.4g/m2/dayである片面にシリカを蒸着した厚み12μmの2軸延伸PETフィルム(商品名「テックバリア」、三菱樹脂株式会社製)を使用した。
さらに前記と同様の透明蒸着フィルムの蒸着面にウレタン系接着剤(東洋モートン社製接着剤「AD−900」と「CAT−RT85」を10:1.5の割合で配合)を塗布後乾燥し、厚さ4μmの接着樹脂層を形成した。この接着樹脂層と上記吸湿層をドライラミネートし、40℃×3日間真空乾燥による養生を行い測定サンプルとした。
実施例1で用いた透明蒸着フィルムの蒸着面に実施例1で用いたウレタン系接着剤を塗布後乾燥し、厚さ4μmの接着樹脂層を形成した。この接着樹脂層と上記のポリアルキレンオキサイドとPETフィルムのラミネートフィルムのポリアルキレンオキサイド側をドライラミネートし、PETフィルムを剥離し、ポリアルキレンオキサイド/ウレタン系接着剤/透明蒸着フィルムのサンプルを得た。
さらに別に用意した前記と同様の透明蒸着フィルムの蒸着面にウレタン系接着剤(東洋モートン社製接着剤「AD−900」と「CAT−RT85」を10:1.5の割合で配合) を塗布後乾燥し、厚さ4μmの接着樹脂層を形成し、上記サンプルのポリアルキレンオキサイド側をドライラミネートし、測定サンプルとした。
実施例1で用いた透明蒸着フィルムの蒸着面に実施例1で用いたウレタン系接着剤を塗布後乾燥し、厚さ4μmの接着樹脂層を形成した。この接着樹脂層と上記の変性アクリル粒子とPETフィルムのラミネートフィルムの変性アクリル粒子側をドライラミネートし、PETフィルムを剥離し、変性アクリル粒子/ウレタン系接着剤/透明蒸着フィルムのサンプルを得た。
さらに別に用意した前記と同様の透明蒸着フィルムの蒸着面に実施例1で用いたウレタン系接着剤を塗布後乾燥し、厚さ4μmの接着樹脂層を形成し、上記サンプルの変性アクリル粒子側をドライラミネートし、測定サンプルとした。
実施例1で用いた透明蒸着フィルムを単体でサンプルとした。
実施例1で用いた透明蒸着フィルムの蒸着面に実施例1で用いたウレタン系接着剤を塗布後乾燥し、厚さ4μmの接着樹脂層を形成した。この接着樹脂層と前記と同じ透明蒸着フィルムをドライラミネートし、40℃×3日間真空乾燥による養生を行い測定サンプルとした。
平均粒径4μmのシリカ粒子(商品名「サイリシア350」、富士シリシア社製)30wt%とLLDPE(商品名「LUMITAC08L55A」、東ソー製社製)70wt%のドライブレンド混合物を2軸混練押出機により150℃で混練し、実施例2同様にして、20μの厚みで、PETフィルム2枚の間にサンドラミネートし、片面のPETフィルムを剥離してラミネートフィルムを得た。
実施例1で用いた透明蒸着フィルムの蒸着面に実施例1で用いたウレタン系接着剤を塗布後乾燥し、厚さ4μmの接着樹脂層を形成した。この接着樹脂層と上記の変性アクリルとPETフィルムのラミネートフィルムのシリカ粒子面側をドライラミネートし、PETフィルムを剥離し、シリカ粒子/ウレタン系接着剤/透明蒸着フィルムのサンプルを得た。
さらに別に用意した前記と同様の透明蒸着フィルムの蒸着面に実施例1で用いたウレタン系接着剤を塗布後乾燥し、厚さ4μmの接着樹脂層を形成し、上記サンプルのシリカ粒子面側をドライラミネートし、測定サンプルとした。
2 接着剤層
3 吸湿層(B)
Claims (9)
- 基材の少なくとも片面にガスバリア層を有するガスバリア性フィルム層(A)と、ポリアルキレンオキサイド、アクリレートナノ粒子及び有機金属錯体のいずれか1種以上を含有する吸湿層(B)とを備えるガスバリア性積層体。
- 前記吸湿層(B)の厚みが、10〜50μmである、請求項1記載のガスバリア性積層体。
- 前記ガスバリア性フィルム層(A)の温度40℃、湿度90%RHの条件下で測定した水蒸気透過率が、2.0g/m2・day未満である、請求項1又は2記載のガスバリア性積層体。
- 前記ガスバリア性フィルム層(A)が、ポリエチレンテレフタレートフィルム基材の少なくとも片面にシリカを蒸着して成る、請求項1〜3のいずれか記載のガスバリア性積層体。
- 前記吸湿層(B)の前記ガスバリア性フィルム層(A)が積層された面と反対面に、ガスバリア性フィルム層(C)を積層した構成を備える請求項1〜4のいずれか記載のガスバリア性積層体。
- 積層体の全光線透過率が80%以上であり、かつヘーズが10%未満である、請求項1〜5のいずれか記載のガスバリア性積層体。
- 積層体の温度40℃、湿度90%RHの条件下で測定した、水蒸気透過率が2.0g/m2・day未満である、請求項1〜6のいずれか記載のガスバリア性積層体。
- 請求項1〜7のいずれか記載のガスバリア性積層体を有する太陽電池パネル。
- 請求項1〜7のいずれか記載のガスバリア性積層体を有する有機EL装置。
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