JP5966821B2 - ガスバリア積層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、対象物をガスから守るガスバリア積層フィルムに関する。
この種のガスバリアフィルムは、空気中の湿気、酸素、炭酸ガスなどのガスから対象物を守り、品質・性能の劣化を抑制する役割を有しており、食品・医薬品などの包装材料をはじめ、太陽電池バックシートや電子ペーパー、有機ELなどのエレクトロニクス分野でのガラスやアルミ箔などの代替としての採用も検討されている。
現在、バリアフィルムの主な種類は、エチレンビニルアルコール共重合樹脂などの単体フィルム、共押出多層ナイロン(Ny)フィルム、塩化ビニリデン(PVDC)コートやポリビニルアルコール(ポリビニルアルコール)コートのウェットコートフィルムなどがある。これらの種類のフィルムは、ガスバリア性が高いものでも水蒸気透過度3g/m・day程度であり、より高度なガスバリア性が要求される包装材や電子部材としての利用は難しい。従って、より高度なバリア性を要求される場合は、アルミニウムなどの金属箔を積層せざるを得なかった。
しかしながら、金属箔を積層したフィルムを用いた包装材では、内容物が見えない、内容物検査に金属探知機を使用できない、などの問題を有する。
これらの問題を克服するために、高分子樹脂基材上に、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素などの無機化合物を蒸着した透明なガスバリア性フィルムに関する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、蒸着層の樹脂基材への密着性を向上させるために、樹脂基材と蒸着層の間に、アンカーコート層を設けたフィルム構造が多く提案されている(例えば、特許文献2〜4参照。)。これらのアンカーコート層の材料には、アクリル系の樹脂を用いることが多く、特に、アクリルポリオールとイソシアネート系化合物との反応複合物あるいはそれにシランカップリング剤が添加されたものをアンカーコート層として用いることによりボイル殺菌やレトルト殺菌後も物性の劣化がなく、デラミネーション等の発生がない高い耐ボイル性、耐レトルト性を有するガスバリア性フィルムを実現している。
特公昭63−28017号公報 特開2004−106443号公報 特開2007−69456号公報 特開2002−36419号公報
しかしながら、これらのガスバリア性フィルムでは、水蒸気バリア性が劣り、良好な水蒸気バリア性が要求される電子部品の包装材や太陽電池のバックシートなどへの利用が困難であるという問題を有する。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、良好な水蒸気バリア性を有したガスバリア積層フィルムを提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、樹脂基材の少なくとも片面にアンカーコート層、蒸着層が順に積層されたガスバリア積層フィルムであって、前記アンカーコート層が、ヒドロキシル基とカルボキシル基を含有するアクリルポリオールと分子内にイソシアネート基を少なくとも2個以上有するイソシアネート系化合物との複合物によって形成され、且つ、前記蒸着層が、金属珪素と酸化珪素とを含有した蒸着材料に、さらにアルミニウム、亜鉛、スズ、鉄から選ばれるいずれかの金属あるいは金属酸化物を含有した蒸着材料を蒸着させたものであることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のガスバリア積層フィルムにおいて、前記アンカーコート層の、ヒドロキシル基とカルボキシル基を含有するアクリルポリオールについて、水酸基価が50mgKOH/g以上250mgKOH/g以下、酸価が5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のガスバリア積層フィルムにおいて、前記蒸着層に、アルミニウム、亜鉛、スズ、鉄から選ばれるいずれかの金属あるいは金属酸化物が含有されており、蒸着膜中にいずれかの金属元素が2 atm.%以上50 atm.%以下含有されてなることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか記載のガスバリア積層フィルムにおいて、さらに、オーバーコート層を積層し、該オーバーコート層が、ヒドロキシル基を有する水溶性高分子、あるいはカルボキシル基を有する水溶性高分子、あるいはヒドロキシル基とカルボキシル基を含有するアクリルポリオールのいずれかひとつによって形成されることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のガスバリア積層フィルムにおいて、前記オーバーコート層に、カルボキシル基を含有する化合物が必須成分として含まれおり、カルボキシル基含有化合物に、ポリアクリル酸もしくはヒドロキシル基とカルボキシル基を含有するアクリルポリオールのいずれかひとつが含まれることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項4又は請求項5に記載のガスバリア積層フィルムおいて、前記オーバーコート層が、分子内にイソシアネート基を少なくとも2個以上有するイソシアネート系化合物を含有することを特徴とする。
本発明によれば、良好な水蒸気バリア性を有したガスバリア積層フィルムを提供することができる。
本発明の一実施の形態に係るガスバリア積層フィルムの要部を示した断面図である。 本発明の他の実施の形態に係るガスバリア積層フィルムの要部を示した断面図である。 本発明の他の実施の形態に係るガスバリア積層フィルムの要部を示した断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係るガスバリア積層フィルムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る本発明のガスバリア積層フィルム10の要部を示すもので、樹脂基材11の少なくとも片面に、アンカーコート層12、蒸着層13が順次積層されて構成され、所望の高い水蒸気バリア性を得ている。
なお、このアンカーコート層12、蒸着層13は、樹脂基材11の両面にそれぞれ順次積層するように構成してもよい。
樹脂基材11としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルムなどがある。樹脂基材11の厚みは、特に制限を設けないが、実用上6μm以上200μm以下程度がよく、好ましくは12μm以上125μm以下、さらに好ましくは12μm以上25μm以下がよい。
また、樹脂基材11の他の層を積層する側の表面には、密着性を高めるため、コロナ処理、プラズマ処理、フレーム処理などの物理的処理や、酸やアルカリによる薬液処理などの化学的処理を施してもよい。
アンカーコート層12は、樹脂基材11上に設けられ、樹脂基材11と蒸着層13との密着性を高め、ボイル殺菌やレトルト殺菌などの各種殺菌処理や、長期屋外設置による蒸着層の剥離発生を防止するために設けられる。
アンカーコート層12は、ヒドロキシル基とカルボキシル基を含有するアクリルポリオールとイソシアネート系化合物との複合物を用いて形成されることにより、樹脂基材11と蒸着層13との密着性を高めることができる。
アクリルポリオールとは、(メタ)アクリル酸誘導体モノマーを重合させて得られる高分子化合物、又は(メタ)アクリル酸誘導体モノマーとその他のモノマーとを共重合させて得られる高分子化合物などのうち、末端と側鎖とにヒドロキシル基を有するもので、イソシアネート系化合物のイソシアネート基と反応するものである。
末端と側鎖とにヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどがある。
末端と側鎖とにヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマーと共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレートなどの側鎖にアルキル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマー、(メタ)アクリル酸などの側鎖にカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマー、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの側鎖に芳香環や環状構造を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマーがある。(メタ)アクリル酸誘導体モノマー以外では、スチレンモノマー、シクロヘキシルマレイミドモノマー、フェニルマレイミドモノマーなどがある。上記のその他のモノマーは、それ自身が末端と側鎖とにヒドロキシル基を有していてもよい。
アクリルポリオールは、特に(メタ)アクリル酸などの側鎖にカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体モノマーを重合させて得られる高分子化合物であることが好ましい。カルボキシル基を有するモノマーを重合させて得られるアクリルポリオールとイソシアネート系化合物との複合物を用いてアンカーコート層12を形成することにより、より高い水蒸気バリア性を有するガスバリア積層フィルムを得ることができる。
カルボキシル基を有するアクリルポリオールは、側鎖のカルボキシル基と、蒸着層13に含まれる金属イオンとが、イオン架橋を形成することから、アンカーコート層12と蒸着層13の密着性を高め、これにより得られたガスバリア積層フィルムは、より高いバリア性を発現する。
アンカーコート層12の、ヒドロキシル基とカルボキシル基を含有するアクリルポリオールについて、水酸基価が50mgKOH/g以上250mgKOH/g以下、酸価が5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることが望ましい。水酸基価が50mgKOH/gよりも小さいと、イソシアネート系硬化剤との反応量が少なく、密着力が十分発現しない。250mgKOH/gを超えると、イソシアネート系化合物との反応量が多くなり過ぎてアンカーコート層12の膜収縮が大きくなり、蒸着層13がきれいに積層されず、十分なバリア性を示さない。酸価が5mgKOH/gよりも小さいと、蒸着層13の金属イオンとカルボキシル基との反応量が少なく、密着力が十分発現しない。50mgKOH/gを超えると、蒸着層13の金属イオンとカルボキシル基との反応量が多くなり過ぎてアンカーコート層12の膜収縮が大きくなり、蒸着層13がきれいに積層されず、十分なバリア性を示さない。
水酸基価(mgKOH/g)とは、アクリルポリオール中のヒドロキシル基量の指標であり、アクリルポリオール1g中のヒドロキシル基をアセチル化するために必要な水酸化カリウムのmg数を示す。
酸価(mgKOH/g)とは、アクリルポリオール中のカルボキシル基量の指標であり、アクリルポリオール1g中のカルボキシル基を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数を示す。
アクリルポリオールの重量平均分子量は、特に規定しないが、具体的には、3000以上200000以下、好ましくは5000以上100000以下、さらに好ましくは5000以上40000以下である。
イソシアネート系化合物とは、その分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものである。例えば、モノマー系イソシアネートとして、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などの芳香族系イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ビスイソシアネートメチルシクロヘキサン(H6XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)などの脂肪族系イソシアネートなどがある。また、これらのモノマー系イソシアネートの重合体あるいは誘導体も使用可能である。例えば、3量体のヌレート型、1,1,1−トリメチロールプロパンなどと反応させたアダクト型、ビウレットと反応させたビウレット型などがある。
イソシアネート系化合物は、上記のイソシアネート系化合物あるいはその重合体、誘導体から任意に選択してよく、1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
アンカーコート層12は、上記のアクリルポリオールと上記のイソシアネート系化合物との複合物と溶媒とからなる溶液を樹脂基材11上に塗工し、反応硬化させることにより形成される。用いられる溶媒としては、上記アクリルポリオール及びイソシアネート系化合物を溶解する溶媒であればよく、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサノン、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキソラン、テトラヒドロフランなどが挙げられ、これらの溶媒を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
アンカーコート層12の形成方法としては、通常のコーティング方法を用いることができる。例えば、ディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等の周知の方法を用いることができる。乾燥方法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射など熱をかける方法を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
アンカーコート層12の膜厚は、0.1μm以上0.5μm以下が望ましく、好ましくは0.1μm以上0.3μm以下である。これよりも厚みが薄いと、樹脂基材11と蒸着層13との密着性が不十分となり、0.5μmよりも厚いと内部応力の影響が大きくなり、蒸着層13がきれいに積層されず、バリア性の発現が不十分となる問題がある。
蒸着層13は、アンカーコート層12上に設けられ、フィルム全体にガスバリア性を付与するために設けられる。
蒸着層13には、金属珪素と酸化珪素とを含有した蒸着材料に、さらにアルミニウム、亜鉛、スズ、鉄から選ばれるいずれかの金属あるいは金属酸化物を含有した蒸着材料を用いることが好ましい。
金属珪素と酸化珪素とを含有した蒸着材料を蒸着させることで、フィルム全体に高いガスバリア性を付与することができる。さらに、金属珪素と酸化珪素にアルミニウム、亜鉛、スズ、鉄から選ばれるいずれかの金属あるいは金属酸化物を含有した蒸着材料を蒸着させることで、膜密度の高い蒸着層13が形成され、高い水蒸気バリア性を発現するとともに、ヒドロキシル基とカルボキシル基を含有するアクリルポリオールと分子内にイソシアネート基を少なくとも2個以上有するイソシアネート系化合物との複合物によって形成されたアンカーコート層12との相乗効果により、フィルム全体のガスバリア性をより高めることが可能となる。
金属珪素と酸化珪素は、蒸着膜中の元素比O/Siが1.2以上2.0以下になることが望ましい。元素比O/Siが1.2より小さいと、蒸着膜に含まれる酸化物成分が少ないため、フィルムの透明性が低下する。元素比O/Siが2.0を超えることは理論上起こらない。アルミニウム、亜鉛、スズ、鉄から選ばれるいずれかの金属あるいは金属酸化物は、蒸着膜中にいずれかの金属元素が2 atm.%以上50 atm.%以下含有されていることが望ましい。2 atm.%より小さいと、含有率が低すぎるため、添加による水蒸気バリア性向上効果が得られず、50 atm.%を超えると、蒸着したフィルムに含まれる金属成分の量が多くなるため、フィルムの耐水性が低下する。
蒸着層13の形成方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ気相成長法などの公知の方法を適宜用いてよいが、真空蒸着法が望ましい。また、蒸着層13の透明性を上げるために、蒸着材料を蒸着させる際に、蒸発した粒子と雰囲気中に導入した酸素ガスなどと反応させて蒸着させる反応蒸着をさせてもよい。酸素ガスやアルゴンガスとの反応蒸着を行うことにより、蒸着材料中の金属成分が酸化され、蒸着層13の透明性を向上させることができる。ガスを導入する際は、成膜室の圧力が2×10−1Pa以下にすることが望ましい。成膜室の圧力が2×10−1Paよりも大きくなってしまうと、蒸着層13がきれいに積層されず、水蒸気バリア性が低下してしまう。
蒸着層13の膜厚は、0.005μm以上0.3μm以下が好ましく、さらに好ましくは0.03μm以上0.05μm以下である。0.005μmよりも小さいと十分なバリア性が発現せず、また0.3μmを超えると脆く、クラックが発生しやすくなり、バリア性が発現しない問題が生じる。
また、本発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、例えば図2及び図3に示すように構成しても、同様の効果が期待される。
図2に示すガスバリア積層フィルム20では、上記蒸着膜層13の上に、ヒドロキシル基を有する水溶性高分子、あるいはカルボキシル基を有する水溶性高分子、あるいはヒドロキシル基とカルボキシル基を含有するアクリルポリオールのいずれかひとつを含有するコーティング液からなる薄膜の乾燥被膜であるオーバーコート層21を設けて構成したものである。
オーバーコート層21は、硬く脆い蒸着層13を保護し、擦れや屈曲によるクラックの発生を防止するために設けられ、ヒドロキシル基を有する水溶性高分子、あるいはカルボキシル基を有する水溶性高分子、あるいはヒドロキシル基とカルボキシル基を含有するアクリルポリオールのいずれかひとつを含有した成分からなる。ヒドロキシル基を有する水溶性高分子、あるいはカルボキシル基を有する水溶性高分子、あるいはヒドロキシル基とカルボキシル基を含有するアクリルポリオールのいずれかひとつを含有するコーティング液を蒸着層13の上に塗工し、乾燥させることにより形成される。
オーバーコート層21の形成方法としては、アンカーコート層12と同様に通常のコーティング方法を用いることができる。例えばディッピング法、ロールコート、グラビアコート、リバースコート、エアナイフコート、コンマコート、ダイコート、スクリーン印刷法、スプレーコート、グラビアオフセット法等の周知の方法を用いることができる。乾燥方法は、熱風乾燥、熱ロール乾燥、高周波照射、赤外線照射、UV照射など熱をかける方法を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
オーバーコート層21を形成する水溶性高分子としては、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリアクリル酸樹脂(PAA)、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVヒドロキシル)、ポリビニルピロリドン樹脂(PVP)、あるいは、ヒドロキシル基とカルボキシル基を有するアクリルポリオールを用いることができ、これらを単独あるいは複数組み合わせて用いてもよい。
また、蒸着層13との密着性を上げるために、アルコキシシランを添加してもよい。アルコキシシランとしては、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラプロポキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランなどを用いることができる。また、アルコキシシランの加水分解生成物としては、メタノールなどのアルコールにアルコキシシランを溶解し、その溶液に塩酸などの酸の水溶液を添加し、加水分解反応させることにより調製したものが挙げられる。
また、蒸着層13との密着性を上げるために、シランカップリング剤を添加してもよい。シランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するもの、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するもの、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト基を有するもの、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのイソシアネート基を有するものなどが挙げられ、これらのシランカップリング剤を1種類あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。
また、蒸着層13との密着性を上げるために、分子内にイソシアネート基を少なくとも2個以上有するイソシアネート系化合物を添加してもよい。
また、図3に示すガスバリア積層フィルム30は、上記スバリア積層フィルム20の両面に、接着剤層31を介してラミネート樹脂層32を設けて、より実用性の高い積層フィルム構造を実現したものである。ラミネート樹脂層32は、ヒートシール性のあるシーラントフィルムを積層することで、袋状包装体などを形成する際の接着部に利用される。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びそれらの金属架橋物等の樹脂が用いられる。厚さは、目的に応じて決められるが、一般的には15μm以上200μm以下の範囲である。なお、ラミネート樹脂層32は、接着剤層31を介して図2に示すガスバリア積層フィルム20の片面にのみ設けるように構成してもよい。
また、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムを本発明のガスバリア積層フィルムの片面または両面に積層することで、液晶表示素子や、太陽電池、電磁波シールド、タッチパネルで使用する透明伝導シートなどの封止材として用いることもできる。
以下、本発明の実施の形態に係る実施例1〜4及び比較例1〜3を表1に示すように作製して比較検討する。
Figure 0005966821
<アンカーコート層溶液の調液>
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、メチルメタクリレート(MMA)、メタクリル酸(MAA)をモノマーとして共重合させて得られたアクリルポリオール(重量平均分子量10×10)を主剤とし、HDIヌレート型のイソシアネート系硬化剤を主剤のヒドロキシル基量に対して1当量配合したメチルエチルケトン5%溶液、及びヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、メチルメタクリレート(MMA)、をモノマーとして共重合させて得られたアクリルポリオール(重量平均分子量10×10)を主剤とし、HDIヌレート型のイソシアネート系硬化剤を主剤のヒドロキシル基量に対して1当量配合したメチルエチルケトン5%溶液を調製した。
<アンカーコート層溶液の塗工工程>
樹脂基材に、片面がコロナ処理された厚さ12μmの二軸延伸PETフィルム(東レフィルム加工、P60)を使用し、コロナ処理面にグラビアコート機を用い上記アンカーコート層溶液を塗工、乾燥後の厚みが0.17μmのアンカーコート層を積層した。
<蒸着層の積層工程>
元素比O/Siが1.5になるように金属珪素粉末及び酸化珪素粉末を混合した材料に、金属スズ粉末を20重量%混合した蒸着材料、及び元素比O/Siが1.5になるように金属珪素粉末及び酸化珪素粉末を混合した材料を作製し、真空蒸着機を使用して、アンカーコート層の上に厚さ0.05μmの蒸着層を積層し、目的のガスバリア積層フィルムを作製した。
<オーバーコート層溶液の調液>
ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、メチルメタクリレート(MMA)、メタクリル酸(MAA)をモノマーとして共重合させて得られたアクリルポリオール(重量平均分子量10×10)を主剤とし、HDIヌレート型のイソシアネート系硬化剤を主剤のヒドロキシル基量に対して1当量配合したメチルエチルケトン5%溶液、及びポリアクリル酸(PAA)溶液、及びポリビニルアルコール(PVA)溶液を調製した。
<オーバーコート層溶液の溶工工程>
グラビアコート機を使用して、蒸着層の上に上記オーバーコート層溶液を塗工、乾燥後の厚みが0.17μmのオーバーコート層を積層した。
<ガスバリア積層フィルムの水蒸気透過度の測定>
実施例1〜4及び比較例1〜3のガスバリア積層フィルムについて、モダンコントロール社製の水蒸気透過度計(MOCON PERMATRAN−W 3/31)により、40℃−90%RH雰囲気下での水蒸気透過度(g/m・day)を測定した。
<ガスバリア積層フィルムの蒸着層の金属元素含有率の測定>
蒸着層13が形成されたフィルムを10mm×10mm角に切り取り、X線光電子分光装置(ESCA)により、膜の組成分析を行った。Arイオンで蒸着膜の深さ方向に組成分析を3回以上繰り返し、その平均を求め、金属元素の含有率を算出した。
<評価結果>
実施例1では、表1に示すように水蒸気透過度が1.0(g/m・day)以下であった。それに対し、アンカーコート層にメタクリル酸(MAA)を添加しなかった比較例1では、水蒸気透過度が1.0(g/m・day)を上回る結果となった。
また、実施例2〜4では、水蒸気透過度が0.5(g/m・day)以下であることが確認された。そして、金属成分を含有しない蒸着材料を用いた比較例2、アンカーコート層の水酸基価が30mgKOH/gの比較例3では、水蒸気透過度が0.5(g/m・day)を上回る結果となることが確認された。
なお、本発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
本発明によれば、食品、日用品、医薬品などの包装分野、及び電子機器関連部材などの分野において用いるのに好適する、高いガスバリア性を有したガスバリア積層フィルムを提供することができる。
11…樹脂基材
12…アンカーコート層
13…蒸着層
21…オーバーコート層
31…接着剤層
32…ラミネート樹脂層
10、20、30…ガスバリア積層フィルム

Claims (6)

  1. 樹脂基材の少なくとも片面にアンカーコート層、蒸着層が順に積層されたガスバリア積層フィルムであって、
    前記アンカーコート層が、ヒドロキシル基とカルボキシル基を含有するアクリルポリオールと分子内にイソシアネート基を少なくとも2個以上有するイソシアネート系化合物との複合物によって形成され、且つ、前記蒸着層が、金属珪素と酸化珪素とを含有した蒸着材料に、さらにアルミニウム、亜鉛、スズ、鉄から選ばれるいずれかの金属あるいは金属酸化物を含有した蒸着材料を蒸着させたものであることを特徴とするガスバリア積層フィルム。
  2. 前記アンカーコート層の、ヒドロキシル基とカルボキシル基を含有するアクリルポリオールについて、水酸基価が50mgKOH/g以上250mgKOH/g以下、酸価が5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア積層フィルム。
  3. 前記蒸着層に、アルミニウム、亜鉛、スズ、鉄から選ばれるいずれかの金属あるいは金属酸化物が含有されており、蒸着膜中にいずれかの金属元素が2 atm.%以上50 atm.%以下含有されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のガスバリア積層フィルム。
  4. さらに、オーバーコート層を積層し、該オーバーコート層が、ヒドロキシル基を有する水溶性高分子、あるいはカルボキシル基を有する水溶性高分子、あるいはヒドロキシル基とカルボキシル基を含有するアクリルポリオールのいずれかひとつによって形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のガスバリア積層フィルム。
  5. 前記オーバーコート層に、カルボキシル基を含有する化合物が必須成分として含まれおり、カルボキシル基含有化合物に、ポリアクリル酸もしくはヒドロキシル基とカルボキシル基を含有するアクリルポリオールのいずれかひとつが含まれることを特徴とする請求項4に記載のガスバリア積層フィルム。
  6. 前記オーバーコート層が、分子内にイソシアネート基を少なくとも2個以上有するイソシアネート系化合物を含有することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のガスバリア積層フィルム。
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