JP2008168498A - ガスバリア性積層体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
高分子フィルムの少なくとも一方の面に、バリア性を付与する酸化アルミニウム層に有機化合物層を積層して得られるガスバリア性積層体において、酸化アルミニウム層と有機化合物層との接着性が良好であるガスバリア性積層体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
酸化アルミニウム層の表面に温度が65〜95℃である熱水を晒し、酸化アルミニウム層表面の酸素/アルミニウム比を1.8〜2.8とすることにより、酸化アルミニウム層と有機化合物層との接着性を改善することができる。
【選択図】 図1
高分子フィルムの少なくとも一方の面に、バリア性を付与する酸化アルミニウム層に有機化合物層を積層して得られるガスバリア性積層体において、酸化アルミニウム層と有機化合物層との接着性が良好であるガスバリア性積層体およびその製造方法を提供する。
【解決手段】
酸化アルミニウム層の表面に温度が65〜95℃である熱水を晒し、酸化アルミニウム層表面の酸素/アルミニウム比を1.8〜2.8とすることにより、酸化アルミニウム層と有機化合物層との接着性を改善することができる。
【選択図】 図1
Description
食品、医薬品、精密電子部品などの包装分野に用いられるガスバリア性積層体の製造方法に関するものである。
食品や医薬品、精密電子部品などの包装に用いられる包装材料は、内容物の変質を防ぎ、かつ内容物の機能や性質を保持するために、包装材料を透過する酸素や水蒸気、その他内容物を変質させる気体による影響を防止する必要があり、これらを遮断するガスバリア機能を備えていることが求められている。従来より、酸素、水蒸気などの遮断性に優れたアルミなどの金属箔をガスバリア層として用いた包装材料が一般的に用いられてきた。アルミ等の金属箔を用いた包装材料は、温度・湿度の影響がほとんどなく、ガスバリア性に非常に優れるという利点がある。
しかし、アルミなどの金属箔を用いた包装材料は、使用後に廃棄する際に不燃物として処理しなくてはならない、検査時に金属探知機に検知されてしまう、電子レンジ用材料として使用できないなどの課題を有している。
そこで、これらの欠点を克服した包装材料として、例えば、特許文献1、2等に記載されているような高分子フィルム上に、真空蒸着法やスパッタリング法等の形成手段によりアルミニウムなどの金属や、酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機化合物の薄膜を形成したフィルムが開発されている。これらの蒸着フィルムは、前記の課題を克服し、かつ酸素、水蒸気等のガス遮断性を有している。さらに酸化珪素や酸化アルミニウムなどの無機化合物により形成された薄膜は透明性を有しており、ガスバリア性に加えて金属箔等では得ることのできない、包装材料として優れた機能を有している。
これらの蒸着層を有するガスバリア性積層体は、包装材料として使用される際に、フィルムとして成形され、パウチ袋に加工されるなどして広く使用されている。これらの加工工程や、製袋された後の輸送工程などを考慮すると、ガスバリア性積層体は種々の物理的ストレスに対して耐性があることが望ましい。
比較的脆い傾向にある無機化合物層に、耐屈曲性に優れた有機化合物層を保護層として積層することにより、ガスバリア膜のストレス耐性が向上し、バリア性維持に寄与することが示唆されている。
しかし、多くの場合、無機化合物による層と有機化合物による層は互いに相溶性に欠け、十分な接着強度を有していない。蒸着後の工程や最終製品の輸送時に受ける様々な物理的衝撃に対して接着強度を維持できないという不安があった。
無機化合物層と有機化合物層の接着性改善には、無機化合物の表面を処理し、有機化合物層を化学的、物理的に接着しやすいように改質せしめることが有効であり、特許文献3においては、アルミ箔層への熱可塑性樹脂の積層に際して熱水処理を実施することによって密着強度が改善したとの報告がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、高分子フィルムの少なくとも一方の面に、バリア性を付与する酸化アルミニウム層に有機化合物層を積層して得られるガスバリア性積層体において、酸化アルミニウム層を熱水処理することにより、両層の接着性を改善するものである。
請求項1の発明は、高分子フィルムの少なくとも一方の面に、酸化アルミニウム層を積層する工程、
該酸化アルミニウム層の表面に熱水を晒す熱水処理工程、
該熱水を晒した該酸化アルミニウム層上に有機化合物層を積層する工程
を順次有し、
該熱水処理工程は、該熱水の温度が65〜95℃である
ことを特徴とするガスバリア性積層体の製造方法である。
これによると、外的ストレスによるバリア劣化が起こりにくいガスバリア性積層体を提供できる。また、酸化アルミニウム層と有機化合物層との接着性を改善し、蒸着後工程や輸送工程の衝撃に耐えうる良好な接着性を有するガスバリア性積層体を提供できる。
該酸化アルミニウム層の表面に熱水を晒す熱水処理工程、
該熱水を晒した該酸化アルミニウム層上に有機化合物層を積層する工程
を順次有し、
該熱水処理工程は、該熱水の温度が65〜95℃である
ことを特徴とするガスバリア性積層体の製造方法である。
これによると、外的ストレスによるバリア劣化が起こりにくいガスバリア性積層体を提供できる。また、酸化アルミニウム層と有機化合物層との接着性を改善し、蒸着後工程や輸送工程の衝撃に耐えうる良好な接着性を有するガスバリア性積層体を提供できる。
請求項2の発明は、前記高分子フィルムが、ポリエステル類、またはポリアミド類であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層体の製造方法である。
これによると、成膜加工性、後加工性、経済性に優れたガスバリア性積層体を提供できる。
これによると、成膜加工性、後加工性、経済性に優れたガスバリア性積層体を提供できる。
請求項3の発明は、前記有機化合物層が、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリル酸、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステルからなる群から選択される有機化合物を1または1以上含む有機化合物層であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリア性積層体の製造方法である。
これによると、ポリビニルアルコールを用いると、酸素バリア性に優れたガスバリア性積層体を提供できる。また、ポリオレフィンを用いると、後加工にてポリオレフィンなどのシーラント材料を押出しラミネートする際に、基材への熱不可を低減させることができる。
これによると、ポリビニルアルコールを用いると、酸素バリア性に優れたガスバリア性積層体を提供できる。また、ポリオレフィンを用いると、後加工にてポリオレフィンなどのシーラント材料を押出しラミネートする際に、基材への熱不可を低減させることができる。
請求項4の発明は、前記酸化アルミニウム層と前記有機化合物層との接着強度が1.0以上N/15mm(JIS K 6854−3より)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性積層体の製造方法である。
これによると、アルミニウム層と有機化合物層との接着強度を1.0N/15mm以上とすることで、包装材料として使用する際に、デラミネーションが起こりにくいガスバリア性積層体を提供できる。
これによると、アルミニウム層と有機化合物層との接着強度を1.0N/15mm以上とすることで、包装材料として使用する際に、デラミネーションが起こりにくいガスバリア性積層体を提供できる。
請求項5の発明は、高分子フィルムの少なくとも一方の面に、酸化アルミニウム層、有機化合物層を順次積層したガスバリア性積層体であって、
該酸化アルミニウム層表面の酸素/アルミニウム比が1.8〜2.8であることを特徴とするガスバリア性積層体である。
これによると、外的ストレスによるバリア劣化が起こりにくいガスバリア性積層体を提供できる。また、酸化アルミニウム層と有機化合物層との接着性を改善し、蒸着後工程や輸送工程の衝撃に耐えうる良好な接着性を有するガスバリア性積層体を提供できる。
該酸化アルミニウム層表面の酸素/アルミニウム比が1.8〜2.8であることを特徴とするガスバリア性積層体である。
これによると、外的ストレスによるバリア劣化が起こりにくいガスバリア性積層体を提供できる。また、酸化アルミニウム層と有機化合物層との接着性を改善し、蒸着後工程や輸送工程の衝撃に耐えうる良好な接着性を有するガスバリア性積層体を提供できる。
請求項6の発明は、前記高分子フィルムが、ポリエステル類、またはポリアミド類であることを特徴とする請求項5に記載のガスバリア性積層体である。
これによると、成膜加工性、後加工性、経済性に優れたガスバリア性積層体を提供できる。
これによると、成膜加工性、後加工性、経済性に優れたガスバリア性積層体を提供できる。
請求項7の発明は、前記有機化合物層が、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリル酸、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステルからなる群から選択される有機化合物を1または1以上含む有機化合物層であることを特徴とする請求項5または6に記載のガスバリア性積層体である。
これによると、ポリビニルアルコールを用いると、酸素バリア性に優れたガスバリア性積層体を提供できる。また、ポリオレフィンを用いると、後加工にてポリオレフィンなどのシーラント材料を押出しラミネートする際に、基材への熱不可を低減させることができる。
これによると、ポリビニルアルコールを用いると、酸素バリア性に優れたガスバリア性積層体を提供できる。また、ポリオレフィンを用いると、後加工にてポリオレフィンなどのシーラント材料を押出しラミネートする際に、基材への熱不可を低減させることができる。
請求項8の発明は、前記酸化アルミニウム層と前記有機化合物層との接着強度が1.0N/15mm以上(JIS K 6854−3より)であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のガスバリア性積層体である。
これによると、アルミニウム層と有機化合物層との接着強度を1.0N/15mm以上とすることで、包装材料として使用する際に、デラミネーションが起こりにくいガスバリア性積層体を提供できる。
これによると、アルミニウム層と有機化合物層との接着強度を1.0N/15mm以上とすることで、包装材料として使用する際に、デラミネーションが起こりにくいガスバリア性積層体を提供できる。
本発明により、ガスバリア性を有する酸化アルミニウム層と耐屈曲性に優れる有機化合物層を積層することにより、外的ストレスによるバリア劣化が起こりにくいガスバリア性積層体を得ることができる。また、酸化アルミニウム層に表面処理を施すことにより有機化合物層との接着性を改善し、蒸着後工程や輸送工程の衝撃に耐えうる良好な接着性を有するガスバリア性積層体を提供することができる。
図1は、本発明のガスバリア性積層体を説明する断面図である。高分子フィルム1の少なくとも一方の表面上に、表面処理を施された酸化アルミニウム層2、有機化合物層3が積層されている。
本発明に用いられる高分子フィルムとしては、一般的に包装材料として用いられているポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル類およびこれらの共重合体、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロンー12などのポリアミド類が成膜加工性、後加工性、経済性の観点から好ましい。その他に、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、セルロース、トリアセチルセルロース、ポリビニルアルコールなども利用できる。
本発明の蒸着層としては、酸化アルミニウムが用いられる。酸素バリア性に優れ、原料が安価であり、また、成膜速度が速いことから望ましい。
本発明に用いられる有機化合物層としては、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリル酸、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステルなどポリマーとして形成できるものが好ましい。特にポリビニルアルコール系ポリマーは、酸素バリア性を有しており、本発明の有機化合物層として優れている。
酸化アルミニウム層を蒸着する方法としては、物理的手法により薄膜を堆積する物理気相堆積法または化学反応を用いた化学気相堆積法を用いることができる。物理気相堆積法としては、熱的気化を用いた真空蒸着法やスパッタ現象を用いたスパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法を用いることができ、化学気相堆積法としては、プラズマにより蒸着材料をラジカル化して反応を促進する方法を用いることができる。
薄膜形成速度など、生産効率を考慮すると、熱的気化を用いた真空蒸着法が最も優れており、使用に適している。加熱手段としては電子線加熱方式、抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいずれかの方式を用いることが好ましい。電子線加熱方式は、他の加熱方式と比較して供給できるエネルギーが高いため、蒸着材料の選択肢を広げることができる。また、蒸着層と基材の密着性及び蒸着層の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いることができる。
有機化合物層を積層する方法としては、ウェットコーティング法、スプレーコーティング法、各種ドライコーティング法を用いることができる。ウェットコーティング法は、成膜速度が速く、大量生産に向いている。一方、ドライコーティング法は、インライン工程での成膜が可能であり、ガスバリア層がちりや微粉末によって汚染されるのを防ぎ、酸化アルミニウム層を効果的に保護することができる。
酸化アルミニウム層のアルミニウム/酸素比は、酸素バリア性の観点から通常1.5〜1.8に設定されることが多い。熱水処理により、表層における比率を1.8以上にすることにより、酸化アルミニウム層表面の酸化状態が進み、有機化合物層との相互作用が強まる。つまり、酸化アルミニウム層表面と有機化合物層との間で、水素結合などの相互作用が起こりやすくなる。
アルミニウム/酸素比が1.8以下では有機化合物との相互作用が弱まる。また、アルミニウム/酸素比が2.8以上では水酸化アルミニウムを形成し、酸化アルミニウム表面が安定化し、相互作用が起こりにくくなる。
アルミニウム/酸素比が1.8以下では有機化合物との相互作用が弱まる。また、アルミニウム/酸素比が2.8以上では水酸化アルミニウムを形成し、酸化アルミニウム表面が安定化し、相互作用が起こりにくくなる。
酸化アルミニウム層表面のアルミニウム/酸素比は、真空中で表面にX線を照射し、光電効果により飛び出した電子のエネルギー値を測定し、表面から数nmの深さ方向に存在する元素について定性、定量するX線光電子分光法(XPS)により算出した。XPSを用い、アルミニウム、酸素各元素の量を検出し、アルミニウム/酸素比を算出した。
また、熱水処理により、酸化アルミニウム層表面は、立体的に荒らされ、擬似ベーマイト様構造をつくる。これにより、複雑な表面形状に有機化合物が入り込む投錨効果が期待できる。
熱水処理温度は65℃から95℃が好ましい。65℃以下では表面処理効果が弱く、95℃でその効果は飽和する。また、処理時間は、1分間から5分間が望ましい。1分以下では所望の効果が期待できず、5分以上では酸化アルミニウム層の劣化を促進する可能性がある。
<実施例1>
厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、電子線加熱方式の真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させて、酸素ガスを導入し、厚さ25nmの酸化アルミニウム層を成膜した。次いで、70℃の熱水中へ酸化アルミニウム層を蒸着したフィルムを3分間浸漬した後、ポリビニルアルコール樹脂からなる層をウェットコーティング法により塗布した。熱水処理後の酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、2.05であった。アルミニウム/酸素比は、O1s及びAl2Pにおけるピーク強度の面積を、各元素の相対感度により補正して得た。
厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、電子線加熱方式の真空蒸着装置により、金属アルミニウムを蒸発させて、酸素ガスを導入し、厚さ25nmの酸化アルミニウム層を成膜した。次いで、70℃の熱水中へ酸化アルミニウム層を蒸着したフィルムを3分間浸漬した後、ポリビニルアルコール樹脂からなる層をウェットコーティング法により塗布した。熱水処理後の酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、2.05であった。アルミニウム/酸素比は、O1s及びAl2Pにおけるピーク強度の面積を、各元素の相対感度により補正して得た。
<実施例2>
熱水処理温度が80℃である以外は、実施例1と同様にガスバリア性積層体を得た。熱水処理後の酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、2.21であった。
熱水処理温度が80℃である以外は、実施例1と同様にガスバリア性積層体を得た。熱水処理後の酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、2.21であった。
<実施例3>
熱水処理温度が90℃である以外は、実施例1と同様にガスバリア性積層体を得た。熱水処理後の酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、2.51であった。
熱水処理温度が90℃である以外は、実施例1と同様にガスバリア性積層体を得た。熱水処理後の酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、2.51であった。
<実施例4>
実施例1と同様に、厚さ12μmの2軸延伸PETフィルムに、厚さ25nmの酸化アルミニウム層を成膜し、次いで、該フィルムを70℃の熱水へ3分間浸漬した。その後、エチレンガスをモノマーとして1.0L/minの流量にて導入し、電極には周波数13.56MHzの高周波電源を用いて120Wの放出電力にて、ポリエチレン・プラズマ重合膜を成膜した。熱水処理後の酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、2.01であった。
実施例1と同様に、厚さ12μmの2軸延伸PETフィルムに、厚さ25nmの酸化アルミニウム層を成膜し、次いで、該フィルムを70℃の熱水へ3分間浸漬した。その後、エチレンガスをモノマーとして1.0L/minの流量にて導入し、電極には周波数13.56MHzの高周波電源を用いて120Wの放出電力にて、ポリエチレン・プラズマ重合膜を成膜した。熱水処理後の酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、2.01であった。
<実施例5>
熱水処理温度が80℃である以外は、実施例4と同様にガスバリア性積層体を得た。熱水処理後の酸化アルミニウム層表面をXPSにて分析したところ、2.19であった。
熱水処理温度が80℃である以外は、実施例4と同様にガスバリア性積層体を得た。熱水処理後の酸化アルミニウム層表面をXPSにて分析したところ、2.19であった。
<実施例6>
熱水処理温度が90℃である以外は、実施例4と同様にガスバリア性積層体を得た。熱水処理後の酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、2.59であった。
熱水処理温度が90℃である以外は、実施例4と同様にガスバリア性積層体を得た。熱水処理後の酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、2.59であった。
<比較例1>
厚さ12μmの2軸延伸PETフィルムに、電子線加熱方式の真空蒸着装置により、金属アルミニウム層を蒸発させて、酸素ガスを導入し、厚さ25nmの酸化アルミニウム層を成膜し、ついでポリビニルアルコール層をウェットコーティング法により塗布した。酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、1.62であった。
厚さ12μmの2軸延伸PETフィルムに、電子線加熱方式の真空蒸着装置により、金属アルミニウム層を蒸発させて、酸素ガスを導入し、厚さ25nmの酸化アルミニウム層を成膜し、ついでポリビニルアルコール層をウェットコーティング法により塗布した。酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、1.62であった。
<比較例2>
酸化アルミニウム層へ、55℃、3分間の熱水処理を施した以外は、比較例1と同様にガスバリア性積層体を得た。熱水処理後の酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、1.79であった。
酸化アルミニウム層へ、55℃、3分間の熱水処理を施した以外は、比較例1と同様にガスバリア性積層体を得た。熱水処理後の酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、1.79であった。
<比較例3>
比較例1と同様に、厚さ12μmの2軸延伸PETフィルムに、厚さ25nmの酸化アルミニウム層を成膜し、その後、エチレンガスをモノマーとして1.0L/minの流量にて導入し、電極には周波数13.56MHzの高周波電源を用いて120Wの放出電力にて、ポリエチレン・プラズマ重合膜を成膜した。酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、1.66であった。
比較例1と同様に、厚さ12μmの2軸延伸PETフィルムに、厚さ25nmの酸化アルミニウム層を成膜し、その後、エチレンガスをモノマーとして1.0L/minの流量にて導入し、電極には周波数13.56MHzの高周波電源を用いて120Wの放出電力にて、ポリエチレン・プラズマ重合膜を成膜した。酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、1.66であった。
<比較例4>
酸化アルミニウム層へ55℃、3分間の熱水処理を施した以外は、比較例3と同様にガスバリア性積層体を得た。熱水処理後の酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、1.78であった。
酸化アルミニウム層へ55℃、3分間の熱水処理を施した以外は、比較例3と同様にガスバリア性積層体を得た。熱水処理後の酸化アルミニウム層表面をXPSにより分析したところ、1.78であった。
<試験1>
得られた実施例1〜6、比較例1〜4のガスバリア性積層体に、ポリウレタン系接着剤を用いて厚み50μmのポリプロピレンフィルムをラミネートした。テンシロン試験機を用いて300mm/分の引張り速度にて剥離試験を行い、接着強度を測定した(JIS Z 0238)。
結果を表1に示す。
実施例1〜6のガスバリア性積層体は、比較例1〜4と比べポリプロピレンフィルムとのラミネート後、良好な接着強度を有していることが確認できる。
得られた実施例1〜6、比較例1〜4のガスバリア性積層体に、ポリウレタン系接着剤を用いて厚み50μmのポリプロピレンフィルムをラミネートした。テンシロン試験機を用いて300mm/分の引張り速度にて剥離試験を行い、接着強度を測定した(JIS Z 0238)。
結果を表1に示す。
実施例1〜6のガスバリア性積層体は、比較例1〜4と比べポリプロピレンフィルムとのラミネート後、良好な接着強度を有していることが確認できる。
<試験2>
試験1で得られた積層体について、ゲルボフレックス試験(20サイクル)を行い、MOCON法により30℃、湿度70%の条件下にて酸素透過度を測定した。
結果を表1に示す。
本試験結果より、酸化アルミニウムを65℃から95℃の間で熱水処理することにより、外的ストレスを与えてもバリア劣化が起こりにくいガスバリア性積層体を得た。
試験1で得られた積層体について、ゲルボフレックス試験(20サイクル)を行い、MOCON法により30℃、湿度70%の条件下にて酸素透過度を測定した。
結果を表1に示す。
本試験結果より、酸化アルミニウムを65℃から95℃の間で熱水処理することにより、外的ストレスを与えてもバリア劣化が起こりにくいガスバリア性積層体を得た。
<試験3>
熱水処理後(処理条件:80℃、3分間)の酸化アルミニウム層表面について走査型電子顕微鏡を用いて表面分析を行った。被観察部位を白金蒸着コーティングし、加速電圧15.0kVの条件下で観察を行った。
図2(A)に示すように、熱水処理後、酸化アルミニウム層表面は擬似ベーマイト状の構造を示し、有機化合物層との投錨効果による接着改善が確認できる。図2(B)に熱水による処理を行っていないものの観察結果を示す。
熱水処理後(処理条件:80℃、3分間)の酸化アルミニウム層表面について走査型電子顕微鏡を用いて表面分析を行った。被観察部位を白金蒸着コーティングし、加速電圧15.0kVの条件下で観察を行った。
図2(A)に示すように、熱水処理後、酸化アルミニウム層表面は擬似ベーマイト状の構造を示し、有機化合物層との投錨効果による接着改善が確認できる。図2(B)に熱水による処理を行っていないものの観察結果を示す。
本発明は、食品容器、医薬品容器、電子部品など、ガスバリア性を必要とする包装材料に応用可能である。
1:高分子フィルム
2:熱水処理を施した酸化アルミニウム層
3:有機化合物層
2:熱水処理を施した酸化アルミニウム層
3:有機化合物層
Claims (8)
- 高分子フィルムの少なくとも一方の面に、酸化アルミニウム層を積層する工程、
該酸化アルミニウム層の表面に熱水を晒す熱水処理工程、
該熱水を晒した該酸化アルミニウム層上に有機化合物層を積層する工程
を順次有し、
該熱水処理工程は、該熱水の温度が65〜95℃である
ことを特徴とするガスバリア性積層体の製造方法。 - 前記高分子フィルムが、ポリエステル類、またはポリアミド類であることを特徴とする請求項1に記載のガスバリア性積層体の製造方法。
- 前記有機化合物層が、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリル酸、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステルからなる群から選択される有機化合物を1または1以上含む有機化合物層であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスバリア性積層体の製造方法。
- 前記酸化アルミニウム層と前記有機化合物層との接着強度が1.0N/15mm以上(JIS K 6854−3より)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガスバリア性積層体の製造方法。
- 高分子フィルムの少なくとも一方の面に、酸化アルミニウム層、有機化合物層を順次積層したガスバリア性積層体であって、
該酸化アルミニウム層表面の酸素/アルミニウム比が1.8〜2.8であることを特徴とするガスバリア性積層体。 - 前記高分子フィルムが、ポリエステル類、またはポリアミド類であることを特徴とする請求項5に記載のガスバリア性積層体。
- 前記有機化合物層が、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリアミン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアクリル酸、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステルからなる群から選択される有機化合物を1または1以上含む有機化合物層であることを特徴とする請求項5または6に記載のガスバリア性積層体。
- 前記酸化アルミニウム層と前記有機化合物層との接着強度が1.0N/15mm以上(JIS K 6854−3より)であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のガスバリア性積層体。
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JP2012020433A (ja) * | 2010-07-13 | 2012-02-02 | Reiko Co Ltd | 透明ガスバリアフイルム |
JP2014069389A (ja) * | 2012-09-28 | 2014-04-21 | Toppan Printing Co Ltd | ガスバリア積層フィルム |
JP2016215654A (ja) * | 2011-09-26 | 2016-12-22 | 日本軽金属株式会社 | アルミ樹脂接合体の製造方法 |
-
2007
- 2007-01-11 JP JP2007003265A patent/JP2008168498A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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