JP2011111492A - シーラー用塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガラス転移温度が−70〜10℃であるエマルション粒子を含有する樹脂エマルション、顔料およびレオロジーコントロール剤を含有し、当該樹脂エマルションの不揮発分100重量部あたりの顔料の量が185〜900重量部であり、レオロジーコントロール剤の有効成分量が0.01〜5重量部であるシーラー用塗料組成物。
【選択図】なし
Description
(1)ガラス転移温度が−70〜10℃であるエマルション粒子を含有する樹脂エマルション、顔料およびレオロジーコントロール剤を含有し、当該樹脂エマルションの不揮発分100重量部あたりの顔料の量が185〜900重量部であり、レオロジーコントロール剤の有効成分量が0.01〜5重量部であるシーラー用塗料組成物、
(2)レオロジーコントロール剤が、セルロース誘導体系レオロジーコントロール剤およびウレタン会合型レオロジーコントロール剤からなる群より選ばれた少なくとも1種のレオロジーコントロール剤である前記(1)に記載のシーラー用塗料組成物、
(3)エマルション粒子が、単量体成分を多段乳化重合させてなる複数の樹脂層を有するエマルション粒子である前記(1)または(2)に記載のシーラー用塗料組成物、
(4)樹脂エマルションの原料として用いられる全単量体成分におけるスチレンの含有量が5〜40重量%であり、スチレン以外の単量体の含有量が60〜95重量%である前記(1)〜(3)のいずれかに記載のシーラー用塗料組成物、
(5)スチレン以外の単量体が、スチレン以外の芳香族系単量体、アルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有単量体、オキソ基含有単量体、フッ素原子含有単量体、窒素原子含有単量体およびエポキシ基含有単量体からなる群より選ばれた少なくとも1種の単量体である前記(4)に記載のシーラー用塗料組成物、
(6)複数の樹脂層のいずれかに、芳香族系単量体85〜100重量%および当該芳香族系単量体以外の単量体0〜15重量%を含有する単量体成分を乳化重合させてなる樹脂層が含まれている前記(3)〜(5)のいずれかに記載のシーラー用塗料組成物、
(7)芳香族系単量体以外の単量体が、アルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有単量体、オキソ基含有単量体、フッ素原子含有単量体、窒素原子含有単量体およびエポキシ基含有単量体からなる群より選ばれた少なくとも1種の単量体である前記(6)に記載のシーラー用塗料組成物、
(8)複数の樹脂層のいずれかに、カルボキシル基含有単量体1〜10重量%および当該カルボキシル基含有単量体以外の単量体90〜99重量%を含有する単量体成分を乳化重合させてなる樹脂層が含まれている前記(3)〜(7)のいずれかに記載のシーラー用塗料組成物、
(9)カルボキシル基含有単量体以外の単量体が、芳香族系単量体、アルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、オキソ基含有単量体、フッ素原子含有単量体、窒素原子含有単量体およびエポキシ基含有単量体からなる群より選ばれた少なくとも1種の単量体である前記(8)に記載のシーラー用塗料組成物、および
(10)複数の樹脂層のいずれかに、ガラス転移温度が75〜120℃である重合体からなる樹脂層が含まれている前記(1)〜(9)のいずれかに記載のシーラー用塗料組成物
に関する。
1/Tg=Σ(Wm/Tgm)/100
〔式中、Wmは重合体を構成する単量体成分における単量体mの含有率(重量%)、Tgmは単量体mの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度:K)を示す〕
で表されるフォックス(Fox)の式に基づいて求められた温度を意味する。
〔樹脂エマルションにおける不揮発分量(質量%)〕
=(〔残渣の質量〕÷〔樹脂エマルション1g〕)×100
に基づいて求められた値を意味する。
滴下ロート、攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコ内に、脱イオン水46部を仕込んだ。
製造例1において、単量体成分を表1に示すように変更したこと以外は、製造例1と同様にしてシーラー用樹脂エマルションを調製した。シーラー用樹脂エマルションに用いられた単量体成分の組成および当該シーラー用樹脂エマルションの性質を表1に示す。
〔表1中の略号の意味〕
St:スチレン
MMA:メチルメタクリレート
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
BA:ブチルアクリレート
2EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
AN:アクリロニトリル
〔内層中のSt量〕
内層の原料として使用されている単量体成分Aにおけるスチレンの含有率(%)
〔外層中のカルボン酸量〕
外層の原料として使用されている単量体成分Bにおけるカルボキシル基含有単量体の含有率(%)
〔層構成比〕
内層を構成している重合体と外層を構成している重合体との重量比〔内層の重合体/外層の重合体〕
〔内外層合計量〕
エマルション粒子における内層の重合体と外層の重合体との合計含有率(%)
〔外層Tg〕
外層を構成している重合体のガラス転移温度(℃)
〔トータルSt量〕
エマルション粒子を構成している重合体に原料として使用されている全単量体成分におけるスチレンの含有率(%)
〔トータルTg〕
エマルション粒子のガラス転移温度(℃)
〔MFT〕
シーラー用樹脂エマルションの最低造膜温度(℃)
〔トータルカルボン酸量〕
エマルション粒子を構成している重合体に原料として使用されている全単量体成分におけるカルボキシル基含有単量体の含有率(%)
〔内層Tg〕
内層を構成している重合体のガラス転移温度(℃)
〔その他の層のTg〕
内層および外層以外の層を構成している重合体のガラス転移温度(℃)
〔不揮発分量〕
樹脂エマルションに含まれている樹脂固形分の含有率(%)
〔平均粒子径〕
エマルション粒子の平均粒子径(nm)
製造例1で得られたシーラー用樹脂エマルションを用い、このシーラー用樹脂エマルション91部と水42部とを混合した。
BH型粘度計〔東京計器(株)製〕により、25℃にて、回転速度2min-1におけるレオロジーコントロール剤の粘度および回転速度20min-1におけるレオロジーコントロール剤の粘度を測定した。次に、シーラー用塗料組成物の粘性として、式:
〔チクソトロピックインデックス(TI)〕
=〔回転速度2min-1におけるレオロジーコントロール剤の粘度〕
÷〔回転速度20min-1におけるレオロジーコントロール剤の粘度〕
に基づいて、チクソトロピックインデックス(TI)を求めた。
前記で求められたチクソトロピックインデックス(TI)に基づいて以下の評価基準にしたがって評価した。
(評価基準)
○:TIが4以上、7未満
△:TIが3以上、4未満
×:TIが3未満であるかまたは7以上
試験板に形成された塗膜上にロート(直径:10cm)を載置し、両者の接触部をシリコーン系バスボンド〔コニシ(株)製〕でシールし、JIS K5400に規定の「ロート法」に準拠して24時間経過後の減水量を測定し、以下の評価基準に基づいて耐透水性を評価した。
(評価基準)
◎:0.3mL/cm2未満
○:0.3mL/cm2以上、0.5mL/cm2未満
△:0.5mL/cm2以上、1.0mL/cm2未満
×:1.0mL/cm2以上
JIS A6909に記載の温冷くり返し試験を行なった。すなわち、試験板の側面および塗膜が形成されていない背面をシリコーン系バスボンド〔コニシ(株)製〕でシールした後、凍結融解試験機を用い、23℃の水中に18時間浸漬した後、−20℃の大気中で冷却することによって3時間凍結し、さらに50℃の大気中で3時間加熱することからなる操作を1サイクルとし、4サイクルごとに拡大倍率が30倍のルーペを用いて塗膜面のクラックの発生状態を観察しながら前記操作を20サイクル行ない、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:20サイクルでも問題なし
○:16サイクルで問題がないが、20サイクルでクラックが発生
△:12サイクルで問題がないが、16サイクルでクラックが発生
×:4サイクル、8サイクルまたは12サイクルでクラックが発生
試験板の塗膜をカッターナイフで2mm角の碁盤目が100個形成されるようにカットし、セロハン粘着テープ〔ニチバン(株)製、品番:CT405AP−18〕をこの碁盤目に貼り付け、JIS K5400に準拠して剥離試験を行ない、残存している碁盤目数を数え、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
◎:すべて残存
○:残存している碁盤目が98個以上
△:残存している碁盤目が90〜97個
×:残存している碁盤目が89個以下
金属製の板上に離型紙を敷き、その上に乾燥後の厚さが0.5mmとなるように、前記で得られたシーラー塗料を塗布し、温度が23℃で相対湿度が50%の雰囲気中で7日間静置することによって乾燥させた後、形成された塗膜を剥がし、剥がした塗膜の表と裏とを逆にして離型紙の上でさらに7日間静置することによって乾燥させ、試験体を得た。
◎:最大引張り荷重が2N/mm2以上
○:最大引張り荷重が1.5N/mm2以上、2N/mm2未満
△:最大引張り荷重が1.0N/mm2以上、1.5N/mm2未満
×:最大引張り荷重が1.0N/mm2未満
(2)伸び率の評価基準
◎:伸び率が50%以上
○:伸び率が30%以上、50%未満
△:伸び率が10%以上、30%未満
×:伸び率が10%未満
一般に、シーラー用樹脂エマルションに造膜性を付与するために最低造膜温度が0℃以下となるように調整されている。この最低造膜温度を調整する際には造膜助剤が使用されているが、造膜助剤は揮発性物質であることから、環境負荷を軽減させる観点から、その造膜助剤の使用量を極力低減させることが望まれる。
(評価基準)
◎:シーラー用樹脂エマルションにおける造膜助剤の含有量が1%未満
○:シーラー用樹脂エマルションにおける造膜助剤の含有量が0.5%以上1%未満
△:シーラー用樹脂エマルションにおける造膜助剤の含有量が1%以上2%未満
×:シーラー用樹脂エマルションにおける造膜助剤の含有量が2%以上
顔料の含有量は、式:
〔顔料の含有量(%)〕
=(〔顔料の重量〕÷〔樹脂の不揮発分の重量+顔料の重量〕)×100
に基づいて求めた。
炭酸カルシウムとして、炭酸カルシウム〔日東粉化商事(株)製、品番:NS#100〕50%と炭酸カルシウム〔日東粉化商事(株)製、品番:NN#200〕50%とからなる炭酸カルシウム混合物を用いた。
実施例1において、レオロジーコントロール剤として、3%ヒドロキシエチルセルロース〔ダイセル化学工業(株)製、品番:SP−850〕水溶液およびウレタン会合型レオロジーコントロール剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカノールUH−420、有効成分量:30%〕を用い、樹脂エマルションの不揮発分100部あたりの3%ヒドロキシエチルセルロース〔ダイセル化学工業(株)製、品番:SP−850〕水溶液の有効成分(ヒドロキシエチルセルロース)の量が0.2部、ウレタン会合型レオロジーコントロール剤の有効成分の量が0.1部となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラー用塗料組成物を得た。
実施例1において、レオロジーコントロール剤として、ウレタン会合型レオロジーコントロール剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカノールUH−420、有効成分量:30%〕を用い、樹脂エマルションの不揮発分100部あたりの有効成分の量が3.0部となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラー用塗料組成物を得た。得られたシーラー用塗料組成物の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
実施例1において、レオロジーコントロール剤を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてシーラー用塗料組成物を得た。得られたシーラー用塗料組成物の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
実施例1において、製造例1で得られたシーラー用樹脂エマルションの代わりに、製造例2で得られたシーラー用樹脂エマルションを用い、有効成分(ヒドロキシエチルセルロース)の量が表2に示す量となるように調整したこと以外は、実施例1と同様にしてシーラー用塗料組成物を得た。得られたシーラー用塗料組成物の物性を実施例1と同様にして調べた。その結果を表2に示す。
Claims (10)
- ガラス転移温度が−70〜10℃であるエマルション粒子を含有する樹脂エマルション、顔料およびレオロジーコントロール剤を含有し、当該樹脂エマルションの不揮発分100重量部あたりの顔料の量が185〜900重量部であり、レオロジーコントロール剤の有効成分量が0.01〜5重量部であるシーラー用塗料組成物。
- レオロジーコントロール剤が、セルロース誘導体系レオロジーコントロール剤およびウレタン会合型レオロジーコントロール剤からなる群より選ばれた少なくとも1種のレオロジーコントロール剤である請求項1に記載のシーラー用塗料組成物。
- エマルション粒子が、単量体成分を多段乳化重合させてなる複数の樹脂層を有するエマルション粒子である請求項1または2に記載のシーラー用塗料組成物。
- 樹脂エマルションの原料として用いられる全単量体成分におけるスチレンの含有量が5〜40重量%であり、スチレン以外の単量体の含有量が60〜95重量%である請求項1〜3のいずれかに記載のシーラー用塗料組成物。
- スチレン以外の単量体が、スチレン以外の芳香族系単量体、アルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有単量体、オキソ基含有単量体、フッ素原子含有単量体、窒素原子含有単量体およびエポキシ基含有単量体からなる群より選ばれた少なくとも1種の単量体である請求項4に記載のシーラー用塗料組成物。
- 複数の樹脂層のいずれかに、芳香族系単量体85〜100重量%および当該芳香族系単量体以外の単量体0〜15重量%を含有する単量体成分を乳化重合させてなる樹脂層が含まれている請求項3〜5のいずれかに記載のシーラー用塗料組成物。
- 芳香族系単量体以外の単量体が、アルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、カルボキシル基含有単量体、オキソ基含有単量体、フッ素原子含有単量体、窒素原子含有単量体およびエポキシ基含有単量体からなる群より選ばれた少なくとも1種の単量体である請求項6に記載のシーラー用塗料組成物。
- 複数の樹脂層のいずれかに、カルボキシル基含有単量体1〜10重量%および当該カルボキシル基含有単量体以外の単量体90〜99重量%を含有する単量体成分を乳化重合させてなる樹脂層が含まれている請求項3〜7のいずれかに記載のシーラー用塗料組成物。
- カルボキシル基含有単量体以外の単量体が、芳香族系単量体、アルキル(メタ)アクリレート、水酸基含有(メタ)アクリレート、オキソ基含有単量体、フッ素原子含有単量体、窒素原子含有単量体およびエポキシ基含有単量体からなる群より選ばれた少なくとも1種の単量体である請求項8に記載のシーラー用塗料組成物。
- 複数の樹脂層のいずれかに、ガラス転移温度が75〜120℃である重合体からなる樹脂層が含まれている請求項1〜9のいずれかに記載のシーラー用塗料組成物。
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