JPH11199350A - コンクリート構造物の劣化防止工法 - Google Patents

コンクリート構造物の劣化防止工法

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JPH11199350A
JPH11199350A JP1327598A JP1327598A JPH11199350A JP H11199350 A JPH11199350 A JP H11199350A JP 1327598 A JP1327598 A JP 1327598A JP 1327598 A JP1327598 A JP 1327598A JP H11199350 A JPH11199350 A JP H11199350A
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concrete
coating
meth
concrete structure
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JP1327598A
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Takehiro Yanase
武裕 簗瀬
Koichi Fukushima
浩一 福島
Yoshito Uramoto
義人 浦本
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コンクリート構造物中への劣化要因の侵入を遮
断し、当該構造物内部に滞留した水分を速やかに放出し
て、当該構造物の塩害、中性化及びアルカリ骨材反応を
防止し、当該構造物の亀裂に対しても優れた追従性を有
し、当該構造物との付着性にも優れる工法の提供。 【解決手段】コンクリート構造物の表面に、(1)炭素
数4〜10のアルキル(メタ)アクリレートを構成成分
とする重合体からなる組成物から形成され、特定の伸び
率、遮塩性、水蒸気透過性及び膜厚を有する塗膜を形成
させ、その表面に(2)エポキシ樹脂から形成された特
定膜厚の上塗用シーラー塗膜を形成させ、さらに当該塗
膜の表面に(3)特定の伸び率及び膜厚の上塗材塗膜を
形成させるコンクリート構造物の劣化防止工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート構造
物の劣化防止工法に関するものであり、土木及び建築等
の技術分野において賞用され得るものである。
【0002】
【従来の技術】一般にコンクリート構造物は、セメント
の水和物である水酸化カルシウムの存在によりpH12
〜13の強アルカリ性を呈するため、例えば、鉄筋コン
クリート構造物の場合にはコンクリート内部の鉄筋は表
面に不動態膜が形成されることにより腐食が抑制されて
いる。しかしながら、炭酸ガスがコンクリート中に侵入
すると、これと水和物の水酸化カルシウムが反応して炭
酸カルシウムを生成するため、コンクリートの中性化が
促進され、又、塩化物イオンが鉄筋表面に侵入した場合
には、鉄筋表面を被覆していた不動態膜が破壊されて鉄
筋を腐食させる。鉄筋の腐食が進行すると、腐食前に比
較して約2.5倍の体積膨張を伴うため、錆の進行と共
にコンクリートにクラックを生じさせ、コンクリートの
強度低下をもたらし、当初予定していた構造物の耐用強
度が維持できなくなる問題がある。又、コンクリート中
にアルカリ骨材反応を起こす骨材の混入している場合に
は、アルカリ骨材反応の進行によりコンクリートにクラ
ックが発生し、前記と同様のトラブルが発生する。
【0003】このようなコンクリート構造物の塩害、中
性化及びアルカリ骨材反応を抑制するため、従来より次
のような対策が講じられている。 a)コンクリート構造物の表面に塗料、防水材及び樹脂
モルタル等の被覆材を施工し、炭酸ガス、塩分、酸素及
び水分等を遮断する。 b)ケイ酸塩及び亜硝酸塩化合物等の防錆剤、又はアル
カリ改質剤をコンクリート構造物の表面に施工又は含浸
させることにより、コンクリート構造物中のpH改質及
び鉄筋の腐食防止を行う、いわゆる改質剤及び防錆剤に
よる中性化及び塩害の防止方法。 c)コンクリートのかぶり厚さを増すことによって、鉄
筋までの中性化及び塩分の侵入を遅らせる。 d)コンクリート打設時の水/セメント比を小さくする
ことによって、コンクリートを密実にし、炭酸ガス、塩
分及び水分の侵入を遅らせる。 e)エポキシ樹脂塗装鉄筋等の耐腐食鉄筋を使用する。 上記a)は、いわゆる環境遮断による方法であり、上記
の方法のうち、最も一般的に行われている方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
a)〜e)による方法の場合、次に示す様な問題があっ
た。即ち上記a)による方法の場合、硬質塗膜を形成さ
せたときには、遮塩性及び付着性に優れるものの、柔軟
性に欠けるため、コンクリート構造物にクラックが発生
した場合、塗膜はこれに追従することができず、ひび割
れ部からの前記した劣化要因を遮断することができない
という欠点を有している。又、水蒸気透過性に劣るた
め、コンクリート構造物内部を乾燥状態に導くことがで
きず、アルカリ骨材反応、塩害及び膨れを誘発してしま
う。又、微弾性と呼ばれる若干の柔軟性を有する塗膜を
形成させた場合、硬質塗膜と比較して柔軟性を有してい
るものの、ひび割れ追従性及び水蒸気透過性とも満足で
きるものではない。さらに、高級アクリル酸エステルを
主成分とする重合体からなる組成物から形成された塗膜
を用いた場合には、ひび割れ追従性及び水蒸気透過性に
優れるものの、当該塗膜上に一般の上塗材塗膜を形成さ
せた場合には、付着性が不良となることがあり、塗膜が
膨れたり、上塗材が剥がれたりし、又遮塩性も硬質塗膜
に比べ劣るものであった。又、b)の方法である、改質
材及び防錆材の使用による中性化及び塩害防止の方法の
場合には、使用しているアルカリ改質材(防錆材)のコ
ンクリートへの浸透性が5〜15mm程度と小さいた
め、その効果もコンクリート構造物表面付近のpH改質
に留まり、コンクリート構造物内部や当該表面から通常
30mm以上離れた位置に配筋されている鉄筋の防錆ま
では期待できないという欠点がある。c)〜e)の場合
には、今後打設するコンクリートには有効な手段である
が、既設の鉄筋コンクリートについては、適用すること
ができないという欠点がある。
【0005】本発明者らは、上記問題点を解消し、コン
クリート構造物中への劣化要因の侵入を遮断して塩害及
び中性化を防止し、コンクリート構造物内部に滞留した
水分を速やかに放出してアルカリ骨材反応を防止し、コ
ンクリート構造物の亀裂に対しても優れた追従性を有
し、コンクリート構造物との付着性にも優れ、さらにこ
れらの性能が長期に亘り保持する工法を見出すべく鋭意
検討したのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、コンクリート表面
に、特定の樹脂から形成され、特定物性を有する3層の
塗膜を形成する施工方法が有効であることを見出し本発
明を完成した。以下本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】○塗膜(1) 本発明の工法では、コンクリート構造物の表面に、アル
キル基の炭素数が4〜10であるアルキル(メタ)アク
リレートを構成成分として50重量%以上含有する重合
体からなる組成物から形成され、20℃に於ける伸び率
が50〜2000%、遮塩性10-2〜10-4mg/cm
2 ・日、水蒸気透過性5g/m2 ・日以上、膜厚100
〜5000μを有する塗膜を形成する。
【0008】アルキル基の炭素数が4〜10であるアル
キル(メタ)アクリレートの具体例としては、n−ブチ
ル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アク
リレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、n−
アミル(メタ)アクリレート、iso−アミル(メタ)
アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n
−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メ
タ)アクリレート、オキソヘプチル(メタ)アクリレー
ト、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アク
リレート、オキソノニル(メタ)アクリレート、n−デ
シル(メタ)アクリレート及びオキソデタル(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。アルキル基の炭素数が4よ
り小さいアルキル(メタ)アクリレートは、耐アルカリ
性の点で好ましくなく、他方炭素数が10を越えるもの
は耐寒性が低下してしまう。上記単量体中の割合は、5
0重量%以上である必要があり、好ましくは50〜90
重量%である。この割合が50重量%を下回ると、塗膜
の下地ひび割れ追従性、耐水性及び耐アルカリ性が低下
する。他方90重量%を越えると、十分な強度の塗膜を
得られないことがある。本発明における重合体は、当該
(メタ)アクリレートに加え、その他単量体を共重合し
たものであっても良い。その他単量体としては、スチレ
ン、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、グリシジ
ルメタクリレート、N−メチロールアクリルアミド及び
炭素数1〜3のアルキル(メタ)クリレート等が挙げら
れる。又、塗膜(1)に難燃性を付与するために、塩化
ビニリデンを構成単量体として使用することもできる。
【0009】重合体の形態としては、安全性に優れ、一
液型であるために施工性に優れ、得られた塗膜がベタツ
キもなく、耐水性、耐薬品性、耐紫外線性及び耐オゾン
性が良好である点で重合体の水性エマルションが好まし
い。尚、エマルション中の重合体の割合は、30〜70
重量%であることが好ましい。
【0010】又、得られる塗膜を強靭にし、又塗膜表面
の粘着性の低減、施工性を向上させるために、組成物に
充填材を配合することもできる。充填材の配合量は、重
合体100重量部に対して、充填材を300重量部以
下、好ましくは100重量部程度配合することが好まし
い。充填材の配合量が300重量部を超えると、塗膜の
接着性、伸び及び防水機能を損なう場合がある。充填材
の具体例としては、硅砂、タルク、炭酸カルシウム、カ
オリン、石膏、珪藻土、酸化チタン、並びに各種ポルト
ランドセメント、高炉セメント及びアルミナセメント等
のセメント類の一種又は2種以上が用いられる。尚、充
填材としてセメントを配合する場合、その配合量は、重
合体100重量部に対して、30重量部程度までが好ま
しい。又、必要に応じて、重合体100重量部に対して
5重量部程度までの界面活性剤、粘度安定剤等を配合す
ることができる。
【0011】又、塗膜に難燃性を付与するため、塩化ビ
ニリデンの重合体又は/及び塩化ビニリデンの共重合体
を配合したり、トリアジン環を有する化合物を配合する
こともできる。
【0012】さらに、本発明においては、組成物に消泡
剤を配合することが、得られる塗膜をピンホール及び泡
のない良好な塗膜とすることができるため好ましい。消
泡剤の配合割合は、組成物100重量部に対して、消泡
剤を0.1〜1重量部であることが好ましく、より好ま
しくは0.3重量部程度である。消泡剤の具体例として
は、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル等が挙げられ
る。
【0013】本発明の塗膜(1)は、遮塩性が10-2
10-4mg/cm2 ・日、20℃における伸び率が50
〜200%、水蒸気透過性が5g/m2 ・日以上である
ことが必要である。遮塩性が、10-2mg/cm2 ・日
を上回ると、飛来塩分に対する遮断効果が不十分とな
り、長期的な防錆効果に欠け、又10-4mg/cm2
日を下回るとこれに対応した効果を得ることができな
い。伸び率が50%を下回ると、コンクリートのひび割
れに対する追従性できず、水、酸素、二酸化炭素及び飛
来塩分を遮断することができず、又2000%を越える
と、摩耗及び衝撃等に弱くなり、塗膜の耐久性が不十分
なものとなる。水蒸気透過性が5g/m2 ・日を下回る
と、コンクリート内部の水分を放出しにくいためにコン
クリート内部を乾燥状態にすることができず、アルカリ
骨材反応及び塩害を誘発させたり、水分により塗膜が膨
張してしまうことがある。
【0014】本発明における塗膜(1)の形成膜厚は1
00〜5000μmの範囲内となるように施工する必要
がある。形成膜厚が100μmを下回る場合にはコンク
リートのひび割れに対する追従性に欠け、なおかつ環境
遮断性に劣るものとなり、又形成膜厚が5000μを上
回ると、水蒸気透過性が小さくなり、コンクリート内部
を乾燥状態にすることができず、アルカリ骨材反応及び
塩害を誘発させたり、又塗膜が膨れ易くなってしまう。
【0015】○上塗材用シーラー塗膜(2) 本発明では前記(1)の塗膜上に、エポキシ樹脂から形
成された膜厚10〜200μmの上塗用シーラー塗膜
(2)を形成する。これにより塗膜(1)と下記する塗
膜(3)との密着性を向上させることができる。形成膜
厚が10μmを下回ると、塗膜(3)との十分な付着効
果が期待できず、他方200μmを上回ると、コンクリ
ート内部の水分を放出しにくいためにコンクリート内部
を乾燥状態にできず、アルカリ骨材反応及び塩害を誘発
させたり、塗膜が膨れやすくなってしまう。
【0016】エポキシ樹脂としては、種々のものが使用
でき、例えばビスフェノールA又はそのアルキレンオキ
サイド付加物とエピクロルヒドリンとの反応により得ら
れるエポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA又はその
アルキレンオキサイド付加物とエピクロルヒドリンとの
反応により得られるエポキシ樹脂、フェノールノボラッ
ク型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂等を挙げることができる。ここで、アルキレンオキ
サイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオ
キサイド等を挙げることができる。この他にも「基礎合
成樹脂の化学(新版)」(三羽忠広著、技報堂発行)第
372頁〜第379頁記載のグリシジル型エポキシ樹
脂、同書第388頁〜第391頁記載の非グリシジル型
エポキシ樹脂が挙げられる。好ましくはグリシジル型エ
ポキシ樹脂である。塗膜(2)を形成する上塗材用シー
ラーとしては、水性のものが安全性に優れるため好まし
く、エポキシ樹脂の水性エマルションが施工性に優れる
点でより好ましい。
【0017】○上塗材塗膜(3) 本発明では、前記塗膜(2)上に、美観を向上させる目
的及び塗膜(1)及び塗膜(2)の保護を目的として、
20℃における伸び率が50〜500%、膜厚50〜3
00μmを有する上塗材塗膜(3)を形成する。上塗材
塗膜(3)の20℃における伸び率が50%を下回る
と、塗膜(1)のひび割れ追従性を低下させたり、塗膜
(1)の柔軟性に追従できずに上塗材塗膜(3)自体が
割れることあり、他方500%を上回ると、外部からの
汚染を受けやすくなって、美観上好ましくない。又、上
塗材塗膜(3)の形成膜厚が50μmを下回ると、隠ぺ
い性不良となり、外観上好ましくなく、他方300μm
を上回ると、コンクリート内部の水分を放出しにくいた
めにコンクリート内部を乾燥状態にできず、アルカリ骨
材反応及び塩害を誘発させたり、塗膜が膨れ易くなって
しまう。上塗材塗膜(3)を形成する上塗材としては、
当該物性を満たす塗膜を形成できるものであれば、種々
のものが使用可能であり、アクリル系樹脂塗料、アクリ
ルウレタン系塗料、アクリルシリコン系塗料、フッ素樹
脂塗料及びエポキシ樹脂塗料等が挙げられる。
【0018】○施工方法 以下、本発明の施工方法について説明する。まず、硬化
コンクリート表面には、下地調整の目的で、必要に応じ
て下塗材を施工することが好ましい。下塗材としては溶
剤タイプのエポキシ樹脂溶剤溶液、又はエポキシ樹脂エ
マルション及びその他一般のエマルション、又は粘着剤
等がある。この場合、下塗材は通常の方法で施工するこ
とができ、例えば劣化防止すべきコンクリート構造物表
面に、刷毛又はローラー等により塗布したり、又ばスプ
レーガン等で吹き付ける一般的な方法により塗布し、塗
膜を形成させる。
【0019】次に、下塗材塗膜の表面に上記塗膜(1)
を形成する。この場合、塗膜(1)を形成する組成物の
施行方法としては、下塗材と同様の施工方法により行え
ば良く、優れたひび割れ追従性を付与するために、膜厚
への配慮を行う必要がある。塗膜(1)を形成する組成
物の粘度としては、施工方法に応じて異なるが、300
cps以上(B型粘度計、12回転、ローターNo.
4、20℃)であることが施工性に優れているため好ま
しく、より好ましくは1000〜50000cpsであ
る。粘度が300cpsより小さいと、一度に厚塗りす
ることが難しくなることがあり、又高粘度過ぎる場合
は、施工性に難点が生じることがある。
【0020】次に塗膜(1)の表面に塗膜(2)を形成
する上塗用シーラーを施工し、さらに、塗膜(2)の表
面に塗膜(3)を形成する上塗材を施工する。上塗用シ
ーラー及び上塗材の施工方法としては、前記下塗材と同
様の施工方法により行えば良い。
【0021】本発明の工法は、土木・建築における種々
のコンクリート構造物に適用可能である。又、本発明の
工法は、既に塩害やアルカリ骨材反応により、劣化を受
けたもしくは劣化のおそれのあるコンクリート構造物に
も適用可能である。
【0022】
【作用】本発明の工法は、塗膜(1)及び上塗り材塗膜
(3)がひび割れ追従性の優れる塗膜であるため、コン
クリートにクラックが発生した場合もこれに追従できる
ことが可能となり、劣化要因の侵入を長期に亘り防止す
る。又、塗膜(1)が水蒸気透過性に優れた塗膜である
ことにより、コンクリート内部を乾燥状態に導き、さら
に遮塩性にも優れているため、アルカリ骨材反応、塩
害、及び膨れの発生を防止する。又、塗膜(1)と上塗
り材塗膜(3)との間に、上塗用シーラー塗膜(2)を
形成させているので、下ひび割れ追従性及び水蒸気透過
性の性能を低下させることなく、塗膜(1)と上塗り材
塗膜(3)との付着性を向上させることができる。
【0023】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を具
体的に説明する。尚、以下に示す「部」及び「%」は、
いずれも重量基準である。 ○評価方法 各実施例及び比較例の施工方法で得られた塗膜を、以下
の方法に従い評価した。 (1)ひび割れ追従性試験 日本道路公団「維持修繕要領・橋梁編 塗装材料の規格
適合試験」ひび割れ追従性試験に準拠して実施した。
【0024】(2)遮塩性 日本道路公団「維持修繕要領・橋梁編 塗装材料の規格
適合試験」しゃ塩性試験に準拠して実施した。
【0025】(3)水蒸気透過性 JIS Z0208「防湿包装材料の透湿度試験方法」
に準拠して実施した。
【0026】(4)付着性 日本道路公団「維持修繕要領・橋梁編 塗装材料の規格
適合試験」コンクリートの付着性試験に準拠して実施し
た。
【0027】○重合体の製造 塗膜(1)を形成するための組成物を、次の様に製造し
た。表1に示す単量体を使用し、界面活性剤を使用して
水性媒体中に当該単量体を分散させた後加熱し、これに
ラジカル重合開始剤を滴下して、重合反応を行った。得
られた重合体エマルションに、表1に示す配合物を撹拌
下に添加混合し、組成物を得た。
【0028】
【表1】
【0029】○実施例1〜4 コンクリート板に表2に示す下塗り材を塗布し、乾燥し
て下塗り材塗膜を形成した後、これに表2に示す塗膜
(1)、塗膜(2)及び塗膜(3)を形成させ、積層施
工した。得られた塗膜の評価結果は表2に示す通りであ
り、本発明の施工方法では、塗膜のひび割れ追従性が大
きく、遮塩性及び水蒸気透過性に優れ、更に付着性にも
優れていることがわかる。又、塗膜(1)の組成物に消
泡剤を添加した実施例2の場合には、表面にピンホール
もなく、平滑な表面が得られた。
【0030】
【表2】
【0031】*1:エポキシ樹脂溶剤型塗料〔アロンブル
コートP−300、東亞合成(株)製〕を使用して形
成。 *2:ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル *3:エポキシ樹脂水性エマルション型塗料〔アロンブル
コートT−300P、東亞合成(株)製〕を使用して形
成。 *4:アクリルウレタン樹脂溶剤型塗料〔アロンブルコー
トT−300、東亞合成(株)製〕を使用して形成。
【0032】○比較例1〜6 コンクリート板に表3に示す下塗り材を塗布し、乾燥し
下塗り材塗膜を形成した後、これに表3に従い積層施工
した。得られた塗膜の評価結果を表3に示す。比較例1
は、塗膜(2)を形成しない場合であり、遮塩性及び付
着性に劣っている。比較例2は、伸び率が50%を下回
る塗膜(1)を形成した場合であり、ひび割れ追従性及
び遮塩性に劣っている。比較例3は、伸び率が2000
%を越える塗膜(1)を形成した場合であり、水蒸気透
過性及び付着性に劣っている。比較例4及び同5は、そ
れぞれ硬質エポキシ樹脂塗料及び柔軟性エポキシ樹脂塗
料を使用して塗膜(1)を形成し、塗膜(2)を形成し
ない場合であり、いずれの場合もひび割れ追従性及び水
蒸気透過性に劣っている。比較例6は、塗膜(1)の膜
厚が80μmの場合であり、ひび割れ追従性及び遮塩性
に劣っている。
【0033】
【表3】
【0034】*1:エポキシ樹脂溶剤型塗料〔アロンブル
コートP−300、東亞合成(株)製〕を使用して形
成。 *2:硬質エポキシ樹脂溶剤型塗料〔ガードクリート#1
00中塗、(株)トウペ製〕を使用して形成。 *3:柔軟性エポキシ樹脂溶剤型塗料〔ガードクリート#
750中塗、(株)トウペ製〕を使用して形成。 *4:ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル *5:エポキシ樹脂水性エマルション型塗料〔アロンブル
コートT−300P、東亞合成(株)製〕を使用して形
成。 *6:柔軟性アクリルウレタン樹脂溶剤型塗料〔アロンブ
ルコートT−300、東亞合成(株)製〕を使用して形
成。 *7:硬質ウレタン樹脂溶剤型塗料〔ガードクリート#1
00上塗り、(株)トウペ製〕を使用して形成。 *8:柔軟性ウレタン樹脂溶剤型塗料〔ガードクリート#
200上塗り、(株)トウペ製〕を使用して形成。 *9:ピンホールあり
【0035】
【発明の効果】本発明の工法によれば、形成される塗膜
が、コンクリート構造物中への劣化要因の侵入を遮断
し、かつコンクリート構造物内部の水分を速やかに外部
へ放出でき、コンクリート構造物の塩害、中性化及びア
ルカリ骨材反応を防止し、コンクリート構造物の亀裂に
対しても優れた追従性を有し、コンクリート構造物との
付着性にも優れるものであり、新設のコンクリート構造
物又は劣化したコンクリート構造物の劣化を防止するこ
とが可能となるのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 41/63 C04B 41/63

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンクリート構造物の表面に、下記(1)
    からなる塗膜を形成させ、その表面に下記(2)からな
    る上塗用シーラー塗膜を形成させ、さらに当該塗膜の表
    面に下記(3)からなる上塗材塗膜を形成させることを
    特徴とするコンクリート構造物の劣化防止工法。 (1)アルキル基の炭素数が4〜10であるアルキル
    (メタ)アクリレートを構成成分として50重量%以上
    含有する重合体からなる組成物から形成され、20℃に
    於ける伸び率が50〜2000%、遮塩性10-2〜10
    -4mg/cm2 ・日、水蒸気透過性5g/m2 ・日以
    上、膜厚100〜5000μを有する塗膜。 (2)エポキシ樹脂から形成された膜厚10〜200μ
    mを有する塗膜。 (3)20℃に於ける伸び率が50〜500%、膜厚5
    0〜300μmを有する塗膜。
  2. 【請求項2】塗膜(1)を形成する組成物がさらに消泡
    剤を含有する請求項1記載のコンクリート構造物の劣化
    防止工法。
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