JP2019131805A - 塗料組成物とこれを用いたコンクリート構造物の表面保護方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な成膜性及び塗膜物性を有すると共に透明な塗膜を形成することができる水性塗料組成物を提供する。【解決手段】コンクリート構造物の表面に透明な塗膜を形成する水性塗料組成物であって、カルボキシル基含有ビニル系共重合体の合成樹脂エマルション(a)と、架橋成分である水性エポキシ化合物(b)と、硬化触媒としてアミン安定化シリカゾル(c)とを含む。この水性塗料組成物からなる乾燥塗膜によって構造物の表面を保護し、コンクリート片の剥落を防止することができる。【選択図】なし

Description

本発明は、橋梁、トンネル、高架道路、建築物などのコンクリート構造物の表面を保護し、コンクリート片の剥落も防止できる水性塗料組成物と、これを用いて下地の状態が目視できるコンクリート構造物の表面保護方法に関する。
コンクリート構造物は、塩害、中性化、アルカリ骨材反応などで劣化することが知られている。劣化が進行すると、コンクリートの強度低下やコンクリート片の剥落が生じるため、その防止策が講じられている。その防止策としては、コンクリート構造物の表面を塗料組成物で被覆することが行われている(例えば下記特許文献1や特許文献2)。
従来、コンクリート構造物の表面を保護しコンクリート片の剥落を防止するために使用される塗料は、塗膜の強度や耐久性の点から、二液反応硬化型の溶剤系塗料が多く用いられてきた。また、トンネル内工事などの開けていない空間では、作業環境上の観点から無溶剤形の塗料が用いられる場合もあった。
これに対し、近年では作業環境上の観点と安全面から水性塗料組成物のニーズが高まっており、水性塗料組成物が開発されている。これまでの水性塗料組成物では、一般的にアクリル樹脂、エポキシ樹脂、又はウレタン樹脂が用いられている。
エポキシ樹脂やウレタン樹脂は塗膜の強靭性や付着性は優れるが、耐候性に劣る。そのため、太陽光や風雨などの外部環境に曝されるコンクリート構造物の表面保護用としては問題が大きい。また、エポキシ樹脂やウレタン樹脂を使用した塗膜は有色であり、透明な塗膜は形成し難い。
一方、アクリル樹脂は耐候性に優れるため、コンクリート構造物の表面保護用として好適である。しかし、塗膜の強靭性や基材との付着性に関しては、エポキシ樹脂やウレタン樹脂に劣る。そこで、アクリル樹脂中に反応性の架橋基を導入して、塗膜の物理特性を向上させる検討がなされているが、例えば5℃程度の低温時の成膜性を具備するものではなかった。アクリル樹脂を合成樹脂エマルションの状態で使用する場合には、300μm程度の厚塗り時に乾燥遅延や成膜不良により乾燥塗膜が白濁する問題もある。また、下記特許文献3や特許文献4では塗料組成物に硬化触媒を配合しているが、ここで使用している硬化触媒では、塗膜の透明性が損なわれる問題がある。
特開2006−1812号公報 特開2017−36357号公報 特開平10−251553号公報 特開平4−65421号公報
そこで、本発明は上記課題を解決するものであって、良好な成膜性及び塗膜物性を有すると共に、透明な塗膜を形成することにより、コンクリートの劣化状況が確認でき、補修必要箇所を容易に発見することが可能な塗料組成物と、これを用いたコンクリート構造物の表面保護方法を提供することを目的とする。
本発明は、コンクリート構造物の表面に水性塗料組成物を塗布して塗膜を形成することによって、コンクリート表面を保護しコンクリート片の剥落を防止するものである。この水性塗料組成物は、カルボキシル基含有ビニル系共重合体の合成樹脂エマルション(a)と、水性エポキシ化合物(b)と、硬化触媒としてアミン安定化シリカゾル(c)を含有する。
本発明の水性塗料組成物によれば、良好な成膜性及び塗膜物性、特に伸びと抗張力を有する塗膜を形成することができる。これにより、コンクリート構造物の表面を保護し、コンクリート片の剥落を防止することができる。さらに、形成される塗膜は透明である。したがって、保護塗膜を形成した状態でもコンクリートの劣化状況を目視で確認でき、補修が必要な箇所を容易に発見することができる。
下地視認性の評価基準(未塗装)を示す写真である。 下地視認性の評価基準(評価A)を示す写真である。 下地視認性の評価基準(評価B)を示す写真である。 下地視認性の評価基準(評価C)を示す写真である。 実施例11の見た目写真である。 実施例13の見た目写真である。
[水性塗料組成物]
(合成樹脂エマルション(a))
合成樹脂エマルション(a)は、水性塗料組成物の主成分(ベース成分)であって、乳化重合により得られるカルボキシル基含有ビニル系共重合体のエマルションであり、水系溶媒中にカルボキシル基含有ビニル系単量体と、カルボキシル基含有ビニル系単量体以外のビニル系単量体の共重合体を分散させたものである。
成分(a)を構成する共重合体としては、例えば、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリイソプレン、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド等を挙げることができ、これらのポリマーから選ばれる1種若しくは2種以上の混合物として用いることができる。好ましくは1種若しくは2種以上のスチレン−(メタ)アクリル共重合体、より好ましくは1種若しくは2種以上の(メタ)アクリル共重合体である。(メタ)アクリル共重合体のアクリルモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを挙げることができる。なかでも、好ましくはメチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートである。
成分(a)を構成する単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸などの一塩基酸類やフマル酸、マレイン酸、イタコン酸などの二塩基酸類を挙げることができる。中でも、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
これらの成分は、エマルション(a)中において固形分換算で20〜80質量%の範囲で含有されるのが好ましい。カルボキシル基含有単量体の含有量が少な過ぎると、架橋が不十分となるため得られる塗膜の抗張力が不足する。一方、カルボキシル基含有単量体の含有量が多過ぎると、得られる塗膜の耐水性が低下する傾向がある。より好ましくは、30〜70質量%であり、さらに好ましくは40〜60質量%の範囲である。
成分(a)のTg(ガラス転移温度)は−20〜50℃の範囲であることが好ましい。成分(a)のTgが低く過ぎると乾燥塗膜の抗張力が不足し、高過ぎると乾燥塗膜の伸び率が不足する傾向があるためである。より好ましくは−15〜30℃であり、さらに好ましくは−15〜10℃である。
成分(a)の酸価は、5〜50mgKOH/gの範囲であることが好ましい。成分(a)の酸価が低過ぎると耐水性が低下する傾向にあり、高過ぎるとポットライフが短くなる傾向にある。より好ましくは、10〜40mgKOH/g、さらに好ましくは10〜30mgKOH/gの範囲である。
(水性エポキシ化合物(b))
水性エポキシ化合物(b)は、成分(a)の架橋成分として使用されるものであり、高反応性と塗膜に高強度を与える点に特徴を有するものである。水性エポキシ化合物(b)としては、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有しているものであれば使用することができる。例えば、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレンジグリシジルエーテルなどのポリエポキシ化合物の他、ビスフェノールA型エポキシ樹脂エマルション、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂エマルションなどが挙げられる。これら(b)成分は、単独または二種類以上を併用して使用することができる。好ましくは、水溶性の(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレンジグリシジルエーテルであり、さらに好ましくは(ジ)エチレングリコールジグリシジルエーテルである。
成分(b)は、水性塗料組成物中に1.2〜1.8質量%含有することが好ましい。成分(b)の含有量が少な過ぎると、塗膜の成膜性や耐水性が低下する傾向がある。一方、成分(b)の含有量が多過ぎると、得られる塗膜の物性や透明性が低下する傾向がある。より好ましくは1.3〜1.7質量%、さらに好ましくは1.4〜1.6質量%である。
(硬化触媒(c))
本発明で使用する硬化触媒(c)としては、アミン安定化シリカゾルが挙げられる。アミン安定化シリカゾルとしては市販品を使用することができ、例えば、QAS−25(日産化学工業(株)製 固形分25%)、QAS−40(日産化学工業(株)製 固形分40%)などを挙げることができる。アミン安定化シリカゾルを硬化触媒として使用することにより、5℃程度の低温でも硬化反応が進行し、強靭な塗膜を得ることができる。換言すれば、アミン安定化シリカゾル以外を硬化触媒として用いても、本発明において求められる塗膜物性は得られない。
成分(c)は、水性塗料組成物中に1.0〜3.0質量%含有することが好ましい。成分(c)の含有量が少な過ぎても多すぎても、塗膜の成膜性や耐水性が低下する傾向がある。より好ましくは1.3〜2.8質量%、さらに好ましくは1.5〜2.6質量%である。
(任意成分)
また、本発明の水性塗料組成物に強化繊維(d)を配合すると、得られる塗膜の強度が向上する。強化繊維(d)としては、例えば、セルロース繊維、ポリビニルアルコール繊維、ナイロン(登録商標)繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維及びフッ素樹脂繊維から選ばれる一種または二種以上が挙げられる。中でも、ナイロン繊維が好ましい。具体的には、繊維長3.0〜7.0mm、繊度約7dtexのナイロン繊維である。
成分(d)も添加する場合は、水性塗料組成物へ5質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは4質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。なお、成分(d)は任意成分なので、含有量の下限は特に限定されない(0質量%以上)。
また、本発明の水性塗料組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、pH調整剤、消泡剤、増粘剤、造膜助剤などを添加することもできる。
[構造物の表面保護方法]
本発明の構造物の表面保護方法は、橋梁、トンネル、高架道路、建築物などの各種構造物の表面に上記水性塗料組成物を塗布し、乾燥途膜を形成する。特に、本発明の水性塗料組成物は、5℃程度の低温でも成膜性が良好である。これにより、構造物の表面を効果的に保護することができる。また、コンクリート製の構造物であれば、コンクリート片の剥落を防止することもできる。さらに、形成される塗膜は透明なので、保護塗膜を形成した状態でも構造物の劣化状況を目視で確認でき、補修が必要な箇所を容易に発見することができる。
特に、構造物がコンクリート製の場合は、水性塗料組成物に強化繊維(d)を混合することで、乾燥塗膜の抗張力をより向上させることができる。これにより、コンクリート片の剥落防止機能が向上する。さらに、コンクリート構造物の表面に予め繊維メッシュを配しておき、そのうえで、当該繊維メッシュの上から水性塗料組成物を塗布すると、コンクリート片の剥落防止機能がより向上する。なお、繊維メッシュとは、ガラス繊維、カーボン繊維、合成樹脂繊維などを網目状に編み込んだシートである。
コンクリート構造物の表面には、下塗り材や下地調整塗材が塗布されていてもよい。下塗り材としては、例えば水性二液型エポキシ樹脂系組成物が挙げられる。下地調整塗材としては、例えば樹脂モルタルが挙げられる。また、本発明の水性塗料組成物からなる塗膜を形成した後、クリヤー塗料を含む上塗り材を塗布することもできる。上塗り材としては、例えば水性アクリルシリコン系組成物を挙げることができる。
本発明の水性塗料組成物を塗布する際の塗装方法としては、スプレー塗装、ローラー塗装、バーコート、鏝塗り、ヘラ塗りなど挙げられ、特に制限されない。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明する。なお、特に断りのない限り、各単位は質量基準である。
<合成樹脂エマルションの組成>
各実施例及び各比較例に使用した合成樹脂エマルションのモノマー組成を表1に示す。表1に示す組成量は質量部である。
なお、表1に記載の材料名は、以下の通りである。
MMA:メチルメタクリレート
BA:ブチルアクリレート
BMA:ブチルメタクリレート
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
各実施例及び各比較例について、表2、3、4に示した各主剤(A液)及び各硬化剤(B液)を構成する含有量となるように、卓上撹拌機などで十分に混合して試料を調整した。
表2、3、4に示した各成分としては以下のものを用いた。
<水性エポキシ化合物(b)>
エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE):共栄社化学株式会社製「エポライト40E」 エポキシ当量125〜140(g/eq)
ジエチレングリコールジグリシジルエーテル(DEGDGE):共栄社化学株式会社製「エポライト100E」 エポキシ当量150〜163(g/eq)
<硬化触媒(c)>
アミン安定化シリカゾル:日産化学工業株式会社製「スノーテックスQAS25」(固形分25%)
アミン安定化シリカゾル:日産化学工業株式会社製「スノーテックスQAS40」(固形分40%)
シリカゾル:日産化学工業株式会社製「PC−500」
テトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB、一般試薬)
<強化繊維(d)>
ナイロンカットファイバー:「ナイロン6」繊維の繊度7、繊維長5mm
<添加剤>
pH調整剤:アンガスケミカル製「AMP−90」
消泡剤:ADEKA社製「アデカネートB−940」
増粘剤:ADEKA社製「アデカノールUH−756VF」
造膜助剤:イーストマンケミカル製「CS#12」
(実施例1、2、3)
該当する合成樹脂エマルションa−1(実施例1)、a−2(実施例2)、a−3(実施例3)を86部、硬化触媒としてQAS25を2.5部、水を8.4部、AMP−90を0.1部、アデカネートB−940を0.6部、アデカノールUH−756VFを0.4部を混合撹拌してA液を調整し、A液中へB液(エチレングリコールジグリシジルエーテルが1.5部とCS#12が0.5部の混合物)を投入し、卓上撹拌機にて1000rpmで1分間、混合撹拌して塗料組成物を調整した。
(実施例4)
合成樹脂エマルションa−1を86部、硬化触媒としてQAS25を2.5部、水を8.4部、AMP−90を0.1部、アデカネートB−940を0.6部、アデカノールUH−756VFを0.4部を混合撹拌してA液を調整し、A液中へB液(ジエチレングリコールジグリシジルエーテルが1.5部とCS#12が0.5部の混合物)を投入し、卓上撹拌機にて1000rpmで1分間、混合撹拌して塗料組成物を調整した。
(実施例5)
合成樹脂エマルションa−3を86.7部、硬化触媒としてQAS40を1.6部、水を8.6部、AMP−90を0.1部、アデカネートB−940を0.6部、アデカノールUH−756VFを0.4部を混合撹拌してA液を調整し、A液中へB液(エチレングリコールジグリシジルエーテルが1.5部とCS#12が0.5部の混合物)を投入し、卓上撹拌機にて1000rpmで1分間、混合撹拌して塗料組成物を調整した。
(実施例6、7、9)
該当する合成樹脂エマルションa−1(実施例6)、a−2(実施例7)、a−3(実施例9)を84.7部、硬化触媒としてQAS25を2.5部、ナイロンカットファイバーを1.5部、水を8.2部、AMP−90を0.1部、アデカネートB−940を0.6部、アデカノールUH−756VFを0.4部を混合撹拌してA液を調整し、A液中へB液(エチレングリコールジグリシジルエーテルが1.5部とCS#12が0.5部の混合物)を投入し、卓上撹拌機にて1000rpmで1分間、混合撹拌して塗料組成物を調整した。
(実施例8、10)
該当する合成樹脂エマルションa−3を実施例8は85.5部、実施例10は83.3部、硬化触媒としてQAS25を2.5部、ナイロンカットファイバーを実施例8は0.5部、実施例10は3.0部、水を実施例8は8.4部、実施例10は8.1部、AMP−90を0.1部、アデカネートB−940を0.6部、アデカノールUH−756VFを0.4部を混合撹拌してA液を調整し、A液中へB液(エチレングリコールジグリシジルエーテルが1.5部とCS#12が0.5部の混合物)を投入し、卓上撹拌機にて1000rpmで1分間、混合撹拌して塗料組成物を調整した。
(比較例1)
合成樹脂エマルションa−1を86部、硬化触媒としてQAS25を2.5部、ナイロンカットファイバーを1.5部、水を8.4部、AMP−90を0.1部、アデカネートB−940を0.6部、アデカノールUH−756VFを0.4部を混合撹拌してA液を調整し、A液中へB液(エチレングリコールジグリシジルエーテルが未添加とCS#12が0.5部の混合物)を投入し、卓上撹拌機にて1000rpmで1分間、混合撹拌して塗料組成物を調整した。
(比較例2)
合成樹脂エマルションa−1を86.0部、硬化触媒としてPC−500(日産化学工業(株)製 固形分20%)を2.5部、水を8.4部、AMP−90を0.1部、アデカネートB−940を0.6部、アデカノールUH−756VFを0.4部を混合撹拌してA液を調整し、A液中へB液(エチレングリコールジグリシジルエーテルが1.5部とCS#12が0.5部の混合物)を投入し、卓上撹拌機にて1000rpmで1分間、混合撹拌して塗料組成物を調整した。
(比較例3)
合成樹脂エマルションa−1を86.0部、硬化触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB:一般試薬 有効成分100%)を2.5部、水を8.6部、AMP−90を0.1部、アデカネートB−940を0.6部、アデカノールUH−756VFを0.4部を混合撹拌してA液を調整し、A液中へB液(エチレングリコールジグリシジルエーテルが1.5部とCS#12が0.5部の混合物)を投入し、卓上撹拌機にて1000rpmで1分間、混合撹拌して塗料組成物を調整した。
<評価>
各実施例、比較例にて調整した塗料組成物を調整後、4時間以内にポリプロピレン板上に乾燥膜厚が約1mmとなる様にヘラで気泡が入らない様に平らに塗布し、23℃、湿度55%環境下で7日間乾燥した。乾燥後に成膜性を下記基準で評価すると共に、得られた乾燥塗膜をJIS K 6251に準じ2号ダンベル形状に切断して試験片とした。引張試験機を使用し、23℃、湿度55%の条件下で、引張速度約200mm/minにて、抗張力(N/mm2)及び伸び率(%)を測定する。これらの結果を表2〜表4に示す。
(成膜性)
養生時間後に得られた塗膜の外観を目視により以下の様に評価した。
◎:しわ、亀裂、濁りなど外観異常なし
○:しわ、亀裂なく、僅かに濁りがある程度
その他:記載通りで実用範囲外
(下地視認性)
各実施例、比較例にて調整した塗料組成物を調整後4時間以内に図1のアクリル樹脂製クラックスケールに乾燥膜厚が約1mmとなる様にヘラで気泡が入らない様に平らに塗布し、23℃、湿度55%環境下で7日間乾燥した。
得られた塗膜の外観を目視により以下の様に評価した。なお、Bまでは実用範囲内とした。
A:クラックスケール0.05mmの線が試験体との距離50cmで目視により認識できる状態(図2)
B:クラックスケール0.5mmの線が試験体との距離50cmで目視により認識できる状態(図3)
C:クラックスケールの線が試験体との距離50cmで目視しにくい状態(図4)
(耐水白化)
フレキシブル板(JIS A 5430に規定するもの。厚さ4mm)にスズカファイン株式会社製 水系特殊ウレタン変性シーラーを0.1kg/m塗布し、23℃、湿度55%環境下で4時間乾燥して基材とした。得られた基材上に各実施例、比較例にて調整した塗料組成物を調整後4時間以内に乾燥膜厚が約1mmとなる様に、又、ヘラで気泡が入らない様に平らに塗布し、23℃、湿度55%環境下で18時間(低温の場合:5℃環境下で72時間)乾燥して試験片とした。
得られた試験片を23℃環境下、水道水に48時間浸漬し、塗膜の外観を目視により以下の様に評価した。
◎:外観変化なし
○:僅かに白濁するが下地のフレキシブル板が目視できる状態
その他:記載通りで実用範囲外
本発明の水性塗料組成物は、実施例1〜10で示されているように優れた架橋反応性及び塗膜性能を有していた。一方、比較例1〜3に示されるように、本発明が規定する条件を満たさない場合は架橋反応性及び塗膜性能を満たさなかった。
(実施例11)
JIS A 5372に規定するU字溝ふたに下塗り材としてスズカファイン株式会社製「水性カチオン型エポキシ樹脂系下塗り材」を0.15kg/m塗布し、23℃湿度55%環境下で1時間乾燥した後に実施例3の塗料組成物を金ゴテで0.5kg/m塗布し、直ちにガラスメッシュを貼付し、更に実施例3の塗料組成物を0.5kg/m塗布した。23℃湿度55%環境下で7日間乾燥した後にNEXCO試験方法734−2011(トンネル関係試験方法)に準じた試験により押し抜き最大荷重を測定した結果、1.71kNであった。
(実施例12)
JIS A 5372に規定するU字溝ふたに下塗り材としてスズカファイン株式会社製「水性2液形エポキシ樹脂系下塗り材」を0.2kg/m塗布し、23℃湿度55%環境下で4時間乾燥した後に実施例9の塗料組成物を金ゴテで1.0kg/m×2回(塗装間隔2時間)塗布した。23℃湿度55%環境下で7日間乾燥した後に建研式接着力試験器により40×40mm部分の付着力を測定した結果、2.3N/mであった。
(実施例13)
実施例11の工程で塗装した積層塗膜上に水性アクリルシリコン系の上塗り材としてスズカファイン株式会社製「水系有機無機ハイブリッドクリヤー」を0.1kg/m塗布し、23℃湿度55%環境下で7日間乾燥した。乾燥後50℃98%RH条件下で28日間耐湿度性試験を行った結果、上塗り材を塗布してない実施例11(図5)と比べて、塗膜の白化が図6の状態まで軽減された。

Claims (6)

  1. コンクリート構造物の表面に透明な塗膜を形成する水性塗料組成物であって、
    カルボキシル基含有ビニル系共重合体の合成樹脂エマルション(a)と、架橋成分である水性エポキシ化合物(b)と、硬化触媒としてアミン安定化シリカゾル(c)とを含む、水性塗料組成物。
  2. 請求項1に記載の塗料組成物をコンクリート構造物の表面に塗布し塗膜を形成する、コンクリート構造物の表面保護方法。
  3. 前記塗料組成物に強化繊維(d)を配合した、請求項2に記載のコンクリート構造物の表面保護方法。
  4. コンクリート構造物の表面に繊維メッシュを配し、前記塗料組成物を前記繊維メッシュの上から塗布する、請求項2または請求項3に記載のコンクリート構造物の表面保護方法。
  5. 前記塗料組成物を塗布する前に、下塗り材として水性二液型エポキシ樹脂系組成物を塗布する、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載のコンクリート構造物の表面保護方法。
  6. 前記塗料組成物からなる塗膜を形成した後に、上塗り材として水性アクリルシリコン系組成物を塗布する、請求項2ないし請求項5のいずれかに記載のコンクリート構造物の表面保護方法。

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